特許第5966775号(P5966775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5966775交差点案内システム、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966775
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】交差点案内システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20160728BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20160728BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   G01C21/00 H
   G09B29/00 C
   G09B29/10 A
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-190803(P2012-190803)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-48141(P2014-48141A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100117466
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 渉
(72)【発明者】
【氏名】石川 健
(72)【発明者】
【氏名】近藤 良人
(72)【発明者】
【氏名】荒井 佑美枝
【審査官】 柳幸 憲子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−121031(JP,A)
【文献】 特開2004−340825(JP,A)
【文献】 特開2009−176223(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0015859(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
23/00−25/00
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得手段と、前記案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御手段と、を備える交差点案内システムであって、
前記表示制御手段は、
前記交差点のうち前記車両が次に通過する直近交差点以外の非直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記車両の前記直近交差点に対する接近度が閾値未満の場合、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記車両の前記直近交差点に対する接近度が前記閾値以上の場合、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における前記直近交差点への進入道路における前記車両の直前の領域の像上に重畳して前記表示部に表示させる、
交差点案内システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記前方風景における前記直近交差点の像の大きさが所定の大きさ以上となった場合に、前記車両の前記直近交差点に対する接近度が前記閾値以上となったと見なす、
請求項1に記載の交差点案内システム。
【請求項3】
前記案内図取得手段は、
前記前方風景における道路の像の上方に重畳するための前記案内図として、平面図の矢印によって前記レーン構成を示す前記案内図を取得し、
前記直近交差点への進入道路の像上に重畳するための前記案内図として、俯瞰図の矢印によって前記レーン構成を示す前記案内図を取得する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の交差点案内システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記非直近交差点についての前記案内図を前記非直近交差点に前記車両が到達する順番に前記案内図を下方から上方に並べ、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の交差点案内システム。
【請求項5】
走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得手段と、前記案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御手段と、を備える交差点案内システムであって、
前記表示制御手段は、
前記交差点のうち前記車両が次に通過する直近交差点および前記直近交差点の次に通過する次交差点より後に通過予定の遠方交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記次交差点が前記直近交差点となった後、かつ、前記直近交差点への進入道路上の所定位置を前記車両が通過する以前において、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景において前記直近交差点への進入道路上の前記所定位置の像に重畳して前記表示部に表示させ、
前記次交差点が前記直近交差点となった後、かつ、前記直近交差点への進入道路上の前記所定位置を前記車両が通過した後において、前記直近交差点についての前記案内図を前記前方風景における前記直近交差点への進入道路の像上に重畳し、前記次交差点についての前記案内図を前記前方風景における前記次交差点への進入道路における前記車両の直前の領域の像上に重畳して前記表示部に表示させる、
交差点案内システム。
【請求項6】
前記案内図取得手段は、
前記前方風景における道路の像の上方に重畳するための前記案内図として、平面図の矢印によって前記レーン構成を示す前記案内図を取得し、
前記直近交差点への進入道路の像上に重畳するための前記案内図として、俯瞰図の矢印によって前記レーン構成を示す前記案内図を取得する、
請求項5に記載の交差点案内システム。
【請求項7】
前記案内図取得手段は、
前記前方風景において前記次交差点への進入道路の像上に重畳するための前記案内図として、平面図の矢印によって前記レーン構成を示す前記案内図を取得する、
請求項5または請求項6のいずれかに記載の交差点案内システム。
【請求項8】
案内図取得手段が、走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得ステップと、表示制御手段が、前記案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御ステップと、を含む交差点案内方法であって、
前記表示制御ステップでは、前記表示制御手段が、
前記交差点のうち前記車両が次に通過する直近交差点以外の非直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記車両の前記直近交差点に対する接近度が閾値未満の場合、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記車両の前記直近交差点に対する接近度が前記閾値以上の場合、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における前記直近交差点への進入道路における前記車両の直前の領域の像上に重畳して前記表示部に表示させる、
交差点案内方法。
【請求項9】
コンピュータを、
走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得手段、前記案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御手段、として機能させる交差点案内プログラムであって、
コンピュータを、
前記交差点のうち前記車両が次に通過する直近交差点以外の非直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記車両の前記直近交差点に対する接近度が閾値未満の場合、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記車両の前記直近交差点に対する接近度が前記閾値以上の場合、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景における前記直近交差点への進入道路における前記車両の直前の領域の像上に重畳して前記表示部に表示させる、前記表示制御手段として機能させる、
交差点案内プログラム。
【請求項10】
案内図取得手段が、走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得ステップと、表示制御手段が、前記案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御ステップと、を含む交差点案内方法であって、
前記表示制御ステップでは、前記表示制御手段が、
前記交差点のうち前記車両が次に通過する直近交差点および前記直近交差点の次に通過する次交差点より後に通過予定の遠方交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記次交差点が前記直近交差点となった後、かつ、前記直近交差点への進入道路上の所定位置を前記車両が通過する以前において、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景において前記直近交差点への進入道路上の前記所定位置の像に重畳して前記表示部に表示させ、
前記次交差点が前記直近交差点となった後、かつ、前記直近交差点への進入道路上の前記所定位置を前記車両が通過した後において、前記直近交差点についての前記案内図を前記前方風景における前記直近交差点への進入道路の像上に重畳し、前記次交差点についての前記案内図を前記前方風景における前記次交差点への進入道路における前記車両の直前の領域の像上に重畳して前記表示部に表示させる、
交差点案内方法。
【請求項11】
コンピュータを、
走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得手段、前記案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御手段、として機能させる交差点案内プログラムであって、
