特許第5967216号(P5967216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967216
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】熱切断加工システム
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20160728BHJP
   B23K 26/10 20060101ALI20160728BHJP
   B23K 37/00 20060101ALI20160728BHJP
   B23K 10/00 20060101ALI20160728BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B23K26/08 Z
   B23K26/10
   B23K37/00 F
   B23K10/00 501A
   B23Q7/04 K
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-546907(P2014-546907)
(86)(22)【出願日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】JP2013077558
(87)【国際公開番号】WO2014077059
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2015年5月1日
(31)【優先権主張番号】特願2012-249092(P2012-249092)
(32)【優先日】2012年11月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086793
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅士
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(72)【発明者】
【氏名】勝山 大輔
【審査官】 水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−263289(JP,A)
【文献】 実開平03−111484(JP,U)
【文献】 特開2005−019962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/08
B23K 10/00
B23K 26/10
B23K 37/00
B23Q 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剣山状または鋸歯状に形成されて板材ワークを下方から支持するワーク支持点を複数有するワーク支持テーブルを備え、このワーク支持テーブルに載置された板材ワークから部品を切断加工する熱切断加工機と、
前記切断加工された板材ワークを前記ワーク支持テーブルから持ち上げるワーク持上げ装置と、
前記ワーク持上げ装置により持ち上げられた板材ワークから部品をピックアップして機外に搬出する部品搬出装置と、
を備え、
前記ワーク支持テーブルは、前記熱切断加工機が板材ワークに対して切断加工をする加工位置と、この加工位置から離れた退避位置との間で位置変換可能であり、前記ワーク持上げ装置は、前記退避位置にある前記ワーク支持テーブルの下方に出入り可能で、前記ワーク支持テーブルの下方に位置するときに前記ワーク支持テーブル上の板材ワークを持ち上げる熱切断加工システム。
【請求項2】
前記ワーク持上げ装置は、板材ワークの下面にそれぞれ当接する複数の昇降部を有し、これら昇降部は、前記ワーク支持テーブルの前記ワーク支持点間において昇降自在とされた請求項1記載の熱切断加工システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2012年11月13日出願の特願2012−249092の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。
【技術分野】
【0002】
この発明は、レーザ加工機、プラズマ加工機等の熱切断加工機を用いて板材ワークを切断加工する熱切断加工システムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、レーザ加工機、プラズマ加工機等の熱切断加工機は、切断加工後の板材ワークが次のように搬出される。すなわち、熱切断加工機の加工位置において部品の周囲の切断加工が行われた板材ワークを、加工位置に隣り合う退避位置まで移動させる。そして、この退避位置において、図11に示すように、吸着パッド36等のワーク吸着手段を有する板材保持体34により部品のみをピックアップして、部品W1を機外に搬出する。残材W2については、部品W1を搬出した後、前記板材保持体34または別の手段(図示せず)により機外に搬出する。
