(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発光制御手段は、前記設定対象切り換え手段により選択された発光制御単位を、選択状態を表す所定の発光状態に制御し、前記発光色切り換え手段により選択された発光色で発光色設定対象の発光制御単位を発光させる、請求項3に記載の信号表示灯。
前記設定対象切り換え手段は、前記第1態様の操作に応答して、前記複数の発光制御単位を発光色設定対象として順次切り替え、さらにいずれの発光制御単位も選択しない非選択状態とすることができ、
前記発光色情報登録手段は、
前記設定対象切り換え手段が前記非選択状態であるときに、前記多機能スイッチに対する、前記第1態様と区別可能な第5態様の操作に応答して、前記発光色決定手段によって決定された発光色を表す発光色情報を前記発光色情報記憶手段に書き込む書き込み手段をさらに含む、請求項3または4に記載の信号表示灯。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、この発明の一実施形態に係る信号表示灯の構成を説明するための概略構成図である。信号表示灯1は、生産装置5に備えられた信号灯制御装置2によって制御される。信号灯制御装置2は、生産装置5の動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であってもよい。信号灯制御装置2は、信号表示灯1を制御するための複数の制御信号を出力する制御信号出力装置である。その複数の制御信号に従って、信号表示灯1の表示状態が変化する。信号灯制御装置2は、生産装置5の稼働状況に対応する制御信号を出力する。制御信号は、たとえば、正常動作中、部品欠品発生、部品欠品予告、管理者呼び出し要求、その他の異常発生を表す信号であってもよい。
【0024】
信号表示灯1は、制御ユニット11と、信号報知部12とを備えている。信号報知部12は、1つ以上の発光ユニット21,22,23,24,25を含む。具体的には、信号報知部12は、制御ユニット11の上に5段に積層された発光ユニット21,22,23,24,25を含む。
【0025】
各発光ユニット21〜25は、光源を内部に含み、他の発光ユニットの上段または下段に積層して結合することができるように構成されている。換言すれば、各発光ユニット21〜25は、他の発光ユニットを、その上段または下段に積層して結合することができる。また、各発光ユニット21〜25は、制御ユニット11の上段に積層して結合することができるように構成されている。「結合する」とは、この場合、機械的に結合でき、かつ、電気的に接続することを言う。信号表示灯1は、一つの制御ユニット11と、これに積層された少なくとも一つの発光ユニット21〜25とを含み、バー状(もしくはタワー状)に構成されている。信号報知部12は、1以上の任意の数の発光ユニットを積層して構成することができ、発光ユニットの着脱によって、発光ユニットの数(段数)を増加したり減少したりすることができる。制御ユニット11および各発光ユニット21〜25を1つの筐体内に収容してもよい。
【0026】
各発光ユニットに含まれる光源は、LED(発光ダイオード)であってもよい。この実施形態では、各発光ユニットは、複数色から選択した一色でそれぞれ発光可能に構成されている。より具体的には、この実施形態では、各発光ユニットは、3色を発光することができるフルカラー型の発光ユニットである。各発光ユニットは、たとえば、緑色光源としての緑色LED、赤色光源としての赤色LEDおよび青色光源としての青色LEDを含む。これらのLEDをひとつだけ発光させることにより、緑色、赤色または青色を表示できる。緑色LEDおよび赤色LEDを同時に発光させることによって、黄色発光できる。緑色LEDおよび青色LEDを同時に発光させることにより、シアン色発光できる。赤色LEDおよび青色LEDを同時に発光させることにより、マゼンタ色発光できる。さらに、緑色LED、赤色LEDおよび青色LEDの同時発光によって、白色発光できる。
【0027】
各発光ユニットは、フルカラー型発光ユニットでなくてもよく、たとえば2色発光が可能な複数色発光型の発光ユニットであってもよい。より具体的には、緑色光源としての緑色LEDおよび赤色光源としての赤色LEDを含んでいてもよい。緑色LEDを点灯させることにより緑色発光でき、赤色LEDを点灯させることにより赤色発光でき、緑色LEDおよび赤色LEDを同時点灯させることにより橙色発光できる。したがって、発光色が3色となる。
【0028】
図2は、信号表示灯1の電気的構成例を説明するためのブロック図である。信号灯制御装置2は、前述のとおり、たとえば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構成されている。信号灯制御装置2は、制御信号線6によって、制御ユニット11に接続されている。制御ユニット11は、制御部31、外部入出力部(I/O)32、内部入出力部(I/O)33、クロック34、メモリ35、ブザー駆動回路(アンプ)36、ブザー(スピーカ)37、ディップ(DIP)スイッチ38、および音量調節スイッチ40を含む。制御部31は、CPU(中央処理ユニット)を含み、この制御部31に、外部入出力部32、内部入出力部33、クロック34、メモリ35、ブザー駆動回路36、ディップスイッチ38、および音量調節スイッチ40が接続されている。
【0029】