コンピュータを、
前記交差点のうち前記車両が次に通過する直近交差点および前記直近交差点の次に通過する次交差点より後に通過予定の遠方交差点についての前記案内図を、前記前方風景における道路の像の上方に重畳して前記表示部に表示させ、
前記次交差点が前記直近交差点となった後、かつ、前記直近交差点への進入道路上の所定位置を前記車両が通過する以前において、前記直近交差点についての前記案内図を、前記前方風景において前記直近交差点への進入道路上の前記所定位置の像に重畳して前記表示部に表示させ、
前記次交差点が前記直近交差点となった後、かつ、前記直近交差点への進入道路上の前記所定位置を前記車両が通過した後において、前記直近交差点についての前記案内図を前記前方風景における前記直近交差点への進入道路の像上に重畳し、前記次交差点についての前記案内図を前記前方風景における前記次交差点への進入道路における前記車両の直前の領域の像上に重畳して前記表示部に表示させる、前記表示制御手段として機能させる、
交差点案内プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点に関する情報を案内する交差点案内システム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のレーンが存在する道路区間においては、交差点において走行可能な進行方向がレーン毎に異なっている場合が多く、従来、走行すべきレーンの選択を容易にするなどのために、走行可能な進行方向をレーン毎に明示する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、車両の前方の風景を示す三次元動画像に走行可能な進行方向をレーン毎に示す車線別マークが重畳される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−264819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、車両の前方に複数の交差点が存在する場合に、運転者所望の交差点への進入道路のレーン構成を認識することが困難であった。すなわち、案内画面中に複数の交差点が存在する場合に、特許文献1のように1個の交差点についての車線別マークを表示させたとしても、当該車線別マークがどの交差点についてのレーン構成を示しているのかを一見して把握することは難しい。また、車線別マークのようなアイコンを複数の交差点のそれぞれについて同時に表示すると、どのアイコンがどの交差点での走行可能な進行方向を示しているのか判定することが困難になる。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、交差点毎の進入道路のレーン構成を示すアイコンと交差点とを容易に対応づけることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得し、当該案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる交差点案内システムを構成する。そして、当該交差点案内システムにおいて、通過予定の交差点のうち車両が次に通過する直近交差点以外の非直近交差点についての案内図を、前方風景における道路の像の上方に重畳し、直近交差点についての案内図を、前方風景における直近交差点への進入道路の像上に重畳して表示部に表示させる。
【0006】
すなわち、非直近交差点についての案内図は道路の像の上方に重畳し、運転者が非直近交差点についてのレーン構成を知りたい場合には案内図によってレーン構成を認識できるように構成してある。さらに、直近交差点についての案内図は直近交差点への進入道路の像上に重畳し、運転者が直近交差点への進入道路に視線を合わせることによって当該直近交差点についての案内図が運転者に視認されるように構成されている。この結果、最も利用頻度が高い案内図である直近交差点についての案内図は、直近交差点についての進入道路を一見することでレーン構成を認識可能であるとともに、直近交差点よりも先の非直近交差点についての案内図は、運転者が既定の表示位置である道路の像の上方に視線を合わせることによって視認可能である。従って、交差点毎の進入道路のレーン構成を示すアイコンと交差点とを容易に対応づけることが可能である。
【0007】
ここで、案内図取得手段は、走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得することができれば良く、走行経路を取得することによって走行経路上において通過予定の各交差点を特定し、各交差点についての進入道路を特定し、各進入道路について予め定義されたレーン構成を示す情報を取得することによって案内図を取得すれば良い。案内図は、レーン構成を示す情報から生成されても良いし、レーン構成を示す情報が案内図を示す画像情報であるように構成されても良い。
【0008】
レーン構成は、交差点において走行可能な進行方向をレーン毎に示す情報であり、各交差点において進入道路毎に特定される。例えば、ある交差点に対する進入道路上に3個のレーンが存在し、左レーン、中央レーン、右レーンのそれぞれにおいて、直進および左折が可能、直進が可能、右折が可能である場合、これらを示す情報がレーン構成である。
【0009】
表示制御手段は、案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させるとともに、直近交差点は直近交差点への進入道路上、非直近交差点は道路の像の上方に案内図を表示させるように構成されていれば良い。すなわち、直近交差点についての案内図と非直近交差点についての案内図とを一見して区別できるように表示することができればよい。なお、複数の非直近交差点について案内図を表示する場合においては、非直近交差点と案内図との対応関係が示されていることが好ましい。当該対応関係は直接的に示されても良いし、間接的に示されてもよい。前者としては、例えば、交差点と案内図とを線で結ぶような構成を採用可能であり、後者としては、例えば、非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を並べて表示する構成等を採用可能である。
【0010】
直近交差点の案内図は、直近交差点への進入道路の像上に重畳されることで、当該進入道路の先に存在する直近の交差点のレーン構成が当該直近交差点の案内図の通りであることが運転者に伝達されるように表示すれば良い。従って、交差点で走行可能な進行方向をレーン毎に矢印等の図で模式的に示すことでレーン構成を示す案内図を生成する構成等を採用可能である。なお、案内図の表示位置は、進入道路の像上であれば良く、車両の進行とともに案内図が道路上を移動しても良いし、案内図が道路の特定の位置に固定されていても良い。車両と交差点との距離に応じて案内図が道路の特定の位置に固定された状態から道路上を移動する状態に切り替えられても良い。
【0011】
また、直近交差点の案内図は、少なくとも、運転者が運転中に直近交差点のレーン構成を意識するタイミング(例えば、直近交差点まで所定距離以下となったタイミングやレーン構成が変化する地点まで所定距離以下となったタイミング)において直近交差点への進入道路上に表示されているように構成されていれば良い。従って、当該タイミングより前のタイミングにおいては、非直近交差点と同様に前方風景における道路の像の上方に案内図が重畳されていても良い。
【0012】
例えば、車両の直近交差点に対する接近度が閾値未満の場合、直近交差点についての案内図を前方風景における道路の像の上方に重畳して表示部に表示させ、車両の直近交差点に対する接近度が閾値以上の場合、直近交差点についての案内図を前方風景における直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に重畳して表示部に表示させる構成としても良い。
【0013】
すなわち、車両の直近交差点に対する接近度に応じて、案内図の表示位置を道路の像の上方から直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に切り替える構成とする。この構成によれば、車両が直近交差点に接近し、運転者が運転中に直近交差点のレーン構成を意識するようになった状態において、レーン構成を示す案内図が進入道路上に表示されているよう構成することができ、当該状態において運転者は一見して直近交差点のレーン構成を認識することが可能である。
【0014】
なお、車両の直前の領域は、車両の前方の所定距離以内の領域であれば良く、当該領域に存在する進入道路の像に直近交差点についての案内図が重畳されるように構成されていれば良い。例えば、車両の前方に搭載されたカメラで前方風景を撮影した場合において、画面の下端に沿うように案内図を表示させる構成とすれば、前方風景における直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に案内図を重畳して表示部に表示させることができる。
【0015】
また、接近度は、車両が直近交差点に接近している度合いを評価する指標であればよく、車両と直近交差点との距離を直接的に評価してもよいし、間接的に評価しても良い。前者としては、例えば、車両と直近交差点との距離に基づいて接近度を評価することができる。後者としては、例えば、車両と接近度判定位置との距離や、前方風景内における交差点の像の大きさや前方風景内における交差点の像の高さ等によって接近度を評価することができる。むろん、接近度を評価するために車両と直近交差点との距離等を逆数に変換して閾値と比較する構成であってもよいし、車両と直近交差点との距離を判定基準と比較することによって接近度が閾値未満であるか否かを判定する構成等であってもよい。
【0016】
なお、接近度判定位置は、直近交差点についてのレーン構成に関連した位置であることが好ましく、例えば、道路上でレーン構成が変化する位置(交差点の手前において右折レーンが増設される位置等)を接近度判定位置とする構成を採用可能である。この構成によれば、運転者が道路上でのレーン構成の変化を認識する以前(変化前のレーン構成しか認識されていない状態)において、変化後のレーン構成を示す案内図を表示して、運転者に違和感を与えることがない。
【0017】
