特許第5967695号(P5967695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967695
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】封入式遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   A63F7/02 301C
   A63F7/02 326C
   A63F7/02 326D
   A63F7/02 326F
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-12625(P2012-12625)
(22)【出願日】2012年1月25日
(65)【公開番号】特開2013-150688(P2013-150688A)
(43)【公開日】2013年8月8日
【審査請求日】2015年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100174344
【弁理士】
【氏名又は名称】安井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】佐野 智三朗
【審査官】 ▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−236193(JP,A)
【文献】 特開2011−104434(JP,A)
【文献】 特開2008−212756(JP,A)
【文献】 特開2009−039450(JP,A)
【文献】 特開2004−033389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外枠と、前記外枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、遊技盤を遊技者に対向する前面に保持する中枠と、前記中枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、前記遊技盤の前面側を保護する表枠とを備え、所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式遊技機であって、
前記表枠は、
前記遊技盤の前面側に第一の透明板を保持する透明板扉と、
前記透明板扉を前側から覆いかつ前記中枠に押し当てるようにして前記中枠に着脱可能に装着され、前記透明板扉に保持された前記第一の透明板に相対する穴部を備え、前記遊技盤の前面の外周部を前側から覆う前面枠と
を備え、
前記透明板扉を前記中枠の前記一端側に対して開閉可能に取り付ける第一取付部と、
前記前面枠を前記中枠の前記一端側に対して開閉可能に取り付ける第二取付部と
前記透明板扉を前記中枠に対して前方に開く方向に付勢する付勢手段と、
前記中枠に設けられ、前記透明板扉が前記中枠に対して第一の所定角度を超えて開くのを防止する制限部材と
を備えたことを特徴とする封入式遊技機。
【請求項2】
外枠と、前記外枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、遊技盤を遊技者に対向する前面に保持する中枠と、前記中枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、前記遊技盤の前面側を保護する表枠とを備え、所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式遊技機であって、
前記表枠は、
前記遊技盤の前面側に第一の透明板を保持する透明板扉と、
前記透明板扉を前側から覆いかつ前記中枠に押し当てるようにして前記中枠に着脱可能に装着され、前記透明板扉に保持された前記第一の透明板に相対する穴部を備え、前記遊技盤の前面の外周部を前側から覆う前面枠と
を備え、
前記前面枠の幅方向一端部を、前記中枠の前記一端側に回動可能に取り付ける第三取付部と、
前記透明板扉の幅方向一端部を、前記前面枠の前記一端側で、且つ前記第三取付部における前記前面枠の回動中心よりも、前記前面枠の前記一端側とは反対側である他端側にずれた位置に回動可能に取り付ける第四取付部と
を備え、
前記前面枠を前記中枠に対して第二の所定角度で開き、且つ前記透明板扉を前記前面枠に対して回動させることにより、前記透明板扉と前記遊技盤とを平行にした場合、前記透明板扉と前記遊技盤の前面との離間距離は、前記遊技盤上の遊技球が前記透明板扉との隙間から落下しない距離であることを特徴とする封入式遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機内部に封入された遊技球を繰り返し発射して遊技盤の遊技領域に打ち込むことにより遊技が行われる遊技機及び遊技装置が知られている(例えば特許文献1参照)。遊技領域に設けられた入賞領域に入賞した場合、景品玉の代わりに遊技者に得点が付与される。遊技機の一種であるパチンコ機は、例えば外枠、中枠、表枠を備える。外枠はパチンコ機本体を支持する。中枠は例えば外枠に対して開閉可能に軸支されている。中枠の上半分には遊技盤が着脱可能に固定されている。表枠は例えば中枠に対して開閉可能に軸支されている。表枠の略中央には窓部が設けられている。窓部にはガラス板が取り付けてある。中枠の上半分に固定された遊技盤は、表枠に取り付けられたガラス板によって保護される。