外部入出力部32に制御信号線6が接続されている。内部入出力部33には、発光ユニット21〜25が接続されている。クロック34は、時間計測のためのクロック信号を制御部31に供給する。ブザー駆動回路36は、制御部31によって制御され、必要時に、ブザー37に駆動電力を供給して、ブザー37を鳴動させる。音量調節スイッチ40は、ブザー37の音量を調節するために操作者によって操作されるスイッチである。制御部31は、音量調節スイッチ40の操作に応答して、ブザー駆動回路36がブザー37に供給する電力を変化させる。それによって、ブザー37の音量が調節される。音量調節スイッチ40は、この実施形態では、音量調節のための操作手段を提供するほか、発光ユニット21〜25の発光色を設定するための発光色設定操作手段を提供する多機能スイッチである。音量調節スイッチ40は、たとえば、モメンタリ型の押しボタンスイッチであってもよい。モメンタリ型のスイッチとは、操作している期間中に信号を出力するスイッチである。
【0030】
メモリ35は、たとえば、記憶内容の書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されている。メモリ35は、制御部31の動作プログラムのほか、信号報知部12の制御のために必要な制御情報を記憶する。
【0031】
信号灯制御装置2は、複数の制御信号線6にそれぞれ異なる制御信号を出力してもよい。すなわち、複数の制御信号にそれぞれ出力されるオン/オフ信号によって、複数種類の制御信号が表されてもよい。また、信号灯制御装置2は、共通の制御信号線6にディジタルデータ形式の制御信号を出力してもよい。
【0032】
ディップスイッチ38は、たとえば、ブザー出力時のブザー音を選択するためのスイッチであってもよい。
【0033】
図3は、制御部31の機能的な構成を説明するためのブロック図である。制御部31は、CPUが所定の動作プログラムを実行することによって実現される複数の機能処理部を有している。それらの機能処理部は、発光制御部51、ブザー音量調節部52、ブザー制御部53、および発光色情報登録部54を含む。
【0034】
メモリ35に格納された制御情報は、外部入出力部32に入力される制御信号に対する発光ユニット21〜25およびブザー37の動作を設定した動作テーブル70と、ブザー37の設定音量を表す音量データ73とを含む。信号灯制御装置2から与えられる制御信号は、発光制御信号およびブザー制御信号を含む。動作テーブル70は、発光制御信号に対する発光ユニット21〜25の発光色の対応関係を設定した発光色情報が格納された発光色テーブル71と、ブザー制御信号に対するブザー37の鳴動状態の対応関係を設定した鳴動情報が格納された鳴動テーブル72とを含む。これらのうち、発光色テーブル71は、変更可能な可変テーブルである。発光色テーブル71を格納したメモリ35は、発光色情報記憶手段の一例である。
【0035】
発光制御部51は、外部入出力部32に入力される制御信号(とくに発光制御信号)に基づいて、発光色テーブル71に格納された発光色情報に従って、複数の発光ユニット21〜25の発光状態を制御する。この実施形態では、発光制御部51は、個々の発光ユニット21〜25の発光状態を個別に制御する。すなわち、個々の発光ユニット21〜25が、発光制御部51が信号報知部12を制御するときの発光制御単位である。
【0036】
ブザー音量調節部52は、音量調節スイッチ40の操作に応答して、音量データ73を段階的に変化させる。音量データ73は、下限値(たとえば消音に対応)と上限値との間で複数段階(たとえば8段階)に変更可能である。ブザー音量調節部52は、音量調節スイッチ40が操作されると、音量データ73を1段階変化させる。たとえば、ブザー音量調節部52は、音量調節スイッチ40が操作されるたびに1段階ずつ音量データ73を大きくし、上限値に達すると、1段階ずつ音量データ73を小さくし、下限値に達すると、再び1段階ずつ音量データ73を大きくする。ブザー制御部53は、ブザー制御信号によってブザー37の鳴動が指令されると、鳴動テーブル72に格納された鳴動情報によって指定される音色の音を、音量データ73に応じた音量で、ブザー37から発音させるように、ブザー駆動回路36を制御する。ブザー制御部53は、音量データ73に対応する駆動電力がブザー37に供給されるように、ブザー駆動回路36を制御する。したがって、ブザー音量調節部52は、音量データ73の可変設定によって、ブザー駆動回路36がブザー37に供給する駆動電力を可変設定し、それによって音量を調節する。
【0037】
発光色情報登録部54は、後述する報知設定モードにおいて、音量調節スイッチ40の操作に基づいて、発光色テーブル71に発光色情報を登録するための機能処理部である。発光色情報登録部54は、設定対象切り換え部55、設定対象決定部56、発光色切り換え部57、発光色決定部58、および書き込み部59を含む。
【0038】
設定対象切り換え部55は、音量調節スイッチ40に対する短押し操作(第1態様の操作)に応答して、発光色設定対象の発光ユニットを切り換える。設定対象決定部56は、音量調節スイッチ40に対する長押し操作(前記第1態様と区別可能な第2態様の操作)に応答して、発光色設定対象の発光ユニットを決定する。発光色切り換え部57は、発光色設定対象の発光ユニットが決定した後、音量調節スイッチ40に対する短押し操作(第3態様の操作)に応答して、発光色設定対象の発光ユニットの発光色を切り換える。発光色決定部58は、音量調節スイッチ40に対する長押し操作(前記第3態様と区別可能な第4態様の操作)に応答して、発光色設定対象の発光ユニットの発光色を決定する。
【0039】
発光制御部51は、設定対象切り換え部55により選択された発光ユニットを、選択状態を表す所定の点灯状態(たとえば点滅状態)に制御し、発光色切り換え部57により選択された発光色で発光色設定対象の発光ユニットを点灯させる。
【0040】
