特許第5967364号(P5967364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967364
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20160728BHJP
   H01R 12/78 20110101ALI20160728BHJP
【FI】
   H01R13/639 Z
   H01R12/78
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-169196(P2012-169196)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-29769(P2014-29769A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2015年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】第一精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083909
【弁理士】
【氏名又は名称】神原 貞昭
(72)【発明者】
【氏名】碇 泰治
【審査官】 前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−283309(JP,A)
【文献】 特開2009−301916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
H01R 12/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状部材差込み部が設けられたハウジングと、
該ハウジングに配列配置されて設けられ、配線板状部材が上記板状部材差込み部を通じて上記ハウジングに差し込まれたとき、該配線板状部材における複数の接触端子部に接触接続される複数のコンタクトと、
上記ハウジングに設けられ、配線板状部材が上記ハウジングに上記板状部材差込み部を通じて差し込まれたとき、該配線板状部材に対する係止を行う係止状態と上記係止を解除する係止解除状態とを選択的にとる係止部材と、
上記ハウジングに設けられ、上記係止状態をとる上記係止部材に上記係止解除状態をとらせる係止解除部材と、
を備えて成り、
上記係止部材が、上記ハウジングにおける上記複数のコンタクトの配列方向の中央部分に配されて、上記ハウジングに固定される基部と該基部から伸びる弾性アーム部と該弾性アーム部に設けられて上記ハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態をとって上記配線板状部材を係止する係合係止部とを有するものとされ、上記係止解除部材が、上記ハウジングにおける上記中央部分に揺動可能に配され、上記係合係止部が上記配線板状部材における係合部との係合状態をとるもとで揺動せしめられるとき、上記係止部材に係合して上記弾性アーム部を変位させることによって上記係合係止部を変位させ、該係合係止部を上記係合状態から解放することを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
上記ハウジングが、上記中央部分に、上記係止解除部材が揺動せしめられるとき該係止解除部材に当接して該係止解除部材の揺動を制限するストッパー部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項3】
上記係止部材における弾性アーム部が、該弾性アーム部の自由端部に上記係合係止部の2個が複数のコンタクトの配列方向に配置されて設けられたものとされることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項4】
上記係止部材における弾性アーム部が、該弾性アーム部から伸びて上記係止解除部材による押圧を受ける受圧部が設けられたものとされることを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項5】
上記受圧部の2個が複数のコンタクトの配列方向において上記弾性アーム部を挟んで相互対向する位置に配されたことを特徴とする請求項4記載のコネクタ装置。
【請求項6】
上記弾性アーム部が、該弾性アーム部の自由端部に上記係合係止部の2個が複数のコンタクトの配列方向に配置されて設けられたものとされることを特徴とする請求項5記載のコネクタ装置。
【請求項7】
上記係止部材が、弾性帯状板材がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて上記基部及び上記弾性アーム部を成す部分を含むものとして形成され、一端部に上記係合係止部が設けられるとともに、他端部に外部接続部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項8】
上記係止解除部材が、上記ハウジングと一体に形成されたことを特徴とする請求項1記載のコネクタ装置。
【請求項9】
上記ハウジングが、一対の相互対向端面部を有しており、該相互対向端面部の一方に上記板状部材差込み部が開口していて、上記相互対向端面部の他方から上記係止部材における外部接続部が上記ハウジング外へと突出することを特徴とする請求項7記載のコネクタ装置。
【請求項10】
上記複数のコンタクトの夫々が、上記ハウジングにおける上記相互対向端面部の一方から上記ハウジング外へと突出する接続端子部を有していることを特徴とする請求項9記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板(FPC)やフレキシブル平板状ケーブル(FFC)等の配線板状部材が装着されるもとで、装着された配線板状部材に設けられた接触端子部に接触接続されるコンタクトを備え、さらに、装着された配線板状部材に対する係止及び係止解除を行う係止部材及び係止解除部材を備えたコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器に実装される比較的小型なフレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等の配線板状部材は、種々の電気部品が取り付けられる主配線基板への取付けが、当該主配線基板に電気的接続がなされて固定されるコネクタ装置が用いられて行われることが多いものとされる。このような配線板状部材の主配線基板への取付けにあたって用いられるコネクタ装置は、配線板状部材に設けられた接触端子部に接触接続される導電性のコンタクトを有していて、そのコンタクトを介して、配線板状部材に設けられた接触端子部を主配線基板に設けられた配線端子に電気的に連結する。
【0003】
従来提案されている、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材の主配線基板への取付けに用いられるコネクタ装置は、配線板状部材が差し込まれる差込み部を形成するものとされて主配線基板に配される、例えば、絶縁材料によって形成されたハウジングを有している。そして、そのハウジング内に配列配置されて設けられて主配線基板に設けられた配線端子に連結され、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれるとき、その配線板状部材に設けられた複数の接触端子部に夫々対応するものとなる複数のコンタクトを備えている。
【0004】
斯かる従来のコネクタ装置にあっては、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに差し込まれたとき、自動的に、ハウジング内に設けられた複数のコンタクトが差し込まれた配線板状部材に設けられた複数の接触端子部に夫々接触接続され、配線板状部材が差込み部を通じてハウジングに適正に差し込まれるだけで、配線板状部材が主配線基板との電気的連結状態におかれる。
【0005】
このような従来提案されているコネクタ装置にあっては、例えば、フレキシブル印刷配線基板とされる配線板状部材が、主配線基板に配されたハウジングに差込み部を通じて差し込まれて、ハウジングに配された複数のコンタクトが、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接触端子部に夫々接触接続され、それにより、配線板状部材が主配線基板との電気的連絡状態におかれるにあたり、配線板状部材がハウジングから不所望に離脱するような事態が回避されなくてはならない。当然のことながら、ハウジングに配された複数のコンタクトがハウジングに差し込まれた配線板状部材における複数の接触端子部に夫々接触接続された状態が適正に維持されるためには、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材が、その状態を安定に維持することができ、ハウジングから不所望に抜脱されるような事態をまねかないものとされることが必要とされるのである。
