(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠650を備えている。遊技機枠650の内部には、遊技盤2(
図2参照)が取り付けられている。遊技機枠650のうちの前面枠651には、回転角度に応じた発射強度で遊技球(遊技媒体に相当)を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠651には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠651には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
【0020】
図2に示すように、遊技盤2は、平板形状の第1遊技領域構成部材(第1遊技盤部材)200と第2遊技領域構成部材(第2遊技盤部材)300とを備えている。第2遊技領域構成部材300は、第1遊技領域構成部材200の後方に配置されている。第1遊技領域構成部材200は、前方から後方が視認可能な透明な合成樹脂部材(例えばポリカーボネート)からなっている。つまり本形態では、遊技盤2は前後2層になっており、遊技者は前方の第1遊技領域構成部材200を介して後方の第2遊技領域構成部材300を視認可能となっている。
【0021】
図2および
図3に示すように、第1遊技領域構成部材200には、遊技球が流下する第1遊技領域(第1の遊技領域ともいう)203が第1レール部材204で囲まれて形成されている。一方、
図2および
図4に示すように、第2遊技領域構成部材300には、遊技球が流下する第2遊技領域(第2の遊技領域ともいう)303が第2レール部材304で囲まれて形成されている。ハンドル60の操作により発射された遊技球は、第1遊技領域203にまず流入する。
【0022】
第1遊技領域203には、打ち込まれた遊技球を第1遊技領域203又は第2遊技領域303のいずれかに振り分けるための振分装置50、第1始動口(第1入球口に相当)20を備える第1始動入賞装置(普通可変入賞装置いわゆる電チュー)22、遊技球が通過可能な第1ゲート28および第2ゲート29が設けられている。第1遊技領域203は、いわゆる1種遊技を行うための遊技領域である。
【0023】
図2および
図3に示すように、振分装置50は、第1遊技領域203の上流部の左側と右側とに一つずつ設けられている。第1遊技領域構成部材200における各振分装置50の配置位置には、
図6(A)の縦断面図に示すように、前後方向(図中左右方向)に貫通する貫通部210が設けられている。貫通部210の床面210aは前方から後方に向かって下方に傾斜する傾斜面になっている。これは、貫通部210に流入した遊技球を第2遊技領域303へ案内するためである。
【0024】
図6(A)に示すように、振分装置50は、左右方向に沿う回転軸51を中心として回転する羽根車52を備えている。羽根車52は、上面視略コ字形状のハウジング部材53(
図2参照)によって囲われている。羽根車52の回転軸51は、ハウジング部材53に取り付けられている。ハウジング部材53は、その上部に、第1遊技領域203に打ち込まれた遊技球を振分装置50内に流入させる流入口53aを有している。また、その下部に、振分装置50から第1遊技領域203に遊技球を流出させる流出口53bを有している。
【0025】
振分装置50に流入した遊技球は、羽根車52の羽根部52aに受け止められる。遊技球を受け止めた羽根車52は、遊技球から受ける荷重によって回転する。
図6(A)に示すように、羽根車52が図中反時計方向に回転した場合には、遊技球は流出口53bから排出される。すなわち、遊技球は振分装置50(羽根車52)によって第1遊技領域203に振り分けられることになる。
【0026】
一方、
図6(B)に示すように羽根車52が図中時計方向に回転した場合には、遊技球は第1遊技領域構成部材200の貫通部210を通って第2遊技領域303に案内される。すなわち、遊技球は振分装置50(羽根車52)によって第2遊技領域303に振り分けられることになる。
【0027】
なお
図2および
図3に示すように、第1遊技領域203の上流部には、第1遊技領域203に打ち込まれた遊技球を左右の振分装置50に向けて誘導するための第1くぎ列220が設けられている。
【0028】
なお、振分装置は、羽根車52を備えるものでなくてもよい。例えば、装置内へ流入した遊技球を必ず第2遊技領域303に振り分けるワープ通路を備える振分装置であってもよい。また、パチンコ遊技機1の電源投入から一定の動作をする振分部材を備える振分装置であってもよい。つまり、振分部材が第1位置にあるときには遊技球を第1遊技領域203に案内し、第2位置にあるときには遊技球を第2遊技領域303に案内するように構成された振分装置であってもよい。
【0029】
電チュー22は、
図2および
図3に示すように、第1遊技領域203の下流部の中央に設けられている。電チュー22は、第1始動口20を備えている。また電チュー22は、開状態と閉状態とをとる可動部材23を備えている。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図9参照)により駆動される。可動部材23が開状態であっても閉状態であっても第1始動口20への入賞は可能である。但し、可動部材23が閉状態であるときは、第1始動口20の入口の寸法は遊技球の直径よりわずかに広い程度であるが、可動部材23が開状態であるときは、第1始動口20の入口の寸法はそれよりも広くなる(
図3の二点鎖線参照)。つまり、可動部材23が開状態をとることで、第1始動口20への入賞が容易となる。この第1始動口20への遊技球の入賞は、後述する第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。なお、第1遊技領域203における電チューの左右両側には、遊技球を電チュー22に向けて誘導するための第2くぎ列222が設けられている。
【0030】
第1ゲート28は、第1遊技領域203の中流部の左側に設けられている。また第2ゲート29は、第1遊技領域203の中流部の右側に設けられている。第1ゲート28および第2ゲート29への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
【0031】
また、第1遊技領域構成部材200における電チューの下方には、第1遊技領域203を流下した遊技球を第2遊技領域303へ流出させるための開口部230が設けられている。この開口部230は、左右方向を長手方向とする長孔で、
図7に示すように前後方向(図中左右方向)に略沿って第1遊技領域構成部材200を貫通している。さらに
図2および
図3に示すように、第1遊技領域203における電チュー22の下方には、遊技球を開口部230へ案内するための案内部材240が取り付けられている。
図7に示すように、この案内部材240の上面240aと開口部230の床面230aとは、遊技球を第2遊技領域303へ案内するため、前方から後方に向かって下方に傾斜している。また、案内部材240の上面240aを転動した遊技球が開口部230の床面230aに円滑に移動できるように、案内部材240の上面240aの高さと開口部230の床面230aの高さが調整されている。
【0032】
図2および
図4に示すように、第2遊技領域303には、第2始動口(第2入球口の一例)21を備える第2始動入賞装置(第1固定入賞装置)25と、第3始動口(第2入球口の一例)26を備える第3始動入賞装置(第2固定入賞装置)27と、第1大入賞口30を備える第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31と、第2大入賞口35を備える第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36と、風車310とが設けられている。この第2遊技領域303は、いわゆる2種遊技を行うための遊技領域である。
【0033】
第2始動入賞装置25は、第2遊技領域303の中流部の左側に設けられている。第3始動入賞装置27は、第2遊技領域303の中流部の右側に設けられている。第2始動口21または第3始動口26への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。なお後に詳述するが、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の結果が小当たり当選となった場合には、第2大入賞口35が開放される。すなわち、第2始動口21または第3始動口26は、第2大入賞口35の開放の契機として機能する。
【0034】
第1大入賞装置31は、第2遊技領域303の下流部の中央に設けられている。第1大入賞装置31は、後述する大当たり遊技において賞球を獲得するための装置である。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図9参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。なお
図7に示すように、開閉部材32が開いているときには、第1遊技領域203を流下した結果開口部230へ流入した遊技球も、開状態の開閉部材32上を転動して第1大入賞口30に入賞することが可能となっている。つまり、第1大入賞口30は、第2遊技領域303を流下した遊技球のみならず第1遊技領域203を流下した遊技球も入賞することが可能な入賞口となっている。
【0035】
第2大入賞装置(特定入賞装置に相当)36は、第2遊技領域303の略中央に設けられている。第2大入賞装置36は、役物による大当たり抽選を行うための装置である。第2大入賞装置36は、羽根部材(特定入賞口開閉部材に相当)37を備え、羽根部材37の作動により第2大入賞口(特定入賞口に相当)35を開閉するものである。羽根部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図9参照)により駆動される。第2大入賞口35は、羽根部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
【0036】
より詳細には、
図5に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(Vゾーン、Vゲートともいう)39が設けられている。第2大入賞口35から特定領域39までの経路には、ノーマルルート70と、ノーマルルート70よりも特定領域39への通過の可能性が高いスペシャルルート71との2種類のルートがある。スペシャルルート71は、第2大入賞装置36において左右方向の中央に形成されている。一方、ノーマルルート70は、第2大入賞装置36において左右両側に形成されている。ノーマルルート70とスペシャルルート71の振り分けは、第2大入賞装置36において両ルート70,71の上流に設けられた振分部材72によってなされる。つまり、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、まず振分部材72によってノーマルルート70かスペシャルルート71のいずれかに振り分けられる。なお、振分部材72は、振分部材ソレノイド73(
図9参照)によって駆動される。
【0037】
ノーマルルート70の出口70aまたはスペシャルルート71の出口71aから出た遊技球は、第2大入賞装置36に設けられているステージ部75を転動する。そして、ステージ部75を転動したのち、特定領域39を通過して第2大入賞装置36の排出口77から装置外へ排出されるか、又は特定領域39を通過することなく第2大入賞装置36の排出口77から装置外へ排出される。特定領域39を通過した場合には、後述の大当たり遊技が実行される。
【0038】
なお、第2大入賞装置36には、羽根部材37の近傍(振分部材72よりも上流)に配され、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aと、特定領域39に配され、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aと、排出口77に配され、排出口77への遊技球の通過を検知する排出口センサ77aとが設けられている。
【0039】
風車310は、
図2および
図4に示すように、第2遊技領域303の中流部であって第2始動入賞装置25および第3始動入賞装置27の上方に配置されている。また、第2遊技領域303には、振分装置50によって第2遊技領域303に振り分けられた遊技球を、風車310又は第2大入賞口35に向けて誘導するための第3くぎ列320が設けられている。さらに第2遊技領域303には、遊技球を第1大入賞口30に向けて誘導するための第4くぎ列322が設けられている。また第2遊技領域303の最下部には、いずれの入賞装置にも入賞しなかった遊技球を第2遊技領域303外へ排出するアウト口330が設けられている。
【0040】
また
図2に示すように、第1遊技領域構成部材200と第2遊技領域構成部材300との間には、第1画像表示装置(表示手段に相当)7が配されている。より詳細には、第1画像表示装置7は、透明部材からなる第1遊技領域構成部材200の後面側に設けられた凹部内に配置されている。つまり遊技者は、第1遊技領域構成部材200を介して第1画像表示装置7を視認する。また第1画像表示装置7は、第2大入賞装置36における特定領域センサ39aやスペシャルルート71、ノーマルルート70等の前方に位置している。
【0041】
第1画像表示装置7は、公知の透過式の液晶表示装置である。つまり第1画像表示装置7は、平板状の液晶層を、透明電極を有する透明の保護板によって挟み込んだ構造のものである。液晶層では、非通電時には透過性を有するように液晶素子が向いており、通電時には液晶素子の向きが変わって画像が表示される。画像表示の際には、透過性は失われる。つまり、第1画像表示装置7の表示部7aは、画像を表示していないときには後方を視認可能な透過状態となり、画像を表示しているときには後方を視認することができない不透過状態となる。表示部7aが透過状態にあるときには、表示部7aの後方にある第2大入賞装置36の内部が遊技者から視認可能となる。また、表示部7aが不透過状態にあるときには、第2大入賞装置36の内部は遊技者から視認不可能となる。ここで、表示部7aの不透過状態には、半透過状態(透過状態よりも困難だが後方を視認し得る状態)も含むものとする。つまり、「後方を視認不可能な不透過状態」は、半透過状態であってもよい。
【0042】
なお、第1画像表示装置7は、透明の有機ELパネルを備える有機ELディスプレイにより構成してもよい。有機ELパネルは、通電時に発光する自発光式の有機ELのシートを、透明電極を有する透明の保護板によって挟み込んだものである。有機ELディスプレイとすれば、液晶表示装置よりも薄型のディスプレイとすることができる点でメリットがある。
【0043】
また、
図2,
図4および
図5に示すように、第2大入賞装置36の上部には、第2画像表示装置17が設けられている。第2画像表示装置17は、第1画像表示装置7よりも小型の液晶表示装置である。なお、第1画像表示装置7をメイン表示装置ともいい、第2画像表示装置をサブ表示装置ともいう。
【0044】
第1画像表示装置7は、表示部7aにて、後述の第1特別図柄の可変表示に同期した第1演出図柄8L,8C,8R(
図54参照)の可変表示を行うものである。また、第2画像表示装置17は、表示部17aにて、後述の第2特別図柄の可変表示に同期した第2演出図柄18L,18C,18R(
図54参照)の可変表示を行うものである。第1演出図柄および第2演出図柄はそれぞれ、3つの演出図柄からなる。各演出図柄は、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の演出図柄を含み、変動演出において可変表示を経たのち、いずれかの図柄で確定的に停止表示される。第1画像表示装置7は、このように停止表示される3つの第1演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41a(
図8参照)にて表示される第1特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)をわかりやすく表示する。また、第2画像表示装置17も、3つの第2演出図柄18L,18C,18Rの組み合わせによって、後述の第2特別図柄表示器41b(
図8参照)にて表示される第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)をわかりやすく表示する。
【0045】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合や小当たりに当選した場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、第1画像表示装置7や第2画像表示装置17にて把握する。なお、大当たり抽選の結果に応じた演出図柄の組み合わせは適宜変更可能である。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
