特許第5966883号(P5966883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5966883
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20160728BHJP
   H04M 1/247 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   H04M3/42 U
   H04M1/247
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-257670(P2012-257670)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-107633(P2014-107633A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】永野 秀和
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−169137(JP,A)
【文献】 特開2012−060296(JP,A)
【文献】 特開2007−272906(JP,A)
【文献】 特開2009−060544(JP,A)
【文献】 特開2008−028773(JP,A)
【文献】 特開2008−078711(JP,A)
【文献】 特開2006−157111(JP,A)
【文献】 特開2007−219868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の通信手段を備えた通信装置であって、
自通信装置の操作者が採り得るプレゼンス毎に、通信相手各々に対して使用を許容する少なくとも一つの前記通信手段を特定するための許容通信手段情報を記憶する第一の記憶手段と、
信相手識別情報毎に、前記操作者が当該通信相手から使用を許容された少なくとも一つの前記通信手段を特定するための被許容通信手段情報を記憶する第二の記憶手段と、
前記操作者のレゼンスが変更される毎に、変更後のプレゼンスに対応付けられて前記第一の記憶手段に記憶されている許容通信手段情報を、当該操作者の識別情報とともに同報送信する送信手段と、
他の通信装置から同報送信された許容通信手段情報を、前記他の通信装置に対応付けられている通信相手の識別情報ととも受信する受信手段と、
前記受信手段が許容通信手段情報受信する毎に、当該許容通信手段情報から、自通信装置の操作者に対して許容される通信手段を抽出して、当該許容通信手段情報とともに受信した識別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報を更新する更新手段と、
前記操作者から通信相手の識別情報の指定を含む通信要求を受け付けた場合に、当該識別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報を表示する表示手段と、を有する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記操作者より前記複数種類の通信手段の一つとして電話予約を受け付けた場合に、前記通信要求で指定された通信相手の別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報を監視し、当該被許容通信手段情報に電話発信が含まれることになったならば、当該通信相手に対する発信処理を実施する発信処理手段をさらに有する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信装置であって、
前記第二の記憶手段は、
信相手識別情報毎に、被許容通信手段情報を当該通信相手のレゼンスとともに記憶し、
前記送信手段は、
変更後のプレゼンスに対応付けられて前記第一の記憶手段に記憶されている許容通信手段情報を、前記操作者の識別情報および当該変更後のプレゼンスを示すプレゼンス情報とともに同報送信し、
前記受信手段は
前記他の通信装置から同報送信された許容通信手段情報を、前記他の通信装置に対応付けられている通信相手の識別情報およびプレゼンス情報とともに受信し、
前記更新手段は、
前記受信手段許容通信手段情報受信する毎に、当該許容通信手段情報および当該許容通信手段情報とともに受信したプレゼンス情報に基づいて、当該許容通信手段情報とともに受信した識別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報およびレゼンスを更新し、
前記表示手段は、
前記受信手段が、前記他の通信装置から同報送信された許容通信手段情報を、前記他の通信装置に対応付けられている通信相手の識別情報および前記プレゼンス情報とともに受信した場合には、当該通信相手の識別情報および当該プレゼンス情報が示すプレゼンスを表示し、
前記操作者から通信相手の識別情報の指定を含む通信要求を受け付けた場合には、前記通信要求により指定された信相手の別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報およびレゼンスを表示する
ことを特徴とする通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の通信手段を備えた通信装置に関し、特に通信相手に対する通信手段の選択支援技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信相手のプレゼンスに対して最適な通信手段を用いて通信相手とコミュニケーションを図り、コミュニケーションにおける時間的、労力的ロスの発生を回避することができる通信システムが開示されている。
【0003】
この通信システムにおいて、プレゼンスサーバは、各ユーザのプレゼンスを管理するとともに、ユーザおよびプレゼンスの組合せ毎に、各通話相手に対する最適な通信手段を記憶しており、電話交換機から発信者および受信者の情報を受信すると、受信者およびこの受信者のプレゼンスの組合せに対応付けて記憶されている発信者に対する最適な通信手段を特定する。そして、この特定した通信手段を用いて発信者と受信者との間のコミュニケーションを図るように、電話交換機等と連携する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−60296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の通信システムでは、受信者およびこの受信者のプレゼンスに応じて通信手段が決定されるため、発信者が希望しない通信手段が選択される可能性がある。