特許第5967076号(P5967076)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5967076溶融樹脂供給システムと溶融樹脂供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967076
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】溶融樹脂供給システムと溶融樹脂供給方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/34 20060101AFI20160728BHJP
   B29C 43/04 20060101ALI20160728BHJP
   B29C 31/04 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B29C43/34
   B29C43/04
   B29C31/04
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-503596(P2013-503596)
(86)(22)【出願日】2012年3月8日
(86)【国際出願番号】JP2012055950
(87)【国際公開番号】WO2012121325
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】特願2011-53282(P2011-53282)
(32)【優先日】2011年3月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 さやか
(72)【発明者】
【氏名】廣田 宗久
(72)【発明者】
【氏名】浅野 穣
(72)【発明者】
【氏名】東 利房
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−134222(JP,A)
【文献】 特開2000−108127(JP,A)
【文献】 特開2007−296693(JP,A)
【文献】 特表2007−533507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/34
B29C 31/04
B29C 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融樹脂を押出口から押し出す押出装置と、
溶融樹脂を前記押出口から受け取る樹脂ホルダーと、
複数の前記樹脂ホルダーが直列に整列し、当該樹脂ホルダーを備えた直線移動する移送用ユニットと、
複数の成形金型を有する圧縮成形装置とを備えた、溶融樹脂の供給システムにおいて、
前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り時に前記移送用ユニットの移動速度を変化させる間欠送り装置を備え、
前記間欠送り装置によって、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り位置で、前記移送用ユニットの送りを停止若しくは遅くさせて、順次前記押出口から溶融樹脂を前記樹脂ホルダーへ連続的に供給し、
前記押出口を間に位置させて、該押出口の両側に前記圧縮成形装置を設けるとともに、前記移送用ユニットを一対設け、
これらの移送用ユニットに昇降装置を設け、互いの移送用ユニットが他方の移送用ユニットの下を潜るようにして、互いの移送用ユニットが前記溶融樹脂の受け取り位置に交互に移送されるようにして、溶融樹脂が樹脂ホルダーに連続供給されるようにしたことを特徴とする溶融樹脂供給システム。
【請求項2】
溶融樹脂を押出口から押し出す押出装置と、
溶融樹脂を前記押出口から受け取る樹脂ホルダーと、
複数の前記樹脂ホルダーが直列に整列し、当該樹脂ホルダーを備えた直線移動する移送用ユニットと、
複数の成形金型を有する圧縮成形装置とを備えた、溶融樹脂の供給システムにおいて、
前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り時に前記移送用ユニットの移動速度を変化させる間欠送り装置を備え、
前記間欠送り装置によって、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り位置で、前記移送用ユニットの送りを停止若しくは遅くさせて、順次前記押出口から溶融樹脂を前記樹脂ホルダーへ連続的に供給し、
前記圧縮成形装置には、複数列の成形金型を配置し、
前記移送用ユニットには、前記樹脂ホルダーを1列状態から複数列に分列する分列機構を設け、溶融樹脂の押出口では前記樹脂ホルダーを一列に整列させ、溶融樹脂の成形金型への供給時では、成形金型の位置に対応させて、前記樹脂ホルダーを複数列に分列させるようにし溶融樹脂供給システム。
【請求項3】
溶融樹脂を押出口から押し出す押出装置と、
溶融樹脂を前記押出口から受け取る樹脂ホルダーと、
複数の前記樹脂ホルダーが直列に整列し、当該樹脂ホルダーを備えた直線移動する移送用ユニットと、