【0046】
また、第1画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出(演出図柄変動演出)のほか、大当たり遊技(特別遊技の一つ)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示部7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0047】
なお、第2画像表示装置17(サブ表示装置)を用いることなく、第1画像表示装置7(メイン表示装置)の表示部7aにおける一部の領域にて、第2演出図柄の変動演出を実行するようにしてもよい。つまり、表示部7aの一部の領域を、第2演出図柄の変動演出のための領域(第2演出図柄表示領域)として用いてもよい。この場合、第2演出図柄表示領域は、例えば表示部7aにおける左上隅や右下隅など、第2大入賞装置36内を転動する遊技球と前後で重複しないような位置とするのがよい。表示部7aにおける第2演出図柄表示領域以外の領域を透過状態に制御した場合に、第2大入賞装置36内を転動する遊技球の視認性を悪くしないためである。
【0048】
また
図3および
図8に示すように、第1遊技領域構成部材200の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
【0049】
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21又は第3始動口26への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄に相当)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
【0050】
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別図柄)を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口26への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別図柄すなわち大当たり図柄や小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技や小当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0051】
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たりに当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0052】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口26への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値は、特図保留記憶部85(
図9参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(
図9参照)に記憶され、第2始動口21または第3始動口26への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(
図9参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
【0053】
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20、第2始動口21または第3始動口26への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち各特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0054】
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
【0055】
普通図柄の可変表示は、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて電チュー22を開放させる補助遊技が行われる。なお、電チュー22の開放パターンについては後述する。
【0056】
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(
図8参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なおハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
【0057】
本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(
図9参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
【0058】
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1ゲート28又は第2ゲート29への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
【0059】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
【0060】
2.遊技機の電気的構成
次に
図9及び
図10に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図9及び
図10に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。
【0061】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
【0062】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第3始動口センサ26a、第1ゲートセンサ28a、第2ゲートセンサ29a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、および排出口センサ77aが接続されている。
【0063】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20への遊技球の入賞を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21への遊技球の入賞を検出するものである。第3始動口センサ26aは、第3始動口26内に設けられて第3始動口26への遊技球の入賞を検出するものである。第1ゲートセンサ28aは、第1ゲート28内に設けられて第1ゲート28への遊技球の通過を検出するものである。第2ゲートセンサ29aは、第2ゲート29内に設けられて第2ゲート29への遊技球の通過を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30への遊技球の入賞を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35への遊技球の入賞を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39への遊技球の通過を検出するものである。排出口センサ77aは、第2大入賞口35内の排出口77に設けられて排出口77への遊技球の通過を検出するものである。
【0064】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の羽根部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材72を駆動するものである。
【0065】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0066】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているICカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(
図1参照)が含まれる。
【0067】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。
【0068】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0069】
図10に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
【0070】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置7および第2画像表示装置17の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置7および第2画像表示装置17に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0071】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0072】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や遊技盤2に設けられている盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)は、後述のステップS4304にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0073】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。なお装飾可動体15は、
図2等では図示を省略したが、遊技盤2に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)は、後述のステップS4203にて作成される。演出制御用マイコン91は、作成した動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。なお、動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0074】
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
【0075】
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。
【0076】
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり)が実行される。これは第1の利益に相当する。より詳細には本形態では、
図11に示すように、大当たりの種別として「15R(ラウンド)通常大当たり」と「15R時短大当たり」とがある。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「通常遊技状態」に制御する大当たりである。一方、「15R時短大当たり」は、15Rにわたって第1大入賞口30を開放させた後、遊技状態を後述の「特定遊技状態」に制御する大当たりである。なお、両大当たりとも、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は28秒である。
【0077】
また、「15R通常大当たり」は第1特別図柄(特
図1)の抽選でのみ当選する可能性がある。これに対して「15R時短大当たり」は第1特別図柄の抽選と第2特別図柄(特
図2)の抽選で当選する可能性がある。なお、第1特別図柄の抽選によって「15R通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに特
図1_通常図柄1が停止表示される。また、第1特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに特
図1_時短図柄2が停止表示される。また、第2特別図柄の抽選によって「15R時短大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに特
図2_時短図柄2が停止表示される。
【0078】
一方特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて15Rにわたって第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり)が実行される。これは第2の利益に相当する。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。従ってこのときの総ラウンド数は16Rとなる。なお、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。また、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
【0079】
より詳細には本形態では、
図11に示すように、小当たりの種別として「16R通常小当たり」と「16R時短小当たり」とがある。「16R通常小当たり」および「16R時短小当たり」はともに、小当たり遊技を行って、その小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過があれば大当たり遊技(2種大当たり)を行うものである。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。
【0080】
小当たり遊技では、第2大入賞口35の1秒開放が1回行われる。また大当たり遊技(2種大当たり)では、15Rにわたって第1大入賞口30が開放される。なお、大当たり遊技(2種大当たり)における1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は28秒である。当選した小当たりの種別が「16R通常小当たり」であれば、大当たり遊技後の遊技状態は後述の「通常遊技状態」に制御される。一方、当選した小当たりの種別が「16R時短小当たり」であれば、大当たり遊技後の遊技状態は後述の「特定遊技状態」に制御される。
【0081】
また、「16R通常小当たり」および「16R時短小当たり」は第2特別図柄(特
図2)の抽選でのみ当選する可能性がある。なお、「16R通常小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに特
図2_小当たり図柄1が停止表示される。また、「16R時短小当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに特
図2_小当たり図柄2が停止表示される。
【0082】
なお、第1特別図柄(特
図1)の抽選における各大当たりへの振分確率は、15R通常大当たりが50%、15R時短大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選した大当たりは、全て15R時短大当たりとなっている。第2特別図柄の抽選における各小当たりへの振分確率は、16R通常小当たりが50%、16R時短小当たりが50%となっている。
【0083】
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たり又は小当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。
図12(A)に示すように、大当たり乱数は0〜629までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20、第2始動口21、又は第3始動口26への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
【0084】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示部7a,17a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜126までの範囲で値をとる。
【0085】
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜198までの範囲で値をとる。また、第1ゲート28又は第2ゲート29の通過に基づいて取得される乱数には、
図12(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜240までの範囲で値をとる。
【0086】
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41には、変動時間短縮機能がある。また、普通図柄表示器42には、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。
【0087】
