(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のインダクタは、前記コイル導体が積層方向に隣り合うインダクタ間で、電流が流れた際に生じる磁束の向きが逆になるように接続されている、請求項1に記載の積層型インダクタ素子。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子について、図を参照して説明する。
図1(A)は本発明の第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子の外観斜視図である。
図1(B)は本発明の第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子の積層構造を示す側面断面の概念図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子の分解斜視図である。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子の等価回路図である。
【0019】
積層型インダクタ素子10は、直方体形状からなり、磁性積層体100と非磁性体層101,102を備える。磁性積層体100は、磁性体層110,120,130,140を備える。磁性体層110,120,130,140は、所定厚みからなり平面視して矩形であり、平板面が平行になるように積層されている。本実施形態では、上層側から磁性体層110、磁性体層120、磁性体層130、磁性体層140の順に積層されている。
【0020】
非磁性体層101は、磁性積層体100の上層側の端面すなわち磁性体層110に当接するように配置されている。非磁性体層102は、磁性体層101の下層側の端面磁性体層140に当接するように配置されている。言い換えれば、非磁性体層101,102は、磁性積層体100を積層方向に挟むように配置されている。
【0021】
非磁性体層102の底面、すなわち積層型インダクタ素子10の底面には、外部接続端子411,412,421,422が形成されている。外部接続端子411,412,421,422は矩形導体であり、非磁性体層102の四つの角部にそれぞれ形成されている。
【0022】
磁性体層110の表面(非磁性体層101側の面)には、コイル導体211が形成されている。コイル導体211は、磁性体層110を平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体211は、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0023】
磁性体層120の表面(磁性体層110側の面)には、コイル導体221が形成されている。コイル導体221は、磁性体層120を平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体221は、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0024】
磁性体層130の表面(磁性体層120側の面)には、コイル導体212が形成されている。コイル導体212は、磁性体層130を平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体212は、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0025】
磁性体層140の表面(磁性体層130側の面)には、コイル導体222が形成されている。コイル導体222は、磁性体層140を平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体222は、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0026】
ビア導体311,312,313,321,322,323は、磁性体層110,120,130,140、および非磁性体層102の所定層を貫通し、積層方向に伸長する導体パターンである。
【0027】
ビア導体311は、外部接続端子411とコイル導体211の一方端E11とを接続する。ビア導体312は、コイル導体211の他方端E12とコイル導体212の一方端E11とを接続する。ビア導体313は、コイル導体212の他方端E12と外部接続端子412とを接続する。
【0028】
これにより、コイル導体211,212、ビア導体311,312,313によって、
図3に示す第1のインダクタL1が構成される。第1のインダクタL1は、磁性積層体100の積層方向に沿って、コイル導体211,212の巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。
【0029】
ビア導体321は、外部接続端子421とコイル導体221の一方端E21とを接続する。ビア導体322は、コイル導体221の他方端E22とコイル導体222の一方端E21とを接続する。ビア導体323は、コイル導体222の他方端E22と外部接続端子422とを接続する。
【0030】
これにより、コイル導体221,222、ビア導体321,322,323によって、
図3に示す第2のインダクタL2が構成される。第2のインダクタL2は、磁性積層体100の積層方向に沿って、コイル導体221,222の巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。
【0031】
そして、上述の構成を用いることで、第1のインダクタL1を構成するコイル導体211と第2のインダクタL2を構成するコイル導体221とが磁性体層110を挟んで積層方向に隣り合う。第2のインダクタL2を構成するコイル導体221と第1のインダクタL1を構成するコイル導体212とが磁性体層120を挟んで積層方向に隣り合う。第1のインダクタL1を構成するコイル導体212と第2のインダクタL2を構成するコイル導体222とが磁性体層130を挟んで積層方向に隣り合う。
【0032】
すなわち、第1のインダクタL1を構成するコイル導体と第2のインダクタL2を構成するコイル導体とが積層方向に沿って、交互に且つ周期的に配置される。
【0033】