また、前方風景内における交差点の像の大きさが所定の大きさ以上となった場合に、車両の直近交差点に対する接近度が閾値以上となったと見なす構成によれば、前方風景内に占める交差点の大きさに応じて接近度を評価することができる。従って、運転者の視覚による認識に合わせて接近度を評価することができる。交差点の像の大きさは、各種の指標によって定義可能であり、交差点の像の面積で評価しても良いし、所定軸に沿った交差点の像の長さで評価しても良い。所定軸は画像の縦横軸に平行であっても良いし非平行(例えば、対角線を結ぶ軸)であってもよく、1個の所定軸について長さを評価しても良いし、2個以上の所定軸について長さを評価しても良い。
【0018】
案内図はレーン構成を示した図であれば良く、その構成例として、交差点で走行可能な進行方向をレーン毎に矢印で示す図を案内図とする構成を採用しても良い。例えば、前方風景における道路の像の上方に重畳するための案内図として、レーン構成を表す矢印を平面図によって示す案内図を取得し、直近交差点への進入道路の像上に重畳するための案内図として、レーン構成を示す矢印を俯瞰図によって示す案内図を取得する構成を採用してもよい。
【0019】
なお、ここで、平面図は平面に描画された矢印を90度の俯角で眺めた状態を示す図であり、俯瞰図は平面に描画された矢印を90度より小さい俯角で眺めた状態を示す図である。90度より小さい俯角の値は任意であるが、例えば、車両から特定の距離だけ前方に描画された矢印ペイントを眺める場合の俯角とすればよい。この構成によれば、レーン構成を簡易な案内図、かつ、現実の道路で用いられている案内に類する情報で示すことができる。すなわち、平面図は道路周辺の看板を眺めた状態に類する案内図となり、俯瞰図は車両内から道路上の矢印ペイントを眺めた状態に類する案内図となる。
【0020】
さらに、非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を並べて表示する構成においては、非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を下方から上方に並べても良いし、上方から下方に並べても良い。なお、非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を下方から上方に並べる構成において、直近交差点に対する接近度が閾値未満の場合に直近交差点についての案内図を前方風景における道路の像の上方に重畳して表示するのであれば、直近交差点についての案内図を非直近交差点についての案内図の下方(すなわち、最も下方)に表示することが好ましい。この場合、直近交差点に対する接近度が閾値以上になると、直近交差点についての案内図が前方風景における道路の像の上方から前方風景における直近交差点への進入道路の像上に移動する。一方、直近交差点に対する接近度によらず、直近交差点についての案内図を前方風景における直近交差点への進入道路の像上に重畳して表示するのであれば、車両が交差点を通過することによって前方の最も近い非直近交差点が直近交差点に変わった場合に、直近交差点についての案内図が前方風景における道路の像の上方から前方風景における直近交差点への進入道路の像上に移動する。
【0021】
これらの構成においては、前方風景における道路の像の上方において最も下方に並べられた案内図が前方風景における直近交差点への進入道路の像上に移動するため、上方に並べられた案内図が車両の移動とともに徐々に下方に移動し、最終的に直近交差点への進入道路の像上に移動することになる。従って、案内図の位置の変化方向が一貫しており案内図の移動に伴って運転者に違和感を与えることがない。
【0022】
さらに、道路の像上にレーン構成の案内図を重畳する対象となる交差点は、車両に近い交差点であれば良く、直近交差点以外の交差点についてもその交差点への進入道路の像上に案内図を重畳して表示するように構成しても良い。例えば、走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する案内図取得手段と、前記案内図を前記車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる表示制御手段と、を備える交差点案内システムにおいて、直近交差点および直近交差点の次に通過する次交差点より後に通過予定の遠方交差点についての案内図を、前方風景における道路の像の上方に重畳して表示部に表示させ、直近交差点についての案内図を前方風景における直近交差点への進入道路の像上に重畳し、次交差点についての案内図を前方風景における次交差点への進入道路の像上に重畳して表示部に表示させる構成としても良い。すなわち、直近交差点のみならず、次交差点についても案内図を次交差点への進入道路の像上に重畳する。
【0023】
この構成によれば、最も利用頻度が高い案内図である直近交差点についての案内図は、直近交差点についての進入道路を一見することでレーン構成を認識可能であるとともに、2番目に利用頻度が高い案内図である次交差点についての案内図も次交差点についての進入道路を一見することでレーン構成を認識可能である。一方、次交差点よりも先の遠方近交差点についての案内図は、運転者が既定の表示位置である道路の像の上方に視線を合わせることによって視認可能である。従って、交差点毎の進入道路のレーン構成を示すアイコンと交差点とを容易に対応づけることが可能である。
【0024】
さらに、この構成においては、車両の走行に伴って案内図の表示態様を変化させることが好ましい。例えば、次交差点が直近交差点となった後、かつ、直近交差点への進入道路上の所定位置を車両が通過する以前において、直近交差点についての案内図を、前方風景において直近交差点への進入道路の所定位置に重畳して表示部に表示させ、次交差点が直近交差点となった後、かつ、直近交差点への進入道路上の所定位置を車両が通過した後において、直近交差点についての案内図を、前方風景における直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に重畳して表示部に表示させる構成を採用可能である。
【0025】
すなわち、次交差点が直近交差点となっても、車両が直近交差点に接近するまでは直近交差点への進入道路上の所定位置に固定的に案内図を重畳し、車両が直近交差点に接近した後には車両の移動に伴って案内図が直近交差点への進入道路上を移動するように重畳する。この構成によれば、車両が直近交差点の遠方に存在する状態で当該直近交差点のレーン構成が画面下端で明示されることはなく、車両が直近交差点に接近することで徐々に直近交差点のレーン構成が明確化され、車両が所定位置を通過した後には車両が直近交差点を通過するまで直近交差点のレーン構成を明示することができる。
【0026】
なお、次交差点の案内図は、遠方交差点が次交差点となった後に、次交差点についての案内図を前方風景における次交差点への進入道路の像上に重畳して表示部に表示させるように構成される。すなわち、遠方交差点が次交差点となった後に、次交差点についての案内図は、道路の像の上方に表示された状態から次交差点への進入道路の像上に表示される状態に切り替えられる。また、直近交差点および次交差点についての案内図を進入道路の像上に重畳する構成においても案内図は種々の構成とすることが可能であり、例えば、道路の像の上方に重畳する案内図を矢印の平面図とし、直近交差点についての案内図を俯瞰図の矢印とする構成を採用可能である。
【0027】
さらに、この構成において、次交差点への進入道路の所定位置に重畳するための案内図を、レーン構成を表す矢印の平面図によって構成しても良い。この構成によれば、直近交差点より遠方に存在する次交差点への進入道路のレーン構成を視認しやすい状態で表示することができる。
【0028】
さらに、本発明のように、直近交差点と当該直近交差点以外の交差点とで案内図の表示態様を異なる態様とし、一見して直近交差点への進入道路のレーン構成がわかるように直近交差点についての案内図を構成する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーション端末や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】交差点案内システムを含むナビゲーション端末のブロック図である。
図2】交差点案内処理を示すフローチャートである。
図3】車両が走行する道路と表示部に表示される画像の例を示す図である。
図4】交差点案内処理を示すフローチャートである。
図5】車両が走行する道路と表示部に表示される画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション端末の構成:
(2)交差点案内処理:
(3)他の実施形態:
【0031】
(1)ナビゲーション端末の構成:
図1は、本発明にかかる交差点案内システムを含むナビゲーション端末10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション端末10は、車両に備えられており、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30を備えている。ナビゲーション端末10は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。記録媒体30には、予め地図情報30aが記録されている。
【0032】
地図情報30aは、車両の位置や案内対象の施設の特定に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。本実施形態においては、ノードが示す交差点への進入道路のレーン構成を示す情報が各リンクデータに対して対応づけられて記録されている。例えば、あるリンクデータがあるノードへの進入道路を示しており、当該あるノードが示す交差点への進入道路上に3個のレーンが存在し、左レーン、中央レーン、右レーンのそれぞれにおいて、直進および左折が可能、直進が可能、右折が可能である場合、これらを示す情報がレーン構成を示す情報としてリンクデータに対応づけられている。なお、実際の道路においては交差点近傍でレーンが増設する場合があり、リンクデータが示す道路上でレーンが増設される場合、交差点からレーンの増設位置までの距離を示す情報もリンクデータに対応づけられている。
【0033】