【0003】
上述のように、表枠とガラス板とは一体化している。それ故、例えば作業者が遊技盤面上で釘調整を行う場合、表枠を開いて遊技盤面を露出させればよい。その他にも、例えば遊技盤面上で球詰まりが発生した場合は、表枠を開いて遊技盤面を露出させ、球詰まりを解除する作業を行えばよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−104434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、封入式遊技機は、限られた遊技球を遊技機内で循環させるので、表枠を開放して遊技盤面上での球詰まりを解除した際に、遊技盤面から遊技球が落下し、紛失する虞がある。循環する遊技球数が減少すると、遊技球1個の単位時間当たりの循環回数が増えるので、遊技球が汚れやすくなってしまう。循環する遊技球の総数を管理すれば、エラーが出る要因にもなってしまう。
【0006】
本発明は、遊技盤面上の球詰まりを解除する際に、遊技球が落下して紛失するのを防止できる封入式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る封入式遊技機は、外枠と、前記外枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、遊技盤を遊技者に対向する前面に保持する中枠と、前記中枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、前記遊技盤の前面側を保護する表枠とを備え、所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式遊技機であって、前記表枠は、前記遊技盤の前面側に第一の透明板を保持する透明板扉と、前記透明板扉を前側から覆いかつ前記中枠に押し当てるようにして前記中枠に着脱可能に装着され、前記透明板扉に保持された前記第一の透明板に相対する穴部を備え、前記遊技盤の前面の外周部を前側から覆う前面枠とを備え、前記透明板扉を前記中枠の前記一端側に対して開閉可能に取り付ける第一取付部と、前記前面枠を前記中枠の前記一端側に対して開閉可能に取り付ける第二取付部と、前記透明板扉を前記中枠に対して前方に開く方向に付勢する付勢手段と、前記中枠に設けられ、前記透明板扉が前記中枠に対して第一の所定角度を超えて開くのを防止する制限部材とを備えたことを特徴とする
【0008】
第1態様に係る封入式遊技機によれば、表枠は透明板扉と前面枠の二重構造である。透明板扉は第一取付部によって中枠に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠は第二取付部よって中枠に対して開閉可能に取り付けられている。それ故、前面枠を開いた場合でも、透明板扉は閉じた状態である。遊技盤面上で球詰まりが発生した場合、前面枠を開いて例えば透明板扉を僅かに動かすことによって、球詰まりが解消する。このとき遊技球が遊技盤上から落下しない程度に開いて作業することにより、遊技球が落下して紛失するのを防止できる。封入式遊技機では特に所定数の遊技球の管理が重要であるので効果的である。
【0009】
また、前面枠を開くと、第一の透明板は付勢手段によって前方に付勢され、制限部材によって第一の所定角度の位置で止まる。それ故、透明板扉と遊技盤との間に所定の隙間が生じるので、透明板扉と遊技盤との間に詰まった遊技球の位置が変化するので、詰まりを解消できる。さらに透明板扉は制限部材によって中枠に対して第一の所定角度を超えて開かないので、例えば遊技球が透明板扉と遊技盤との間に生じた隙間から落下しないように調整できる。
【0010】
また、第1態様に係る封入式遊技機では、前記第一の所定角度は、前記透明板扉が前記中枠に対して開いた場合に、前記遊技盤上の遊技球が前記透明板扉との隙間から落下しない角度であるとよい。第一の所定角度を上記のように定義することにより、遊技球が遊技盤から落下するのを確実に防止できる。
【0011】
また、第1態様に係る封入式遊技機では、前記付勢手段は、前記透明板扉の周端部又は前記中枠に設けられた弾性材であり、前記透明板扉を前記中枠に押し当てて前記前面枠を前記中枠に対して装着した場合、前記弾性材は、前記透明板扉と前記中枠との間に挟まれて圧縮され、前記前面枠を前記中枠に対して開いた場合、前記弾性材の弾性復帰力により、前記透明板扉が前方に付勢されると共に、前記制限部材によって前記所定角度開いた状態で保持されるとよい。弾性材の弾性復帰力を利用することによって、透明板扉を無理なく前方に押し出すことができる。弾性材によって前方に付勢された透明板扉は制限部材によって止まるので、透明板扉が第一の所定角度を超えて開くことがない。さらに弾性材によって前方に付勢された状態で、例えば第一の透明板を叩いて振動を与えることにより、遊技球の詰まりを効果的に解消できる。
【0012】
