特許第5967677号(P5967677)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5967677加熱要素用の冷却および保持体、加熱器、並びに、冷却および保持体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967677
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】加熱要素用の冷却および保持体、加熱器、並びに、冷却および保持体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/06 20060101AFI20160728BHJP
   H05B 3/14 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   H05B3/06 B
   H05B3/14 A
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-536279(P2014-536279)
(86)(22)【出願日】2012年10月22日
(65)【公表番号】特表2014-531117(P2014-531117A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】EP2012070867
(87)【国際公開番号】WO2013060645
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年7月31日
(31)【優先権主張番号】102011054750.9
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512333777
【氏名又は名称】シュテゴ−ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】STEGO−HOLDING GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マンゴルト,エルマー
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第3816819(DE,A1)
【文献】 特開平10−220909(JP,A)
【文献】 米国特許第3108174(US,A)
【文献】 米国特許第4855570(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第2804749(DE,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0034306(US,A1)
【文献】 実開昭55−061688(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/06
H05B 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱要素(10)用、特にPTC加熱要素用の冷却および保持体であって、前記加熱要素(10)が挟持される加熱要素ホルダー(11)を有する冷却および保持体において、前記加熱要素ホルダー(11)が周囲方向に分布配置される複数の保持領域(15)を有し、前記各保持領域(15)の中に少なくとも1つの加熱要素(10)が配置され、
−前記保持領域(15)は、外側部分(13)と、前記外側部分(13)の内部に配置される内側部分(14)との間に形成され、かつ、
−少なくとも前記外側部分(13)は、側面(19b)によって接合される複数の角(19a)を含む多角形形状を有し、前記保持領域(15)は前記多角形形状の角(19a)に配置され、前記多角形形状の側面(19b)は、前記それぞれの加熱要素(10)上に作用する挟持力を発生させるために弾性的に変形される、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却および保持体において、
前記多角形形状の角(19a)が、前記加熱要素(10)の形状に適合した、特に平坦化された挟持表面(16)を形成する、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の冷却および保持体において、
前記外側部分(13)の壁面の厚さが、前記多角形形状の角(19a)の領域において、前記多角形形状の側面(19b)の領域におけるよりも厚い、
ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の冷却および保持体において、
前記多角形形状の側面(19b)が、凹形状、凸形状または真直に構成される、
ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の冷却および保持体において、
前記多角形形状の側面(19b)の厚さが、周囲方向において変化する、特に、前記角(19a)に向かって減少する、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の冷却および保持体において、