複数の成形金型を有する圧縮成形装置とを備えた、溶融樹脂の供給システムにおいて、
前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り時に前記移送用ユニットの移動速度を変化させる間欠送り装置を備え、
前記間欠送り装置によって、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り位置で、前記移送用ユニットの送りを停止若しくは遅くさせて、順次前記押出口から溶融樹脂を前記樹脂ホルダーへ連続的に供給し、
前記移送用ユニットを前記成形金型へ直線移動させる搬送装置を設け、
前記移送用ユニットに対して前記間欠送り装置と前記搬送装置の切換を行う切換装置を設け溶融樹脂供給システム。
【請求項4】
押出口から押し出された溶融樹脂を切断し、複数の樹脂ホルダーに対して、前記押出口から個々の樹脂ホルダーに溶融樹脂を順次供給し、複数の樹脂ホルダーから複数の成形金型へ溶融樹脂を供給する溶融樹脂の供給方法において、
前記成形金型を複数列配置するとともに前記複数の樹脂ホルダーを移送する移送用ユニットを配置し、溶融樹脂の押出口では前記樹脂ホルダーを一列に整列させ、溶融樹脂の成形金型への供給時では、成形金型の位置に対応させて、前記樹脂ホルダーを複数列に分列させるようにし、
前記樹脂ホルダーの送り速さを溶融樹脂が切断されるときの切断位置で送り速さを増し、溶融樹脂の切断した直後の受け取り位置で停止若しくは遅くさせて樹脂ホルダーを間欠送りするようにした溶融樹脂供給方法。
【請求項5】
押出口から押し出された溶融樹脂を切断し、複数の樹脂ホルダーに対して、前記押出口から個々の樹脂ホルダーに溶融樹脂を順次供給し、複数の樹脂ホルダーから複数の成形金型へ溶融樹脂を供給する溶融樹脂の供給方法において、
前記樹脂ホルダーの送り速さを溶融樹脂が切断される切断位置で送り速さを増し、溶融樹脂の切断した直後の受け取り位置で停止若しくは遅くさせて樹脂ホルダーを間欠送りし、
前記複数の樹脂ホルダーは移送用ユニットに配設されるとともに、該移送用ユニットを複数設け、
該移送用ユニットは、前記樹脂ホルダーが間欠送り装置の移動によって樹脂切断と受け取りを繰り返す位置と、該樹脂ホルダーが前記成形金型に溶融樹脂を供給する樹脂供給位置を通って循環し、
1つの移送用ユニットの樹脂ホルダーが溶融樹脂を受け取っている間に、他の移送用ユニットを1つの移送用ユニット下を通過させて該1つの移送用ユニットの後に待機させ、1つの移送用ユニットの最後の樹脂ホルダーに溶融樹脂を供給した後、他の移送用ユニットの樹脂ホルダーに連続的に順次、溶融樹脂を保持させるようにした溶融樹脂供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の成形金型に迅速に溶融樹脂を供給することができる溶融樹脂供給システムと溶融樹脂供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧縮成形機にはロータリ成形機とプレス固定型成形機がある。
ロータリ圧縮成形機は、回転台の円周方向に複数の成形金型を配設し、溶融樹脂供給装置から回転搬送されてくる樹脂ホルダーと成形金型との回転軌道が重なる受け渡しポイントで、樹脂ホルダーが成形金型に溶融樹脂を投下させることによって、溶融樹脂が供給される(特許文献1)。
一方、プレス固定型成形機は、押出機の押出口を中心にして圧縮成形装置の成形金型をほぼ放射状に配置し、成形金型と押出口との間に溶融樹脂を保持する搬送手段(樹脂ホルダー)を設け、押出口をほぼ中心にして搬送手段を半径方向外側へ直線的に移動できるように配設し、搬送手段の移動により押出口からカッターで切断された溶融樹脂を搬送手段で保持し、駆動機構によって成形金型へ溶融樹脂を供給するようにしている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−229981号公報
【特許文献2】特開2009−226609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのロータリ圧縮成形機とプレス固定型成形機には一長一短があり、ロータリ圧縮成形機の長所は生産性が高いことであり、短所は高荷重成形が困難であり、金型が移動しているため溶融樹脂の位置決めが難しいことである。
プレス固定型成形機の長所は、高荷重成形が可能であり、金型が固定されているため切断された溶融樹脂(ドロップ)の位置決めが容易であり、短所は生産性が低いことである。したがって、ロータリ圧縮成形機とプレス固定型成形機とでは相反する長所と短所を有する。
先ず、プレス固定型成形機の生産性について述べると、押出機の押出口を中心にして圧縮成形装置の成形金型をほぼ放射状に配置するので、成形金型の数を増加させればさせるほど、成形金型を半径方向外側へ配置しなければならず、また、押出口から成形金型へ溶融樹脂を搬送するための長さが大きくなる。
【0005】
