(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電動モータから遠い側の軸受を前記中心間距離を増減する方向に移動可能とするために、電動モータから遠い側の軸受とこれを保持する軸受保持部との間には、所定の隙間量の隙間が設けられている。
このため、大トルクを伝達するときに、ウォームがウォームホイールから受ける駆動反力によって、電動モータから遠い側の軸受が、前記隙間量の範囲内で軸直角方向に振れる。
【0006】
一方、ウォームに進み角を設けている関係上、ウォームの軸方向から見た駆動反力の方向(軸直角方向)が、左操舵のときと、右操舵のときとで異なる。このため、左右の操舵で、ウォームとウォームホイールの歯当たりが異なる。このため、左右の操舵で、噛み合い率が変化して伝達トルク(アシストトルク)が異なり、その結果、操舵フィーリングが異なり、運転者に違和感を与えるおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、静粛で操舵方向による操舵フィーリングの相違を抑制することのできる電動パワーステアリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、請求項1の発明は、電動モータ(16)の回転軸(20)に継手(21)を介して揺動可能に且つトルク伝達可能に連結された第1端部(18a)および前記第1端部の反対側の第2端部(18b)を有するウォーム(18)と、前記ウォームに噛み合うウォームホイール(19)と、前記ウォームおよび前記ウォームホイールを収容したハウジング(17a)と、前記ハウジングに保持され、前記ウォームの第1端部を回転可能に且つ軸方向(X1)に移動可能に支持する第1軸受(25)と、前記ウォームの第2端部を回転可能に支持しウォームの第2端部とともに軸方向に移動可能な第2軸受(26)と、
前記第1軸受の両側に配置され、前記第1軸受を介して前記ウォームを軸方向の中立位置に弾性的に付勢する一対の弾性部材(27A,27B)と、前記第2軸受を介して前記ウォームの第2端部を前記ウォームホイール側に弾性的に付勢する付勢部材(54)と、前記ウォームを前記ハウジングに対してセンタリングするセンタリング機構(60)と、を備え、前記センタリング機構は、前記ハウジングに設けられ前記軸方向に対して傾斜したテーパ状の駆動面(471,472)と、前記第2軸受の外周に設けられ、前記駆動面に対して逆向きに傾斜したテーパ状の被駆動面(431,432)と、を含
み、前記ウォームが前記中立位置にある状態で、前記駆動面と前記被駆動面との間に、隙間(S1,S2)が形成されている電動パワーステアリング装置(1)を提供する。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ
。
【0010】
また、請求項
2のように、前記センタリング機構は、前記第2軸受の軸方向移動に伴って、前記駆動面と前記被駆動面とを面接触させて、前記第2軸受の軸方向移動を径方向移動に変換することにより、前記第2軸受を介して前記ウォームをセンタリングしてもよい。
また、請求項
3のように、前記駆動面は、前記ウォームの軸方向に対して互いに逆向きに傾斜する第1駆動面(471)と第2駆動面(472)とを含み、前記被駆動面は、前記第1駆動面に対向する第1被駆動面(431)と、前記第2駆動面に対向する第2被駆動面(432)と、を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、直進走行時や微小操舵時には、付勢部材によって第2軸受を介してウォームの第2端部がウォームホイール側に弾性的に付勢されて、ウォームとウォームホイールとのバックラッシが除去されるので、ガタに起因する騒音の発生が抑制されて静粛である。
また、大舵角操舵時(大負荷時)には、駆動反力の軸方向成分を受けたウォームが軸方向に変位し、センタリング機構のテーパ状の駆動面と被駆動面とが接触する。これにより第2軸受(ウォーム)の軸方向移動が径方向移動に変換されて、ウォームがセンタリングされる。したがって、左操舵と右操舵とで、噛み合い率が変化せず相等しいアシスト特性を得ることができるので、良好な操舵フィーリングを達成することができる。