【0006】
そのため、上述のような、主配線基板に配されるハウジングを有し、ハウジングに配された複数のコンタクトを備えたコネクタ装置に属するものであって、ハウジングに差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に係合して、当該配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱の阻止に関与する係止手段を備えたコネクタ装置が従来提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
特許文献1に示されるコネクタ装置(コネクタ(1))にあっては、ハウジング(11)における複数のコンタクト(第1端子(51)及び第2端子(61)) の配列方向の両側部(16)に、一対の取付用補強金具 (ネイル(81))が夫々取り付けられている。そして、各取付用補強金具には、ハウジングに差込み部(挿入口(33)) を通じて差し込まれた配線板状部材(平板状ケーブル(101))に設けられた係合部 (耳部(113))に係合する掛止部(83c))を有したケーブル保持部(83)が、配線板状部材を係止する係止手段として備えられている。また、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部には、一対の係止解除手段(掛止解除部(21)) が、各々が係止手段を成すケーブル保持部を変位させるものとして備えられている。各係止解除手段を成す掛止解除部は、ハウジングからその外部へと突出する操作部(23)を備えており、その操作部が操作されることにより、ケーブル保持部を変位させる状態におかれる。
【0008】
このような特許文献1に示されるコネクタ装置において、配線板状部材を成す平板状ケーブルが差込み部を通じてハウジングに差し込まれると、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に備えられた一対の係止手段を成すケーブル保持部の夫々が、その掛止部を配線板状部材に設けられた係合部に係合させて配線板状部材を係止する。それにより、ハウジングに差し込まれた配線板状部材が、ケーブル保持部が成す係止手段によって係止され、ハウジングからの不所望な抜脱が阻止される状態におかれる。
【0009】
その後、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に備えられた一対の係止解除手段が、それらの夫々をなす掛止解除部に設けられた操作部に、例えば、押圧操作とされる操作が加えられて、それにより、係止手段を成すケーブル保持部を変位させるものとされると、ケーブル保持部の掛止部が配線板状部材に設けられた係合部に係合しなくなり、係止手段が配線板状部材を係止した状態が解除される。その結果、ハウジングに差し込まれた配線板状部材がハウジングから抜脱され得る状態におかれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−33978号公報(8〜12頁,図8〜21)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のような、ハウジングに差し込まれたフレキシブル印刷配線基板等の配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱の阻止に関与する係止手段を備えた、配線板状部材の主配線基板への取付けに用いられるコネクタ装置として従来提案されているものにあっては、主配線基板に配されるハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に、一対の係止手段が夫々設けられ、それに加えて、一対の係止解除手段が夫々設けられる。しかも、各係止手段と各係止解除手段とは、個別の部材をもって構成されている。従って、コネクタ装置を構成する部品点数の増加とコネクタ装置の構成の複雑化とがまねかれており、それらがコネクタ装置の製造コストを嵩ませる要因となっている。
【0012】
また、差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する一対の係止手段による係止を解除するにあたっては、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に夫々設けられた一対の係止解除手段を同時に操作することが必要とされ、それにより、配線板状部材についての係止解除が操作性に劣るものとされている。
【0013】
さらに、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に夫々設けられた一対の係止手段により係止された配線板状部材に、一対の係止手段に不均等な力を及ぼすことになる“こじり”引抜き力が加えられるときには、一対の係止手段のうちの一方の配線板状部材に対する係止保持力が弱められてしまい、配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱が生じてしまう虞がある。
【0014】
斯かる点に鑑み、本願の特許請求の範囲に記載された発明は、フレキシブル印刷配線基板やフレキシブル平板状ケーブル等とされる配線板状部材の他の配線基板への取付けに用いられる、板状部材差込み部が設けられたハウジングとハウジングに配列配置されて設けられる複数のコンタクトとを備えたコネクタ装置であって、従来提案されているコネクタ装置が備えるような、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に夫々設けられる一対の係止手段及び一対の係止解除手段を設けることが不要とされ、それにより、構成の簡略化と部品点数の減少とによる製造コストの低減を図ることができるもとで、ハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実かつ容易に行えることになるものを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願の特許請求の範囲における請求項1から請求項10までのいずれかに記載された発明(以下、本発明という。)に係るコネクタ装置は、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジングに配列配置されて設けられ、配線板状部材が板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれたとき、その配線板状部材における複数の接触端子部に接触接続される複数のコンタクトと、ハウジングに設けられ、配線板状部材がハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれたとき、その配線板状部材に対する係止を行う係止状態と係止を解除する係止解除状態とを選択的にとる係止部材と、ハウジングに設けられ、係止状態をとる係止部材に係止解除状態をとらせる係止解除部材とを備えて構成される。そして、係止部材が、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の中央部分に配されて、ハウジングに固定される基部と基部から伸びる弾性アーム部と弾性アーム部に設けられてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態をとって配線板状部材を係止する係合係止部とを有するものとされるとともに、係止解除部材が、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の中央部分に揺動可能に配され、係合係止部が配線板状部材における係合部との係合状態をとるもとで揺動せしめられるとき、係止部材に係合して弾性アーム部を変位させることによって係合係止部を変位させ、その係合係止部を係合状態から解放するものとされる。ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の中央部分は、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両端部に挟まれた部分であって、厳密な意味での中央とその周辺とを含む。
【0016】
特に、本願の特許請求の範囲における請求項7に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、係止部材が、弾性帯状板材がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて基部及び弾性アーム部を成す部分を含むものとして形成され、一端部に係合係止部が設けられるとともに、他端部に外部接続部が設けられる。
【0017】