また、押出装置の押出口から排出されている溶融樹脂をカッターで切断するには、カッター速度が500〜2000mm/sの範囲であることが好ましく、機械の構成や生産能力が変わろうとも、この切断速度を確保する必要がある。そして、生産能力を上げるためには、カッター数を増やし、より多くのドロップを金型へ供給する方法が考えられる。
ここで、特許文献2にあるようなプレス固定型成形機で生産能力を上げるために、1つのカッター用アクチュエータに2つのカッターを直列に配置し、それらを2000mm/sの等速で送ることを考えてみる。
まず、1分間に200個のドロップを切断する場合、切断サイクルは0.3sec(60s/200個)となる。このとき、カッターの切断速度2000mm/sより、直列に並べたカッター間の距離は、600mm(0.3s×2000mm/s)となるため、カッター間の間隔が大きくなり、装置が大型化し、実現が困難になる。
次に、生産能力を上げて、1分間に600個のドロップを切断する場合、切断のサイクルは0.1sec(60s/600個)になることから、樹脂ホルダー間ピッチは200mm(0.1s×2000mm/s)となり、ピッチは小さくなるものの、依然、装置の大型化は避けられない状況である。
このように、カッターを等速送りとした場合、従来のプレス固定型成形機では、樹脂ホルダー間のピッチが大きくなり、装置が大型化して実現性が困難であり、生産性を上げることが困難である。従って、生産能力を上げるために短いサイクルでドロップを切断でき、かつ装置の小型化が可能な、新しい溶融樹脂ドロップの供給方法が必要とされた。
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、プレス固定型成形機の長所を維持しつつ、生産性の高い溶融樹脂供給システムと溶融樹脂供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の溶融樹脂供給システムは、上記目的を達成するために、溶融樹脂を押出口から押し出す押出装置と、溶融樹脂を前記押出口から受け取る樹脂ホルダーと、複数の前記樹脂ホルダーが直列に整列し、当該樹脂ホルダーを備えた直線移動する移送用ユニットと、複数の成形金型を有する圧縮成形装置とを備えた、溶融樹脂の供給システムにおいて、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り時に前記移送用ユニットの移動速度を変化させる間欠送り装置を備え、前記間欠送り装置によって、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り位置で、前記移送用ユニットの送りを停止若しくは遅くさせて、順次前記押出口から溶融樹脂を前記樹脂ホルダーへ連続的に供給し、前記押出口を間に位置させて、該押出口の両側に前記圧縮成形装置を設けるとともに、前記移送用ユニットを一対設け、これらの移送用ユニットに昇降装置を設け、互いの移送用ユニットが他方の移送用ユニットの下を潜るようにして、互いの移送用ユニットが前記溶融樹脂の受け取り位置に交互に移送されるようにして、溶融樹脂が樹脂ホルダーに連続供給されるようにした。
また、本願発明の溶融樹脂供給システムは、溶融樹脂を押出口から押し出す押出装置と、 溶融樹脂を前記押出口から受け取る樹脂ホルダーと、複数の前記樹脂ホルダーが直列に整列し、当該樹脂ホルダーを備えた直線移動する移送用ユニットと、複数の成形金型を有する圧縮成形装置とを備えた、溶融樹脂の供給システムにおいて、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り時に前記移送用ユニットの移動速度を変化させる間欠送り装置を備え、 前記間欠送り装置によって、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り位置で、前記移送用ユニットの送りを停止若しくは遅くさせて、順次前記押出口から溶融樹脂を前記樹脂ホルダーへ連続的に供給し、前記圧縮成形装置には、複数列の成形金型を配置し、前記移送用ユニットには、前記樹脂ホルダーを1列状態から複数列に分列する分列機構を設け、溶融樹脂の押出口では前記樹脂ホルダーを一列に整列させ、溶融樹脂の成形金型への供給時では、成形金型の位置に対応させて、前記樹脂ホルダーを複数列に分列させるようにした。
また、本願発明の溶融樹脂システムは、溶融樹脂を押出口から押し出す押出装置と、溶融樹脂を前記押出口から受け取る樹脂ホルダーと、複数の前記樹脂ホルダーが直列に整列し、当該樹脂ホルダーを備えた直線移動する移送用ユニットと、複数の成形金型を有する圧縮成形装置とを備えた、溶融樹脂の供給システムにおいて、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り時に前記移送用ユニットの移動速度を変化させる間欠送り装置を備え、前記間欠送り装置によって、前記樹脂ホルダーの溶融樹脂の受け取り位置で、前記移送用ユニットの送りを停止若しくは遅くさせて、順次前記押出口から溶融樹脂を前記樹脂ホルダーへ連続的に供給し、前記移送用ユニットを前記成形金型へ直線移動させる搬送装置と、前記移送用ユニットに対して前記間欠送り装置との切換を行う切換装置を設けるようにした
