特許第5966755号(P5966755)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966755
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】コンベヤベルトの接合方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/30 20060101AFI20160728BHJP
   B65G 15/36 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B65G15/30 A
   B65G15/36
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-178973(P2012-178973)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-37281(P2014-37281A)
(43)【公開日】2014年2月27日
【審査請求日】2014年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一
(74)【代理人】
【識別番号】100066854
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 賢照
(74)【代理人】
【識別番号】100117938
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 謙二
(74)【代理人】
【識別番号】100138287
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 功
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100068685
【弁理士】
【氏名又は名称】斎下 和彦
(72)【発明者】
【氏名】侯 剛
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−345231(JP,A)
【文献】 実開昭59−153912(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/30−15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のスチールコードを横並びして形成されて、クッションゴムにより被覆されている芯体層を有するコンベヤベルトの接合方法において、ベルト本体の長さ方向の少なくとも一方端部を、前記芯体層を被覆するクッションゴムが予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上にカバーゴムを積層した状態でベルト本体を加硫成型しておき、前記剥離部材として前記ベルト本体を構成する部材に接着せず、かつ、加硫時に溶着しない耐熱性の部材であって、ゴムシートではない離型シートまたはポリエチレンシートを使用し、前記剥離部材は前記カバーゴムの両表面から突出することなく前記クッションゴムの両表面に沿って前記ベルト本体に埋設された状態にして、このベルト本体の長さ方向端部を接合する際に、前記剥離部材を引き剥がすことにより、この剥離部材の両表面上に積層したカバーゴムを除去し、かつ、前記芯体層を覆っている前記クッションゴムを除去して、この剥離部材でカバーされていた前記芯体層を露出させ、この露出させた芯体層のスチールコードを幅方向に一本おきに所定長さ切断し、切断したスチールコードの間に、接合相手となる他方の芯体層のスチールコードを入り込ませて、このスチールコードを入り込ませた部分の上に新たなクッションゴムおよびカバーゴムを積層した後、加硫して芯体層どうしを接合することを特徴とするコンベヤベルトの接合方法。
【請求項2】
前記ベルト本体の長さ方向の一方端部のみで前記芯体層を被覆する前記クッションゴムを予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を前記剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上に前記カバーゴムを積層した状態で前記ベルト本体を加硫成型しておく請求項1に記載のコンベヤベルトの接合方法。
【請求項3】
前記ベルト本体の長さ方向の両端部の前記芯体層を被覆する前記クッションゴムを予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を前記剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上に前記カバーゴムを積層した状態で前記ベルト本体を加硫成型しておく請求項1に記載のコンベヤベルトの接合方法。
【請求項4】