さらに、本願の特許請求の範囲における請求項8に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、係止解除部材がハウジングと一体に形成されたものとされる。
【0018】
上述のような本発明に係るコネクタ装置にあっては、配線板状部材がハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部を通じて差し込まれると、ハウジングに配列配置された複数のコンタクトが、差し込まれた配線板状部材における複数の接触端子部に接触接続されるとともに、ハウジングに設けられた係止部材が、ハウジング内において、差し込まれた配線板状部材を係止して配線板状部材に対する係止状態をとり、差し込まれた配線板状部材のハウジングからの不所望な抜脱を阻止する。その際、係止部材は、ハウジングに固定された基部から伸びる弾性アーム部に設けられた係合係止部に、ハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部との係合状態をとらせて配線板状部材を係止する。
【0019】
そして、係止部材が配線板状部材に対する係止状態をとるもとで、ハウジングに揺動可能に配された係止解除部材が、例えば、押圧されて揺動せしめられると、係止解除部材が、係止部材に配線板状部材に対する係止を解除する係止解除状態をとらせ、ハウジングに差し込まれた配線板状部材のハウジングからの抜出しを可能とする。その際、揺動せしめられた係止解除部材は、係止部材に係合してその弾性アーム部を変位させることによって弾性アーム部に設けられた係合係止部を変位させ、その係合係止部を配線板状部材との係合状態から解放する。揺動せしめられた係止解除部材による係止部材の弾性アーム部の変位は、具体的には、例えば、係止解除部材が弾性アーム部を直接的に押圧することにより、あるいは、係止解除部材が弾性アーム部から伸びるものとして設けられた受圧部を押圧することによりもたらされる。
【0020】
係止部材は、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項7に記載された本発明に係るコネクタ装置の場合のように、弾性帯状板材がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて基部及び弾性アーム部を成す部分を含むものとして形成され、一端部に係合係止部が設けられるとともに、他端部に外部接続部が設けられたものとされる。
【0021】
また、係止解除部材は、例えば、本願の特許請求の範囲における請求項8に記載された本発明に係るコネクタ装置の場合のように、ハウジングと一体に形成されたものとされる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るコネクタ装置においては、上述のように、ハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対しての、ハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止、及び、ハウジングからの抜脱を可能とするための係止の解除を行うにあたり、例えば、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の両側部に設けられる一対の係止手段及び一対の係止解除手段等が不要とされ、それに代えて、ハウジングにおける複数のコンタクトの配列方向の中央部分に、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止を行う係止状態と係止を解除する係止解除状態とを選択的にとる係止部材と、係止状態をとる係止部材に係止解除状態をとらせる係止解除部材とが配される。これらの係止部材及び係止解除部材は、夫々が1個設けられることで足りる。従って、本発明に係るコネクタ装置によれば、構成の簡略化と部品点数の減少とによる製造コストの低減を図ることができるもとで、ハウジングに板状部材差込み部を通じて差し込まれた配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実かつ容易に行うことができる。
【0023】
そして、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対しての係止及び係止の解除を行う係止部材が、ハウジングに固定される基部と基部から伸びる弾性アーム部と弾性アーム部に設けられた係合係止部とを有し、係合係止部が、板状部材差込み部を通じてハウジングに差し込まれた配線板状部材における係合部に係合して配線板状部材を係止する。また、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止状態をとる係止部材に係止解除状態をとらせる係止解除部材が、ハウジングに対して揺動可能とされ、例えば、押圧されて揺動せしめられるとき、係止部材に係合して弾性アーム部を変位させることにより係合係止部を変位させ、係合係止部を係合状態から解放する。それゆえ、本発明に係るコネクタ装置は、係止部材と係止解除部材との夫々が、簡単で容易に得ることができる構成を有するものとされることになる。
【0024】
このような本発明に係るコネクタ装置にあっては、配線板状部材をハウジングにそれに設けられた板状部材差込み部を通じて差し込むだけで、配線板状部材に対しての係止部材による係止を行うことができ、それとともに、配線板状部材に対しての係止部材による係止の解除を、ハウジングに揺動可能に設けられた係止解除部材を、例えば、押圧して揺動させるだけで行うことができるので、配線板状部材に対しての係止部材による係止及び係止の解除を極めて簡単な操作によって行うことができるとともに、斯かる操作のために係止部材あるいは係止解除部材の周囲に格別なスペースを設けることが必要とされない。
【0025】
特に、本願の特許請求の範囲における請求項7に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、係止部材が、弾性帯状板材がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて基部及び弾性アーム部を成す部分を含むものとして形成され、一端部に係合係止部が設けられるとともに、他端部に外部接続部が設けられたものとされるので、係合係止部により配線板状部材における係合部に係合して配線板状部材を係止する動作、及び、係合係止部に配線板状部材における係合部との係合を解除させる動作を、弾性力を伴って極めて確実に行なうことができることになる。
【0026】
さらに、本願の特許請求の範囲における請求項8に記載された本発明に係るコネクタ装置にあっては、係止解除部材が、ハウジングと一体に形成されたものとされるので、極めて簡単な構成をもって揺動可能なものとして設けられることになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す平面図である。
図2】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す正面図である。
図3】本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す背面図である。
図4図2におけるIV−IV線断面を示す断面図である。
図5】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材を示す斜視図である。
図6】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材を示す側面図である。
図7】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材を示す正面図である。
図8】本発明に係るコネクタ装置の第1の例に装着されるフレキシブル印刷配線基板を示す部分斜視図である。
図9】本発明に係るコネクタ装置の第1の例をそれに装着されるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す斜視図である。
図10】本発明に係るコネクタ装置の第1の例をそれに装着されるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す断面図である。
図11】本発明に係るコネクタ装置の第1の例に対してフレキシブル印刷配線基板が差し込み途中にある状態を示す断面図である。
図12】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板を係止した状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
図13】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板を係止した状態を示す部分断面図である。