特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図14参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
【0088】
普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(
図13(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄(特定普通図柄)となる確率が高くなる。
【0089】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図13(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図15参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図15参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
【0090】
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第1始動口20へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第1始動口20への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
【0091】
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0092】
本形態のパチンコ遊技機1では、15R時短大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態、及び、16R時短小当たりに当選したのちの特定領域39への遊技球の通過に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、時短状態かつ高ベース状態(電サポ制御状態)である(
図11参照)。この遊技状態を特に、「特定遊技状態」という。特定遊技状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
【0093】
また、15R通常大当たりへの当選に基づく大当たり遊技後の遊技状態、及び、15R通常小当たりに当選したのちの特定領域39への遊技球の通過に基づく大当たり遊技後の遊技状態は、非時短状態かつ低ベース状態である(
図11参照)。この遊技状態を特に、「通常遊技状態」という。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常遊技状態である。
【0094】
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に
図16〜
図46に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0095】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図12に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。
【0096】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
【0097】
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0098】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第3始動口センサ26a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(
図9参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
【0099】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図12に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0100】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、第1特別動作処理(S106)、第2特別動作処理(S107)、特定領域センサ処理(S108)、液晶透過指示処理(S109)、および保留球数処理(S110)を実行する。その後、その他の処理(S111)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S111)としては、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(
図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0101】
[センサ検出処理]
図18に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、第1ゲート28又は第2ゲート29に遊技球が通過したか否か、即ち、第1ゲートセンサ28a又は第2ゲートセンサ29aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。第1ゲート28又は第2ゲート29を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が4以上であれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S202でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、
図12(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0102】
ステップS205では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S205)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S205でNO)にはステップS209に進むが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特
図1保留球数が4個に達している場合(S206でYES)には、ステップS209に進むが、特
図1保留球数が4個未満である場合には(S206でNO)、特
図1保留球数に1を加算する(S207)。
【0103】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S208)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり
図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0104】
ステップS209では、第2始動口21又は第3始動口26に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21a又は第3始動口センサ26aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口21又は第3始動口26に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第2始動口21又は第3始動口26に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特
図2保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特
図2保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特
図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0105】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S212)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S212)では、特
図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり
図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0106】
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、
図19に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、普通図柄表示器42および電チュー22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普通動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「普通動作ステータス」が「1」である場合には(S301でYES)、普通図柄待機処理(S302)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には(S301でNO、S303でYES)、普通図柄変動中処理(S304)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には(S301,S303で共にNO、S305でYES)、普通図柄確定処理(S306)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には(S301,S303,S305の全てがNO)、普通電動役物処理(S307)を行う。なお普通動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0107】
[普通図柄待機処理]
図20に示すように、普通図柄待機処理(S302)ではまず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S401)、「0」であればこの処理を終える。一方「0」でなければ、普通図柄当たり判定処理を行う(S402)。
【0108】
[普通図柄当たり判定処理]
図21に示すように、普通図柄当たり判定処理(S402)ではまず、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出す(S501)。次いで、時短フラグがONか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S502)。時短状態でなければ、
図13(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち非時短状態用のテーブルをセットする(S503)。一方、時短状態であれば、
図13(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルのうち時短状態用のテーブルをセットする(S504)。続いて、セットしたテーブルに基づいて、ステップS501で読み出した普通図柄乱数カウンタ値が当たり値か否か判定する(S505)。そして当たりであれば(S505でYES)、普通当たりフラグをONするとともに(S506)、普通当たり図柄をセットして(S507)、処理を終える。一方、ハズレであれば(S505でNO)、普通ハズレ図柄をセットして(S508)、処理を終える。
【0109】
図20に戻り、普通図柄待機処理(S302)では、普通図柄当たり判定処理(S402)に次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S403)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図13(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄表示器42による普通図柄の変動表示(可変表示)の結果として停止表示(導出表示)される図柄は、普通図柄抽選の結果が当たりである場合は普通当たり図柄(「○○」、○:点灯、●:消灯)であり、ハズレである場合は普通ハズレ図柄(「●○」)である。
【0110】
普通図柄変動パターン選択処理(S403)に次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S404)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S405)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0111】
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動開始処理を行う(S406)。普通図柄変動開始処理では、ステップS403で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0112】
[普通図柄変動中処理]
図22に示すように、普通図柄変動中処理(S304)ではまず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S601)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S601でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S602)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S603)。その後、普通動作ステータスを「3」にセット(S603)して、本処理を終える。
【0113】
[普通図柄確定処理]
図23に示すように、普通図柄確定処理(S306)ではまず、普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S701)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S701でYES)、続いて普通当たりフラグがONであるか否かを判定する(S702)。普通当たりフラグがONであれば(S702でYES)、さらに時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S703)。そして時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(即ち
図15に示す電チュー開放TBL2)をセットして(S704)、ステップS706に進む。時短状態中の開放パターンとは、
図15の電チュー開放TBL2に示すように、1回あたり2.0秒の開放を3回にわたって行う開放パターンである。従って、電チュー22の開放回数をカウントする電チュー開放カウンタには「3」をセットする。
【0114】
これに対して、非時短状態中であれば(S703でNO)、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(即ち
図15に示す電チュー開放TBL1)をセットして(S705)、ステップS706に進む。非時短状態中の開放パターンとは、
図15の電チュー開放TBL1に示すように、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、電チュー開放カウンタには「1」をセットする。
【0115】
ステップS706では、遊技制御用マイコン81は、普通動作ステータスを「4」にセットする。そして、補助遊技のオープニングを開始して(S707)、この処理を終える。一方ステップS702において、普通当たりフラグがONでなければ(S702でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S708)、この処理を終える。
【0116】
[普通電動役物処理]
図24に示すように、普通電動役物処理(S307)ではまず、普通当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S801)。普通当たり終了フラグは、当選した補助遊技において電チュー22の開放が終了したことを示すフラグである。
【0117】
普通当たり終了フラグがONでなければ(S801でNO)、電チュー22の開放中か否か(すなわち電チュー22の可動部材23が開状態か否か)を判定する(S802)。開放中でなければ(S802でNO)、電チュー22を開放させる時間に至ったか否か(つまり、補助遊技のオープニング時間が経過したか否か、又は、電チュー22の開放間のインターバル時間(閉鎖時間)が経過したか否か)を判定する(S803)。至っていなければ(S803でNO)、処理を終える。一方至っていれば(S803でYES)、電チュー22を開放する(S804)。
【0118】
