(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967506
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】プリント回路板アンテナ及びプリント回路板
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/38 20060101AFI20160728BHJP
H01Q 5/378 20150101ALI20160728BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
H01Q1/38
H01Q5/378
H05K1/02 J
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-521974(P2015-521974)
(86)(22)【出願日】2014年1月2日
(65)【公表番号】特表2015-527820(P2015-527820A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】CN2014070043
(87)【国際公開番号】WO2014106465
(87)【国際公開日】20140710
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】201310003161.1
(32)【優先日】2013年1月6日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504277388
【氏名又は名称】▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】李 正浩
(72)【発明者】
【氏名】▲蘭▼ ▲堯▼
(72)【発明者】
【氏名】姜 林▲タオ▼
(72)【発明者】
【氏名】戚 捷
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 毅
(72)【発明者】
【氏名】姚 云迪
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0026064(US,A1)
【文献】
特開平09−219619(JP,A)
【文献】
特開平10−013139(JP,A)
【文献】
特開2010−074344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/38
H01Q 5/378
H01Q 9/04
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第一ブランチを有する給電部と、
少なくとも一つの第二ブランチを有する結合インターディジタル部と、
接地部と
を備えたプリント回路板アンテナであって、
前記第一ブランチと前記第二ブランチとの間にギャップが形成され、前記接地部と前記給電部との間にギャップが形成され、前記接地部と前記結合インターディジタル部との間にギャップが形成され、開口部が前記接地部に設けられ、前記給電部の給電点が前記開口部から延伸し、
前記接地部が、開口部を備えたリングであり、前記給電部及び前記結合インターディジタル部の外側を取り囲む、プリント回路板アンテナ。
【請求項2】
前記給電部が第一直線セグメント及び前記第一ブランチを備え、前記第一ブランチが前記第一直線セグメントの一方の側から平行に延伸し、
前記結合インターディジタル部が第二直線セグメント及び前記第二ブランチを備え、前記第二ブランチが前記第二直線セグメントの一方の側から平行に延伸し、前記第二ブランチ及び前記第一ブランチが対向して交互に配置される、請求項1に記載のプリント回路板アンテナ。
【請求項3】
前記第一ブランチの長さが前記第二ブランチの長さに等しく又は等しくなく、前記第一ブランチと前記第二ブランチとの間のギャップ距離が一定であり又は一定でなく、前記接地部と前記給電部との間のギャップ距離が一定であり又は一定でなく、前記接地部と前記結合インターディジタル部との間のギャップ距離が一定であり又は一定でない、請求項2に記載のプリント回路板アンテナ。
【請求項4】
接地点が前記接地部の外側に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリント回路板アンテナ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のプリント回路板アンテナを備えたプリント回路板。
【請求項6】
マイクロストリップフィーダが前記プリント回路板上に構成され、前記マイクロストリップフィーダが前記給電点に電気的に接続される、請求項5に記載のプリント回路板。
【請求項7】
