特許第5966777号(P5966777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966777
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】空気調和機の室外機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/24 20110101AFI20160728BHJP
   F24F 1/22 20110101ALI20160728BHJP
   F24F 1/50 20110101ALI20160728BHJP
【FI】
   F24F1/24
   F24F1/22
   F24F1/50
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-192190(P2012-192190)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-47991(P2014-47991A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(72)【発明者】
【氏名】辻 康雅
(72)【発明者】
【氏名】水口 力生
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−218534(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/031219(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0133423(US,A1)
【文献】 特開平06−050574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/24
F24F 1/22
F24F 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面と左右側面の吸込口に沿って設けられた熱交換器と、圧縮機を備え、天板に吹出口および送風ファンを有する筐体を含み、前記筐体の前面には前面側が開口された電装品箱本体と前記開口を塞ぐ電装品箱蓋とを有する電装品箱が設けられ、前記電装品箱本体内部には電装部品が前記電装品箱本体の背面に沿って配置され、前記電装品箱の底面部には前記電装品箱内に空気を取り込むための吸気口が設けられ、前記電装品箱の天面には空気を排出する排気口が設けられている空気調和機の室外機において、
前記電装品箱本体は、背面の一部に開口部を設け、前記開口部には前記開口部を覆い前記筺体の背面側に向かって膨出する箱型のコンデンサケースを備え、前記コンデンサケース内にはコンデンサ端子が前記開口部よりも前面寄りになるようにコンデンサを配置し、
前記開口部の前面側には、前記コンデンサ端子を囲い前記吸気口に対応した通風口を天面と底面に有する端子台取付台と、同端子台取付台の前面に固定された第1端子台とを備えたことを特徴とする空気調和機の室外機。
【請求項2】
前記電装品箱本体は、前記圧縮機に電源を供給するための前記第1端子台と、前記室外機に商用電源を供給するための第2端子台とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面に空気吸込口が設けられ、上面に空気吹出口およびファンを有する大型の筐体を備えた空気調和機の室外機の電装品箱に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや商業施設などに設置される大型の空気調和機の室外機は、ベース上に三方を囲む熱交換器と熱交換器の上部中央に送風ファンを備えたファンモータと、筺体の前面側の上部に電装品箱が配置され、熱交換器に囲まれた内部に圧縮機、アキュムレータを含む室外側冷媒回路を構成する部品が配置されている。
電装品箱には、圧縮機やモータなどを制御するための各種電子部品が実装された制御基板およびコンデンサ、トランスやリレースイッチ等の電装部品が収納されているが、これら電装部品は発熱するため、熱を電装品箱の外に逃がさなければならない。
そこで、電装品箱の底部に電装品箱内に空気を取り込むための複数の吸気口を有する導風板を配設し、電装品箱の上部には空気を排出する排気口を設けて、吸気口の軸線の延長線上に、制御基板を配置することで、電装品箱内部の空気を効率的に放熱させる構造を備えた室外機がある。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−121857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今は、コストダウンのため、共通の室外機の筺体で、従来は24台の室内機を接続するものが、最大70台の室内機を接続可能となるものが求められている。
接続する室内機が多くなると、圧縮機に流れる電流も大きくなる。そこで大電流を制御する専用の電装部品の増設が必要とされるが、現状の電装品箱内では収容できない。
