【実施例】
【0049】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
<リン酸リチウムバナジウム合成>
H
3PO
4を0.3mol、蒸留水を180mlに入れ、20℃で攪拌を行った。この溶液に、V
2O
5を0.1mol加え攪拌を継続した。その後、ヒドラジンを添加し攪拌を継続した。その後LiOH・H
2Oを0.3mol加えた。この混合溶液を20℃で24時間攪拌を行い原料混合溶液とした。得られた内容物を90℃の乾燥機で24時間乾燥した。
【0051】
乾燥後に得られた固体を粉砕し、粉末状の前駆体を得た。
【0052】
得られた前駆体とカーボンブラックを84重量部:8重量部の比率で3分混合し、Li−V−P−C混合粉末を得た。
【0053】
得られたLi−V−P−C混合粉末にLi
3V
2(PO
4)
3に対して1wt.%の、LiVOPO
4を混合し、アルゴン気流中600℃で4時間熱処理することにより、
図1に表されるようにX線回折図からはほぼLi
3V
2(PO
4)
3のピークしか見られないが、18°、29°付近に第二の化合物を示す弱いピークが確認された。その結果より、第二の化合物としてLiVOPO
4を1wt.%含む第一の化合物Li
3V
2(PO
4)
3を得た。
【0054】
<ハーフセルの作製>
熱処理後の正極用材料92重量部と、PVDF(ポリふっ化ビニリデン)8重量部とを、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)に添加して、正極用塗料を調製した。正極用塗料中の固形分であるLi
3V
2(PO
4)
3、カーボンブラック及びPVDFの比率は、Li
3V
2(PO
4)
3:カーボンブラック:PVDF=84重量部:8重量部:8重量部に調整した。
【0055】
正極用塗料を、厚みが20μmのアルミニウム箔に塗布した。塗布した正極用塗料を乾燥した後、圧延することにより、正極を得た。次に、リチウム箔を所定の大きさに切断して銅箔(厚み15μm)に貼り付けることにより、負極とした。正極及び負極を、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。正極、負極には、それぞれ、リードとしてアルミニウム箔(幅4mm、長さ40mm、厚み80μm)、ニッケル箔(幅4mm、長さ40mm、厚み80μm)を超音波溶接した。このリードには、前もって無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付け熱接着させた。これはリードとケースとのシール性を向上させるためである。ケースはアルミニウムラミネート材料からなり、その構成は、PET(12)/Al(40)/PP(50)のものを用意した。PETはポリエチレンテレフタレート、PPはポリプロピレンである。かっこ内は各層の厚み(単位はμm)を表す。なおこの時PPが内側となるように製袋した。上の積層体をケースに入れ、これに電解液である1M−LiPF
6/EC+DEC(30:70体積比)を注入した後、ケースを真空ヒートシールし、実施例1の電極評価用ハーフセルを作製した。
【0056】
<放電容量の測定>
実施例1のハーフセルを用いて、放電レートを0.1C(定電流放電を行ったときに10時間で放電終了となる電流値)から2Cとした場合の放電容量(単位:mAh/g)を測定した。結果を表1に示す。表1に示す放電容量は、活物質1グラム当たりの放電容量である。なお、測定では、正極活物質であるLi
3V
2(PO
4)
3の理論容量を196mAh/gとして、0.1Cから2Cで充放電を行った。上限充電電圧は4.3V(VS.Li/Li
+)とし、下限放電電圧は2.8V(VS.Li/Li
+)とした。また、充電は、正極の電圧が上限充電電圧に達し、充電電流が1/20Cまで減衰するまで行った。測定温度は25℃であった。
【0057】
(実施例2)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量を化学両論組成に対してそれぞれ0.00024mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて、実施例1と同様の方法で、実施例2の活物質及びハーフセルを作製した。X線回折測定(XRD)の結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は0.1wt.%であった。
【0058】
(実施例3)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量をそのままとし、第二化合物としてLiVOPO
4の混合量を0.5wt.%としたこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例3の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は0.5wt.%であった。
【0059】
(実施例4)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量を化学両論組成に対してそれぞれ0.0048mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例4の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は2.0wt.%であった。
【0060】
(実施例5)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量をそのままとし、第二化合物としてLiVOPO
4の混合量を3.0wt.%としたこと以外実施例1と同様の方法で、実施例5の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は3.0wt.%であった。
【0061】
(実施例6)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量を化学両論組成に対してそれぞれ0.012mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例6の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は5.0wt.%であった。
【0062】
(実施例7)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量を化学両論組成に対してそれぞれ0.00012mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例7の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は0.05wt.%であった。
【0063】
(実施例8)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量を化学両論組成に対してそれぞれ0.0144mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例8の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4であり、含有量は6.0wt.%であった。
【0064】
(実施例9)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00287mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例9の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は1.0wt.%であった。
【0065】
(実施例10)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.000288mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例10の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は0.1wt.%であった。
【0066】
(実施例11)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00143mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例11の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は0.5wt.%であった。
【0067】
(実施例12)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00566mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例12の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は2.0wt.%であった。
【0068】
(実施例13)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00864mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例13の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は3.0wt.%であった。