【0004】
他の搬出方法として、特許文献1に、残材と共に部品を機外に搬出することが記載されている。この場合、板材ワークを搬出後、人手により板材ワークを部品と残材とに仕分ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−254165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば図11に示すように、板材ワークWを載置するワーク支持テーブル12は、複数のワーク支持点13で板材ワークWを下から支持する構造とされている。図の例は、複数のワーク支持点13が直線状に並ぶワーク支持プレート12aを、ワーク支持点13の並び方向と直交する方向に並列に複数配置した構造である。ワーク支持テーブル12を上記構造とするのは、加工による熱で板材ワークWとワーク支持テーブル12とが溶着するのを極力避けるためである。
【0007】
しかし、ワーク支持テーブル12を上記構造としても、板材ワークWとワーク支持テーブル12との溶着を完全に避けることはできない。図12のように、部品W1とワーク支持テーブル12のワーク支持プレート12aとが溶着箇所Mで溶着した場合、板材保持体34で部品W1をピックアップできないことがある。
【0008】
また、ワーク支持テーブル12が上記構造であると、ワーク支持プレート12aの間隔よりも部品W1の寸法が小さい場合、図13のように、部品W1をピックアップする際に板材保持体34の吸着パッド36を部品W1に上から押し付けたときに、部品W1が隣合う2つのワーク支持プレート12aの間に落ち込んでしまう可能性がある。部品W1は、外周の切断面で残材W2と接触することによって残材W2に支持されているが、この接触による支持力は小さいため、吸着パッド36の押付力により部品W1が落ち込む恐れがある。部品W1が落ち込んでしまうと、板材保持体34で部品W1をピックアップできなくなる。
【0009】
この発明の目的は、板材ワークから切断加工された部品を確実にピックアップして搬出することができる熱切断加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の熱切断加工システムは、剣山状または鋸歯状に形成されて板材ワークを下方から支持するワーク支持点を複数有するワーク支持テーブルを備え、このワーク支持テーブルに載置された板材ワークから部品を切断加工する熱切断加工機と、前記切断加工された板材ワークを前記ワーク支持テーブルから持ち上げるワーク持上げ装置と、前記ワーク持上げ装置により持ち上げられた板材ワークから部品をピックアップして機外に搬出する部品搬出装置とを備える。上記ワーク支持点は、ある程度の面積を持って板材ワークを下方から支持するものであってもよい。
【0011】
この構成によると、熱切断加工機により、ワーク支持テーブルに載置された板材ワークから部品を切断加工した後、ワーク持上げ装置が、ワーク支持テーブルから板材ワークを持ち上げる。これにより、加工による熱で板材ワークの一部がワーク支持テーブルに溶着していても、その溶着箇所が引き離される。次いで、ワーク持上げ装置により持ち上げられた板材ワークから、部品搬出装置が部品をピックアップして機外に搬出する。部品搬出装置が部品をピックアップする際に、部品搬出装置の一部が上から部品に押し付けられても、部品はワーク持上げ装置により下から支えられているので、ワーク支持テーブルのワーク支持点間に落ち込むことがない。以上のことから、切断加工済みの板材ワークから部品を確実にピックアップして搬出することができる。
【0012】
この発明において、前記ワーク持上げ装置は、板材ワークの下面にそれぞれ当接する複数の昇降部を有し、これら昇降部は、前記ワーク支持テーブルの前記ワーク支持点間において昇降自在とされていてもよい。
ワーク持上げ装置が複数の昇降部を有する構成であると、剣山状または鋸歯状に形成されたワーク支持テーブルの各ワーク支持点の間に各昇降部を位置させて、ワーク支持テーブルから板材ワークを持ち上げることができる。
【0013】
記ワーク支持テーブルは、前記熱切断加工機が板材ワークに対して切断加工をする加工位置と、この加工位置から離れた退避位置との間で位置変換可能であり、前記ワーク持上げ装置は、前記退避位置にある前記ワーク支持テーブルの下方に出入り可能で、前記ワーク支持テーブルの下方に位置するときに前記ワーク支持テーブル上の板材ワークを持ち上げる。
この構成であると、退避位置にあるワーク支持テーブル上の板材ワークに対して、ワーク持上げ装置および部品搬出装置により部品の搬出動作を行っている間に、加工位置にあるワーク支持テーブル上の板材ワークに対して熱切断加工機により切断加工を行うことができ、加工能率が向上する。

【0014】
請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、この発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、この発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