前記内側部分(14)が、前記加熱要素(10)用のいくつかの保持表面(17)であって、前記多角形形状の角(19b)の個数に合致する個数の保持表面(17)を有する、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項7】
請求項6に記載の冷却および保持体において、
前記内側部分(14)が、側面(19b’)によって接合される複数の角(19a’)を含む多角形形状を有し、前記保持表面(17)は前記多角形形状の角(19a’)に対応する、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項8】
請求項6に記載の冷却および保持体において、
前記保持表面(17)が、前記多角形形状の側面(19b’)のみによって半径方向の内向きに支持され、あるいは、前記保持表面(17)がウェブ部材(20)によって支持され、前記ウェブ部材(20)はそれぞれ半径方向の内向きに延びる、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の冷却および保持体において、
少なくとも3つの加熱要素(10)が周囲に分布配置される、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の冷却および保持体において、
半径方向に配置される複数層の加熱要素(10)が設けられ、その場合、前記外側部分(13)および前記内側部分(14)の間に、少なくとも1つの中間部分(23)が配置され、内側の層の前記保持領域(15)は、前記内側部分(14)と前記中間部分と(23)の間に構成され、外側の層の前記保持領域(15)は、前記中間部分(23)と前記外側部分(13)との間に構成される、ことを特徴とする冷却および保持体。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の冷却および保持体を有する加熱器において、空気が前記冷却および保持体を軸方向に貫通して流通できるように、前記ホルダーの軸方向の一端(24)がファン(25)に連結される、ことを特徴とする加熱器。
【請求項12】
請求項1に記載の冷却および保持体の製造方法であって、前記外側部分(13)の直径が嵌合のために拡大される方法において、
−前記外側部分(13)を加熱し、および/または、前記外側部分(13)に、それぞれ半径方向の内向きまたは外向きに前記多角形形状の側面(19b)に作用する組み込み力を印加して、前記外側部分(13)を弾性的に変形し、
−続いて、前記加熱要素(10)が、組み込み後、前記保持領域(15)内に位置するように、前記内側部分(14)と、前記加熱要素(10)と、前記外側部分(13)とを組み立て、
−さらに続いて、前記外側部分(13)を冷却しおよび/または前記外側部分(13)から圧力を解放する、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱要素用、特にPTC加熱要素用の冷却および保持体と、このような冷却および保持体を有する加熱器と、このような冷却および保持体の製造方法とに関する。請求項1の前段部分の特徴を有する加熱要素用の冷却および保持体が、独国特許出願公開第102006018151A1号明細書に開示されている。
【背景技術】
【0002】
例えば、制御キャビネットにおいては、温度変化は、ダストおよび腐食性ガスと共に腐食の原因になり得る凝縮水を形成する。その結果、漏洩電流またはフラッシュオーバによる破壊のリスクが増大する。従って、制御キャビネット内に配置される構成要素を完全に機能させるように常に最適な使用環境条件を確保するために、信頼性および長い稼働寿命の点で高度の要求を受ける加熱器またはファンヒータ、特にPTC半導体加熱器が用いられる。
【0003】
このような加熱器には、通常電気加熱要素が装備される。この加熱要素の保持装置は、一方では良好な熱伝達を、他方では常に確実な固定を可能にするべきである。頻繁で、かつ運転条件に応じての大きな温度変化は、時効による材料疲労をもたらし、従って、加熱要素を固定する保持力を低下させる可能性がある。その結果、熱伝達が劣化する。保持機能が完全に失われると、装置の全体的な故障さえも生じる場合がある。
【0004】
独国特許出願公開第19604218A1号明細書は、PTC要素を備えた既知の加熱器であって、中央に配置される長方形の凹部の中にPTC要素が固定される加熱器の例を記述している。調整ネジによって動かすことができる二重くさび構成が、その二重くさび構成の幅が変えられるように、取り付け用としてその凹部の中に設けられる。従って、PTC要素が凹部の中で錯綜する可能性がある。二重くさび構成は、複雑であり、材料疲労による挟持力低下の問題が排除されない。これを避けるため、二重くさび構成をネジ操作によって調整しなければならないであろう。
【0005】
