(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の例では、サーモオン温度やサーモオフ温度の設定によっては、いわゆるコールドドラフト(冷風感)をユーザに与えてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は上記の問題に着目してなされたものであり、空気調和装置において、ユーザの快適性を保ちつつ、省エネルギー運転ができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、第1の発明は、
設定に応じて室内に吹き出す空気(SA)の風量が可変する室内ユニット(12)と、
圧縮機(21)を有し、冷媒が充填された冷媒回路(20)と、
暖房運転時に上記冷媒の凝縮温度(Tc)を所定の下限値(Tcs)以上に維持しつつ、上記圧縮機(21)の回転速度を制御する制御部(32)と、を備え、
上記制御部(32)は、暖房運転時において、上記設定に対応する風量がより小さいほど、より小さな値の上記下限値(Tcs)に基づいて上記圧縮機(21)の回転速度を制御する制御モードを有していることを特徴とする。
【0007】
この構成では、風量がより小さいほど、より小さな値の下限値(Tcs)に基づいて圧縮機(21)の回転速度を制御する制御モードを有している。そのため、風量が小さいほど、より大きな省エネルギー効果を期待できる。また、風量に応じて、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)を選択するので、コールドドラフトの低減にも繋がる。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明において、
上記室内ユニット(12)は、空気の吹出口(12b)に設けられたフラップ(12c)の角度が上記設定に応じて変化して該吹出口(12b)の開口面積が増減することによって、上記風量が可変することを特徴とする。
【0009】
この構成では、風量がフラップ(12c)の角度設定に応じて変化する。そして、その際の風量に応じて、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)が選択される
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
1つの上記設定に対して複数種類の上記下限値(Tcs)が用意されており、
上記制御部(32)は、与えられた指示に応じて、上記複数種類の上記下限値(Tcs)の中から、上記設定に対応する下限値(Tcs)を選択することを特徴とする。
【0010】
この構成では、与えられた指示(例えばユーザからの指示)に応じて、下限値(Tcs)が設定される。
【0011】
また、第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、
上記下限値(Tcs)は、設置時に設定可能であることを特徴とする。
【0012】
この構成では、設置場所の状況やユーザの希望などに応じて、下限値(Tcs)を設定できる。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明や第2の発明によれば、ユーザの快適性を保ちつつ、省エネルギー運転を行うことが可能になる。
【0014】
また、第3の発明によれば、より適切な下限値(Tcs)の設定が可能になり、例えばコールドドラフトの感じ方の個人差(ユーザの好み)にあわせた空気調和(暖房)が可能になる。
【0015】
また、第4の発明においても、より適切な下限値(Tcs)の設定が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0018】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る空気調和装置(10)の配管系統図である。
図1に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、室内制御部(31)、室外制御部(32)、及びリモートコントローラ(40)を備えている。
【0019】
空気調和装置(10)では、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)が、液側連絡配管(13)、及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されており、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)、及びガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
【0020】
−冷媒回路(20)−
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路であり、圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、及び室内熱交換器(25)が設けられている。
【0021】
圧縮機(21)には、種々の圧縮機を採用できる。圧縮機(21)の一例としては、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機などが挙げられる。室外熱交換器(23)及び室内熱交換器(25)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器である。室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させ、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
