(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967207
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】車両制御装置および車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/182 20120101AFI20160728BHJP
B60W 10/04 20060101ALI20160728BHJP
B60W 10/101 20120101ALI20160728BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20160728BHJP
B60W 10/107 20120101ALI20160728BHJP
F02D 29/00 20060101ALI20160728BHJP
F16H 61/02 20060101ALI20160728BHJP
F16H 61/662 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
B60W30/182
B60W10/00 114
B60W10/06
B60W10/107
F02D29/00 C
F16H61/02
F16H61/662
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-536647(P2014-536647)
(86)(22)【出願日】2013年7月19日
(86)【国際出願番号】JP2013069625
(87)【国際公開番号】WO2014045697
(87)【国際公開日】20140327
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】特願2012-205885(P2012-205885)
(32)【優先日】2012年9月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100148231
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 謙治
(74)【代理人】
【識別番号】100167520
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 良太
(72)【発明者】
【氏名】小野 雅司
(72)【発明者】
【氏名】入山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】吉野 太容
【審査官】
藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−051842(JP,A)
【文献】
特開2009−101910(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/035447(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/18 〜 30/182
B60W 10/06
B60W 10/107
F02D 29/00 〜 29/02
F16H 61/02
F16H 61/662
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車速とアクセル開度とに基づいて目標駆動力を設定する目標駆動力設定手段と、
前記目標駆動力を実現するように無段変速機の目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、
前記目標駆動力と変速比とに基づいて駆動源の目標トルクを設定する目標トルク設定手段とを備えた車両制御装置であって、
前記車速を検出する車速検出手段と、
前記アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、
前記アクセル開度に基づいて加速要求を判定する加速要求判定手段と、
前記加速要求に基づいて、走行モードを通常モード、または加速要求モードに切り替えるモード切替手段とを備え、
前記目標駆動力設定手段は、前記走行モードが前記通常モードから前記加速要求モードに切り替えられた場合に、前記加速要求モード中は、前記アクセル開度検出手段によって検出された前記アクセル開度と、モード切り替え時の車速とに基づいて前記目標駆動力を設定する車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記加速要求判定手段は、前記加速要求モードとなった後に、前記アクセル開度が所定開度よりも大きくなると、更なる加速要求がされたと判定し、
前記目標駆動力設定手段は、前記加速要求モードとなっており、前記更なる加速要求がされた場合に、前記更なる加速要求がされた後は、前記アクセル開度検出手段によって検出された前記アクセル開度と、前記更なる加速要求がされた時の車速とに基づいて前記目標駆動力を設定する車両制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両制御装置であって、
前記加速要求モード時のアクセル開度を、前記通常モード時のアクセル開度よりも小さくするアクセル開度補正手段を備える車両制御装置。
【請求項4】
車速とアクセル開度とに基づいて目標駆動力を設定し、
前記目標駆動力を実現するように無段変速機の目標変速比を設定し、
前記目標駆動力と変速比とに基づいて駆動源の目標トルクを設定する車両の制御方法であって、
前記車速を検出し、
前記アクセル開度を検出し、
前記アクセル開度に基づいて加速要求を判定し、
