(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967474
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】手摺りの取付構造及び取付方法
(51)【国際特許分類】
E04F 11/18 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
E04F11/18
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-111424(P2012-111424)
(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-238032(P2013-238032A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介
(72)【発明者】
【氏名】紀之定 剛
【審査官】
西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−019388(JP,U)
【文献】
特開平10−299214(JP,A)
【文献】
特開2009−155916(JP,A)
【文献】
実開平06−061195(JP,U)
【文献】
特開2006−263186(JP,A)
【文献】
実公昭44−022773(JP,Y1)
【文献】
特開2006−200155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
A47K 17/02
A47K 17/00
A47K 4/00
A47K 3/02
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットバス等の壁面パネルにボルト及び壁面パネル背後に配置した座金ナットを使用して手摺りが固定されている手摺りの取付構造であって、
前記壁面パネルの背後に補強板が配置されると共に、前記補強板は結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュで壁面パネルに固定され、前記補強板の背後には座金ナットが固定され、前記座金ナットにボルトを介して手摺り端部に形成された取付けフランジ部が固定されていることを特徴とする手摺りの取付構造。
【請求項2】
前記雌ブッシュは、前記壁面パネルの一側面から、雄ブッシュは、壁面パネルの他側面からそれぞれ螺合されており、前記補強板が壁面パネルに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の手摺りの取付構造。
【請求項3】
前記補強板に形成された取付け孔は、前記雌ブッシュの筒部の外径寸法より大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の手摺りの取付構造。
【請求項4】
前記壁面パネルに形成された取付け孔は、前記雌ブッシュの筒部の外径寸法より大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の手摺りの取付構造。
【請求項5】
前記雌ブッシュと雄ブッシュは、それぞれフランジ部を有しており、前記フランジ部の間で前記壁面パネルと補強板が挟持されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の手摺りの取付構造。
【請求項6】
ユニットバス等の壁面パネルにボルト及び壁面パネル背後に配置した座金ナットを使用して手摺りを固定する手摺りの取付方法であって、
前記壁面パネルの背後に補強板を配置すると共に、前記補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュとで壁面パネルに仮固定する仮固定工程と、前記補強板の背後に座金ナットを固定する固定工程と、前記座金ナットにボルトを介して手摺り端部に形成された取付けフランジ部を固定する固定工程とを備えたことを特徴とする手摺りの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットバス等の壁面に手摺り(ハンドバー)を取り付ける手摺りの取付構造及び取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニットバスに手摺りを付けようとすると取り付け部分の下地がない為に特許文献1に示すように台座付きの手摺りを壁面パネルに取り付けていた。
また、最近では
図5、6に示す様に壁面パネル1の裏面に配設された保温材2に切欠き部2aを設け、この切欠き部に補強板3とこれにビス4で固定された座金ナット5を両面テープ等で仮止めしておき、浴槽搬入後に壁面パネル1の取付け孔Xからボルト7を挿入して手摺り6を固定する構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−32494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の特許文献1に示す手摺りの取付構造では、台座が室内側に露出しており、外観上に問題が存在した。
また、