【0012】
また
、直進走行時等で実質的に負荷を受けていないときに、ウォームが中立位置にあって駆動面と被駆動面との間に隙間が形成されているので、付勢部材によるバックラッシ除去が実質的に可能となる。また、負荷が大きくなったときに、第2軸受の径方向および軸方向への移動が担保されるので、センタリング機構によるセンタリングが実質的に可能となる。
【0013】
また、請求項
2の発明によれば、センタリング機構の駆動面と被駆動面とが面接触するので、第2軸受の軸方向移動を径方向移動に確実に変換して、ウォームを確実にセンタリングすることができる。
また、請求項
3の発明によれば、電動モータの回転方向に応じて対応する駆動面と被駆動面とが面接触するので、操舵方向に拘らず、ウォームを良好にセンタリングすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態の電動パワーステアリング装置の概略構成図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結しているステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3に自在継手4を介して連結される中間軸5と、中間軸5に自在継手6を介して連結されるピニオン軸7と、ピニオン軸7の端部近傍に設けられたピニオン7aに噛み合うラック8aを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラックバー8とを有している。ピニオン軸7およびラックバー8により、ラックアンドピニオン機構からなる転舵機構Aが構成されている。
【0016】
ラックバー8は車体に固定されるハウジング9内に図示しない複数の軸受を介して直線往復動可能に支持されている。ラックバー8の両端部はハウジング9の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド10が結合されている。各タイロッド10は対応するナックルアーム(図示せず)を介して対応する転舵輪11に連結されている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3が回転されると、この回転がピニオン7aおよびラック8aによって、自動車の左右方向に沿ってのラックバー8の直線運動に変換される。これにより、転舵輪11の転舵が達成される。
【0017】
ステアリングシャフト3は、一端に操舵部材2が連結された入力側の第1操舵軸3aと、ピニオン軸7に連なる出力側の第2操舵軸3bと、第1操舵軸3aと第2操舵軸3bとを同一軸線上で相対回転可能に連結したトーションバー3cとを備えている。
トーションバー12を介する第1操舵軸3aと第2操舵軸3bとの間の相対回転変位量に基づいて操舵トルクを検出するトルクセンサ13が設けられている。トルクセンサ13のトルク検出結果は、ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)14に与えられる。ECU14では、トルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、駆動回路15を介して操舵補助用の電動モータ16を駆動制御する。
【0018】
電動モータ16の出力回転が伝動装置としての減速機17を介して減速されてピニオン軸7に伝達され、ラックバー8の直線運動に変換されて、操舵が補助される。減速機17は、電動モータ16により回転駆動される駆動ギヤとしてのウォーム18と、このウォーム18に噛み合うと共にステアリングシャフト3の第2操舵軸3bに一体回転可能に連結された被動ギヤとしてのウォームホイール19とを備えている。
【0019】
図2に示すように、ウォーム18は電動モータ16の回転軸20と同軸上に配置される。ウォーム18は、その軸方向X1に離隔する第1端部18aおよび第2端部18bと、第1端部18aおよび第2端部18b間の中間部に歯部18cとを有する。