前記マイクロストリップフィーダのインピーダンス特性が50オームである、請求項6に記載のプリント回路板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、“PRINTED CIRCUIT BOARD ANTENNA AND PRINTED CIRCUIT BOARD”との名称で2013年1月6日に中国特許庁に出願された中国特許出願第201310003161.1号の優先権を主張し、その内容全体は参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、無線通信技術に係り、特にプリント回路板アンテナ及びプリント回路板に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル通信技術の急速な発展により、端末製品は益々多様で複雑な機能を有するようになり、端末アンテナに対する厳しい要求が課されている。また、端末製品が益々高度な集積性を有するようになり、2G、3G等が同一タイプの製品に同時に必要とされることが多く、これは、アンテナが全ての必要な周波数帯をカバーすることを要する。
【0004】
現状では、一般的なプリント回路板(Printed Circuit Board,PCBと略される)アンテナは、PCB上に形成された導電性パターンであり、マッチング回路を追加することによって、高周波数及び低周波数の二重共鳴を実現している。
図1は、従来技術のPCBアンテナの概略構造図を示し、そのPCBアンテナは、給電部11と、低周波数結合放射体12とを含む。低周波数結合放射体12は、低周波数の拡張を実現するマッチング回路の代わりになり、接地点120を用いて接地するようにPCB10と接触する。給電部11は、給電点110を含み、給電点110を用いてPCB10上の無線周波数回路に電気的に接続する。
【0005】
上述のPCBアンテナ構造は、マッチング回路を用いて低周波数を実現する必要があるという問題と、低周波数帯域幅が狭いという問題を解決するが、高周波数帯域幅が比較的広く場合における効率を改善することにおける困難が依然としていくつか存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公開第101345337号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第102157779号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第101320837号明細書
【特許文献4】特開2011−061638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、高周波数帯域幅が比較的広い場合における比較的低い効率の問題を解決して、効率が全範囲の帯域幅における製品要求に合致することを実現するプリント回路板アンテナ及びプリント回路板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一態様によると、本発明の一実施形態はプリント回路板アンテナを提供し、そのプリント回路板アンテナは、
少なくとも一つの第一ブランチを有する給電部と、
少なくとも一つの第二ブランチを有する結合インターディジタル部と(第一ブランチと第二ブランチとの間にギャップが形成される)、
接地部と
を含み、接地部と給電部との間にギャップが形成され、接地部と結合インターディジタル部との間にギャップが形成され、開口部が接地部に設けられ、給電部の給電点が開口部から延伸する。
【0009】
第一態様の想定される第一実施形態では、給電部が第一直線セグメント及び第一ブランチを含み、第一ブランチが第一直線セグメントの一方の側から平行に延伸し、結合インターディジタル部が第二直線セグメント及び第二ブランチを含み、第二ブランチが第二直線セグメントの一方の側から平行に延伸し、第二ブランチ及び第一ブランチが対向して交互に配置される。
【0010】
第一態様の想定される第一実施形態に従って想定される第二実施形態では、第一ブランチの長さが第二ブランチの長さに等しく又は等しくなく、第一ブランチと第二ブランチとの間のギャップ距離が等しく又は等しくなく、接地部と給電部との間のギャップ距離が等しく又は等しくなく、接地部と結合インターディジタル部との間のギャップ距離が等しく又は等しくない。
【0011】
第一態様に従い、またその第一態様の想定される第一から第二実施形態のいずれかに従って想定される第三実施形態では、接地部は、開口部を備えたリングであり、給電部及び結合インターディジタル部の外側を取り囲む。
【0012】
第一態様の想定される第三実施形態に従って想定される第四実施形態では、更に、給電点が接地部の外側に配置される。
【0013】
第二態様によると、本発明の一実施形態はプリント回路板を提供し、そのプリント回路板は、本発明の上記実施形態で提供されるプリント回路板アンテナを含む。
【0014】
第二態様の想定される第一実施形態では、マイクロストリップフィーダがプリント回路板上に構成されて、そのマイクロストリップフィーダが給電点に電気的に接続される。第二態様の想定される第一実施形態に従って想定される第二実施形態では、マイクロストリップフィーダのインピーダンス特性は50オームとなり得る。
【0015】