この既知の装置の改善が、当出願人による前記の独国特許出願公開第2006018151A1号明細書に開示されている。この場合、加熱要素は、熱交換器の中央に配置される凹部に中に配備され、凹部の内側の接触表面は加熱要素に対して平坦に位置している。保持力は、加熱要素を装着した後、熱交換器の側壁が内側に曲げられ、それによって凹部の接触表面間の間隙が低減することによって実現される。その結果、接触表面間に配備される加熱要素は平面的に固く挟持される。この固定は、常に高い保持力、従って加熱要素から熱交換器への常に良好な熱伝達を後調整の必要なしに提供する、安定した保持装置である。しかし、側壁の曲げ込みは壁面材料の塑性変形をもたらし、それは、頻繁な温度変化のために保持条件にとって最適ではない。
【0006】
従って、本発明の目的は、冒頭に言及したタイプの冷却および保持体を、頻繁な温度変化にも拘らず、1つまたは複数の加熱要素を冷却および保持体内に確実に保持し得るように改良することにある。本発明の目的は、さらに、このような冷却および保持体を有する加熱器と、このような冷却および保持体の製造方法とを規定することにある。
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1による保持および冷却体と、請求項11による加熱器と、請求項12による方法とによって実現される。
【0008】
本発明は、加熱要素、特に電気加熱要素、特にPTC加熱要素用の冷却および保持体であって、加熱要素が挟持される加熱要素ホルダーを有する冷却および保持体を規定するという考え方に基づいている。この加熱要素ホルダーは周囲方向に分布配置される複数の保持領域を有し、その各領域の中に少なくとも1つの加熱要素が配置される。保持領域は、外側部分と、外側部分の内部に配置される内側部分との間に形成される。少なくとも外側部分は、側面によって接合される複数の角を含む多角形形状を有する。保持領域はこの多角形形状の角に配置される。多角形の側面は、挟持力を発生させるために弾性的に変形され、挟持力が当該加熱要素上に作用する。
【0009】
塑性変形によって実現される加熱要素の既知の挟持方式と異なって、本発明によれば、多角形形状の側面が弾性的に変形される。これは、変形が、フックの直線の範囲内で生起し、多角形形状内に生じる応力に比例することを意味する。加熱要素が加熱要素ホルダーの保持領域内に挟持される挟持力は、弾性限界未満の変形の結果として最適化される。塑性変形の場合とは異なって、材料の時効によって生じる沈下現象は防止される。加熱要素が固定される挟持力は、温度変化にも拘らず、一定のままであるかあるいは少なくとも実質的に一定のままである。挟持力が一定であるために、加熱要素から保持および冷却体の材料への本質的に一定の熱伝達が実現される。弾性変形は、加熱要素が押圧される力をスプリング力として作用させる。接触力または挟持力の再調整は必要でない。
【0010】
少なくとも外側部分を多角形形状に構成することによって、加熱性能が増大し、付加的な挟持要素なしに加熱要素を挟持できるという利点が得られる。挟持要素の排除によって、保持および冷却体のコンパクトな設計が可能になる。先行技術とは異なって、単一の中心配置される保持領域は設けられず、複数の保持領域が外側部分の周囲方向に分布配置される。その結果、保持および冷却体内における熱出力が良好に分布され、効率的な熱の消散が促進される。加熱要素の組み込みは、内側部分を多角形の外側部分と組み合わせることによって簡単化される。外側部分を多角形形状として構成することによって、これを、例えば押出しによって製造できるというさらに別の利点が得られる。
【0011】
好ましい一実施形態においては、多角形形状の角が、加熱要素の形状に適合した、特に平坦化された挟持表面を形成し、その結果、特に良好な熱伝達が実現される。平坦化された挟持表面は、特に、外側部分および内側部分に直接接合されるPTC抵抗器の形の平坦な加熱要素を使用する場合に特によく適しており、それによって熱伝達のさらなる改善がもたらされる。他の挟持ホルダー、特に形状化された挟持ホルダーも可能である。
【0012】
外側部分の壁面の厚さは、多角形形状の角の領域において、多角形形状の側面の領域におけるよりも厚くすることができる。その結果、角または挟持表面の領域において、熱の均等な消散が実現できる。
【0013】
多角形形状の側面は、凸形状、凹形状または真直に構成することが望ましい。これによって、加熱要素の組み込みに対して種々の可能性、特に組み込みの力の導入に対して種々の可能性が生じる。
【0014】
多角形形状の側面の厚さは周囲方向に変化することできる。特に、角に向かって減少することができる。その結果、組み込み中の力の導入が改善される。すなわち、その力の導入は、側面の中央領域において、特に各側面の頂点において行われる。力は、縦軸の方向に直線的に導入される。壁面厚さまたは側面の厚さが中央領域または頂点において最大化されているために、そこに導入される力は、最大の弾性変形を実現するために、側面の周縁領域に安全に伝達される。
【0015】
内側部分は、加熱要素用のいくつかの保持表面であって、多角形形状の角の個数に合致する個数の保持表面を有することができる。挟持表面と組み合わせると、平坦な加熱要素を両側で支持する結果になり、従って、確実な機械的保持装置と加熱要素および保持体間の良好な熱的結合とが確保される。