これにより、第1のインダクタL1を構成するコイル導体と第2のインダクタL2を構成するコイル導体とが磁界結合し、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2との間で、高い磁界結合度を得ることができる。
【0034】
さらに、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2の巻回形が、磁性積層体100を平面視して略重なり合い、且つ中心軸が略一致するので、より高い磁界結合度を得ることができる。
【0035】
そして、上述の構成では、外部接続端子411,421側から電流が流れるようにすると、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2で発生する磁束は逆方向となる。これにより、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2で発生する磁束は弱め合うので、電流値が高くなることによる磁束の飽和が生じにくい。すなわち、第1のインダクタL1と第2のインダクタL2の飽和電流を高くすることができる。これにより、複数のチョークコイルを結合させて利用する場合(マルチフェーズ型DC−DCコンバータ用のチョークコイルとして利用する場合)に有効である。
【0036】
次に、本発明の第2の実施形態に係る積層型インダクタ素子について、図を参照して説明する。
図4は本発明の第2の実施形態に係る積層型インダクタ素子の等価回路図である。
図5は本発明の第2の実施形態に係る積層型インダクタ素子の分解斜視図である。本実施形態の積層型インダクタ素子10Aは、等価回路的には、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aとの片方の端部が共通外部接続端子400に接続されている点で、第1の実施形態の積層型インダクタ素子10と異なる。したがって、第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子10と異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0037】
図4に示すように、第1のインダクタL1Aは、個別の外部接続端子410と共通外部接続端子400との間に接続されている。第2のインダクタL2Aは、個別の外部接続端子420と共通外部接続端子400との間に接続されている。
【0038】
積層型インダクタ素子10Aは、直方体形状からなり、磁性積層体100Aと非磁性体層101,102を備える。磁性積層体100Aは、磁性体層110A,120A,130A,140A,150A,160Aを備える。
【0039】
積層型インダクタ素子10Aの底面、すなわち非磁性体層102の底面には、外部接続端子410,420、および共通外部接続端子400が形成されている。共通外部接続端子400は、外部接続端子410,420の間に配置されている。より具体的には、磁性積層体100Aにおける第1辺に沿う方向(
図5に示すX方向)に沿って、外部接続端子420、共通外部接続端子400、外部接続端子410の順に配置されている。共通外部接続端子400は、X軸方向の略中央位置に配置されている。
【0040】
磁性体層110Aの表面(非磁性体層101側の面)には、共通化導体511が形成されている。共通化導体511は、磁性体層110Aを平面視して巻回形に形成されている。この際、共通化導体511は、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0041】
磁性体層120Aの表面(磁性体層110A側の面)には、共通化導体521が形成されている。共通化導体521は、磁性体層120Aを平面視して巻回形に形成されている。この際、共通化導体521は、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0042】
磁性体層130Aの表面(磁性体層120A側の面)には、コイル導体212Aが形成されている。コイル導体212Aは、磁性体層130Aを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体212Aは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0043】
磁性体層140Aの表面(磁性体層130A側の面)には、コイル導体222Aが形成されている。コイル導体222Aは、磁性体層140Aを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体222Aは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0044】
磁性体層150Aの表面(磁性体層140A側の面)には、コイル導体211Aが形成されている。コイル導体211Aは、磁性体層150Aを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体211Aは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0045】
磁性体層160Aの表面(磁性体層150A側の面)には、コイル導体221Aが形成されている。コイル導体221Aは、磁性体層160Aを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体221Aは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0046】
ビア導体300A,311A,312A,313A,321A,322A,323Aは、磁性体層110A,120A,130A,140A,150A,160A、および非磁性体層102の所定層を貫通し、積層方向に伸長する導体パターンである。
【0047】
ビア導体311Aは、外部接続端子410とコイル導体211Aの一方端E11とを接続する。ビア導体312Aは、コイル導体211Aの他方端E12とコイル導体212Aの一方端E11とを接続する。ビア導体313Aは、コイル導体212Aの他方端E12と共通化導体511の一方端E01とを接続する。