【0069】
(実施例14)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.0144mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例14の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は5.0wt.%であった。
【0070】
(実施例15)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.000144mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例15の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は0.05wt.%であった。
【0071】
(実施例16)
原料であるバナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.01728mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例16の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5であり、含有量は6.0wt.%であった。
【0072】
(実施例17)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00306mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00306mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例17の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は1.0wt.%であった。
【0073】
(実施例18)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.000306mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.000306mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例18の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は0.1wt.%であった。
【0074】
(実施例19)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00153mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00153mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例19の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は0.5wt.%であった。
【0075】
(実施例20)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00612mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00612mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例20の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は2.0wt.%であった。
【0076】
(実施例21)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00918mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.00918mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例21の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は3.0wt.%であった。
【0077】
(実施例22)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.0153mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.0153mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例22の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は5.0wt.%であった。
【0078】
(実施例23)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.000153mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.000153mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例23の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は0.05wt.%であった。
【0079】
(実施例24)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.01836mol過剰に、バナジウム源としてV
2O
5を用い、化学両論組成に対して0.01836mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例24の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
2O
4であり、含有量は6.0wt.%であった。
【0080】
(実施例25)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00178mol過剰に、バナジウム源としてVO
2を用い、化学両論組成に対して0.0052mol過剰に量を調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例25の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は1.0wt.%であった。
【0081】
(実施例26)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.000178mol過剰に、バナジウム源としてVO
2を用い、化学両論組成に対して0.00052mol過剰に量を調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例26の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は0.1wt.%であった。
【0082】
(実施例27)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00089mol過剰に、バナジウム源としてVO
2を用い、化学両論組成に対して0.0026mol過剰に調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例27の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は0.5wt.%であった。
【0083】
(実施例28)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.00356mol過剰に、バナジウム源としてVO
2を用い、化学両論組成に対して0.0104mol過剰に量を調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例28の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は2.0wt.%であった。
【0084】
(実施例29)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量をそのままとし、第二化合物としてLiV
3O
8の混合量を3.0wt.%としたこと以外実施例1と同様の方法で、実施例29の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は3.0wt.%であった。
【0085】
(実施例30)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.0089mol過剰に、バナジウム源としてVO
2を用い、化学両論組成に対して0.026mol過剰に量を調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例30の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は5.0wt.%であった。
【0086】
(実施例31)
原料であるリチウム源を化学両論組成に対して0.000089mol過剰に、バナジウム源としてVO