図14】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除した状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
図15】本発明に係るコネクタ装置の第1の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除した状態を部分断面図である。
図16】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材を示す斜視図である。
図17】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材を示す側面図である。
図18】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材を示す正面図である。
図19】本発明に係るコネクタ装置の第2の例をそれに装着されるフレキシブル印刷配線基板の部分と共に示す断面図である。
図20】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板を係止した状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
図21】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板を係止した状態を示す部分断面図である。
図22】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除した状態を示す一部断面を含んだ部分斜視図である。
図23】本発明に係るコネクタ装置の第2の例が備える係止部材がフレキシブル印刷配線基板に対する係止を解除した状態を部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明を実施するための形態は、以下に述べられる本発明についての実施例をもって説明される。
【実施例1】
【0029】
図1(平面図),図2(正面図)及び図3(背面図)は、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を示す。
【0030】
図1図3において、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成すコネクタ装置10は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング11を備えている。ハウジング11には、その正面側端面部11aに板状部材差込み部12が設けられており、板状部材差込み部12からハウジング11の内部へと板状部材収容空間が伸びている。
【0031】
ハウジング11は、実際の使用にあたっては配線基板にその上に配されて取り付けられ、それにより、コネクタ装置10の全体が配線基板に固定されたものとされる。その際、ハウジング11における板状部材差込み部12が設けられた正面側端面部11aとそれに対向する背面側端面部11bとに挟まれた一対の対向外面部は、そのうちの一方が配線基板に対接する外面部とされて他方が解放された外面部とされる。以下においては、配線基板に対接するハウジングの一方の外面部を有した部分を底板部11cといい、それに対向するハウジングの他方の外面部を有した部分を天板部11dという。そして、正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12を通じて、例えば、フレキシブル印刷配線基板が、配線板状部材を成すものとしてハウジング11に差し込まれ、その一部がハウジング11内の板状部材収容空間に収容される。
【0032】
ハウジング11には、各々が弾性導電材料で形成されてその大部分がハウジング11の内部に配される複数のコンタクト13が、ハウジング11の長手方向(正面に向かって左右方向)に沿って配列配置されて設けられている。複数のコンタクト13は、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板に配列配置された複数の接触端子部に夫々接触接続される信号用コンタクトとして設けられているが、他のフレキシブル印刷配線基板における複数の信号接触端子部及び接地接続部に接触接続される信号用及び接地用コンタクトとして用いられても良い。
【0033】
複数のコンタクト13の夫々は、弾性を有した導電性板材が屈曲成形されて形成され、図2におけるIV−IV線断面を示す図4に示されるように、ハウジング11における正面側端面部11aの近傍部分に固定される固定部13aと固定部13aからハウジング11内の板状部材収容空間へと伸びる可動片持ちビーム部13bと固定部13aからハウジング11の正面側端面部11aの外部へと屈曲して伸びる接続端子部13cとを有している。可動片持ちビーム部13bは、その自由端部分が配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板における接触端子部に当接する接点部13dを形成するものとされている。ハウジング11の正面側端面部11a側においてハウジング11の外部に突出する接続端子部13cは、ハウジング11が配された配線基板における回路端子部に、例えば、半田付けをもって接続される。
【0034】
それにより、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれ、複数のコンタクト13の夫々における接点部13dが、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における対応する接触端子部に当接したときには、複数のコンタクト13がフレキシブル印刷配線基板における複数の接触端子部に夫々接触接続された状態におかれ、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における複数の接触端子部が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板における回路端子部に電気的に連結される。
【0035】
また、コネクタ装置10は、ハウジング11におけるその長手方向、即ち、複数のコンタクト13の配列方向(以下、コンタクト配列方向という。)の中央部分に配された係止部材15と係止解除部材16とを備えている。ハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分は、ハウジング11における複数のコンタクト13の配列方向の両端部に挟まれた部分であって、厳密な意味での中央とその周辺とを含んでいる。そして、係止部材15は、配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板が板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれたとき、フレキシブル印刷配線基板に対する係止を行う係止状態とその係止を解除する係止解除状態とを選択的にとるためのものとして備えられており、また、係止解除部材16は、フレキシブル印刷配線基板との係止状態をとる係止部材15に、係止解除状態をとらせるためのものとして備えられている。
【0036】
係止部材15は、例えば、金属材料によって形成されて、ハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に取り付けられ、ハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分において、ハウジング11の天板部11dに形成された矩形透孔17を通じてハウジング11の外部に臨むものとされる。一方、係止解除部材16は、ハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分において、ハウジング11の天板部11dにそれと一体に形成されており、天板部11dから伸びる一対の腕状部18と一対の腕状部18の夫々の先端部分を相互連結する操作部19とを有している。操作部19は、ハウジング11の天板部11dの外部に突出している。このような係止解除部材16における一対の腕状部18及び操作部19は、それらによって囲まれた矩形透孔17を形成している。
【0037】
そして、係止解除部材16は、その全体がハウジング11に対して弾性揺動可能とされている。例えば、係止解除部材16における操作部19がハウジング11の天板部11d側から底板部11c側に向かう方向に押圧されるとき、係止解除部材16の全体が、一対の腕状部18の夫々のハウジング11の天板部11dとの連結部を仮想支軸部分として、ハウジング11の底板部11c側へと弾性揺動し、その後、操作部19に対する押圧が解除されると、係止解除部材16の全体が元の位置に弾性復元する。
【0038】