ステップS802において電チュー22の開放中であれば(S802でYES)、電チュー22を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち電チュー22を開放してから所定の開放時間が経過したか否か)を判定する(S805)。そして、至っていなければ処理を終え、至っていれば電チュー22を閉鎖(閉塞)させる(S806)。つまり、電チュー22の可動部材23を閉状態に制御する。
【0119】
次いで、電チュー開放カウンタの値を1ディクリメントし(S807)、電チュー開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S808)。「0」でなければ(S808でNO)、再び電チュー22を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S808でYES)、補助遊技を終了させるため、補助遊技のエンディングを開始する(S809)。そして、普通当たり終了フラグをセットして(S810)、処理を終える。
【0120】
ステップS801において普通当たり終了フラグがONであれば(S801でYES)、補助遊技のエンディング時間が経過したか否かを判定する(S811)。経過していなければそのまま処理を終える。一方、経過していれば、普通当たり終了フラグをOFFするとともに(S812)、普通当たりフラグをOFFし(S813)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S814)処理を終える。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、普通動作処理(
図19)として再び普通図柄待機処理(S302)が実行されることになる。
【0121】
図17に示すように遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで第1特別動作処理(S106)と第2特別動作処理(S107)を行う。第1特別動作処理(S106)は、特
図1に関する処理である。第2特別動作処理(S107)は、特
図2に関する処理である。本形態のパチンコ遊技機1は、特
図1に関する処理と特
図2に関する処理とを並行して実行する遊技機である。つまり、いわゆる特
図1と特
図2の同時変動を行う遊技機である。なお、特
図1および特
図2に関する処理を、入賞順序に従って処理するようにしてもよいし、特
図2に関する処理を特
図1に関する処理より優先して処理するようにしてもよい。
【0122】
第1特別動作処理(S106)では、
図25に示すように、第1特別図柄表示器41aおよび第1大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「第1特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。一方、第2特別動作処理(S107)では、
図26に示すように、第2特別図柄表示器41b、第1大入賞装置31、および第2大入賞装置36に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「第2特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。なお各特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0123】
[第1特別動作処理]
図25に示すように、第1特別動作処理(S106)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第2特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1001)。そして「4」であれば処理を終える。「第2特別動作ステータス」が「4」であれば、後述するように大当たり遊技の実行中だからである。
【0124】
一方、「第2特別動作ステータス」が「4」でなければステップS1002以降の処理を行う。ステップS1002以降の処理では、「第1特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1002でYES)、第1特別図柄待機処理(S1003)を行い、「第1特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1002でNO、S1004でYES)、第1特別図柄変動中処理(S1005))を行い、「第1特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1002,S1004で共にNO、S1006でYES)、第1特別図柄確定処理(S1007)を行い、「第1特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1002,S1004,S1006の全てがNO)、特別電動役物処理1(S1008)を行う。
【0125】
[第2特別動作処理]
図26に示すように、第2特別動作処理(S107)ではまず、遊技制御用マイコン81は、「第1特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定する(S1101)。そして「4」であれば処理を終える。「第1特別動作ステータス」が「4」であれば、後述するように大当たり遊技の実行中だからである。
【0126】
一方、「第1特別動作ステータス」が「4」でなければステップS1102以降の処理を行う。ステップS1102以降の処理では、「第2特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1102でYES)、第2特別図柄待機処理(S1103)を行い、「第2特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1102でNO、S1104でYES)、第2特別図柄変動中処理(S1105))を行い、「第2特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1102,S1104で共にNO、S1106でYES)、第2特別図柄確定処理(S1107)を行い、「第2特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1102,S1104,S1106で共にNO、S1108でYES)、特別電動役物処理1(S1109)を行い、「第2特別動作ステータス」が「5」である場合には(S1102,S1104,S1106,S1108の全てがNO)、特別電動役物処理2(S1110)を行う。
【0127】
[第1特別図柄待機処理]
図27に示すように、第1特別図柄待機処理(S1003)ではまず、特
図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図1保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、本処理を終える。一方、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当たり判定処理(S1202)及び変動パターン選択処理(S1203)を行う。
【0128】
その後、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1ディクリメントする(S1204)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1205)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0129】
続いて遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1206)を実行する。特
図1変動開始処理(S1206)では、第1特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、第1変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、第1変動開始コマンドは、後述のステップS1416でセットされる変動パターンの情報を含むコマンドである。
【0130】
[特
図1大当たり判定処理]
図28に示すように、特
図1大当たり判定処理(S1202)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1301)。詳細には、第1特図保留記憶部85aに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。次に、大当たり判定テーブル(
図13(A))をセットする(S1302)。次いで、大当たりフラグがONか否かを判定し(S1303)、ONでなければ大当たりの当否判定を行う(S1304)。一方、ONであれば、大当たりの当否判定を行うことなく、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1305)処理を終える。このようにするのは、特
図1の処理と並行して行っている特
図2の処理で、大当たりフラグがONされ得ることを考慮してのことである。つまり、特
図1の処理と特
図2の処理とで重複して大当たり当選の判定がなされないようにするためである。
【0131】
ステップS1304の大当たりの当否判定においては、大当たり判定テーブル(
図13(A))のうち特
図1用のテーブルに基づいて大当たりか否かを判定する。なお、特
図1用のテーブルは小当たりの当選確率が零になっている。大当たり判定(S1304)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONする(S1306)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、
図13(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1307)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図11参照)をセットして(S1308)処理を終える。一方、大当たり判定(S1304)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1305)処理を終える。
【0132】
[変動パターン選択処理]次に
図29及び
図30に基づいて変動パターン選択処理について説明する。なお特
図1に関する変動パターン選択処理(S1203)と、後述する特
図2に関する変動パターン選択処理(S1503)とは、同様の処理フローである。
図29に示すように、変動パターン選択処理(S1203)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1402)。ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(
図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。具体的には、変動パターンP1又はP2が選択されることとなる。なお、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0133】
またステップS1402において、大当たりフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1404)。但し、第1特別図柄待機処理(S1003)における変動パターン選択処理(S1203)では、小当たりフラグがONであると判定されることはない。これに対して、後述する第2特別図柄待機処理(S1103)における変動パターン選択処理(S1503)では、小当たりフラグがONであると判定されることがある。ステップS1404で小当たりフラグがONであると判定した場合には、非時短状態中小当たりテーブル(
図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1405)。具体的には、変動パターンP3が選択されることとなる。
【0134】
またステップS1404において、小当たりフラグがONでなければ(S1404でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1406)。
図13(C)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「5」であり、非時短状態であれば「0」〜「13」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
【0135】
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1406でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(
図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。具体的には、変動パターンP4又はP5が選択されることとなる。
【0136】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1406でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(
図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP6又はP7が選択されることとなる。
【0137】
またステップS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)には、
図30に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(
図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1402〜S1408と同様の流れで処理(S1409〜S1415)を行う。すなわち、大当たりフラグがONであれば
図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1410)。具体的には、変動パターンP8、P9又はP10のいずれかが選択されることとなる。
【0138】
また小当たりフラグがONであれば、
図14の時短状態中且つ小当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1412)。具体的には、変動パターンP11が選択されることとなる。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であれば、
図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。具体的には、変動パターンP12又はP13が選択されることとなる。またリーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でなければ、
図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。具体的には、変動パターンP14又はP15が選択されることとなる。
【0139】
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(
図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
【0140】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図29に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1416)、本処理を終える。ステップS1416でセットした変動パターンの情報は、第1特別図柄待機処理(S1003)における変動パターン選択処理(S1203)でセットされたものであれば、ステップS1206でセットされる第1変動開始コマンドに含められる。また、後述の第2特別図柄待機処理(S1103)における変動パターン選択処理(S1503)でセットされたものであれば、ステップS1506でセットされる第2変動開始コマンドに含められる。
【0141】
[第2特別図柄待機処理]
図31に示すように、第2特別図柄待機処理(S1103)ではまず、特
図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1501)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1501でYES)、即ち、第2始動口21又は第3始動口26への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、本処理を終える。一方、特
図2保留球数が「0」でない場合(S1501でNO)、即ち、第2始動口21又は第3始動口26への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図2大当たり判定処理(S1502)を行うとともに、変動パターン選択処理(S1503)を行う。変動パターン選択処理(S1503)は、