設定対象切り換え部55は、短押し操作(前記第1態様の操作)に応答して、複数の発光ユニットを発光色設定対象として順次切り替え、さらにいずれの発光ユニットも選択しない非選択状態とすることができる。書き込み部59は、設定対象切り換え部55が非選択状態であるときに、音量調節スイッチ40に対する長押し操作(前記第1態様と区別可能な第5態様の操作)に応答して、発光色決定部58によって決定された発光色を表す発光色情報を発光色テーブル71に書き込む。
【0041】
発光制御部51は、前記非選択状態において、複数の発光ユニットの少なくとも一つを、非選択状態を表す所定の点灯状態に制御する。たとえば、発光制御部51は、全ての発光ユニットを消灯することにより、非選択状態を表現してもよい。
【0042】
図4は、制御部31の動作モードの例を説明するためのモード遷移図である。制御部31の動作モードは、初期モード、通常動作モード、保守パターン設定モード、および報知設定モードを含む。
【0043】
初期モードは、電源投入から通常動作モードに遷移するまでの期間のモードである。初期モードでは、制御部31は、信号報知部12の点灯パターンによって、内部制御プログラムのバージョン表示を行う。また、初期モード中に、音量調節スイッチ40に対して所定の操作(たとえば長押し操作)が行われると、保守パターン設定モードに遷移する。長押し操作は、所定時間(たとえば3秒)以上に渡って音量調節スイッチ40を連続して操作し続ける(具体的には押し続ける)操作である。音量調節スイッチ40の連続操作時間が当該所定時間に満たない操作は、短押し操作である。
【0044】
通常動作モードは、外部入出力部32に入力される制御信号に応じて報知動作を行う動作モードである。制御部31は、入力された制御信号に基づいて、メモリ35内の動作テーブル70を参照して、発光ユニット21〜25およびブザー37の動作を制御する(主として発光制御部51およびブザー制御部53の機能)。通常動作モード中に、音量調節スイッチ40に対して所定の操作(たとえば長押し操作)が行われると、保守パターン設定モードに遷移する。
【0045】
保守パターン設定モードは、行いたい保守メンテナンスの種類を選択するためのモードである。保守メンテナンスの種類は、音量調節スイッチ40の操作によって選択できる。具体的には、保守パターン設定モード中に音量調節スイッチ40の短押し操作が行われると、保守メンテナンスの種類が短押し操作のたびに所定の順序で切り換わる。そして、所望の保守メンテナンスの種類が選択された状態で音量調節スイッチ40に長押し操作が行われると、その保守メンテナンスの種類が決定となり、該当する保守メンテナンスモードに遷移する。保守メンテナンスモードは、複数の保守メンテナンスの種類に対応して、複数個存在する。そのうちの一つが、報知設定モードである。したがって、音量調節スイッチ40の短押し操作で報知設定モードを選択し、その選択状態で音量調節スイッチ40を長押し操作することによって、報知設定モードに遷移する。保守パターン設定モード中に音量調節スイッチ40の操作が所定の自動復帰時間(たとえば60秒)に渡って行われないときには、通常動作モードに自動復帰する。報知設定モード以外の保守メンテナンスモードとしては、点滅速度選択モードなどを例示できる。
【0046】
報知設定モードは、発光ユニット21〜25の発光色を設定するモードであり、主として、発光色情報登録部54の機能による。報知設定モードは、設定対象の発光ユニットを選択するための第1設定モードと、設定対象の発光ユニットに対して発光色を選択する第2設定モードとを含む。報知設定モードに遷移した直後は第1設定モードとなる。
【0047】
第1設定モードでは、音量調節スイッチ40の短押し操作に応答して、設定対象の発光ユニットが所定の順序で切り換わる(設定対象切り換え部55の機能)。それによって、設定したい発光ユニットを選択できる。その選択状態で、音量調節スイッチ40に対する長押し操作が行われると、選択中の発光ユニットが設定対象として選択決定されて(設定対象決定部56の機能)、第2設定モードに遷移する。
【0048】
第2設定モードでは、短押し操作に応答して、設定対象の発光ユニットの発光色が所定の順序で切り換わる(発光色切り換え部57の機能)。それによって、発光色を選択できる。このとき、設定対象の発光ユニットが、選択された発光色で発光する(発光制御部51の機能)。いずれかの発光色の選択状態で、音量調節スイッチ40に対する長押し操作が行われると、選択中の発光色が当該設定対象の発光ユニットの発光色として決定される(発光色決定部58の機能)。発光色が決定すると、第1設定モードに遷移する。
【0049】
第1設定モードでは、音量調節スイッチ40の短押し操作によって、いずれの発光ユニットも選択されていない非選択状態を選択することができる(設定対象切り換え部55の機能)。この非選択状態で音量調節スイッチ40を長押しすると、報知設定モードに入ってから設定された発光色の設定が確定され、発光色テーブルへの書き込み(登録)が実行される(書き込み部59の機能)。
【0050】
その後、通常動作モードに遷移する。第1設定モードまたは第2設定モードにおいて、所定の自動復帰時間(たとえば60秒)に渡って音量調節スイッチ40に対する操作が行われないときには、通常動作モードに自動的に遷移する。
【0051】
図5は、初期モードにおける制御部31の動作例を説明するためのフローチャートである。生産装置5の電源が投入されると、生産装置5からの給電線(図示せず)によって信号表示灯1に電力が供給される。それによって、制御部31は、初期モードに従う動作を開始する。具体的には、制御部31は、電源投入後、所定時間が経過すると、内部制御プログラムのバージョンを表示する動作を実行する(ステップS1)。バージョンの表示は、たとえば、発光ユニット21〜25の点灯パターンの制御によって行うことができる。より具体的には、1段目の発光ユニット21の発光色によってバージョンを表示し、2段目の発光ユニット22の発光色によってリビジョンを表示するようにしてもよい。さらに具体的には、次表1に示す規則に従って、発光色および連続点灯/点滅によって、各発光ユニットの点灯状態と数とを対応付けておき、この規則に従って、バージョン表示を1段目の発光ユニット21で行い、リビジョン表示を2段目の発光ユニット22で行ってもよい。2段目の消灯は、リビジョン「0」を表すこととしてもよい。