このように、特許文献1に記載の通信システムは、発信者の利便性を考慮しておらず、発信者に対する配慮に欠けている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信者のプレゼンスを考慮しつつ、受信者との通信に利用する通信手段を発信者が柔軟に選択可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、通信装置は、複数種類の通信手段を備え、操作者が採り得るプレゼンス毎に、各通信相手に対して使用を許容する少なくとも一つの通信手段を特定するための許容通信手段情報を記憶している。また、操作者のプレゼンスが変更される毎に、変更後のプレゼンスに対応付けられて記憶されている許容通信手段情報を操作者の識別情報とともに送信する。また、許容通信手段情報を識別情報とともに受信し、この識別情報により特定される通信相手に対応付けて、操作者がこの通信相手から使用を許容された少なくとも一つの通信手段を特定するための被許容通手段情報を記憶する。そして、操作者から通信相手の指定を含む通信要求を受け付けた場合に、この通信相手に対応付けられて記憶されている被許容通信手段情報を表示する。
【0008】
例えば、本発明は複数種類の通信手段を備えた通信装置であって、
自通信装置の操作者が採り得るプレゼンス毎に、通信相手各々に対して使用を許容する少なくとも一つの前記通信手段を特定するための許容通信手段情報を記憶する第一の記憶手段と、
信相手識別情報毎に、前記操作者が当該通信相手から使用を許容された少なくとも一つの前記通信手段を特定するための被許容通信手段情報を記憶する第二の記憶手段と、
前記操作者のレゼンスが変更される毎に、変更後のプレゼンスに対応付けられて前記第一の記憶手段に記憶されている許容通信手段情報を、当該操作者の識別情報とともに同報送信する送信手段と、
他の通信装置から同報送信された許容通信手段情報を、前記他の通信装置に対応付けられている通信相手の識別情報ととも受信する受信手段と、
前記受信手段が許容通信手段情報受信する毎に、当該許容通信手段情報から、自通信装置の操作者に対して許容される通信手段を抽出して、当該許容通信手段情報とともに受信した識別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報を更新する更新手段と、
前記操作者から通信相手の識別情報の指定を含む通信要求を受け付けた場合に、当該識別情報に対応付けられて前記第二の記憶手段に記憶されている被許容通信手段情報を表示する表示手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信相手のプレゼンスにおいて通信相手が操作者に対して許容する通信手段が少なくとも一つ表示されるので、発信者は、受信者のプレゼンスを考慮しつつ、受信者との通信に利用する通信手段を柔軟に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの第一の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る通信システムの第二の動作例を説明するためのシーケンス図である。
図4図4(A)、(B)は、使用ツール選択画面例を示す図である。
図5図5は、電話予約による電話発信確認画面例を示す図である。
図6図6は、通信端末1の概略機能構成図である。
図7図7は、許容コミュニケーション情報記憶部102の登録内容例を模式的に表した図である。
図8図8は、許容ツール記憶部106の登録内容例を模式的に表した図である。
図9図9は、通信端末1の動作を説明するためのフロー図である。
図10図10は、図9に示すコミュニケーションツール選択支援処理(S211)を説明するためのフロー図である。
図11図11は、図9に示す予約発信支援処理(S209)を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る通信システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る通信システムは、IP電話機能および電子メールクライアント機能を備えた複数の通信端末1−1〜1−N(以下、単に通信端末1とも称する)と、通信端末1にIP電話サービスを提供する呼制御サーバ2と、通信端末1に電子メールサービスを提供するメールサーバ3とが、LAN4を介して相互接続されて構成されている。
【0014】
通信端末1は、在席、帰宅、会議中、外出中といった操作者のプレゼンス毎に、各通信相手に対して使用を許容する少なくとも一つのコミュニケーションツールを特定するための特定情報を有する許容コミュニケーション情報を記憶しており、操作者のプレゼンスが変更される毎に、変更後のプレゼンスに対応付けられて記憶されている許容コミュニケーション情報を同報送信する。また、通信端末1は、許容コミュニケーション情報を受信すると、この許容コミュニケーション情報から、自通信端末1の操作者に対する許容ツールの特定情報を抽出する。そして、この特定情報に基づいて、操作者が許容コミュニケーション情報の送信元から使用を許容された少なくとも一つのコミュニケーションツール(以下、許容ツールと称する)を特定し、特定した許容ツールを許容コミュニケーション情報の送信元に対応付けて記憶する。通信相手の指定を伴うコミュニケーション要求を操作者から受け付けた場合に、この通信相手に対応付けられて記憶されている一つ以上の許容ツールを表示して、そのなかから、操作者が使用する許容ツール(以下、使用ツールと称する)の選択を受け付ける。そして、選択された使用ツールを用いて、コミュニケーション要求で指定された通信相手とのコミュニケーションを実現する。
【0015】
本実施の形態では、コミュニケーションツールとして、IP電話機能による電話発信ツール、IP電話機能による電話予約ツール、および電子メール機能によるメール送信ツールを想定している。また、許容コミュニケーション情報においては、各通信相手に対する許容ツールの特定情報として、電話発信ツールおよびメール送信ツールを特定する情報「電話許可」、電話予約ツールおよびメール送信ツールを特定する情報「電話拒否」を用いている。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る通信システムの第一の動作例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、説明の簡略化のため、通信システムに3台の通信端末1−1〜1−3が含まれる場合を例に挙げる。
【0017】