また、第1態様に係る封入式遊技機では、前記制限部材は板状の弾性部材であって、かつ前記透明板扉の前記周端部に係止する係止部を備えるとよい。例えば、透明板扉を手前側に大きく開く場合、制限部材が撓むことによって、係止部の係止が外れる。それ故、透明板扉を第一の所定角度を超えて開くことができる。そして、遊技盤の前面が露出するので、例えば遊技盤の前面の点検作業、改修作業が可能となる。
【0013】
また、本発明の第2態様に係る封入式遊技機は、外枠と、前記外枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、遊技盤を遊技者に対向する前面に保持する中枠と、前記中枠の幅方向一端側に開閉可能に軸支され、前記遊技盤の前面側を保護する表枠とを備え、所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式遊技機であって、前記表枠は、前記遊技盤の前面側に第一の透明板を保持する透明板扉と、前記透明板扉を前側から覆いかつ前記中枠に押し当てるようにして前記中枠に着脱可能に装着され、前記透明板扉に保持された前記第一の透明板に相対する穴部を備え、前記遊技盤の前面の外周部を前側から覆う前面枠とを備え、前記前面枠の幅方向一端部を、前記中枠の前記一端側に回動可能に取り付ける第三取付部と、前記透明板扉の幅方向一端部を、前記前面枠の前記一端側で、且つ前記第三取付部における前記前面枠の回動中心よりも、前記前面枠の前記一端側とは反対側である他端側にずれた位置に回動可能に取り付ける第四取付部とを備え、前記前面枠を前記中枠に対して第二の所定角度で開き、且つ前記透明板扉を前記前面枠に対して回動させることにより、前記透明板扉と前記遊技盤とを平行にした場合、前記透明板扉と前記遊技盤の前面との離間距離は、前記遊技盤上の遊技球が前記透明板扉との隙間から落下しない距離であることを特徴とする
【0014】
第2態様に係る封入式遊技機によれば、表枠が透明板扉と前面枠の二重構造である。透明板扉は第取付部によって前面枠に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠は第取付部によって中枠に対して開閉可能に取り付けられている。前面枠を開いた場合、透明板扉は閉じた状態である上、透明板扉は遊技盤の前面から僅かに離れる。それ故、遊技盤面上で球詰まりが発生した場合、球詰まりが解消する。例えば透明板扉の位置を遊技球が遊技盤上から落下しない程度に調整することにより、遊技球が落下して紛失するのを防止できる。封入式遊技機では特に所定数の遊技球の管理が重要であるので効果的である。
【0015】
また、前面枠を第二の所定角度で開くと、透明板扉と遊技盤とを平行にした場合に、透明板扉と遊技盤の前面との離間距離は所定距離である。所定距離になることで、透明板扉と遊技盤との間に詰まった遊技球の位置が変化するので、詰まりを解消できる。さらに所定距離に保持することにより、遊技球が透明板扉と遊技盤との間に生じた隙間から落下するのを防止できる。
【0016】
また、第2態様に係る封入式遊技機では、前記穴部には第二の透明板が保持されているとよい。第二の透明板は第一の透明板の前側に位置するので、第一の透明板を保護できる。第二の透明板で保護できるので、第一の透明板を薄くして軽量化することも可能である。第一の透明板が薄くなることで、振動を付与し易くなるので、第一の透明板に接触する遊技球に振動を付与し易くなる。それ故、遊技球の詰まりを簡単に解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】パチンコ機1の正面図である。
図2】外枠11に対して中枠12と前面枠30とを夫々開いた状態のパチンコ機1の斜視図である。
図3】外枠11に対して中枠12と前面枠30とガラス扉40とを夫々開いた状態のパチンコ機1の斜視図である。
図4】遊技盤2の斜視図である。
図5】中枠12の斜視図である。
図6】前面枠30の裏面側から見た斜視図である。
図7】ガラス扉40の斜視図である。
図8】前面枠30を閉じた状態における遊技盤2とガラス扉40との離間状態を示す図である。
図9】前面枠30を開いた状態における遊技盤2とガラス扉40との離間状態を示す図である。
図10】第1変形例における前面枠130の裏面側から見た斜視図である。
図11】第2変形例における前面枠230を開く場合のガラス扉240の挙動を示す遷移図である。
図12】第3変形例であるパチンコ機300の斜視図(前面枠30を開いた状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下説明において、図1の紙面手前側、紙面奥行き側を、夫々、パチンコ機1の前面側、背面側とする。パチンコ機1は本発明の封入式遊技機の一例である。封入式遊技機とは、例えば所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる遊技機である。
【0019】
