(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記実サイズ算出手段は、撮影範囲の縦又は横方向において、被写体の単位長さ当たりの前記撮影手段の画素数による実変換値を求めて、前記ラベルの長さ及び幅を算出することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
さらに、使用可能な前記印字テープの複数の前記テープ幅を格納する使用可能テープ幅記憶手段を備え、前記テープ幅判定手段が、算出した前記ラベルの幅に合致又は近似したテープ幅を前記使用可能テープ幅記憶手段に記憶された当該複数のテープ幅の中から選定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の印字装置。
前記入力手段において、前記ラベルサイズを円弧状の軌跡で入力することにより、前記実サイズ算出手段は、被写体を円柱と認識して円弧状の長さを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の印字装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳説する。
図1は、本発明の実施形態に係る第一の印字装置1の平面図であり、
図2は、この印字装置1に使用するテープカセット21の外観及び印字装置1の内部構造の一部を示す斜視図である。印字装置1は、表面に印字面を備え裏面が粘着面とされた印字テープと、粘着面に貼付される剥離テープと、が積層されて形成されたテープ部材31に文字等を印字する装置である。また、
図3は、本発明の実施形態に係る第二の印字装置100として、ソフトウエアキーボード型のタッチパネル操作を主とする印字装置100の平面図である。
【0016】
第一の印字装置1は、
図1に示すように、筐体2の上面にキーボード入力部3、タッチパネル表示部4及びカセット装填部8を塞ぐ開閉蓋5が形成されている。そして、タッチパネル表示部4近傍に撮影部70を備える。また、図示しないが、筐体2には、パーソナルコンピュータ等の外部機器と接続するための入力端子、電源コードが接続される電源端子、メモリーカード等の記憶媒体が挿入される挿入口等も形成されている。
【0017】
キーボード入力部3は、文字データを入力する文字入力キー、印字開始を指示する印字キー、タッチパネル表示部4の表示画面上のカーソルを移動操作するカーソルキー、印字モードの設定や各種設定処理を行う種々の制御キー、撮影画像のピント合せを指示するピント合せキー等によって構成されている。
【0018】
タッチパネル表示部4は、印字装置1における液晶表示パネル等であり、タッチパネル表示部4には、入力されたデータに関する画像、各種の設定のための選択メニュー、各種の処理に関するメッセージ等が表示される。
【0019】
また、タッチパネル表示部4は、入力手段であるタッチパネルと表示手段である液晶表示パネルとが一体化された入力可能な表示パネルであり、印字装置1は、画面タッチにより入力可能なようにタッチペン64を有する。
【0020】
そして、開閉蓋5の内側には、
図2に示すように、テープ部材31及びインクリボン35を収容したテープカセット21を装填するためのカセット装填部8が形成されている。カセット装填部8内には、テープ印字機構45と、テープカセット21を所定の位置に支持するためのカセット受部15と、が形成されている。
【0021】
このテープ印字機構45は、縦方向に配列された印字素子と、印字ヘッドとされるサーマルヘッド11と、サーマルヘッド11との間でテープ部材31及びインクリボン35を挟み込んでこれを搬送するプラテンローラ12と、テープカセット21に係合して位置決めする位置合わせ軸20と、印字に使用したインクリボン35をテープカセット21内に巻取るリボン巻取軸13と、を備える。
【0022】
また、カセット装填部8の一端部に筐体2の外に通じるテープ繰出部7が形成されており、このテープ繰出部7には、テープ部材31の印字テープ及び剥離テープを幅方向に切断するフルカット手段としてのフルカット機構17と、テープ部材31の印字テープのみを切断するハーフカット手段としてのハーフカット機構18が組み込まれている。
【0023】