図5、6に示す取付構造では、先に手摺りを組み立てしまうと、浴槽搬入等の後工程の妨げになってしまうため、壁面パネルの裏側にコーキング材や両面テープで座金ナットと補強板を仮固定していたが、信頼性が低く施工途中で剥離落下するおそれが存在した。また、壁面パネルを設置後に座金ナットと補強板が落下すると取り出すのが困難であった。
【0005】
この発明は、上記したような従来の不都合を解消する為になされたもので、補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュで壁面パネルに仮固定すると共に、座金ナットを補強板に固定するので、座金ナットにボルトを介して手摺りを固定する際に壁面パネルの裏に座金ナットと補強板が落下するおそれのない手摺りの取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、以下のような内容である。
(1)上記目的を達成するため、本発明はユニットバス等の壁面パネルにボルト及び壁面パネル背後に配置した座金ナットを使用して手摺りを固定する手摺りの取付構造であって、前記壁面パネルの背後に補強板を配置すると共に、前記補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュで壁面パネルに仮固定し、前記補強板の背後に座金ナットを固定し、前記座金ナットにボルトを介して手摺り端部に形成された取付けフランジ部を固定することを特徴とする。
(2)また、前記雌ブッシュは、前記壁面パネルの一側面から、雄ブッシュは、壁面パネルの他側面からそれぞれ螺合し、前記補強板を壁面パネルに固定することを特徴とする。
(3)前記補強板に形成された取付け孔は、前記雌ブッシュの外径寸法より大きく形成されたことを特徴とする。
(4)前記壁面パネルに形成された取付け孔は、前記雌ブッシュの外径寸法より大きく形成されたことを特徴とする。
(5)前記雌ブッシュと雄ブッシュは、それぞれフランジ部を有しており、前記フランジ部の間で前記壁面パネルと補強板を挟持することを特徴とする。
(6)また、本発明の手摺りの取付方法は、ユニットバス等の壁面パネルにボルト及び壁面パネル背後に配置した座金ナットを使用して手摺りを固定する方法であって、前記壁面パネルの背後に補強板を配置すると共に、前記補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュとで壁面パネルに仮固定する仮固定工程と、前記補強板の背後に座金ナットを固定する固定工程と、前記座金ナットにボルトを介して手摺り端部に形成された取付けフランジ部を固定する固定工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、ユニットバス等の壁面パネルにボルト及び壁面パネル背後に配置した座金ナットを使用して手摺りを固定する手摺りの取付構造であって、前記壁面パネルの背後に補強板を配置すると共に、前記補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュで壁面パネルに仮固定し、前記補強板の背後に座金ナットを固定し、前記座金ナットにボルトを介して手摺り端部に形成された取付けフランジ部を固定するので、浴槽搬入後に手摺りを取り付けることができ、浴槽搬入の際に邪魔になるおそれがない。また、補強板と座金ナットがブッシュによって仮固定されているので、壁面パネルの裏側に落下するおそれがなく手摺り取り付け作業を効率化することができる。
また、前記雌ブッシュは、前記壁面パネルの一側面から、雄ブッシュは、壁面パネルの他側面からそれぞれ螺合し、前記補強板を壁面パネルに固定するので、補強板を壁面パネルに確実に仮固定できる。また、雌ブッシュに対する雄ブッシュの入れ込み具合を調整することで、使用する補強板の厚みに幅を持たせることができる。
また、前記補強板に形成された取付け孔は、前記雌ブッシュの外径寸法より大きく形成されたので、座金ナットの取り付け位置が可動となり、孔位置の誤差を吸収することができる。
また、前記壁面パネルに形成された取付け孔は、前記雌ブッシュの外径寸法より大きく形成されたので、座金ナットの取り付け位置が可動となり、孔位置の誤差を吸収することができる。
また、前記雌ブッシュと雄ブッシュは、それぞれフランジ部を有しており、前記フランジ部の間で前記壁面パネルと補強板を挟持するので、補強板を壁面パネルに確実に仮固定できる。
また、本発明の手摺りの取付方法は、ユニットバス等の壁面パネルにボルト及び壁面パネル背後に配置した座金ナットを使用して手摺りを固定する方法であって、前記壁面パネルの背後に補強板を配置すると共に、前記補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュとで壁面パネルに仮固定する仮固定工程と、前記補強板の背後に座金ナットを固定する固定工程と、前記座金ナットにボルトを介して手摺り端部に形成された取付けフランジ部を固定する固定工程とを備えたので、浴槽搬入の際に邪魔になるおそれがない。また、補強板と座金ナットがブッシュによって仮固定されているので、壁面パネルの裏側に落下するおそれがなく手摺り取り付け作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態を示す手摺りの取付構造を示す分解説明図である。
【
図2】
図2は、同手摺りの取付構造に使用される雄雌ブッシュを示す断面図である。
【
図3】
図3は、同手摺りの取付構造における取付手順を示す説明図である。
【
図4】