先ず、パチンコ機1の全体構成について、図1図3を参照して説明する。図1に示すパチンコ機1は例えばホールの島設備(図示略)等に設置される。図2に示すように、パチンコ機1は、例えば外枠11、中枠12、表枠16(図1参照)等を少なくとも備える。図2に示すように、外枠11はパチンコ機1の機械本体を支持する。外枠11は例えば正面視略長方形状である。中枠12は外枠11の遊技者に対向する前面側に設けられている。中枠12は外枠11に対して略水平に開閉可能に軸支されている。例えば中枠12の左端部が軸支されているので、右端部が自由端部である。なお中枠12の右端部を外枠11に対して軸支されたものであれば、左端部が自由端部となる。中枠12は例えば正面視略長方形状(図5参照)である。中枠12の上半分には遊技盤2(図3参照)が着脱可能に固定されている。なお遊技盤2の構造については後述する。
【0020】
図1に示すように、表枠16は、中枠12の前面上半分に対応する位置に開閉可能に設けられている。図2に示すように、表枠16は前面枠30とガラス扉40の二重構造である。ガラス扉40はガラス板41を保持する。ガラス板41は遊技盤2に対向する位置に配置されている。ガラス扉40の左端部は、中枠12の左端部に対して開閉可能に軸支されている(図2図3参照)。前面枠30は穴部31を備える。穴部31は遊技盤2に対向する位置にある。穴部31は例えば正面視円形状である。前面枠30は例えば遊技盤2の外周部分を前方から覆う。前面枠30の前面の左右両隅部にはスピーカ38,39(図1参照)が夫々設けられている。
【0021】
また、図1図2に示すように、中枠12の前面下半分には、操作ユニット15、発射ハンドル14、鍵穴21等が設けられている。操作ユニット15は、操作台15A、ディスプレイ15B等を備える。操作台15Aは前方に突出する略直方体状である。ディスプレイ15Bは例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ15Bは、例えば、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示する。それ故、遊技者は実際の遊技球の払い出しがなくても球数を常時確認できる。更にディスプレイ15Bは遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能である。発射ハンドル14は操作台15Aの右端側下方に設けられている。発射ハンドル14は発射機(図示略)による遊技球の発射を調整する。
【0022】
また、鍵穴21は中枠12の前面における操作台15Aの上部右側に設けられている。鍵穴21の背面には例えばシリンダ錠(図示略)が設けられている。シリンダ錠は例えば中枠12を外枠11に、更に前面枠30を中枠12に対して着脱可能に夫々固定する。例えば鍵穴21に鍵(図示略)を挿入し、鍵を反時計回りに回転させると、外枠11に対して固定されていた中枠12が略水平方向に回動可能となる。その反対に、挿入された鍵を時計回りに回転させると、外枠11に対して固定されていた前面枠30が略水平方向に回動可能となる。
【0023】
また、図2に示すように、中枠12の裏面側には、例えば制御基盤、サブ統合基盤、音基盤等の各種基盤が組み付けられている。これら各種基盤は例えばセンターボックス81、基盤ボックス82等によって覆われている。センターボックス81及び基盤ボックス82は例えば樹脂製の透明部材である。中枠12の裏面側には、更に図示しない遊技球通路、発射機、研磨機等の各種機械が組み付けられている。研磨機はパチンコ機1を循環する遊技球の表面を研磨する為の機械である。
【0024】
次に、遊技盤2について、図4を参照して説明する。遊技盤2は例えば正面視長方形状である。遊技者が発射ハンドル14を操作すると、発射機(図示略)から発射された遊技球が遊技盤2を流下する。遊技盤2の前面には、例えば釘93、外レール3、内レール13、遊技領域4等が設けられている。遊技領域4は例えば内レール13に囲まれた正面視略円形状である。遊技領域4の略中央には特別図柄表示装置5が設けられている。特別図柄表示装置5は例えばLCDで構成された特別図柄表示画面、各種ランプおよびLEDを備えている。特別図柄表示装置5の下方には特別図柄始動電動役物7が設けられている。特別図柄始動電動役物7の左右には普通図柄始動ゲート8,9が夫々設けられている。普通図柄始動ゲート8の左側方には普通入賞口6が設けられている。特別図柄始動電動役物7の下方には大入賞口10が設けられている。大入賞口10の下方にはアウト口85が設けられている。アウト口85は何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する。なお遊技盤2は板部材に限られず、例えばアクリル製のものでもよい。
【0025】
次に、外枠11の構造について、図2を参照して説明する。外枠11は、上柱部11A、右柱部11B、左柱部11C、下柱部11Dを備え、正面視略長方形状である。下柱部11Dは、他の柱部11A〜11Cよりもやや前方へ突出している。それ故、下柱部11Dは他の柱部よりも高い強度を備えるので、土台としても機能する。外枠11の左角部には上ヒンジ17が設けられている。外枠11の左角部は上柱部11Aと左柱部11Cとが連結する角部である。上ヒンジ17は係合穴(図示略)を備える。この係合穴には、後述する中枠12の上ヒンジ24から上方に突出する凸部25が係合する。下柱部11Dの上面の左端側には下ヒンジ30が設けられている。下ヒンジ30は軸ピン(図示略)を備える。軸ピンは上方に突出する。この軸ピンには、後述する中枠12の左下角部に固定された掛け部29の係合穴(図示略)が係合する。それ故、中枠12は上ヒンジ17と下ヒンジ30により外枠11に対して回動可能に軸支される。