2を用い、化学両論組成に対して0.00026mol過剰に量を調整し、第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、実施例31の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は0.05wt.%であった。
【0087】
(実施例32)
原料であるリチウム源、リン酸源、バナジウム源の量をそのままとし、第二化合物としてLiV
3O
8の混合量を6.0wt.%としたこと以外実施例1と同様の方法で、実施例32の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiV
3O
8であり、含有量は6.0wt.%であった。
【0088】
(実施例33)
実施例2により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.1wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を0.4wt.%添加することにより、実施例33の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5であり、合計含有量は0.5wt.%であった。
【0089】
(実施例34)
実施例2により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.1wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を0.9wt.%添加することにより、実施例34の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5であり、合計含有量は1.0wt.%であった。
【0090】
(実施例35)
実施例3により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.5wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を2.5wt.%添加することにより、実施例35の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5であり、合計含有量は3.0wt.%であった。
【0091】
(実施例36)
実施例4により得られた第二化合物LiVOPO
4を2.0wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を4.0wt.%添加することにより、実施例36の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5であり、合計含有量は6.0wt.%であった。
【0092】
(実施例37)
実施例10により得られた第二化合物V
2O
5を0.1wt.%含む正極活物質に対して、LiV
2O
4を0.9wt.%添加することにより、実施例37の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5及びLiV
2O
4であり、合計含有量は1.0wt.%であった。
【0093】
(実施例38)
実施例10により得られた第二化合物V
2O
5を0.1wt.%含む正極活物質に対して、LiV
2O
4を0.4wt.%添加することにより、実施例38の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5及びLiV
2O
4であり、合計含有量は0.5wt.%であった。
【0094】
(実施例39)
実施例11により得られた第二化合物V
2O
5を1.0wt.%含む正極活物質に対して、LiV
2O
4を2.0wt.%添加することにより、実施例39の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5及びLiV
2O
4であり、合計含有量は3.0wt.%であった。
【0095】
(実施例40)
実施例11により得られた第二化合物V
2O
5を1.0wt.%含む正極活物質に対して、LiV
2O
4を5.0wt.%添加することにより、実施例40の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はV
2O
5及びLiV
2O
4であり、合計含有量は6.0wt.%であった。
【0096】
(実施例41)
実施例2により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.1wt.%含む正極活物質に対して、LiV
3O
8を0.9wt.%添加することにより、実施例41の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びLiV
3O
8であり、合計含有量は1.0wt.%であった。
【0097】
(実施例42)
実施例2により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.1wt.%含む正極活物質に対して、LiV
3O
8を0.4wt.%添加することにより、実施例42の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びLiV
3O
8であり、合計含有量は0.5wt.%であった。
【0098】
(実施例43)
実施例1により得られた第二化合物LiVOPO
4を1.0wt.%含む正極活物質に対して、LiV
3O
8を2.0wt.%添加することにより、実施例43の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びLiV
3O
8であり、合計含有量は3.0wt.%であった。
【0099】
(実施例44)
実施例1により得られた第二化合物LiVOPO
4を1.0wt.%含む正極活物質に対して、LiV
3O
8を5.0wt.%添加することにより、実施例44の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びLiV
3O
8であり、合計含有量は6.0wt.%であった。
【0100】
(実施例45)
実施例2により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.1wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を0.4wt.%、LiV
3O
8を0.5wt.%添加することにより、実施例45の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5、LiV
3O
8であり、合計含有量は1.0wt.%であった。
【0101】
(実施例46)
実施例2により得られた第二化合物LiVOPO
4を0.1wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を0.3wt.%、LiV
3O
8を0.1wt.%添加することにより、実施例46の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5、LiV
3O
8であり、合計含有量は0.5wt.%であった。
【0102】
(実施例47)
実施例1により得られた第二化合物LiVOPO
4を1.0wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を1.0wt.%、LiV
3O
8を1.0wt.%添加することにより、実施例47の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5、LiV
3O
8であり、合計含有量は3.0wt.%であった。
【0103】
(実施例48)
実施例3により得られた第二化合物LiVOPO
4を3.0wt.%含む正極活物質に対して、V
2O
5を1.2wt.%、LiV
3O
8を1.8wt.%添加することにより、実施例48の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物はLiVOPO
4及びV
2O
5、LiV
3O
8であり、合計含有量は6.0wt.%であった。
【0104】
(比較例1)
第二化合物を混合しないことを除いて実施例1と同様の方法で、比較例1の活物質及びハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物は確認されず、Li
3V
2(PO
4)
3の単一相であった。
【0105】
(比較例2)
参考文献1と同様の実験方法により比較例1の活物質を合成し、ハーフセルを作製した。XRDの結果から、活物質中に含まれる第二化合物は確認されず、Li
3V
2(PO
4)
3の単一相であった。
【0106】
実施例1と同様の方法で、実施例2〜48及び比較例1〜2について、0.1Cにおける活物質1グラム当たりの放電容量に対する2Cにおける活物質1グラム当たりの放電容量の維持率をそれぞれ求めた。結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
実施例1〜48の容量維持率より、Li
3V
2(PO
4)
3で表される第一の化合物と、バナジウム酸化物およびリン酸リチウムバナジウムから選ばれる第二の化合物を含むリチウムイオン二次電池用正極材料は、高レート放電においても容量維持率に優れていることが分かった。第二の化合物が0.1wt.%から5.0wt.%において優れた容量維持率であることが分かった。