まず、通信端末1−1は、自通信端末1−1の操作者のプレゼンスを「在席」から「会議中」に変更する変更操作を受け付けたものとする(S100)。この場合、通信端末1−1は、変更後のプレゼンス「会議中」に対応付けられている許容コミュニケーション情報を検索し(S101)、この許容コミュニケーション情報を、変更後のプレゼンス「会議中」を示すプレゼンス情報および自通信端末1−1の操作者のユーザIDとともに同報送信する(S102)。ここでは、通信端末1−2の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話許可」および通信端末1−3の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話拒否」を含む許容コミュニケーション情報が同報送信されたものとする。
【0018】
通信端末1−2は、同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると、受信したプレゼンス情報およびユーザIDに従い、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を表示する(S103)。また、受信した許容コミュニケーション情報から、自通信端末1−2の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話許可」を抽出し、この特定情報「電話許可」、および、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けて記憶する。あるいは、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報およびプレゼンスを、「電話許可」および「会議中」に更新する(S105)。
【0019】
同様に、通信端末1−3は、同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると、受信したプレゼンス情報およびユーザIDに従い、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を表示する(S104)。また、受信した許容コミュニケーション情報から、自通信端末1−3の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話拒否」を抽出し、この特定情報「電話拒否」、および、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けて記憶する。あるいは、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報およびプレゼンスを、「電話拒否」および「会議中」に更新する(S106)。
【0020】
つぎに、通信端末1−2は、自通信端末1−2の操作者から、通信端末1−1の操作者に対するコミュニケーション要求を受け付けたものとする(S107)。この場合、通信端末1−2は、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報「電話許可」から、通信端末1−2の操作者に対する許容ツールが「電話発信」ツールおよび「メール送信」ツールであると判定する(S108)。そして、図4(A)に示すように、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されているプレゼンス「会議中」51とともに、許容ツール(「電話発信」ツール52および「メール送信」ツール54)が配置された使用ツール選択画面50aを表示し、この使用ツール選択画面50a上において、表示中の許容ツール52、54のなかから、通信端末1−1の操作者に対する使用ツールの選択を受け付ける(S109)。
【0021】
ここで、通信端末1−1の操作者に対する使用ツールとして「電話発信」ツール52が選択されたものとする(S110)。これを受けて、通信端末1−2は、呼制御サーバ2に対して、通信端末1−1を発信先とする接続要求を送信する(S111)。そして、呼制御サーバ2は、この接続要求を通信端末1−1に中継する(S112)。
【0022】
つぎに、通信端末1−1は、通信端末1−2を発信元とする接続要求を呼制御サーバ2から受信すると、着信鳴動するなどして自通信端末1−1の操作者にその旨を知らせる。そして、操作者から応答操作を受け付けると(S113)、呼制御サーバ2に接続応答を送信する(S114)。これを受けて、呼制御サーバ2は、この接続応答を通信端末1−2に中継する(S115)。これにより、通信端末1−1と通信端末1−2との間にセッションが確立され、通話が可能となる(S116)。
【0023】
つぎに、通信端末1−3は、自通信端末1−3の操作者から、通信端末1−1の操作者に対するコミュニケーション要求を受け付けたものとする(S117)。この場合、通信端末1−3は、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報「電話拒否」から、通信端末1−3の操作者に対する許容ツールが「電話予約」ツール53および「送信メール」ツール54であると判定する(S118)。そして、図4(B)に示すように、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されているプレゼンス「会議中」51とともに、許容ツール(「電話予約」ツール53、「メール送信」ツール54)が配置された使用ツール選択画面50bを表示し、この使用ツール選択画面50b上において、表示中の許容ツール53、54のなかから、通信端末1−1の操作者に対する使用ツールの選択を受け付ける(S119)。
【0024】
ここで、通信端末1−1の操作者に対する使用ツールとして「メール送信」ツール54が選択されたものとする(S120)。これを受けて、通信端末1−3は、通信端末1−1を送信先とする電子メールの編集画面を表示して、操作者から電子メールの編集を受け付ける(S121)。そして、操作者の指示に従い、通信端末1−1を送信先とする電子メールをメールサーバ3に送信する(S122)。これを受けて、メールサーバ3は、この電子メールを通信端末1−1に転送する(S123)。
【0025】
図3は、本実施の形態に係る通信システムの第二の動作例を説明するためのシーケンス図である。ここでは、説明の簡略化のため、通信システムに3台の通信端末1−1〜1−3が含まれる場合を例に挙げている。
【0026】
まず、通信端末1−1は、自通信端末1−1の操作者のプレゼンスを「在席」から「会議中」に変更する変更操作を受け付けたものとする(S150)。この場合、通信端末1−1は、変更後のプレゼンス「会議中」に対応付けられている許容コミュニケーション情報を検索し(S151)、この許容コミュニケーション情報を、変更後のプレゼンス「会議中」を示すプレゼンス情報および自通信端末1−1の操作者のユーザIDとともに同報送信する(S152)。ここでは、通信端末1−2の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話許可」および通信端末1−3の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話拒否」を含む許容コミュニケーション情報が同報送信されたものとする。