【0026】
次に、中枠12の構造について、図5を参照して説明する。中枠12は、上柱部12A、右柱部12B、左柱部12C、下柱部12Dを備え、正面視略長方形状である。これら柱部12A〜12Dは例えば金属製部材である。上柱部12A、右柱部12B、左柱部12Cは細長の長方形状である。下柱部12Dは正面視略長方形状である上、他の柱部12A〜12Cよりも上下方向に幅広の面積を有する。下柱部12Dの前面側には、上述した操作ユニット15、発射ハンドル14、鍵穴21(図1参照)等が夫々取り付けられる。上柱部12Aの直下であって右柱部12Bと左柱部12Cとの間には取付板50が設けられている。取付板50の上部における左右の幅方向略中央には、遊技盤保持部材60が固定されている。遊技盤保持部材60は例えば板バネであり、遊技盤2の上端部を位置決め保持する。右柱部12Bの上下の各位置には、固定レバー62,63が各々設けられている。左柱部12Cの上下の各位置には、固定レバー64,65が各々設けられている。固定レバー62〜65は垂直位置と水平位置との間において回動可能である。固定レバー62〜65は例えば水平位置に倒すことによって、中枠12の前面略中央に位置決めされた遊技盤2を保持できる。
【0027】
また、上柱部12Aの前面の最左端側には上ヒンジ24が固定されている。上ヒンジ24は前方に突出する平面視略半円形状である。上ヒンジ24は凸部25、軸ピン26を備える。凸部25は上ヒンジ24の上面に設けられている。凸部25は外枠11の上ヒンジ17の係合穴(図示略)に係合する。従って、中枠12の左端側上部は、外枠11の上ヒンジ17を中心に開閉可能に軸支される。
【0028】
一方、軸ピン26は上ヒンジ24の下面に設けられている。軸ピン26は下方に延設されている。軸ピン26は、前面枠30の後述する軸支部34の軸支穴34A(図6参照)と、ガラス扉40の後述する軸支端部44の軸支穴45(図7参照)とに各々挿入される。従って、上ヒンジ24は、前面枠30の左端側の上部と、ガラス扉40の左端側の上部とを夫々軸支する。
【0029】
さらに、左柱部12Cの上下方向略中央の位置には、中ヒンジ27が固定されている。中ヒンジ27は軸ピン28を備える。軸ピン28は上方に延設されている。軸ピン28は、前面枠30の後述する軸支部35の軸支穴35A(図6参照)と、ガラス扉40の後述する軸支端部44の軸支穴46(図7参照)とに各々挿入される。従って、中ヒンジ27は、前面枠30の左端側下部と、ガラス扉40の左端側下部とを夫々軸支する。即ち、上ヒンジ24と中ヒンジ27は、前面枠30とガラス扉40とを開閉可能に夫々軸支する。
【0030】
また、下柱部12Dの前面の最左端側には、掛け部29が設けられている。掛け部29は前方に延出する板形状を備える。掛け部29は係合穴29Aを備える。係合穴29Aは、外枠11の上述の下ヒンジ30の軸ピン(図示略)に係合する。従って、中枠12の左端側下部は、外枠11の下ヒンジ30を中心に開閉可能に軸支される。
【0031】
さらに、上柱部12Aの前面の右端側には、回動制限部材70が留め具78(図8参照)で固定されている。回動制限部材70は例えば板バネである。回動制限部材70は、前面枠30が開いた状態で、ガラス扉40のガラス板41が遊技盤2から所定距離(A1)を超えて離間しないように、ガラス扉40の回動を制限する。
【0032】
ここで、回動制限部材70について、図9を参照して説明する。回動制限部材70は、固定部71、水平部72、係止部73等を備える。固定部71は、中枠12の上柱部12Aに当接して固定される部位である。水平部72は固定部71の下端部から前方に向かって略水平に延設された部位である。係止部73は水平部72の前端部から中枠12側に折り返し、側面視V字状の折曲部74を備えた部位である。例えば前面枠30を開いた状態で、ガラス扉40を開こうとした場合、ガラス扉40が中枠12に対して例えば所定角度αだけ開いた位置で、係止部73に対してガラス扉40の上端部が係止する。それ故、ガラス扉40の回動が制限される。更にガラス扉40を開く方向に回動すれば、係止部73は上方に撓むので、ガラス扉40の上端部が係止部73を乗り越え前方に移動可能となる。それ故、ガラス扉40の回動制限は解除される。なお回動制限部材70によるガラス扉40の回動制限の効果については後述する。
【0033】
次に、前面枠30の構造について、図1図6を参照して説明する。前面枠30は正面視略長方形状である。前面枠30は中央に穴部31を備える。穴部31は正面視円形状である。穴部31は前後方向に貫通している。図6に示すように、前面枠30の左端部には、軸支端部33が設けられている。軸支端部33は上下方向に延設されている。軸支端部33は軸支部34,35を備える。軸支部34は軸支端部33の上端部に設けられている。軸支部35は軸支端部33の下端部に設けられている。軸支部34,35は例えば略直方体のブロック状である。軸支部34は軸支穴34Aを備える。軸支穴34Aは、軸支部34を上下方向に貫通する。軸支部35は軸支穴35Aを備える。軸支穴35Aは、軸支部35を上下方向に貫通する。
【0034】