前記溶融樹脂供給方法は、上記目的を達成するために、押出口から押し出された溶融樹脂を切断し、複数の樹脂ホルダーに対して、前記押出口から個々の樹脂ホルダーに溶融樹脂を順次供給し、複数の樹脂ホルダーから複数の成形金型へ溶融樹脂を供給する溶融樹脂の供給方法において、前記成形金型を複数列配置するとともに前記複数の樹脂ホルダーを移送する移送用ユニットを配置し、溶融樹脂の押出口では前記樹脂ホルダーを一列に整列させ、溶融樹脂の成形金型への供給時では、成形金型の位置に対応させて、前記樹脂ホルダーを複数列に分列させるようにし、前記樹脂ホルダーの送り速さを溶融樹脂が切断される切断位置で送り速さを増し、溶融樹脂の切断した直後の受け取り位置で停止若しくは遅くさせて樹脂ホルダーを間欠送りするようにした。
上記溶融樹脂供給方法は、押出口から押し出された溶融樹脂を切断し、複数の樹脂ホルダーに対して、前記押出口から個々の樹脂ホルダーに溶融樹脂を順次供給し、複数の樹脂ホルダーから複数の成形金型へ溶融樹脂を供給する溶融樹脂の供給方法において、前記樹脂ホルダーの送り速さを溶融樹脂が切断される切断位置で送り速さを増し、溶融樹脂の切断した直後の受け取り位置で停止若しくは遅くさせて樹脂ホルダーを間欠送りし、前記複数の樹脂ホルダーは移送用ユニットに配設されるとともに、該移送用ユニットを複数設け、 該移送用ユニットは、前記樹脂ホルダーが間欠送り装置の移動によって樹脂切断と受け取りを繰り返す位置と、該樹脂ホルダーが前記成形金型に溶融樹脂を供給する樹脂供給位置を通って循環し、1つの移送用ユニットの樹脂ホルダーが溶融樹脂を受け取っている間に、他の移送用ユニットを1つの移送用ユニット下を通過させて該1つの移送用ユニットの後に待機させ、1つの移送用ユニットの最後の樹脂ホルダーに溶融樹脂を供給した後、他の移送用ユニットの樹脂ホルダーに連続的に順次、溶融樹脂を保持させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本願発明は、間欠送り装置を設けて、樹脂ホルダーを間欠送りしているので、樹脂ホルダー間のピッチを小さくすることができる。これにより、樹脂ホルダーを一列(直列)に整列させても樹脂ホルダー列が長くならず、装置の小型化が可能である。
間欠送り装置により樹脂ホルダーを間欠送りしているので、樹脂ホルダーの間欠移送中の静止時若しくはスロー状態にて溶融樹脂を受け取ることができる。
一対の移送用ユニットを用いているので、一方の移送用ユニットの樹脂ホルダーに溶融樹脂を受け取らせている間に、他方の移送用ユニットを一方の移送用ユニットの後に待機させておけるので、溶融樹脂の連続供給が円滑にできる。
移送用ユニットは樹脂ホルダーを一列状態から複数列に切り換えられるので、圧縮成形装置の成形金型の長さを短縮でき、装置の長さを最小限に抑えることができる。
押出口から溶融樹脂を受け取る時に、移送用ユニットの配置を昇降手段によって上下動させながら入れ替えているので、少スペースで移送用ユニットの入れ替えができる。また、移送用ユニットの動きが煩雑にならない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の溶融樹脂供給システムの平面図(第3工程)である。
図2図1の溶融樹脂供給システムの平面図である(第4工程:間欠送り装置を省略している)。
図3図1の移送用ユニットが樹脂ホルダーを一列に整列させた状態(図面左側)と、三列に分列させた状態(図面右側)を示す平面図である。
図4】(a)は樹脂ホルダーの平面図、(b)の上側は樹脂ホルダーにカッターを配設した側面方向から見た断面図、下側は押出口の近くにカッターを配設した側面方向から見た断面図である。
図5図1の溶融樹脂供給システムの切替装置と間欠送り装置とが連結した状態の側面図である。
図6図1の溶融樹脂供給システムの切替装置と間欠送り装置との連結が解除され、切替装置と搬送装置とが連結した状態の側面図である。
図7図1の溶融樹脂供給システムの切替装置と搬送装置が連結されて移送用ユニットが圧縮成形装置側へ移送されている状態を示す側面図である。
図8図1の溶融樹脂供給システムの切替装置と搬送装置が連結されて移送用ユニットが圧縮成形装置へ移送されている状態を示す側面図である。
図9図5の間欠送り装置とカムと移動ブロックの拡大図とカムの変位曲線の例を示す図である。
図10】圧縮成形装置の成形金型の側面図である。
図11】本発明の実施形態における溶融樹脂供給方法の第1工程から第10工程を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の溶融樹脂供給システムと溶融樹脂供給方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の溶融樹脂供給システムの概略平面図(図2は間欠送り装置を省略している)である。溶融樹脂供給システム1は押出装置2と、溶融樹脂を保持する樹脂ホルダー20を備えた移送用ユニット3,4と、樹脂ホルダー20に溶融樹脂を受け取らせるために移送用ユニット3,4を間欠移動させるための間欠送り装置9,10と、移送用ユニット3,4を押出装置2から圧縮成形装置5,6まで搬送する搬送装置7,8と、移送用ユニット3,4を間欠送り装置9,10から搬送装置7,8に切り換えるための切替装置11,12とを備えている。