さらに、テープカセット21は、カセットケース22を備え、このカセットケース22の内部には、テープ部材31が巻装されたテープコア23、未使用のインクリボン35が巻装されたリボン供給コア24、使用済みのインクリボン35を巻取るリボン巻取コア25が夫々収納されている。また、テープカセット21のカセットケース22には、カセット装填部8内にテープカセット21を装填した場合にサーマルヘッド11が位置するヘッド配置部27が形成されている。
【0024】
また、カセットケース22の隅部には、カセット装填部8のカセット受部15と係合し、このカセット受部15によって支持される被係合部29が形成されている。そして、このカセットケース22の被係合部29には、図示しないがテープカセット21の種類に応じた所定の凹凸が形成されており、カセット装填部8のカセット受部15には、テープカセット21が装填された場合にカセットケース22の被係合部29に形成された凹凸を判別するテープ幅検出スイッチ16が形成されている。
【0025】
そして、印字装置1は、カセットケース22がカセット装填部8に装填されると、カセットケース22の被係合部29とカセット装填部8のカセット受部15に形成されたテープ幅検出スイッチ16の幾つかと或いは全部とが係合し、係合したテープ幅検出スイッチ16が押下されて、このオン状態となったテープ幅検出スイッチ16の組み合わせによってテープカセット21のテープ幅等の種類を判別できるようになっている。
【0026】
つまり、この印字装置1は、テープカセット21の種類が内蔵するテープ部材31の幅等によって異なるため、このテープカセット21の種類を判別することによって、印字対象物であるテープの幅等を識別することができ、制御部40がテープ幅に適合した印字データを作成することができるようになっている。
【0027】
この印字装置1は、印字の指示がされると、テープ部材31及びインクリボン35がテープカセット21から繰り出され、プラテンローラ12とサーマルヘッド11との間にこれらのテープ部材31及びインクリボン35が重ね合わされた状態で挟み込まれて搬送される。
【0028】
そして、サーマルヘッド11が印字データに基づいて発熱駆動され、インクリボン35のインクがテープ部材31の印字テープに熱転写されて印字テープに印字が行われ、印字が終了すると設定によりフルカット機構17又はハーフカット機構18が作動してテープ部材31が幅方向に切断され、1枚のテープ状のラベルが作成される。
【0029】
なお、印字装置1は、上述の物理的なハードウエアキーボードを有する装置以外にも適用できる。
図3に示す第二の印字装置100は、装置本体82の略上面全域を液晶表示装置から構成されてソフトウェアキーボード機能により仮想のキーボードを表示するタッチパネル表示部4を備え、装置側面等に撮影部70やテープ排出部を備えるものである。
【0030】
この第二の印字装置100は、タッチパネル表示部4に文字入力装置として液晶表示装置の表示画面の上面に透明な加圧スイッチであるタッチパネルが重ねて配設されている。さらに、タッチパネル表示部4の表示画面には、アルファベット文字キー、数字キー、記号キー等の文字・記号入力キー(以下、これらを総じて文字キーと呼称する。)や、漢字への変換キー、無変換キー及び実行キー等々の制御キーを備える仮想のキーボードを表示するキーボード領域87及びそのキーボード領域87から入力された文字を表示するとともに撮影された画像等も表示させる文字編集領域88が設けられる。
【0031】
キーボード領域87は、キーボードの各キーを画像として表示するとともに、タッチパネルであって表示画面上に表示されるキーボードの各キーの位置を押圧することにより、各キーの座標位置のデータを入力するようになっており、これによりソフトウェアキーボード機能を実現する。
【0032】
図4は、これら印字装置1、100の回路構成を示すブロック図である。この印字装置1、100は、
図4に示すようにシステム全体を司る制御手段とされる制御部40を備える。
【0033】
制御部40には、オートフォーカス機能を有する撮影部70が接続されている。撮影部70は、画像取得手段70b、測距手段70c及び撮影制御手段70aを有する。画像取得手段70bは、撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)と、フォーカスレンズ等の結像機構と、を備える。そして、結像機構は、レンズ駆動用のモータ等を有し、フォーカス調節を行う。
【0034】
撮影制御手段70aは、貼付対象物を撮影するにあたって、ユーザにより撮影画像のピント合せを指示するピント合せキーを押下されると、結像機構であるレンズ駆動用のモータを駆動させてフォーカスレンズを作動させてピント合せを行う。