【0027】
通信端末1−2は、同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると、受信したプレゼンス情報およびユーザIDに従い、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を表示する(S153)。また、受信した許容コミュニケーション情報から、自通信端末1−2の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話許可」を抽出し、この特定情報「電話許可」、および、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けて記憶する。あるいは、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報およびプレゼンスを、「電話許可」および「会議中」に更新する(S155)。
【0028】
同様に、通信端末1−3は、同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると、受信したプレゼンス情報およびユーザIDに従い、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を表示する(S154)。また、受信した許容コミュニケーション情報から、自通信端末1−3の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話拒否」を抽出し、この特定情報「電話拒否」、および、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「会議中」を、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けて記憶する。あるいは、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報およびプレゼンスを、「電話拒否」および「会議中」に更新する(S156)。
【0029】
つぎに、通信端末1−3は、自通信端末1−3の操作者から、通信端末1−1に対するコミュニケーション要求を受け付けたとする(S157)。この場合、通信端末1−3は、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報「電話拒否」から、通信端末1−3の操作者に対する許容ツールが「電話予約」ツール53および「メール送信」ツール54であると判定する(S158)。そして、図4(B)に示すように、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されているプレゼンス「会議中」51とともに、許容ツール(「電話予約」ツール53、「メール送信」ツール54)が配置された使用ツール選択画面50bを表示し、この使用ツール選択画面50b上において、表示中の許容ツール53、54のなかから、通信端末1−1の操作者に対する使用ツールの選択を受け付ける(S159)。
【0030】
ここで、通信端末1−1の操作者に対する使用ツールとして「電話予約」ツール53が選択されたものとする(S160)。これを受けて、通信端末1−3は、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報を監視し(S161)、この特定情報が「電話拒否」から「電話許可」に更新されるのを待つ。
【0031】
その後、通信端末1−1は、自通信端末1−1の操作者のプレゼンスを「会議中」から「在席」に変更する変更操作を受け付けたものとする(S162)。この場合、通信端末1−1は、変更後のプレゼンス「在席」に対応付けられている許容コミュニケーション情報を検索し(S163)、この許容コミュニケーション情報を、変更後のプレゼンス「在席」を示すプレゼンス情報および自通信端末1−1の操作者のユーザIDとともに同報送信する(S164)。ここでは、通信端末1−2、1−3各々の操作者に対する許容ツールの特定情報が両方ともに「電話許可」である許容コミュニケーション情報が同報送信されたものとする。
【0032】
通信端末1−2は、同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると、受信したプレゼンス情報およびユーザIDに従い、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「在席」を表示する(S165)。また、受信した許容コミュニケーション情報から、自通信端末1−2の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話許可」を抽出し、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報およびプレゼンスを「電話許可」および「在席」に更新する(S167)。
【0033】
同様に、通信端末1−3は、同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると、受信したプレゼンス情報およびユーザIDに従い、通信端末1−1の操作者のプレゼンス「在席」を表示する(S166)。また、受信した許容コミュニケーション情報から、自通信端末1−3の操作者に対する許容ツールの特定情報「電話許可」を抽出し、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報およびプレゼンスを、「電話許可」および「会議中」に更新する(S168)。
【0034】
さて、通信端末1−3は、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報が「電話拒否」から「電話許可」に更新されると、図5に示すように、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されているプレゼンス「在席」55とともに、発信指示を受け付ける「電話発信」ツール56およびキャンセル指示を受け付ける「キャンセル」ツール57が配置された電話発信確認画面50cを表示し、この電話発信確認画面50c上において、電話予約されていた通信端末1−1への電話発信を実施するか否かの確認を受け付ける(S169)。なお、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されているプレゼンス55の代わりに、通信端末1−1の操作者のユーザIDに対応付けられて記憶されている許容ツールの特定情報特定情報「電話許可」を電話発信確認画面50cに表示してもよい。