係止部材15は、図5(斜視図),図6(側面図)及び図7(正面図)に示されるように、例えば、細長金属板材とされる弾性帯状板材がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて形成されて、ハウジング11に固定される基部20及び基部20から屈曲して伸びる弾性アーム部21を成す部分を含むものとされており、その一端部に、後述されるようにフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態をとってフレキシブル印刷配線基板を係止する一対の係合係止部22が設けられるとともに、その他端部に外部接続部23が設けられている。このようなもとで、一対の係合係止部22は、基部20から屈曲して伸びる弾性アーム部21の自由端部に設けられており、また、外部接続部23は、基部20から弾性アーム部21とは反対側に伸びるものとされている。
【0039】
そして、係止部材15がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に取り付けられたもとにあっては、後述される図10に示されるように、基部20が、ハウジング11の底板部11cにおけるハウジング11の背面側端面部11b側の部分に固定され、また、基部20から伸びる外部接続部23が、ハウジング11の背面側端面部11bからハウジング11の外部に突出して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた導体部分に半田付けされる。それにより、配線基板に設けられた導体部分に半田付けされる外部接続部23が、配線基板に対するその上に配されたハウジング11の堅固な固定に貢献する。そして、基部20から屈曲して伸びる弾性アーム部21がその自由端部をハウジング11の正面側端面部11aに向けたものとされ、その弾性アーム部21の自由端部に設けられた一対の係合係止部22は、コンタクト配列方向に配置されたものとされ、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態をとってフレキシブル印刷配線基板を係止する。
【0040】
また、係止部材15がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に取り付けられたもとにあっては、ハウジング11の天板部11dと一体に形成された係止解除部材16の操作部19が、係止部材15の基部20から屈曲してハウジング11の正面側端面部11aに向って伸びる弾性アーム部21におけるハウジング11の背面側端面部11b側の端部に近接した位置に配されたものとされる。
【0041】
図8は、コネクタ装置10に装着される配線板状部材を成すフレキシブル印刷配線基板30を示す。
【0042】
図8に示されるように、フレキシブル印刷配線基板30は、各々が導電材料によって形成された複数の接触端子部31が配列配置されて配された平板状部30aを有している。斯かるフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aにおける複数の接触端子部31の配列方向(以下端子配列方向という。)の中央部分に、透孔を成すものとされた係合部32が形成されている。また、フレキシブル印刷配線基板30における平板状部30a以外の部分であって複数の接触端子部31に連結された部分は、絶縁皮膜33によって覆われている。
【0043】
このようなフレキシブル印刷配線基板30は、コネクタ装置10のハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるが、その際には、平板状部30aにおける複数の接触端子部31が配列配置された面がハウジング11の底板部11cの内面に対面する状態におかれる。そして、フレキシブル印刷配線基板30がハウジング11に差し込まれたときには、その平板状部30aがハウジング11の内部における板状部材収容空間に収容され、平板状部30aに配列配置された複数の接触端子部31の夫々に、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の夫々の接点部13dが、ハウジング11の底板部11c側から当接する。それにより、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13がフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに配列配置された複数の接触端子部31に夫々接触接続される。
【0044】
フレキシブル印刷配線基板30がコネクタ装置10のハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるにあたっては、先ず、フレキシブル印刷配線基板30が、図9及び図10に示される位置に配される。このとき、フレキシブル印刷配線基板30は、配線基板40(図9において仮想線をもって示されている。)上に配されたコネクタ装置10のハウジング11に対して、平板状部30aにおける複数の接触端子部31が配列配置された面を配線基板40のハウジング11が配された面に対面させる状態におかれ、図10に明瞭に示されるように、平板状部30aの先端部分を、ハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12に対向させる。
【0045】
次に、図11に示されるように、フレキシブル印刷配線基板30が、複数の接触端子部31が配列配置されるとともに係合部32が形成された平板状部30aを前方側部分として、コネクタ装置10のハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれ、平板状部30aがハウジング11の内部における板状部材収容空間に入り込むものとされる。斯かる際、ハウジング11に配された係止部材15が備える弾性アーム部21に設けられた一対の係合係止部22が、板状部材収容空間内に位置するものとされていて、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに乗り上げる状態におかれる。その際、係止部材15における一対の係合係止部22が設けられた弾性アーム部21が、一対の係合係止部22を伴ってハウジング11の天板部11dに形成された矩形透孔17を通じてハウジング11の外部に向かって変位する。
【0046】
続いて、フレキシブル印刷配線基板30が更にコネクタ装置10のハウジング11に差し込まれ、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aがハウジング11の内部における板状部材収容空間内の予め設定された所定の位置に達すると、図12及び図13に示されるように、ハウジング11に配された係止部材15が備える弾性アーム部21に設けられた一対の係合係止部22が、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに乗り上げた状態から、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに形成された係合部32に係合する状態に移行する。斯かる一対の係合係止部22の係合部32との係合は、係止部材15における一対の係合係止部22が設けられた弾性アーム部21が、ハウジング11の天板部11dに形成された矩形透孔17を通じてハウジング11の外部に向かって変位した位置から自らの弾性によって元の位置に戻ることによって行われる。
【0047】
このようにして、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに形成された係合部32との係合状態をとる係止部材15における一対の係合係止部22は、それによりフレキシブル印刷配線基板30を係止する。その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に配された係止部材15によって係止された状態が得られ、当該フレキシブル印刷配線基板30のハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される。即ち、フレキシブル印刷配線基板30は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれるだけで、係合部材15により係止されてハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態におかれることになる。
【0048】