【0048】
これにより、コイル導体211A,212A、ビア導体311A,312A,313Aによって、
図4に示す第1のインダクタL1Aが構成される。第1のインダクタL1Aは、磁性積層体100Aの積層方向に沿って、コイル導体211A,212Aの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。また、磁性積層体100Aを平面視して、第1のインダクタL1Aは、コイル導体211A,212Aの巻回形の中心を原点としたX−Y座標形において、外部接続端子410を起点として、角度が+に変化する方向、すなわち反時計回りに、伸長する形状となっている。
【0049】
ビア導体321Aは、外部接続端子420とコイル導体221Aの一方端E21とを接続する。ビア導体322Aは、コイル導体221Aの他方端E22とコイル導体222Aの一方端E21とを接続する。ビア導体323Aは、コイル導体222Aの他方端E22と共通化導体511の一方端E01とを接続する。
【0050】
これにより、コイル導体221A,222A、ビア導体321A,322A,323Aによって、
図4に示す第2のインダクタL2Aが構成される。第2のインダクタL2Aは、磁性積層体100Aの積層方向に沿って、コイル導体221A,222Aの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。また、磁性積層体100Aを平面視して、第2のインダクタL2Aは、コイル導体221A,222Aの巻回形の中心を原点としたX−Y座標形において、外部接続端子420を起点として、角度が−に変化する方向、すなわち時計回りに、伸長する形状となっている。
【0051】
さらに、ビア導体300Aは、共通化導体511の他方端E02、共通化導体521E02と、共通外部接続端子400とを接続する。これにより、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aとが共通外部接続端子400に接続される。
【0052】
そして、上述の構成を用いることで、第1のインダクタL1Aを構成するコイル導体211Aと第2のインダクタL2Aを構成するコイル導体221Aとが磁性体層150Aを挟んで積層方向に隣り合う。第2のインダクタL2を構成するコイル導体221Aと第1のインダクタL1Aを構成するコイル導体212Aとが磁性体層140Aを挟んで積層方向に隣り合う。第1のインダクタL1Aを構成するコイル導体212Aと第2のインダクタL2Aを構成するコイル導体222Aとが磁性体層130Aを挟んで積層方向に隣り合う。
【0053】
すなわち、第1のインダクタL1Aを構成するコイル導体と第2のインダクタL2Aを構成するコイル導体とが積層方向に沿って、交互に且つ周期的に配置される。
【0054】
これにより、第1のインダクタL1Aを構成するコイル導体と第2のインダクタL2Aを構成するコイル導体とが磁界結合し、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aとの間で、高い磁界結合度を得ることができる。
【0055】
さらに、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aの巻回形が、磁性積層体100Aを平面視して略重なり合い、且つ中心軸が略一致するので、より高い磁界結合度を得ることができる。
【0056】
さらに、上述の構成では、磁性積層体100Aを平面視して、外部接続端子410を起点として共通外部接続端子400とを終点とする第1のインダクタL1Aの巻回方向と、外部接続端子420を起点として共通外部接続端子400とを終点とする第2のインダクタL2Aの巻回方向とが逆になっている。
【0057】
これにより、外部接続端子410,420から同じ方向に電流を流すか、共通外部接続端子400から電流を流すことにより、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aで発生する磁束は逆方向となる。これにより、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aで発生する磁束は弱め合うので、電流値が高くなることによる磁束の飽和が生じにくい。すなわち、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aの飽和電流を高くすることができる。これにより、複数のチョークコイルを結合させて利用する場合(マルチフェーズ型DC−DCコンバータ用のチョークコイルとして利用する場合)に有効である。
【0058】
さらに、本実施形態の構成では、第1、第2のインダクタL1A,L2Aが接続されているので、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aを外部回路で接続する必要が無くなる。
【0059】
また、さらに、本実施形態の構成では、共通外部接続端子400に接続するビア導体30Aが、第1、第2のインダクタL1A,L2Aの巻回形の中心軸と略一致する位置に存在するので、第1、第2のインダクタL1A,L2Aが発生する磁束とビア導体300Aとの干渉を抑圧できる。
【0060】
また、本実施形態の構成では、共通化導体511,521が巻回形状であるので、これらを、それぞれ第1、第2のインダクタL1A、L2Aの一部として利用することができる。これにより、第1、第2のインダクタL1A、L2Aのインダクタンスを、さらに大きくすることができる。
【0061】
このような構成の積層型インダクタ素子10Aは、
図6に示すようなDC−DCコンバータに利用することができる。
図6は、本発明の実施形態に係るDC−DCコンバータの等価回路図である。なお、本実施形態のDC−DCコンバータ1は、所謂マルチフェーズ型DC−DCコンバータであり、詳細な回路構成および動作説明は省略する。
【0062】
DC−DCコンバータ1は、直流電源901、スイッチ素子911,912,913,914、ドライバ回路921,922、コントローラ904、積層型インダクタ素子10A、出力コンデンサC0を備える。
【0063】