予め露出するように形成する前記芯体層を被覆する前記クッションゴムの長さを0.5m〜3.0mに設定する請求項1〜3のいずれかに記載のコンベヤベルトの接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数本のスチールコードを横並びに配列して形成された芯体層を有するコンベヤベルトの接合方法に関し、さらに詳しくは、コンベヤベルトの長さ方向端部の接合作業時間の短縮および接合部の品質向上を図ることができるコンベヤベルトの接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スチールコードにより形成された芯体層を有するコンベヤベルトは、ベルトコンベヤ装置の前後部に設置された駆動ローラと従動ローラとの間に張設される。そして、駆動ローラと従動ローラとの間に配置された複数のガイドローラにより支持される。一定期間使用した後や使用中に損傷した場合には、コンベヤベルト全体の交換作業や、損傷した部分を切除し、そのベルト本体の長さ方向端部に新たなコンベヤベルトを接合する補修作業が行われていた(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このようなコンベヤベルトの交換作業や補修作業は、専らベルトコンベヤの使用現場で行われていた。例えば、複数本のスチールコードを横並びに配列して形成された芯体を有するコンベヤベルトの長さ方向端部を接合させるには以下(1)〜(5)の作業工程がある。
(1)ベルト本体の長さ方向端部の芯体の切り出し工程。
(2)切り出した芯体の表面仕上げ部分のバフ工程。
(3)接着剤としてのセメンティング工程
(4)ベルト本体の長さ方向端部の成型工程(カバーゴムシート+クッションゴムシート+充填ゴム+クッションゴムシート+カバーゴムシートの成型工程)。
(5)成型したベルト本体部の長さ方向端部どうしを積層し、積層した部分を加硫装置により加熱、加圧しながら加硫接着させて接合する工程。
【0004】
上記の従来の作業工程では、ベルト本体の長さ方向端部のスチールコードを一本ずつ切り出す面倒な作業を行なう。コンベヤベルトの使用現場では、作業スペースや加工設備の点で制約もあるため、スチールコードの切り出し作業には特に多大な時間を要するという問題があった。
【0005】
また、このスチールコードの切り出し作業は、カバーゴムが厚い程、時間を要する。そのため、作業中に接合部にゴミや水分が混入することにより接合強度が低下する等、コンベヤベルトの接合部の品質に対する悪影響が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−130220号公報
【特許文献2】特表2002−539383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、コンベヤベルトの長さ方向端部の接合作業時間の短縮および接合部の品質向上を図ることができる複数本のスチールコードを横並びして形成された芯体層を有するコンベヤベルトの接合方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のコンベヤベルトの接合方法は、複数本のスチールコードを横並びして形成されて、クッションゴムにより被覆されている芯体層を有するコンベヤベルトの接合方法において、ベルト本体の長さ方向の少なくとも一方端部を、前記芯体層を被覆するクッションゴムが予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上にカバーゴムを積層した状態でベルト本体を加硫成型しておき、前記剥離部材として前記ベルト本体を構成する部材に接着せず、かつ、加硫時に溶着しない耐熱性の部材であって、ゴムシートではない離型シートまたはポリエチレンシートを使用し、前記剥離部材は前記カバーゴムの両表面から突出することなく前記クッションゴムの両表面に沿って前記ベルト本体に埋設された状態にして、このベルト本体の長さ方向端部を接合する際に、前記剥離部材を引き剥がすことにより、この剥離部材の両表面上に積層したカバーゴムを除去し、かつ、前記芯体層を覆っている前記クッションゴムを除去して、この剥離部材でカバーされていた前記芯体層を露出させ、この露出させた芯体層のスチールコードを幅方向に一本おきに所定長さ切断し、切断したスチールコードの間に、接合相手となる他方の芯体層のスチールコードを入り込ませて、このスチールコードを入り込ませた部分の上に新たなクッションゴムおよびカバーゴムを積層した後、加硫して芯体層どうしを接合することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記ベルト本体の長さ方向の一方端部のみで前記芯体層を被覆する前記クッションゴムを予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を前記剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上に前記カバーゴムを積層した状態で前記ベルト本体を加硫成型しておくこともできる。或いは、前記ベルト本体の長さ方向の両端部の前記芯体層を被覆する前記クッションゴムを予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を前記剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上に前記カバーゴムを積層した状態で前記ベルト本体を加硫成型しておくこともできる。