【0035】
ここで、通信端末1−3は、自通信端末1−3の操作者から電話発信を指示されたものとする(S170)。これを受けて、通信端末1−3は、呼制御サーバ2に対して、通信端末1−1を発信先とする接続要求を送信する(S171)。そして、呼制御サーバ2は、この接続要求を通信端末1−1に中継する(S172)。
【0036】
つぎに、通信端末1−1は、通信端末1−3を発信元とする接続要求を呼制御サーバ2から受信すると、着信鳴動するなどして自通信端末1−1の操作者にその旨を知らせる。そして、操作者から応答操作を受け付けると(S173)、呼制御サーバ2に接続応答を送信する(S174)。これを受けて、呼制御サーバ2は、この接続応答を通信端末1−3に中継する(S175)。これにより、通信端末1−1と通信端末1−3との間にセッションが確立され、通話が可能となる(S176)。
【0037】
つぎに、通信端末1の詳細を説明する。なお、呼制御サーバ2およびメールサーバ3には既存の一般的な呼制御サーバ、メールサーバを用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0038】
図6は、通信端末1の概略機能構成図である。
【0039】
図示するように、通信端末1は、LANインターフェース部100と、マンマシンインターフェース部101と、許容コミュニケーション情報記憶部102と、許容コミュニケーション情報受付部103と、プレゼンス変更操作受付部104と、許容コミュニケーション情報送信部105と、許容ツール記憶部106と、許容コミュニケーション情報受信部107と、許容ツール記憶制御部108と、IP電話機能部109と、電子メール機能部110と、電話予約管理部111と、電話帳データ記憶部112と、コミュニケーション支援部113と、を備えている。
【0040】
LANインターフェース部100は、LAN4に接続するためのインターフェースである。
【0041】
マンマシンインターフェース部101は、操作者に情報や音声を伝えたり、操作者から指示や音声を受け付けたりするためのインターフェースであり、液晶パネル等の表示装置、各種キー、ボタン等の入力装置、およびマイク、スピーカからなる音声入出力装置を備えている。なお、表示装置および入力装置は、タッチパネル機能付き液晶パネルであってもよい。
【0042】
許容コミュニケーション情報記憶部102には、操作者のプレゼンス毎に、各通信相手に対する一以上の許容ツールの特定情報(操作者が通信相手に対して使用を許容する一以上のコミュニケーションツールを特定するための特定情報)を有する許容コミュニケーション情報が記憶されている。
【0043】
図7は、許容コミュニケーション情報記憶部102の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、許容コミュニケーション情報記憶部102には、在席、帰宅、会議中、外出中といった、自通信端末1の操作者が採り得るプレゼンス1021毎に、許容コミュニケーション情報のテーブル1020が記憶されている。そして、許容コミュニケーション情報のテーブル1020には、通話相手毎に、許容ツールの特定情報のレコード1022が記憶されている。許容ツールの特定情報のレコード1022は、通話相手のユーザIDを登録するフィールド1023と、この通話相手に対する一以上の許容ツールの特定情報を登録するフィールド1024と、を有する。
【0044】
許容コミュニケーション情報受付部103は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者より、操作者の各プレゼンスにおける許容コミュニケーション情報を受け付けて、許容コミュニケーション情報記憶部102に記憶する。
【0045】
プレゼンス変更操作受付部104は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者よりプレゼンスの変更操作を受け付ける。
【0046】
許容コミュニケーション情報送信部105は、操作者からプレゼンスの変更操作をプレゼンス変更操作受付部104が受け付ける毎に、許容コミュニケーション情報記憶部102から変更後のプレゼンス1021に対応する許容コミュニケーション情報のテーブル1020を検索して、このテーブル1020に記憶されている各通信相手に対する許容ツールの特定情報のレコード1022を有する許容コミュニケーション情報を生成し、この許容コミュニケーション情報を、変更後のプレゼンス1021が記述されたプレゼンス情報および自通信端末1の操作者のユーザIDとともにLANインターフェース部100から同報送信する。
【0047】
許容ツール記憶部106には、通信相手毎に、自通信端末1の操作者に対する一以上の許容ツールの特定情報(通信相手が自通信端末1の操作者に対して使用を許容する一以上のコミュニケーションツールを特定するための特定情報)が記憶されている。
【0048】
図8は、許容ツール記憶部106の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、許容ツール記憶部106には、通信相手毎に許容ツールのレコード1060が記憶されている。許容ツールのレコード1060は、通話相手のユーザIDを登録するフィールド1061と、通話相手のプレゼンスを登録するフィールド1062と、自通信端末1の操作者に対する許容ツールの特定情報を登録するフィールド1063と、を有する。
【0049】
許容コミュニケーション情報受信部107は、他の通信端末1から同報送信された許容コミュニケーション情報を、プレゼンス情報およびユーザIDとともに、LANインターフェース部100を介して受信する。
【0050】
許容ツール記憶制御部108は、許容コミュニケーション情報受信部107により受信された許容コミュニケーション情報から、自通信端末1の操作者に対する許容ツールの特定情報を抽出する。また、この許容コミュニケーション情報とともに受信されたユーザIDがフィールド1061に登録されている許容ツールのレコード1060を許容ツール記憶部106から検索し、検索したレコード1060のフィールド1062に、この許容コミュニケーション情報とともに受信されたプレゼンス情報に記述されているプレゼンスを登録するとともに、このレコード1060のフィールド1063に、この許容コミュニケーション情報から抽出した特定情報(自通信端末1の操作者に対する特定情報)を登録する。また、許容ツール記憶制御部108は、この許容コミュニケーション情報とともに受信されたプレゼンス情報に記述されているプレゼンスを、この許容コミュニケーション情報とともに受信されたユーザIDにより特定される通信相手のユーザ情報とともにマンマシンインターフェース部101に表示する。