第三態様によると、本発明の一実施形態はプリント回路板アンテナを提供し、そのプリント回路板アンテナは、給電部と、結合インターディジタル部と、接地部とを含み、給電部は第一直線セグメントと、給電点と、少なくとも一つの第一ブランチとを含み、第一ブランチは第一直線セグメントの一方の側から延伸し、給電点が第一直線セグメント及び第一ブランチの反対側に配置され、結合インターディジタル部は第二直線セグメント及び少なくとも一つの第二ブランチを含み、第二ブランチが第二直線セグメントの一方の側から延伸し、第一ブランチが第二ブランチと交互になり、第一ブランチと第二ブランチとの間にギャップが存在し、接地部が開口部を備えたリングであり、接地部が給電部及び結合インターディジタル部を取り囲み、接地部と給電部との間にギャップが形成され、接地部と結合インターディジタル部との間にギャップが形成され、給電点が開口部から延伸し、接地部の外側がPCBと接触する部分に接地点が存在する。
【0016】
第三態様の想定される第一実施形態では、第一ブランチの長さが第二ブランチの長さに等しく又は等しくなく、第一ブランチと第二ブランチとの間のギャップ距離が等しく又は等しくなく、接地部と給電部との間のギャップ距離が等しく又は等しくなく、接地部と結合インターディジタル部との間のギャップ距離が等しく又は等しくない。
【0017】
本発明の一実施形態に係るプリント回路板アンテナでは、インターディジタル構造を追加することによって、結合放射が強化され、効率が全範囲の帯域幅における製品要求に合致することを実現し、高周波数帯域幅が比較的広い場合における比較的低い効率の問題を解決する。
【0018】
本発明の実施形態及び従来技術における技術的解決策をより明確に説明するため、以下、実施形態又は従来技術を説明するために必要な添付図面について概説する。以下説明される添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、当業者が、創造的な労力なく添付図面から他の図面も導出し得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来技術のPCBアンテナの概略構造図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3A】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3B】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3C】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3D】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3E】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3F】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3G】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3H】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図3I】本発明の他の実施形態に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るプリント回路板アンテナの帯域特性の例示図である。
【
図5】本発明の実施形態1に係るプリント回路板アンテナの性能図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態の課題、技術的解決策、及び利点を明確にするため、以下、本発明の実施形態の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態の技術的解決策を明確且つ完全に説明する。説明される実施形態は、本発明の全ての実施形態ではなく一部であることは明らかである。創造的な労力なく本発明の実施形態に基づいて当業者によって得られる他の全ての実施形態は本発明の保護範囲内にある。
【0021】
図2は、本発明の実施形態1に係るプリント回路板アンテナの概略構造図である。本実施形態は、アンテナ装置に適用可能であり、そのアンテナ装置は、小型プリントアンテナに基づいて、効率、特に高周波数及び低周波数の効率を改善することを可能にし、ロング・ターム・エボリューション(Long Term Evolution,LTEと略される)の全周波数カバーをマッチングなしで実現することができ、更に、高周波数スミスチャートをより収束性にし、高周波数帯の効率の改善をより明確なものにする。
図2を参照すると、プリント回路板アンテナは、給電部21と、結合インターディジタル部22と、接地部23とを含む。
【0022】
給電部21は少なくとも一つの第一ブランチ211を有し、結合インターディジタル部22は少なくとも一つの第二ブランチ221を有し、第一ブランチ211と第二ブランチ221との間にギャップが形成される。接地部23については、接地部23と給電部21との間にギャップが形成され、また、接地部23と結合インターディジタル部22との間にギャップが形成され、開口部が接地部23に設けられ、給電部21の給電点212が開口部から延伸する。
【0023】
上記説明から、本発明の一実施形態に係るプリント回路板アンテナでは、結合放射がインターディジタル構造を追加することによって強化され、効率が全範囲の帯域幅における製品要求に合致することを実現し、高周波数帯域幅が比較的広い場合における比較的低い効率の問題を解消することができるということがわかる。
【0024】
