(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、用紙のカット幅と用紙坪量に応じて、前記紙片搬送部の搬送速度に対する前記用紙搬送部の搬送速度の減速率を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の後処理装置。
前記紙片搬送部のニップ圧を前記用紙搬送部のニップ圧より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の後処理装置。
前記紙片搬送部の摩擦係数を前記用紙搬送部の摩擦係数より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の後処理装置。
用紙に画像を形成する画像形成装置と、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部と、を有する後処理装置と、
前記用紙の搬送と前記紙片の搬送とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は前記カット部で紙片がカットされて前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される紙片とが並走状態を保てない場合に、前記紙片搬送部の搬送速度を前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定することを特徴とする画像形成システム。
前記制御部は、用紙のカット幅と用紙坪量に応じて、前記紙片搬送部の搬送速度に対する前記用紙搬送部の搬送速度の減速率を設定することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の画像形成システム。
前記紙片搬送部のニップ圧を前記用紙搬送部のニップ圧より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の画像形成システム。
前記紙片搬送部の摩擦係数を前記用紙搬送部の摩擦係数より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、カットされた用紙の剛度が低い場合やスリット幅が小さい場合はスリット後の紙片が形を保てず、搬送中の用紙から離れる方向に進んでしまう。この場合、カットされた用紙が斜め方向から送り込まれて搬送されるため、カット後の用紙から引き離される方向にさらに力がかかる。このため、カット面から紙片を引っ張る作用が働いて、カット面に毛羽立ちを発生させてしまい、製品品質を損なうという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、用紙をカットして搬送する際にカット面に不具合が生じることなく処理することができる後処理装置および画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の後処理装置のうち、第1の本発明は、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、
前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部と
、
前記用紙の搬送と前記紙片の搬送とを制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記カット部で紙片がカットされて前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される紙片とが、並走状態を保てない場合に、前記紙片搬送部の搬送速度を前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定することを特徴とする。
【0007】
第2の本発明の後処理装置は、前記第1の本発明において、
前記制御部は、前記カット部で紙片がカットされて前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される前記紙片と、の並走状態を判定
することを特徴とする。
【0008】
第3の本発明の後処理装置は、前記第2の本発明において、前記制御部は、前記用紙の剛度に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
【0009】
第4の本発明の後処理装置は、前記第2の本発明において、前記制御部は、搬送される用紙の紙種、紙目、厚み、カット幅のいずれか1以上に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
【0010】
第5の本発明の後処理装置は、前記第1〜第4の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、用紙のカット幅と用紙坪量に応じて、前記紙片搬送部の搬送速度に対する前記用紙搬送部の搬送速度の減速率を設定することを特徴とする。
【0011】
第6の本発明の後処理装置は、前記第5の本発明において、前記制御部は、前記減速率を用紙の紙種および紙目の一方または両方に基づいてさらに設定することを特徴とする。
【0012】