本実施形態における車両は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とカメラ44とユーザI/F部45とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を示す信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在位置を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発位置と走行軌跡とに基づいて現在位置が特定され、当該出発位置と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在位置がGPS受信部41の出力信号に基づいて補正される。
【0034】
カメラ44は、車両のフロントガラスの内側の天井部分に取り付けられており、車両の前方の前方風景を一定時刻毎に撮影し、撮影された前方風景を示す画像情報を生成して出力する。制御部20は、カメラ44が出力する画像情報を取得し、画像解析や表示部で表示するための画像処理等を行うことができる。ユーザI/F部45は、運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しない表示部やスピーカ、入力部等を備えている。制御部20は、当該表示部に前方風景の画像情報を出力し、表示部に前方風景を表示させることができる。また、制御部20は、前方風景の画像情報に対して任意の画像(案内図等)を重畳した画像情報を生成して表示部に出力することで、前方風景に任意の画像を重畳して表示させることができる。
【0035】
制御部20は、図示しないナビゲーションプログラムの機能によりユーザI/F部45の入力部を介して運転者による目的地の入力を受け付け、車両の現在位置から目的地までの走行経路を探索する。また、制御部20は、当該ナビゲーションプログラムの機能により、車両の運転者に対して走行経路を指示する経路案内を行うことが可能である。本実施形態においては、当該ナビゲーションプログラムの付加機能として、交差点への進入道路のレーン構成を示す案内図を前方風景に重畳することで交差点についての案内を行うことが可能であり、当該案内は交差点案内プログラム21によって実現される。交差点案内プログラム21は、当該案内を実現するため、案内図取得部21aと表示制御部21bとを備えている。
【0036】
案内図取得部21aは、走行経路上において通過予定の各交差点への進入道路のレーン構成を表す案内図を取得する機能を制御部20に実現させるモジュールである。すなわち、制御部20は、案内図取得部21aの機能により、地図情報30aを参照し、車両の現在位置以後の走行経路上において通過予定の各交差点を特定する。また、制御部20は、地図情報30aのリンクデータを参照し、通過予定の各交差点に接続された進入道路を特定し、各進入道路についてのレーン構成を示す情報を取得する。本実施形態において、レーン構成を示す情報は、交差点で走行可能な進行方向をレーン毎に示す情報であるため、制御部20は、各方向を示す矢印の画像を表示するための画像情報を生成し、案内図を示す画像情報として取得する。
【0037】
なお、本実施形態においては、交差点で走行可能な進行方向をレーン毎に矢印で示す図を案内図とする構成を採用しており、レーン構成を平面図の矢印によって示す案内図を前方風景における道路の像の上方に重畳するための案内図として取得し、レーン構成を俯瞰図の矢印によって示す案内図を直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に重畳するための案内図として取得する構成を採用している。
【0038】
本実施形態においては、交差点で走行可能な進行方向が予め特定され(例えば、直進のみ可能、直進および左折可能、左折のみ可能、右折のみ可能、直進および右折可能など)、各進行方向に対応した矢印の画像が予め生成され、当該矢印を示す画像情報が予め記録媒体30に記録される。すなわち、各矢印を平面に描画して90度の俯角で眺めた状態を示す画像が各矢印について予め生成され、各矢印を平面に描画して90度より小さい俯角で眺めた状態を示す画像が各矢印について予め生成され、これらの画像の画像情報が予め記録媒体30に記録される。そこで、制御部20は、レーン構成を示す情報を参照し、走行可能な進行方向を示す矢印の画像情報を記録媒体30から抽出し、レーンの順に対応した順序に並べて表示する画像情報を生成して案内図の画像情報とする。なお、俯瞰図の矢印を生成するための俯角である90度より小さい俯角の値は任意であるが、例えば、車両から特定の距離だけ前方に描画された矢印ペイントを眺める場合の俯角(40度等)とすればよい。
【0039】
表示制御部21bは、案内図を車両の前方風景に重畳して表示部に表示させる機能を制御部20に実現させるモジュールである。本実施形態においては、車両が次に通過する直近交差点と直近交差点以外の非直近交差点とでは、案内図の表示法が異なる。具体的には、制御部20は、直近交差点の案内図を直近交差点への進入道路の像上、非直近交差点の案内図を道路の像の上方に重畳して表示する。本実施形態において、カメラ44は車両に対して固定されているため、カメラ44が出力した前方風景の画像情報をユーザI/F部45に出力して表示部に前方風景を表示させた場合、車両のぶれによる像のぶれはあり得るものの、当該ぶれの影響を除けば既定の位置に道路の像が表示される。
【0040】
そこで、本実施形態においては、直近交差点についての案内図が表示部の画面の下端に沿った表示位置に表示されるように予め設定されており、非直近交差点についての案内図が表示部の画面の上端に沿った表示位置に表示されるように予め設定されている。制御部20は、前方風景を示す画像内の各表示位置に直近交差点についての案内図および非直近交差点についての案内図を重畳して表示するように画像情報を生成してユーザI/F部45に対して出力する。この結果、直近交差点の案内図が直近交差点への進入道路の像上、非直近交差点の案内図を道路の像の上方に重畳される。
【0041】
図3においては、表示部に表示される画像を画像I1〜I3として例示しており、太線の矩形に囲まれた矢印の図がレーン構成を示す案内図Gn1,Gn2,Gf1〜Gf4である。画像I2,I3においては、直近交差点についての案内図Gn1,Gn2の下端と画面の下端とが一致するように表示されている。非直近交差点についての案内図Gf2,Gf3,Gf3,Gf4は画面の上方(道路の像の上方)にまとめて表示されており、画像I2においては非直近交差点についての案内図Gf3の上端と画面の上端とが一致するように表示され、画像I3においては非直近交差点についての案内図Gf4の上端と画面の上端とが一致するように表示されている。なお、図3の画像I1〜I3内に示すように、直近交差点についての案内図である案内図Gn1,Gn2においてはレーン構成を示す矢印が俯瞰図で示されており、非直近交差点についての案内図である案内図Gf1〜Gf4においてはレーン構成を示す矢印が平面図で示されている。
【0042】
以上の構成によれば、運転者が非直近交差点についてのレーン構成を知りたい場合には、表示部の画面内で道路の像の上方に表示された案内図によってレーン構成を認識することができる。さらに、運転者が表示部の画面を視認すると、車両の直前の道路が画面内で大きく表示されているため、直近交差点への進入道路の像上に重畳された直近交差点についての案内図に対して容易に視線を合わせることができ、一見して当該直近交差点についての案内図を視認することができる。この結果、最も利用頻度が高い案内図である直近交差点についての案内図は、直近交差点についての進入道路を一見することでレーン構成を認識可能であるとともに、直近交差点よりも先の非直近交差点についての案内図は、運転者が既定の表示位置である道路の像の上方に視線を合わせることによって視認可能である。従って、交差点毎の進入道路のレーン構成を示すアイコンと交差点とを容易に対応づけながら運転中に交差点毎の進入道路のレーン構成を確認することができる。
【0043】
さらに、レーン構成を示す案内図は、交差点において走行可能な進行方向を示す矢印の平面図あるいは俯瞰図で構成されるため、レーン構成を簡易な案内図、かつ、現実の道路で用いられている案内に類する情報で示すことができる。すなわち、平面図は道路周辺の看板を眺めた状態に類する案内図となり、俯瞰図は車両内から道路上の矢印ペイントを眺めた状態に類する案内図となり、運転者は交差点において走行可能な進行方向を極めて短時間のうちに認識することが可能である。
【0044】
(2)交差点案内処理:
次に、交差点案内プログラム21による交差点案内処理を説明する。図2は交差点案内プログラム21が実行する交差点案内処理を示すフローチャートであり、図3は、交差点案内システムが搭載された車両が走行する道路の例と当該道路上で表示部に表示される画像の例を示す図である。図3においては、交差点S0,S1をノードとするリンクに対応する道路を道路R1、交差点S1,S2をノードとするリンクに対応する道路を道路R2として示している。図3に示す例において、道路R1が交差点S1への進入道路となる場合のレーン構成は、左、中央、右の各レーンにおいて直進および左折可能、直進のみ可能、右折のみ可能であり、道路R2が交差点S2への進入道路となる場合のレーン構成は、左、中央、右の各レーンにおいて直進のみ可能、直進のみ可能、右折のみ可能である。
【0045】
ここでは、図3に示す例を適宜参照して図2に示す交差点案内処理を説明する。なお、本実施形態においては、ナビゲーションプログラムの処理により制御部20が走行経路を決定した状態において所定期間(例えば、100ms)毎に交差点案内プログラム21が実行される。交差点案内プログラム21の処理が開始されると、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、車両の現在位置を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号および地図情報30aに基づいて車両の現在位置を特定する。車両の現在位置は、リンクデータが示す道路上の位置として特定される。
【0046】
次に、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、レーン情報を取得する(ステップS105)。本実施形態において制御部20は、車両の現在位置よりも先に存在する3個の交差点を対象としてレーン情報を取得する。すなわち、制御部20は、直近交差点についてのレーン情報と、直近交差点の次に通過する非直近交差点についてのレーン情報と、当該非直近交差点の次に通過する非直近交差点についてのレーン情報とを取得する。このために、制御部20は、車両の現在位置が存在する道路区間を示すリンクデータを地図情報30aから抽出する。また、制御部20は、走行経路において直近交差点と当該直近交差点の次に通過する非直近交差点との間の道路区間を示すリンクデータと、走行経路において直近交差点の次に通過する非直近交差点と当該非直近交差点の次に通過する非直近交差点との間の道路区間を示すリンクデータとを地図情報30aから抽出する。そして、制御部20は、各リンクデータに対応づけられたレーン構成を示す情報を取得する。