図1】この発明の一実施形態にかかる熱切断加工システムの正面図である。
図2】同熱切断加工システムの平面図である。
図3】同熱切断加工システムの板材搬送装置の側面図である。
図4】同熱切断加工システムのワーク支持テーブルの斜視図である。
図5】ワーク支持テーブルの入れ替え動作の説明図である。
図6】板材ワークを同熱切断加工システムの熱切断加工機へ搬入する際の板材ワークの位置決め動作の説明図である。
図7】同熱切断加工システムのワーク支持テーブル、ワーク持上げ装置の一部、および板材ワークを示す斜視図である。
図8】板材ワークから部品をピックアップする動作の説明図である。
図9】異なるワーク支持テーブルの一部を示す斜視図である。
図10】異なるワーク持上げ装置の一部を示す斜視図である。
図11】従来の熱切断加工システムのワーク支持テーブルおよび板材ワークを示す斜視図である。
図12】板材ワークから部品をピックアップする場合の一状態を示す図である。
図13】板材ワークから部品をピックアップする場合の異なる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1はこの発明の実施形態にかかる熱切断加工システムの全体を示す正面図、図2はその平面図である。この熱切断加工システムは、レーザ加工機からなる熱切断加工機1、この熱切断加工機1の側方に隣り合って設置された板材貯蔵装置2、これら熱切断加工機1と板材貯蔵装置2間で各種板材を搬送する板材搬送装置3、熱切断加工機1に板材ワークWを搬入する際に板材ワークWの位置決めに用いられるワーク支持装置4、および熱切断加工機1から部品W1を搬出する際に用いられるワーク持上げ装置5を備える。板材搬送装置3は部品搬出装置の一例であり、この実施形態の場合、板材搬送装置3は、部品搬出装置としての機能の他に、板材ワークWを搬入する機能と、板材ワークWの残材W2を搬出する機能とを有する。前記各種板材は、板材ワークW、部品W1、および残材W2を言う。
【0017】
熱切断加工機1は、前後方向(Z軸方向)、左右方向(X軸方向)、および上下方向(Y軸方向)に移動可能なレーザヘッド11を有し、このレーザヘッド11がワーク支持テーブル12の上に載置された板材ワークWに対してレーザ光を照射しながら前後および左右方向に移動することで、板材ワークWを切断加工する。
【0018】
前記ワーク支持テーブル12は、例えば図4に示すように、上縁部が鋸歯状に形成された複数のワーク支持プレート12aを並列に配置したものである。各ワーク支持プレート12aの下端は、ベースプレート12bにより互いに連結されている。鋸歯を形成する歯のそれぞれが、板材ワークWを下方から支持するワーク支持点13となる。ワーク支持点13は、板材ワークWと完全に点接触していなくてもよく、ある程度の面積を持って板材ワークWと接触する形状であってもよい。ワーク支持テーブル12を上記形状とするのは、板材ワークWとの接触面積を小さくして、加工による熱で板材ワークWがワーク支持テーブル12に溶着することを極力減らすためである。ベースプレート12bの各ワーク支持プレート12a間の部分には、ワーク支持装置4の後記ボール支持体42が通り抜け可能なスリット12baが形成されている。
【0019】
ワーク支持テーブル12と板材ワークWとの接触面積を小さくするには、図9のように、ワーク支持テーブル12を、ベースプレート12bから複数のワーク支持ピン12cを上向きに延ばした剣山状としてもよい。図の例では、ワーク支持ピン12cの上端が半球状とされている。この場合、各ワーク支持ピン12cの半球状に形成された上端が、板材ワークWを下方から支持するワーク支持点13となる。
【0020】
上記ワーク支持テーブル12は、図2に示すように、1台の熱切断加工機1につき2つ設けられている。これら2つのワーク支持テーブル12は、レーザヘッド11により板材ワークWに対して切断加工をする加工位置P1と、この加工位置P1と前記板材貯蔵装置2との間に位置する退避位置P2との間で交互に位置変換可能とされている。ワーク支持テーブル12の位置変換機構として、加工位置P1と退避位置P2間でワーク支持テーブル12を水平移動させる機構(図示せず)と、退避位置P2においてワーク支持テーブル12を昇降させる機構(図示せず)とを有するが、これらの機構は公知の構成であるので詳細な説明は省略する。
【0021】
2つのワーク支持テーブル12(12A,12B)の位置変換動作を示すと図5の(A)〜(F)のようになる。同図(A)は、加工位置P1に位置する第1のワーク支持テーブル12Aに載置された板材ワークWに対する切断加工が終了した時点の状態を示す。このとき、第2のワーク支持テーブル12Bは、退避位置P2における、加工位置P1の高さレベルよりも高いワーク搬入出高さH1で待機している。第2のワーク支持テーブル12Bには、未加工の板材ワークWが載置されている。なお、加工位置P1における第1および第2のワーク支持テーブル12A,12Bの高さは一定である。