第7の本発明の後処理装置は、前記第1〜第6の本発明のいずれかにおいて、前記カット部が、用紙の天地の一方または両方をカットする機構であることを特徴とする。
【0013】
第8の本発明の後処理装置は、前記第1〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記紙片搬送部のニップ圧は前記用紙搬送部のニップ圧より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
【0014】
第9の本発明の後処理装置は、前記第1〜第8の本発明のいずれかにおいて、前記紙片搬送部の摩擦係数は前記用紙搬送部の摩擦係数より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
【0015】
第10の本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部と
、を有する後処理装置と、
前記用紙の搬送と前記紙片の搬送とを制御する制御部とを備え、
前記制御部は前記カット部で紙片がカットされて前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される紙片とが並走状態を保てない場合に、前記紙片搬送部の搬送速度を前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定することを特徴とする。
【0016】
第11の本発明の画像形成システムは、前記第10の本発明において、
前記制御部は、前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される前記紙片と、の並走状態を判定
することを特徴とする。
【0017】
第12の本発明の画像形成システムは、前記第11の本発明において、前記制御部は、前記用紙の剛度に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
【0018】
第13の本発明の画像形成システムは、前記第11の本発明において、前記制御部は、搬送される用紙の紙種、紙目、厚み、カット幅のいずれか1以上に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
【0019】
第14の本発明の画像形成システムは、前記第11〜第13の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、用紙のカット幅と用紙坪量に応じて、前記紙片搬送部の搬送速度に対する前記用紙搬送部の搬送速度の減速率を設定することを特徴とする。
【0020】
第15の本発明の画像形成システムは、前記第14の本発明において、前記制御部は、前記減速率を用紙の紙種および紙目の一方または両方に基づいてさらに設定することを特徴とする。
【0021】
第16の本発明の画像形成システムは、前記第10〜第15の本発明のいずれかにおいて、前記紙片搬送部のニップ圧は前記用紙搬送部のニップ圧より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
【0022】
第17の本発明の画像形成システムは、前記第10〜第16の本発明のいずれかにおいて、前記紙片搬送部の摩擦係数は前記用紙搬送部の摩擦係数より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
第18の本発明の後処理装置は、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、
前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部とを有し、
前記紙片搬送部のニップ圧を前記用紙搬送部のニップ圧より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
第19の本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部とを有し、前記紙片搬送部のニップ圧を前記用紙搬送部のニップ圧より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されている後処理装置を備えることを特徴とする。
第20の本発明の後処理装置は、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、
前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、
前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部とを有し、
前記紙片搬送部の摩擦係数を前記用紙搬送部の摩擦係数より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されていることを特徴とする。