【0016】
内側部分は、側面によって接合される複数の角を含む多角形形状を有することが望ましい。この場合、保持表面は多角形形状の角に対応する。
【0017】
好ましい一実施形態においては、保持表面が、多角形形状の側面のみによって半径方向の内向きに支持される。内側部分の形状、従って保持表面の位置は、側面の弾性のために可変である。また、内側部分はそれ自体可動である。内側部分および外側部分の間の組み込み間隙を拡大するために、多角形形状の側面上に適切な方向において組み込み力を作用させて、保持表面を半径方向の内向きに動かすことができる。外向きに凸形状に湾曲した側面の場合には、組み込み力または拡張力を内側から外向きに作用させる。側面は、外向きに加圧されて、保持表面を半径方向の内向きに引き込む。外向きに凹形状に湾曲した側面の場合には、組み込み力または拡張力を外側から内向きに作用させる。側面は、内向きに加圧されて、保持表面を半径方向の内向きに引き込む。
【0018】
代わりの方式として、保持表面がウェブ部材によって支持される。この場合、ウェブ部材はそれぞれ半径方向の内向きに延びる。その結果、上記の実施形態に比較すると、相対的に高剛性の内側部分の形状が実現される。保持表面の位置は、組み込みの間相対的に安定している。さらに、ウェブ部材は、熱の消散に有効な表面を拡大し、内側部分の安定を改善する。
【0019】
特に好ましい一実施形態においては、加熱要素が、保持領域に配置されるPTC抵抗器であって、外側部分および内側部分に直接接合される、特に電気的かつ熱的に接合されるPTC抵抗器を含む。外側部分および内側部分にPTC抵抗器を直接結合することによって、加熱要素と保持および冷却体との間の熱伝達が改善される。代替方式として、それ自体既知のPTCカートリッジの形態の加熱要素を加熱領域に配置することが可能である。絶縁膜および分離電極を備えた実施形態が、保護等級2の用途用として考えられる。
【0020】
さらに好ましい一実施形態においては、少なくとも3個の加熱要素が、外側部分の周囲に、特に対称的に分布配置される。この加熱要素の個数は、さらに、自己中心決定的な静定構造のシステムをもたらす。より多数の加熱要素も可能である。
【0021】
加熱性能を高めるために、半径方向に配置される複数層の加熱要素を設けることが可能である。この場合、外側部分および内側部分の間に、少なくとも1つの中間部分が配置される。保持領域は、一方では内側部分と中間部分との間に配置され、もう一方では中間部分と外側部分との間に配置される。内側部分と中間部分との間に構成される保持領域は、加熱要素の第1の内側の層を形成する。中間部分と外側部分との間に構成される保持領域は、半径方向のさらに外側に配置される加熱要素の第2の層を収納する。加熱層の数は、さらなる中間層を配置することによって、対応して増やすことが可能である。3層、4層またはそれ以上の加熱層を考えることができるが、その場合は、結果的に、個別の加熱層の中間部分がそれぞれ構成される。
【0022】
本発明の範囲内において、本発明の冷却および保持体を有する加熱器が開示されかつ特許請求される。冷却および保持体の軸方向の一端をファンに連結して、空気が冷却および保持体を軸方向に貫通して流通できるようにする。この空気が、加熱要素を冷却すると共に、熱を所望の位置、例えば制御キャビネット内に移動させるのである。内側部分および外側部分をファンと組み合わせて配置するために、運転中、内側部分が外側部分に比較してより高温になること、および、内側部分の熱膨張によって運転中の挟持力が付加的に増大することが可能になる。
【0023】
冷却および保持体は、絶縁されたハウジングの中に配置することができる。この実施形態は、PTC抵抗器が外側部分および/または内側部分に直接接合される場合に特に適している。
【0024】
本発明の範囲内において、本発明の冷却および保持体の製造方法がさらに開示される。この方法においては、外側部分の直径が嵌合のために拡大されるが、直径を拡大するために、外側部分を加熱し、および/または、その外側部分に、それぞれ半径方向の内向きまたは外向きに多角形形状の側面に作用する組み込み力を印加する。この組み込み力によって多角形の側面は弾性的に変形する。続いて、個々の構成要素、すなわち、内側部分と、加熱要素と、断面が拡大された外側部分とを、加熱要素が当該保持領域内に位置するように組み立てる。その後、外側部分が、加熱要素に対して締り嵌めを形成し、かつすべての加熱要素を同じ接触力で保持するように、外側部分を冷却しおよび/または外側部分から圧力を解放する。本発明による方法の範囲内において、外側部分の組み込みを、専ら熱的に締り嵌めによって、または、専ら機械的に挟持要素の弾性変形によって、または、熱的および機械的な直径の拡大の組合せによって実現することができる。
【0025】
以下、本発明を、添付の関連する模式図を参照して、実施形態に基づいてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一実施形態による冷却および保持体であって、単一の周囲層の加熱要素を有する冷却および保持体の斜視図を示す。