前記加速要求に基づいて、走行モードを通常モード、または加速要求モードに切り替え、
前記目標駆動力は、前記走行モードが前記通常モードから前記加速要求モードに切り替えられた場合に、前記加速要求モード中は、検出された前記アクセル開度と、モード切り替え時の車速とに基づいて設定される車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両制御装置および車両の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加速要求があった場合には、通常時の目標駆動力設定方法とは異なる方法で加速要求時の目標駆動力を設定する制御装置が、JP2006−51842Aに開示されている。
【0003】
JP2006−51842Aの制御装置では、通常時の目標駆動力をアクセル開度と、車速とからマップを用いて設定している。また、加速要求時の目標駆動力を走行抵抗、アクセル踏込補正値、車速変化補正値などを加算して設定している。
【発明の概要】
【0004】
しかし、上記発明では、通常時と加速要求時とで目標駆動力の設定方法が別であり、加速要求時の目標駆動力をマップではなく、補正量などによって演算しているので、目標駆動力の演算が煩雑である、といった問題点がある。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するために発明されたもので、加速要求時の目標駆動力を容易に設定することを目的とする。
【0006】
本発明のある態様に係る車両制御装置は、車速とアクセル開度とに基づいて目標駆動力を設定する目標駆動力設定部と、目標駆動力を実現するように無段変速機の目標変速比を設定する目標変速比設定部と、目標駆動力と変速比とに基づいて駆動源の目標トルクを設定する目標トルク設定部とを備えた車両制御装置である。車両制御装置は、車速を検出する車速検出部と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出部と、アクセル開度に基づいて加速要求を判定する加速要求判定部と、加速要求に基づいて、走行モードを通常モード、または加速要求モードに切り替えるモード切替部とを備え、目標駆動力設定部は、走行モードが通常モードから加速要求モードに切り替えられた場合に、
加速要求モード中は、アクセル開度検出部によって検出したアクセル開度と、モード切り替え時の車速とに基づいて目標駆動力を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本実施形態の車両の一部を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は本実施形態の目標変速比、目標エンジントルクの設定方法を説明する制御ブロック図である。
【
図3】
図3は本実施形態における目標駆動力、車両の加速度の変化を示すタイムチャートである。
【
図4】
図4は加速要求モードにおける目標駆動力について説明するマップである。
【
図5】
図5は加速要求モードにおける目標駆動力について説明するマップである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1を参照すると、車両の内燃エンジン1の出力はトルクコンバータ11を介して無段変速機12に入力される。無段変速機12はプライマリプーリ13とセカンダリプーリ14と、これらに掛け回されたVベルト15とを備える。プライマリプーリ13は油圧Ppriに応じて溝幅を変化させることで、Vベルト15との接触半径を変化させる。セカンダリプーリ14は油圧Psecに応じて溝幅を変化させることで、Vベルト15との接触半径を変化させる。結果として、無段変速機12は油圧Ppriと油圧Psecの制御に応じて、入力回転速度と出力回転速度の比、すなわち変速比を無段階に変化させる。油圧Ppriと油圧Psecは油圧供給装置16により生成される。
【0010】
セカンダリプーリ14はファイナルギア18とディファレンシャル19を介して駆動輪に結合する。
【0011】
内燃エンジン1は吸気量を調整する吸気スロットル装置3を備える。吸気スロットル装置3は、内燃エンジン1の吸気通路2に設けた吸気スロットル4と、吸気スロットル4の開度を入力信号に応じて変化させる電動モータ5を備える。
【0012】
油圧供給装置16と吸気スロットル装置3はコントローラ21が出力する指令信号に応じて作動する。
【0013】
コントローラ21は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ21を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0014】
コントローラ21には吸気スロットル4のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ6、車両が備えるアクセルペダル7のアクセル開度を検出するアクセル開度センサ22、内燃エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ23、プライマリプーリ13の回転速度を検出するプライマリプーリ回転速度センサ24、及び車両の走行速度を検出する車速センサ26から検出信号がそれぞれ信号として入力される。
【0015】
コントローラ21はこれらの検出信号に応じて、吸気スロットル4の開度制御と、油圧供給装置16を介した無段変速機12の変速制御を行うことで、車両の駆動力を制御する。
【0016】
次に本実施形態の目標変速比、目標エンジントルクの設定方法について
図2の制御ブロック図を用いて説明する。以下で説明する制御は、コントローラ21によって実行される。