【0022】
四方切換弁(22)は、第1〜第4のポートを有している。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(
図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(
図1に破線で示す状態)とに切り換えることができる。
【0023】
冷媒回路(20)では、圧縮機(21)の吐出ポートが四方切換弁(22)の第1のポートに接続され、吸入ポートが四方切換弁(22)の第2のポートに接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。空気調和装置(10)では、四方切換弁(22)を切り換えることによって、冷房運転と暖房運転とを切り換える。
【0024】
−室外ユニット(11)−
室外ユニット(11)は、圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、及び膨張弁(24)を収容している。また、室外ユニット(11)は、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)を備えている。
【0025】
−室内ユニット(12)−
図2は、室内ユニット(12)の斜視図である。また、
図3は、室内ユニット(12)の縦断面図である。室内ユニット(12)は、空気調和を行う室内、より詳しくは、天井に取り付けられている。
図2、及び
図3に示すように、室内ユニット(12)は、ケーシング(12a)を備えている。ケーシング(12a)には、室内熱交換器(25)、及び室内ファン(16)が収容されている。
【0026】
また、ケーシング(12a)には、複数(この例では4つ)の空気吹出口(12b)が形成され、これらの空気吹出口(12b)からは、室内ファン(16)によって、空気調和された空気(SA)が吹き出すようになっている。それぞれの空気吹出口(12b)には、フラップ(12c)が設けられている。これらのフラップ(12c)は、空気吹出口(12b)から室内へ吹き出す空気(SA)の吹出方向を調整するものである。各フラップ(12c)の角度は、
図3に示すように、空気(SA)が略水平方向に吹き出す角度である風向(P0)と、空気(SA)が最も下方向に吹き出す角度である風向(P4)との間で、複数段階に変更可能である。フラップ(12c)の角度は、ユーザの設定に応じて、室内制御部(31)が制御する。
【0027】
−リモートコントローラ−
リモートコントローラ(40)は、室内ユニット(12)に制御信号を送るものである。制御信号は、例えば、空気調和装置(10)の起動、停止の命令、設定温度、風向の設定(フラップ(12c)の方向の設定)、後述の運転モードの切り換え命令等を室内ユニット(12)に伝えるために使用する。制御信号の通信には、有線通信を利用してもよいし、赤外線や電波を用いた無線通信を利用してもよい。
【0028】
−室内制御部(31)−
室内制御部(31)は、マイクロコンピュータと、それを動作させるプログラムを格納したメモリディバイスを有している。室内制御部(31)は、室内ユニット(12)内に収容され、リモートコントローラ(40)から受信した制御信号や、空気調和装置(10)に設置されたセンサ(図示を省略)の検出値に応じて、フラップ(12c)の方向や室内ファン(16)等を制御する。センサには、例えば、室内ユニット(12)の吸い込み空気の温度を検出するセンサなどがある。室内制御部(31)は、必要に応じて、これらのセンサの検出値、現在のフラップ(12c)の位置、リモートコントローラ(40)から送信された命令(例えば設定温度)等を上記メモリディバイスに記憶させる。
【0029】
室内ファン(16)の制御では、室内制御部(31)は、室内に吹き出す風量が最も大きい風量(H)、最も小さい風量(L)、風量(H)と風量(L)の中間の風量である風量(M)の何れかに制御する。風量の制御は、ユーザによる設定(例えばリモートコントローラ(40)を介して設定する)に基づいて行われる場合もあれば、例えば負荷に応じて、室内制御部(31)によって自動的に行われる場合もある。なお、負荷とは、必要な冷房能力や暖房能力であり、具体的には、リモートコントローラ(40)による設定温度と、室内ユニット(12)の吸いこみ空気の温度の差を求めることで検出できる。
【0030】
−室外制御部(32)−
室外制御部(32)は、マイクロコンピュータとそれを動作させるプログラムを格納したメモリディバイスを有し、室外ユニット(11)内に収容されている。室外制御部(32)は、室内制御部(31)に配線接続され、室内制御部(31)と信号(上記制御信号や、室内ユニット(12)内のセンサの検出値など)のやり取りを行う。そして、室外制御部(32)は、室内制御部(31)から受信した信号や、空気調和装置(10)に設置されたセンサ(図示を省略)の検出値に応じて、圧縮機(21)、四方切換弁(22)、膨張弁(24)、及び室外ファン(15)を制御する。特に、室外制御部(32)の制御では、圧縮機(21)の回転速度の制御に特徴がある。
【0031】
一般的に空気調和装置は、起動時に多くの電力を必要とする。そのため、空気調和装置(10)でも、例えば暖房運転時に圧縮機(21)の発停回数を抑えて、圧縮機(21)を負荷に見合った低能力(低い回転速度)で継続的に運転させれば、効果的に省エネルギーを図ることができる。しかしながら、暖房運転時に圧縮機(21)の回転速度が下がると、冷媒の凝縮温度(Tc)も下がって、室内ユニット(12)が吹き出す空気(SA)の温度も下がることになる。そのため、省エネルギーのために、圧縮機(21)の回転速度を単に下げるのでは、いわゆるコールドドラフト(冷風感)をユーザに与えてしまう恐れがある。