図2図2は、図1の冷却および保持体の正面図を示す。
図3図3は、本発明の別の実施形態による冷却および保持体であって、2層の周囲層の加熱要素を有する冷却および保持体の斜視図を示す。
図4図4は、図3の冷却および保持体の正面図を示す。
図5図5は、軸端がファンに連結された図3の冷却および加熱体であって、その内側の層の加熱要素が嵌合補助具を有する冷却および加熱体の斜視図を示す。
図6図6は、さらに別の実施形態による冷却および加熱体であって、加熱要素がPTCカートリッジとして構成される冷却および加熱体の斜視図を示す。
図7図7は、図6の冷却および保持体の正面図を示す。
図8図8は、嵌合補助具を有する図6の冷却および保持体の斜視図を示す。
図9図9は、図8の冷却および保持体の部分断面図を示す。
図10図10は、加熱器の絶縁ハウジングによって囲繞された図6の冷却および保持体の斜視図を示す。
図11図11は、多角形の側面が周囲方向において変化する壁面厚さを有する冷却および加熱体の外側部分の斜視図を示す。
図12図12は、凹形の多角形形状を有する内側部分の斜視図を示す。
図13図13は、凸形の多角形形状を有する内側部分の斜視図を示す。
【0027】
図1は、電気加熱要素(10)用の本発明の一実施形態による冷却および保持体であって、例えば図5または10に示すような加熱器に装着できる冷却および保持体の斜視図を示す。本発明の範囲内において、加熱要素を含む冷却および保持体そのもの、すなわちアセンブリと、さらにこのような冷却および保持体を有する全加熱器とが開示され、かつ特許請求される。
【0028】
加熱要素は、それ自体既知のPTC加熱要素、すなわち正の温度係数(positive temperature coefficient:PTC)を有するサーミスタである。加熱要素10は一般的に平坦な長方形のブロック形状を有する。他の加熱要素も可能である。
【0029】
図1および3に示すように、冷却および保持体は近似的に円筒形状を有し、軸方向に延びているが、その場合、この冷却および保持体の長さは、基本的にPTC抵抗器10aまたは一般的に加熱要素10の長さに合致する。端面においては、冷却および保持体は加熱要素10を僅かに超えて突き出ている。
【0030】
図1の冷却および保持体は、外殻状の内側部分14を囲繞するリング状の外側部分13を有する。外側部分13は外殻要素を形成する。内側部分14および外側部分13は同心に配置される。内側部分13および外側部分14は2つの別個の構成要素であり、内側部分13が芯体を形成する。内側部分13は、外側部分14に直接接合されるのではなく、すなわち堅固に結合されるのではなく、その間に配置される加熱要素10によってのみ連結される。芯体または内側部分13は、外側部分14の内部に遊離して配置される。
【0031】
内側部分14および外側部分13の間に、加熱要素ホルダー11が構成される。このため、間隙、特に環状の間隙が、内側部分13および外側部分14の間に形成される。この間隙の形状および/または幅は周囲方向において変化する。内側部分13および外側部分14の間の間隙の領域内に、一緒に加熱要素ホルダー11を形成する複数の保持領域15が周囲に分布して設けられる。加熱要素ホルダー11の領域あるいは当該保持領域15においては、間隙は冷却および保持体の半径に垂直に延びている。保持領域15の間において、間隙は、挟持部分16の輪郭に従っているか、あるいは、半径方向の外向きにその輪郭によって画定される。従って、保持領域15は、挟持部分16から形状的に分離されている。しかし、これは、絶対的に必須であるというわけではない。
【0032】
加熱要素10は保持領域15内に配置される。すなわち、加熱要素10は内側部分13および外側部分14の間に配置され、圧力嵌めにおいてそこの所定位置に固定される。
【0033】
保持領域15は、冷却および保持体の周囲に偏心して配置され、周囲方向において間隔を開けて配置される。図1の例においては、2つの隣接する保持領域15の間の角度は120°である。その結果、加熱要素10は理想的な空気流れの中に配置される。
【0034】
加熱要素10を挟持するために、外側部分13は挟持表面16を有し、内側部分14は、挟持表面16の反対側に位置する対応する保持表面17を有する。保持部分13の内側の周囲に構成される挟持表面16と、内側部分14の外側の周囲に構成される保持表面17とは、当該保持領域15の外側および内側の接触表面12を形成する。加熱要素10は接触表面12に当接している。挟持表面および保持表面16、17は、間隙または当該保持領域15を半径方向において画定する。保持領域15は周囲方向においては開放されている。図1の実施形態においては、挟持表面および保持表面16、17は平坦であるかまたは真直である。挟持表面および保持表面16、17のこの形状は、図1に示すように、平坦なPTC抵抗器10aへの直接接合に特に適している。他の形状も可能である。
【0035】