直流電源901の+端子と−端子との間には、スイッチ素子911,912のカスコード接続回路と、スイッチ素子913,914のカスコード接続回路が並列接続されている。なお、ここで、
直流電源901の−端子は、低電位側出力端子Po2に接続されている。
【0064】
スイッチ素子911,912には、ドライバ回路921に接続されている。スイッチ素子913,914のゲートには、ドライバ回路922に接続されている。
【0065】
スイッチ素子911とスイッチ素子912との接続点は、積層型インダクタ素子10Aの第1のインダクタL1Aの外部接続端子410に接続されている。スイッチ素子913とスイッチ素子914との接続点は、積層型インダクタ素子10Aの第2のインダクタL2Aの外部接続端子420に接続されている。
【0066】
積層型インダクタ素子10Aの共通外部接続端子400は、高電位側出力端子Po1に接続されている。
【0067】
高電位側出力端子Po1と低電位側出力端子Po2との間には、出力コンデンサC0が接続されている。そして、この高電位側出力端子Po1と低電位側出力端子Po2に対して、CPU等の負荷903が接続される。
【0068】
このようなマルチフェーズ型DC−DCコンバータでは、第1のインダクタL1Aと第2のインダクタL2Aとが高い結合度で結合することが好ましいが、本実施形態の積層型インダクタ素子10Aを用いることで、高い結合度を実現することができる。これにより、優れた出力特性を有するマルチフェーズ型DC−DCコンバータを実現することができる。
【0069】
次に、第3の実施形態に係る積層型インダクタ素子について、図を参照して説明する。
図7は本発明の第3の実施形態に係る積層型インダクタ素子の等価回路図である。
図8は本発明の第3の実施形態に係る積層型インダクタ素子の分解斜視図である。本実施形態の積層型インダクタ素子10Bは、等価回路的には、内蔵されているインダクタの個数が第1の実施形態の積層型インダクタ素子10と異なる。したがって、第1の実施形態に係る積層型インダクタ素子10と異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0070】
回路的には、積層型インダクタ素子10Bは、第1、第2、第3、第4のインダクタL1B,L2B,L3B,L4Bを備える。第1のインダクタL1Bは、外部接続端子411,412間に接続されている。第2のインダクタL2Bは、外部接続端子421,422間に接続されている。第3のインダクタL3Bは、外部接続端子431,432間に接続されている。第4のインダクタL1Bは、外部接続端子441,442間に接続されている。
【0071】
積層型インダクタ素子10Bは、直方体形状からなり、磁性積層体100Bと非磁性体層101,102を備える。磁性積層体100Bは、磁性体層110B,120B,130B,140B,150B,160B,170B,180Bを備える。
【0072】
積層型インダクタ素子10Bの底面すなわち非磁性体層102の底面には、外部接続端子411,412,421,422,431,432,441,442が形成されている。外部接続端子411,412,441,442は、X軸方向の一方端辺にY軸方向に沿って配置されている。外部接続端子421,422,431,432は、X軸方向の他方端辺にY軸方向に沿って配置されている。
【0073】
磁性体層110Bの表面(非磁性体層101側の面)には、コイル導体242Bが形成されている。コイル導体242Bは、磁性体層110Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体242Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0074】
磁性体層120Bの表面(磁性体層110B側の面)には、コイル導体232Bが形成されている。コイル導体232Bは、磁性体層120Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体232Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0075】
磁性体層130Bの表面(磁性体層120B側の面)には、コイル導体222Bが形成されている。コイル導体222Bは、磁性体層130Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体222Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0076】
磁性体層140Bの表面(磁性体層130B側の面)には、コイル導体212Bが形成されている。コイル導体212Bは、磁性体層140Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体212Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0077】
磁性体層150Bの表面(非磁性体層140B側の面)には、コイル導体241Bが形成されている。コイル導体241Bは、磁性体層150Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体241Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0078】
磁性体層160Bの表面(磁性体層150B側の面)には、コイル導体231Bが形成されている。コイル導体231Bは、磁性体層160Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体231Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0079】
磁性体層170Bの表面(磁性体層160B側の面)には、コイル導体221Bが形成されている。コイル導体221Bは、磁性体層170Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体221Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0080】