図4は、同手摺りの取付構造示す説明図である。
【
図5】
図5は、従来の手摺りの取付構造における取付手順を示す説明図である。
【
図6】
図6は、従来の手摺りの取付構造を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の手摺りの取付構造は、補強板を結合可能な雄ブッシュと雌ブッシュで壁面パネルに仮固定すると共に、座金ナットを補強板に固定するので、座金ナットにボルトを介して手摺りを固定する際に壁面パネルの裏に座金ナットと補強板が落下するおそれがない。また、取付け孔位置の誤差を吸収することができる。
【実施例1】
【0010】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す手摺りの取付構造を示す分解説明図、
図2は雄雌ブッシュを示す断面図、
図3は本発明の手摺りの取付構造における取付手順を示す説明図である。ここで、手摺りの取付構造10は、ユニットバス等の壁面パネル11にボルト7及び壁面パネル背後に配置した座金ナット12を使用して手摺りを固定するものであって、前記壁面パネル11の背後に補強板13を配置すると共に、前記補強板13を例えば螺子結合可能な雄ブッシュ14と雌ブッシュ15で壁面パネル11に仮固定し、前記補強板13の背後に座金ナット12をビス4で固定し、前記座金ナット12にボルト7を介して手摺り16の端部に形成された取付けフランジ部17を固定するものである。なお、前記補強板13に対する座金ナット12の固定は、必ずしもビスであることを要せず、他の公知の手法を以て固定することも可能である。
【0011】
座金ナット12は、中央にボルト7の螺合する螺子孔12aを有するとともに、端部近傍にビス孔12bを有している。また、螺子孔12aの形成された中央領域は、外方に突状に変位して後述する雄ブッシュ14のフランジ部を収納するスペースを確保している。
【0012】
補強板13は、平板状をしており中央にブッシュ14、15の挿通される取付け孔13aを有している。取付け孔13aの孔径Hは、雌ブッシュ15の外径寸法hより大きく形成されており、座金ナット12の位置を移動することで、孔位置の誤差を吸収することができる。
【0013】
雄ブッシュ14は、筒部14aとフランジ部14bとから構成され、筒部14aの外周には雌ブッシュ15と螺合する雄螺子が形成されている。雌ブッシュ15は、筒部15aとフランジ部15bとから構成され、筒部15aの内周には雌螺子が形成されている。このように形成された雄ブッシュ14と雌ブッシュ15は、それぞれ螺合することにより壁面パネル11に補強板13を両フランジ部の間で保持する。なお、雄ブッシュ14と雌ブッシュ15は嵌合等、螺子以外の結合手段で結合することも可能である。
【0014】
手摺り16は、浴室内の手摺り(ハンドバー)として使用される一般的なものと同様で中空パイプ等の端部にボルト孔17aを有する取付けフランジ部17を備えている。また、取付けフランジ部17は、カバー部材18によって覆われ、ボルト7を外部から見えなくする。
【0015】
このように構成された手摺りの取付構造10の壁面パネル11への取り付け方法を説明する。先ず、仮固定工程において、壁面パネル11の背後に補強板13を配置すると共に、補強板13の取付け孔13aに壁面パネル11に形成された取付け孔Xの室内側から雌ブッシュ15を裏面側から雄ブッシュ14を螺合させ、双方のフランジ部14b、15bで壁面パネル11に仮固定する。この時、取付け孔13aの孔径Hは、雌ブッシュ15の外径寸法hより大きく形成されているので、孔位置の誤差を吸収することができる。また、双方のフランジ部14b、15bの間隔は、螺子の螺合程度によって決まるので、種々の壁面パネルの厚さと補強板の厚さに対応することができる。更に、壁面パネル11の室内側から雄ブッシュ14を裏面側から雌ブッシュ15を螺合させてもよい。
【0016】
固定工程において、補強板13の背後に座金ナット12を孔位置を調整した後、ビス4で固定する。この工程において、補強板13と座金ナット12は、壁面パネル11の裏面に仮固定され、落下するおそれもない。
【0017】
固定工程では、座金ナット12にボルト7を螺合し、手摺り端部に形成された取付けフランジ部17を介して手摺り16を壁面パネル11に固定する。更に、カバー部材18を手摺り端部に取り付ける。
【0018】
なお、以上の説明では、補強板13の 取付け孔13aの孔径Hを、雌ブッシュ15の外径寸法hより大きく形成する例について説明した、壁面パネル11に形成された取付け孔Xの孔径を、雌ブッシュ15の外径寸法hより大きく形成しても、孔位置の誤差を吸収することができる。
【0019】
本発明では、手摺りを壁面パネルに取り付ける際、補強板、座金ナットが壁面パネル裏面に脱落するおそれがなく、また浴槽搬入後に手摺りの取り付け施工ができるので、作業性を向上することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 壁面パネル
2 保温材
3 補強板
4 ビス
5 座金ナット
6 手摺り
7 ボルト
10 手摺りの取付構造
11 壁面パネル
12 座金ナット
12a 螺子孔
12b ビス孔
13 補強板
13a 取付け孔
14 雄ブッシュ
14a 筒部
14b フランジ部
15 雌ブッシュ
15a 筒部
15b フランジ部
16 手摺り
17 取付けフランジ部
18 カバー部材