図29及び
図30に基づいて既に説明した通りである。
【0142】
次いで、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数を1ディクリメントする(S1504)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1505)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0143】
続いて遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理(S1506)を実行する。特
図2変動開始処理(S1506)では、第2特別動作ステータスを「2」にセットするとともに、第2変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、第2変動開始コマンドは、前述のステップS1416でセットされる変動パターンの情報を含むコマンドである。
【0144】
[特
図2大当たり判定処理]
図32に示すように、特
図2大当たり判定処理(S1502)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1601)。詳細には、第2特図保留記憶部85bに一つ目の保留情報として記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。次に、大当たり判定テーブル(
図13(A))をセットする(S1602)。次いで、大当たりフラグがONか否かを判定し(S1603)、ONでなければ大当たりの当否判定を行う(S1604)。一方、ONであれば、大当たりの当否判定を行うことなく、ステップS1608に進む。このようにするのは、特
図2の処理と並行して行っている特
図1の処理で、大当たりフラグがONされ得ることを考慮してのことである。つまり、特
図2の処理と特
図1の処理とで重複して大当たり当選の判定がなされないようにするためである。
【0145】
ステップS1604の大当たりの当否判定においては、大当たり判定テーブル(
図13(A))のうち特
図2用のテーブルに基づいて大当たりか否かを判定する。より詳細には、ステップS1601で読み出した大当たり乱数値が大当たり当選乱数値(628,629のいずれか)であるかを判定する。大当たり判定(S1604)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONする(S1605)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、
図13(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定するとともに(S1606)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図11参照)をセットして(S1607)処理を終える。
【0146】
ステップS1608では、ステップS1602でセットした
図13(A)に示す大当たり判定テーブルのうち特
図2用のテーブルを参照して、小当たりの当否判定を行う。より詳細には、ステップS1601で読み出した大当たり乱数値が小当たり当選乱数値(0〜625のいずれか)であるかを判定する。なお、特
図2用のテーブルは、ほとんどの判定結果が小当たり当選となるようなテーブルとなっている。つまり、第2始動口21又は第3始動口26に入球した場合にはほぼ必ず、第2大入賞口35が開放されるようになっている。
【0147】
小当たり判定(S1608)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONする(S1609)。そして、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、
図13(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて小当たり種別を判定するとともに(S1610)、小当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図11参照)をセットして(S1611)処理を終える。一方、小当たり判定(S1608)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1612)処理を終える。
【0148】
[第1特別図柄変動中処理]
図33(a)に示すように、第1特別図柄変動中処理(S1005)ではまず、第1特別図柄の変動時間(
図29のステップS1416でセットされた変動パターンに応じて決まる変動時間、
図14参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより第1特別図柄の変動表示が継続される。
【0149】
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、第1変動停止コマンドをセットする(S1702)。次いで、第1特別図柄の変動表示を、大当たり乱数及び当たり種別乱数の判定結果に応じた表示結果(すなわちセットされている特図停止図柄データに基づく図柄)で停止させる(S1703)。そして、第1特別動作ステータスを「3」にセットして(S1704)、この処理を終える。
【0150】
[第2特別図柄変動中処理]
図33(b)に示すように、第2特別図柄変動中処理(S1105)ではまず、第2特別図柄の変動時間(
図29のステップS1416でセットされた変動パターンに応じて決まる変動時間、
図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより第2特別図柄の変動表示が継続される。
【0151】
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、第2変動停止コマンドをセットする(S1802)。次いで、第2特別図柄の変動表示を、大当たり乱数及び当たり種別乱数の判定結果に応じた表示結果(すなわちセットされている特図停止図柄データに基づく図柄)で停止させる(S1803)。そして、第2特別動作ステータスを「3」にセットして(S1804)、この処理を終える。
【0152】
[第1特別図柄確定処理]
図34に示すように、第1特別図柄確定処理(S1007)ではまず、第1特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、遊技状態管理処理を行う(S1902)。
【0153】
[遊技状態管理処理]
図35に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、本処理を終了する。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
【0154】
図34に戻って、遊技制御用マイコン81は、遊技状態管理処理(S1902)に続いて大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、特
図2強制停止処理を行う(S1904)。特
図2強制停止処理(S1904)は、特
図1の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技を実行する場合に、大当たり遊技の開始に伴って、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示するための処理である。
【0155】
[特
図2強制停止処理]
図36に示すように、特
図2強制停止処理(S1904)ではまず、第2特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S2101)。そして、第2特別図柄の変動表示中でなければ本処理を終える。一方、第2特別図柄の変動表示中であれば、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2102)。
【0156】
小当たりフラグがONでなければ、ステップS2106に進む。一方、小当たりフラグがONであれば、小当たりフラグをOFFする(S2103)。そして、第2特別図柄の停止図柄をハズレ図柄にセットし直すとともに(S2104)、特
図2差し替えコマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2105)、ステップS2106に進む。このような処理を行うのは、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放と、大当たり遊技としての第1大入賞口30の開放とが同時に生じないようにするためである。
【0157】
ステップS2106では、第2変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。続いて遊技制御用マイコン81は、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止表示する(S2107)。これにより、第2特別図柄表示器41bにはハズレ図柄が停止表示される。そして、遊技状態管理処理(S2108)を行うとともに、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2109)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2108)は、
図35に基づいて既に説明した通りである。
【0158】
図34に戻って、遊技制御用マイコン81は、特
図2強制停止処理(S1904)に続いて第1特別動作ステータスを「4」にセットする(S1905)。次いで、時短フラグがONであれば(S1906でYES)、時短フラグをOFFする(S1907)。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
【0159】
続いて、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1908)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1909)。そして、大入賞口の開放パターンとして、15R通常大当たり又は15R時短大当たり用の開放パターン(
図11参照)をセットして(S1910)、本処理を終える。なお、ステップS1910では、特別遊技中に実行したラウンド(本形態では1回のラウンドは大入賞口の開放から閉塞まで)の回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値は「15」にセットされる。
【0160】
一方、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ、大当たり遊技を開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S1911)、本処理を終える。
【0161】
[第2特別図柄確定処理]
図37に示すように、第2特別図柄確定処理(S1107)ではまず、第2特別図柄の停止時間が経過したか否かを判定する(S2201)。経過していなければ(S2201でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S2201でYES)、遊技状態管理処理を行う(S2202)。遊技状態管理処理(S2202)は、
図35に基づいて既に説明した通りである。
【0162】
遊技状態管理処理(S2202)に続いて、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2203)。大当たりフラグがONであれば(S2203でYES)、特
図1強制停止処理1を行う(S2204)。特
図1強制停止処理1(S2204)は、特
図2の抽選で大当たりに当選して大当たり遊技を実行する場合に、大当たり遊技の開始に伴って、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示するための処理である。
【0163】
[特
図1強制停止処理1]
図38に示すように、特
図1強制停止処理1(S2204)ではまず、第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S2301)。そして、第1特別図柄の変動表示中でなければ本処理を終える。一方、第1特別図柄の変動表示中であれば、第1変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S2302)。続いて遊技制御用マイコン81は、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2303)。これにより、第1特別図柄表示器41aにはハズレ図柄が停止表示される。そして、遊技状態管理処理(S2304)を行うとともに、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2305)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2304)は、
図35に基づいて既に説明した通りである。
【0164】
図37に戻って、遊技制御用マイコン81は、特
図1強制停止処理1(S2204)に続いて第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2205)。次いで、時短フラグがONであれば(S2206でYES)、時短フラグをOFFする(S2007)。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態且つ低ベース状態に制御される。続いて、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2208)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S2209)。そして、大入賞口の開放パターンとして、15R時短大当たり用の開放パターン(
図11参照)をセットして(S2210)、本処理を終える。なお、ステップS2210では、大入賞口開放カウンタの値は「15」にセットされる。
【0165】
一方、ステップS2203において大当たりフラグがONでなければ、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2211)。小当たりフラグがONであれば、第2特別動作ステータスを「5」にセットする(S2212)。次いで、小当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2213)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S2214)。そして、大入賞口の開放パターンとして、16R通常小当たり又は16R時短小当たり用の開放パターン(
図11参照)をセットして(S2215)、本処理を終える。なお、ステップS2215では、大入賞口開放カウンタの値は「16」にセットされる。
【0166】
ステップS2211において小当たりフラグがONでなければ、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2216)、本処理を終える。
【0167】
[特別電動役物処理1]
図39に示すように、特別電動役物処理1(S1008又はS1109)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2401)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
【0168】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2401でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2402)。開放中でなければ(S2402でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンドを開始する時間に至ったか否かを判定する(S2403)。
【0169】
ステップS2403の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2403の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2404)。
【0170】
ステップS2402において第1大入賞口30の開放中であれば(S2402でYES)、そのラウンドにおける第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達しているか否かを判定する(S2405)。規定入賞個数に達していなければ(S2405でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(