周囲方向においてすぐ隣接する挟持表面16は、凸形状に湾曲した挟持部分18によって連結される。挟持部分18は、凹形状に湾曲させるか、あるいは真直にすることも可能である。組み込まれた状態において、挟持部分18は、弾性的に変形しており、当該挟持表面16に対応する加熱要素10に、それぞれの対応する保持表面17の方向にスプリング状に作用する一定の力を印加する。
【0036】
図1に見られるように、外側部分13は多角形形状を有しており、挟持表面16は、多角形形状の角19aの領域に配置される。挟持部分18は多角形形状の側面19bを形成する。図3の実施形態においては3つの側面が設けられているが、これは静定構造を形成する。表面の静定構造配置を備えた実施形態においては、接触圧力は加熱要素10に同心に印加される。3側面の多角形形状は、配置が自己中心決定的であるというという別の利点を有しており、これによって組み込みが簡単化される。異なる個数の多角形の角も可能である。
【0037】
外側部分13を多角形形状とすると、多角形形状の側面19bまたは挟持部分18に、半径方向の内向きに作用する組み込み力を印加できるという別の利点が生じる。これが、図2において、半径方向に内向きの矢印Mで示されている。この組み込み力は、例えば、適切に配置される組み込み押圧工具(図示されていない)によって印加できる。挟持部分18は、この組み込み力によって僅かに広げられ、または延長され、これによって、図2において半径方向に外向きの小さい矢印Lによって示すように、挟持表面16が半径方向の外向きに移動する。冷却および保持体の組み込みを可能にするには、挟持表面16の僅かな位置変化で十分である。加熱要素10を内側部分14および外側部分13の間に組み込んだ後、組み込み力を解放すると、外側部分13の挟持効果が、材料の弾性変形によって有効になる。
【0038】
従って、組み込み状態においては、加熱要素10は、内側部分14および外側部分13の間に、具体的には、内側部分14の当該保持表面17と外側部分13の関連する挟持表面16との間に圧力嵌めによって固定される。同時に、当該加熱要素10と外側部分13との間の嵌合の過大寸法量は、多角形の側面または挟持部分18が弾性的に変形するように調整される。この変形はフックの直線の範囲内で、すなわち弾性限界未満の範囲内で生起する。これはすべての保持領域15に当てはまる。当業者は、当該材料の特性に応じて、適切な嵌合の過大寸法量の調整を実施するであろう。
【0039】
代替方式として、または追加的に、冷却および保持体の組み立てを、外側部分13を加熱することによって熱的に補助できる。熱膨張によって加熱要素10を組み込んだ後、外側部分13を冷却して、加熱要素10の上に収縮させる。外側部分13の機械的な拡幅と熱的な拡幅とを組み合わせることができる。機械的な拡幅は、挟持部分18の形状に応じて変化することができる。例えば、凸形状の挟持部分18の場合(図示されていない)、外側部分13を、半径方向の外向きに作用する組み込み力によって拡幅できる。
【0040】
外側部分13の壁面の厚さは、均等な熱の消散のために、挟持表面17の領域において増大している。特に、挟持表面17の領域における壁面厚さは、挟持部分18の領域における壁面厚さより厚い。外側部分13の外周に冷却リブを追加すると、熱の消散を高めることができる(図示されていない)。
【0041】
加熱要素10が配置される内側部分14、具体的には保持表面17は支持台機能を有する。従って、内側部分14は、外側部分13が伝達する保持力を吸収し得るように構成される。このため、外側部分13は、内側部分14より大きく弾性的に変形可能である。内側部分14の高剛性の形態は、半径方向に延びる複数のウェブ部材20によって実現される。一方の保持表面17は各ウェブ部材20の半径方向の外側の端部に配置される。保持表面17の領域においてウェブ部材20はT字形になっており、T形状の上辺が保持表面17を形成する。ウェブ部材20は、それぞれ、図2の実施形態においては内側の円筒22に接合される脚部21を有する。内側の円筒22は冷却および保持体に対して同心に配置され、さらに内側の円筒22は中空である。内側の円筒は図2とは異なる断面を有することができる。
【0042】
内側部分14は、その形状が、例えば図1に示す外側部分13の多角形形状にほぼ対応する多角形形状を有する。内側部分14の多角形形状の側面19b’は、多角形形状の角19a’の領域に設けられる保持表面17を連結する。それによって、内側部分14の安定性が改善される。
【0043】
加熱要素から加熱された空気を効率的かつ速やかに排出するために、ウェブ部材20の間に中空チャンバが構成される。この熱の排出は、表面の機械加工によって追加的に改善できる(渦効果)。
【0044】
本発明は、図1、2に表現される多角形形状に限定されるのではなく、外側部分13または内側部分14の他の形状も含む。一般的には、多角形の側面19bまたは挟持部分18は、角19aの間において湾曲している、特に、外向きに凸にまたは内向きに凹に湾曲している。多角形の側面19bまたは挟持部分18は真直とすることも可能である。多角形の角19aは、隣接する多角形の側面19bが接合される領域と見做される。多角形の角19aは、冷却および保持体の縦軸に対して横方向に延びており、加熱要素10のための装着面または接触表面12を形成する。多角形の角19aは、平坦化され、特にその内側の面が平坦化されている。