ウォームホイール19は、ステアリングシャフト3の第2操舵軸3bの軸方向中間部に一体回転可能に且つ軸方向移動不能に連結されている。ウォームホイール19は、第2操舵軸3bに一体回転可能に結合された環状の芯金19aと、芯金19aの周囲を取り囲み外周に歯部19cを形成した合成樹脂部材19bとを備える。芯金19aは、例えば合成樹脂部材19bの樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。
【0020】
ウォーム18の第1端部18aとこれに対向する電動モータ16の回転軸20(出力軸)の端部とは、継手21を介してトルク伝達可能に且つ互いに揺動可能に連結されている。具体的には、継手21は、電動モータ16の回転軸20に一体回転可能に且つ軸方向移動不能に連結された第1係合部材22と、ウォーム18の第1端部18aに一体回転可能に且つ軸方向移動不能に連結された第2係合部材23と、第1係合部材22と第2係合部材23との間に介在し、両係合部材22,23間にトルクを伝達する弾性部材24とを備えている。
【0021】
第1係合部材22および第2係合部材23は、互いの係合突起221,231を周方向の交互に配置している。図示していないが、弾性部材24は、環状の主体部から放射状に延びる複数の係合腕を有している。両係合部材22,23の周方向に隣接する係合突起221,231間に、弾性部材24の対応する係合腕が挟持されている。継手21の弾性部材24が弾性変形することにより、回転軸20に対するウォーム18の揺動が許容されている。
【0022】
図2の一部を拡大した
図3に示すように、第2係合部材23は、ウォーム18の第1端部18aに一体回転可能に且つ軸方向移動不能に嵌合されたボス23aと、ボス23aから径方向外方に延びる環状フランジ23bとを備えている。前記係合突起は、環状フランジ23bから軸方向に延びている。
再び
図2を参照して、減速機17のハウジング17aは、ウォーム18の第2端部18bに対向する開口17bを有している。開口17bは、開口17bの内周に螺合されてハウジング17aの一部をなす蓋部材17cによって閉塞されている。
【0023】
ウォーム18の第1端部18aは、第1軸受25を介して減速機17のハウジング17aに回転可能に支持されている。ウォーム18の第2端部18bは、第2軸受26を介して減速機17のハウジング17aに回転可能に支持されている。第1軸受25および第2軸受26は、例えば玉軸受により構成されている。ウォーム18の第1端部18aには、ウォーム18を軸方向X1の中立位置に付勢する一対の弾性部材27A,27Bが配置されている。
【0024】
第1軸受25は、ウォーム18の第1端部18aに一体回転可能に嵌合された内輪28と、減速機17のハウジング17aに設けられた軸受保持孔29にブッシュ30を介して保持された外輪31とを備えている。
図3に示すように、外輪31とブッシュ30の端部の環状フランジ30aとが、軸受保持孔29の端部に設けられた位置決め段部32と、軸受保持孔29の入口にねじ嵌合された止定部材33との間で軸方向に挟持されている。これにより、外輪31の軸方向移動が規制されている。
【0025】
第1軸受25の内輪28は、ウォーム18の第1端部18aの外周に一体回転可能に嵌合されている。一対の弾性部材27A,27Bは、内輪28を軸方向に挟んだ両側に配置されており、ウォーム18を軸方向X1の中立位置に付勢している。弾性部材27A,27Bは、例えばゴム、熱可塑性エラストマーなどの弾性材料で形成されたブッシュである。
【0026】
一方の弾性部材27Aは、ウォーム18の外周の位置決め段部34に当接した環状の受け板35と、内輪28の一方の端面に当接した環状の受け板36との間に介在している。他方の弾性部材27Bは、内輪28の他方の端面に当接した環状の受け板37と、継手21の第2係合部材23の環状フランジ23bに当接した受け板38との間に介在している。各受け板35,36,37,38は、例えば金属製である。
【0027】
第1端部18aの外周には、受け板35および一方の弾性部材27Aが嵌合された第1環状凹部39と、内輪28が嵌合された第2環状凹部40と、第2係合部材23のボス23aが嵌合された第3環状凹部41とが設けられている。第1環状凹部39、第2環状凹部40および第3環状凹部41の順で、外径が段階的に小さくされている。
再び