【0035】
測距手段70cは、撮影制御手段70aによるピント合せで駆動したフォーカスレンズの停止位置が至近端から無限端の何れの位置かをコード基板の示す停止位置や駆動量を測るフォトカプラー等のパルス量から検出し、撮影部70から被写体までの距離L(cm)を演算する。
【0036】
そして、制御部40は、測距手段70cにより得た撮影部70から被写体までの距離L(cm)における上下又は左右の撮影範囲H(cm)を撮影画角を用いて演算する。そして、制御部40は、被写体の単位長さとして1cm当たりの長さが撮像素子として、例えばCCDの画素数の何ピクセルとして記録されているのかを示す実変換値である(pix/cm)の値を、予め、ROMに格納されたCCDの上下方向又は左右方向の画素数h(pix)を撮影画角と被写体距離とから求めた撮影範囲H(cm)で割り算をすることにより算出する。そして、制御部40は、求めた(pix/cm)の値をRAM42等のメモリに記憶させる。
【0037】
そして、制御部40は、この(pix/cm)の値を用いて後述する実サイズ算出手段として、入力手段により入力されたラベルの長さ及び幅を算出する。
【0038】
制御部40には、記憶手段としてのROM41、RAM42と、文字入力手段としてのキーボード入力部3と、タッチパネル入力部60と、が接続されている。タッチパネル入力部60は、入力手段として、タッチパネル表示部4に表示された貼付する対象物の画像上でタッチペン64によりなぞるようにしてラベルの長さ及び幅を入力させるものである。
【0039】
さらに、制御部40には、タッチパネル表示部4を駆動させるタッチパネル表示部駆動回路63が接続されている。
【0040】
そして、制御部40は、ラベルサイズ検出モードにおいて、撮影部70で撮影した貼付対象物の画像をタッチパネル表示部4に表示中に、タッチパネル入力部60で入力された位置座標を検出する座標検出手段として機能する。そして、タッチパネル表示部駆動回路63は、制御部40に制御されてタッチパネル入力部60で入力された位置座標を軌跡としてタッチパネル表示部4に表示させる軌跡表示制御手段として機能する。
【0041】
さらに、制御部40は、座標検出手段として検出した貼付対象物の画像上で入力されたラベルの長さ及び幅を算出する実サイズ算出手段としても機能する。
【0042】
また、制御部40は、実サイズ算出手段として算出したラベルの幅から印字テープのテープ幅を判定するテープ幅判定手段としても機能する。そして、テープ幅判定手段である制御部40は、実サイズ算出手段として算出したラベルの幅に合致又は近似したテープ幅をROM41の使用可能テープ幅記憶領域41aに記憶された複数のテープ幅(6mm、9mm、12mm、18mm、24mm、46mm等)のデータの中から選定する。
【0043】
そして、タッチパネル入力部60がタッチパネル表示部4に表示された貼付対象物の画像に対してラベルの長さを入力されるときに、ユーザが円柱形状の表面を円弧状の軌跡となるように入力されることにより、実サイズ算出手段である制御部40は、被写体である貼付対象物を円柱と認識して円弧状の長さを算出する。
【0044】
なお、実サイズ算出手段である制御部40は、被写体である貼付対象物を円柱と認識して円弧状の長さを算出するときに、円弧状の軌跡の長さから算出する方法以外に、撮影された貼付対象物の画像が様々な角度から映し出された斜視に対応するために、例えば、円弧状の軌跡の長さに10%程度の長さを加算して微調整を行うようにして算出する方法でも構わない。
【0045】
制御部40は、CPUであって、キーボード入力部3及びタッチパネル入力部60からのキー操作信号に応じて、又は、自動でROM41に予め記憶されているシステムプログラム、メモリーカードに記憶された制御プログラム、外部機器から読み込まれた制御プログラム等を起動させ、RAM42をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。
【0046】
ROM41は、キーボード入力部3及びタッチパネル入力部60から入力された文字を印字するためのプログラム、本発明の印字方法を実現するための印字制御プログラムが記憶され制御部40で読み取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。
【0047】