予め露出するように形成する前記芯体層を被覆する前記クッションゴムの長さは0.5m〜3.0mに設定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ベルト本体の長さ方向の少なくとも一方端部を、前記芯体層を被覆するクッションゴムが予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴムの両表面上を剥離部材でカバーし、この剥離部材の両表面上にカバーゴムを積層した状態でベルト本体を加硫成型しておくので、コンベヤベルトの使用現場ではなく、ベルト製造工場等において必要なコンベヤベルト(ベルト本体)を予め用意することができる。そして、このベルト本体の長さ方向端部を接合する際に、前記剥離部材を引き剥がすことにより、この剥離部材の両表面上に積層したカバーゴムを除去し、かつ、前記芯体層を覆っている前記クッションゴムを除去して、この剥離部材でカバーされていた前記芯体層を露出させ、この露出させた芯体層のスチールコードを幅方向に一本おきに所定長さ切断し、切断したスチールコードの間に、接合相手となる他方の芯体層のスチールコードを入り込ませて、このスチールコードを入り込ませた部分の上に新たなクッションゴムおよびカバーゴムを積層した後、加硫して芯体層どうしを接合する。それ故、コンベヤベルトの使用現場にて行なう面倒なスチールコードの切り出し作業を軽減できる。
【0011】
したがって、従来方法に比して、コンベヤベルトの長さ方向端部の接合作業時間を大幅に短縮すること可能になる。また、接合作業時間の短縮に伴って、作業中に接合部にゴミや水分が混入する危険性が低減する。また、バフ工程等が簡略化できるので接合部の品質向上を図るには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ベルトコンベヤ装置の概略構成図である。
図2】本発明を用いて加工するベルト本体の長さ方向端部を例示する説明図である。
図3】ベルトコンベヤ装置に引き込む前のベルト本体を例示する説明図である。
図4】ベルトコンベヤ装置に引き込んだ後にベルト本体の長さ方向端部の芯体層を露出させる工程を例示する説明図である。
図5】芯体層を露出させたベルト本体の長さ方向端部を平面視で例示する説明図である。
図6】露出させた芯体層どうしを接合する工程を例示する説明図である。
図7】ベルト本体の長さ方向の一方端部の芯体層のみを予め露出するように形成した場合の接合工程を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のコンベヤベルトの接合方法を図面に示した実施形態に基づいて説明する。
【0014】
図1に例示するように、コンベヤベルト(ベルト本体1)は、ベルトコンベヤ装置の前後部に設置された駆動ローラ4Aと従動ローラ4Bとの間に張設される。ベルト本体1は、駆動ローラ4Aおよび従動ローラ4Bと、駆動ローラ4Aと従動ローラ4Bとの間に配置された複数のガイドローラ4Cとに掛け回される。
【0015】
図2に例示するように、本発明が対象にするコンベヤベルト(ベルト本体1)は、複数本のスチールコード1bを横並びに配列して形成された芯体層1aを有するコンベヤベルトである。
【0016】
本発明では図3に例示するように、ベルト本体1の長さ方向の少なくとも一方端部1Aの芯体層1a(芯体層1aを被覆するクッションゴム2)を予め露出するように形成しておく。予め露出するように形成する芯体層1a(芯体層1aを被覆するクッションゴム2)の長さLは、0.5m〜3.0mに設定するのが好ましい。その理由は、JIS K6369−2007のスチールコードコンベヤベルトに規定されたベルトの強力の呼びに基づき、エンドレス接合部の接着性を確保するためである。
【0017】
次いで、この露出するように形成した芯体層1aの両表面上を剥離部材5でカバーし、この剥離部材5の上に、未加硫ゴムであるカバーゴム3a、3bを積層した状態にする。尚、スチールコード1bはクッションゴム2により被覆されているので、この実施形態ではクッションゴム2の両表面上を剥離部材5でカバーしている。この状態のベルト本体1を加硫装置等により予め加硫成型しておく。
【0018】
剥離部材5としては、ベルト本体1を構成する部材に接着せず、かつ加硫時に融着しない耐熱性のシート状、テープ状またはフィルム状の部材から選ばれた一つを使用する。具体的に剥離部材5としては、ゴムシートではない離型シート、ポリエチレンシート等を用いる。
【0019】
そして、図4に例示するように、コンベヤベルトの使用現場において、ベルト本体1をベルトコンベヤ装置に引き込んでセッティングする。次いで、ベルト本体1に埋設された剥離部材5をベルト本体1から引き剥がす。これにより、剥離部材5の上に積層したカバーゴム3a、3bを容易に除去することができる。これに伴って、剥離部材5でカバーされていた芯体層1aの両表面を露出させる。芯体層1aを覆うクッションゴム2は適宜除去する。
【0020】