【0053】
たとえば、1段目の発光ユニット21を赤色で連続点灯させ、2段目の発光ユニット22を緑色で連続点灯させることによって、「バージョン1.2」を表示できる。バージョン表示の際の発光ユニット21,22の発光輝度は、全点灯状態の輝度を100%として表すと、50%程度として、通常動作時の発光状態と明確に区別できるようにすることが好ましい。
【0054】
バージョン表示は、所定時間(たとえば10秒)に渡って行われる。このバージョン表示動作中に、制御部31は、音量調節スイッチ40に対して所定時間(たとえば3秒)以上の長押し操作が行われたか否かを監視する(ステップS2)。バージョン表示動作中に長押し操作が検出されたときには(ステップS2:YES)、バージョン表示動作終了後に、保守パターン設定モード(ステップS3)に遷移する。バージョン表示動作中に長押し操作が検出されなければ、バージョン表示動作終了後に通常動作モード(ステップS4)に遷移する。
【0055】
図6は、通常動作モードにおいて制御部31が所定の制御周期毎に繰り返す処理例を説明するためのフローチャートである。制御部31は、外部入出力部32に入力される制御信号(発光制御信号およびブザー制御信号)を取得する(ステップS11)。そして、制御部31は、発光色テーブル71を参照し、取得した発光制御信号に応じて、発光ユニット21〜25の発光状態を制御する(ステップS12。発光制御部51の機能)。また、制御部31は、鳴動テーブル72および音量データ73を参照して、取得したブザー制御信号に応じて、ブザー37を制御する(ステップS13。ブザー制御部53の機能)。
【0056】
たとえば、次表2に示すように、外部入出力部32に接続された制御信号線は、発光制御信号線W1〜W5と、ブザー制御信号線W6,W7と、共通信号線W8とを有していてもよい。この場合に、発光制御部51は、発光制御信号線W1〜W5への信号入力を、それぞれ、次表2に示す報知色の光による発光報知指令と解釈するようにプログラムされていてもよい。また、ブザー制御部53は、ブザー制御信号線W6,W7への信号入力を、それぞれ、次表2に示すブザー音による鳴動報知指令と解釈するようにプログラムされていてもよい。この場合、発光色テーブル71は、次表3に示すように、各報知色に対して、当該報知色が発光色として設定された発光ユニットの段番号を対応付ける形式のテーブルであってもよい。段番号は、制御ユニット11から数えて何段目に当該発光ユニットが位置しているかを表す。
【0059】
発光制御部51は、有意な信号が入力された発光制御信号線W1〜W5に基づいて報知色を特定する(表2参照)。そして、発光制御部51は、発光色テーブル71(表3参照)を参照し、その特定した報知色が発光色として設定された発光ユニットを特定する。発光制御部51は、そうして特定された発光ユニットを、発光色テーブル71に登録された発光色で点灯させる。これにより、発光制御信号に対応した発光色での信号表示を行うことができる。
【0060】
ブザー制御部53は、有意な信号が入力されたブザー制御信号線W6,W7に基づいてブザー音を特定する(表2参照)。そして、ブザー制御部53は、音量データ73を参照し、特定されたブザー音が音量データ73に従う音量でブザー37から発音されるように、ブザー駆動回路36を制御する。これにより、ブザー制御信号に対応した報知音を発生させることができる。
【0061】
発光色テーブル71は、同じ発光色を複数の発光ユニットに対応付ける発光色設定情報を格納していてもよい。このような例を次表4に示す。
【0063】
この場合、赤色を報知色として指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、4段目および5段目の発光ユニット24,25の両方を赤色発光させる。同様に、黄色を報知色として指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、2段目および3段目の発光ユニット22,23の両方を黄色発光させる。そして、緑色を報知色として指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、1段目の発光ユニット21を緑色発光させる。また、青色を報知色として指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、1段目の発光ユニット21を青色発光させる。白色を報知色として指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、1段目〜5段目の発光ユニット21〜25を白色発光させる。
【0064】
上記の他にも、発光色と発光部分(段番号)との対応付けは、種々に変更可能である。
【0065】
また、発光制御部51は、次表5に示すように、発光制御信号線W1〜W5への入力信号を、それぞれ、5段の発光ユニット21〜25のうちのいずれかの段番号の発光ユニットを発光させるための発光報知指令と解釈するようにプログラムされていてもよい。ブザー制御部53は、ブザー制御信号線W6,W7への信号入力を、それぞれ、次表5に示すブザー音による鳴動報知指令と解釈するようにプログラムされていてもよい。この場合、発光色テーブル71は、次表6に示すように、各発光ユニットの段番号に対して、当該段番号の発光ユニットに対して設定された発光色を対応付ける形式のテーブルであってもよい。