次に、ガラス扉40の構造について、図7を参照して説明する。ガラス扉40は正面視略長方形状である。ガラス扉40は、ガラス板41、保持枠42、支持部43、軸支端部44、弾性部材48等を備える。ガラス板41は正面視略長方形状であるが、形状については限定されない。保持枠42はガラス板41を保持する枠部材である。保持枠42の形状はガラス板41の形状に対応している。保持枠42は例えば金属製部材である。支持部43は保持枠42の左端部に設けられている。支持部43は正面視縦長の長方形状の板部材である。軸支端部44は支持部43を介して保持枠42の左端部に設けられている。軸支端部44は例えば上下方向に延出する略円柱状である。軸支端部44は軸支穴45,46を備える。軸支穴45は、軸支端部44の上端から軸線に沿って下方に延出している。軸支穴46は、軸支端部44の下端から軸線に沿って上方に延出している。弾性部材48は、例えば保持枠42の右端部であって、中枠12に対向する面に沿って設けられている。弾性部材48は弾性を有する材質であれば何でもよく、例えばゴム、樹脂等でもよい。またガラス扉40を前方に付勢するものであれば、弾性部材以外の部材(例えばバネ等)であってもよい。
【0035】
次に、中枠12に対する前面枠30とガラス扉40との回動構造について、図2図3を参照して説明する。図2に示すように、前面枠30の軸支部34,35の間に対して、ガラス扉40の軸支端部44が挿入されて配置されている。軸支部34の軸支穴34A(図6参照)には、軸支端部44の軸支穴45(図7参照)が対向している。軸支部35の軸支穴35A(図6参照)には、軸支端部44の軸支穴46(図7参照)が対向している。軸支穴34Aと軸支穴45とに対して、上ヒンジ24の軸ピン26が上方から下方に挿入されている。軸支穴35Aと軸支穴46に対して、中枠12の中ヒンジ27の軸ピン28が下方から上方に挿入されている。従って、中枠12に対して、前面枠30とガラス扉40が夫々回動可能となっている。これにより、例えば、前面枠30のみを開いた場合、ガラス扉40は回動せずにその位置に残って保持される。
【0036】
次に、前面枠30を閉じた状態におけるガラス扉40の位置について説明する。図8に示すように、前面枠30を中枠12に対して閉じた状態では、ガラス扉40は前面枠30によって中枠12側に押し込まれる。前面枠30がシリンダ錠によって中枠12に対して固定された状態では、ガラス扉40の弾性部材48は、中枠12の右柱部12Bの前面に押し当てられて圧縮された状態である。遊技盤2の盤面とガラス扉40の背面(遊技盤2に対向する面)との離間距離を例えばA1とする。なおA1は遊技盤2の盤面上の役物等の構造物(例えば外レール3)の高さを考慮する。例えば遊技盤2の盤面上をガラス板41との間において遊技球が支障なく流下できるように決定する。ガラス扉40は中枠12側に押し込まれているので、回動制限部材70の係止部73と、ガラス扉40の上端部との間は離間している。なおこの状態では、ガラス扉40は前面枠30によって中枠12側に押し込まれた状態であるのでガラス扉40を強く位置決め固定できる。
【0037】
次に、遊技盤2の盤面上において球詰まりが発生した場合の球詰まり解除作業について説明する。遊技者の遊技中に、遊技盤2の盤面上において球詰まりが生じる場合がある。役物の構造物に多数の遊技球が集中すると、例えば構造物上に遊技球が乗り上げてしまい、図8の状態において、ガラス扉40のガラス板41と遊技盤2との間に、複数の遊技球が詰まってしまう場合がある。この場合、ホール作業者は球詰まりの解除作業を行う。ホール作業者は、鍵穴21に鍵を差し込み、例えば時計周りに回す。すると、前面枠30の中枠12に対する固定は解除され、前面枠30は回動可能となる。ホール作業者は前面枠30を前方に回動させる。圧縮された弾性部材48の弾性復帰力により、ガラス扉40は前方に押し出される。
【0038】
図9に示すように、ガラス扉40は前方に押し出されて前方に回動する。ガラス扉40の上端部は回動制限部材70の係止部73に係止するので、ガラス扉40はそれ以上前方には回動しない。このときのガラス扉40の回動角度をαとする。ガラス扉40は、弾性部材48の弾性復帰力により、回動制限部材70の係止部73に接触している。遊技盤2の盤面とガラス扉40との離間距離はA1からA2となる。回動角度をαとしたときに、離間距離がA2となるように調整されている。A2はA1よりも長い。A2は、少なくとも遊技盤2とガラス扉40との間から遊技球が落下しない程度の距離である。遊技盤2の盤面とガラス扉40との離間距離がA1からA2に変化するので、ガラス扉40のガラス板41と遊技盤2のとの間に詰まった遊技球の位置関係が変化する。これにより球詰まりを自動的に解除できる。
【0039】
それでも球詰まりが解除できなかった場合、例えばガラス扉40を軽く叩いて振動を付与することによって、球詰まりを確実に解除できる。遊技盤2の盤面とガラス扉40との離間距離はA2であるので、遊技盤2から遊技球が落下して紛失する虞もない。これにより、封入式のパチンコ機1において、機械内部を循環する遊技球が紛失することなく、球詰まりを解除できる。また球数を管理するパチンコ機1であれば、球数不足によるエラーが生じることもない。さらに球数減少による遊技球の汚れ易さも解消できる。