第21の本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、1枚以上の用紙を搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送部で搬送される用紙の搬送方向に沿って用紙をカットするカット部と、前記カット部でカットされた紙片を搬送する紙片搬送部とを有し、前記紙片搬送部の摩擦係数を前記用紙搬送部の摩擦係数より低くすることで、前記紙片搬送部の搬送速度が前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定されている後処理装置を備えることを特徴とする。
第22の本発明の後処理装置は、前記第18または第20の本発明において、前記用紙の搬送と前記紙片の搬送とを制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記カット部で紙片がカットされて前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される前記紙片と、の並走状態を判定し、並走状態を保てないと判断される場合に、前記紙片搬送部の搬送速度を前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定することを特徴とする。
第23の本発明の画像形成システムは、前記第19または第21の本発明において、前記用紙の搬送と前記紙片の搬送とを制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記カット部で紙片がカットされて前記用紙搬送部で搬送される用紙と、前記カット部でカットされて前記紙片搬送部で搬送される前記紙片と、の並走状態を判定し、並走状態を保てないと判断される場合に、前記紙片搬送部の搬送速度を前記用紙搬送部の搬送速度よりも遅く設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、スリット面の毛羽立ちを防止することで安定したスリットを行うことができ、後処理成果物の品位を良好に維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
以下では、画像形成装置10と後処理装置30とを含む画像形成システム1について説明する。
図1に示す画像形成システムは、画像形成を行う画像形成装置10と、画像形成装置で画像が形成された用紙に冊子処理として中綴じ製本を行う後処理装置30とが機械的および電気的に接続されている。また、
図2は、変更例として画像形成装置10と後処理装置30との間に反転搬送装置20を介在させ、また、画像形成装置10の上流側に大容量給紙トレイ50を配置して連結し画像形成システム1としたものである。後処理装置30は、前方ブロック30Aと側方ブロック30Bとを有している。
【0026】
以下、
図2に示す画像形成システム1について機械的構成の概要を
図3を参照しつつ説明する。
画像形成システム1は、画像形成装置10と、反転搬送装置20と、後処理装置30とが連なって接続されている。
本発明としては画像形成システムの接続構成がこれに限定されるものではない。また、本発明の後処理装置は、画像形成装置に直接または間接に接続して使用される他、スタンドアローンで使用されるものであってもよい。
さらに、画像形成装置に後処理装置を内蔵した構成とすることもできる。
【0027】
画像形成装置10は、上部側に原稿読み込み部の一部を構成する自動原稿給送装置(ADF)15が設けられており、自動原稿給送装置(ADF)15で給送される原稿は図示しないスキャナー部で画像読取が可能になっている。なお、原稿は、図示しないプラテンガラス上で読み込むこともできる。
【0028】
また、画像形成装置10の画像形成装置本体10Aの上部側で、プラテンガラスが位置しない箇所に、LCD14が設置されている。LCD14はタッチパネルで構成されており、操作者による操作および情報の表示が可能になっている。LCD14は、操作部と表示部を兼用している。なお、操作部をマウスやタブレットなどで構成し、表示部とは別体で構成することも可能である。また、LCD14は移動可能となっているものであってもよい。
【0029】
画像形成装置10の下部側には、複数の給紙トレイ12(図では2段)が配置されて給紙可能になっている。
画像形成装置10内には、いずれかの給紙トレイ12から給紙される用紙を搬送する搬送経路13が設けられており、画像形成装置10内の搬送路途中に、画像形成部103が設けられている。画像形成部103は、感光体11Aと、感光体11Aの周囲に配置した図示しない、帯電器、LD、現像器、転写部を有しており、さらに感光体11Aの下流側の搬送経路13には定着器16が配置されている。
【0030】
定着器16の下流側で、搬送経路13が伸長して反転搬送装置20の搬送経路21に接続されている。
画像形成部103では、帯電器により画像書込み前に感光体11Aの表面を一様に帯電し、LDにより表面が一様に帯電された感光体11Aに半導体レーザを照射することにより感光体11Aに静電潜像を形成する。現像器は、LDによって感光体11Aに形成された静電潜像をトナー部材によって現像する。この現像処理によって感光体11Aにトナー画像が形成される。転写部は、給紙トレイ12から搬送されてきた用紙に感光体11Aのトナー画像を転写する。トナー画像が転写された用紙は、感光体11Aから分離されて定着器16に搬送される。感光体11Aに残留したトナー部材は、図示しないクリーニング部によって除去される。