そこで、例えば、室外機筺体内部の空いているスペースを利用して電装品箱を一部膨出させて対応することも可能であるが、その場合は、電装品箱内部の空気を効率的に放熱させる構造を再構築しなければならない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するため、共通の筺体で電装品箱に搭載する大電流を制御する専用の電装部品の増設に対応でき、且つ、電装品箱内部の電装部品が発生する熱を効率的に放熱する空気調和機の室外機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、本発明は、背面と左右側面の吸込口に沿って設けられた熱交換器と、圧縮機を備え、天板に吹出口および送風ファンを有する筐体を含み、前記筐体の前面には前面側が開口された電装品箱本体と前記開口を塞ぐ電装品箱蓋とを有する電装品箱が設けられ、前記電装品箱本体内部には電装部品が前記電装品箱本体の背面に沿って配置され、前記電装品箱の底面部には前記電装品箱内に空気を取り込むための吸気口が設けられ、前記電装品箱の天面には空気を排出する排気口が設けられている空気調和機の室外機において、前記電装品箱本体は、背面の一部に開口部を設け、前記開口部には前記開口部を覆い前記筺体の背面側に向かって膨出する箱型のコンデンサケースを備え、前記コンデンサケース内にはコンデンサ端子が前記開口部よりも前面寄りになるようにコンデンサを配置し、前記開口部の前面側には、前記コンデンサ端子を囲い前記吸気口に対応した通風口を天面と底面に有する端子台取付台と、同端子台取付台の前面に固定された第1端子台とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電装品箱本体の背面の一部に開口部を設け、開口部には筺体の背面側に向かって膨出する箱型のコンデンサケースを備え、コンデンサケース内にはコンデンサ端子が開口部よりも前面寄りになるようにコンデンサを配置し、開口部の前面側にはコンデンサ端子を囲い通風口を天面と底面に有する端子台取付台と、端子台取付台の前面に固定された端子台とを備えたことで、電装品箱内部の電装部品及びコンデンサが発生する熱を効率的に放熱しつつ、コンデンサケースを設けることで電装品箱を従来と共通の筺体でも電装品箱に搭載する大電流を制御する専用の電装部品の増設に対応できる空気調和機の室外機となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による空気調和機の室外機の外観斜視図である。
図2】上記室外機の前面パネルを外した状態の要部斜視図である。
図3】上記室外機の電装品蓋を外し空気の流れを示した斜視図である。
図4】上記室外機の電装品箱を回動させた状態のを示す部分拡大斜視図である。
図5】上記電装品箱の分解図である。
図6】上記電装品箱をコンデンサケース中心にした断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。なお、本実施例は一実施例にすぎないもので、本発明の実施形態は本発明に限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
本発明による空気調和機の室外機1は、ビルや商業施設などに設置され、最大で70台程度の室内機に冷媒配管を介して接続するビル用マルチタイプの空気調和機に用いられるものである。図1図2に示すように、室外機1は、側面から空気を吸い込んで冷媒と熱交換した後に天面から吹き出すタイプであり、筐体10と、筐体10の内部に収納された室外側冷媒回路3とを備えている。
【0011】
<室外機筐体>
筐体10は、大型で縦長な略直方体形状であり、ベース11と、ベース11の四方の角部または角部付近にそれぞれ配置され上端から下端まで鉛直に延びる支柱12a〜12dと、支柱12a〜12dの上端に固定される吹出口13備えた天板14と、前面側の支柱12aと支柱12dの間を連結する連結板15と、各支柱12a〜12dの上端を接続する4枚の連結パネル16からなる。ベース11の下面には、筐体10を設置場所に固定するための基礎脚11aが据え付けられている。これらは、鋼板材をプレス加工して形成される。
支柱12aと支柱12dの間には前面側を覆う前面パネル17が取り付けられている。前面パネル17は、連結パネル16の下側に配置される上部前面パネル170と、上部前面パネル170の下側に配置される下部前面パネル171とからなり、それぞれ支柱12aと支柱12dにネジで着脱自在に取り付けられ、図2に示すように設置時やメンテナンス時には取り外すことができる。
【0012】
尚、以下、図1において前面パネル17のある側を前面とし、支柱12a、12bのある側を左側面とし、支柱12c、12dのある側を右側面とし、支柱12b、支柱12cのある側を背面として説明する。
【0013】
天板14の中央が開口された吹出口13はファンガード18で覆われている。吹出口13の内部には図示しないが吹出口13を囲った筒状のベルマウスが設けられ、ベルマウス内に送風ファン19が配置されている。送風ファン19は図示しないが連結パネル16に固定されたモータ支持台に据付けられたファンモータにより回転駆動される。また、支柱12aと支柱12b、支柱12bと支柱12c、支柱12aと支柱12dの間はそれぞれ開口された吸込口20が形成されている。
【0014】
図2に示すように、設置時やメンテナンス時に前面パネル17を取り外すと、筺体10の内部には、室外側冷媒回路3と、電装品箱4と、連結板15が現れる。
【0015】
<室外側冷媒回路>
室外側冷媒回路3は、熱交換器31、圧縮機32、圧縮機用アキュムレータ33、オイルタンク(図示なし)、レシーバータンク(図示なし)、アキュムレータ34と、操作弁35などの機器およびこれらの機器を接続する冷媒配管36等とからなる。