【0017】
加速要求判定部30は、アクセル開度センサ22からの信号に基づいて運転者による加速要求を判定する。具体的には、加速要求判定部30は、アクセル開度の単位時間あたりの増加量が第1所定増加量よりも大きい場合には加速要求がされていると判定する。また、加速要求判定部30は、走行モードが後述する加速要求モードに切り替えられた後には、アクセルペダル7が踏み増しされてアクセル開度が所定開度よりも大きくなると、更なる加速要求がされたと判定する。所定開度は段階的に複数設定されており、加速要求判定部30はアクセルペダル7が踏み増しされてアクセル開度が大きくなり、段階的に複数設定された所定開度となる度に更なる加速要求がされたと判定する。つまり、加速要求判定部30は、加速要求モードでアクセルペダル7が踏み増しされ、アクセル開度が或る所定開度(例えば第1所定開度)となると更なる加速要求がされたと判定し、更にアクセルペダル7が踏み増しされ、その次に設定された或る所定開度(例えば第2所定開度)となると、また更なる加速要求がされたと判定する。一方、加速要求判定部30は、アクセル開度の単位時間あたりの増加量が第1所定増加量よりも小さい場合には加速要求がされていないと判定する。なお、走行モードが加速要求モードに切り替えられた後は、アクセル開度の単位時間あたりの増加量が、第2所定増加量よりも小さくなった場合に加速要求がなくなったと判定する。第2所定増加量は、第1所定増加量よりも小さい値であり、例えば負の値である。
【0018】
モード切替部31は、加速要求判定部30からの信号に基づいて、車両の走行モードを通常モード、または加速要求モードに切り替える。モード切替部31は、加速要求判定部30で加速要求がされたと判定されると、走行モードを通常モードから加速要求モードに切り替える。モード切替部31は、加速要求判定部30で加速要求がなくなったと判定されると、走行モードを加速要求モードから通常モードに切り替える。なお、モード切替部31は、上記した走行モードの切り替えを行う場合以外では、現在の走行モードを維持する。
【0019】
車速選択部32は、走行モードが通常モードである場合には、車速センサ26によって検出された現在の車速を選択し、走行モードが通常モードから加速要求モードに切り替わった場合には、加速要求モードに切り替わった時に車速センサ26によって検出された車速を選択し、加速要求モード中はその車速を保持する。なお、加速要求モード中に更なる加速要求があった場合には、車速選択部32は、保持されている車速を更なる加速要求があった時に車速センサ26によって検出された車速に更新し、更新した車速を保持する。つまり、加速要求モード中は、車速選択部32は、更なる加速要求がある度に車速を更新し、その後保持する。
【0020】
アクセル開度補正部33は、アクセル開度センサ22によって検出したアクセル開度をマップに基づいて補正し、アクセル開度補正値を算出する。アクセル開度補正値は、補正前のアクセル開度よりも小さくなる。
【0021】
アクセル開度選択部34は、走行モードに応じて、補正されていないアクセル開度、またはアクセル開度補正値を選択する。アクセル開度選択部34は、走行モードが通常モードである場合には補正されていないアクセル開度を選択し、走行モードが加速要求モードである場合にはアクセル開度補正値を選択する。
【0022】
目標駆動力設定部35は、車速選択部32によって選択した車速と、アクセル開度選択部34によって選択したアクセル開度とに基づいて目標駆動力を設定する。
【0023】
走行モードが通常モードである場合には、目標駆動力設定部35は、車速センサ26によって検出された現在の車速と、補正されていないアクセル開度とに基づいて、マップから目標駆動力を設定する。
【0024】
走行モードが通常モードから加速要求モードに切り替わった時には、目標駆動力設定部35は、加速要求モードに切り替わった時に車速センサ26によって検出された車速と、補正されたアクセル開度とに基づいてマップから目標駆動力を設定する。
【0025】
走行モードが加速要求モードである場合には、目標駆動力設定部35は、保持されている車速と、補正されたアクセル開度とに基づいてマップから目標駆動力を設定する。そして、走行モードが加速要求モードであり、更なる加速要求がされた時には、車速が、保持されていた車速から更なる加速要求がされた時に車速センサ26によって検出された車速に更新されるので、目標駆動力設定部35は、更新された車速と、補正されたアクセル開度とに基づいてマップから目標駆動力を設定する。
【0026】
なお、目標駆動力設定部35では、走行モードが加速要求モードであっても、現在の車速とアクセル開度とに基づいて目標駆動力の上限値が設定されており、上記した加速要求モードで設定される目標駆動力が上限値よりも大きくなる場合には、目標駆動力は上限値に設定される。
【0027】
目標出力設定部36は、目標駆動力設定部35によって設定された目標駆動力と、車速センサ26によって検出された現在の車速とを乗算し、目標出力を設定する。
【0028】
目標エンジン回転速度設定部37は、目標出力に基づいてマップから目標エンジン回転速度を設定する。
【0029】
目標出力回転速度演算部38は、車速センサ26によって検出した車速に基づいて無段変速機12のセカンダリプーリ14の回転速度を算出する。
【0030】
目標変速比設定部39は、目標エンジン回転速度をセカンダリプーリ14の回転速度で除算することで、目標変速比を設定する。
【0031】
目標エンジントルク設定部40は、目標駆動力と駆動輪の半径とを乗算し、乗算した値を目標変速比とファイナルギア比とで除算することで目標エンジントルクを設定する。
【0032】