【0068】
発光制御部51は、有意な信号が入力された制御信号線W1〜W5に基づいて、発光させるべき発光ユニットを特定する(表4参照)。そして、発光制御部51は、発光色テーブル71(表6参照)を参照し、当該特定された発光ユニットに対して設定された発光色を取得する。発光制御部51は、当該発光ユニットを当該取得された発光色で発光させる。これにより、発光制御信号に対応した段番号の発光ユニットを、予め設定した発光色で発光させて、信号表示を行うことができる。
【0069】
ブザー制御部53の動作は、前述の場合と同様である。
【0070】
発光色テーブル71は、異なる段番号の発光ユニットに同じ発光色を対応付ける発光色設定情報を格納していてもよい。このような例を次表7に示す。
【0072】
この場合、5段目の発光を指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、5段目の発光ユニット25を赤色発光させる。同様に、4段目の発光を指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、4段目の発光ユニット24を赤色発光させる。また、3段目の発光を指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、3段目の発光ユニット23を黄色発光させる。2段目の発光を指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、2段目の発光ユニット22を黄色発光させる。そして、1段目の発光を指定する発光報知指令を受信すると、発光制御部51は、1段目の発光ユニット21を緑色発光させる。
【0073】
上記の他にも、発光部分(段番号)と発光色との対応付けは、種々に変更可能である。
【0074】
一方、ブザー音量調節部52は、音量調節スイッチ40に対する操作が行われると(ステップS14)、それに応答して、音量データ73を変更する(ステップS15)。これにより、ブザー駆動回路36がブザー37に供給する電力を変化し、それによって、ブザー37の音量が変更される。たとえば、ブザー37の音量は、8段階(消音段階を含んでいてもよい。)に設定可能とされていてもよい。そして、制御部31は、音量調節スイッチ40に対する操作が行われるたびに、ブザー37の音量を一段階変更し、確認のために、その変更後の音量でブザー37を鳴動させてもよい。
【0075】
図7は、保守パターン設定モードにおける制御部31の動作例を説明するためのフローチャートである。保守パターン設定モードに入ると、制御部31は、信号報知部12を制御して、保守パターン設定モードであることを表す表示を行わせる(ステップS21)。たとえば、制御部31は、全ての発光ユニット21〜25を白色で一回点滅させ、その後、各段の発光ユニット21〜25の設定色で全ての発光ユニット21〜25を点灯(連続点灯)させる。このときの点灯状態は、たとえば、50%程度の輝度での点灯とし、通常動作モードでの信号表示と明確に区別できるようにしておくことが好ましい。各発光ユニットの発光色は、発光色テーブル71に従えばよい。
【0076】
発光色テーブル71には、たとえば、初期値として、下から順に白色、青色、緑色、黄色、赤色の発光色が5段の発光ユニット21〜25に対してそれぞれ設定されていてもよい。発光ユニットが4段の4段仕様のときの発光色の初期値は、下から順に、青色、緑色、黄色、赤色としてもよい。同様に、3段仕様のときの発光色の初期値は、下から順に、緑色、黄色、赤色としてもよい。さらに2段仕様のときの発光色の初期値は、下から順に、緑色、赤色としてもよい。そして、1段仕様のときの発光色の初期値は赤色としてもよい。
【0077】
次に、制御部31は、信号報知部12を制御して、複数の保守パターンのうちのいずれの保守パターンが選択中であるかを表す表示を行わせる。たとえば、第1〜第5の保守パターンが選択可能である場合には、対応する段番号の発光ユニットを点滅状態(たとえば50%輝度)とし、残余の段の発光ユニットを連続点灯状態(たとえば50%輝度)としてもよい。すなわち、たとえば、第2の保守パターンが選択されているときには、第2段目の発光ユニット22を点滅状態とすればよい。このとき、通常動作モードでの信号表示と明確に区別できるように、たとえば、50%程度の輝度での点滅状態とすることが好ましい。保守パターン設定モードに入った直後には、第1の保守パターンが自動的に選択され(ステップS22)、たとえば、第1段目の発光ユニット21が50%輝度での点滅状態となる。
【0078】
制御部31は、さらに、自動復帰時間を計測するためのタイマをリセットして計測を開始する(ステップS23)。制御部31は、クロック34(
図2参照)からのクロック信号に基づいて、内部のタイマを作動させて時間を計測する。タイマが自動復帰時間の経過を計測するまでに音量調節スイッチ40の操作入力が検出されなければ(ステップS24:NO)、制御部31は、動作モードを通常動作モードに遷移させる(ステップS25)。
【0079】
タイマが自動復帰時間の経過を計測する前に音量調節スイッチ40の操作を検出すると(ステップS24:YES)、制御部31は、その操作が所定時間以上連続する長押し操作か、当該所定時間以下の短押し操作かを判断する(ステップS26)。短押し操作の場合には、制御部31は、保守パターンの選択状態を切り換える(ステップS27)。具体的には、音量調節スイッチ40が短押し操作されるたびに、制御部31は、予め定められた順序で複数の保守パターン(たとえば、第1〜第5の保守パターン)の選択状態を切り換えていく。そして、制御部31は、信号報知部12を制御して、切り換えられた後の保守パターンを表す表示を行わせる(ステップS28)。たとえば、第2の保守パターンの選択中に音量調節スイッチ40の短押し操作を行うと、第3の保守パターンが選択状態となり、第3段目の発光ユニット23が50%輝度での点滅状態に制御され、残余の発光ユニットは50%輝度での連続点灯状態に制御される。このときの発光色は、発光色テーブル71に従えばよい。この後、制御部31は、ステップS23からの動作を繰り返す。