磁性体層180Bの表面(磁性体層170B側の面)には、コイル導体211Bが形成されている。コイル導体211Bは、磁性体層170Bを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体211Bは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0081】
ビア導体311B,312B,313B,321B,322B,323B,331B,332B,333B,341B,342B,343Bは、磁性体層110B−180B、および非磁性体層102の所定層を貫通し、積層方向に伸長する導体パターンである。
【0082】
ビア導体311Bは、外部接続端子411とコイル導体211Bの一方端E11とを接続する。ビア導体312Bは、コイル導体211Bの他方端E12とコイル導体212Bの一方端E11とを接続する。ビア導体313Bは、コイル導体212Bの他方端E12と外部接続端子412とを接続する。
【0083】
これにより、コイル導体211B,212B、ビア導体311B,312B,313Bによって、
図7に示す第1のインダクタL1Bが構成される。第1のインダクタL1Bは、磁性積層体100Bの積層方向に沿って、コイル導体211B,212Bの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。
【0084】
ビア導体321Bは、外部接続端子421とコイル導体221Bの一方端E21とを接続する。ビア導体322Bは、コイル導体221Bの他方端E22とコイル導体222Bの一方端E21とを接続する。ビア導体323Bは、コイル導体222Bの他方端E22と外部接続端子422とを接続する。
【0085】
これにより、コイル導体221B,222B、ビア導体321B,322B,323Bによって、
図7に示す第2のインダクタL2Bが構成される。第2のインダクタL2Bは、磁性積層体100Bの積層方向に沿って、コイル導体221B,222Bの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。
【0086】
ビア導体331Bは、外部接続端子431とコイル導体231Bの一方端E31とを接続する。ビア導体332Bは、コイル導体231Bの他方端E32とコイル導体232Bの一方端E31とを接続する。ビア導体333Bは、コイル導体232Bの他方端E32と外部接続端子432とを接続する。
【0087】
これにより、コイル導体231B,232B、ビア導体331B,332B,333Bによって、
図7に示す第3のインダクタL3Bが構成される。第3のインダクタL3Bは、磁性積層体100Bの積層方向に沿って、コイル導体231B,232Bの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。
【0088】
ビア導体341Bは、外部接続端子441とコイル導体241Bの一方端E41とを接続する。ビア導体342Bは、コイル導体241Bの他方端E42とコイル導体242Bの一方端E41とを接続する。ビア導体343Bは、コイル導体242Bの他方端E42と外部接続端子442とを接続する。
【0089】
これにより、コイル導体241B,242B、ビア導体341B,342B,343Bによって、
図7に示す第4のインダクタL4Bが構成される。第4のインダクタL4Bは、磁性積層体100Bの積層方向に沿って、コイル導体241B,242Bの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。
【0090】
そして、上述の構成を用いることで、第1のインダクタL1Bを構成するコイル導体211Bと第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体221Bとが磁性体層170Bを挟んで積層方向に隣り合う。第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体221Bと第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体231Bとが磁性体層160Bを挟んで積層方向に隣り合う。第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体231Bと第4のインダクタL4Bを構成するコイル導体241Bとが磁性体層150Bを挟んで積層方向に隣り合う。第4のインダクタL4Bを構成するコイル導体241Bと第1のインダクタL1Bを構成するコイル導体212Bとが磁性体層140Bを挟んで積層方向に隣り合う。
【0091】
第1のインダクタL1Bを構成するコイル導体212Bと第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体222Bとが磁性体層130Bを挟んで積層方向に隣り合う。第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体222Bと第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体232Bとが磁性体層120Bを挟んで積層方向に隣り合う。第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体232Bと第4のインダクタL4Bを構成するコイル導体242Bとが磁性体層110Bを挟んで積層方向に隣り合う。
【0092】
すなわち、第1のインダクタL1Bを構成するコイル導体、第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体、第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体、第4のインダクタL4Bを構成するコイル導体が、積層方向に沿って周期的に配置される。
【0093】