押出装置2は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂素材を加熱溶融及び混練して、溶融樹脂を安定に搬送するために図示しないギヤポンプを設けている。ギヤポンプは、導管を介して押出ノズルに接続される。押出ノズルはそのノズル下端部に押出口19を形成し、溶融樹脂は押出口19から略円柱形状に形成されて連続的に下方に押し出される構造になっている。
【0010】
図3を参照にして、一対の移送用ユニット3,4は、同じ構造であり、第1移送用ユニット3について説明する。移送用ユニット3は向かい合って配設されている一対の枠体15を設け、枠体15の間には、該枠体15と平行な縦枠16が2本設けられている。枠体15と縦枠16の間及び縦枠16の間には、多数の横枠17が枠体15に対して直角方向に設けられている。移送用ユニット3には、横枠17上を該横枠17の延在方向に移動可能な一対のスライドバー18が設けられ、スライドバー18は枠体15と平行に配置されている。
スライドバー18には、該スライドバー18の移送方向に延びるボールネジ41と連結され、ボールネジ41はタイミングベルト43を介して駆動モータ42と連結されている。駆動モータ42が回転するとスライドバー18はボールネジ41に沿って移送用ユニット3の内側(枠体15に対して直角方向)へ移動する、
【0011】
縦枠16の1つと一対のスライドバー18には、多数の樹脂ホルダー20が備えられている。本実施形態では、縦枠16と各スライドバー18にそれぞれ7個宛配設されている。
各スライドバー18を枠体15の内側へ移送させると、縦枠16に取付けられている樹脂ホルダー20と、スライドバー18に取付けられている併せて21個の樹脂ホルダー20が一直線上にかつ等間隔に整列して配置される。
詳しくは、図3(右図)に示す上側のスライドバー18に取付けられている樹脂ホルダー20は、等間隔aを空けて配設されている。このスライドバー18の樹脂ホルダー20に対して、その下の縦枠16に取付けられている樹脂ホルダー20は1/3aだけずらして配置されている。そして、上側に取付けられている樹脂ホルダー20に対して、紙面下側のスライドバー18に配設されている樹脂ホルダー20は、2/3aだけずらして配置されている。このようにして、移送用ユニット3,4には樹脂ホルダー20を1列から3列に並べる分列機構を備えている。
【0012】
図4の(a)に示すように、樹脂ホルダー20は、ホルダー開閉機構50が一対のホルダー本体51,52を開閉可能に支持し、ホルダー本体51,52の閉時に溶融樹脂の保持が可能であり、ホルダー本体51,52の開時には溶融樹脂を解放させる。各樹脂ホルダー20にはカッター53が設けられ、カッター53は押出装置2の押出口19から排出される溶融樹脂を切断し、切断後の溶融樹脂(ドロップ)をホルダー本体51,52が保持する。なお、スライドバー18の移動前及び移動後についても、ホルダー本体51,52は縦枠16、横枠17に対して上下方向に重ならない位置に配置する。
樹脂ホルダー20は、図3の左図に示すように、中央に一列に整列した状態が、押出装置2の押出口19から溶融樹脂を受け取る樹脂受け取り位置となる。図3の右図に示す枠体15側に移動した状態では、成形金型に溶融樹脂を供給する樹脂供給位置となる(これについては後述する)。
【0013】
次に、移送用ユニット3,4を搬送させる機構について説明する。
図1に示す第1移送用ユニット4は、切替装置11を介して支持レール22に支持され、第2移送用ユニット4は、切替装置12を介して支持レール23に支持されている。これらの切替装置11,12、搬送装置7,8及び間欠送り装置9,10についても同じ構造であるので、一方の切替装置11、搬送装置7、間欠送り装置9について説明する。
図5図8を参照にして、一方の支持レール22には、搬送装置7及び間欠送り装置9が設けられている。
移送用ユニット3の枠体15には、支持ブロック25が設けられ、支持ブロック25は支持レール22に嵌合し、該支持レール22に沿って移動が可能である。支持ブロック25の側面には、昇降手段であるアクチュエータ26が設けられ、アクチュエータ26の駆動により切替装置11の枠体15が上下動する。アクチュエータ26はエアシリンダやモータなどの駆動手段を用いることができる。
支持ブロック25の下部には、間欠送り装置9との連結用に用いられるロック部材28を固定するとともに、一端部には搬送装置7との連結用に用いられる連結機構29を固定している。
【0014】
間欠送り装置9は、移送用ユニット3を間欠送りするためのものであって押出装置2の押出口の下方かその周辺に配置される。間欠送り装置9は図示しない支持手段によって、モータ31にカム32が軸支され、カム32はモータ31の駆動によって回転が可能であり、モータ31が固定された状態で回転する。カム32のスクリューには移動ブロック34に形成されたカムフォロワ33が噛合し、カム32の回転によって移動ブロック34が支持レール22に沿って移動する。モータ31は回転速度を一定することによって、カム32とカムフォロワ33の形状によって、移送用ユニット3を間欠送りすることができる。