【0080】
いずれかの保守パターンが選択状態となっているときに音量調節スイッチ40の長押し操作が検出されると(ステップS26:YES)、制御部31は、当該選択状態の保守パターンの選択を確定し、当該保守パターンに従う設定モードに遷移する(ステップS29)。複数の保守パターンに従うモードの1つが、報知設定モードである。
【0081】
図8は、報知設定モードの第1設定モードにおける制御部31の処理例を説明するためのフローチャートである。第1設定モードは、発光色を設定する対象となる発光ユニットを選択して決定するためのモードである。第1設定モードに入ると、制御部31は、信号報知部12を制御して、第1設定モードであることを表す表示を行わせる(ステップS31。発光制御部51の機能)。たとえば、発光制御部51は、全ての発光ユニット21〜25を白色で二回点滅させ、その後、各段の発光ユニット21〜25の設定色で全ての発光ユニット21〜25を連続点灯させる。このときの点灯状態は、たとえば、50%程度の輝度での点灯とし、通常動作モードでの信号表示と明確に区別できるようにしておくことが好ましい。各発光ユニットの発光色は、発光色テーブル71に従えばよい。
【0082】
次に、制御部31は、信号報知部12を制御して、いずれの発光ユニット21〜25が設定対象候補として選択中であるかを表す表示を行わせる(発光制御部51の機能)。たとえば、選択中の発光ユニットを点滅状態とし、残余の段の発光ユニットを連続点灯状態としてもよい。すなわち、たとえば、第2段目の発光ユニット22が選択状態のときは、第2段目の発光ユニット22を点滅状態とすればよい。このとき、通常動作モードでの信号表示と明確に区別できるように、たとえば、50%程度の輝度での点滅状態とすることが好ましい。報知設定モードの第1設定モードに入った直後には、第1段目の発光ユニット21が自動的に選択されて設定対象候補となり、たとえば、第1段目の発光ユニット21が50%輝度での点滅状態となる(ステップS32)。
【0083】
制御部31は、さらに、自動復帰時間を計測するためのタイマをリセットして計測を開始する(ステップS33)。
【0084】
設定対象候補の発光ユニットは、音量調節スイッチ40を短押し操作することによって、切り換えることができる。より具体的には、音量調節スイッチ40の短押し操作を行うたびに、所定の順序で、設定対象候補の発光ユニットが切り換わり、それによって、任意の発光ユニットを設定対象候補として選択することができる。さらに、この実施形態では、音量調節スイッチ40の短押し操作によって、いずれの発光ユニットも選択されていない非選択状態(null)とすることができる。つまり、音量調節スイッチ40の短押し操作を繰り返すと、設定対象候補の発光ユニットが所定の順に切り換わり、いずれかの発光ユニットの選択状態の後に、非選択状態となる。いずれかの発光ユニットが設定対象候補として選択状態のときに音量調節スイッチ40の長押し操作が検出されると、制御部31は、その発光ユニットを設定対象として確定して、第1設定モードに遷移する。一方、非選択状態のときに音量調節スイッチ40の長押し操作が行われると、制御部31は、報知設定モードで設定された発光色情報を発光色テーブルに登録するための処理を行う。
【0085】
そこで、制御部31は、非選択状態(null)かどうかを判断し(ステップS34)、その判断結果に応じて異なる処理を実行する。いずれかの発光ユニットが選択状態であれば、制御部31は、前記タイマが自動復帰時間の経過を計測するまでに音量調節スイッチ40の操作入力があるかどうかを判断する(ステップS35)。自動復帰時間の経過が計測されるまでに音量調節スイッチ40の操作入力が検出されなければ(ステップS35:NO)、制御部31は、動作モードを通常動作モードに遷移させる(ステップS36)。
【0086】
タイマが自動復帰時間の経過を計測する前に音量調節スイッチ40の操作を検出すると(ステップS35:YES)、制御部31は、その操作が長押し操作か短押し操作かを判断する(ステップS37)。短押し操作の場合には、制御部31は、発光ユニットの選択状態を切り換える(ステップS38。設定対象切り換え部55の機能)。具体的には、音量調節スイッチ40が短押し操作されるたびに、設定対象切り換え部55は、予め定められた発光ユニット21〜25の選択状態を切り換えていく。そして、制御部31は、信号報知部12を制御して、切り換えられた後の設定対象候補の発光ユニットを表す表示を行わせる(ステップS39。発光制御部51の機能)。たとえば、第2段目の発光ユニット22の選択中に音量調節スイッチ40の短押し操作を行うと、第3段目の発光ユニット23が選択状態となり、第3段目の発光ユニット23が50%輝度での点滅状態に制御され、残余の発光ユニットは50%輝度での連続点灯状態に制御される。このときの発光色は、発光色テーブルに従う。この後、制御部31は、ステップS33からの動作を繰り返す。
【0087】
いずれかの発光ユニットが設定対象候補として選択状態となっているときに音量調節スイッチ40の長押し操作が検出されると(ステップS37:YES)、制御部31は、当該選択状態の発光ユニットを設定対象として確定し(ステップS40。設定対象決定部56の機能)、第2設定モードに移行する(ステップS41)。