【0047】
例えば、図3において車両が位置P11,P12に存在する場合、直近交差点S0についてのレーン構成を示す情報として、左、中央、右の各レーンにおいて直進および左折可能、直進のみ可能、右折のみ可能であることを示す情報が取得される。また、直近交差点の次に通過する非直近交差点S1についてのレーン構成を示す情報として、左、中央、右の各レーンにおいて直進のみ可能、直進のみ可能、右折のみ可能であることを示す情報が取得される。当該非直近交差点の次に通過する非直近交差点は図示されていないが、図3に示す例においてはレーン構成を示す情報として、左、右の各レーンにおいて直進および左折可能、直進のみ可能であることを示す情報が取得される。
【0048】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、接近度判定位置と車両との間の距離を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、接近度判定位置を特定し、当該接近度判定位置とステップS100で取得した車両の現在位置とを比較することによって両者の距離を取得する。ここで、接近度判定位置は、車両が走行経路に沿って走行する場合に車両が直近交差点に対して接近した度合いである接近度を判定するための指標であり、本実施形態において、レーンが増設される道路区間においてはレーンが増設される位置が接近度判定位置であり、レーンが増設されない道路区間においては交差点を示すノードの位置が接近度判定位置である。
【0049】
従って、前者の場合、制御部20は、地図情報30aのノードデータおよびリンクデータを参照し、車両の前方の最も近い交差点である直近交差点の位置からレーンの増設位置までの距離だけ車両側に存在する位置をレーンの増設位置として特定し、接近度判定位置とする。後者の場合、制御部20は、地図情報30aのノードデータを参照し、車両の前方の最も近い交差点である直近交差点の位置を接近度判定位置とする。例えば、図3に示す道路R1上ではレーンが増設されるため、車両が位置P12に存在する場合、制御部20は、直近交差点としての交差点S1の位置からレーンの増設位置までの距離L1だけ車両側に存在する位置Piを接近度判定位置として特定する。そして、当該位置とPi車両の現在位置P12とを比較することによって接近度判定位置と車両との間の距離Lcを取得する。
【0050】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、車両が交差点を通過したか否かを判定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、車両の現在位置と地図情報30aのノードデータが示す位置とを比較し、車両が交差点を通過したか否かを判定する。本実施形態においては、車両の前方の最も近い交差点が直近交差点であるため、交差点を通過すると直近交差点が切り替わることになる。例えば、車両の現在位置が位置P11や位置P12に存在する場合、車両が交差点を通過していないと判定されるが、車両の現在位置が位置P21に到達した直後においては、車両が交差点を通過したと判定され、この後、車両が交差点S2を通過するまでの間は車両が交差点を通過していないと判定される状態となる。
【0051】
ステップS115において、交差点を通過したと判定された場合、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、直近交差点についての案内図を平面図に設定する(ステップS140)。すなわち、本実施形態において、直近交差点についての案内図は車両と直近交差点との位置関係に応じて表示態様が変化するように構成されている。ステップS115において、交差点を通過したと判定されるのは新たな交差点が直近交差点に切り替わる場面であり、この場面においてステップS140にて案内図が平面図に設定されるため、直近交差点の案内図の初期の表示態様は平面図である。
【0052】
一方、ステップS115において、交差点を通過したと判定されない場合、すなわち、交差点の通過直後ではない場合、制御部20は、表示制御部21bの処理により、接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下であるか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、ここでは、車両の直近交差点に対する接近度が閾値未満であるか否かを接近度判定位置と車両との距離に基づいて判定する構成となっており、制御部20は、接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下である場合に車両の直近交差点に対する接近度が閾値以上であるとみなす。例えば、図3に示す例において、判定距離Ljが距離Lcよりも長い場合、車両が位置P11に存在する場合には接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下であると判定されず、車両が位置P12に存在する場合には接近度判定位置と車両との距離Lcが判定距離Lj以下であると判定される。なお、ここで、判定距離Ljは、運転者が運転中に直近交差点のレーン構成を意識する程度まで車両が直近交差点まで接近したと見なすことができる距離として予め規定された距離である。
【0053】
ステップS120において、接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下であると判定された場合、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、直近交差点についての案内図を俯瞰図に設定する(ステップS125)。すなわち、本実施形態においては、初期に平面図とされた案内図の表示態様を、接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下となった場合(接近度が閾値以上になった場合)に俯瞰図によって案内図を表示する表示態様に切り替えるように構成されている。
【0054】
一方、ステップS120において、接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下であると判定されない場合、制御部20は、表示制御部21bの処理により、直近交差点の像の画面内での面積を取得する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、カメラ44が出力する前方風景の画像情報を解析し、交差点の像を検出する。交差点の像は、例えば、前方風景の画像情報から交差点の像に特徴的な特徴量(停止線や横断歩道の像が存在することを示す特徴量等)を抽出することによって検出することができる。前方風景の画像情報から交差点の像が複数個検出された場合、画像内で最も下側に存在する交差点の像を直近交差点の像として特定する。前方風景の画像情報から交差点の像が1個検出された場合、検出された交差点の像を直近交差点の像として特定する。そして、制御部20は、直近交差点の像の面積(例えば、直近交差点の像を構成する画素の画素数)を特定する。図3に示す画像I2においては、直近交差点の像Ipをハッチングによって示している。
【0055】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、直近交差点の像の画面内での面積が所定面積以上であるか否かを判定する(ステップS135)。すなわち、ここでは、車両の直近交差点に対する接近度が閾値未満であるか否かを直近交差点の画面内での面積に基づいて判定する構成となっており、制御部20は、直近交差点の画面内での面積が判定面積以上である場合に車両の直近交差点に対する接近度が閾値以上であるとみなす。なお、ここで、判定面積は、運転者が運転中に直近交差点を十分に視認できる程度に直近交差点の像が視野内の像に占める割合が大きくなっていると見なすことができる面積として予め規定された値である。ここでは、直近交差点の像の画面内での大きさが所定の大きさ以上であるか否かを面積によって評価しているが、むろん、他の指標に基づいて評価しても良い。例えば、所定軸に沿った直近交差点の像の長さで評価しても良い。所定軸は画像の縦横軸に平行であっても良いし非平行(例えば、対角線を結ぶ軸)であってもよく、1個の所定軸について長さを評価しても良いし、2個以上の所定軸について長さを評価しても良い。
【0056】
ステップS135において、直近交差点の画面内での面積が所定面積以上であると判定された場合、制御部20は、案内図取得部21aの処理によりステップS125を実行する。一方、ステップS135において、直近交差点の画面内での面積が所定面積以上であると判定されない場合、制御部20は、案内図取得部21aの処理によりステップS140を実行する。
【0057】
なお、本実施形態においては、車両の直近交差点に対する接近度が閾値未満であるか否かを判定するための条件として2個の条件(ステップS120、S135)が利用されている。すなわち、ステップS120においては車両が直近交差点に接近したか否かが距離によって判定され、ステップS135において車両が直近交差点に接近したか否かが前方風景内での交差点の像の面積によって判定される。このため、距離に基づいて車両が直近交差点に接近したと判定されなかったとしても、交差点の像の面積が所定面積以上であれば車両が直近交差点に接近したと見なされる。すなわち、車両と接近度判定位置との距離が判定距離以下であったとしても、車線数の多い道路同士が交差する交差点は視野内の多くの面積を占めるため、運転者が早期に当該交差点を認識することが多い。そこで、交差点の像の面積が所定面積以上である場合に車両が直近交差点に接近したと見なし、案内図の表示態様を平面図から俯瞰図に変更することで、運転者が視野内で多くの面積を示す直近交差点を認識した場合に俯瞰図によってレーン構成を案内することが可能になる。
【0058】
