【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、人体の膝に膝頭を露出させて装着して用いる膝サポータであって、
膝裏から該膝裏に続く膝側面部位にわたって当てがわれる伸縮性を有する膝裏被覆部と、前記膝裏被覆部の左右端部間に渡し設けられた、前記人体の膝頭周辺部分に当てがわれる伸縮性を有する膝頭側被覆部と、前記膝裏被覆部の左右端部から左右へ延びる左バンド部及び右バンド部と、前記左バンド部及び前記右バンド部を分離可能に接続するための上側及び下側のファスナとを含んでおり、
前記膝頭側被覆部は、前記膝頭を嵌めて露出させるための開口部を有して
おり、該開口部の下端縁部分に沿うとともに該膝頭側被覆部の左右端部間にわたって設けられている、前記開口部に嵌められる該膝頭の直下部位を圧迫するための下向き凸円弧状バンド部を有しており、
前記左バンド部は、前記膝裏被覆部が前記膝裏から該膝裏に続く膝側面部位へ当てがわれた状態で、前記膝頭の上側部分上へ巻き回し可能の左上側バンド部及び前記膝頭の下側部分上へ左側から巻き回し可能の左下側バンド部を含んでおり、
前記右バンド部は、前記膝裏被覆部が前記膝裏から該膝裏に続く膝側面部位へ当てがわれた状態で、前記膝頭の上側部分上へ右側から巻き回し可能の右上側バンド部及び前記膝頭の下側部分上へ右側から巻き回し可能の右下側バンド部を含んでおり、
前記上側ファスナは、前記膝裏被覆部が前記膝裏から該膝裏に続く膝側面部位へ当てがわれた状態で、前記左上側バンド部及び前記右上側バンド部をそれぞれ前記膝頭の上側部分上へ巻き回した状態で該左上側バンド部及び該右上側バンド部を接続できるファスナであり、
前記下側ファスナは、前記膝裏被覆部が前記膝裏から該膝裏に続く膝側面部位へ当てがわれた状態で、前記左下側バンド部及び前記右下側バンド部をそれぞれ前記膝頭の下側部分上へ巻き回した状態で該左下側バンド部及び該右下側バンド部を接続できるファスナである膝サポータを提供する。
ここで「左」、「右」とは膝サポータを装着する人からみて「左」、「右」である。
【0012】
本発明に係る膝サポータは、次のようにして人体の膝に簡単に装着して使用できる。
前記左右バンド部は互いに分離状態として、前記膝裏被覆部と前記膝頭側被覆部で形成されている筒状部分を人体の足から穿き、脚に沿って引き上げ、膝部分に装着する。
【0013】
このとき、膝裏被覆部を膝裏から該膝裏に続く膝側面部位にわたって当てがうとともに、膝頭側被覆部の開口部に膝頭を嵌め、且つ、該膝頭直下の部位(人体部位)に前記下向き凸円弧状バンド部を添わせ当てがった状態で該膝頭側被覆部で膝頭周囲部分を覆う。
【0014】
次いで、前記左バンド部の左上側バンド部を膝頭の上側部分上へ左側から巻き回すとともに前記右バンド部の右上側バンド部を膝頭の上側部分上へ右側から巻き回し、それら左上側バンド部と右上側バド部を前記上側ファスナで相互接続する。
【0015】
さらに、前記左バンド部の左下側バンド部を膝頭の下側部分上へ左側から巻き回すとともに前記右バンド部の右下側バンド部を膝頭の下側部分上へ右側から巻き回し、それら左下側バンド部と右下側バンド部を前記下側ファスナで相互接続する。
【0016】
かくして、前記のように膝頭側被覆部の開口部に膝頭を嵌め、且つ、該膝頭直下の部位(人体部位)に前記下向き凸円弧状バンド部を添わせ当てがい、該膝頭側被覆部で膝頭周囲部分を覆った状態で、膝頭を前記左右の上側バンド部と左右の下側バンド部との間からも露出させた状態に装着して使用できる。
【0017】