【0015】
図9は、間欠送り装置のカムとカムフォロワの拡大図とカムの変位曲線を示す。カム32はバレルカムを用いている。バレルカムの周囲には、螺旋状のスクリューが形成され、移動ブロック34に形成されている円柱形若しくは円筒形のカムフォロワ33が突出している。スクリューの間には、1つのカムフォロワが挟まれるようにして配設されている。
本実施形態では、変位曲線に示すように、動作区間が例1で270度(割付角270度)のものが示され、例2で180度(割付角180度)のものが示されている。例1の変位曲線で説明すると、カム32は螺旋状のスクリューの形状によって、回転(位相)角が90度までは、スクリューの傾斜をなくして移動ブロック34が静止した状態となり、カム32が90度回転した状態から1回転に至るまでの間を移動ブロック34が変位(移動)するようにしている。よって、モータ31の回転速度が一定で矢印dに示すようにカム32の回転速度が一定であっても、移動ブロック34を矢印eのように間欠送りすることができる。例1及び例2の矢印で示す部分が移動ブロック34の速度が最大点となる。この最大速度をカッターで溶融樹脂を切断するタイミングに合わせるとよい。なお、間欠送りの最大速度はモータの回転数で決まるので、カッター速度の調整は回転数とカムのスクリューの形状で調整が可能である。
なお上記の説明では、動作を規定するカムの最も好ましい例として、バレルカム方式について述べたが、この他にも、それ自体が公知である様々な形式のカムや機構(パラレルカム、ゼネバ機構など)を使用することができる。そして、カムの動作曲線についても、それ自体が公知である様々な種類の曲線を使用することができるが、本発明のような高速動作においては、変形台形曲線や変形正弦曲線、またはそれらを改良したものを用いることが好ましい。
【0016】
図5図8に戻って、移動ブロック34の上部には連結機構35が固定されている。連結機構35は、切替装置11のロック部材28と連結、及び連結解除をすることができる。図5に示すように、連結機構35とロック部材28とが連結した状態では、切替装置11(すなわち、移送用ユニット3)は移動ブロック34の移動に追従して間欠送りされる。連結機構35は、電気的なソレノイドの切換などでロック部材28の連結、解除ができる。
【0017】
搬送装置7は、支持レール22に沿って配設されているリニアモータ37と、リニアモータ37に沿って水平移動するリニアモータテーブル38を備えている。リニアモータ37は、一方の圧縮成形装置5の側部から他方の圧縮成形装置6に至るまで延びている。リニアモータテーブル38は、リニアモータ37の一端部から他端部にわたって移動することができる。リニアモータテーブル38には、ロック部材39が取付けられている。ロック部材39は切替装置11の連結機構29と連結、及び連結解除をすることができる。図6は、切替装置11と間欠送り装置9との連結が解除され、切替装置11と搬送装置7とが連結した状態を示す。
連結機構29とロック部材39とが連結した状態では、切替装置11(すなわち、移送用ユニット3)はリニアモータテーブル38の移動に追従して連続送りされる(図7参照)。連結機構29は間欠送り装置9に設けられた連結機構35と同様に、電気的なソレノイドの切換などでロック部材39の連結、解除ができる。
このように、いずれの切替装置11,12は、搬送装置7,8と間欠送り装置9,10のいずれにも連結及び連結解除が可能である。
【0018】
図1図3及び図10を参照にして、溶融樹脂供給システム1の両端部には圧縮成形装置5,6が配設されている。圧縮成形装置5,6には、多数の成形金型45を設けている。成形金型45は、移送用ユニット3,4に配設されている樹脂ホルダー20と同数の成形金型45が設けられ、移送用ユニット3,4の移送方向に対して直線的に3列で配設され、各圧縮成形装置5,6に21個が設けられている。成形金型45が配置されている場所は、移送用ユニット3,4のスライドバー18が移送用ユニット3,4の外側に配置されているときの状態(図3の右側参照)で、樹脂ホルダー20の直下に成形金型45が配置されるようにする。
図10に示すように、成形金型45は雄型46が樹脂ホルダー20の直下に配置されるようにし、雄型46の内部には昇降ピン48が配設されている。昇降ピン48は下降位置では天面が雄型46の頂面の一部をなし、上昇位置では雄型46から上方へ突出し、移送用ユニット3,4の下降で樹脂ホルダー20に保持された溶融樹脂を突き刺して、下降することによって雄型46の天面に溶融樹脂を載置させることができる。
雌型は垂直方向に移動が可能であり、移送用ユニット3,4が圧縮成形装置5,6から離れた後に雄型46の直上方へ移送され、溶融樹脂を圧縮成形することができる。
【0019】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図11は、本発明の実施形態における溶融樹脂供給方法の第1工程から第10工程を示す概略側面図である。