RAM42は、キー入力及びタッチペン64入力された等による入力情報によって文字列のデータを格納する文字列データ格納手段とされる入力データメモリ、入力された印字情報が展開された印字パターンデータが記憶される印字データメモリ、タッチパネル表示部4に表示されるパターンデータが記憶される表示データメモリ等の各領域が確保され、印字処理等に必要なデータを一時的に記憶するレジスタやカウンタ等が設けられている。
【0048】
また、RAM42は、撮影部70により撮影されて生成された画像データをタッチパネル表示部4に表示させるための画像データ記憶領域42aを有する。
【0049】
また、制御部40には、各種機構を駆動させるためのヘッド駆動回路51とステップモータ駆動回路52とカッターモータ駆動回路53とが接続されている。
【0050】
ヘッド駆動回路51は、印字パターンデータに基づいて印字手段であるサーマルヘッド11を制御し、被印字媒体であるテープ部材31に印字させる。ステップモータ駆動回路52は、搬送手段を駆動させる回路であって、プラテンローラやリボン巻取軸を回転させるステップモータ46を制御し、所定の速度で長手方向にテープ部材31を搬送する。カッターモータ駆動回路53は、フルカット手段及びハーフカット手段等を制御する駆動回路であり、フルカット機構及びハーフカット機構で使用されるカッターモータ48を制御する。
【0051】
ここで、本発明の実施形態における印字装置1、100でラベルを作成する流れについて図を用いて詳細に説明する。
図5は、印字装置1、100により貼付範囲を検出してラベルサイズを導出しラベルを作成する流れを示すフローチャートである。
図6及び
図7は、本発明の実施形態における印字装置1、100により各種のファイルにおいて背幅の広いパイプファイルの背表紙用ラベル作成に関する説明図である。また、
図8及び
図9は、本発明の実施形態における印字装置1、100による円柱状の貼付対象物用のラベル作成に関する説明図である。
【0052】
先ず、ユーザにより印字装置1、100をラベルサイズ検出モードに設定される(ステップS10)と、制御部40は、撮影部70を制御して貼付対象物を撮影可能な状態とする撮影処理(ステップS15)を実行する。
【0053】
そして、ユーザが印字装置1、100の撮影部70を貼付対象物を撮影することにより、制御部40は、タッチパネル表示部駆動回路63を制御してタッチパネル表示部4に貼付対象物を表示させる
図6(a)又は
図8(a)に示すような表示処理(ステップS20)を実行する。
【0054】
そして、ユーザによりピント合せキーを押下されると、撮影部70は、フォーカスレンズを駆動させてピント合せを行う。
【0055】
そして、制御部40は、ピント合せが完了して、貼付対象物との距離を算出すると(pix/cm)の値を算出する。そして、制御部40は、求めた(pix/cm)の値をRAM42等のメモリに記憶させる。
【0056】
次に、制御部40は、ラベル貼付範囲の長さ方向を入力させるために、例えば、タッチパネル表示部4に「ラベルの貼付範囲の長さ方向をタッチペンで入力してください。」等のメッセージを表示させる処理(ステップS25)を実行する。
【0057】
そして、ユーザにより、タッチペン64又は指等により
図6(b)又は
図8(b)に示すようなラベル貼付範囲の長さ方向の入力が行われると、制御部40は、入力されたラベル貼付範囲の長さ方向において、直線で入力されたのか円弧状に入力されたのかを判断する入力軌跡の湾曲判断処理(ステップS27)を実行する。
【0058】
制御部40は、直線で入力されたと判断すれば、貼付対象物が平面であるとし、直線の長さを算出する。また、制御部40は、円弧状の軌跡となるように入力されたと判断すれば、被写体である貼付対象物を円柱と認識して円弧状の長さを算出する。
【0059】
次に、制御部40は、ラベルの貼付範囲の長さ方向が入力されることにより、ラベルの文字方向を判定する文字方向判定処理(ステップS29)を実行する。制御部40は、ラベルの貼付範囲の長さ方向が
図6(b)に示したような画像の上下となる縦方向であれば、文字方向を縦方向と認識する。また、制御部40は、ラベルの貼付範囲の長さ方向が
図8(b)に示したような画像の左右となる横方向であれば、文字方向を横方向と認識する。なお、ラベルの文字方向は事前に設定するような構成としても構わない。
【0060】