熱交換器31は、ベース11上に背面と左右側面の三方の吸込口20に沿って設けられる。
圧縮機32と圧縮機用アキュムレータ33は、筺体10内の前面側中央に配置され、圧縮機32と圧縮機用アキュムレータ33の周囲は鋼板材を折り曲げ加工して形成した圧縮機室37で囲まれている。
【0016】
上記の構成により、送風ファン19の回転により筺体10の三方の吸込口20から吸い込まれた空気は、熱交換器31で冷媒と熱交換した後に、筐体10のベルマウスと送風ファン19で上部に導かれ吹出口13から吹き出される。
【0017】
<電装品箱>
電装品箱4は、図2図3に示すように、鋼板材を折り曲げ加工して形成した前面が開口された箱体状の電装品箱本体40と、電装品箱本体40の開口を塞ぐように取り付けられる電装品箱蓋41とからなる。電装品箱本体40の左側面には把手42を備える。
【0018】
電装品箱4は、電装品箱本体40の右側面上端が連結パネル16に、右側面下端が連結板15に片持ちヒンジ21、22によってそれぞれ回動可能に軸支されており、図4に示すように把手42により開き戸のように開閉するようになっている。これにより、筺体10内で電装品箱4の奥側に配置されている室外側冷媒回路20の各機器がメンテナンス可能となる。
【0019】
<電装品箱本体>
電装品箱本体40は、図3に示すように、左右両端が前方に折れ曲がった背面板401と、背面板401の上端を塞ぐ箱体状の上面板402と、背面板401の左右両端の内側に背面板401を補強するために固着される側面板403、404とからなる。側面板403、404の前端は内側に向かいほぼ直角に折り曲げられ電装品箱蓋41がネジ止め固定される。
【0020】
<電装品箱本体−背面板>
背面板401は内側に基板取付台46を備える。基板取付台46には、図3に示すように電装部品5が配置されている。電装部品5には、基板取付台46の中央で室外側冷媒回路3を制御するための各種電子部品が実装されたメイン制御基板50やトランス56、メイン制御基板50に商用電源から供給されるAC電源を供給する第2端子台57および右側上方のインバータ基板54、スイッチング素子58等がある。
従来の最大24台までの室内機を接続する室外機ではスイッチング素子はインバータ基板54の中に搭載されていたが、最大70台までの室内機を接続する本発明の室外機1では、圧縮機32に流れる電流が大きくなる。そのため大電流を切換えるスイッチング素子も大きくなりインバータ基板54に搭載できなくなる。そこでインバータ基板54の下に別途スイッチング素子58が設けられている。
【0021】
<電装品箱本体−導風板>
背面板401の下端には、図3図5図6に示すようにL字状に折り曲げられた係止部401aが形成され、係止部401aの前方に導風板43が固定される。
導風板43は、係止部401aからほぼ垂直に立設される吸気部432を有し、吸気部432に電装品箱4内に空気を取り込むための吸気口44が形成されている。図3に示すように、吸気口44は、吸気部432の延在方向(図3では左右方向)に沿って所定間隔で多数穿設されている。吸気部432の天面は後述するガイド部433となる。また、導風板43には、吸気部432の下端が下方に延出した面に複数のケーブル取入孔431が設けられている。
【0022】
<電装品箱蓋>
電装品箱蓋41は、図6に示すように電装品箱本体40の正面開口を塞ぐ大きさの板状に形成されている。電装品箱蓋41の下端側は、L字状に折り曲げられた折曲部411が形成されており、折曲部411に沿ってシール材60が一体的に貼り合わせられている。
シール材60は、例えばポリエチレンやポリスチレンなどの合成樹脂製の断面四角形の棒状を呈し、折曲部411の内面に沿って両面粘着テープまたは接着剤を介して貼り付けられている。
【0023】
これによれば、シール材60が導風板43の外側面に沿って当接することにより、電装品箱4の下面開口を確実に塞ぐことができるばかりでなく、電装品箱4がモータ振動などによってビビリ音を発生することを防止できる。さらには、導風板43とシール材60との間から引き出されるケーブル7にシール材60が密着するため、ケーブル7の隙間を塞いで虫などの侵入をより確実に塞ぐことができる。
【0024】
電装品箱4内の空気を排気する排気口45は、上面板402と電装品箱蓋41の間に形成された隙間を利用して電装品箱4内の空気を排気している。
【0025】
最大70台までの室内機を接続する本発明の室外機1は、圧縮機32に流れる大電流を切換えるためインバータ基板54の下に別途スイッチング素子58が設けられているが、スイッチング素子58はケーブル7を直接接続できる端子がないため圧縮機32との間を中継する専用の第1端子台53の増設が必要となる。
そこで第1端子台53の増設場所を確保するために、電装品箱本体40内では大型の電子部品であるコンデンサ52を電装品箱本体40内から電装品箱本体40の背面側に設置させる。
【0026】
<コンデンサケース>
電装品箱本体40は、図4から図6に示すように、背面にインバータ基板54に搭載されたパワーモジュールとスイッチング素子58等の発熱部品を冷却するヒートシンク51と、背面板401の一部に開口部401bを設け、開口部401bには開口部401bを覆い筺体10の背面側に向かって膨出する箱型のコンデンサケース47を備える。