【0045】
加熱要素10の個数は変化することができる。例えば、外側部分13の4角形、5角形またはそれ以上の多角形形状と結び付けて3個より多い加熱要素10を用いることが可能である。多角形形状の保持領域15は周囲に均等に分布される。3個の加熱要素10を有する図1の実施形態例においては、保持領域15または加熱要素10は、120°の角度で周囲に分布配置される。
【0046】
外側部分13およびまた内側部分14用の材料として、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いることができるが、他の材料も可能である。材料の選択は、組み込み後に、挟持部分18が、加熱要素10に、挟持表面16を介して保持表面17の方向にスプリング力を印加するように、挟持部分18の弾性変形が生起することを考慮して行われる。内側部分14および外側部分13の材料合金は、同じ温度において異なる熱膨張が生起するように、異なるものとすることができる。内側部分14の熱膨張係数を、外側部分13の熱膨張係数より大きくするべきである。
【0047】
図3および4は、図1、2の実施形態例の別の発展形態であって、複数の加熱要素層が設けられる実施形態例を示す。具体的には、図3、4の実施形態例においては、2層の加熱要素が設けられる。その他の点では、図1、2および図3、4の実施形態例は相互に合致している。この点で、図3および4の実施形態例に関連して、上記の図1、2に関する記述が参照される。図3の実施形態例は、内側部分14および外側部分13の間に中間部分23が配置される点で、図1の実施形態例と異なる。中間部分23の形状は、外側部分13の形状に基本的に合致している。従って、中間部分23は多角形形状を有し、その多角形形状の角の領域においては、壁面が外径側および内径側の両面において平坦化されている。さらに、壁面の厚さは、多角形の角の領域において、多角形の側面の領域より厚くなっている。多角形の側面または弦部から多角形の角への移行部は、その移行部領域におけるノッチ効果を最小化または低減するように半径を有する。これは、図1の実施形態にも適用される。
【0048】
組み込まれた状態において、加熱要素10用の保持領域15が、一方では、内側部分14と中間部分23との間に位置している。この保持領域15は、半径方向の内側に配置される加熱要素ホルダー11の保持領域を形成する。中間部分23と外側部分13との間に構成される保持領域15は、半径方向の外側の保持領域を形成する。図3に示されるように、内側および外側の保持領域はそれぞれ半径方向に互いに上下に位置している。
【0049】
挟持部分18は保持領域15の間に設けられる。その場合、組み込み状態において、中間部分23の挟持部分18と外側部分13の挟持部分18とは、互いに上下に配置され、その結果、中間部分23および外側部分13の種々の部分または領域の位置は、対応して配置される。
【0050】
図3の実施形態例の内側部分14は、少なくとも半径方向のウェブ部材20の配置に関して、基本的に図1の実施形態例の内側部分14に合致する。
【0051】
図3の2層配置は、3層、4層、または一般的に多層の配置に拡張でき、その場合、中間部分23の個数が調整される。中間部分23の形状は、それぞれ、外側部分13の形状および位置に合致する。
【0052】
組み込みの間、加熱要素装着用として、加熱要素10を正しい位置に保持する嵌合手段26を用いることができる。図5に示すように、嵌合手段26は、ウェブ材20の回りに軸方向において係合するクランプとして構成される。その結果、このクランプは、内側部分14の内側の周囲に少なくとも周囲方向において固定される。
【0053】
図1、2または3、4の実施形態例においては、PTC抵抗器10aは、内側部分14または外側部分13に直接接合される。これとは異なって、図6は、多角形形状の角19の領域内の対応する位置に配置されるPTCカートリッジ10bを、冷却および保持体と共に使用できることが示されている。保持表面17または挟持表面16の形状は、図7にも示されるように、ほぼ円筒状のPTCカートリッジ10bの外側輪郭に適応している。保持表面17または挟持表面16は半殻形態として構成される。この半殻形態は、形状化され、実矧ぎ継ぎと同様に、PTCカートリッジの適切な嵌合形状に係合する。
【0054】
図8、9は、図5の実施形態例と異なって、嵌合補助具26が外側部分13に係合できる場合を示している。
【0055】
図10は、装着された状態の冷却および保持体を示す。この状態においては、冷却および保持体の軸端24がファン25に連結されている。例えば、図1の実施形態例の場合のように、電流が流れるPTC抵抗器が外側部分13および内側部分14に直接接合される場合は、冷却および保持体は、絶縁可能なハウジング27内に配置される。ハウジング27の端面は保護グリル(図示されていない)でカバーできる。