【0031】
定着器16は、搬送された用紙を加熱することにより用紙の表面側に転写されたトナー画像を出力画像として定着する。定着処理が施された用紙は、搬送経路13によってそのまま反転搬送装置20に搬送されるか、表裏を反転した後、画像形成部103の上流側に環流して表裏反転された用紙の裏面に画像形成部103によって画像形成を行うことによって両面への印刷を行うことができる。
【0032】
反転搬送装置20には、前記したように搬送経路21が設けられており、その中途に反転搬送経路22が設けられて、搬送経路21で搬送される用紙の反転搬送を行うことができる。用紙の反転搬送を行わない場合には、反転搬送経路22をバイパスして搬送経路21によって下流側に用紙を搬送することができる。搬送経路21は、下流側で後処理装置30の搬送経路31に接続されている。
【0033】
後処理装置30では、中綴じステープルなどの所定の後処理と排紙とが行われる。
後処理装置30の前方ブロック30Aでは、搬送経路31の中途に整合機能を有する反転・重ね搬送路32を有し、反転・重ね搬送路32には、用紙へのすじ付けを行うクリーサー33を有している。その下流側に、用紙のカットを行うカット部34と、用紙に折り処理を行う折りユニット35がこの順で配置されている。この実施形態では、カット部34は、用紙の天地をカットする。
【0034】
また、後処理装置30では、前方ブロック30Aの側方に側方ブロック30Bが設けられており、側方ブロック30Bには、
図3では図示してない中綴じステープル部、角付けを行うスクエアホールド36、小口カットの断裁ユニット37を有している。また、側方ブロック30Bでは、後処理後の冊子を配置する冊子積載部321が設けられている。
【0035】
次に、画像形成システム1の制御ブロックの一部を
図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では、反転搬送装置20、大容量給紙トレイ50の説明は省略する。
画像形成装置10では、画像形成装置制御部100、シリアル通信部101、操作表示部102、画像形成部103、画像データ記憶部104、JOB記憶部105、印刷時間記憶部106、印刷順序決定部107、原稿読み込み部108、第1搬送部109、第2搬送部110、表紙識別部111、音声ガイダンス部112と、を備えている。
【0036】
画像形成装置10を制御する画像形成装置制御部100は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、不揮発メモリと、を有している。
ROMから読み出されてRAMに展開されたプログラムや不揮発メモリから読み出された設定データなどに基づいて、CPUの動作により、画像形成装置制御部100は、各種処理を実行する。また、画像形成装置制御部100では、画像形成システム1における反転搬送装置20や後処理装置30の制御を行い、本願発明の制御部を構成する。
また、不揮発メモリには、後処理装置30を制御する際の設定データを含んでおり、後述するカット部での制御データを有している。
【0037】
シリアル通信部101は、画像形成装置制御部100により制御され、反転搬送装置20を介して後処理装置30のシリアル通信部301とシリアル通信を行う。
【0038】
操作表示部102は、操作部102Aと、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部102Bと、複数JOB選択設定部102Cとを有する。なお、この実施形態では、操作部102Aと表示部102Bとは、LCD14で構成されている。複数JOB選択設定部102Cは、リスト化された複数のJOBのうちから必要なJOBを選択して実行することができ、操作部102Aと表示部102BとによってJOBのリストを表示して実行JOBを選択する操作入力を可能にする。
【0039】
操作表示部102は、画像形成装置制御部100により制御され、表示部102Bに各種操作スイッチや後処理に係る情報等を表示し、操作部102Aを介するユーザーからのタッチ入力により、反転処理、中綴じ処理、両面プリント等の給紙から排紙までの各種処理機能の種類や用紙サイズ、等の操作情報を取得して画像形成装置制御部100に出力する。
【0040】
画像形成部103は、画像形成装置制御部100により制御され、原稿読み込み部108により入力された原稿画像情報、又は画像形成装置10にネットワーク接続されたPC(Personal Computer)等の外部機器(図示略)から投入されたプリントジョブの画像情報に基づいて用紙に画像を形成する。
画像形成部103は、例えば、電子写真方式の画像形成部である。画像形成部103は、ドラム状の感光体11Aの周囲に、帯電部、露光部、現像部、転写部、分離部及びクリーニング部(いずれも図示略)が配置され、これらの電子写真プロセス装置により、帯電、露光、現像が行われて感光体上にトナー像が形成され、用紙に画像が転写されて画像形成される。画像形成に用いる画像データは、画像データ記憶部に格納される。印刷時間は、印刷時間記憶部106に記録される。
【0041】
JOBデータは、JOB記憶部105に記憶され、適宜読み出される。印刷順序決定部107は、JOBの印刷順序を決定するものであり、複数のJOBの印刷順序を予約JOBとして決定し、JOB記憶部105などに印刷順序を記録することができる。