図11参照)が経過したか否か)を判定する(S2406)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2406でNO)、処理を終える。
【0171】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2405でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2406でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2407)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2408)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2409)。「0」でなければ(S2409でNO)、次のラウンドを開始するためにそのまま処理を終える。
【0172】
一方「0」であれば(S2409でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たり終了処理として大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2410)、大当たりのエンディングを開始する(S2411)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2412)。なお大入賞口開放カウンタは、第1大入賞口30の開放が15回なされると「0」になる。
【0173】
またステップS2401において大当たり終了フラグがONであれば(S2401でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2413)、エンディング時間が経過していなければ(S2413でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2413でYES)、大当たり終了フラグをOFFした後(S2414)、後述の遊技状態設定処理(S2415)を行って、大当たりフラグをOFFする(S2416)。
【0174】
そして、第1特別動作ステータス又は第2特別動作ステータスを「1」にセットして処理を終える(S2417)。なおステップS2417では、現在の第1特別動作ステータスが「4」であれば第1特別動作ステータスを「1」にセットし、現在の第2特別動作ステータスが「4」であれば第2特別動作ステータスを「1」にセットする。すなわち、現在実行している特別電動役物処理1が、特
図1の抽選の結果実行されたものである場合には第1特別動作ステータスを「1」にセットし、小当たり遊技中の特定領域39の通過によって実行されたものである場合には第2特別動作ステータスを「1」にセットする。
【0175】
[遊技状態設定処理]
図40に示すように、遊技状態設定処理(S2415)ではまず、今回実行した特別遊技が時短当たり(すなわち15R時短大当たり又は16R時短小当たり)であるか否か判定する(S2501)。ステップS2501の判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2502)、時短カウンタに「100」をセットして(S2503)処理を終える。これにより、今回の特別遊技後の遊技状態が時短状態且つ高ベース状態(つまり特定遊技状態)になる。この特定遊技状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。これに対して、ステップS2501の判定結果がNOであれば、時短フラグをONすることなく、本処理を終了する。
【0176】
[特別電動役物処理2]
図41及び
図42に示すように、特別電動役物処理2(S1110)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2601)。小当たり終了フラグは、当選した小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0177】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2601でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2602)。開放中でなければ(S2602でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち小当たりのオープニングの時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2603)。
【0178】
ステップS2603の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2603の判定結果がYESであれば、V有効期間を設定するとともに(S2604)、セットされている開放パターンに従って第2大入賞口35を開放させる(S2605)。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONする期間である。V有効期間は、第2大入賞口35の開放開始から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、第2大入賞口35の開放時間よりも長い時間に設定されている。詳しくは、第2大入賞口35が閉塞したあとであっても、第2大入賞装置36内に入球した遊技球が装置外に排出されるまではV有効期間が続くように設定されている。
【0179】
なお小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を排出口センサ77aによる検知に基づいてカウントしている。そして、V有効期間が経過した時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときにV有効期間を終了させるようにしてもよい。
【0180】
ステップS2602において第2大入賞口35の開放中であれば(S2602でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1開放当たり8個)に達しているか否かを判定する(S2606)。規定入賞個数に達していなければ(S2606でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図11参照)が経過したか否か)を判定する(S2607)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2607でNO)、処理を終える。
【0181】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2606でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2607でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2608)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2609)、小当たり遊技を終了させるべく、小当たり終了処理として小当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2610)、小当たりのエンディングを開始する(S2611)。そして、小当たり終了フラグをセットして(S2612)処理を終える。なおこの時点での大入賞口開放カウンタの値は、「15」である。
【0182】
またステップS2601において小当たり終了フラグがONであれば(S2601でYES)、
図42に示すように、小当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2613)、エンディング時間が経過していなければ(S2613でNO)処理を終える。なお、小当たりのエンディング時間は、V有効期間の終了とともに終了するような時間となっている。一方、エンディング時間が経過していれば(S2613でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2614)、小当たりフラグをOFFする(S2615)。
【0183】
そして、透過指示フラグがONであるか否かを判定する(S2616)。透過指示フラグは後述するステップS2903(
図45参照)でONするフラグである。この透過指示フラグがONであれば(S2616でYES)、透過指示フラグをOFFするとともに(S2617)、不透過指示コマンドをセットして(S2618)、ステップS2619に進む。不透過指示コマンドは、サブ制御基板90に対して第1画像表示装置7の表示部7aを不透過状態に制御する旨の指示を行うためのコマンドである。一方、透過指示フラグがONでなければ(S2616でNO)、ステップS2619に進む。
【0184】
ステップS2619では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは後述するステップS2803(
図44参照)でONするフラグである。このVフラグがONでなければ(S2619でNO)、大当たり遊技を実行しないため、大入賞口カウンタの値を「0」にリセットするとともに(S2620)、第2特別動作ステータスを「1」にセットして(S2621)処理を終える。
【0185】
一方、VフラグがONであれば(S2619でYES)、後述する特
図1強制停止処理2を実行する(S2622)。特
図1強制停止処理2(S2622)は、小当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に起因して大当たり遊技を実行する場合に、大当たり遊技の開始に伴って、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示するための処理である。特
図1強制停止処理2(S2622)を実行したあと遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2623)、大当たりフラグをONして(S2624)、第2特別動作ステータスを「4」にセットする(S2625)。続いて、時短フラグがONであれば(S2626でYES)時短フラグをOFFする(S2627)。そして、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S2628)、大当たりのオープニングを開始して(S2629)本処理を終える。これにより、小当たり遊技から大当たり遊技に移行する。
【0186】
[特
図1強制停止処理2]
図43に示すように、特
図1強制停止処理2(S2622)ではまず、第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S2701)。そして、第1特別図柄の変動表示中でなければ本処理を終える。一方、第1特別図柄の変動表示中であれば、続いて大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S2702)。なお、この判定対象の大当たりフラグは、特
図1大当たり判定処理(
図28)におけるステップS1306でONされる大当たりフラグである。
【0187】
大当たりフラグがONでなければ(S2702でNO)、ステップS2706に進む。一方、大当たりフラグがONであれば(S2702でYES)、大当たりフラグをOFFする(S2703)。そして、第1特別図柄の停止図柄をハズレ図柄にセットし直すとともに(S2704)、特
図1差し替えコマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2705)、ステップS2706に進む。このような処理を行うのは、小当たり遊技中の特定領域39への通過に起因する大当たり遊技と、特
図1の抽選に起因する大当たり遊技とが同時に生じるのを防ぐためである。
【0188】
ステップS2706では、第1変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。続いて遊技制御用マイコン81は、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止表示する(S2707)。これにより、第1特別図柄表示器41aにはハズレ図柄が停止表示される。そして、遊技状態管理処理(S2708)を行うとともに、第1特別動作ステータスを「1」にセットして(S2709)、本処理を終える。遊技状態管理処理(S2708)は、
図35に基づいて既に説明した通りである。
【0189】
[特定領域センサ検出処理]
図17に示すように遊技制御用マイコン81は、第2特別動作処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う。特定領域センサ検出処理(S108)では
図44に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2801)。検知がなければ(S2801でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2801でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2802)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理2(
図41)におけるV有効期間設定処理(S2604)にて設定される期間である。V有効期間は、小当たり遊技の実行中の期間として設定される。
【0190】
ステップS2802でV有効期間中であると判定した場合には(S2802でYES)、VフラグをONするとともに(S2803)、V入賞コマンドをセットして(S2804)処理を終える。一方、ステップS2802でV有効期間中でないと判定した場合には(S2802でNO)、VフラグをONすることなく、処理を終える。なお、V入賞コマンドは、サブ制御基板90にV入賞の報知を行わせるためのコマンドである。
【0191】
[液晶透過指示処理]
図17に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S108)に次いで液晶透過指示処理(S109)を行う。液晶透過指示処理(S109)では
図45に示すように、まず、第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2901)。検知がなければ(S2901でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2901でYES)、続いて小当たりフラグがONであるか否か(すなわち小当たり遊技の実行中であるか否か)を判定する(S2902)。
【0192】
そして、小当たりフラグがONでなければ処理を終了するが、ONであれば、透過指示フラグをONするとともに(S2903)、透過指示コマンドをセットする(S2904)。透過指示コマンドは、サブ制御基板90に対して第1画像表示装置7の表示部7aを透過状態に制御する旨の指示を行うためのコマンドである。
【0193】
[保留球数処理]
図17に示すように遊技制御用マイコン81は、液晶透過指示処理(S109)に次いで保留球数処理(S110)を行う。保留球数処理(S110)では
図46に示すように、まず、RAM84に記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S3001)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数をサブ制御基板90に通知するための保留球数コマンド)を、RAM84の出力バッファにセットする(S3002)。
【0194】
6.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に
図47〜
図53に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から
図47に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0195】
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0196】
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0197】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100、音声制御基板106、およびランプ制御基板107に送信する。コマンドを受信した各基板は、コマンドに従い各種の演出装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置17、スピーカ67、盤ランプ5、枠ランプ66及び装飾可動体15等)を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や特別遊技に伴う特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