【0051】
IP電話機能部109は、呼制御サーバ2と連携して、IP電話機能を実現するために必要な処理を実施する。具体的には、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従い呼制御サーバ発着信処理を実施する。また、RTP(Realtime Transport Protocol)等の伝送プロトコルに従い通話処理を実施する。
【0052】
電子メール機能部110は、メールサーバ3と連携して、電子メールクライアント機能を実現するために必要な処理を実施する。具体的には、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等のメール転送プロトコルに従い、他の通信端末1宛ての電子メールをメールサーバ3に送信する。また、POP(Post Office Protocol)3等のメール受信プロトコルに従い、自通信端末1宛ての電子メールをメールサーバ3から受信する。
【0053】
電話予約管理部111は、指定された通信相手に対する電話予約を管理しており、電話予約された通信相手に対する電話発信が可能となった場合に、電話予約された通信相手に対する電話発信をコミュニケーション支援部113に依頼する。
【0054】
電話帳データ記憶部112には、通話相手毎に、ユーザIDと、ユーザ名、役職等のユーザ情報と、電話番号、電子メールアドレス等の連絡先情報等と、を含む電話帳データが記憶されている。
【0055】
コミュニケーション支援部113は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者から、通信相手のユーザIDの指定を伴うコミュニケーション要求を受け付けると、このコミュニケーション要求に従い、この通信相手に対する使用ツールの選択を、この通信相手のプレゼンスを考慮しつつ支援する。また、電話予約管理部111からの依頼に応じて、電話予約された通信相手に対する発信処理をIP電話機能部109に実施させる。
【0056】
図9は、通信端末1の動作を説明するためのフロー図である。
【0057】
通信端末1において、許容コミュニケーション情報受付部103は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者より許容コミュニケーション情報の新規または更新登録操作を受け付けると(S200でYES)、許容コミュニケーション情報記憶部102の各テーブル1020のレコード1022の登録内容をマンマシンインターフェース部101に表示する。そして、操作者から、表示中のレコード1022の編集操作、または、新たなレコード1022の追加操作を受け付け、さらに登録指示を受け付けると、許容コミュニケーション情報記憶部102の登録内容を更新する(S201)。
【0058】
また、プレゼンス変更操作受付部102は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者よりプレゼンスの変更操作を受け付けると(S202でYES)、変更後のプレゼンスを許容コミュニケーション情報送信部105に通知する。これを受けて、許容コミュニケーション情報送信部105は、通知されたプレゼンス1021に対応する許容コミュニケーション情報のテーブル1020を検索する(S203)。そして、検索したテーブル1020に記憶されている、各通信相手に対する特定情報のレコード1022を有する許容コミュニケーション情報を生成し、この許容コミュニケーション情報を、通知されたプレゼンスが記述されたプレゼンス情報および自通信端末1の操作者のユーザIDとともにLANインターフェース部100から同報送信する(S204)。
【0059】
また、許容コミュニケーション情報受信部107は、LANインターフェース部100を介して他の通信端末1から同報送信された許容コミュニケーション情報をプレゼンス情報およびユーザIDとともに受信すると(S205でYES)、これらを許容ツール記憶制御部108に渡す。これを受けて、許容ツール記憶制御部108は、このユーザIDを用いて電話帳データ記憶部112からユーザ情報を特定し、このプレゼンス情報に記述されているプレゼンス(許容コミュニケーション情報送信元の通信端末1の操作者のプレゼンス)を、特定したユーザ情報(許容コミュニケーション情報送信元の通信端末1の操作者のユーザ情報)とともに、マンマシンインターフェース部101に表示する(S206)。
【0060】
それから、許容ツール記憶制御部108は、許容コミュニケーション情報受信部107より受け取った許容コミュニケーション情報、プレゼンス情報、およびユーザIDに基づいて許容ツール記憶部106を更新する。具体的には、この許容コミュニケーション情報から、自通信端末1の操作者に対する許容ツールの特定情報を抽出するとともに、許容ツール記憶部106から、このユーザIDがフィールド1061に登録されている許容ツールのレコード1060を検索する。そして、検索した許容ツールのレコード1060のフィールド1062に、このプレゼンス情報に記述されているプレゼンスを登録するとともに、このレコード1060のフィールド1063に、この許容コミュニケーション情報から抽出した特定情報(自通信端末1の操作者に対する許容ツールの特定情報)を登録する(S207)。
【0061】
つぎに、電話予約管理部111は、許容ツール記憶部106に記憶されている監視中のレコード1060に登録された特定情報の更新を検知すると、このレコード1060のフィールド1061に登録されたユーザIDにより特定される通信相手に対する電話予約があるか否かを調べる(S208)。そして、この通信相手に対する電話予約があるならば(S208でYES)、この通話相手を予約発信対象に設定して後述の予約発信支援処理を実施する(S209)。
【0062】
また、コミュニケーション支援部113は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者から、通信相手のユーザIDの指定を伴うコミュニケーション要求を受け付けると(S210でYES)、後述のコミュニケーションツール選択支援処理を実施する(S211)。
【0063】
図10は、図9に示すコミュニケーションツール選択支援処理(S211)を説明するためのフロー図である。
【0064】
まず、コミュニケーション支援部113は、コミュニケーション要求で指定された通信相手のユーザIDを検索キーにして、許容ツール記憶部106から許容ツールのレコード1060を検索する(S300)。そして、検索したレコード1060のフィールド1063に登録されている特定情報に基づいて、通信相手が自通信端末1の操作者に対して許容しているコミュニケーションツールである許容ツールを判定する(S301)。具体的には、特定情報が「電話許可」の場合、自通信端末1の操作者に対する許可ツールを「電話発信」ツール52および「メール送信」ツール54と判定し、特定情報が「電話拒否」の場合、自通信端末1の操作者に対する許可ツールを「電話予約」ツール53および「メール送信」ツール54と判定する。