【0088】
一方、ステップS34において、非選択状態(null)であると判断されると、制御部31は、前記タイマが自動復帰時間の経過を計測するまでに音量調節スイッチ40の操作入力があるかどうかを判断する(ステップS42)。自動復帰時間の経過が計測されるまでに音量調節スイッチ40の操作入力が検出されなければ(ステップS42:NO)、制御部31は、動作モードを通常動作モードに遷移させる(ステップS43)。
【0089】
タイマが自動復帰時間の経過を計測する前に音量調節スイッチ40の操作を検出すると(ステップS42:YES)、制御部31は、その操作が長押し操作か短押し操作かを判断する(ステップS44)。短押し操作の場合には、制御部31は、発光ユニットの選択状態を切り換える(ステップS38)。すなわち、非選択状態から、いずれかの発光ユニットが設定対象候補として選択された状態となる。この後、制御部31は、ステップS39からの処理を繰り返す。
【0090】
一方、非選択状態(null)のときに、音量調節スイッチ40の長押し操作が検出されると(ステップS44:YES)、制御部31は、当該報知設定モードにおける設定内容を発光色テーブルに書き込む(ステップS45。書き込み部59の機能)。そして、制御部31は、発光色テーブルの登録が行われたことを表示するために、信号報知部12を制御する(ステップS46。発光制御部51の機能)。具体的には、発光制御部51は、全ての発光ユニット21〜25を所定時間(たとえば5秒間)だけ、50%輝度で点滅させてもよい。この後、制御部31は、動作モードを通常動作モードに遷移させる(ステップS47)。
【0091】
図9は、報知設定モードの第2設定モードにおける制御部31の処理例を説明するためのフローチャートである。第2設定モードは、第1設定モードで選択して決定された設定対象の発光ユニットの発光色を選択して決定するためのモードである。
【0092】
第2設定モードに入ると、制御部31は、信号報知部12を制御して、第2設定モードであることを表す表示を行わせる(ステップS51。発光制御部51の機能)。たとえば、発光制御部51は、全ての発光ユニット21〜25を白色で三回点滅させ、その後、各段の発光ユニット21〜25の設定色で全ての発光ユニット21〜25を点灯(連続点灯)させる。このときの点灯状態は、たとえば、50%程度の輝度での点灯とし、通常動作モードでの信号表示と明確に区別できるようにしておくことが好ましい。各発光ユニットの発光色は、発光色テーブル71に従えばよい。
【0093】
次に、制御部31は、信号報知部12を制御して、いずれの発光ユニットが設定対象であるかを表す表示を行わせる(ステップS52。発光制御部51の機能)。たとえば、制御部31は、設定対象の発光ユニットを50%輝度で点滅させ、残余の段の発光ユニットを連続点灯状態としてもよい。このときの、発光色は、発光色テーブル71に従えばよい。たとえば、第2段目の発光ユニット22が設定対象であるときは、第2段目の発光ユニット22を発光色テーブルでの設定に従う発光色で、点滅状態とすればよい。
【0094】
制御部31は、さらに、自動復帰時間を計測するためのタイマをリセットして計測を開始し(ステップS53)、タイマが自動復帰時間の経過を計測するまでに音量調節スイッチ40の操作入力があるかどうかを判断する(ステップS54)。自動復帰時間の経過が計測されるまでに音量調節スイッチ40の操作入力が検出されなければ(ステップS54:NO)、制御部31は、動作モードを通常動作モードに遷移させる(ステップS55)。
【0095】
タイマが自動復帰時間の経過を計測する前に音量調節スイッチ40の操作を検出すると(ステップS54:YES)、制御部31は、その操作が長押し操作か短押し操作かを判断する(ステップS56)。短押し操作の場合には、制御部31は、発光ユニットの発光色を切り換える(ステップS57。発光色切り換え部57の機能)。具体的には、音量調節スイッチ40が短押し操作されるたびに、発光色切り換え部57は、予め定められた順序で発光色を切り換えていく。そして、制御部31は、信号報知部12を制御して、切り換えられた後の発光色で設定対象候補の発光ユニットを発光(たとえば点滅)させる(ステップS58。発光制御部51の機能)。発光色の切り換えは、所定の順序(たとえば、赤色、緑色、青色、黄色、シアン、マゼンタ、白、赤の順)で、順次循環的に行われてもよい。発光色の切り換えの後、制御部31は、ステップS53からの動作を繰り返す。
【0096】
いずれかの発光色で設定対象の発光ユニットが発光(点滅)しているとき、すなわち、当該発光色の選択状態で、音量調節スイッチ40の長押し操作が検出されると(ステップS56:YES)、制御部31は、当該選択状態の発光色を当該設定対象の発光ユニットの発光色として決定する(ステップS59。発光色決定部58の機能)。そして、制御部31は、発光色が設定されたことを表示するために、信号報知部12を制御する(ステップS60,S61。発光制御部51の機能)。具体的には、制御部31は、全ての発光ユニット21〜25を白色で点滅させ(ステップS60)、その後に、設定対象の発光ユニットを決定した発光色で所定時間だけ点滅発光させて(ステップS61)、発光色の決定を表示させてもよい。その後、制御部31は、動作モードを第1設定モードに遷移させ、
図8のステップS33からの処理を実行する。
【0097】
以上のように、この発明によれば、信号表示灯1に備えられた音量調節スイッチ40を操作することによって、発光ユニット21〜25の発光色を指定するための発光色情報を発光色テーブルに登録することができる。その登録された発光色情報に従って、入力制御信号に応じて、複数の発光ユニット21〜25の発光状態が制御される。これにより、簡単な作業で発光ユニット21〜25の発光色を設定することができ、予め発光色情報を格納したメモリを用意する作業や、コンピュータを信号表示灯1に設定して行う設定作業を要しない。