ステップS140あるいはステップS125が実行されると、制御部20は、案内図取得部21aの処理により,直近交差点についての案内図を取得する(ステップS145)。本実施形態においては、ステップS145が実行される以前のステップS140,S125において平面図、俯瞰図のいずれかが指定されているため、制御部20は、指定された図によってレーン構成を示す案内図の画像情報を取得する。すなわち、制御部20は、ステップS105にて取得した直近交差点への進入道路のレーン情報に対応した矢印の平面図あるいは俯瞰図を記録媒体30から取得し、レーンの並び順に当該図を並べることで案内図を示す画像情報を生成する。
【0059】
例えば、車両の現在位置が位置P11であることによって案内図として平面図が指定されている場合、図3の画像I1内の案内図Gf1示すように、平面図の矢印をレーンの並び順に並べることによって平面図の矢印でレーン構成を示した案内図を生成する。また、車両の現在位置が位置P12であることによって案内図として俯瞰図が指定されている場合、図3の画像I2内の案内図Gn1示すように、俯瞰図の矢印をレーンの並び順に並べることによって俯瞰図の矢印でレーン構成を示した案内図を生成する。
【0060】
なお、本実施形態においては、走行経路に沿って走行するために選択すべきレーンを推奨レーンとして示すように構成されている。そこで、制御部20は、ステップS105にて取得したレーン情報を参照し、走行経路に基づいて直近交差点に進入する際に走行しているべきレーンを特定する。例えば、走行経路に沿って走行するために交差点で直進すべき場合は、直進可能なレーン、交差点で右折すべき場合は右折可能なレーン、交差点で左折すべき場合は左折可能なレーンのいずれかを推奨レーンとする。本実施形態においては、推奨レーンと他のレーンとを区別するために推奨レーンを強調するように構成されている。そこで、制御部20は、直近交差点についての案内図を生成する際に、推奨レーンの俯瞰図と他のレーンと異なる色で着色した状態で案内図を生成する。図3の画像I2、I3においては、ハッチングによって推奨レーンが強調されていることを示している。すなわち、図3の画像I2に示す例においては、案内図Gn1において中央の直進のみ可能なレーンが推奨レーンとして示され、画像I3に示す例においては、案内図Gn2において右の右折のみ可能なレーンが推奨レーンとして示されている。
【0061】
次に、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、非直近交差点についての案内図を取得する(ステップS150)。本実施形態において、非直近交差点についての案内図は矢印の平面図で構成される。そこで、制御部20は、ステップS105にて取得した非直近交差点への進入道路のレーン情報に対応した矢印の平面図を示す画像情報を記録媒体30から取得し、レーンの並び順に当該平面図を並べることで案内図を示す画像情報を生成する。例えば、図3の画像I1内の案内図Gf2,Gf3、画像I2内の案内図Gf2,Gf3、画像I1内の案内図Gf3,Gf4に示すように、平面図の矢印をレーンの並び順に並べることによって平面図の矢印でレーン構成を示した案内図を生成する。
【0062】
なお、本実施形態においては、非直近交差点についても走行経路に沿って走行するために選択すべきレーンを推奨レーンとして示すように構成されている。そこで、制御部20は、ステップS105にて取得したレーン情報を参照し、走行経路に基づいて非直近交差点に進入する際に走行しているべきレーンを特定する。ここでも、推奨レーンと他のレーンとを区別するために推奨レーンを強調するように構成されており、図3においては、ハッチングによって推奨レーンが強調されていることを示している。例えば、図3の画像I1に示す例においては、案内図Gf2において右端に位置する右折のみ可能なレーンが推奨レーンとして示され、案内図Gf3において右端に位置する直進のみ可能なレーンが推奨レーンとして示されている。
【0063】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、案内図を前方風景に重畳して表示する(ステップS155)。すなわち、制御部20は、カメラ44から出力された前方風景の画像情報に案内図の画像情報を重畳してユーザI/F部45に出力する。この結果、図3の画像I1〜I3に示すような画像がユーザI/F部45の表示部に表示される。なお、本実施形態においては、前方風景の道路の像の上方(地平線より上の部分)に平面図の矢印によって構成された案内図を表示し、前方風景内における直近交差点への進入道路の像上に俯瞰図の矢印によって構成された案内図を表示するように構成されている。具体的には、制御部20は、ユーザI/F部45の表示部の画面上端から下方に向けてレーン構成を平面図で示す案内図が並び、かつ、下方に表示される案内図の方が上方に表示される案内図よりも近い交差点についての案内図となるように重畳位置を決定する。すなわち、制御部20は、交差点に車両が到達する順番に案内図が下方から上方に並ぶように重畳位置を決定する。例えば、図3の画像I1において、直近交差点についての案内図は案内図Gf1であり、直近交差点の次に通過する非直近交差点についての案内図は案内図Gf2であり、当該非直近交差点の次に通過する非直近交差点についての案内図は案内図Gf3である。
【0064】
また、制御部20は、ユーザI/F部45の表示部の画面下端とレーン構成を俯瞰図で示す案内図の下端とが一致するように当該案内図の重畳位置を決定する。例えば、図3の画像I2において、直近交差点についての案内図Gn1の下端と表示部の画面下端とが一致している。
【0065】
以上の処理によれば、交差点S0を通過して道路R1を走行し、その後、交差点Sを通過して道路R2を走行する車両において、ユーザI/F部45の表示部に表示される画像は画像I1,I2,I3のように遷移する。具体的には、車両が交差点S0を通過するとステップS115にて車両が交差点を通過したと判定され、直近交差点がS1となるとともにステップS140にて案内図が平面図に設定される。このため、車両が位置P11を走行している場合においては、直近交差点および非直近交差点のレーン構成が平面図の矢印で案内されるように設定されている。従って、ステップS145〜S155の処理によって画像I1のように、全ての交差点についてのレーン構成が道路の像の上方に平面図の矢印で示されることになる。
【0066】
車両による走行が継続され、接近度判定位置と車両との距離が判定距離Lj以下となる位置Pjに車両が到達すると、ステップS120にて接近度判定位置と車両との距離が判定距離以下であると判定され、ステップS125にて案内図が俯瞰図に設定される。このため、ユーザI/F部45の表示部に表示されている画像が画像I1から画像I2に遷移する。すなわち、画像I1において平面図の矢印によって構成された案内図Gf1によって直近交差点S1についてのレーン構成が示されていた状態から、画像I2に示されるように俯瞰図の矢印によって構成された案内図Gn1によって直近交差点S1についてのレーン構成が示される状態に遷移する。
【0067】
以上のように、本実施形態においては、車両の直近交差点に対する接近度に応じて、案内図の表示位置を道路の像の上方から直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に切り替えるように構成されている。この構成によれば、車両が直近交差点に接近し、運転者が運転中に直近交差点のレーン構成を意識するようになった状態において、レーン構成を示す案内図が進入道路上に表示されているよう構成することができ、直近交差点についての案内図と非直近交差点についての案内図とを一見して区別できる。従って、当該状態において運転者は一見して直近交差点のレーン構成を認識することが可能である。
【0068】
さらに、本実施形態において前方風景における道路の像の上方においては、例えば、図3の画像I1に示す案内図Gf1,Gf2,Gf3のように、交差点に車両が到達する順番に案内図が下方から上方に並ぶように表示されている。また、図3の画像I1に示すように前方風景における道路の像の上方において最も下方に並べられた直近交差点S1についての案内図Gf1が、車両の移動に伴って、図3の画像I2に示す案内図Gn1のように前方風景における直近交差点S1への進入道路の像上に移動する。従って、上方に並べられた案内図が車両の移動とともに徐々に下方に移動し、最終的に直近交差点S1への進入道路の像上に移動することになる。このため、案内図の位置の変化方向が一貫しており案内図の移動に伴って運転者に違和感を与えることがない。
【0069】
また、以上の処理においては、道路R1のようにレーンが増設される場合において、当該レーン構成が変化する位置を接近度判定位置とし、当該接近度判定位置と車両との距離に基づいて接近度を判定しているため、運転者が道路上でのレーン構成の変化を認識する以前(変化前のレーン構成しか認識されていない状態)において、変化後のレーン構成を示す案内図をレーン構成が変化していない道路上に重畳表示することを防止することができ、運転者に違和感を与えることがない。
【0070】
画像I2のような案内図の表示態様は、車両が交差点S1を通過するまで継続される。一方、車両が交差点S1を通過するとステップS115にて交差点を通過したと判定され、直近交差点がS2となるとともにステップS140にて案内図が一端平面図に設定される。しかし、図3に示す例においては、交差点S1を通過した段階で車両が存在する位置において接近度判定位置と車両との距離が判定距離Lj以下である。このため、再度交差点案内処理が実行されることにより、ステップS120の判定を経てステップS125にて案内図が俯瞰図に設定される。この結果、車両が交差点S1を通過した状態において、直近交差点のレーン構成は、画像I3に示すように俯瞰図の矢印で案内される。
【0071】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、直近交差点と当該直近交差点以外の交差点とで案内図の表示態様を異なる態様とし、一見して直近交差点への進入道路のレーン構成がわかるように直近交差点についての案内図を構成する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、道路の像上にレーン構成の案内図を重畳する対象となる交差点は、車両に近い交差点であれば良く、直近交差点以外の交差点についても交差点への進入道路の像上に案内図を重畳して表示するように構成しても良い。
【0072】