【0065】
つぎに、コミュニケーション支援部113は、判定した許容ツール、検索したレコード1060のフィールド1062に登録されているプレゼンス、および、コミュニケーション要求で指定された通信相手のユーザIDに対応付けられて電話帳データ記憶部112に記憶されているユーザ情報が掲載された使用ツール選択画面(図4(A)の50aまたは図4(B)の50b参照)をマンマシンインターフェース部101に表示し(S302)、この使用ツール選択画面(50aまたは50b)上において、コミュニケーション要求で指定された通信相手に対する使用ツールの選択を操作者から受け付ける(S303)。
【0066】
ここで、選択された使用ツールが「電話発信」ツール52である場合(S303で「電話発信」)、コミュニケーション支援部113は、コミュニケーション要求で指定された通信相手のユーザIDを検索キーにして、電話帳データ記憶部112からこの通信相手の電話番号を特定し(S304)、この電話番号をIP電話機能部109に渡す。これを受けて、IP電話機能部109は、呼制御サーバ2と連携して、この電話番号により特定される通信相手に対する発信処理を実施する(S305)。
【0067】
また、選択された使用ツールが「メール送信」ツール54である場合(S303で「メール送信」)、コミュニケーション支援部113は、コミュニケーション要求で指定された通信相手のユーザIDを検索キーにして、電話帳データ記憶部112からこの通信相手の電子メールアドレスを特定し(S306)、この電子メールアドレスを電子メール機能部110に渡す。これを受けて、電子メール機能部110は、この電子メールアドレスを送信先アドレスとする電子メールの編集画面をマンマシンインターフェース部101に表示して、操作者から電子メールの編集を受け付ける(S307)。そして、操作者から電子メールの送信指示を受け付けたならば(S308でYES)、この電子メールをメールサーバ3へ送信する(S309)。
【0068】
また、選択された使用ツールが「電話予約」ツール53である場合(S303で「電話予約」)、コミュニケーション支援部113は、コミュニケーション要求で指定された通信相手のユーザIDを電話予約管理部111に渡す。これを受けて、電話管理予約管理部111は、このユーザIDにより特定される通信相手の電話予約を登録して(S310)、許容ツール記憶部106に記憶されている、電話予約された通信相手のレコード1060のフィールド1063に登録された特定情報の監視を開始する(S311)。
【0069】
図11は、図9に示す予約発信支援処理(S209)を説明するためのフロー図である。
【0070】
まず、電話予約管理部111は、コミュニケーション支援部113に、予約発信対象のユーザIDを通知して予約発信を依頼する。これを受けて、コミュニケーション支援部113は、この予約発信対象のユーザIDを検索キーにして、許容ツール記憶部106から許容ツールのレコード1060を検索する。また、このユーザIDを検索キーにして電話帳データ記憶部112から予約発信対象のユーザ情報を検索し、このユーザ情報を、検索したレコード1060のフィールド1062に登録されているプレゼンスあるいはフィールド1063に登録されている特定情報とともに表示した電話発信確認画面50c(図5参照)を、マンマシンインターフェース部101に表示し、予約発信対象への電話発信を実施するか否かの確認を受け付ける(S400)。
【0071】
つぎに、コミュニケーション支援部113は、マンマシンインターフェース部101を介して操作者から指示を受け付けたならば(S401でYES)、この指示が、予約した電話の発信指示(「電話発信」ツール56の選択)か、それともキャンセル指示(「キャンセル」ツール57の選択)かを判断する(S402)。そして、受け付けた指示が発信指示ならば(S402でYES)、コミュニケーション支援部113は、電話予約管理部111に予約発信対象の電話予約の解除を指示する。これを受けて、電話予約部111は、登録されている電話予約から予約発信対象への電話予約を削除し、予約発信対象の特定情報の監視を終了する(S403)。
【0072】
それから、コミュニケーション支援部113は、予約発信対象のユーザIDを用いて電話帳データ記憶部112からこの予約発信対象の電話番号を特定し(S404)、この電話番号をIP電話機能部109に渡す。これを受けて、IP電話機能部109は、呼制御サーバ2と連携して、この電話番号により特定される通信相手に対する発信処理を実施する(S405)。一方、受け付けた指示がキャンセル指示ならば(S402でNO)、このフローを終了する。
【0073】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0074】
本実施の形態において、通信端末1は、複数種類のコミュニケーションツール(具体的には、IP電話機能による電話発信ツール、IP電話機能による電話予約ツール、および電子メール機能によるメール送信ツール)を備え、操作者が採り得るプレゼンス毎に、各通信相手に対する一以上の許容ツール(操作者が通話相手に使用を許容するコミュニケーションツール)の特定情報を有する許容コミュニケーション情報を記憶している。また、操作者のプレゼンスが変更される毎に、変更後のプレゼンスに対応付けられて記憶されている許容コミュニケーション情報を操作者のユーザIDとともに他の通信端末1に送信する。また、許容コミュニケーション情報をユーザIDとともに受信し、この許容コミュニケーション情報から、操作者に対する許容ツールの特定情報を抽出し、特定情報を、このユーザIDにより特定される通信相手に対応付けて記憶する。そして、通信相手の指定を伴うコミュニケーション要求を操作者から受け付けた場合に、この通信相手に対応付けられて記憶されている特定情報が示す許容ツール、つまり操作者が通信相手から使用を許容された一以上のコミュニケーションツールを表示する。
【0075】
したがって、本実施の形態によれば、通信相手のプレゼンスにおいて通信相手が操作者に許容するコミュニケーションツールが少なくとも一つ表示されるので、発信者は、受信者のプレゼンスを考慮しつつ、受信者とのコミュニケーションに利用するコミュニケーションツールを柔軟に選択できる。
【0076】