コンデンサケース47の位置は圧縮機室37の上方で、圧縮機室37や室外側冷媒回路から引き出される冷媒配管36よりも前方にあたり、圧縮機32や操作弁35やファンモータと電装品箱4内の電装部品5を接続するケーブル7が納まっているだけで、スペース的にコンデンサケース47を設けても他の部品に影響を与えることはなく、コンデンサケース47を設けることで電装品箱4が従来と共通の筺体でも電装品箱に搭載する電装部品5(スイッチング素子58と第1端子台53)の増設に対応することができる。
【0027】
コンデンサケース47は、図5に示すように、背面板471と上面板472と底面板473とを組み合わせて前面側(電装品箱側)が開口された箱型状に形成され、背面板471にコンデンサ取付台474がスポット溶接される。
コンデンサケース47内には2台のコンデンサ52を有する。コンデンサ52はコンデンサ端子521が開口部401bよりも前面寄りになるようにバンド522でコンデンサ取付台474に固定される。
コンデンサケース47の奥行きは、コンデンサ端子521が開口部401bよりも前面寄りに位置するようにコンデンサ52の奥行きとコンデンサ取付台474の奥行きに合わせてある。
【0028】
<端子台支持台>
背面板401の開口部401bに合わせ基板取付台46にも開口部46aを設ける。開口部46aの前面側には、図5図6に示すように、コンデンサ52のコンデンサ端子521の絶縁に必要な空間を設けてコンデンサ端子521を囲うように板金を折り曲げ加工した端子台支持台48が固定されている。
端子台支持台48は、前面に第1端子台53を備え、前面よりも一段下がった面にコネクタ551で固定された電流センサ55を備える。
また、端子台支持台48は、前面側から基板取付台46に向かい脚部481を備え、この脚部481が基板取付台46の開口部46aの周囲に固定される。脚部481の底面には導風板43の吸気口44に対応する位置に複数箇所の切欠が設けられている。この切欠が空気の入口用の通風口482となる。
尚、端子台支持台48の天面側には脚部481はなく、通風口482から流れた空気の出口用の通風口483となるとともに、トランス56やインバータ基板54とコンデンサ52のコンデンサ端子521とを繋ぐケーブル70の経路ともなる。
【0029】
第1端子台53は、スイッチング素子58と圧縮機32の間を中継し圧縮機32を駆動するモータに三相電源を供給する端子台である。
図3図6に示すように、スイッチング素子58から引き出されたケーブル71が電流センサ55を介して第1端子台53の上部に接続され、第1端子台53の下部に接続されたケーブル72はケーブル取入孔431を通り圧縮機32のモータへ接続される。
【0030】
室外機と接続する室内機の台数が少ない従来例の場合は第1端子台53は不要であり、インバータ基板から圧縮機へケーブルで直接接続される。本発明はスイッチング素子58と第1端子台53が増設されても、従来と共通の電装品箱4の筺体で対応できるものである。
【0031】
<通風経路>
次に、電装品箱4内の放熱について説明する。図6に示すように、導風板53には、吸気口531から吸い込まれた空気Sをメイン制御基板50の裏面側や端子台取付台48の通風口482へと導くガイド部433が設けられている。ガイド部433は、吸気口44の軸線の延長線上に、その一部が張り出すように形成されており、吸気口44から入った空気Sがガイド部433に衝突することで、降雨時などに空気に含まれるミスト状の水を分離することができるばかりでなく、空気の流速を一定にすることができる。
導風板43とガイド部433を通り抜けた空気Sは、一部が端子台支持台48の脚部481の通風口482に流れ込む。空気Sは開口部401b、46aからコンデンサケース47へ流れ込みコンデンサ52から放熱された熱を冷却する。温められた空気は開口部401b、46aから抜け、通風口483から電装品箱4内に出る。空気Sは、電装品箱4の中の熱を吸収しながら電装品箱4の中を上に上昇してゆき、最後に電装品箱4の前面上部に形成される排気口45から箱外に排気される。
これによれば、空気の自然な対流によって冷たい空気Sが電装品箱4の下部から吸気され、電装品類によって温められた空気が電装品箱4の上部から排気されるため、冷却効率がよい。
【0032】
また、電装品箱4で場所を占めるコンデンサ52を電装品箱4の背面側に膨出させ、その手前に第1端子台53を設けられたことで、電装品箱を従来と共通の筺体で低能力機種から高能力機種や高性能機種まで補える室外機となる。
【符号の説明】
【0033】
1:室外機、10:筺体、15:連結板、16:連結パネル、17:前面パネル、19:送風ファン
3:室外側冷媒回路、31:熱交換器、32:圧縮機、37:圧縮機室
4:電装品箱、40:電装品箱本体、401:背面板、401b:開口部、402:上面板、41:電装品箱蓋、42:把手、43:導風板、44:吸気口、45:排気口、46:基板取付台、46a:開口部、47:コンデンサケース、48:端子台支持台、481:脚部、482・483:通風口
5:電装部品、50:メイン制御基板、51:ヒートシンク、52:コンデンサ、521:端子、53:第1端子台、54:インバーター基板、55:電流センサ、57:第2端子台、58:スイッチング素子
60:シール材
7・70・71・72:ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6