【0022】
板材ワークWに対する部品W1の周囲の切断加工が終了すると、同図(B)のように、第1のワーク支持テーブル12Aが退避位置P2まで水平移動して、第2のワーク支持テーブル12Bの下側に進入する。このときの第2のワーク支持テーブル12Bの高さは、加工位置P1と同じ高さレベルの位置変換高さH2である。
【0023】
次いで、同図(C)のように、2つのワーク支持テーブル12A,12Bが共に下降して、第2のワーク支持テーブル12Bが位置変換高さH2となる。そして、同図(D)のように、第2のワーク支持テーブル12Bが、加工位置P1へ水平移動する。
【0024】
同図(E)のように、加工位置P1にある第2のワーク支持テーブル12B上の板材ワークWに対して、レーザヘッド11により切断加工が行われる。切断加工が行われている間に、第1のワーク支持テーブル12Aがワーク搬入出高さH1まで上昇する。そして、板材搬送装置3(図1図3)により、第1のワーク支持テーブル12A上の加工済み板材ワークWから部品W1および残材W2が搬出されて、同図(F)の状態となる。
【0025】
その後、第1のワーク支持テーブル12Aの上に未加工の板材ワークWが搬入されることで、同図(A)の状態に戻る。ただし、第1のワーク支持テーブル12Aと第2のワーク支持テーブル12Bとが入れ替わっている。板材搬送装置3による各種板材の搬入出動作については、後で詳しく説明する。
【0026】
図1図2に示すように、板材貯蔵装置2は、部品W1を積載する部品積載部21、素材である板材ワークWを積載する素材積載部22、および残材W2を積載する残材積載部23が、前後方向に並んで配置されている。各積載部21,22,23では、パレット21a,22a,23aの上に、部品W1、板材ワークW、および残材W2をそれぞれ積載する。
【0027】
図1ないし図3において、板材搬送装置3は、床面に設置した固定台31上に、図の左右方向に長く延びる可動台32を前後方向に進退自在に設置し、この可動台32に沿って走行体33を走行自在に設置し、この走行体33に板材保持体34を昇降自在に設置してある。これにより、板材保持体34は、前後方向、左右方向、および上下方向の3軸方向に移動可能である。
【0028】
詳しくは、固定台31は、板材貯蔵装置2の左右両側に沿って延びる一対の固定レール31aを備え、これら固定レール31aに沿って進退自在に可動台32の脚部32aが支持されている。可動台32は、左右方向に沿って延びるレール32bを有し、このレール32bに沿って走行体33が走行自在に設置されている。
【0029】
板材保持体34は、パッド取付フレーム35に複数の吸着パッド36が前後左右に配列して設けられ、これら吸着パッド36により板材ワークWを吸着保持する。各吸着パッド36は、例えば真空吸引式のものであり、吸引装置(図示せず)に配管を介して接続されている。パッド取付フレーム35は、主フレーム35aと左右両側の伸縮フレーム35b,35cとで構成され、保持する板材の形状および寸法に応じて、主フレーム35aに対して伸縮フレーム35b,35cを左右方向に伸縮可能である。また、パッド取付フレーム35は、走行体33に対して昇降可能な昇降ロッド37の下端に設けられており、昇降ロッド37を昇降させることで板材保持体34が昇降する。
【0030】
板材搬送装置3は、板材保持体34により前記各種板材を保持して搬送することで、板材の搬入出を行う。すなわち、素材積載部22の板材ワークWを、熱切断加工機1の退避位置P2に位置するワーク支持テーブル12の上に搬入する。また、退避位置P2に位置するワーク支持テーブル12上の板材ワークWから、部品W1を部品積載部21に搬出する。さらに、部品W1が搬出された後、残材W2を残材積載部23に搬出する。
【0031】
ワーク支持装置4は、図6の(A)〜(C)に示すように、上面にボール41が回転自在に設けられた複数のボール支持体42を有する。各ボール支持体42は、ワーク支持テーブル12のベースプレート12bに形成されたスリット12baを通過可能な形状および寸法とされている。各ボール支持体42は、共通の昇降部材(図示せず)に設置されていて、昇降機構(図示せず)により前記昇降部材と共に昇降可能である。図6(A),(B)に示す上昇位置では、ボール41の上端が前記ワーク搬入出高さH1にあるワーク支持テーブル12のワーク支持プレート12aの上端よりも上に突き出た状態となる。
【0032】