また、本実施の形態において、通信端末1は、操作者から受け付けた、通信相手の指定を伴うコミュニケーション要求に従い、通信相手のプレゼンスにおいて通信相手が操作者に対して使用を許容するコミュニケーションツール(許容ツール)52〜54のなかから、通話相手とのコミュニケーションに使用する許容ツール(使用ツール)の選択を受け付ける使用ツール選択画面50a、50bを表示する。そして、この使用ツール選択画面50a、50bを介して操作者により選択された使用ツールを用いて、通信相手とのコミュニケーションを実施する。
【0077】
したがって、本実施の形態によれば、操作者が、通信相手の指定を伴うコミュニケーション要求を入力して、表示中の許容ツール52〜54のなかから使用ツールを選択するだけで、使用ツールが自動起動して、通信相手とのコミュニケーションが実施されるので、操作者の利便性が向上する。
【0078】
また、本実施の形態において、通信端末1は、IP電話機能を有し、コミュニケーションツールとして、IP電話機能を用いた「電話発信」ツール52および「電話予約」ツール53を備えている。そして、「電話発信」ツール52が使用ツールとして選択された場合、IP電話機能を用いて、コミュニケーション要求で指定された通信相手に対する発信処理を実施する。また、「電話予約」ツール53が使用ツールとして選択された場合、通信相手のプレゼンス変更に伴う許容ツールの変化を監視し、許容ツールに「電話発信」ツール53が含まれることになったならば、通信相手が電話を受けられる状態になった旨を案内する電話発信確認画面50cを表示する。そして、操作者の指示に従い、IP電話機能を用いて通信相手に対する発信処理を実施する。
【0079】
したがって、本実施の形態によれば、電話をかけたい通信相手が電話を受けられない状況にある場合に、通信相手が電話を受けられる状態になったことを検出して案内してくれるので、操作者が何度も電話をかけ直したり、電話をかけ直す時間を気にしたりする必要がなくなり、操作者の利便性がさらに向上する。
【0080】
また、本実施の形態において、通信端末1は、電子メール機能を有し、コミュニケーションツールとして、電子メール機能を用いた「メール送信」ツール54を備えている。そして、「メール送信」ツール54が使用ツールとして選択された場合、電子メール機能を用いて、コミュニケーション要求で指定された通信相手を宛先とする電子メールの編集を操作者から受け付ける。そして、操作者の指示に従いこの電子メールを送信する。
【0081】
したがって、本実施の形態によれば、例えば通信相手が電話を受けられない状況にあり、通信相手のプレゼンスにおける、操作者に対する許容ツールに「メール送信」ツール54が含まれている場合、操作者は、使用ツールとして「メール送信」ツール54を選択することにより、通信相手が電話を受けられる状態になったか否かを気にすることなく、通信相手とコミュニケーションできる。このため、操作者の利便性がさらに向上する。
【0082】
また、本実施の形態において、通信端末1は、操作者のプレゼンスが変更される毎に、変更後のプレゼンスに対応付けられて記憶されている許容コミュニケーション情報を、操作者のユーザIDおよび変更後のプレゼンスが記述されたプレゼンス情報とともに送信する。また、許容コミュニケーション情報をユーザIDおよびプレゼンス情報とともに受信し、この許容コミュニケーション情報から、操作者に対する許容ツールの特定情報を抽出して、この特定情報をこのプレゼンス情報のプレゼンスとともに、このユーザIDにより特定される通信相手に対応付けて記憶する。そして、通信相手の指定を伴うコミュニケーション要求を操作者から受け付けた場合に、この通信相手に対応付けられて記憶されている特定情報が示す許容ツールを、通信相手のプレゼンスとともに表示する。したがって、本実施の形態によれば、操作者は、通信相手に対する使用ツールを選択する場合に、通信相手のプレゼンスを参照することできるため、利便性が向上する。
【0083】
また、本実施の形態において、通信端末1は、許容コミュニケーション情報およびプレゼンス情報をユーザIDとともに同報送信するとともに、他の通信端末1から同報送信された許容コミュニケーション情報およびプレゼンス情報をユーザIDとともに受信する。このため、プレゼンスサーバ等の専用サーバを設けることなく、通信端末1間で各通信端末1の許容コミュニケーション情報およびプレゼンス情報を共有することができ、システム構築にかかるコストを低減することができる。
【0084】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0085】
例えば、上記の実施の形態では、コミュニケーションツールとして、IP電話機能による「電話発信」ツール52、IP電話機能による「電話予約」ツール53、および電子メール機能による「メール送信」ツール54の三種類を備えている場合を例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。これらのコミュニケーションツールに代えてまたはこれらのコミュニケーションツールに加えて、あるいはこれらのコミュニケーションツールに加えて、ボイスメール機能によるボイスメール送信ツール、TV電話機能によるTV電話発信ツール等のコミュニケーションツールを用いてもよい。また、コミュニケーションツールは、携帯電話機への電話発信、ショートメール送信等、通信相手の通信端末1以外の通信機器に対するものでもよい。
【0086】
また、上記の実施の形態では、許容ツールの特定情報として「電話許可」および「電話拒否」を用いているが、許容ツールの特定情報は許容ツールの一覧情報であってもよい。
【0087】
また、上記の実施の形態では、通信端末1間で直接、許容コミュニケーション情報およびプレゼンス情報をやり取りしているが、プレゼンサーバ等の専用サーバを介して、これらの情報をやり取りするようにしてもよい。
【0088】
また、上記の実施の形態において、図6に示す通信端末1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD−ROM等の補助記憶装置、およびモデム、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0089】
1、1−1、1−2、1−3〜1−N:通信端末、 2:呼制御サーバ、 3:メールサーバ、 4:LAN、 100:LANインターフェース部、 101:マンマシンインターフェース部、 102:許容コミュニケーション情報記憶部、 103:許容コミュニケーション情報受付部、 104:プレゼンス変更操作受付部、 105:許容コミュニケーション情報送信部、 106:許容ツール記憶部、 107:許容コミュニケーション情報受信部、 108:許容ツール記憶制御部、 109:IP電話機能部、 110:電子メール機能部、 111:電話予約管理部、 112:電話帳データ記憶部、 113:コミュニケーション支援部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11