フレキシブル印刷配線基板30がハウジング11への板状部材差込み部12を通じての差込を完了して正規の差込み位置をとるもとにおいては、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13が、各々の接点部13dをハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに配された複数の接触端子部31に夫々弾性当接させて、複数の接触端子部31に夫々接触接続された状態におかれる。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30における複数の接触端子部31が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板40に設けられた回路端子に電気的に連結される。斯かる状態は、フレキシブル印刷配線基板30がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれるだけで得られる。
【0049】
その後、図14及び図15に示されるように、ハウジング11の天板部11dと一体に形成された係止解除部材16の操作部19が、ハウジング11の天板部11d側から底板部11c側に向かう方向に押圧されると、係止解除部材16の全体が、一対の腕状部18の夫々のハウジング11の天板部11dとの連結部を仮想支軸部分として、ハウジング11の底板部11c側へと弾性揺動し、それに伴って、操作部19が、係止部材15の弾性アーム部21におけるハウジング11の背面側端面部11b側の端部を、係止部材15の基部20に向かう方向に押圧する。その際、ハウジング11の底板部11c側へと弾性揺動する係止解除部材16は、ハウジング11における背面側端面部11b側の部分に形成されて係止解除部材16の操作部19に当接するストッパー部11eによって、その揺動が制限される。即ち、ハウジング11には、係止解除部材16がハウジング11の底板部11c側へと弾性揺動せしめられるとき、係止解除部材16の操作部19に当接して係止解除部材16の揺動を制限するストッパー部11eが設けられているのである。
【0050】
上述のようにして、係止解除部材16の操作部19が、係止部材15の弾性アーム部21におけるハウジング11の背面側端面部11b側の端部を、係止部材15の基部20に向かう方向に押圧することにより、係止部材15の弾性アーム部21が、その自由端部を、それに設けられた一対の係合係止部22と共に、ハウジング11の天板部11dに形成された矩形透孔17を通じてハウジング11の外部に向けて弾性変位させる。それに伴い、係止部材15の弾性アーム部21における自由端部に設けられた一対の係合係止部22が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに形成された係合部32との係合を解除し、フレキシブル印刷配線基板30に対する係止を止める。
【0051】
その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に配された係止部材15によって係止された状態から解放され、当該フレキシブル印刷配線基板30のハウジング11からの抜出しが可能とされる。即ち、係止部材15による係止状態におかれたフレキシブル印刷配線基板30にあっては、係止解除部材16の操作部19が押圧されるだけで、係止部材15による係止が解除されることになる。
【0052】
その後、係止解除部材16の操作部19に対する押圧が解除されると、係止解除部材16の全体が自らの弾性によって元の位置に戻り、それと共に、係止部材15の弾性アーム部21も自らの弾性によって元の位置に戻る。
【0053】
上述のようなコネクタ装置10にあっては、ハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対しての、ハウジング11からの不所望な抜脱を阻止するための係止、及び、ハウジング11からの抜脱を可能とするための係止の解除を行うにあたり、例えば、ハウジング11における複数のコンタクト13の配列方向の両側部に一対の係止手段及び一対の係止解除手段を設けることが不要とされ、それに代えて、ハウジング11における複数のコンタクト13の配列方向の中央部分に、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対する係止を行う係止状態と係止を解除する係止解除状態とを選択的にとる係止部材15と、係止状態をとる係止部材15に係合してその係止部材15に係止解除状態をとらせる係止解除部材16とが配される。そして、これらの係止部材15及び係止解除部材16は、夫々が1個設けられることで足りる。従って、コネクタ装置10によれば、構成の簡略化と部品点数の減少とによる製造コストの低減を図ることができるもとで、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対するハウジング11からの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実かつ容易に行うことができる。
【0054】
そして、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対しての係止及び係止の解除を行う係止部材15が、ハウジング11に固定される基部20と基部20から伸びる弾性アーム部21と弾性アーム部21に設けられた係合係止部22とを有し、係合係止部22が、板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30における係合部32に係合してフレキシブル印刷配線基板30を係止する。また、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対する係止状態をとる係止部材15に係合してその係止部材15に係止解除状態をとらせる係止解除部材16が、ハウジング11に対して揺動可能とされ、例えば、押圧されて揺動せしめられることによって、係止部材15の弾性アーム部21を押圧して係合係止部22を変位させ、係合係止部22をフレキシブル印刷配線基板30との係合状態から解放する。それゆえ、コネクタ装置10は、係止部材15と係止解除部材16との夫々が、簡単で容易に得ることができる構成を有するものとされることになる。
【0055】
このようなコネクタ装置10にあっては、フレキシブル印刷配線基板30をハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込むだけで、フレキシブル印刷配線基板30に対しての係止部材15による係止を行うことができ、それとともに、フレキシブル印刷配線基板30に対しての係止部材15による係止の解除を、ハウジング11に揺動可能に設けられた係止解除部材16を、例えば、押圧して揺動させるだけで行うことができるので、フレキシブル印刷配線基板30に対しての係止部材15による係止及び係止の解除を極めて簡単な操作によって行うことができるとともに、斯かる操作のために係止部材15あるいは係止解除部材16の周囲に格別なスペースを設けることが必要とされない。
【0056】
また、コネクタ装置10にあっては、係止部材15が、弾性帯状板材がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて基部20及び弾性アーム部21を成す部分を含むものとして形成され、一端部に係合係止部22が設けられるとともに他端部に外部接続部23が設けられたものとされるので、係合係止部22によりフレキシブル印刷配線基板30における係合部32に係合してフレキシブル印刷配線基板30を係止する動作、及び、係合係止部22にフレキシブル印刷配線基板30における係合部32との係合を解除させる動作を、弾性力を伴って極めて確実に行なうことができることになる。
【0057】
さらに、コネクタ装置10にあっては、係止解除部材16が、ハウジング11と一体に形成されたものとされるので、極めて簡単な構成をもって揺動可能なものとして設けられることになる。
【実施例2】
【0058】
図16(斜視図),図17(側面図)及び図18(正面図)は、本発明に係るコネクタ装置の第2の例に備えられる係止部材51を示す。
【0059】
本発明に係るコネクタ装置の第2の例を成すコネクタ装置50(後述される図19図23に示されている。)は、本発明に係るコネクタ装置の第1の例を成す上述のコネクタ装置10において、係止部材15に代えて係止部材51が備えられるとともに、ハウジング11における背面側端面部11b側の部分の形状、及び、ハウジング11と一体的に形成された係止解除部材16の操作部19の形状が若干変えられたものとして構成される。図19図23においては、コネクタ装置50におけるコネクタ装置10の各部分と同様に構成された部分には、コネクタ装置10の各部分と共通の符号が付されて示されている。
【0060】