【0198】
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、
図48に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0199】
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図49に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検出スイッチ63a(
図10)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。続いて、後述の10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。次いで、装飾可動体15(
図10)を駆動するための駆動データの作成および出力を行う駆動データ出力処理を行う(S4203)。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0200】
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。
図50に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示部7a,17aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4304)。
【0201】
[受信コマンド解析処理]
図51に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特
図1差し替えコマンド(
図43のS2705でセット)を受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば第1演出図柄差し替え処理を行う(S4402)。第1演出図柄差し替え処理(S4402)は、後述の第1変動演出開始処理(S4406)にて実行される変動演出における第1演出図柄8L,8C,8Rの停止図柄を差し替える処理である。この処理では、第1演出図柄8L,8C,8Rの停止図柄を、第1特別図柄の抽選結果がハズレであることを示す図柄の組み合わせとなるように差し替える。
【0202】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特
図2差し替えコマンド(
図36のS2105でセット)を受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば第2演出図柄差し替え処理を行う(S4404)。第2演出図柄差し替え処理(S4404)は、後述の第2変動演出開始処理(S4410)にて実行される変動演出における第2演出図柄18L,18C,18Rの停止図柄を差し替える処理である。この処理では、第2演出図柄18L,18C,18Rの停止図柄を、第2特別図柄の抽選の結果がハズレであることを示す図柄の組み合わせとなるように差し替える。
【0203】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第1変動開始コマンド(S1206でセット)を受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述する第1変動演出開始処理を行う(S4406)。次に、主制御基板80から第1変動停止コマンド(S1702,S2302又はS2706でセット)を受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述する第1変動演出終了処理を行う(S4408)。
【0204】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から第2変動開始コマンド(S1506でセット)を受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述する第2変動演出開始処理を行う(S4410)。次に、主制御基板80から第2変動停止コマンド(S1802又はS2106でセット)を受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述する第2変動演出終了処理を行う(S4412)。
【0205】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンド(S1908,S2208,S2213又はS2628でセット)を受信したか否か判定し(S4413)、受信していれば特別遊技演出選択処理を行う(S4414)。特別遊技演出選択処理(S4414)では、オープニングコマンドを解析して、特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した特別遊技演出パターンにて特別遊技演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なお、特別遊技演出には、特別遊技のオープニング中に実行するオープニング演出と、大当たり遊技における大入賞口の開放中および開放間のインターバル中に実行するラウンド演出が含まれている。
【0206】
オープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、不透過状態に制御されている第1画像表示装置7の表示部7aにて特別遊技演出を行う。
【0207】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンド(S2410又はS2610でセット)を受信したか否か判定し(S4415)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S4416)。エンディング演出選択処理(S4416)ではまず、エンディングコマンドを解析する。そして、大当たり遊技のエンディングであれば、モードステータスを変更するモードステータス変更処理を行う。
【0208】
モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。ここで演出モードとは、第1画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、第1画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0209】
モードステータス変更処理では、終了させる大当たり遊技が、通常当たり(15R通常大当たり又は16R通常小当たり)への当選に基づく大当たり遊技であれば、モードステータスを「1」(演出モードAに対応するモードステータス)にセットする。また、時短当たり(15R時短大当たり又は16R時短小当たり)への当選に基づく大当たり遊技であればモードステータスを「2」(演出モードBに対応するモードステータス)にセットする。つまり、演出モードAは通常遊技状態に制御されているときに実行される演出モードである。また、演出モードBは特定遊技状態(時短状態且つ高ベース状態)に制御されているときに実行される演出モードである。遊技者は、演出モードがA,Bのいずれであるかを確認することで現在の遊技状態を把握することが可能である。
【0210】
なおモードステータスの初期値は「1」である。また演出モードBへの変更時には、その演出モードでの特別図柄の変動表示の回数に上限を設けるため、演出モードカウンタの値Mに上限回数である「100」をセットする。
【0211】
エンディング演出選択処理(S4416)では上記のようなモードステータス変更処理に続いて、モードステータスを参照する。そして、解析したエンディングコマンド及び参照したモードステータスに基づいて、特別遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0212】
エンディング演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、不透過状態に制御されている第1画像表示装置7の表示部7aにてエンディング演出を行う。
【0213】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV入賞コマンド(S2804でセット)を受信したか否か判定し(S4417)、受信していればV入賞報知演出開始処理を行う(S4418)。V入賞報知演出開始処理(S4418)では、V入賞報知演出を開始するためのV入賞報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V入賞報知演出とは、V入賞があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、特別の効果音をスピーカ67から出力する演出である。V入賞報知演出は、V入賞があった旨を不透過状態の表示部7aに表示するなど、他の演出態様をとってもよい。
【0214】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から透過指示コマンド(S2904でセット)を受信したか否か判定し(S4419)、受信していれば液晶透過状態処理を行う(S4420)。液晶透過状態処理(S4420)では、第1画像表示装置7の表示部7aを透過状態に制御するための透過制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0215】
透過制御コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、第1画像表示装置7の表示部7aを、透過状態に制御する(
図55参照)。これにより、第2大入賞装置36の内部の様子が遊技者に視認可能となる。すなわち、遊技者は、第2大入賞装置36内を転動する遊技球を視認することができるようになり、特定領域39を通過するかどうかを目視にて楽しむことができるようになる。
【0216】
また、画像制御基板100のCPU102は、第1画像表示装置7の表示部7aに表示していた第1演出図柄8L,8C,8Rを、第2画像表示装置17の表示部17aに表示する。すなわち、
図55に示すように、第2画像表示装置17の表示部17aは2つの表示領域に分けられ、図中左側の第1表示領域17aaには第1演出図柄8L,8C,8Rが表示され、図中右側の第2表示領域17abには第2演出図柄18L,18C,18Rが表示されることとなる。
【0217】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から不透過指示コマンド(S2618でセット)を受信したか否か判定し(S4421)、受信していれば液晶不透過状態処理を行う(S4422)。液晶不透過状態処理(S4422)では、第1画像表示装置7の表示部7aを不透過状態に制御するための不透過制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
【0218】
不透過制御コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、第1画像表示装置7の表示部7aを、不透過状態に制御する(
図54参照)。これにより、第2大入賞装置36の内部の様子が遊技者から視認不可能となる。また、
図54に示すように、第1画像表示装置7の表示部7aには第1演出図柄8L,8C,8Rが表示されるようになり、第2画像表示装置17の表示部17aには第2演出図柄18L,18C,18Rだけが表示されるようになる。
【0219】
続いて、その他の処理(S4423)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンド(S406でセット)や普通図柄変動停止コマンド(S602でセット)、保留球数コマンド(S3002でセット))に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
【0220】
[変動演出開始処理]上述の第1変動演出開始処理(S4406)と第2変動演出開始処理(S4410)は同様の流れの処理であるため、
図52に変動演出開始処理としてまとめて示す。
図52に示すように、変動演出開始処理(S4406又はS4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド)を解析する(S4501)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(
図29及び
図30)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、特
図1又は特
図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている(
図14参照)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
【0221】
次に演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照する(S4502)。続いて演出制御用マイコン91は、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルをセットし(S4503)、このテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合するとともに参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4504)。このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄(第1演出図柄8L,8C,8R又は第2演出図柄18L,18C,18R)の組み合わせなどを含めて、演出図柄変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて演出図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4505)、変動演出開始処理を終了する。
【0222】
ステップS4505でセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置の表示部(第1画像表示装置7の表示部7a又は第2画像表示装置17の表示部17a)にて演出図柄変動演出を行う(
図54及び
図55参照)。
【0223】
[変動演出終了処理]上述の第1変動演出終了処理(S4408)と第2変動演出終了処理(S4412)は同様の流れの処理であるため、
図53に変動演出終了処理としてまとめて示す。
図53に示すように、変動演出終了処理(S4408又はS4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(第1変動停止コマンド又は第2変動停止コマンド)を解析するとともに(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)。
【0224】
次に、モードステータスが「1」か否か、即ち通常遊技状態に対応する演出モードAか否かを判定する(S4603)。そして、モードステータスが「1」であれば、ステップS4607に進む。一方、モードステータスが「1」でなければ、現在の演出モードに対応する演出モードカウンタの値Mを1ディクリメントして(S4604)、その値Mが「0」にならなければ(S4605でNO)そのままステップS4607に進む。これに対して、「0」になれば(S4605でYES)、演出モードAに戻すためにモードステータスに「1」をセットしてから(S4606)ステップS4607に進む。ステップS4607では、演出制御用マイコン91は、演出図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
【0225】
7.第1画像表示装置7の制御
次に、第1画像表示装置7の表示部7aの透過状態/不透過状態の切り替え制御について説明する。
図56は、第1画像表示装置7の透過状態/不透過状態の切り替えタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図56において(a)は小当たり遊技の実行タイミングを示し、(b)は第2大入賞口35の開閉のタイミングを示し、(c)は第2大入賞口センサ35aの検知信号の出力タイミングを示し、(d)は第1画像表示装置7の透過状態/不透過状態の切り替えタイミングを示している。
【0226】
図56に示すように、第2大入賞口35内に遊技球が入球して第2大入賞口センサ35aに検知されるまでは、第1画像表示装置7は不透過状態に制御されている。つまり第1画像表示装置7は、
図54に示す状態にある。このとき表示部7aには、第1演出図柄8L,8C,8Rが表示されている。また、表示部7aは不透過状態であるため、第2大入賞装置36の内部は遊技者には視認不可能となっている。