図2を参照して、第2軸受26は、内輪42および外輪43を備えている。第2軸受26の内輪42は、ウォーム18の第2端部18bの外周に設けられた第4環状凹部44に一体回転可能に嵌合されている。内輪42は、ウォーム18の第2端部18bの先端に設けられたねじ部に螺合したナット45と、第2端部18bの外周に設けられた位置決め段部46との間に挟持されている。これにより、ウォーム18に対する内輪42の軸方向移動が規制されている。
【0028】
ハウジング17aには、第2軸受26を収容するための収容孔47が設けられている。収容孔47は、ハウジング17aにおける、ウォーム18用の収容孔の一部を拡径して形成されている。
収容孔47は、第2軸受26を、ウォーム18とウォームホイール19の中心間距離D1(ウォーム18の回転中心C1とウォームホイールの回転中心C2との距離に相当)が増減する方向Y1,Y2(増加する方向Y1および減少する方向Y2)に偏倚可能に保持することのできる偏倚孔(
図5参照)に形成されている。
【0029】
電動パワーステアリング装置1は、ウォーム18とウォームホイール19とのバックラッシを除去するバックラッシ除去機構50と、ウォーム18をハウジング17aに対してセンタリングするセンタリング機構60とを備えている。
図2および
図2の第2軸受26の周辺の拡大図である
図4に示すように、バックラッシ除去機構50は、収容孔47に連通するようにハウジング17aに設けられた支持孔51と、支持孔51の深さ方向に往復移動可能に支持され第2軸受26の外輪43の外周に当接する押圧部材52と、支持孔51の入口を封止する封止部材53と、封止部材53と押圧部材52との間に介在し、押圧部材52および第2軸受26を介してウォーム18の第2端部18bをウォームホイール19側(中心間距離D1が減少する方向Y2)へ弾性的に付勢する、例えば圧縮コイルばねからなる付勢部材54とを備えている。
【0030】
支持孔51は、収容孔47からウォームホイール19とは反対方向に延びている。封止部材53の外周に設けられた雄ねじ部53aが、支持孔51の入口の内周に設けられた雌ねじ部51aに螺合することで、封止部材53が支持孔51に固定されている。
押圧部材52は、前面に平坦な押圧面52aを有する押圧部52bと、押圧部52bの後面の中央部から封止部材53側へ延びる軸部52cとを備えている。圧縮コイルばねからなる付勢部材54の一端の外周が、封止部材53の前面に設けられた環状凹部53bの内周に嵌合し、付勢部材54の他端の内周が、軸部52cの外周に嵌合している。これにより、付勢部材54の倒れが抑制されている。
【0031】
図4および
図2のV−Vに沿う断面図である
図5を参照して、ハウジング17aに設けられた収容孔47の内周は、円筒面47a(
図5参照)と、円筒面47aを軸方向X1に挟んだ両側に配置され、軸方向X1に対して互いに逆向きに傾斜したテーパ状の第1駆動面471および第2駆動面472(
図4参照)とを備えている。
一方、第2軸受26の外輪43の外周は、収容孔47の円筒面47aに対向する円筒面43a(
図5参照)と、円筒面43aを軸方向X1に挟んだ両側に配置され、軸方向X1に対して互いに逆向きに傾斜するテーパ状の第1被駆動面431および第2被駆動面432(
図4参照)とを備えている。
【0032】
第1駆動面471と第1被駆動面431とが対向し、第2駆動面472と第2被駆動面432とが対向している。また、外輪43の第1端面433が、収容孔47の環状の第1内壁面473に軸方向X1に対向し、外輪43の第2端面434が、収容孔47の環状の第2内壁面474に軸方向X1に対向している。各内壁面473,474は、第2軸受26の外輪43の軸方向X1の最大移動量を規制する。
【0033】
すなわち、センタリング機構60は、ハウジング17aに設けられ軸方向X1に対して互いに逆向きに傾斜したテーパ状の第1駆動面471および第2駆動面472と、第2軸受26の外輪43の外周の軸方向X1の両端に設けられ、第1駆動面471および第2駆動面472に対してそれぞれ逆向きに傾斜したテーパ状の第1被駆動面431および第2被駆動面432とを備えている。第2駆動面472および第2内壁面474は、ハウジング17aの一部をなす蓋部材17
cに設けられている。