【0032】
そこで、室外制御部(32)は、暖房運転時には、冷媒の凝縮温度(Tc)を所定の下限値(Tcs)以上に維持することによって、ユーザの快適性を確保しつつ、圧縮機(21)の回転速度の制御を行う。凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)は、一般的な空気調和装置では、固定値(例えば42℃)であるが、本実施形態では、後に詳述するように、室内に吹き出す空気(SA)の風量に応じて下限値(Tcs)を可変している。
【0033】
また、コールドドラフトは、感じ方に個人差がある。そのため、空気調和装置(10)では、暖房運転時のモードとして、複数の運転モードをユーザが選択できるようにしてある。具体的に、空気調和装置(10)では、暖房運転のモードとして、省エネルギー運転モードと、通常暖房運転モードがある。省エネルギー運転モードには、省エネルギーの度合いに応じて、標準省エネルギーモードと、弱省エネルギーモードの2種のモードに分かれる。各運転モードは、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)が異なっており、それに応じて、圧縮機(21)の回転速度の低下のレベル(すなわち省エネルギーのレベル)も異なってくる。
【0034】
図4は、実施形態1における、風量と凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)との関係を運転モード毎に示す。
図4に示すように、何れの運転モードにおいても、室内に吹き出す空気(SA)の風量が小さいほど、下限値(Tcs)は、より小さな値に設定されている。すなわち、
図4の表では、風量の設定毎に下限値(Tcs)を比較すると、T
H1>T
M1>T
L1、T
H2>T
M2>T
L2、T
H3>T
M3>T
L3の関係がある。
【0035】
また、同じ風量で比較すると、通常暖房運転モードよりも、弱省エネルギーモードの方が、下限値(Tcs)が小さく、弱省エネルギーモードよりも標準省エネルギーモードの方が、下限値(Tcs)が小さい。すなわち、
図4の表では、運転モード毎に下限値(Tcs)を比較すると、T
H1<T
H2<T
H3、T
M1<T
M2<T
M3、T
L1<T
L2<T
L3の関係がある。このように、室外制御部(32)では、1つの風量の設定(H,M,L)に対して複数種類の下限値(Tcs)が用意されている。
【0036】
図4の表は、例えば快適性指数PVM(Predicted Mean Vote)を利用して作成することができる。快適性指数PVMは、活動量、着衣量、室温、放射温度、気流、及び相対湿度から求められる。室外制御部(32)では、
図4の表が上記メモリディバイスに格納されており、風量の設定(H,M,L)を検出して、下限値(Tcs)を選択する。
【0037】
〈空気調和装置の動作〉
例えば、ユーザがリモートコントローラ(40)を介して暖房運転を命令すると、室内制御部(31)からは、設定温度、風量の設定(H,M,L)、及び現在の運転モード(弱省エネルギーモードなど)などの情報が室外制御部(32)に送信される。室外制御部(32)では、室内制御部(31)から送信されたこれらの情報を利用し、冷媒の凝縮温度(Tc)を所定の下限値(Tcs)以上に維持しつつ、圧縮機(21)の回転速度が行われる。
【0038】
具体的には、まず、室外制御部(32)は、四方切換弁(22)を第2状態に切り換えるとともに、膨張弁(24)の開度の制御や圧縮機(21)の起動を行う。
【0039】
次に、室外制御部(32)は、設定温度(リモートコントローラ(40)の温度設定値)と室内ユニット(12)の吸い込み温度との差(以下、ΔTとする)を求める。このΔTが現在の負荷である。例えば、負荷に見合った圧縮機(21)の回転速度が、現在の圧縮機(21)の回転速度よりも低い場合には、室外制御部(32)は、PI制御(比例積分制御)などのアルゴリズムを用いて、冷媒の凝縮温度(Tc)を下限値(Tcs)以上に維持しつつ、圧縮機(21)の回転速度を低下させてゆく。
【0040】
このとき、室外制御部(32)は、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)を、
図4の表に示すように、風量、及び運転モードに応じて決定する。なお、室内ユニット(12)における風量は、ユーザのリモートコントローラ(40)に応じて設定される場合もあれば、室内制御部(31)によって自動的に設定される場合もある。風量の設定(H,M,L)の状態は、室外制御部(32)が室内制御部(31)と通信を行うことで検出できる。
【0041】
この例では、設定された風量が小さいほど、下限値(Tcs)はより小さな値に設定されることになる。また、同じ風量設定で比較すると、通常暖房運転モードよりも、弱省エネルギーモードの方が、凝縮温度(Tc)がより低く、弱省エネルギーモードよりも標準省エネルギーモードの方が、凝縮温度(Tc)がより低いことになる。すなわち、ユーザの選択に応じて、省エネルギーのレベルが変更される。
【0042】
〈本実施形態における効果〉
以上のように、本実施形態の空気調和装置(10)は、風量がより小さいほど、より小さな値の値に下限値(Tcs)を選択し、選択した下限値(Tcs)に基づいて圧縮機(21)の回転速度を制御する制御モードを有している。そのため、空気調和装置(10)では、ユーザの快適性を保ちつつ、省エネルギー運転を行うことが可能になる。
【0043】