搬入時における板材ワークWの位置決めは、次のように行われる。すなわち、退避位置P2におけるワーク搬入出高さH1にあるワーク支持テーブル12のスリット12baを通り抜けて、ワーク支持装置4の各ボール支持体42が上昇位置まで上昇し、これらボール支持体42のボール41の上に板材ワークWが載置される(図6(A))。次に、板材保持体34により板材ワークWを位置決め用のエンド部材43に当接するまで水平移動させる(図6(B))。エンド部材43は、熱切断加工機1のフレーム1a(図1図2)に取り付けられている。板材ワークWがエンド部材43に当接すると、板材保持体34が板材ワークWを解放し、その後、各ボール支持体42が下降する(図6(C))。これにより、板材ワークWが、位置決めされた状態で、ワーク支持テーブル12に支持される。
【0033】
ワーク持上げ装置5は、図7に示すように、前後に長い棒状の複数本の昇降部51aを左右並列に配置した櫛状のワーク持上げ部材51を備える。各昇降部51aは、ワーク支持テーブル12の各ワーク支持プレート12a間に挿入可能な形状および寸法であり、後端の底面側で連結部51bにより互いに連結されている。ワーク持上げ部材51は、進退機構(図示せず)により前後に進退自在であり、前進させると昇降部51aが、退避位置P2のワーク搬入出高さH1にあるワーク支持テーブル12の各ワーク支持プレート12a間に進入した状態となり、後退させると昇降部51aが各ワーク支持プレート12aから抜けた状態となる。また、ワーク持上げ部材51は、昇降機構(図示せず)により昇降自在であり、前進位置で上昇させた状態では、図8(C),(D)のように、各昇降部51aの上端が前記退避位置P2のワーク搬入出高さH1にあるワーク支持テーブル12の各ワーク支持プレート12aの上端よりも上位となる。
【0034】
製品W1のピックアップ時におけるワーク持上げ装置5の動作を、図8の(A)〜(D)と共に説明する。
同図(A)は、切断加工済みの板材ワークWを載せたワーク支持テーブル12が、退避位置P2におけるワーク搬入出高さH1にある状態を示す。図の例では、板材ワークWに2つの部品W1A,W1Bが切断加工されている。一方の部品W1Aは、ワーク支持テーブル12の1つのワーク支持プレート12aと溶着箇所Mで溶着している。もう一方の部品W1Bは、隣合う2つのワーク支持プレート12a間に位置しているが、外周の切断面で残材W2と接触することによって残材W2に支持されている。
【0035】
同図(A)の状態から、ワーク持上げ部材51が前進して、各昇降部51aがワーク支持テーブル12の各ワーク支持プレート12a間に進入する(同図(B))。そして、ワーク持上げ部材51が上昇して、板材ワークWをワーク支持テーブル12から持ち上げる(同図(C))。これにより、一方の部品W1Aの溶着箇所Mが、ワーク支持プレート12aから引き離される。
【0036】
その後、同図(D)に示すように、板材保持体34により部品W1A,W1Bをピックアップして、板材貯蔵装置2の部品積載部21(図1図2)に搬出する。部品W1Aに関しては、溶着箇所Mがワーク支持プレート12aから引き離されているので、容易にピックアップすることができる。また、部品W1Bに関しては、昇降部51aにより下から支えられているので、吸着時に吸着パッド36を部品W1Bに上から押し付けても、部品W1Bがワーク支持プレート12a間に落ち込むことがなく、確実にピックアップすることができる。図では、部品W1Aと部品W1Bが同時にピックアップされているように表示されているが、実際には部品W1A,W1Bは別々にピックアップされる。
【0037】
なお、ワーク持上げ装置5のワーク持上げ部材51は、図10に示すように、各昇降部51aが同一平面上に配置された複数本のピン54からなる形態としてもよい。各ピン54は、下端が櫛状プレート55の櫛歯部55aにそれぞれ結合されている。
【0038】
以上に説明したように、この熱切断加工システムは、熱切断加工機1が、2つのワーク支持テーブル12を有し、これら2つのワーク支持テーブル12を加工位置P1と退避位置P2との間で位置変換可能である。また、ワーク持上げ装置5は、退避位置P2にあるワーク支持テーブル12の下方に進入して、ワーク支持テーブル12上の板材ワークWを持ち上げることで、板材搬送装置3による部品W1の搬出の補助をする。この構成であると、退避位置P2にあるワーク支持テーブル12上の板材ワークWに対して、ワーク持上げ装置5および板材搬送装置3により部品W1の搬出動作を行っている間に、加工位置P1にあるワーク支持テーブル12上の板材ワークWに対して熱切断加工機1により切断加工を行うことができ、加工能率が良い。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲から定まるこの発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0039】
1…熱切断加工機
3…板材搬送装置(部品搬出装置)
5…ワーク持上げ装置
12ワーク支持テーブル
12A…第1のワーク支持テーブル
12B…第2のワーク支持テーブル
13…ワーク支持点
51a…昇降部
P1…加工位置
P2…退避位置
W…板材ワーク
W1,W1A,W1B…部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13