図11の第1工程に示すように、溶融樹脂供給システム1の稼働のスタート時では、押出装置2の押出口19の下方へ第1移送用ユニット3を配設し、第2移送用ユニット4を第1移送用ユニット3の後に配置する。移送用ユニット3,4は、駆動モータ42を回転させることによって、図3に示すように、スライドバー18を内側へ移動させて、樹脂ホルダー20を一列(21個)に並設させる。第1移送用ユニット3の切替装置11は、間欠送り装置9と連結され、第2移送用ユニット4の切替装置12は、搬送装置8と連結されている。成形金型45は開状態にしておく。
【0020】
このような状態から、押出装置2は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂素材を加熱溶融及び混練して、合成樹脂を押出ノズルの押出口19に搬送する。第1移送用ユニット3は間欠送り装置9を駆動させて移送用ユニット3を間欠送りする。移送用ユニット3,4のホルダー本体51,52は、あらかじめ閉状態にしておく。そして、1列の先頭の樹脂ホルダー20が押出口19の直下まで搬送されると、押出口19から押し出された合成樹脂は、カッター53によって切断され、押出口19から切り離される。合成樹脂が切り離された時には、閉状態にあるホルダー本体51,52で受けることによって合成樹脂を保持する。間欠送り装置9は、溶融樹脂が切断されるときに樹脂ホルダー20の移送速度を大きくし、切断した直後に移送速度を0若しくは低速状態にする。先頭の樹脂ホルダー20で受けることによって溶融樹脂が保持されたら、それに続く樹脂ホルダー20を順次、押出口19の直下に間欠送りする(第2工程)。
【0021】
全ての溶融樹脂が樹脂ホルダー20に保持されたら、第1移送用ユニット3の切替装置11は、搬送装置7と連結され、間欠送り措置9との連結が解除される。すなわち、ロック部材39と連結機構29が連結し、ロック部材28と連結機構35の連結が解除される。
一方、第2移送用ユニット4の切替装置12は、間欠送り装置10と連結され、搬送装置8との連結が解除され、押出口19の直下に第2移送用ユニット4の先頭の樹脂ホルダー20が配置される。第1移送用ユニット3を搬送装置7によって、圧縮成形装置5へ搬送する。(第3工程:図1参照)
【0022】
次いで、圧縮成形装置5へ第1移送用ユニット3を搬送し、樹脂ホルダー20を対応する成形金型45の直上方へ配置する。このとき、雄型46は昇降ピン48を上昇位置に配置し、第1移送用ユニット3は、樹脂ホルダー20を下方へ下げて、昇降ピン48に溶融樹脂を幾分突き刺すようにして配置する。その後、樹脂ホルダー20はホルダー本体51を開状態にして溶融樹脂を解放し、第1移送用ユニット3を上昇させる。雄型46は昇降ピン48を下降させて雄型の上に溶融樹脂を載置させる。
一方、第2移送用ユニット4は、間欠送り装置10によって間欠送り移送させて、押出口19から排出される溶融樹脂を第1移送用ユニット2が実施したのと同じ手順で保持する。(第4工程:図2参照)
【0023】
第2移送用ユニット4の樹脂ホルダー20に溶融樹脂が保持されている間に、溶融樹脂を雄型46に供給した第1移送用ユニット3は、成形金型45から離れた位置で、第2移送用ユニット4の高さよりもアクチュエータ26によって下降位置に配置される。次いで、搬送装置7の駆動により反対側の圧縮成形装置6側へ、第2移送用ユニット4の下側を潜るようにして搬送される。圧縮成形装置5では、雌型47の下降が始まる。(第5工程)
そして、第1移送用ユニット3は、第2移送用ユニット4を通り抜けたところで、アクチュエータ26によって、上昇位置に配置され、第2移送用ユニット4の直ぐ後ろの上流側位置に並ぶようして配置される。ここで、駆動モータ42を駆動することによって、一対のスライドバー18を外側へ移動し、1列に並んでいた樹脂ホルダー20を、3列に分列させる。第1移送用ユニット3の切替装置11は、間欠送り装置9と連結され、搬送装置7との連結が解除される。
なお、第1移送用ユニット3が第2移送用ユニット4の後に、待機状態となったときは、第2移送用ユニット4の最後に配置されている樹脂ホルダー20と第1移送用ユニット3の最初に配置されている樹脂ホルダー20との間隔についても、間欠送りのピッチと同じ間隔にして同期をとるようにしてもよいが、タイミングが合わないときは、モータ31の回転速度の調整などによって、タイミングを図ることができる。
一方、第2移送用ユニット4では、樹脂ホルダー20への溶融樹脂の供給が終了し、第2移送用ユニット4の切替装置12は、搬送装置8との連結がされ、間欠送り装置10との連結を解除される。(第6工程)
【0024】
第1移送用ユニット3の樹脂ホルダーに溶融樹脂の供給が開始されると、第2移送用ユニット4はアクチュエータ26によって下降位置に配置される。一方、圧縮成形装置5では雄型46の上に雌型47が重ねられ圧縮成形が行われる。(第7工程)
次いで、第2移送用ユニット4は、第1移送用ユニット3の下側を潜るようにして、他方の圧縮成形装置5側へ搬送される。第1移送用ユニット3では、間欠送り移動によって樹脂ホルダー20に溶融樹脂が保持される。(第8工程)