【0040】
なお、例えば、ガラス扉40を手前側に大きく開く必要がある場合、ガラス扉40の上端部が回動制限部材70の係止部73を押し上げる。係止部73が上方に撓むことによって、ガラス扉40の上端部が係止部73を乗り越える。ガラス扉40の回動制限は解除される。従って、ガラス扉40を回動角度αを超えて開くことができる。遊技盤2の前面が露出するので、例えば遊技盤2の前面の点検作業、改修作業が可能となる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1は、例えば所定数の遊技球を機械内部に封入して循環させる封入式パチンコ機である。パチンコ機1は、外枠11、中枠12、表枠16等を備える。表枠16は前面枠30とガラス扉40との二重構造である。中枠12は外枠11に対して上ヒンジ17、下ヒンジ30によって開閉可能に軸支されている。前面枠30は、中枠12の上ヒンジ24の軸ピン26と、中ヒンジ27の軸ピン28とに開閉可能に軸支されている。ガラス扉40も、中枠12の上ヒンジ24の軸ピン26と、中ヒンジ27の軸ピン28とに開閉可能に軸支されている。
【0042】
即ち、前面枠30、ガラス扉40は互いに独立して開閉可能である。これにより例えば、遊技盤2の盤面上において球詰まりが発生した場合、前面枠30のみを開く。ガラス扉40は閉じた状態のままであるので、遊技盤2の盤面上から遊技球が落下する虞がない。その状態で例えばガラス扉40を前方に僅かに回動させる。この場合、遊技盤2の盤面とガラス扉40との離間距離がA1からA2に変化するので、ガラス板41と遊技盤2との間に球詰まりを起こした複数の遊技球の位置関係が変化する。これにより球詰まりを簡単に解除できる。これにより、封入式のパチンコ機1において、機械内部を循環する遊技球が紛失することなく、球詰まりを解除できる。
【0043】
また本実施形態は特に、ガラス扉40の右端部の中枠12側の面に沿って弾性部材48を設けている。弾性部材48はガラス扉40を中枠12に対して前方に開く方向に付勢する。中枠12の上柱部12Aの前面には、回動制限部材70を設けている。回動制限部材70はガラス扉40の上端部に係止することにより、ガラス扉40が中枠12に対して回動角度αを超えて開くのを防止する。回動角度αを遊技盤2の盤面上の遊技球がガラス扉40との隙間から落下しない角度にするとよい。それ故、遊技盤2から遊技球が落下して紛失する虞がない。
【0044】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば以下の3つの変形例が可能である。第1〜第3変形例について順に説明する。
【0045】
第1変形例について、図10を参照して説明する。上記実施形態では、ガラス扉40は、中枠12の上ヒンジ24の軸ピン26と、中枠12の中ヒンジ27の軸ピン28とに軸支されている(図2参照)。例えばガラス扉40は中枠12ではなく前面枠13に軸支させてもよい。第1変形例は、前面枠130を備える。前面枠130は上記実施形態の前面枠30(図6参照)とほぼ同じ形状を備える。軸支端部33の軸支部34は、軸支穴34A、軸ピン34Bを備える。軸支穴34Aは軸支部34の上部から中央部まで延設されている。軸ピン34Bは軸支部34の下部から下方に延設されている。軸支穴34Aと軸ピン34Bとは互いに同軸上である。軸支端部33の軸支部35は、軸支穴35A、軸ピン35Bを備える。軸支穴35Aは軸支部35の下部から中央部まで延設されている。軸ピン35Bは軸支部34の上部から上方に延設されている。軸支穴35Aと軸ピン35Bとは互いに同軸上である。そして、前面枠130の軸ピン34Bと軸ピン35Bとを、例えば図7のガラス扉40の軸支端部44の軸支穴45,46に各々挿入して軸支させる。これにより上記実施形態と同じ効果を得ることができる。また上ヒンジ24の軸ピン26と、中枠12の中ヒンジ27の軸ピン28とにかかる負荷を軽減できる。
【0046】
第2変形例について、図11を参照して説明する。第1変形例では、前面枠130の軸中心と、ガラス扉40の軸中心とは互いに同じ位置である。例えばこれらの軸中心をずらすことによって、ガラス扉40を前方に付勢する為の弾性部材48(図7参照)を無くすことができる。図11は、前面枠230を開いた場合におけるガラス扉240の挙動を示している。なお図11に示す中枠12、遊技盤2、前面枠230、及びガラス扉240は、実際の具体的形状を示すものはではなく、互いの位置関係を便宜的に示す為に形状を簡素化している。
【0047】
中枠12には遊技盤2が固定されている。前面枠230は、中枠12の左端側に対して回動可能に軸支されている。ガラス扉240は、前面枠230の左端側に対して回動可能に軸支されている。前面枠230の軸中心91に対して、ガラス扉240の軸中心92はガラス扉240の自由端(右端)側にずれている。
【0048】
STEP1は、前面枠230を中枠12に対して閉じた状態である。上記実施形態と同様に、前面枠230はガラス扉240を中枠12に押し当てた状態で中枠12に固定されている。この状態における遊技盤2の盤面と、ガラス扉240のガラス板との離間距離は例えばB1である。
【0049】