【0042】
原稿読み込み部108は、画像形成装置制御部100により制御され、原稿の画像をCCD(Charge Coupled Device)等で読み取り、原稿画像情報を画像形成装置制御部100に出力する。画像形成装置制御部100では、ジョブデータをJOB記憶部105に記憶し、印刷に際し画像データ記憶部104に画像データを一時的に格納して画像形成を行う。
【0043】
第1搬送部109は、画像形成装置制御部100により制御され、給紙トレイ12から給紙された用紙を、画像形成部103を介して搬送して反転搬送装置20に排出する搬送ローラ等の搬送経路である。
【0044】
第2搬送部110は、画像形成装置制御部100により制御され、両面プリント時に、画像形成部103で片面が画像形成された用紙を反転機構(図示略)を介して搬送して、再度、画像形成部103に搬送する搬送ローラ等の搬送経路である。
搬送経路13は、第1搬送部109、第2搬送部110を含んでいる。
【0045】
表紙識別部111は、給紙される用紙が表紙かを識別するものであり、画像形成部103が印刷した画像(たとえば、用紙に印刷された表紙識別子など)または印刷ジョブに含まれる画像データなどから、冊子などの表紙となる印刷ページを識別する。この表示識別は、公知の方法で実行することができる。
【0046】
音声ガイダンス部112は、所定の操作において音声ガイダンスを行うことで操作を容易にするものであり、操作表示部102に操作釦を設けたり、音声ガイダンス用の釦を操作表示部102外に設けたりすることにより起動させることができる。
【0047】
次に、後処理装置30について説明する。
後処理装置30では、後処理装置30全体を制御する後処理装置制御部300、シリアル通信部301、シリアル通信部330、搬送部302、後段搬送部303、排出経路選択部304、整合機能(整合部)を有する重ね・反転部305、すじ付け部306、スリット部307、折り部310、中綴じステープル部311、角付け部312、冊子断裁部313、サブトレイ排出積載部315、冊子排出部320、冊子積載部321を備えている。
【0048】
シリアル通信部301は前述したように、画像形成装置10のシリアル通信部101とシリアル通信を行うものであり、シリアル通信部330は、後処理装置30の後段に将来接続される装置との間でシリアル通信を行うものである。
【0049】
搬送部302は、後処理装置30に搬送された用紙を前方ブロック30Aから側方ブロック30Bまたはサブトレイ排出積載部315に用紙を搬送する搬送ローラ等を含むものである。
後段搬送部303は、後処理装置30の後段に他の装置が接続されている場合、後処理装置30から他の装置に用紙を搬送するための搬送ローラ等の搬送経路部である。搬送経路31は、搬送部302に含まれている。
排出経路選択部304は、後処理装置制御部300により制御され、用紙を搬送部302、後段搬送部303、サブトレイ排出積載部315のいずれに排出するかを選択する。
【0050】
重ね・反転部305は、反転・重ね搬送路32を含んでおり、後処理装置制御部300によって制御され、搬送路や搬送ローラなどによって構成される。重ね・反転部305では、用紙を反転して重ね合わせて用紙束とすることができ整合部を有している。
【0051】
すじ付け部306は、用紙にすじ付けを行うクリーサー33を備えており、後処理装置制御部300による制御を受け、後処理内容に応じて用紙にすじ付け動作を行う。
【0052】
スリット部307は、用紙の天地カットを行うカット部34を備えており、後処理装置制御部300による制御を受け、後処理内容に応じて用紙に天地カットを行う。
【0053】
折り部310は、折りユニット35に含まれており、後処理装置制御部300による制御を受け、用紙に折り処理を施す。
【0054】
中綴じステープル部311は、後処理装置制御部300による制御を受け、幅方向の中央振り分け2箇所もしくは、4箇所に綴じ針を打って用紙束を綴るステープル処理を行うものであり、側方ブロック30Bに含まれる。
【0055】
角付け部312は、用紙背部の角付けを行うスクエアホールド36を備えており、後処理装置制御部300による制御を受け、折り目が形成された用紙束の背折り部を平坦にする角背処理を施す。角付け部312は、側方ブロック30Bに含まれている。
【0056】
冊子断裁部313は、断裁刃等を備える断裁ユニット37を備えており、後処理装置制御部300による制御を受け、折り部310、中綴じステープル部311により中折り処理、ステープル処理されて冊子化された用紙束に対して、用紙の小口を揃えるため小口を断裁する。冊子断裁部313は、側方ブロック30Bに含まれている。
【0057】
上記重ね・反転部305、すじ付け部306、スリット部307、折り部310、中綴じステープル部311、角付け部312、冊子断裁部313は、本願発明の後処理部を構成する。なお、本願発明としては後処理部の内容が特に限定されるものではなく、冊子処理が行えるものであれば特に限定されない。
冊子排出部320は、中綴じがされた用紙を冊子積載部321に排出するものである。
【0058】
次にスリット部307の詳細な構成を