これにより、第1のインダクタL1Bを構成するコイル導体と第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体とが磁界結合し、第2のインダクタL2Bを構成するコイル導体と第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体とが磁界結合し、第3のインダクタL3Bを構成するコイル導体と第4のインダクタL4Bを構成するコイル導体とが磁界結合し、第4のインダクタL4Bを構成するコイル導体と第1のインダクタL1Bを構成するコイル導体とが磁界結合する。したがって、それぞれ積層方向に隣り合うインダクタ間で、高い磁界結合度を得ることができる。
【0094】
さらに、第1、第2、第3、第4のインダクタL1B,L2B,L3B,L4Bの巻回形が、磁性積層体100Bを平面視して略重なり合い、且つ中心軸が略一致するので、より高い磁界結合度を得ることができる。
【0095】
そして、上述の構成では、外部接続端子411,421,431,441側から電流が流れるようにすると、第1のインダクタL1Bと第2のインダクタL2Bで発生する磁束は逆方向となる。第2のインダクタL2Bと第3のインダクタL3Bで発生する磁束は逆方向となる。第3のインダクタL3Bと第4のインダクタL4Bで発生する磁束は逆方向となる。第4のインダクタL4Bと第1のインダクタL1Bで発生する磁束は逆方向となる。
【0096】
これにより、互いに積層方向に隣り合うインダクタ間で発生する磁束は弱め合うので、電流値が高くなることによる磁束の飽和が生じにくい。すなわち、第1、第2、第3、第4のインダクタL1B,L2B,L3B,L4Bの飽和電流を高くすることができる。これにより、複数のチョークコイルを結合させて利用する場合(マルチフェーズ型DC−DCコンバータ用のチョークコイルとして利用する場合)に有効である。
【0097】
次に、本発明の第4の実施形態に係る積層型インダクタ素子について、図を参照して説明する。
図9は本発明の第4の実施形態に係る積層型インダクタ素子の等価回路図である。
図10は本発明の第4の実施形態に係る積層型インダクタ素子の分解斜視図である。本実施形態の積層型インダクタ素子10Cは、等価回路的には、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cとの片方の端部が共通外部接続端子400Cに接続されている点で、第3の実施形態の積層型インダクタ素子10Bと異なる。したがって、第3の実施形態に係る積層型インダクタ素子10Bと異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0098】
図9に示すように、第1のインダクタL1Cは、個別の外部接続端子410Cと共通外部接続端子400Cとの間に接続されている。第2のインダクタL2Cは、個別の外部接続端子420Cと共通外部接続端子400Cとの間に接続されている。第3のインダクタL3Cは、個別の外部接続端子430Cと共通外部接続端子400Cとの間に接続されている。第4のインダクタL4Cは、個別の外部接続端子440Cと共通外部接続端子400Cとの間に接続されている。
【0099】
積層型インダクタ素子10Cは、直方体形状からなり、磁性積層体100Cと非磁性体層101,102を備える。磁性積層体100Cは、磁性体層110C,120C,130C,140C,150C,160C,170C,180C,190Cを備える。
【0100】
積層型インダクタ素子10Cの底面、すなわち非磁性体層102の底面には、外部接続端子410C,420C,430C,440C、および共通外部接続端子400Cが形成されている。外部接続端子410C,420C,430C,440Cは、積層型インダクタ素子10Cの底面の四つ角部にそれぞれ形成されている。共通外部接続端子400Cは、外部接続端子410C,440Cと外部接続端子420C,430Cとの間に配置されている。より具体的には、磁性積層体100Cにおける第1辺に沿う方向(
図10に示すX方向)に沿って、外部接続端子410C,440C、共通外部接続端子400C、外部接続端子420C,430Cの順に配置されている。共通外部接続端子400Cは、X軸方向の略中央位置に配置されている。
【0101】
磁性体層110Cの表面(非磁性体層101側の面)には、共通化導体510Cが形成されている。共通化導体510Cは、二本の直線導体が所定角で交わる形状からなる。
【0102】
磁性体層120Cの表面(磁性体層110C側の面)には、コイル導体242Cが形成されている。コイル導体242Cは、磁性体層120Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体242Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0103】
磁性体層130Cの表面(磁性体層120C側の面)には、コイル導体232Cが形成されている。コイル導体232Cは、磁性体層130Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体232Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0104】
磁性体層140Cの表面(磁性体層130C側の面)には、コイル導体222Cが形成されている。コイル導体222Cは、磁性体層140Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体222Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0105】
磁性体層150Cの表面(磁性体層140C側の面)には、コイル導体212Cが形成されている。コイル導体212Cは、磁性体層150Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体212Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0106】
磁性体層160Cの表面(磁性体層150C側の面)には、コイル導体241Cが形成されている。コイル導体241Cは、磁性体層160Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体241Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0107】