【0098】
また、制御部31は、ブザー37に駆動電力を供給するためのブザー駆動回路36と、音量調節スイッチ40の操作に応答して、ブザー駆動回路36がブザー37に供給する駆動電力を可変設定することによりブザー37の音量を調節する。したがって、ブザー37の音量調節のための音量調節スイッチ40を用いて、発光ユニット21〜25の発光色を設定でき、音量調節スイッチ40を多機能スイッチとして用いることができる。したがって、特別なスイッチを設けることなく、簡単な作業で、発光ユニット21〜25の発光色を設定できる。
【0099】
また、この実施形態に係る信号表示灯1は、ブザー駆動回路36によって駆動されるブザー37を含み、制御部31は、入力される制御信号に基づいて、ブザー駆動回路36を駆動することにより、ブザー37を鳴動させる。この構成によれば、ブザー37が備えられているので、通常の使用時において、音量調節スイッチ40を操作することによって、ブザー37の音量を調節することができる。
【0100】
信号表示灯1は、ブザー37を必ずしも備えている必要はない。その場合でも、信号表示灯1は、ブザー駆動回路36および音量調節スイッチ40を備えていることが好ましい。それによって、ブザー付きの仕様およびブザー無しの仕様のいずれにも対応することができる。そして、いずれの仕様においても、音量調節スイッチ40の操作によって、発光ユニット21〜25の発光色を簡単な作業で設定することができる。
【0101】
さらに、この実施形態では、報知設定モードの第1設定モードにおいて、音量調節スイッチ40に対して短押し操作(第1態様の操作)を行うことで、複数の発光ユニット21〜25のなかから発光色設定対象の発光ユニットを切り換え、その後、長押し操作(第2態様の操作)を行うことで、発光色設定対象の発光ユニットを決定できる。こうして、複数の発光ユニット21〜25のなかから発光色設定対象の発光ユニットを選択して決定でき、発光色設定のための第2設定モードに移行できる。
【0102】
そして、第2設定モードにおいて、音量調節スイッチ40に対して短押し操作(第3態様の操作)を行うことによって、設定対象の発光ユニットの発光色を切り換え、その後、長押し操作(第4態様の操作)を行うことで、発光色を決定できる。こうして、各発光ユニットに対して、複数の発光色のなかから一つの発光色を選択して設定できる。
【0103】
また、この実施形態では、発光色設定対象の発光ユニットが選択状態を表す発光状態(たとえば50%輝度の点滅)に制御される。さらに、発光色の設定時には、選択された発光色で、設定対象の発光ユニットが発光(50%輝度での点滅)される。この構成により、発光色設定状態の発光ユニットをその発光状態によって認識できる。また、選択されている発光色が、その発光色によって認識できる。すなわち、発光ユニットを視覚的なインタフェースとして利用しながら、音量調節スイッチ40の操作によって、任意の発光ユニットの発光色を任意の色に設定することができる。
【0104】
さらに、この実施形態では、報知設定モードの第1設定モードにおいて、音量調節スイッチ40の短押し操作(前記第1態様の操作)によって、複数の発光ユニットを発光色設定対象として順次切り換え、さらにいずれの発光ユニットも選択しない非選択状態とすることができる。そして、その非選択状態で、音量調節スイッチ40に対する長押し操作(第5態様の操作)に応答して、制御部31は、決定された発光色を表す発光色情報を発光色テーブルに書き込む。これにより、音量調節スイッチ40の操作によって、発光色情報を発光色テーブル71に登録できる。
【0105】
さらに、この実施形態では、前記非選択状態では、全ての発光ユニットが消灯状態に制御される。それによって、操作者は、非選択状態を確実に認識できるので、発光色情報を発光色テーブル71に確実に登録できる。
【0106】
以上、この発明の一実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、音量調節スイッチ40を多機能スイッチとして用いているが、音量調節スイッチ以外のスイッチを多機能スイッチとしてもよい。具体的には、音量調節スイッチに加えて、多機能スイッチを設けてもよい。
【0107】
また、前述の実施形態では、個々の発光ユニットが制御部31による発光制御単位である例を示したが、個々の発光ユニットが発光制御単位である必要はなく、複数の発光ユニットのグループが発光制御単位であってもよい。つまり、1つ以上の発光ユニットで発光制御単位を構成し、その発光制御単位ごとに発光色を設定できるようにしてもよい。この場合には、前述の実施形態において、「発光ユニット」を「発光制御単位」と読み替えればよい。複数の発光制御単位は、同数の発光ユニットを含んでいてもよいし、異なる数の発光ユニットで構成した2つ以上の発光制御単位を含んでいてもよい。
【0108】
また、前述の実施形態では、音量調節スイッチ40の長押し操作と短押し操作とを区別する例を示したが、音量調節スイッチ40に対する操作は、これらの態様に限られない。たとえば、短押し操作/長押し操作の代わりに、シングルクリック操作/ダブルクリック操作などの他の操作であってもよい。また、音量調節スイッチ40が音量増大操作と音量低減操作との2つの操作が可能なスイッチであれば、音量増大操作と音量低減操作とを、設定対象または発光色の切り換え操作と、設定対象または発光色の決定操作とにそれぞれ割り当ててもよい。
【0109】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。