図16図18に示される係止部材51は、その主要部が、例えば、細長金属板材とされる弾性帯状板材52がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて形成されて、コネクタ装置50のハウジング11に固定される基部53を成す部分,基部53から屈曲して伸びる弾性アーム部54を形成する部分、及び、基部53から弾性アーム部54とは逆方向に屈曲して伸びて先端部分に外部接続部55が設けられた部分を含むものとされている。そして、弾性アーム部54の自由端部には、後述されるようにフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態をとってフレキシブル印刷配線基板を係止する一対の係合係止部56が設けられている。
【0061】
また、係止部材51における弾性アーム部54は、各々が弾性アーム部54から伸びてハウジング11と一体的に形成された係止解除部材16による押圧を受ける一対の受圧部57が設けられたものとされている。これら一対の受圧部57は、弾性アーム部54を挟んで相互対向する。
【0062】
このような係止部材51がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に取り付けられたもとにあっては、図19に示されるように、基部53が、ハウジング11の底板部11cに設けられたスリット11fにハウジング11の背面側端面部11b側から圧入されて固定され、また、基部53から伸びる外部接続部55が、ハウジング11の背面側端面部11b側においてハウジング11の外部に突出して、ハウジング11が配された配線基板に設けられた導体部分に半田付けされる。それにより、配線基板に設けられた導体部分に半田付けされる外部接続部55が、配線基板に対するその上に配されたハウジング11の堅固な固定に貢献する。そして、基部53から屈曲して伸びる弾性アーム部54がその自由端部をハウジング11の正面側端面部11aに向けたものとされ、その弾性アーム部54の自由端部に設けられた一対の係合係止部56は、コンタクト配列方向に配置されたものとされ、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板における係合部との係合状態をとってフレキシブル印刷配線基板を係止する。
【0063】
さらに、係止部材51がハウジング11に取り付けられたもとにあっては、係止部材51における弾性アーム部54から伸びる一対の受圧部57が、コンタクト配列方向において弾性アーム部54を挟んで相互対向する位置に配される。そして、一対の受圧部57の各々は、弾性アーム部54からハウジング11の背面側端面部11b側へと屈曲して伸びており、その自由端部がハウジング11の背面側端面部11bからその外部へと突出している。
【0064】
そして、係止部材51がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に取り付けられたもとにあっては、ハウジング11の天板部11dと一体に形成された係止解除部材16における一対の腕状部18の夫々の先端部分を相互連結する操作部19が、係止部材51の弾性アーム部54からハウジング11の背面側端面部11bの外部へと屈曲して伸びる一対の受圧部57の夫々における自由端部が形成する端面部分57aに対向する位置に配されたものとされる。
【0065】
このような係止部材51を備えたコネクタ装置50も、実際に使用されるにあたっては、例えば、図9において仮想線をもって示される配線基板40上に配される。そして、例えば、図8に示されるフレキシブル印刷配線基板30が、コネクタ装置50のハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込まれるが、その際には、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aにおける複数の接触端子部31が配列配置された面がハウジング11の底板部11cの内面に対面する状態におかれる。そして、フレキシブル印刷配線基板30がコネクタ装置50のハウジング11に差し込まれたときには、その平板状部30aがハウジング11の内部における板状部材収容空間に収容され、平板状部30aに配列配置された複数の接触端子部31の夫々に、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13の夫々の接点部13dが、ハウジング11の底板部11c側から当接する。それにより、コネクタ装置50のハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13がフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに配列配置された複数の接触端子部31に夫々接触接続される。
【0066】
フレキシブル印刷配線基板30がコネクタ装置50のハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれるにあたっては、先ず、フレキシブル印刷配線基板30が、図19に示される位置に配される。このとき、フレキシブル印刷配線基板30は、配線基板40(図示が省略されている。)上に配されたコネクタ装置50のハウジング11に対して、平板状部30aにおける複数の接触端子部31が配列配置された面を配線基板40のハウジング11が配された面に対面させる状態におかれ、図19に明瞭に示されるように、平板状部30aの先端部分を、ハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12に対向させる。
【0067】
次に、フレキシブル印刷配線基板30が、複数の接触端子部31が配列配置されるとともに係合部32が形成された平板状部30aを前方側部分として、コネクタ装置50のハウジング11の正面側端面部11aに設けられた板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれる。それにより、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aが、コネクタ装置50のハウジング11の内部における板状部材収容空間に入り込むものとされる。
【0068】
続いて、フレキシブル印刷配線基板30が更にコネクタ装置50のハウジング11に差し込まれる。そして、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aがハウジング11の内部における板状部材収容空間内の予め設定された所定の位置に達すると、図20及び図21に示されるように、ハウジング11に配された係止部材51が備える弾性アーム部54に設けられた一対の係合係止部56が、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに形成された係合部32に係合する状態におかれる。
【0069】
このようにして、フレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに形成された係合部32との係合状態をとる係止部材51における一対の係合係止部56は、それによりフレキシブル印刷配線基板30を係止する。その結果、コネクタ装置50のハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に配された係止部材51によって係止された状態が得られ、当該フレキシブル印刷配線基板30のハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される。即ち、フレキシブル印刷配線基板30は、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれるだけで、係合部材51により係止されてハウジング11からの不所望な抜脱が阻止される状態におかれることになる。
【0070】
フレキシブル印刷配線基板30がコネクタ装置50のハウジング11への板状部材差込み部12を通じての差込を完了して正規の差込み位置をとるもとにおいては、ハウジング11に配列配置された複数のコンタクト13が、各々の接点部13dをハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに配された複数の接触端子部31に夫々弾性当接させて、複数の接触端子部31に夫々接触接続された状態におかれる。それにより、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30における複数の接触端子部31が、複数のコンタクト13を介して、ハウジング11が配された配線基板40に設けられた回路端子に電気的に連結される。斯かる状態は、フレキシブル印刷配線基板30がハウジング11に板状部材差込み部12を通じて適正に差し込まれるだけで得られる。
【0071】