本発明に係る膝用サポータは、人体に装着した状態では、膝頭が露出するので、それだけ膝部分を含む下肢を動かしやすい。
【0018】
本発明に係る膝サポータによると、膝への装着状態においては、膝頭側被覆部で膝頭周囲部分が覆われた状態とされ、且つ、該膝頭側被覆部の開口部に膝頭が嵌められるとともに該膝頭直下の部位(人体部位)に該部位を圧迫するための前記下向き凸円弧状バンド部が添わせ当てがわれ状態とされ、さらにそのうえ、膝頭の上側部分上及び下側部分上へ上側バンド部及び下側バンド部がそれぞれ巻き回し装着されるので、膝頭に対する位置ずれが抑制される状態で膝頭を安定的に露出させるとともに膝頭周辺部分を安定的に被覆することができる。
【0019】
また、膝頭側被覆部の開口部に膝頭が嵌められるとともに該膝頭直下の部位(人体部位)に該部位を圧迫するための前記下向き凸円弧状バンド部が添わせ当てがわれるので、膝蓋骨下の膝蓋じん帯が圧迫され、それだけ膝蓋じん帯に関連する炎症発生の抑制効果を期待できる。また、膝痛がある場合、その程度、原因等によってはその膝痛が和らげられることもある。
【0020】
また、膝頭の上側部分上及び下側部分上へ上側バンド部及び下側バンド部がそれぞれ巻き回し装着されるだけでなく、膝頭側被覆部で膝頭周囲部分が覆われるので、膝頭側被覆部がない場合より保温性がよく、膝頭側被覆部がないとすれば発生する恐れのあるバンド部による膝部分の擦れ等による損傷の発生を抑制できる。
【0021】
本発明に係る膝サポータは、前記上側ファスナによる前記左上側バンド部と右上側バンド部の相互接続を解くとともに、前記下側ファスナによる前記左下側バンド部と右下側バンド部の相互接続を解き、前記膝裏被覆部と前記膝頭側被覆部で形成されている筒状部分を脚に沿って下へ降ろし簡単に脱ぐことができる。
【0022】
本発明に係る膝サポータにおける前記膝裏被覆部は、前記膝裏に当てがわれる膝裏当接部分の上下端部の中間部から
該下端部へ延びる膝裏保護部を含んでいてもよい。該膝裏保護部としては、例えば通気性を有し、前記膝裏被覆部の他の部分より伸縮性が大きいものを挙げることができる。
【0023】
前記膝頭側被覆部については、前記膝裏被覆部の左右端部より伸縮性の大きい布地を主体に形成されている場合を例示できる。該布地は通気性があるものでもよい。
【0024】
前記膝頭の直下部位を圧迫するための下向き凸円弧状バンド部は前記膝頭側被覆部の左右端部間にわたって延設されて
いる。
【0025】
前記膝裏被覆部の左右端部のそれぞれに、上下方向に延びる、可撓性を有する保形用兼膝屈伸補助用の筋部材が取付けられていてもよい。このような筋部材を設けることで、膝の屈伸がより容易となり、また、膝部分における内側側副じん帯や外側側副じん帯がサポートされる。
【0026】
本発明に係る膝用サポータにおける前記上側及び下側のファスナとして次のものを例示できる。
上側ファスナの例として、前記左バンド部の左上側バンド部及び前記右バンド部の右上側バンド部の一方に取り付けられた面状雄ファスナ部材と他方に取り付けられた面状雌ファスナ部材とからなる面ファスナを挙げることができる。
同様に前記下側ファスナの例として、前記左バンド部の左下側バンド部及び前記右バンド部の右下側バンド部の一方に取り付けられた面状雄ファスナ部材と他方に取り付けられた面状雌ファスナ部材とからなる面ファスナを挙げることができる。
【0027】
ここで、面状雄ファスナ部材は平坦基材に多数のフックを立設した部材であり、面状雌ファスナ部材は平坦基材に、前記フックが係合脱離可能の多数のループを形成した部材である。