【0034】
図4に示すように、直進走行時や微小舵角操舵時で、ウォーム18が実質的に軸方向X1の中立位置にある状態では、第1駆動面471と第1被駆動面431との間に、隙間S1が形成され、第2駆動面472と第2被駆動面432との間に、隙間S2が形成されている。ウォーム18が軸方向X1の中立位置にある状態では、両隙間S1,S2の量(隙間量)が相等しくされている。
【0035】
センタリング機構60の機能は下記である。すなわち、第1操舵方向への大舵角操舵時(大負荷時)に、駆動反力の軸方向成分F1を受けたウォーム18とともに第2軸受26が、
図6に示すように軸方向X1の一方へ移動し、第1駆動面471と第1被駆動面431とが面接触する。これにより、センタリング機構70は、第2軸受26の軸方向移動を径方向移動に変換して第2軸受26を介してウォーム18をセンタリングするように機能する。
図6に示すように、センタリングが完了したときに、第1端面433が第1内壁面473に当接するので、ウォーム18がセンタリング位置に位置決めされる。
【0036】
一方、第2操舵方向への大舵角操舵時(大負荷時)に、駆動反力の軸方向成分F2を受けたウォーム18とともに第2軸受26が、
図7に示すように軸方向X1の他方へ移動し、第2駆動面472と第2被駆動面432とが面接触する。これにより、センタリング機構70は、第2軸受26の軸方向移動を径方向移動に変換して第2軸受26を介してウォーム18をセンタリングするように機能する。
図7に示すように、センタリングが完了したときに、第2端面434が第2内壁面474に当接するので、ウォーム18がセンタリング位置に位置決めされる。
【0037】
図6および
図7に示すように、大舵角操舵時(大負荷時)でウォーム18がセンタリング位置に位置決めされた状態では、バックラッシ除去機構50が作動しなくなるが、何ら問題ない。というのは、バックラッシによる異音が問題となるのは、直進走行時やハンドル切り返し初期における低負荷の場合であり、もともと、大舵角操舵時は、バックラッシ除去機構50に頼らずとも、大トルク伝達のためにウォーム18とウォームホイール19が噛み合っていてバックラッシがゼロになっているため、問題とならないからである。
【0038】
本実施形態によれば、直進走行時や微小操舵時には、付勢部材54によって第2軸受26を介してウォーム18の第2端部18bがウォームホイール19側に弾性的に付勢されて、ウォーム18とウォームホイール19とのバックラッシが除去されるので、ガタに起因する騒音の発生が抑制されて静粛である。
また、大舵角操舵時(大負荷時)には、駆動反力の軸方向成分F1またはF2を受けたウォーム18が軸方向X1の対応する方向へ変位し、センタリング機構60のテーパ状の駆動面471(または472)と被駆動面431(または432)とが接触する。これにより、ウォーム18の軸方向移動が径方向移動に変換されて、ウォーム18がセンタリングされる。したがって、左操舵と右操舵とで、噛み合い率が変化せず相等しいアシスト特性を得ることができるので、良好な操舵フィーリングを達成することができる。
【0039】
また、直進走行時や微小舵角操舵時でウォーム18が実質的に負荷を受けていなときには、ウォーム18が軸方向X1の中立位置にあって駆動面471,472と対応する被駆動面431,432との間に、それぞれ隙間S1,S2が形成されているので、付勢部材54によるバックラッシ除去が実質的に可能となる。また、負荷が大きくなったときに、第2軸受26の径方向および軸方向X1への移動が担保されるので、センタリング機構60によるセンタリングが実質的に可能となる。
【0040】
また、センタリング機構60の駆動面471,472と被駆動面431,432とが面接触するので、第2軸受26の軸方向移動を径方向移動に確実に変換して、ウォーム18を確実にセンタリングすることができる。
また、電動モータ16の回転方向に応じて対応する駆動面471(または472)と被駆動面431(または432)とが面接触するので、操舵方向に拘らず、ウォーム18を良好にセンタリングすることができる。
【0041】
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。