その後、図22及び図23に示されるように、ハウジング11の天板部11dと一体に形成された係止解除部材16の操作部19が、ハウジング11の天板部11d側から底板部11c側に向かう方向に押圧されると、係止解除部材16の全体が、一対の腕状部18の夫々のハウジング11の天板部11dとの連結部を仮想支軸部分として、ハウジング11の底板部11c側へと弾性揺動し、それに伴って、係止解除部材16の操作部19が、係止部材51に係合して、係止部材51の弾性アーム部54を係止部材51の基部53から離隔する方向に変位させる。斯かる際、ハウジング11の天板部11d側から底板部11c側に向かう方向に押圧された係止解除部材16の操作部19は、係止部材51の弾性アーム部54から伸びる一対の受圧部57の夫々における自由端部が形成する端面部分57aに当接して、一対の受圧部57の夫々の自由端部を係止部材51の基部53から伸びる外部接続部55に向かう方向に押圧する。即ち、係止部材51の受圧部57が、係止解除部材16の操作部19による係止部材51の外部接続部55に向かう方向の押圧を受ける状態におかれるのである。
【0072】
上述のようにして、係止解除部材16の操作部19が、係止部材51の弾性アーム部54から伸びる一対の受圧部57の夫々における自由端部を係止部材51の外部接続部55に向かう方向に押圧することにより、一対の受圧部57の夫々が係止部材51の外部接続部55に向かう方向に変位し、それに伴って、係止部材51の弾性アーム部54が、その自由端部を、それに設けられた一対の係合係止部56と共に、ハウジング11の天板部11dに形成された矩形透孔17を通じてハウジング11の外部に向けて弾性変位させる。それに伴い、係止部材51の弾性アーム部54における自由端部に設けられた一対の係合係止部56が、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30の平板状部30aに形成された係合部32との係合を解除し、フレキシブル印刷配線基板30に対する係止を止める。
【0073】
その結果、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30がハウジング11におけるコンタクト配列方向の中央部分に配された係止部材51によって係止された状態から解放され、当該フレキシブル印刷配線基板30のハウジング11からの抜出しが可能とされる。即ち、係止部材51による係止状態におかれたフレキシブル印刷配線基板30にあっては、係止解除部材16の操作部19が押圧されるだけで、係止部材51による係止が解除されることになる。
【0074】
その後、係止解除部材16の操作部19に対する押圧が解除されると、係止解除部材16の全体が自らの弾性によって元の位置に戻り、それと共に、係止部材51の弾性アーム部54も自らの弾性によって元の位置に戻る。
【0075】
上述のようなコネクタ装置50にあっても、ハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対しての、ハウジング11からの不所望な抜脱を阻止するための係止、及び、ハウジング11からの抜脱を可能とするための係止の解除を行うにあたり、例えば、ハウジング11における複数のコンタクト13の配列方向の両側部に一対の係止手段及び一対の係止解除手段を設けることが不要とされ、それに代えて、ハウジング11における複数のコンタクト13の配列方向の中央部分に、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対する係止を行う係止状態と係止を解除する係止解除状態とを選択的にとる係止部材51と、係止状態をとる係止部材51に係合してその係止部材51に係止解除状態をとらせる係止解除部材16とが配される。そして、これらの係止部材51及び係止解除部材16は、夫々が1個設けられることで足りる。従って、コネクタ装置50によれば、構成の簡略化と部品点数の減少とによる製造コストの低減を図ることができるもとで、ハウジング11に板状部材差込み部12を通じて差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対するハウジング11からの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を、確実かつ容易に行うことができる。
【0076】
そして、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対しての係止及び係止の解除を行う係止部材51が、ハウジング11に固定される基部53と、基部53から伸びる弾性アーム部54と、弾性アーム部54に設けられた係合係止部56と、弾性アーム部54から伸びる受圧部57とを有し、係合係止部56が、板状部材差込み部12を通じてハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30における係合部32に係合してフレキシブル印刷配線基板30を係止する。また、ハウジング11に差し込まれたフレキシブル印刷配線基板30に対する係止状態をとる係止部材51に係合してその係止部材51に係止解除状態をとらせる係止解除部材16が、ハウジング11に対して揺動可能とされ、例えば、押圧されて揺動せしめられることによって、係止部材51の受圧部57を押圧して弾性アーム部54及びそれに設けられた係合係止部56を変位させ、係合係止部56をフレキシブル印刷配線基板30との係合状態から解放する。それゆえ、コネクタ装置50は、係止部材51と係止解除部材16との夫々が、簡単で容易に得ることができる構成を有するものとされることになる。
【0077】
このようなコネクタ装置50にあっては、フレキシブル印刷配線基板30をハウジング11にそれに設けられた板状部材差込み部12を通じて差し込むだけで、フレキシブル印刷配線基板30に対しての係止部材51による係止を行うことができ、それとともに、フレキシブル印刷配線基板30に対しての係止部材51による係止の解除を、ハウジング11に揺動可能に設けられた係止解除部材16を、例えば、押圧して揺動させるだけで行うことができるので、フレキシブル印刷配線基板30に対しての係止部材51による係止及び係止の解除を極めて簡単な操作によって行うことができるとともに、斯かる操作のために係止部材51あるいは係止解除部材16の周囲に格別なスペースを設けることが必要とされない。
【0078】
また、コネクタ装置50にあっては、係止部材51が、弾性帯状板材52がS字状の縦断面を形成すべく屈曲せしめられて基部53,弾性アーム部54及び外部接続部55を成す部分を含むものとされたもとで、弾性アーム部54に係合係止部56が設けられるとともに弾性アーム部54から受圧部57が伸びるものとされて形成されるので、係合係止部56によりフレキシブル印刷配線基板30における係合部32に係合してフレキシブル印刷配線基板30を係止する動作、及び、係合係止部56にフレキシブル印刷配線基板30における係合部32との係合を解除させる動作を、弾性力を伴って極めて確実に行なうことができることになる。
【0079】
さらに、コネクタ装置50にあっても、係止解除部材16が、ハウジング11と一体に形成されたものとされるので、極めて簡単な構成をもって揺動可能なものとして設けられることになる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のような本発明に係るコネクタ装置は、例えば、フレキシブル印刷配線基板等とされる配線板状部材の配線基板への取付けに用いられる、板状部材差込み部が設けられたハウジングと、ハウジングに配列配置されて設けられる複数のコンタクトと、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対する係止状態と係止解除状態とを選択的にとる係止部材と、係止状態をとる係止部材に係合してその係止部材に係止解除状態をとらせる係止解除部材とを備えたコネクタ装置であって、部品点数を比較的少とする簡単な構成を有していて製造コストの低減を図ることができ、さらに、簡単かつ容易な操作をもって、ハウジングに差し込まれた配線板状部材に対するハウジングからの不所望な抜脱を阻止するための係止及びその係止の解除を確実に行えるものとして、様々な電子機器等に広く適用され得るものである。
【符号の説明】
【0081】
10,50・・・コネクタ装置, 11・・・ハウジング, 11a・・・正面側端面部, 11b・・・背面側端面部, 11c・・・底板部, 11d・・・天板部, 11e・・・ストッパー部, 11f・・・スリット, 12・・・板状部材差込み部, 13・・・コンタクト, 13d・・・接点部, 15,51・・・係止部材, 16・・・係止解除部材, 17・・・矩形透孔, 18・・・腕状部, 19・・・操作部, 20,53・・・基部, 21,54・・・弾性アーム部, 22,56・・・係合係止部, 23,55・・・外部接続部, 30・・・フレキシブル印刷配線基板, 30a・・・平板状部, 31・・・接触端子部, 32・・・係合部, 52・・・弾性帯状板材, 57・・・受圧部, 57a・・・端面部分
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