具体的には、上記のように下限値(Tcs)の制御を行うことによって、ユーザの快適性を保ちつつ、発停回数が低減するように圧縮機(21)の制御を行うことが可能なる。そして、発停回数が低減すれば、室内温度の変動抑制も可能になる。
【0044】
また、風量が大きい場合の方が、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)がより高く設定されることによって、室内ユニット(12)からの吹き出し空気の温度が、風量がより小さな場合と比べてより高くなり、ユーザにコールドドラフトを与えにくくなる。
【0045】
また、空気調和装置(10)では、1つの設定(H,M,L)に対して複数種類の下限値(Tcs)が用意されており、ユーザがそれを選択できる。そのため、空気調和装置(10)では、例えばコールドドラフトの感じ方の個人差(ユーザの好み)にあわせた空気調和(暖房)が可能になる。すなわち、空気調和装置(10)では、より多くのユーザの快適性の確保が可能になる。
【0046】
《発明の実施形態2》
実施形態2の空気調和装置(10)は、室外制御部(32)の構成が実施形態1とは異なっている。実施形態2では、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)を決定するために、フラップ(12c)の設定(風向(P0)〜風向(P4))の情報を用いる。
【0047】
室内ユニット(12)では、空気吹出口(12b)に設けられたフラップ(12c)の角度が設定に応じて変化すると、該空気吹出口(12b)の開口面積が増減する。この例では、フラップ(12c)が、水平向きに最も近い風向(P0)に設定された場合に開口面積が最も小さくなる。このように開口面積が小さくなると、空気吹出口(12b)における流動抵抗が増加する。したがって、風向の設定が風向(P0)の場合には、室内ファン(16)の設定(H,M,L)を同じにして比較すると、他の角度設定と比べて風量が最も小さくなる。以下同様に、風向(P1)、風向(P2)、風向(P3)の順で開口面積(すなわち風量)が徐々に大きくなる。そして、フラップ(12c)が、垂直向きに最も近い風向(P4)に設定された場合に、開口面積が最大になり、他の角度設定と比べ風量が最も大きくなる。すなわち、空気吹出口(12b)に設けられたフラップ(12c)の角度が設定に応じて変化することによって、該空気吹出口(12b)の開口面積が増減し、その結果、室内ユニット(12)では吹き出す空気(SA)の風量が可変する。
【0048】
そこで、本実施形態の室外制御部(32)は、風向の設定に応じた風量がより小さいほど、より小さな値に下限値(Tcs)を選択し、選択した下限値(Tcs)以上に冷媒の凝縮温度(Tc)を維持しつつ、圧縮機(21)の回転速度を制御するようになっている。具体的には、風向(P0)(略水平方向)に設定された場合が最も下限値(Tcs)が小さく、以下、風向(P1)、風向(P2)、風向(P3)の順で下限値(Tcs)が徐々に大きくなり、風向(P4)に設定された場合が最も下限値(Tcs)が大きい。
【0049】
また、本実施形態でも、1つの設定(風向の設定)に対して複数種類の下限値(Tcs)が用意されている。より詳しくは、風向の設定(P0〜P4)のそれぞれに対応する下限値(Tcs)が、運転モード毎に用意されている。なお、この例でも、運転モードには、省エネルギー運転モードと、通常暖房運転モードがあり、省エネルギー運転モードは、省エネルギーの度合いに応じて、標準省エネルギーモードと、弱省エネルギーモードの2種のモードに分かれる。
【0050】
以上のように、本実施形態では、風向の設定(P0〜P4)に基づいて下限値(Tcs)が可変される。そして、室内ユニット(12)から吹き出される空気(SA)の風量は、風向の設定に応じて増加或いは減少する。すなわち、本実施形態でも、実質的には風量に基づいて下限値(Tcs)が可変されていると見なすことができる。したがって、本実施形態においても、実施形態1と同様の効果を得ることが可能になる。
【0051】
《その他の実施形態》
なお、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)は、空気調和装置(10)の設置の際に、設置現場において作業者が設定するようにしてもよい。それは、作業者が室外制御部(32)のメモリディバイスに下限値(Tcs)を入力できるように、入力用の機器を別途用意したり、室外制御部(32)に入力用のスイッチなどを設けたりすることで実現できる。こうすることで、設置場所の状況やユーザの希望に応じて、凝縮温度(Tc)の下限値(Tcs)を設定できる。すなわち、より多くのユーザの快適性の確保が可能になる。
【0052】
また、室内ユニット(12)は、上記の例のように天井に取り付ける形式には限定されない。例えば、壁面に取り付ける形式でもよいし、床置きされる形式でもよい。室内ユニット(12)の形式が異なると、フラップ(12c)の方向と風量の関係が上記実施形態とは異なることも考えられるが、風向の設定に基づく制御(実施形態2参照)を行う場合には、風向に応じた風量がより小さいほど、より小さな値の下限値(Tcs)となるように、下限値(Tcs)を可変すればよい。
【0053】
また、実施形態1の制御(室内ファン(16)の風量の設定(H,M,L)に基づく制御)と、実施形態2の制御(風向の設定に基づく制御)とは併用してもよい。具体的には、風量の設定(H,M,L)と風向の設定(P0〜P4)の組み合わせに毎に下限値(Tcs)を対応づけた表を、運転モード(例えば標準省エネルギーモードや弱省エネルギーモード)毎に作成し、その表を用いて下限値(Tcs)を選択することが考えられる。