磁性体層170Cの表面(磁性体層160C側の面)には、コイル導体231Cが形成されている。コイル導体231Cは、磁性体層170Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体231Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0108】
磁性体層180Cの表面(磁性体層170C側の面)には、コイル導体221Cが形成されている。コイル導体221Cは、磁性体層180Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体221Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0109】
磁性体層190Cの表面(磁性体層180C側の面)には、コイル導体211Cが形成されている。コイル導体211Cは、磁性体層190Cを平面視して巻回形に形成されている。この際、コイル導体211Cは、全周に亘ってつながるループ状ではなく、その一部が切り離されている。
【0110】
ビア導体300C,311C,312C,313C,321C,322C,323C,331C,332C,333C,341C,342C,343Cは、磁性体層110C,120C,130C,140C,150C,160C,170C,180C,190C、および非磁性体層102の所定層を貫通し、積層方向に伸長する導体パターンである。
【0111】
ビア導体311Cは、外部接続端子410Cとコイル導体211Cの一方端E11とを接続する。ビア導体312Cは、コイル導体211Cの他方端E12とコイル導体212Cの一方端E11とを接続する。ビア導体313Cは、コイル導体212Aの他方端E12と共通化導体510Cの端部E01とを接続する。
【0112】
これにより、コイル導体211C,212C、ビア導体311C,312C,313Cによって、
図9に示す第1のインダクタL1Cが構成される。第1のインダクタL1Cは、磁性積層体100Cの積層方向に沿って、コイル導体211C,212Cの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。また、磁性積層体100Cを平面視して、第1のインダクタL1Cは、コイル導体211C,212Cの巻回形の中心を原点としたX−Y座標形において、外部接続端子410Cを起点として、角度が−に変化する方向、すなわち時計回りに、伸長する形状となっている。
【0113】
ビア導体321Cは、外部接続端子420Cとコイル導体221Cの一方端E21とを接続する。ビア導体322Cは、コイル導体221Cの他方端E22とコイル導体222Cの一方端E21とを接続する。ビア導体323Cは、コイル導体222Cの他方端E22と共通化導体510Cの端部E02とを接続する。
【0114】
これにより、コイル導体221C,222C、ビア導体321C,322C,323Cによって、
図9に示す第2のインダクタL2Cが構成される。第2のインダクタL2Cは、磁性積層体100Cの積層方向に沿って、コイル導体221C,222Cの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。また、磁性積層体100Cを平面視して、第2のインダクタL2Cは、コイル導体221C,222Cの巻回形の中心を原点としたX−Y座標形において、外部接続端子420Cを起点として、角度が+に変化する方向、すなわち反時計回りに、伸長する形状となっている。
【0115】
ビア導体331Cは、外部接続端子430Cとコイル導体231Cの一方端E31とを接続する。ビア導体332Cは、コイル導体231Cの他方端E32とコイル導体232Cの一方端E31とを接続する。ビア導体333Cは、コイル導体232Cの他方端E32と共通化導体510Cの端部E03とを接続する。
【0116】
これにより、コイル導体231C,232C、ビア導体331C,332C,333Cによって、
図9に示す第3のインダクタL3Cが構成される。第3のインダクタL3Cは、磁性積層体100Cの積層方向に沿って、コイル導体231C,232Cの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。また、磁性積層体100Cを平面視して、第3のインダクタL3Cは、コイル導体231C,232Cの巻回形の中心を原点としたX−Y座標形において、外部接続端子430Cを起点として、角度が−に変化する方向、すなわち時計回りに、伸長する形状となっている。
【0117】
ビア導体341Cは、外部接続端子440Cとコイル導体241Cの一方端E41とを接続する。ビア導体342Cは、コイル導体241Cの他方端E42とコイル導体242Cの一方端E41とを接続する。ビア導体343Cは、コイル導体242Cの他方端E42と共通化導体510Cの端部E04とを接続する。
【0118】
これにより、コイル導体241C,242C、ビア導体341C,342C,343Cによって、
図9に示す第4のインダクタL4Cが構成される。第4のインダクタL4Cは、磁性積層体100Cの積層方向に沿って、コイル導体241C,242Cの巻回形の中心位置を通る中心軸を有するインダクタとなる。また、磁性積層体100Cを平面視して、第4のインダクタL4Cは、コイル導体241C,242Cの巻回形の中心を原点としたX−Y座標形において、外部接続端子440Cを起点として、角度が+に変化する方向、すなわち反時計回りに、伸長する形状となっている。
【0119】
さらに、ビア導体300Cは、共通化導体510Cの交差点E00と、共通外部接続端子400Cとを接続する。これにより、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cが共通外部接続端子400Cに接続される。
【0120】