以下、このような構成として、直近交差点の次に通過する次交差点より後に通過予定の遠方交差点についての案内図を、前方風景における道路の像の上方に重畳して表示部に表示させ、直近交差点についての案内図を前方風景における直近交差点への進入道路の像上に重畳し、次交差点についての案内図を前方風景における次交差点への進入道路の像上に重畳して表示部に表示させる構成を採用した第2実施形態について説明する。
【0073】
当該第2実施形態は、直近交差点のみならず、次交差点についても案内図を交差点への進入道路の像上に重畳する構成であり、例えば、図1に示すハードウェア構成およびソフトウェア構成において、図2と異なる交差点案内処理を実行することによって実現される。図4は、第2実施形態を実現するための交差点案内処理を示す図であり、図5は、交差点案内システムが搭載された車両が走行する道路の例と当該道路上で表示部に表示される画像の例を示す図である。
【0074】
図5においては、図3と同様のレーン構成の道路上を車両が走行する場合の例を示している。ここでは、図5に示す例を適宜参照して図4に示す交差点案内処理を説明する。本実施形態においては、直近交差点についてのレーン構成は俯瞰図の矢印で示され、次交差点および遠方交差点についてのレーン構成は平面図の矢印で示される。なお、本実施形態においては、ナビゲーションプログラムの処理により制御部20が走行経路を決定した状態において所定期間(例えば、100ms)毎に交差点案内プログラム21が実行される。本実施形態におけるステップS200は、図2に示す交差点案内処理のステップS100と同様である。
【0075】
ステップS200の次に、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、レーン情報を取得する(ステップS205)。本実施形態においても制御部20は、車両の現在位置よりも先に存在する3個の交差点を対象としてレーン情報を取得する。すなわち、制御部20は、直近交差点についてのレーン情報と、次交差点についてのレーン情報と、遠方交差点についてのレーン情報とを取得する。例えば、図5において車両が位置P11に存在する場合、直近交差点S1についてのレーン構成を示す情報として、左、中央、右の各レーンにおいて直進および左折可能、直進のみ可能、右折のみ可能であることを示す情報が取得される。また、次交差点S2についてのレーン構成を示す情報として、左、中央、右の各レーンにおいて直進のみ可能、直進のみ可能、右折のみ可能であることを示す情報が取得される。当次交差点S2の次に通過する図示しない遠方交差点についてのレーン構成を示す情報として、左、右の各レーンにおいて直進および左折可能、直進のみ可能であることを示す情報が取得される。
【0076】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、直近交差点および次交差点への進入道路上の所定位置を特定する(ステップS210)。本実施形態においては、直近交差点および次交差点のレーン構成の案内図を表示するための初期表示位置として所定位置が予め特定されており、レーンが増設される道路区間においてはレーンが増設される位置から規定距離だけ車両側の位置が所定位置であり、レーンが増設されない道路区間においては交差点を示すノードの位置から規定距離だけ車両側の位置が所定位置である。
【0077】
従って、直近交差点への進入道路がレーン増設される道路区間である場合、制御部20は、地図情報30aのノードデータおよびリンクデータを参照し、車両の前方の最も近い交差点である直近交差点の位置からレーンの増設位置までの距離だけ車両側に存在する位置をレーンの増設位置として特定し、当該レーンの増設位置から規定距離だけ車両側に存在する位置を所定位置とする。また、次交差点への進入道路がレーン増設される道路区間である場合、制御部20は、地図情報30aのノードデータおよびリンクデータを参照し、走行経路において直近交差点の次に通過する次交差点の位置からレーンの増設位置までの距離だけ車両側に存在する位置をレーンの増設位置として特定し、当該レーンの増設位置から規定距離だけ車両側に存在する位置を所定位置とする。
【0078】
直近交差点への進入道路がレーン増設されない道路区間である場合、制御部20は、地図情報30aのノードデータを参照し、車両の前方の最も近い交差点である直近交差点の位置から規定距離だけ車両側に存在する位置を所定位置とする。また、次交差点への進入道路がレーン増設される道路区間である場合、制御部20は、地図情報30aのノードデータを参照し、次交差点の位置から規定距離だけ車両側に存在する位置を所定位置とする。例えば、図5に示す道路R1ではレーンが増設されるため、車両が位置P12に存在する場合、制御部20は、直近交差点としての交差点S1の位置からレーンの増設位置までの距離L1だけ車両側に存在する位置をレーンの増設位置として特定し、さらに、レーンの増設位置から規定距離Lcだけ車両側に存在する位置Pi1を所定位置として特定する。さらに、制御部20は、次交差点S2の位置からレーンの増設位置までの距離L1だけ車両側に存在する位置をレーンの増設位置として特定し、さらに、レーンの増設位置から規定距離Lcだけ車両側に存在する位置Pi2を所定位置として特定する。
【0079】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、車両が交差点を通過したか否かを判定する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、車両の現在位置と地図情報30aのノードデータが示す位置とを比較し、車両が交差点を通過したか否かを判定する。
【0080】
ステップS215において、交差点を通過したと判定された場合、制御部20は、表示制御部21bの処理により、直近交差点についての案内図の表示位置を進入道路上の所定位置の像上に設定する(ステップS230)。すなわち、制御部20は、カメラ44が出力する画像情報を解析し、直近交差点への進入道路の像を特定するとともに、直近交差点への進入道路の像内で、ステップS210にて特定された所定位置に該当する部位を特定し、案内図の表示位置に設定する。本実施形態においては、カメラ44が車両に固定されており、画角が一定であることから画面内の部位毎に各部位に写された道路上の位置と車両との距離が予め特定されている。従って、制御部20は、車両の現在位置と所定位置との距離を特定することによって、直近交差点への進入道路の像内で所定位置に該当する部位を特定することができる。
【0081】
一方、ステップS215において、交差点を通過したと判定されない場合、すなわち、交差点の通過直後ではない場合、制御部20は、表示制御部21bの処理により、車両が所定位置に到達したか否かを判定する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、ステップS210にて取得した直近交差点への進入道路上の所定位置と車両の現在位置とを比較し、車両の現在位置が所定位置より走行経路に沿って前方に存在する場合、車両が所定位置に到達したと判定する。
【0082】
ステップS220において、車両が所定位置に到達したと判定されない場合、制御部20は、ステップS230を実行して直近交差点についての案内図の表示位置を進入道路上の所定位置の像上に設定する。一方、ステップS220において、車両が所定位置に到達したと判定された場合、制御部20は、表示制御部21bの処理により、直近交差点についての案内図の表示位置を画面下端に設定する(ステップS225)。すなわち、制御部20は、ユーザI/F部45の表示部の下端に沿って案内図を表示するように案内図の表示位置を設定する。
【0083】
ステップS230あるいはステップS225が実行されると、制御部20は、案内図取得部21aの処理により,直近交差点についての案内図を取得する(ステップS235)。本実施形態において、直近交差点についての案内図は矢印の俯瞰図で構成されるため、制御部20は、まず、俯瞰図によってレーン構成を示す案内図の画像情報を取得する。すなわち、制御部20は、ステップS205にて取得した直近交差点への進入道路のレーン情報に対応した矢印の俯瞰図を示す画像情報を記録媒体30から取得し、レーンの並び順に当該図を並べることで案内図を示す画像情報を生成する。
【0084】
さらに、制御部20は、案内図の表示位置に応じて案内図を縮小して表示用の画像情報とする。本実施形態において、記録媒体30には、案内図を画面下端に表示する際の俯瞰図を示す画像情報が記録されている。そこで、ステップS225によって画面下端に案内図の表示位置が設定されていた場合、制御部20は、記録媒体30から取得した俯瞰図を示す画像情報に基づいてレーンの並び順に俯瞰図を並べて生成された案内図の画像情報を表示用の画像情報とする。一方、ステップS230によって進入道路の所定位置の像上に案内図の表示位置が設定されていた場合、制御部20は、画面の下端と所定位置との画面上での距離に応じてレーンの並び順に俯瞰図を並べて生成された案内図の画像情報を縮小する。なお、縮小率は画面の下端と所定位置との画面上での距離に応じて予め決められている。
【0085】
例えば、図5に示す画像I2においては、俯瞰図の矢印によって構成された案内図Gn1が画面下端に沿って表示されており、図5に示す画像I1においては、俯瞰図の矢印によって構成された案内図Gn1が画面下端よりも上方(直近交差点への進入道路上の所定位置の像上)に表示されている。このように、本実施形態においては、車両が走行しているレーンの像の境界に案内図が接するように表示されており、このような表示がなされるように所定位置毎の案内図の縮小率が予め決められていることになる。
【0086】
次に、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、次交差点についての案内図を取得する(ステップS240)。本実施形態において、次交差点についての案内図は矢印の平面図で構成されるため、制御部20は、まず、平面図によってレーン構成を示す案内図の画像情報を取得する。すなわち、ステップS205にて取得した次交差点への進入道路のレーン情報に対応した矢印の平面図を記録媒体30から取得し、レーンの並び順に当該平面図を並べることで案内図を示す画像情報を生成する。
【0087】
さらに、制御部20は、案内図の表示位置に応じて案内図を縮小して表示用の画像情報とする。本実施形態において、記録媒体30には、案内図を道路の像の上方(画面上端)に表示する遠方交差点用の平面図を示す画像情報が記録されている。そして、制御部20は、画面の下端と所定位置との画面上での距離に応じてレーンの並び順に平面図を並べて生成された案内図の画像情報を縮小する。なお、縮小率は画面の下端と所定位置との画面上での距離に応じて予め決められている。