【0056】
図11は、壁面の厚さまたは多角形の側面19bの厚さが外側部分13の周囲方向において変化する外側部分13の一変形形態を示す。具体的には、壁面の厚さは、多角形の側面19bの端部領域に向かって、すなわち角19aに向かって減少する。つまり、多角形の側面19bは角19aに向かって先細になっている。最大壁面厚さは、中央領域、具体的には多角形の側面19bの頂点の領域にある。頂点は、外側部分13の中心点と交差しかつ多角形の側面19bを二等分する一点鎖線Sによって指示される。図11に見られるように、壁面厚さの変化は連続的である。頂点および角19aの間の多角形の側面19bの半径はRで示される。端部領域への力の伝達を改善する多角形の側面19bの剛性強化が、多角形の側面19bの頂点の領域における壁面厚さの増大によって実現される。多角形の側面19bの他の剛性強化、例えば、頂点領域または組み込み力が印加される点における多角形の側面19bの局所的な変形を防止または低減する補強リブも可能である。
【0057】
多角形の側面19bの頂点の領域における壁面厚さの増大が、外側部分の領域の全軸方向長さに沿って延びていることは明らかである。
【0058】
図12および13は、内側部分14、すなわち、内側の加熱要素の芯体が可動に設計される実施形態例を示す。この加熱要素の芯体または内側部分14の外周は、適切な力の印加によって縮小することが可能である。これによって、図12、13の内側部分14と、前記の実施形態例の何れかによる外側部分13との間の間隙が確実に拡大される。間隙が大きくなるために、保持領域15の中に導入される加熱要素の許容誤差がより良好に相殺される。従って、図12、13の内側部分の以下に記述する特徴が、前記のすべての実施形態例と関連付けて開示され、かつ特許請求される。
【0059】
図12、13の内側部分14の可撓性の増大は、保持表面17が、多角形形状の側面19b’によってのみ半径方向の内向きに支持されるという点によって実現される。換言すれば、図1の実施形態例との相違は、保持表面17を半径方向の内向きに支持するウェブ部材、すなわち内側部分14の剛性を高めるウェブ部材が設けられないという点である。図12、13の内側部分14は内部装置なしに構成される。つまり、保持表面17用の支持要素は内側部分14の内部には設けられないのである。従って、保持表面17は、材料特性および印加される組み込み力に応じて、半径方向の内向きに、または半径方向の外向きに動くことができる。
【0060】
これは、図12、13の内側部分14を多角形形状に構成することによって実現されるが、図12、13の例は多角形の側面19b’の形状が相違している。図12の例においては、多角形の側面19b’は凹形、すなわち内向きに湾曲している。内向きに作用する押圧力または組み込み力が多角形の側面19b’に印加されると、保持表面17は半径方向の内向きに引き込まれ、内側部分14のサイズは縮小する。図13の実施形態例においては、多角形の側面19b’は凸形である。すなわち、多角形の側面19b’は外向きに湾曲している。図13の内側部分14の場合に、内側から外向きに多角形の側面19b’に作用する拡張力または組み込み力が印加されると、平坦な側面または保持表面17は同様に半径方向の内向きに引き込まれ、これは、組み込み間隙のサイズが増大する結果をもたらす。
【0061】
多角形の側面19b’を真直に構成することも考えられる。
【0062】
要約すれば、外側部分13は多角形形状の機械的な挟持要素を形成し、外側部分13の弾性変形によって接触力が実現される。すなわち、変形は、応力/ひずみグラフにおいてフックの直線の範囲内で生じる。この利点は、付加的なスプリング要素を省略できる点にある。挟持効果は、挟持表面16の間の挟持部分18であって、特に凹形に湾曲した、あるいは真直の挟持部分18を有する外側部分13の形状によって補強される。挟持部分18は、挟持表面16の間の間隔を橋渡しし、それを一緒に連結する。同じ原理を、同様に多角形形状に構成される内側部分においても実現できる。
【0063】
外側部分13の全体として低い質量を、外側部分13が加熱要素10に加える強力な挟持圧力と組み合わせることによって、最適な熱の抜き出しが実現される。これは、加熱要素を冷却および保持体の外周に配置することによってさらに促進される。直接電力供給用として、1つの位相または中性線に直接圧着するために、冷却および保持体の材料内に通路を構成することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 加熱要素
11 加熱要素ホルダー
12 接触表面
13 外側部分
14 内側部分
15 保持領域
16 挟持表面
17 保持表面
18 挟持部分
19 多角形形状の角19a、19a’/多角形形状の側面19b、19b’
20 ウェブ部材
21 脚部
22 内側の円筒
23 中間部分
24 軸方向端部
25 ファン
26 嵌合手段
27 ハウジング
R 半径
S 頂点線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13