【0025】
第1移送用ユニット3で押出口19から排出される樹脂ホルダー20に溶融樹脂が保持されているときに、第2移送用ユニット4は、他方の圧縮成形装置6に搬送される。そして、溶融樹脂が樹脂ホルダー20から成形金型45の雄型46の上に溶融樹脂が載置される。一方の圧縮成形装置5では、成形金型45が開かれる。(第9工程)
第2移送用ユニット4は、雄型46への溶融樹脂の受け渡しが終了したら、第2移送用ユニット4を押出口19側へ移動し、第1移送用ユニット3の後ろ(上流側)に配置させる。他方の圧縮成形装置6では、雌型47の下降が開始される。(第10工程)
【0026】
この第10工程が終了したら、第3の工程へ戻る。第1工程及び第2工程は、スタート時のみの工程であり、1巡以後の工程では省略され、この後は第3工程〜第10工程が1サイクルで循環される。
詳しくは、第2順目の第3工程では、前回のサイクルで圧縮成形装置5によって成形された成形品が取り出され(矢印b)、第4工程及び第5工程では、他方の圧縮成形装置6によって圧縮成形がされる。そして、第7工程では、成形された成形品の冷却が行われ、第8工程では前回のサイクルで圧縮成形装置6によって圧縮された成形品の取り出しがされる(矢印b)。
【0027】
本願発明は、間欠送り装置を設けて、樹脂ホルダー20(移送用ユニット3,4)を間欠送りしているので、樹脂ホルダー20間のピッチを小さくすることができる。これにより、樹脂ホルダー20を一列に整列させても樹脂ホルダー列が長くならず、装置の小型化が可能である。
間欠送り装置によって樹脂ホルダー20を間欠送りしているので、樹脂ホルダー20の間欠移送中の静止時に溶融樹脂を受け取ることができる。比較的に軽量である樹脂ホルダーを間欠送りさせるため、高速での送り動作が可能になる利点がある。
【0028】
一対の移送用ユニットを用いているので、一方の移送用ユニットの樹脂ホルダーに溶融樹脂を受け取らせている間に、他方の移送用ユニットを一方の移送用ユニットの後(上流側)に待機させておけるので、溶融樹脂の連続供給が可能になる。
移送用ユニット3,4は、駆動モータ42を回転させることによって、図3に示すように、スライドバー18を外側へ移動させて、樹脂ホルダー20を1列から3列に整列できるので、圧縮成形装置5,6の成形金型45を配置している箇所の長さを約1/3(1/複数列)に短縮できる。装置の長さが一方向へ長くならない。
押出口19からの溶融樹脂の受け取りを一方向に行っており(図5の矢印c方向)、かつ一対の移送用ユニット3,4の配置の入れ替えを昇降手段によって、上下動させながら行っているので、少スペースの循環式の移送用ユニットの入れ替えができる。また、移送用ユニット3,4の動きが煩雑にならず、省エネルギー化できる効果もある。
【0029】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
上記実施形態では、図4の(a)に示すように、樹脂ホルダー20にカッター53を配設したが、カッターについては、図4の(b)に示すように、押出口19の近くにカッター53を配設し、溶融樹脂を切断するようにしてもよい。樹脂ホルダー20については、成形金型ピン48で溶融樹脂を幾分突き刺すように配置したが、樹脂ホルダー20から投下させるようにしてもよい。
上記実施形態では、2つの圧縮成形装置5,6を設けたが、一方の圧縮成形装置のみを設けて圧縮成形を行ってもよい。
例えば、図11の一方の圧縮成形装置5のみを用いた場合(圧縮成形装置6は省略する)は、第1工程から第6工程の手順を繰り返すことによって実施ができる。ただし、第1工程と第6工程では、第1移送用ユニット3と第2移送用ユニット4の順序が逆になる。
本実施形態では、切替装置11,12を設け、搬送装置7,8と間欠送り措置9,10との連結、解除を行ったが、間欠送り移送と圧縮成形装置への連続移送をリニアモータのみで行ってもよい。すなわち、上記実施例では樹脂ホルダー20の間欠送りをカム機構により行ったが、リニアモータのON−OFFや速度調整で行うことも可能である。また、リニアモータの代わりにモータとボールねじを用いた電動アクチュエータなどを使用することも可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 溶融樹脂供給システム
2 押出装置
3,4 移送用ユニット
5,6 圧縮成形装置
7,8 搬送装置
9,10 間欠送り装置
11,12 切替装置
15 枠体
18 スライドバー
19 押出口
20 樹脂ホルダー
22,23 支持レール
25 支持ブロック
26 アクチュエータ
28,39 ロック部材
29,35 連結機構
32 カム
33 カムフォロワ
34 移動ブロック
37 リニアモータ
38 リニアモータテーブル
45 成形金型
46 雄型
47 雌型
48 昇降ピン
51,52 ホルダー本体
53 カッター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11