【0088】
例えば、図5に示す画像I1〜I3においては、平面図の矢印によって構成された次交差点への進入道路についての案内図Gf2が次交差点への進入道路上の所定位置の像上に表示されている。本例においては、次交差点への進入道路の幅と案内図の幅とが一致するように案内図が表示されており、このような表示がなされるように所定位置毎の案内図の縮小率が予め決められていることになる。なお、次交差点への進入道路の像は、通常、前方風景内に占める面積が小さい。従って、次交差点についての案内図を平面図の矢印によって構成することで、直近交差点より遠方に存在する次交差点への進入道路のレーン構成を視認しやすい状態で表示することができる。
【0089】
次に、制御部20は、案内図取得部21aの処理により、遠方交差点についての案内図を取得する(ステップS245)。本実施形態において、遠方交差点についての案内図は矢印の平面図で構成され、縮小を必要としないため、制御部20は、ステップS205にて取得した遠方交差点への進入道路のレーン情報に対応した矢印の平面図を記録媒体30から取得し、レーンの並び順に当該平面図を並べることで表示用の案内図を示す画像情報を生成する。例えば、図5に示す画像I1〜I3においては、平面図の矢印によって構成された遠方交差点への進入道路についての案内図Gf3が画面上端に沿って表示されており、画像を縮小することなくユーザI/F部45の表示部に案内図Gf3を表示することが可能である。
【0090】
次に、制御部20は、表示制御部21bの処理により、案内図を前方風景に重畳して表示する(ステップS250)。すなわち、制御部20は、次交差点が直近交差点となった後、かつ、直近交差点への進入道路上の所定位置を車両が通過する以前において、直近交差点についての案内図を、前方風景において直近交差点への進入道路の所定位置に重畳して表示部に表示させる。さらに、制御部20は、次交差点が直近交差点となった後、かつ、直近交差点への進入道路上の所定位置を車両が通過した後において、直近交差点についての案内図を、前方風景における直近交差点への進入道路における車両の直前の領域の像上に重畳して表示部に表示させる。
【0091】
このような表示は、ステップS230あるいはS225で設定された表示位置に直近交差点についての案内図を重畳することによって実現される。具体的には、表示位置が進入道路の所定位置の像上である場合、制御部20は、カメラ44から出力された前方風景の画像情報に基づいて直近交差点への進入道路上の所定位置を特定し、直近交差点についての案内図を直近交差点への進入道路上の所定位置の像上に重畳する。表示位置が画面下端である場合、制御部20は、直近交差点についての案内図を前方風景の下端に重畳する。
【0092】
また、制御部20は、カメラ44から出力された前方風景の画像情報に基づいて次交差点への進入道路上の所定位置を特定し、次交差点についての案内図を次交差点への進入道路上の所定位置の像上に重畳する。なお、ステップS215にて車両が交差点を通過したと判定されることに伴って、当該交差点の通過前に遠方交差点であった交差点が次交差点となる。従って、遠方交差点が次交差点に切り替わることに伴って、上端に表示されていた案内図が前方風景における次交差点への進入道路の像上に重畳して表示される状態となる。すなわち、遠方交差点が次交差点となった後に、次交差点についての案内図は、道路の像の上方に表示された状態から次交差点への進入道路の像上に表示される状態に切り替えられる。
【0093】
さらに、制御部20は、遠方交差点についての案内図を前方風景の上端の中央に重畳する。そして、制御部20は、重畳した画像情報をユーザI/F部45の表示部に対して出力する。この結果、図5の画像I1〜I3に示すような画像がユーザI/F部45の表示部に表示される。すなわち、以上の処理によれば、車両が交差点S0を通過して道路R1を走行し、その後、交差点Sに到達するまでの間にユーザI/F部45の表示部に表示される画像は画像I1,I2,I3のように遷移する。具体的には、車両が交差点S0を通過するとステップS215にて交差点を通過したと判定され、直近交差点がS1となるとともにステップS230にて直近交差点についての案内図の表示位置が直近交差点への進入道路の所定位置の像上に設定される。
【0094】
次交差点についての案内図の表示位置は常に次交差点への進入道路の所定位置の像上であり、遠方交差点についての案内図の表示位置は常に画面の上端である。このため、車両が位置P11を走行している場合においては、画像I1のように、直近交差点への進入道路の所定位置の像上に俯瞰図の矢印でレーン構成を示す案内図Gn1が表示される。また、次交差点への進入道路の所定位置の像上に平面図の矢印で次交差点への進入道路のレーン構成を示す案内図Gf2が表示され、画面上端に平面図の矢印で遠方交差点への進入道路のレーン構成を示す案内図Gf3が表示される。
【0095】
車両による走行が継続され、車両が所定位置Pi1に到達すると、ステップS220にて車両が所定位置に到達したと判定され、ステップS225にて直近交差点についての案内図の表示位置が画面下端に設定される。このため、ユーザI/F部45の表示部に表示されている画像は画像I2のようになる。すなわち、画像I1において直近交差点への進入道路の所定位置の像上に案内図Gn1が表示されていた状態から、画像I2に示されるように画面下端に案内図Gn1が表示される状態に遷移する。
【0096】
なお、本実施形態において、車両が所定位置に到達する前においては直近交差点についての案内図Gn1が直近交差点への進入道路の所定位置の像上に固定されているため、車両の前進とともに前方風景内の直近交差点についての案内図Gn1が車両に接近するように視認される。一方、車両が所定位置に到達すると案内図Gn1が画面下端に固定されるため、車両の前進とともに前方風景内の直近交差点についての案内図Gn1が前進するように視認される。例えば、車両が位置P12から位置P13に移動すると、ユーザI/F部45の表示部に表示される画像は画像I2から画像I3のように変化し、前方風景が変化するものの、直近交差点についての案内図Gn1の表示位置は変化しない。従って、最も利用頻度が高い案内図である直近交差点についての案内図Gn1は、直近交差点についての進入道路を一見することでレーン構成を認識可能である。また、車両が直近交差点の遠方に存在する状態で当該直近交差点のレーン構成が画面下端で明示されることはなく、車両が直近交差点に接近することで徐々に直近交差点のレーン構成が明確化され、車両が所定位置を通過した後には車両が直近交差点を通過するまで直近交差点のレーン構成を明示することができる。
【0097】
一方、次交差点についての案内図Gf2は次交差点への進入道路の所定位置の像上に固定されているため、車両の前進とともに前方風景内の次交差点についての案内図Gf2が徐々に大きくなるように視認される。従って、2番目に利用頻度が高い案内図である次交差点についての案内図Gf2も次交差点についての進入道路を一見することでレーン構成を認識可能である。
【0098】
さらに、遠方交差点についての案内図Gf3は画面上端に固定されているため、案内図Gf3の大きさ等は車両の位置によって変化しない。従って、次交差点よりも先の遠方近交差点についての案内図Gf3は、運転者が既定の表示位置である画面上端に視線を合わせることによって視認可能である。また、以上の構成によれば、直近交差点、次交差点、遠方交差点のそれぞれに対する進入道路のレーン構成を示すアイコンと各交差点とを容易に対応づけることが可能である。
【0099】
さらに、第1の実施形態においては、複数の非直近交差点について案内図を表示する際に、画面上端において非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を並べて表示しているが、非直近交差点と案内図との対応関係が直接的あるいは間接的に示される限りにおいては、他にも種々の構成を採用可能である。例えば、交差点と案内図とを線で結ぶような構成を採用してもよい。なお、非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を並べる場合、非直近交差点に車両が到達する順番に案内図を上方から下方に並べる構成を採用することも可能である。
【0100】
さらに、第1の実施形態において、接近度は車両が直近交差点に接近している度合いを評価する指標であればよく、車両と直近交差点との距離を間接的に評価しても良い。例えば、前方風景内における交差点の像の高さ等によって接近度を評価することができる。むろん、接近度を評価するために車両と直近交差点との距離等を逆数に変換して閾値と比較する構成であってもよいし、車両と直近交差点との距離を判定基準と比較することによって接近度が閾値未満であるか否かを判定する構成等であってもよい。
【0101】
さらに、進入道路のレーン構成が案内される交差点は、走行経路上の全ての交差点であってもよいし、特定の交差点は案内対象から除外されても良い。例えば、上述の実施形態における地図情報30aに、車両が走行可能であるが極めて幅が狭い脇道に進入するための交差点や道路上に走行可能な進行方向を示す矢印ペイントが形成されていない交差点等についてのノードデータは含まれていない。従って、これらの交差点については、レーン構成の案内対象から除外される。
【0102】
さらに、表示部は前方風景に対して案内図を重畳することが可能な表示部であれば良く、HUD(Head-Up Display)であってもよい。すなわち、運転者によって直接的に視認される前方風景に対してHUDによって案内図を重畳する構成であってもよい。
【0103】
さらに、走行経路は、車両の現在位置と目的地との間の経路として探索された経路に限定されず、推定経路であってもよい。例えば、交差点において車両の運転者が主要道路(幅が大きい道路や有名な道路、交通量の多い道路等)を選択すると推定して走行経路を推定しても良い。
【符号の説明】
【0104】
10…ナビゲーション端末、20…制御部、21…交差点案内プログラム、21a…案内図取得部、21b…表示制御部、30…記録媒体、30a…地図情報、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…カメラ、45…ユーザI/F部
図1
図2
図3
図4
図5