次に、制御部40は、座標検出手段として、タッチパネル入力部60の長さ方向の位置座標を検出する座標検出処理を実行する。そして、制御部40は、座標検出処理により求められた位置座標から、軌跡表示制御手段であるタッチパネル表示部駆動回路63を制御して、
図6(c)又は
図8(c)に示すような位置座標を軌跡としてタッチパネル表示部4に表示させるラベル貼付範囲の長さ方向の軌跡表示制御処理(ステップS30)を実行する。
【0061】
そして、制御部40は、入力されたラベルの貼付範囲の長さ方向について、位置座標を軌跡としてタッチパネル表示部4に表示させるとともに、「ラベルの貼付範囲の長さ方向の指定は入力された内容でOKですか?」等のメッセージを表示させて、ユーザに良否を入力させる入力完了判定(ステップS32)を実行する。
【0062】
入力完了判定(ステップS32)において、入力OKと判断するとステップS35に進み、入力NGと判断すると、あらためてラベル貼付範囲の長さ方向を入力させるための処理(ステップS25)に戻る。
【0063】
次に、制御部40は、ラベル貼付範囲の幅方向を入力させるために、例えば、タッチパネル表示部4に「ラベルの貼付範囲の幅方向をタッチペンで入力してください。」等のメッセージを表示させる処理(ステップS35)を実行する。
【0064】
ユーザにより、タッチペン64又は指等により
図6(d)又は
図8(d)に示すようなラベル貼付範囲の幅方向の入力が行われると、制御部40は、座標検出手段として幅方向の位置座標を検出する座標検出処理を実行する。そして、制御部40は、座標検出処理により求められた位置座標から、軌跡表示制御手段であるタッチパネル表示部駆動回路63を制御して、
図7(a)又は
図9(a)に示すような入力手段で入力された位置座標を軌跡としてタッチパネル表示部4に表示させるラベル貼付範囲の幅方向の軌跡表示制御処理(ステップS40)を実行する。
【0065】
そして、制御部40は、入力されたラベルの貼付範囲の幅方向について、位置座標を軌跡としてタッチパネル表示部4に表示させるとともに、「ラベルの貼付範囲の幅方向の指定は入力された内容でOKですか?」等のメッセージを表示させて、ユーザに良否を入力させる入力完了判定(ステップS42)を実行する。
【0066】
入力完了判定(ステップS42)において、入力OKと判断するとステップS45に進み、入力NGと判断すると、あらためてラベル貼付範囲の幅方向を入力させるための処理(ステップS35)に戻る。
【0067】
そして、制御部40は、実サイズ算出手段として、実変換値である(pix/cm)の値からラベルの長さ及び幅を算出する実サイズ算出処理(ステップS45)を実行する。
【0068】
次に、制御部40は、テープ幅判定手段として算出したラベルの幅から合致又は近似したテープ幅を使用可能テープ幅記憶領域41aに記憶された複数のテープ幅のデータから判定するテープ幅判定処理(ステップS50)を実行する。そして、制御部40は判定されたテープ幅の印字テープを装着させるために、
図7(b)に示すようにタッチパネル表示部4に「24mmのテープをセットしてください。」、又は
図9(b)に示すようにタッチパネル表示部4に「18mmのテープをセットしてください。」等のメッセージを表示させる。
【0069】
そして、制御部40は、案内したテープ幅の印字テープが装着されたか否かを判定する装着確認判定(ステップS55)を実行する。案内されたテープ幅の印字テープが手元に無く、ユーザにより案内されたテープ幅の印字テープの装着が不可能であることを示す操作が行われると、あらためてラベル貼付範囲の長さ方向及び幅方向を入力させるための処理(ステップS25)に戻る。
【0070】
案内されたテープ幅の印字テープが装着されると、制御部40は、ユーザにラベル用の文字入力をさせるために、例えば、タッチパネル表示部4に「文字入力してください。」等のメッセージを表示させる。そして、制御部40は、ユーザにより
図7(c)又は
図9(c)に示すようなラベル用の文字入力が行われると、入力情報による文字列のデータを入力データメモリに格納する文字入力処理(ステップS60)を実行する。
【0071】
そして、制御部40が、ユーザにより印刷開始を示す印字キーの操作がされると印刷を開始する印刷処理(ステップS65)を実行する。これにより印字装置1、100は、
図7(d)又は
図9(d)に示すような適正サイズのラベルを作成する。
【0072】