給電点212は、無線周波数回路(図示せず)に接続される。給電点212は、開口部から延伸するように設定され、このようにして、アンテナの全放射帯域幅における高周波数部を提供することができる。また、結合インターディジタル部22及び接地部23が存在しない場合、プリント回路板アンテナを高周波数アンテナとして使用することができる。
【0025】
上記実施形態の技術的解決策に基づき、好ましくは、給電部21は、直線セグメント213及び第一ブランチ211を含み、各第一ブランチ211は、直線セグメント213の一方の側から延伸する(例えば、第一ブランチ211は、直線セグメント213の一方の側から平行に延伸する)。結合インターディジタル部22は直線セグメント222及び第二ブランチ221を含み、各第二ブランチ221は、直線セグメント222の一方の側から延伸し(例えば、第二ブランチ221は、直線セグメント222の一方の側から平行に延伸する)、第二ブランチ221及び第一ブランチ211は対向して交互に配置される。
【0026】
本発明のこの実施形態の代替例は、複数の第一のブランチ211のうち一つと、複数の第二ブランチ221のうちひとつのみが交互となるものであり得る。また、第一ブランチ211の数及び第二ブランチ221の数が必要に応じた対応する数に設定され得る。
図3Aから
図3Cに示されるように、一目的は、アンテナ帯域幅及び共鳴点を微調整することであり、交互部分の幅及び深さも必要に応じて設定され得る。
図3Dから
図3Fに示されるように、一目的は、結合強度を微調整することである。交互のレイアウト構造は、小型のプリント回路板アンテナをアンテナ設計の高い集積性の要求に合致させることを可能にし、結合放射を強化し、高周波数効率を改善し得る。
【0027】
また、各第一ブランチ211の長さ、各第二ブランチ221の長さ、第一ブランチ211と第二ブランチ221との間のギャップ距離、及び、接地部23と給電部21と結合インターディジタル部22との間のギャップ距離は、
図3Gから
図3Iに示されるように、実際の必要性に応じて等しい又は等しくないパターンとして設計され得る。
【0028】
接地部23は、開口部を備えたリングであり、給電部21及び結合インターディジタル部22の外側を取り囲むが、本発明の他の実施形態の接地部の囲繞形式はそれに限定されるものではない。接地点231が、接地部23の外側に更に配置され、接地点231は、PCB上に配置された銅と接触する。
【0029】
本発明の一実施形態は、プリント回路板を更に提供し、そのプリント回路板はプリント回路板アンテナを含む。
図2を参照すると、プリント回路板アンテナは、給電部21と、結合インターディジタル部22と、接地部23とを含む。
【0030】
給電部21は少なくとも一つの第一ブランチ211を有し、結合インターディジタル部22は少なくとも一つの第二ブランチ221を有し、第一ブランチ211と第二ブランチ221との間にギャップが形成される。接地部23については、接地部23と給電部21との間にギャップが形成され、また、接地部23と結合インターディジタル部22との間にギャップが形成され、開口部が接地部23に設けられ、給電部21の給電点212が開口部から延伸する。
【0031】
上記説明から、本発明の一実施形態に係るプリント回路板アンテナにおいて、結合放射が、インターディジタル構造を追加することによって強化され、効率が全範囲の帯域幅における製品要求に合致することを実現し、高周波数帯域幅が比較的広い場合における比較的低い効率の問題を解決することができることがわかる。
【0032】
給電部21は、直線セグメント213及び第一ブランチ211を含み、各第一ブランチ211は、直線セグメント213の一方の側から延伸する(例えば、第一ブランチ211は、直線セグメント213の一方の側から延伸する)。結合インターディジタル部22は直線セグメント222及び第二ブランチ221を含み、各第二ブランチ221は、直線セグメント222の一方の側から延伸し(例えば、第二ブランチ221は直線セグメント222の一方の側から延伸する)、第二ブランチ221及び第一ブランチ211は、対向して交互に配置される。
【0033】
本発明のこの実施形態の代替例は、複数の第一ブランチ211のうち一つと複数の第二ブランチ221のうち一つのみが交互になっているものとなり得る。また、第一ブランチ211の数及び第二ブランチ221の数は、必要に応じた対応する数に設定され得る。
図3Aから
図3Cに示されるように、一目的は、アンテナ帯域幅及び共鳴点を微調整することであり、交互部分の幅及び深さも必要に応じて設定され得る。
図3Dから
図3Fに示されるように、一目的は、結合強度を微調整することである。交互のレイアウト構造は、小型のプリント回路板アンテナがアンテナ設計の高い集積性の要求に合致することを可能にし、結合放射を強化し、高周波数効率を改善し得る。
【0034】
また、各第一ブランチ211の長さ、各第二ブランチ221の長さ、第一ブランチ211と第二ブランチ221との間のギャップ距離と、接地部23と給電部21と結合インターディジタル部22との間のギャップ距離は、
図3Gから
図3Iに示されるように、実際の必要性に応じて等しい又は等しくないパターンとして設計され得る。
【0035】