STEP2は、前面枠230を中枠12に対して40°開いた状態である。前面枠230を開いただけではガラス扉240は回動しない。しかしながら前面枠230が回動することによって軸中心92は徐々に前方に移動する。よって、ガラス扉240は遊技盤2の盤面から徐々に離間する。ガラス扉240と遊技盤2とを互いに平行にした場合に、ガラス扉240のガラス板との離間距離はB2である。B2はB1よりも長い。B2は、少なくとも遊技盤2とガラス扉40との間から遊技球が落下しない程度の距離である。遊技盤2の盤面とガラス扉40のガラス板との離間距離がB1からB2に変化するので、ガラス扉240のガラス板と遊技盤2のとの間に詰まった遊技球の位置関係が変化する。これにより例えば前面枠230を中枠12に対して40°開いた状態であれば、遊技球を紛失することなく、遊技盤2における球詰まりを自動的に解除できる。
【0050】
STEP3は、前面枠230を中枠12に対して90°開いた状態である。このとき軸中心92は軸中心91から前方に最も離れる。よって、ガラス扉240のガラス板は遊技盤2の盤面から最も離間する。ガラス扉240と遊技盤2とを互いに平行にした場合に、ガラス扉240のガラス板との離間距離はB3である。B3はB2よりも更に長い。例えば、B3を少なくとも遊技盤2とガラス扉40との間から遊技球が落下しない程度の距離にしてもよい。例えばガラス扉240と遊技盤2とを互いに平行にする為に、中枠12に回動制限部材95を設けてもよい。回動制限部材95は、例えば前面枠230を中枠12に対して90°開き、ガラス扉240を遊技盤2に対して平行にした場合のガラス扉240の前面に係止する。これにより前面枠230の回動角度に関係なく、ガラス扉240のガラス板との離間距離はB3を超えない。ホール作業者は、前面枠230の回動角度を気にすることなく、遊技盤2における球詰まりを自動的に解除できる。
【0051】
第3変形例について、図12を参照して説明する。上記実施形態では、表枠16は1枚のガラス板41を保持している。ガラス板41はガラス扉40によって保持されている。第3変形例のパチンコ機300は二枚のガラス板を保持する。前面枠30の裏面側には、ガラス板141が取り付けられている。それ故、遊技盤2の前面側は、ガラス扉40のガラス板41と、前面枠30に取り付けられたガラス板141とによって保護される。ガラス板141はガラス板41の前側に位置するので、ガラス板41を保護できる。二枚のガラス板41,141で遊技盤2を保護できるので、例えばガラス板41を薄くして軽量化することも可能である。ガラス板41が薄くなることで、振動を付与し易くなるので、ガラス板41に接触する遊技球に振動を付与し易くなる。それ故、遊技球の詰まりを簡単に解消できる。
【0052】
なお、本発明は上記変形例以外にも種々の変更が可能である。例えば、本発明は、封入式のパチンコ機の他に、封入式のアレンジボール遊技機、雀球遊技機等の弾球遊技機にも適用可能である。
【0053】
また上記実施形態では、ガラス扉40はガラス板41を保持しているが、ガラス板41の代わりに例えば透明な樹脂部材であってもよい。また透明であれば材質、形状、色等については限定しない。
【0054】
また上記実施形態では、封入式のパチンコ機1として、操作ユニット15を備えているが、操作ユニット15の形状、構造等についても上記実施形態に限定されるものではない。さらに遊技球を発射する為の発射ハンドル14についても、ハンドル形式以外のもの(例えばボタン式、タッチ式等)でもよい。
【0055】
また上記実施形態において、外枠11、中枠12、表枠16、前面枠30、ガラス扉40の各名称は説明の便宜上のものであり、これら以外の名称で使用されているものにも当然に適用可能である。
【0056】
また上記実施形態では、ガラス扉40の前方への移動を制限する為に、回動制限部材70を中枠12の前面上部に設けているが、回動制限部材70の位置はこれに限定されない。例えば、回動制限部材70を中枠12の自由端部、下端部に設けることもできる。さらに回動制限部材70の形状はこれに限定されず、例えばガラス扉40に係止する突起状の部分を備えるものでもよい。
【0057】
また上記実施形態では、外枠11と中枠12が別体であるが、一体の基礎枠として備え、基礎枠に対して表枠を開閉可能に取り付けるものでもよい。
【0058】
また上記実施形態では、ガラス扉40に取り付けている弾性部材48は、保持枠42の右端部に沿って長く設けているが、例えば一部分、又は複数部分に設けてもよい。形状についても限定されない。
【符号の説明】
【0059】
1 パチンコ機
2 遊技盤
11 外枠
12 中枠
16 表枠
24 上ヒンジ
26 軸ピン
27 中ヒンジ
28 軸ピン
30 前面枠
31 穴部
33 軸支端部
34 軸支部
34A 軸支穴
34B 軸ピン
35 軸支部
35A 軸支穴
35B 軸ピン
40 ガラス扉
41 ガラス板
43 支持部
44 軸支端部
45,46 軸支穴
48 弾性部材
50 取付板
70 回動制限部材
73 係止部
130 前面枠
141 ガラス板
230 前面枠
240 ガラス扉
300 パチンコ機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12