【0227】
そして、第2大入賞口35が開放されて第2大入賞口35内に遊技球が入球すると、第2大入賞口センサ35aがONされる。このとき、第1画像表示装置7は不透過状態から透過状態に切り替わる(
図56(b),(c)及び(d)参照)。つまり第1画像表示装置7は、
図55に示す状態となる。これにより、第2大入賞装置36の内部が遊技者から視認可能となる。また、第1画像表示装置7に表示されていた第1演出図柄8L,8C,8Rは、第2画像表示装置17の表示部17aに表示される。つまり、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100を介して第1画像表示装置7および第2画像表示装置17を
図55に示す状態に制御する。このような制御によって、遊技者は、第2大入賞口35内に入球した遊技球が特定領域39を通過するか否かを視認することが可能となり、第2大入賞装置36内での遊技球の挙動を楽しむことが可能となる。また遊技者は、第1特別図柄の抽選結果を第2画像表示装置17にて確認することが可能となる。
【0228】
その後、小当たり遊技のエンディング時間が経過すると、つまり小当たり遊技が終了すると、第1画像表示装置7は再び不透過状態に切り替わる(
図56(a)及び(d)参照)。つまり第1画像表示装置7は、
図54に示す状態に戻る。これにより、再び第2大入賞装置36の内部が遊技者から視認不可能となる。また、再び第1演出図柄8L,8C,8Rが第1画像表示装置7の表示部7aに表示されるようになる。つまり、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100を介して第1画像表示装置7および第2画像表示装置17を
図54に示す状態に制御する。このような制御によって、遊技者は、第2画像表示装置17よりも大きな第1画像表示装置7で第1演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を楽しむことが可能となる。なお、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後であって、第2大入賞装置36内に入球した全ての遊技球の排出が排出口センサ77aにより確認されたときに(言い換えれば、小当たり遊技中に第2大入賞装置36内へ入球した遊技球の数と、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数とが一致したときに)、第1画像表示装置7を不透過状態に切り替える構成としてもよい。
【0229】
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、第1遊技領域203に打ち込まれた遊技球は、振分装置50によって常に第1遊技領域203か第2遊技領域303に振り分けられる(
図2参照)。第1遊技領域203では、所謂1種遊技が進行される。つまり、第1特別図柄が特定の停止態様(大当たり図柄)で停止表示されたあと大当たり遊技が実行される。一方第2遊技領域303では、所謂2種遊技が進行される。つまり、特定領域39への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技が実行される。よって本形態によれば、1種遊技と2種遊技とを同時に遊技させることが可能となる。これにより、新たな興趣を提供することが可能となる。
【0230】
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2大入賞口35へ遊技球が入賞するまでは表示部7aは不透過状態に制御されており、第2大入賞口35へ遊技球が入賞すると表示部7aは透過状態に制御される(
図56参照)。つまり、特定領域39へ遊技球が進入する可能性があるときだけ、特定領域39が視認可能となる。そのため、特定領域39へ遊技球が進入する可能性のないとき、つまり、第2大入賞口35へ遊技球が入賞していない間は、不透過状態の表示部7aにて任意の表示演出を行うことが可能となる。
【0231】
そして本形態では、表示部7aが不透過状態にあるときには、表示部7aにて演出図柄変動演出を行う(
図54参照)。そのため、表示部7aを演出図柄変動演出に効果的に利用した遊技機となっている。しかも、第2大入賞口35への入賞がなされたときには、いままで変動演出に利用していた表示部7aは透過状態となり、特定領域39が視認可能となる(
図55参照)。そのため、遊技者に驚きを与えることが可能となる。さらには、遊技者はあちこち視線を移すことなく表示部7aに視線を向けているだけで、第1始動口20への進入に基づく第1の利益(1種大当たり)が生じるか否かも、特定領域39への進入に基づく第2の利益(2種大当たり)が生じるか否かも認識できる。そのため、複数の遊技が同時に進行しても遊技結果に容易に気付くことが可能な、遊技し易い遊技機とすることが可能となる。
【0232】
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
【0233】
〈第2形態〉
本発明に係る第2形態の遊技機について説明する。上記の第1形態では
図7に示すように、第1大入賞装置31を第2遊技領域構成部材300に設けた。よって、第1遊技領域203を転動した遊技球は、第1遊技領域203の開口部230を通って第2遊技領域303に移動し、それから第1大入賞装置31(第1大入賞口30)内に入球し得るようになっていた。これに対して第2形態では
図57に示すように、第1遊技領域構成部材200と第2遊技領域構成部材300とに前後方向に貫通する開口部480,490を設け、両開口部480,490に嵌合するように第1大入賞装置400を配している。そして、第1遊技領域203を転動した遊技球が、第2遊技領域303に移動するまでもなく直接、第1大入賞装置400内に入球するように構成している。つまり第2形態に係る第1大入賞装置400は、第1遊技領域203を転動している遊技球も第2遊技領域303を転動している遊技球も入賞可能な共通入賞装置400となっている。
【0234】
より具体的には
図57(A)の縦断面図に示すように、共通入賞装置400は、上部が開口した箱形状の本体部材401と、本体部材401の上部に配されている共通開閉部材430とを備えている。本体部材401の上部は、第1遊技領域203を転動する遊技球の進入を許容し得る第1入球部(第1遊技領域側第1大入賞口)410と、第2遊技領域303を転動する遊技球の進入を許容し得る第2入球部(第2遊技領域側第1大入賞口)420とを構成している(
図57(B)参照)。
【0235】
共通開閉部材430は、第1大入賞口ソレノイド33によって駆動され、
図57(A)に示す第1状態(閉状態)と、
図57(B)に示す第2状態(開状態)とをとる。共通開閉部材430には、上下方向に貫通する孔部431が設けられている。共通開閉部材430が第1状態にあるときには、孔部431は第1遊技領域構成部材200の開口部480内に位置している(
図57(A)参照)。つまり、共通開閉部材430が第1状態にあるときには、共通開閉部材430によって第1入球部410及び第2入球部420がともに閉塞されている(
図57(A)参照)。よって、第1入球部410への入球も第2入球部420への入球も共に不可能となっている。
【0236】
一方、共通開閉部材430が第2状態にあるときには、孔部431は第1遊技領域構成部材200と第2遊技領域構成部材300との間に位置している(
図57(B)参照)。つまり、共通開閉部材430が第2状態になると、第1入球部410及び第2入球部420はともに開放される(
図57(B)参照)。この状態にあるときには、第1入球部410からも第2入球部420からも共通入賞装置400内に遊技球が進入可能となる。
【0237】
また共通入賞装置400内には、第1入球部410から入球した遊技球も第2入球部420から入球した遊技球も通過する位置に、第1大入賞口センサ30aが配置されている。言い換えれば、第1大入賞口センサ30aは、第1遊技領域203を流下し第1入球部410に入球した遊技球も、第2遊技領域303を流下し第2入球部420に入球した遊技球も通過する共通通路上に配置されている。つまり、第1大入賞口センサ30aは、第1入球部410と第2入球部420のどちらから入球した遊技球も検知する共通球検知手段を構成している。
【0238】
そして第2形態では、1種大当たりに当選した場合でも2種大当たりに当選した場合でも、大当たり遊技時にはこの共通入賞装置400を開放させることとしている。つまり第2形態では、大当たり遊技時に
図11に示す所定の開放パターンにて共通開閉部材430を開放させるようにしている。なお、所定の開放パターンは適宜変更可能である。
【0239】
このような第2形態のパチンコ遊技機1によれば、1種大当たりに当選した場合であっても2種大当たりに当選した場合であっても、遊技球が第1遊技領域203と第2遊技領域303のどちらの遊技領域に最終的に存在しているかに関わらず、遊技者は共通入賞装置400への入賞という利益を得ることが可能となる。よって、共通入賞装置400への入賞の可能性がない無駄球の発生を抑えることが可能となる。また、第1遊技領域構成部材200と第2遊技領域構成部材300とに別々に入賞装置を設ける場合に比して簡易な構成となり、製造コストを抑えることが可能となる。
【0240】
〈その他の変更例〉
上記形態では、第1遊技領域203にて1種遊技を進行し第2遊技領域303にて2種遊技を進行する遊技機としたが、1種遊技と2種遊技の組み合わせ以外の組み合わせの遊技機としてもよい。例えば、第1遊技領域203も第2遊技領域303もともに1種遊技を進行する遊技機としてもよいし、第1遊技領域203も第2遊技領域303もともに2種遊技を進行する遊技機としてもよい。また、1種遊技や2種遊技以外の遊技(権利モノタイプや電役タイプ、普通機タイプ、アレパチタイプ等の遊技)を進行可能な遊技機としてもよい。これらの各遊技を組み合わせて複数の遊技を同時に進行可能な遊技機を構成する場合において、いわゆる高確率状態(特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態、言い換えれば通常確率状態よりも大当たり判定における大当たり当選確率が高い状態)に制御可能な構成を適宜採用してもよい。
【0241】
また上記形態では、第2遊技領域構成部材300を第1遊技領域構成部材200の後方に配したが、第2遊技領域構成部材300を第1遊技領域構成部材200の前方に配してもいい。また、第1画像表示装置7を第1遊技領域構成部材200および第2遊技領域構成部材300よりも前方に配してもよい。
【0242】
また上記形態では、第1遊技領域203で進行する遊技によって受ける「第1の利益」や第2遊技領域303で進行する遊技によって受ける「第2の利益」として、出玉有り(賞球の獲得が可能な)大当たりを付与する構成としたが、出玉無し(賞球の獲得がほぼ不可能な)大当たりであってその大当たり後の遊技状態を通常遊技状態よりも有利な遊技状態(高ベース状態や高確率状態)に移行させる大当たりを付与する構成としてもよい。
【0243】
また上記形態では、第2始動口21又は第3始動口26への入球に基づき第2特別図柄の抽選を行い、その結果が小当たりである場合に、第2大入賞口35を開放する(羽根部材37を作動させる)ように構成した。これに対して、第2始動口21又は第3始動口26への入球に基づいて、第2特別図柄の抽選を行うことなく第2大入賞口35を開放するように構成してもよい。つまり、第2始動口21又は第3始動口26を、羽根部材37(第2大入賞口開閉部材)を作動させる作動口(開閉部材作動口)として構成してもよい。
【0244】
また上記形態では、一方の特別図柄の抽選に基づいて大当たり遊技が実行される場合には、他方の特別図柄の変動表示を強制的にハズレ図柄で停止表示させるように構成した(
図36等参照)。これに対して、一方の特別図柄の抽選に基づく大当たり遊技の実行に際して、他方の特別図柄の変動表示を停止させることなくその変動表示の変動時間の計測を中断し、大当たり遊技の終了後にその変動時間の計測を再開するように構成してもよい。
【0245】
また上記形態では、特
図1の抽選にて大当たりと判定されたあとにVフラグがONされる場合を考慮して、特
図1強制停止処理2(
図43)のステップS2702〜S2705の処理を行うよう構成した。しかしながらこの処理に替えて、特定領域センサ検出処理(
図44)でVフラグをONする(S2803)前に、大当たりフラグがONか否かを判定してONでなければVフラグをONするように構成してもよい。
【0246】
また上記形態では、第1遊技領域203で進行された遊技の結果として大当たり遊技が実行された場合でも、第2遊技領域303で進行された遊技の結果として大当たり遊技が実行された場合でも第1大入賞口30への入賞によって賞球を獲得するよう構成した。これに対して、第1遊技領域203に第1大入賞装置31を設けるとともに第2遊技領域303に第2大入賞装置36を設けて、第1遊技領域203で進行された遊技の結果として大当たり遊技が実行された場合には第1大入賞装置31を開放する大当たり遊技を実行し、第2遊技領域303で進行された遊技の結果として大当たり遊技が実行された場合には第2大入賞装置36を開放する大当たり遊技を実行するように構成してもよい。つまり1種大当たりと2種大当たりとで、賞球獲得用の大入賞装置が別々であってもよい。
【0247】
また上記形態では、不透過状態の表示部7aにて第1演出図柄8L,8C,8Rの変動演出行う構成としたが、不透過状態の表示部7aにて行う演出は、第1演出図柄8L,8C,8Rの変動演出以外の演出(例えばストーリー性のある動画を表示する演出や、複数の静止画を所定時間の経過毎に切り替えて表示する演出等)でもよい。
【0248】
また上記形態では、第1画像表示装置7の表示部7aを不透過状態から透過状態に制御する場合には、表示部7aの全域を透過状態に制御するよう構成した(
図55参照)。これに対して表示部7aを、透過状態に制御する透過領域と不透過状態に制御する不透過領域とに分け、透過領域のみを透過状態に制御するように構成してもよい。この場合、透過領域が第2大入賞装置36の特定領域39の前方に位置するように表示部7aを配置する。透過領域を介して特定領域39への遊技球の通過を遊技者から視認可能とするためである。またこの場合、表示部7aの透過領域を透過状態に制御している間は、不透過領域にて第1演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を行うようにしてもよい。なお不透過領域は、表示部7aにおける4隅のいずれかなど、第2大入賞装置36内を転動する遊技球と前後で重複しないような位置に設けるのがよい。
【0249】
また上記形態では、表示部7aを透過状態に制御する期間を、第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知から小当たり遊技の終了までとした。これに対して、表示部7aを透過状態に制御する期間を、第2大入賞口センサ35aによる遊技球の検知から、例えば10秒など所定時間が経過するまでとしてもよい。つまり表示部7aを透過状態に制御する期間は、第2大入賞口35内に入球した遊技球が特定領域39を通過するか否かを確認し得る長さであれば、どのような期間としてもよい。
【0250】
また上記形態では、第2大入賞口35に入球した遊技球は、特定領域39を通過した場合も通過しなかった場合も排出口77を通過するように構成したが、第2大入賞口35に入球した遊技球が、特定領域39又は排出口77のいずれかを通過するように構成してもよい。この場合、特定領域センサ39aと排出口センサ77aとに基づいて第2大入賞装置36から排出される遊技球の数をカウントする構成とすればよい。
【0251】
また上記形態では、振分装置50を第1遊技領域203の上流部に2つ設けたが、振分装置は少なくとも1つあればいくつ設けてもよい。また、振分装置の配置位置は、第1遊技領域203の中流部など他の位置でもよい。また上記形態では、第1遊技領域203から第2遊技領域303への遊技球の移動のみ可能となるように構成したが、第2遊技領域303から第1遊技領域203への移動も可能となるように第2遊技領域303にも振分装置を設けてもよい。特に、発射された遊技球が、第1始動口20又は第2始動口21若しくは第3始動口26に至るまでの間に、第1遊技領域203と第2遊技領域303とを何度も行き来できるように、複数の振分装置を設けるとよい。このように構成すれば、1種大当たりに対する抽選がなされるか又は2種大当たりに対する抽選がなされるかに期待感を抱きつつ、遊技球の挙動を楽しむことが可能となるからである。
【0252】
また上記実施形態では、第1始動口20を「第1入球口」としたが、ゲートを「第1入球口」としてもよい。この場合、第1の利益は電チュー22を開放する補助遊技の実行となる。また、普通図柄が「識別図柄」に相当することとなる。なお、「第2入球口」をゲートとしてもよい。また上記形態では、第1始動口20を電チュー22に係る始動口としたが、電チュー22に係るものとしなくてもよい。