接地部23は、開口部を備えたリングであり、給電部21及び結合インターディジタル部22の外側を取り囲むが、本発明の他の実施形態における接地部の囲繞形式は、これに限定されるものではない。接地点231が、接地部23の外側に更に配置され、接地点231は、PCB上に配置された銅と接触する。
【0036】
追加的に又は任意で、マイクロストリップフィーダがプリント回路板上に構成され得て、そのマイクロストリップフィーダは給電点に電気的に接続される。好ましくは、マイクロストリップフィーダのインピーダンス特性は50オームである。
【0037】
図4は、本発明の実施形態1に係るプリント回路板アンテナの帯域特性の例示図である。反射係数S11の試験結果の曲線として、
図4は、本発明の一実施形態に係るプリント回路板アンテナの帯域特性を示し、
図2に示される構造に関する。
図4の曲線は、プリント回路板アンテナに電力供給した際の反射係数と動作周波数との間の関係性を示し、給電点に電気的に接続されたマイクロストリップフィーダのインピーダンス特性は50オームであり得る。
【0038】
曲線の周波数カバー範囲は、600MHz〜3GHzであり、全カバー範囲において、LTE(ロング・ターム・エボリューション)製品の791〜960MHz及び1710〜2690MHzの二つの周波数帯が含まれ、この図の二つの周波数帯の反射係数は−5dB未満であり、ここで、0dBは全反射の場合を表す。一般的に、反射係数が−5dB未満の場合にアンテナ性能は許容可能であり、小さい反射係数が良い性能を示す。例えば、曲線上において、点1の座標値は(791MHz,−5.339dB)であり、点3の座標値は(960MHz,−11.077dB)であり、点4の座標値は(1710MHz,−6.461dB)であり、点9の座標値は(2690MHz,−6.922dB)である。
【0039】
図1に示される従来技術のプリントPCBアンテナ構造及び本発明のプリント回路板アンテナは、同じ板を用いて別々に配置され、板上のマイクロチップフィーダのインピーダンス特性は50オームであり、効率における比較差が
図5に示されている。曲線51は、本発明のプリント回路板アンテナの接地部の効率の変動を示し、曲線52は、本発明のプリント回路板アンテナ構造の結合インターディジタル部の効率の変動を示す。実際の測定から、低周波数帯と2600MHz付近の周波数帯において、本発明のプリント回路板アンテナの効率が、従来技術のプリントPCBアンテナよりも優れていて、曲線51は、従来技術のアンテナと比較して少なくとも5%の利得を有し、曲線52も、従来技術のアンテナと比較して少なくとも4%の利得を有し、これは、本発明のプリント回路板アンテナが、アンテナ性能の改善及びシステム全体の無線受信及び送信性能の強化に重要な役割を果たすことを示している。
【0040】
本発明の一実施形態は、プリント回路板アンテナを更に提供し、そのプリント回路板アンテナは、給電部と、結合インターディジタル部と、接地部とを含み、給電部は、第一直線セグメントと、給電点と、少なくとも一つの第一ブランチとを含み、第一ブランチは第一直線セグメントの一方の側から延伸し、給電点が直線セグメント及び第一ブランチの反対側に配置される。結合インターディジタル部は、第二直線セグメントと、少なくとも一つの第二ブランチとを含み、第二ブランチは第二直線セグメントの一方の側から延伸し、第一ブランチが第二ブランチと交互にされ、第一ブランチと第二ブランチとの間のギャップが存在する。接地部が開口部を備えたリングであり、接地部は給電部及び結合インターディジタル部を取り囲み、接地部と給電部との間にギャップが形成され、接地部と結合インターディジタル部との間にギャップが形成され、給電点が開口部から延伸し、給電部の外側がPCBと接触する部分に接地点が存在する。
【0041】
プリント回路板アンテナが給電部と、結合インターディジタル部と、接地部とを含むこことがわかる。給電部及び結合インターディジタル部は、インターディジタルレイアウト構造で存在し、これが、小型プリントアンテナに基づいて、効率、特に低周波数効率を改善し、マッチングなしでLTEの全周波数カバーを実現することができる。また、高周波数スミスチャートがより収束性のものとなり、高周波数帯の効率の改善がより明確なものになる。
【0042】
上述の実施形態で述べたリング又はループは、矩形リング又は矩形ループとなり得て、また、本発明の実施形態におけるものに限定されない他のリング又はループともなり得ることを理解されたい。
【0043】
最後に、上記実施形態は、本発明の技術的解決策を単に説明するものであり、本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明について上記実施形態を参照して詳細に説明してきたが、当業者は、本発明の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱せず、上記実施形態で説明される技術的解決策に修正を行い、又は、その技術的特徴に対して等価な置換を行い得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0044】
21 給電部
211 第一ブランチ
212 給電点
213 第一直線セグメント
22 結合インターディジタル部
221 第二ブランチ
222 第二直線セグメント
23 接地部
231 接地点