図5〜
図7に基づいて説明する。
図6は、用紙搬送方向の側方から見たスリット部307を見た図である。
図5は、用紙搬送方向後方側からスリット部307を見た図であり、図奥側から図手前側に用紙が搬送される。
図7は、カット部34における用紙幅方向の一端部側を示す図である。
搬送経路31には、搬送ローラ40、41を有しており、一方を駆動ローラ、他方を従動ローラとして回転し、用紙Pを所定の速度で搬送する。搬送経路31、搬送ローラ40、搬送ローラ41は、用紙を搬送する本発明の用紙搬送部を構成する。搬送ローラ40、41による搬送速度(線速)は、画像形成装置制御部100によって決定され、その指令が後処理装置制御部300に伝達された搬送制御される。また、搬送ローラ40、41の搬送は、後処理装置制御部300で決定して制御するものであってもよい。この場合、後処理装置制御部300が本発明の制御部として機能する。
【0059】
搬送ローラ40、41の搬送方向下流側近くには、用紙を上下から押さえる用紙上押さえローラ41Aおよび用紙下押さえローラ40Aと、用紙幅方向の両側に位置する下刃42、42および上刃43、43とが配置されている。下刃42、42は駆動回転軸42Aで回転駆動され、上刃43、43は駆動回転軸43A、43Aで回転駆動される。
下刃42、42および上刃43、43は、幅方向位置を変更して用紙の幅方向左右における紙片幅(スリット幅)を変更することができる。なお、下刃42、42と上刃43、43とは、上刃43、43の下側の外周縁と、下刃42、42の上側の外周縁とが僅かに重なる高さ位置を有しており、上刃43、43が、それぞれ下刃42、42の外側に位置している。
【0060】
用紙のカットに際しては、上刃43、43がスプリングコイルなどの押圧部材45の押圧によって内側に押され、上刃43、43の周縁内面が下刃42、42の周縁外面にほぼ接触する。この状態で、下刃42、42、上刃43、43が用紙搬送方向に回転することにより、用紙搬送部から送られる用紙がカットされる。上刃43、43、駆動回転軸43A、43A、下刃42、42、駆動回転軸42A、42A、押圧部材45によって本発明のカット部が構成されている。
【0061】
上刃43、下刃42の位置よりも用紙搬送方向下流側には、搬送経路31を上下から挟むように、上ガイド46Aと下ガイド46Bとが用紙の搬送方向に沿って下流側に向けて伸長している。上刃43と下刃42とによって紙片がカットされた用紙Pは、搬送ロール40、41で搬送されつつ、上ガイド46A、下ガイド46B間を通って搬送経路31を移動する。
【0062】
一方、上刃43と下刃42とによってカットされた紙片PSは、上刃43と下刃42の位置から下流方向下側に伸張する上斜行ガイド47Aと下斜行ガイド47Bとの間を通ってスリット屑搬送ローラ48、49によって下方側に排出される。スリット屑搬送ローラ48、49は、紙片PSを下方側に移動するように回転駆動される。スリット屑搬送ローラ48、49の下方側には図示しないスリット屑収容箱などを配置してスリット屑を収容することができる。スリット屑搬送ローラ48、49の搬送速度(線速)は、画像形成装置制御部100によって決定され、その指令が後処理装置制御部300に伝達された搬送制御される。また、紙片の搬送速度を後処理装置制御部300で決定して制御するものであってもよい。この場合、後処理装置制御部300が本発明の制御部として機能する。また、スリット屑搬送ローラ48、49は、本発明の紙片搬送部に相当する。
なお、上記搬送ローラ40、41の搬送速度(線速)とスリット屑搬送ローラ48、49の搬送速度(線速)は、通常は同じ速度に設定されている。
【0063】
上記用紙のカット状態について
図8の平面図に基づいて説明する。
搬送ローラ40、41で搬送される用紙Pは、上記したように所定のスリット幅で上刃43と下刃42とによって用紙幅方向端部側が搬送方向に沿ってカットされる。この実施形態では、搬送方向に平行にして紙片PSがカットされている。なお、この図では、幅方向の一方側でのみカットする状態を図示しているが、用紙幅方向の両側をカットすることができる。紙片PSは、確実にスリット屑収容箱の方向に搬送されるように、上斜行ガイド47Aと下斜行ガイド47Bとで案内されつつ、スリット屑搬送ローラ48、49によってスリット屑収容箱などの方向に搬送される。
なお、紙片PS側の剛度が小さいと、用紙Pがカットされる際に、紙片PSに対して、用紙Pから離れる方向に広がる力Eが加わり、カットされた紙片PSが、用紙Pのカット後に残った部分と平行に搬送されず、斜めに搬送されやすくなる。搬送ローラ40、41からスリット屑搬送ローラ48、49までの間で斜めに搬送された紙片PSは、スリット屑搬送ローラ48、49により斜め方向で狭持され、その結果、カットされたスリット支点Fにさらに力がかかり、スリット支点Fにケバが生じやすくなる。ケバは、用紙の搬送とともに連続する。
【0064】
本実施形態では、用紙搬送速度に対してスリット屑搬送速度を遅くすることにより、両者の速度差から紙片PSとスリット屑搬送ローラ48、49との間に用紙のタワミを発生させ、そのタワミによりスリット支点にかかる力を弱め、ケバの発生を防止するものとしている。
【0065】
図9(A)(B)は、用紙搬送速度とスリット屑搬送速度との差に応じた用紙の搬送状態を示す図である。
