特許第5967608号(P5967608)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5967608-スケータ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967608
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】スケータ
(51)【国際特許分類】
   A63C 17/01 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   A63C17/01
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-142561(P2012-142561)
(22)【出願日】2012年6月26日
(65)【公開番号】特開2014-4185(P2014-4185A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】500514579
【氏名又は名称】ジェイディジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山部 秀康
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−319184(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3074790(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63C 17/01
A63C 17/02
A63C 17/04
A63C 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が足をのせることができるデッキと、前輪および後輪と、前記前輪を操舵するためのハンドルとを備えたスケータであって、前記デッキに、操作者が靴底のつま先をのせることができる前上がりに傾斜したブロック状または板状の凸部が設けられており、前記凸部は、操作者が立ち姿勢でデッキに乗り両手でハンドルを握った状態で靴底のかかとをデッキにのせたままつま先を持ち上げてのせることができるものであることを特徴とするスケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスケータに関し、特に、操作者が足をのせることができるデッキと、前輪および後輪と、前記前輪を操舵するためのハンドルとを備えたスケータに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスケータにおいては、操作者がデッキに片足または両足をのせ、立った姿勢で片手または両手でハンドルを操作することで前輪を操舵しながら、地面をキックすることにもとづく反動によって、スケータを前進させることができる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−273904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来のスケータの乗り心地の改善を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するため本発明は、操作者が足をのせることができるデッキと、前輪および後輪と、前記前輪を操舵するためのハンドルとを備えたスケータにおいて、前記デッキに、操作者が靴底のつま先をのせることができる前上がりに傾斜したブロック状または板状の凸部が設けられており、前記凸部は、操作者が立ち姿勢でデッキに乗り両手でハンドルを握った状態で靴底のかかとをデッキにのせたままつま先を持ち上げてのせることができるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スケータのデッキに、操作者がつま先をのせることができる凸部を設けたことにより、操作者が身体を安定させた状態でスケータに乗ることができ、従来のスケータに比べてその乗り心地を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態のスケータの側面図である。
図2図1のスケータの要部を拡大して示す立体図である。
図3】操作者が本発明の実施の形態のスケータに乗ったときの姿勢を示す図である。
図4】操作者が従来のスケータに乗ったときの姿勢を示す図である。
図5】本発明の他の実施の形態のスケータの要部を拡大して示す立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1のスケータにおいて、1はデッキであり、平面視で細長い矩形状を呈する板材などによって形成されている。2は前輪、3は後輪であり、図1においては、2輪のスケータが例示されている。すなわち、図1のスケータでは、前輪2、後輪3は、それぞれ1輪である。なお、前輪2、後輪3は、2輪以上であっても差し支えない。
【0010】
4はハンドル支持部材であって、デッキ1の前端部に取り付けられるとともに、ハンドルポスト5をその軸心まわりに回転自在に支持している。ハンドルポスト5の下端には、回転自在な前輪2が支持されている。ハンドルポスト5の上部は筒状に形成されており、この筒状の部分6には伸縮軸7が軸心方向にスライド自在にはめ込まれている。そして伸縮軸7の上端にハンドル8が取り付けられている。9はハンドルバーである。
【0011】
ハンドルポスト5の上端には、ロック装置10が設けられている。このロック装置10は、伸縮軸7を固定して、その伸縮を阻止可能であるとともに、伸縮軸7をハンドルポスト5と一体に回転させることが可能である。またロック装置10は、ハンドルポスト5への伸縮軸7の固定を解除して、その伸縮を許容させることができる。固定を解除して伸縮軸7を伸縮させることで、操作者の身長に合わせてハンドル8の高さを調整可能である。
【0012】
デッキ1の後端には、回転自在な後輪3が支持されている。11は後輪用のどろよけであり、後輪3よりも前側の位置でデッキ1に片持ち支持されている。12はその支持点である。どろよけ11は、支持点12に設けられたねじりばね(図示せず)などによって、後輪3から浮き上がった状態に保たれている。その浮き上がり力に抗して操作者がどろよけ11を踏み込むと、どろよけ11の内面が後輪3の外周の踏面を圧接し、それによって後輪3にブレーキを掛けることができる。
【0013】
図1および図2に示すように、デッキ1の上面の前部には、凸部14が設けられている。この凸部14は、たとえばブロック状の部材をデッキ1の上面に固定することによって、形成することができる。
【0014】
図3に示すようにスケータの操作者Mは、デッキ1の上に足15をのせることで、立ち姿勢でデッキ1に乗ることができ、両方の手16でハンドルバー9を握った状態で、スケータを走行させることができる。そのとき、図示のように、足15のかかとの部分はデッキ1にのせたままで、そのつま先17を持ち上げて凸部14にのせることで、操作者Mは、身体を安定させた状態でスケータに乗ることができる。
【0015】
その理由は明らかではないが、つま先17を凸部14にのせることで、身体の重心を後方側へ移すことができることが原因しているのではないかと思われる。反対に図4に示す従来のスケータのように凸部が設けられていないものであると、足15の靴底の全面がデッキ1に接するため、操作者Mはのスケータの操作中に前かがみとなりやすく、すなわち身体の重心が前方へ移りやすく、このために、図3に示されるように凸部14につま先17をのせた場合に比べて身体の安定度が低いのではないかと思われる。なお、図3および図4は、操作者Mが左足18のみをデッキ1にのせ、右足19はデッキ1から浮かせた状態でスケータを操作している状態を示す。
【0016】
凸部14は、操作者Mがつま先17をのせて身体を安定させることができるものであれば、その構造、形状は任意である。しかし、図1および図2に示すように、つま先17をのせる部分が前上がりに傾斜したものが、つま先17をのせやすく、好適である。凸部14の傾斜は、図示のようにデッキ1の上面から続いて形成されたものとすることができる。あるいは、図示は省略するが、デッキ1の上面から一段上がった部分から傾斜が始まるようにすることもできる。
【0017】
図1および図2に示すブロック状の凸部14は、合成樹脂やゴムなどによって形成することができる。あるいは、これに代えて、凸部14を、たとえば図5に示す金属製の板状体にて構成することもできる。図5の凸部14において、20、21は取付部で、デッキ1の上面に接することができる一定の面積を有した構成とされている。取付部20、21をデッキ1にねじ止めすることなどによって、凸部14をデッキ1に固定することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 デッキ
2 前輪
3 後輪
8 ハンドル
15 足
14 凸部
17 つま先
M 操作者
図1
図2
図3
図4
図5