以上のように、本発明の実施形態によれば、ラベルを貼付させる対象物に合せたラベル幅、ラベル長などを容易に決定して、適正サイズのラベルを作成する印字装置1、100と、印字装置1、100において適正サイズのラベルを作成する印字方法と、適正サイズのラベルを作成する印字方法を印字装置1、100に実現させるための印字制御プログラムと、を提供することができる。
【0073】
また、本発明の実施形態によれば、撮影手段は、貼付対象物を撮影するにあたって、フォーカスレンズを駆動させてピント合せを行い、駆動したフォーカスレンズの位置に基づいて貼付対象物との距離を確実に算出することができる。
【0074】
さらに、本発明の実施形態によれば、貼付対象物との距離を算出して、撮影範囲の縦横の実サイズを算出することにより、如何なる貼付対象物でも適正なラベルサイズを容易に算出決定することができる。
【0075】
さらに、本発明の実施形態によれば、使用可能な印字テープのテープ幅のデータが予め格納されており、その中から合致又は近似したテープ幅を選定することができるので、貼付対象物に対して適正なサイズのラベルを作成することができる。
【0076】
また、本発明の実施形態によれば、貼付対象物が円柱形状であっても、円柱形状の表面に貼付できる円弧状の長さを算出することができるから、円弧状のラベル長を測定する必要がない。
【0077】
そして、本発明の実施形態によれば、タッチパネルを用いることにより、容易にラベルサイズの長さ、幅を入力することができる。
【0078】
さらに、本発明の実施形態におけるフローチャートに示した処理は、コンピュータに実現させることのできる印字制御プログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に書き込んだ状態で各種装置に適用する、或いは、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。このように所望の記憶媒体に本実施形態で述べた各処理を記憶させ、他のコンピュータ等で印字制御プログラムを実行させることにより、本実施形態の装置を用いた場合と同様の作用効果が得られる。なお、コンピュータは、本実施形態で述べた装置に内蔵されたコンピュータに限定されるわけではなく、記憶媒体に記憶された印字制御プログラムを読み取り可能であって、読み取った印字制御プログラムに従って制御動作を行うCPU等の演算装置を備えているあらゆるコンピュータを含む。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とに含まれる。
【0080】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 印字テープに印字してラベルを作成する印字装置であって、
オートフォーカス機能を有する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した画像を表示させる表示手段と、
前記表示手段に表示された画像上でラベルサイズを入力可能な入力手段と、
前記撮影手段で撮影された画像を表示中に前記入力手段で入力された位置座標を検出する座標検出手段と、
前記座標検出手段で検出された位置座標を軌跡として前記表示手段に表示させる軌跡表示制御手段と、
前記座標検出手段で検出した画像上で入力されたラベルの長さ及び幅を算出する実サイズ算出手段と、
前記印字テープのテープ幅を判定するテープ幅判定手段と、
作成するラベルの入力文字を入力する文字入力手段と、
前記文字入力手段で入力された入力文字を印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする印字装置。
[2] 前記実サイズ算出手段は、撮影範囲の縦又は横方向において、被写体の単位長さ当たりの前記撮影手段の画素数による実変換値を求めて、ラベルの長さ及び幅を算出することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
[3] 前記撮影手段は、オートフォーカス機能によりフォーカスレンズを駆動させてピント合せを行い、駆動した前記フォーカスレンズの位置に基づいて被写体との距離を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印字装置。