図9(A)は、搬送ローラ40、41の搬送速度(線速)を1000mm/秒に設定し、スリット屑搬送ローラ48、49の搬送速度(線速)を1000mm/秒に設定しており、両者の速度が同じに設定された従来例を示している。
この形態では、用紙の剛度が弱いと、上刃と下刃によって切断された紙片PSが残部の用紙Pから広がる方向に力が加わり、スリット切片Fにケバが生じやすくなる。
【0066】
図9(B)は、搬送ローラ40、41の搬送速度(線速)を1000mm/秒に設定し、スリット屑搬送ローラ48、49の搬送速度(線速)を980mm/秒に設定しており、スリット屑搬送ローラ48、49による搬送速度を搬送ローラ40、41による搬送速度よりも小さく設定(減速)している。これにより、スリット支点F近傍に用紙のタワミが発生し、ケバの発生を防止している。
【0067】
また、スリット屑搬送ローラ48、49のニップ圧を搬送ローラ40、41より低くすることで、用紙搬送力とスリット屑搬送力に差が生まれ、
図9(B)に示すように、上刃と下刃によって切断された紙片PSが残部用紙Pから広がる方向に力を加わりにくくすることができ、スリット切片Fにケバが生じにくくなる。
【0068】
また同様に、スリット屑搬送ローラ48、49の摩擦力を搬送ローラ40、41より低くすることで、用紙搬送力とスリット屑搬送力に差が生まれ、
図9(B)に示すように、上刃と下刃によって切断された紙片PSが残部用紙Pから広がる方向に力を加わりにくくすることができ、スリット切片Fにケバが生じにくくなる。
【0069】
以下に、紙片搬送速度を設定する手順を
図10以降のフローチャートに基づいて説明する。
紙片搬送速度を用紙の搬送速度よりも小さくする場合、
図10に示すように、用紙搬送速度を取得し(ステップs1)、取得した用紙搬送速度に応じてスリット屑搬送ローラの速度を設定する(ステップs2)。なお、以下の手順は、画像形成装置制御部の制御によって実行される。また、後処理装置で制御する場合は、後処理装置制御部の制御によって実行される。
【0070】
表1は、用紙搬送速度(1000mm/秒)に対し、スリット屑搬送ローラの速度を変更した際のケバ発生状態などを評価した結果である。この際のスリット用紙屑幅は、5mmに設定した。評価では、ケバ、曲がり、切り曲がりの生じなかったものを○で評価した。これらのいずれかで不具合を生じたものは、△または×で評価した。
【0071】
減速率によるケバ防止などの効果は、用紙の種別によって異なるものの、減速率が所定の範囲では、概ね良好な結果が得られた。ただし、用紙の坪量が小さい用紙では、ケバが生じやすく、紙片搬送の減速によって顕著な効果が得られている。また、減速率を大きくしすぎると、用紙の曲がりや切り曲がりが生じることも明らかになっている。
【0073】
紙片搬送速度の設定に際しては、用紙の剛度などに拘わらず、決定することができる。
図10の手順において用紙搬送速度を取得してスリット屑搬送ローラ速度を設定する際に、
図11の手順にしたがって、紙片搬送速度を設定することができる。以下の手順は、画像形成装置制御部の制御によって実行される。また、後処理装置で制御する場合は、後処理装置制御部の制御によって実行される。
すなわち、
図11のフローでは、取得した用紙搬送速度に対し、一律に2%の減速を行うように紙片搬送速度を設定する(ステップs10)。
【0074】
また、紙片搬送速度は、用紙の剛度に基づいて減速率を決定するようにしてもよい。用紙の剛度は、紙種、厚み、紙目、スリット幅に影響を受けるため、これを考慮して紙片搬送速度を設定することができる。以下の手順は、画像形成装置制御部の制御によって実行される。また、後処理装置で制御する場合は、後処理装置制御部の制御によって実行される。
【0075】
図12は、紙片搬送速度の設定に際し、カットされる用紙の紙種、厚み、紙目、スリット幅よりスリット屑(紙片)の広がり量、あるいはテーブルより取得して減速率を決定する(ステップs20)。
表2は、通常用紙において用紙坪量とスリット幅に基づいて紙片搬送速度を決定するテーブルを示している。このテーブルからは、用紙坪量が大きくなるほど減速率を小さく設定し、スリット幅が小さくなるほど減速率を大きく設定している。テーブルは紙種毎に用意してもよい。
【0076】
表3は、紙目が縦目の用紙指定で使用する場合、用紙坪量とスリット幅に基づいて紙片搬送速度を決定するテーブルを示している。このテーブルからは、用紙坪量が大きくなるほど減速率を小さく設定し、スリット幅が小さくなるほど減速率を大きく設定している。通常用紙を使用する場合に比べて縦目の用紙は剛度が大きいため、減速率は表2よりも全体に小さい値に設定されている。
【0077】
表4は、光沢用紙指定で使用する場合、用紙坪量とスリット幅に基づいて紙片搬送速度を決定するテーブルを示している。このテーブルからは、用紙坪量が大きくなるほど減速率を小さくし、スリット幅が小さくなるほど減速率を大きく設定している。光沢用紙は、坪量が同一でもスリット屑の動きが通常の用紙とは異なるため、坪量が増えた場合でも通常よりも減速させる必要がある。
【0081】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。