そして、上述の構成を用いることで、第1のインダクタL1Cを構成するコイル導体211Cと第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体221Cとが磁性体層180Cを挟んで積層方向に隣り合う。第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体231Cと第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体231Cとが磁性体層170Cを挟んで積層方向に隣り合う。第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体231Cと第4のインダクタL4Cを構成するコイル導体241Cとが磁性体層160Cを挟んで積層方向に隣り合う。第4のインダクタL4Cを構成するコイル導体241Cと第1のインダクタL1Cを構成するコイル導体212Cとが磁性体層150Cを挟んで積層方向に隣り合う。
【0121】
第1のインダクタL1Cを構成するコイル導体212Cと第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体222Cとが磁性体層140Cを挟んで積層方向に隣り合う。第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体222Cと第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体232Cとが磁性体層130Cを挟んで積層方向に隣り合う。第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体232Cと第4のインダクタL4Cを構成するコイル導体242Cとが磁性体層120Cを挟んで積層方向に隣り合う。
【0122】
すなわち、第1のインダクタL1Cを構成するコイル導体、第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体、第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体、第4のインダクタL4Cを構成するコイル導体が、積層方向に沿って周期的に配置される。
【0123】
これにより、第1のインダクタL1Cを構成するコイル導体と第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体とが磁界結合し、第2のインダクタL2Cを構成するコイル導体と第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体とが磁界結合し、第3のインダクタL3Cを構成するコイル導体と第4のインダクタL4Cを構成するコイル導体とが磁界結合し、第4のインダクタL4Cを構成するコイル導体と第1のインダクタL1Cを構成するコイル導体とが磁界結合する。したがって、それぞれ積層方向に隣り合うインダクタ間で、高い磁界結合度を得ることができる。
【0124】
さらに、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cの巻回形が、磁性積層体100Bを平面視して略重なり合い、且つ中心軸が略一致するので、より高い磁界結合度を得ることができる。
【0125】
さらに、上述の構成では、磁性積層体100Cを平面視して、外部接続端子410Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第1のインダクタL1Cの巻回方向と、外部接続端子420Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第2のインダクタL2Cの巻回方向とが逆になっている。
【0126】
外部接続端子420Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第2のインダクタL2Cの巻回方向と、外部接続端子430Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第3のインダクタL3Cの巻回方向とが逆になっている。
【0127】
外部接続端子430Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第3のインダクタL3Cの巻回方向と、外部接続端子440Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第4のインダクタL4Cの巻回方向とが逆になっている。
【0128】
外部接続端子440Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第4のインダクタL4Cの巻回方向と、外部接続端子410Cを起点として共通外部接続端子400Cとを終点とする第1のインダクタL1Cの巻回方向とが逆になっている。
【0129】
これにより、外部接続端子410C,420C,430C,440Cから同じ方向に電流を流すか、共通外部接続端子400Cから電流を流すことにより、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cにおける隣り合うインダクタで発生する磁束は逆方向となる。これにより、隣り合うインダクタで発生する磁束は弱め合うので、電流値が高くなることによる磁束の飽和が生じにくい。すなわち、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cの飽和電流を高くすることができる。これにより、複数のチョークコイルを結合させて利用する場合(マルチフェーズ型DC−DCコンバータ用のチョークコイルとして利用する場合)に有効である。
【0130】
さらに、本実施形態の構成では、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cが接続されているので、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cを外部回路で接続する必要が無くなる。
【0131】
また、さらに、本実施形態の構成では、共通外部接続端子400Cに接続するビア導体30Cが、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cの巻回形の中心軸と略一致する位置に存在するので、第1、第2、第3、第4のインダクタL1C,L2C,L3C,L4Cが発生する磁束とビア導体300Cとの干渉を抑圧できる。