[4] さらに、使用可能な前記印字テープの複数のテープ幅を格納する使用可能テープ幅記憶手段を備え、前記テープ幅判定手段が、算出したラベルの幅に合致又は近似したテープ幅を前記使用可能テープ幅記憶手段に記憶された複数のテープ幅の中から選定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の印字装置。
[5] 前記入力手段において、ラベルサイズを円弧状の軌跡で入力することにより、前記実サイズ算出手段は、前記被写体を円柱と認識して円弧状の長さを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の印字装置。
[6] 印字テープに印字してラベルを作成する印字装置の印字方法であって、
オートフォーカス機能を用いて行う撮影処理と、
前記撮影処理で撮影した画像を表示手段に表示させる表示処理と、
前記表示処理に表示された画像上でラベルサイズを入力可能とする入力処理と、
前記撮影処理で撮影された画像を表示中に前記入力処理で入力された位置座標を検出する座標検出処理と、
前記座標検出処理で検出された位置座標を軌跡として前記表示手段に表示させる軌跡表示制御処理と、
前記座標検出処理で検出した画像上で入力されたラベルの長さ及び幅を算出する実サイズ算出処理と、
前記印字テープのテープ幅を判定するテープ幅判定処理と、
作成するラベルの入力文字を入力する文字入力処理と、
前記文字入力処理で入力された入力文字を印刷する印刷処理と、
を実行することを特徴とする印字方法。
[7] 前記実サイズ算出処理は、撮影範囲の縦又は横方向において、被写体の単位長さ当たりの前記撮影手段の画素数による実変換値を求めて、ラベルの長さ及び幅を算出する処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の印字方法。
[8] 前記撮影処理は、オートフォーカス機能によりフォーカスレンズを駆動させてピント合せを行い、駆動した前記フォーカスレンズの位置に基づいて被写体との距離を算出する処理を実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の印字方法。
[9] 前記入力処理において、ラベルサイズを円弧状の軌跡で入力することにより、前記実サイズ算出処理は、前記被写体を円柱と認識して円弧状の長さを算出する処理を実行することを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れかに記載の印字方法。
[10] 印字テープに印字してラベルを作成する印字装置の印字方法を実現するための印字制御プログラムであって、
オートフォーカス機能を用いて行う撮影処理と、
前記撮影処理で撮影した画像を表示手段に表示させる表示処理と、
前記表示処理に表示された画像上でラベルサイズを入力可能とする入力処理と、
前記撮影処理で撮影された画像を表示中に前記入力処理で入力された位置座標を検出する座標検出処理と、
前記座標検出処理で検出された位置座標を軌跡として前記表示手段に表示させる軌跡表示制御処理と、
前記座標検出処理で検出した画像上で入力されたラベルの長さ及び幅を算出する実サイズ算出処理と、
前記印字テープのテープ幅を判定するテープ幅判定処理と、
作成するラベルの入力文字を入力する文字入力処理と、
前記文字入力処理で入力された入力文字を印刷する印刷処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする印字装置の印字制御プログラム。
[11] 前記実サイズ算出処理は、撮影範囲の縦又は横方向において、被写体の単位長さ当たりの前記撮影手段の画素数による実変換値を求めて、ラベルの長さ及び幅を算出する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10に記載の印字装置の印字制御プログラム。
[12] 前記撮影処理は、オートフォーカス機能によりフォーカスレンズを駆動させてピント合せを行い、駆動した前記フォーカスレンズの位置に基づいて被写体との距離を算出する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の印字装置の印字制御プログラム。
[13] 前記入力処理において、ラベルサイズを円弧状の軌跡で入力することにより、前記実サイズ算出処理は、前記被写体を円柱と認識して円弧状の長さを算出する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項10乃至請求項12の何れかに記載の印字装置の印字制御プログラム。