このようにして設定した、目標変速比に基づいて無段変速機12が制御され、目標エンジントルクに基づいて吸気スロットル4が制御される。
【0033】
次に、本実施形態を用いた場合の加速要求モードにおける目標駆動力、車両の加速度の変化などについて
図3のタイムチャートを用いて説明する。
【0034】
時間t0において、アクセルペダル7が踏み込まれて加速要求がされ、走行モードは通常モードから加速要求モードに切り替わる。これにより、目標駆動力を設定するための車速が、加速要求モードに切り替わった時の車速に保持される。ここではアクセル開度が一定となっており、目標駆動力も一定である。また、アクセル開度、目標駆動力が一定なので、車両の加速度は維持される。
【0035】
本実施形態を用いずに、車速センサ26によって検出される現在の車速に基づいて目標駆動力を設定すると、車速が高くなり、アクセル開度が一定なので、目標駆動力は
図3において破線で示すように小さくなる。そのため、車両加速度も小さくなる。
【0036】
ここで、
図4に示す目標駆動力を設定するマップを用いて説明する。車速V1、アクセル開度APO1で走行モードが通常モードから加速要求モードに変更されると、本実施形態では目標駆動力を設定するための車速が車速V1に保持される。そのため、アクセル開度APO1が一定の場合には、実際の車速が高くなっても目標駆動力は矢印Aで示すように一定である。
【0037】
一方、本実施形態を用いずに、現在の車速に基づいて目標駆動力を設定すると、目標駆動力は矢印Bで示すように小さくなる。
【0038】
このように、本実施形態では、目標駆動力が大きいので、加速要求がされたときの車両の加速性がよい。
【0039】
図3に戻り、時間t1において、アクセルペダル7が踏み増しされ、更なる加速要求がされる。これにより、目標駆動力を設定するための車速が、更なる加速要求がされた時の車速に更新される。目標駆動力は更新された車速に基づいて設定される。
【0040】
ここで、車速を更新しない場合について、
図4に示すマップを用いて説明する。
【0041】
車速V1、アクセル開度APO1で走行モードが通常モードから加速要求モードに変更され、実際の車速が「V2」となった時にアクセルペダル7が踏み増しされて、アクセル開度が「APO1」から「APO2」に変更され、更なる加速要求がされる。本実施形態では、目標駆動力を設定するための車速が「V1」から「V2」に更新され、その後実際の車速が高くなっても目標駆動力は矢印Cに示すように一定である。
【0042】
一方、車速を更新せずに「V1」に保持すると、目標駆動力は車速V1、アクセル開度APO2に基づいて設定され、点aに示す値となる。そのため、実際の車速が高くなっても目標駆動力は矢印Dに示すように一定となる。しかし、この目標駆動力は、現在の車速に基づいて設定される上限値よりも大きいので、実際には矢印Eに示すように制限される。従って、目標駆動力は実際の車速が高くなるにつれて小さくなり、加速度も次第に小さくなる(この場合の目標駆動力、車両の加速度を
図3において点線で示す。)。
【0043】
このように車速を更新することで、アクセルペダル7が踏み増しされた時の加速度は、車速を更新しない場合の加速度よりも小さくなるが、その後、加速度が低下することを抑制することができ、加速度の伸び感を維持することができる。
【0044】
本発明の実施形態の効果について説明する。
【0045】
走行モードが通常モードから加速要求モードに切り替えられた場合に、アクセル開度と、モード切り換え時の車速とに基づいて目標駆動力を設定する。これにより、加速要求モードにおいても通常モードで用いるマップに基づいて目標駆動力を設定することができ、煩雑な計算をせずに目標駆動力を設定し、車両を加速させることができる。
【0046】
走行モードが加速要求モードである場合には、目標駆動力を設定するための車速を保持することで、実際の車速の増大とともに目標駆動力が小さくなることを抑制し、車両の加速性をよくすることができる。
【0047】
走行モードが加速要求モードである場合には、車速をモード切り換え時の車速に保持しているが、アクセル開度に応じて目標駆動力を設定することができ、運転者によるアクセルペダル7の踏み込みに応じて目標駆動力を設定して車両を加速させることができる。
【0048】
走行モードが加速要求モードとなった後に、更なる加速要求がされた場合には、目標駆動力を設定する車速を、更なる加速要求がされた時の車速に更新する。これにより、目標駆動力が上限値に制限されることを抑制し、目標駆動力、加速度が、車速が高くなるにつれて低下することを抑制し、加速度の伸び感を維持することができる。
【0049】
走行モードが加速要求モードである場合には、アクセル開度を、通常モードのアクセル開度よりも小さくなるように補正し、アクセル開度補正値を用いて目標駆動力を設定する。走行モードが加速要求モードである場合には、例えば、
図5に示すようにアクセル開度センサ22によって検出されるアクセル開度APOから、アクセル開度APO’に補正することで、
図5の点線で示すように目標駆動力が上限値に制限されることを抑制し、
図5の実線で示すように目標駆動力を一定として、加速度の伸び感を維持することができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0051】
上記した無段変速機12はハイブリッド車両に搭載してもよく、モータが駆動源として機能してもよい。
【0052】
本願は2012年9月19日に日本国特許庁に出願された特願2012−205885に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。