次いで、図5に例示するように、露出させた芯体層1aのスチールコード1bをベルト幅方向に一本おきに所定長さ(前述したL程度の長さ)切断する。図6に例示するように、接合相手となる他方の芯体層1aも、一方の芯体層1aと同様に露出させ、スチールコード1bをベルト幅方向に一本おきに所定長さ切断する。
【0021】
そして、一方の芯体層1aの切断したスチールコード1bの間に、他方の芯体層1aの切断したスチールコード1bの間にあるスチールコード1bを入り込ませる。このスチールコード1bどうしを入り込ませた部分の上には、接着剤Q等を塗布してクッションゴム2およびカバーゴム3a、3bを積層する。次いで、クッションゴム2およびカバーゴム3a、3bを積層した部分を加硫用の金型に挟み込み、一定時間一定温度で加熱、加圧することで加硫接着により芯体層1a(ベルト本体1の長さ方向端部1A)どうしを接合する。
【0022】
上記のように本発明によれば、ベルト本体1の長さ方向端部1Aの芯体層1aを被覆するクッションゴム2を予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴム2の上を剥離部材5でカバーし、この剥離部材5の上にカバーゴム3a、3bを積層した状態でベルト本体1を加硫成型しておくので、ベルト製造工場等においてコンベヤベルト(ベルト本体1)を予め用意することができる。そして、このベルト本体1の長さ方向端部1Aを接合する際に、剥離部材5を引き剥がすことにより、剥離部材5の上に積層したカバーゴム3a、3bを除去することができる。これにより、剥離部材3a、3bでカバーされていた芯体層1aを容易に露出させることができる。そして、この露出させた芯体層1aのスチールコード1bをベルト幅方向に一本おきに所定長さ切断するので、従来のようにスペースや加工設備に制約があるコンベヤベルトの使用現場にて行なう面倒なスチールコード1bの切り出し作業を軽減させることができる。したがって、従来方法に比して、コンベヤベルトの長さ方向端部1Aの接合作業時間を大幅に短縮すること可能になる。また、接合作業時間の短縮に伴って、作業中に接合部にゴミや水分が混入する危険性が低減する。また、バフ工程等が簡略化できるので接合部の品質向上を図るには有利になる。
【0023】
ベルトコンベヤ装置の機長が短く、コンベヤベルト(ベルト本体1)の全長が短い場合には、予めエンドレス状のベルト本体1の周長を正確に把握することができる。また、駆動ローラ4Aや従動ローラ4Bを長手方向に移動させて長さを調整するテークアップ機構がある。
【0024】
そのため、このような場合には、この実施形態のように、ベルト本体1の長さ方向の両端部1Aの芯体層1aを被覆するクッションゴム2を予め露出するように形成しておき、この露出するように形成したクッションゴム2の上を剥離部材5でカバーし、この剥離部材5の上にカバーゴム3a、3bを積層した状態でベルト本体1を加硫成型することができる。
【0025】
一方、ベルトコンベヤ装置の機長が長く、コンベヤベルト(ベルト本体1)の全長が長い場合には、予めエンドレス状のベルト本体1の周長を正確に把握することが難しい。また、駆動ローラ4Aや従動ローラ4Bを長手方向に移動させて長さを調整する十分なテークアップ機構がない。
【0026】
そこで、図7に例示するように、ベルト本体1の長さ方向の一方端部1Aの芯体層1aを被覆するクッションゴム2のみを予め露出するように形成しておく。そして、この露出するように形成したクッションゴム2の上を剥離部材5でカバーし、この剥離部材5の上にカバーゴム3a、3bを積層した状態でベルト本体1を加硫成型しておく。接合相手となる他方の芯体層1aは、従来どおりコンベヤベルトの使用現場でスチールコード1bの切り出し作業等を行なう。
【0027】
そして、一方の芯体層1aの切断したスチールコード1bの間に、他方の芯体層1aの切断したスチールコード1bの間にあるスチールコード1bを入り込ませる。このスチールコード1bどうしを入り込ませた部分の上には、接着剤Q等を塗布してクッションゴム2およびカバーゴム3a、3bを積層する。次いで、クッションゴム2およびカバーゴム3a、3bを積層した部分は、加硫用の金型に挟み込み、一定時間一定温度で加熱、加圧することで加硫接着により芯体層1a(ベルト本体1の長さ方向端部1A)どうしを接合することもできる。
【0028】
例えば、JIS K6369−2007のスチールコードコンベヤベルトに規定のベルトの強力の呼びがST−1000、コンベヤベルト(ベルト本体1)の幅が900mm、直径が4.3mmのスチールコードの本数が72本、コンベヤベルト(ベルト本体1)の厚さが16.3mm、カバーゴムの厚さが共に6mmのコンベヤベルトの長さ方向端部どうしを接合する作業では、従来方法に比して、図7に例示した本発明を適用することにより、作業時間を準備時間を含めて約2/3程度にすることができることが確認できた。
【符号の説明】
【0029】
1 ベルト本体
1a 芯体層
1b スチールコード
1A ベルト本体の長さ方向端部
2 クッションゴム
3a、3b カバーゴム
4A 駆動ローラ
4B 従動ローラ
4C ガイドローラ
5 剥離部材
Q 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7