(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、音声素材を放送するラジオシステムにおいては、音声素材が予め設定された運行データに従って正確に放送されたか否かを、ラジオシステムの制御によって放送した結果を示す情報等に基づいて確認している。しかし、この方法では、ラジオシステムから音声素材を再生したという結果は確認できるが、実際に外部に対して放送されたか否かについては、確認することができない。
【0003】
そこで、最近では、このような問題を解決するために、放送すべき音声素材と、実際に放送された音声素材とを比較することにより、音声素材が正確に放送されたか否かを確認する様々な方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、音声素材の先頭部分に予め所定時間の無音状態を付加した音声データを生成して記憶すると共に、放送された音声データから無音状態を検出した場合に、無音状態直後を開始点として所定時間分の音声データを記憶し、記憶された各々の音声データのレベル及び/又は基本周波数を比較することにより、放送すべき音声素材が正確に放送されたか否かを確認する方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、入力される音声データの比較を行う際に用いられる比較パタンを予め登録しておき、入力された音声データのレベルに基づいて開始点を判別し、この開始点からの音声データの入力パタンと、予め登録された比較パタンとに対して周波数分析を行い、分析結果に基づいて音声を認識する方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の方法では、音声素材に対して開始点を判別するための所定時間の無音状態を付加する必要があるが、放送された音声素材の先頭に所定時間の無音状態が存在しない場合には、音声素材の開始点を判別することができない。また、音声素材中に所定時間の無音状態が存在した場合には、無音状態直後が開始点であると誤認し、2つの音声素材を正確に比較することができない。
【0008】
さらに、2つの音声素材の基本周波数を比較する際には、開始点から所定時間分の音声データのみを比較するため、所定時間を超える音声素材については、例えば、音声素材の最後部分の基本周波数が異なる場合であっても、同一の音声素材であると認識する虞がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の方法では、音声素材の開始点を音声レベルで判別するため、放送中に比較パタンの音声レベルと同一レベルの音声素材が存在した場合に、比較を開始する虞がある。
【0010】
すなわち、上述した特許文献1及び2に記載の方法では、無音状態の有無や音声レベルによって音声素材の開始点を判別するため、音声素材中に所定時間と同一の無音状態や音声レベルが同一の部分が存在する場合に、音声素材を正確に比較することができないという問題があった。
【0011】
また、音声素材の開始点から所定時間分のみを比較するため、所定時間を超える部分が異なるような、類似する音声素材を同一の音声素材として認識する虞があるという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、素材をほとんど加工することなく、放送すべき音声素材が実際に放送されたか否かを正確に検出することが可能な放送素材確認システム及び放送素材確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明は、放送局から放送された素材データを確認する放送素材確認システムであって、入力された素材データに対して所定の第1のタイミング毎にトーンを付加し、前記トーンが付加された第1の素材データに対して所定の周波数分析を行い、該周波数分析により得られる分析値を、前記第1のタイミング間隔毎に積算した第1の積算値を記憶すると共に、前記第1の素材データを前記放送局に対して出力する登録処理部と、前記放送局から放送された、トーンが付加された第2の素材データを受信し、前記第2の素材データから前記トーンを検出し、前記第2の素材データに対して前記所定の周波数分析を行い、該周波数分析により得られる分析値を、前記トーンを検出した第2のタイミング間隔毎に積算した第2の積算値を記憶する受信処理部と、前記第1及び第2の積算値を比較し、比較結果に基づき、前記第1及び第2の積算値に対応する前記第1及び第2の素材データが同一であるか否かを判断する比較処理部とからなることを特徴とする。
【0014】
そして、本発明によれば、第1及び第2のタイミングに基づき得られる第1及び第2の積算値を比較して、入力された素材データと、放送局から受信した素材データとが同一であるか否かを判断するため、放送すべき素材データが実際に放送されたか否かを確実に確認することが可能になる。
【0015】
上記放送素材確認システムにおいて、前記登録処理部は、前記第1のタイミングを規定する第1のタイミング信号を生成するタイミング制御部と、入力された前記素材データにおける所定のカットオフ周波数以下の周波数成分を制限するハイパスフィルタと、前記第1のタイミング信号に基づき、前記素材データの前記カットオフ周波数以下の帯域に前記第1のタイミングで前記トーンを付加して前記第1の素材データを生成するトーン付加部と、前記第1の素材データに対して周波数分析を行い、前記第1のタイミング信号に基づき、前記第1のタイミング間隔毎に周波数成分を積算して前記第1の積算値を算出する第1の周波数分析部と、前記第1の積算値を記憶する第1の記憶部と、前記第1の素材データを前記放送局に対して出力する素材登録部とを備え、前記受信処理部は、前記放送局から放送された前記第2の素材データを受信する放送受信部と、前記第2の素材データから前記トーンを検出すると共に、前記検出されたタイミングで、前記第2のタイミングを規定する第2のタイミング信号を生成して出力するトーン検出部と、前記第2の素材データに対して周波数分析を行い、前記第2のタイミング信号に基づき、前記第2のタイミング間隔毎に周波数成分を積算して前記第2の積算値を算出する第2の周波数分析部と、前記第2の積算値を記憶する第2の記憶部とを備え、前記比較処理部は、前記第1及び第2の積算値を比較し、前記第1及び第2の積算値が一致するか否かを判断するサーチ部と、前記サーチ部における判断結果に基づき、前記第1及び第2の積算値に対応する前記第1及び第2の素材データが同一であるか否かを判断する結果出力部とを備えることができる。
【0016】
上記放送素材確認システムにおいて、前記サーチ部は、前記第1及び第2の積算値を周波数成分毎に比較し、信号レベルが同一となる周波数成分が予め設定された所定の割合以上である場合に、前記第1及び第2の積算値が一致すると判断し、前記結果出力部は、前記サーチ部で一致すると判断された積算値が予め設定された所定の割合以上である場合に、前記第1及び第2の積算値に対応する前記第1及び第2の素材データが同一であると判断することができる。これにより、例えば、放送局から素材データが放送された際に、何らかの障害が発生した場合でも、第1及び第2の素材データが同一であると判断することができる。
【0017】
上記放送素材確認システムにおいて、前記素材データを、音声信号を含むデータとすることができる。
【0018】
上記放送素材確認システムにおいて、前記トーンを単一の周波数成分からなるシングルトーンとすることができる。
【0019】
また、本発明は、放送局から放送された素材データを確認する放送素材確認方法であって、入力された素材データに対して所定の第1のタイミング毎にトーンを付加し、前記トーンが付加された第1の素材データに対して所定の周波数分析を行い、該周波数分析により得られる分析値を、前記第1のタイミング間隔毎に積算した第1の積算値を記憶し、前記第1の素材データを前記放送局に対して出力し、前記放送局から放送された、トーンが付加された第2の素材データを受信し、前記第2の素材データから前記トーンを検出し、前記第2の素材データに対して前記所定の周波数分析を行い、該周波数分析により得られる分析値を、前記トーンを検出した第2のタイミング間隔毎に積算した第2の積算値を記憶し、前記第1及び第2の積算値を比較し、比較結果に基づき、前記第1及び第2の積算値に対応する前記第1及び第2の素材データが同一であるか否かを判断することを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、放送すべき素材データが実際に放送されたか否かを確実に確認することが可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、素材をほとんど加工することなく、放送すべき音声素材が実際に放送されたか否かを正確に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る放送素材確認システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【
図2】ハイパスフィルタについて説明するための略線図である。
【
図3】トーン付加部について説明するための略線図である。
【
図4】周波数分析部について説明するための略線図である。
【
図5】周波数分析部における周波数成分の抽出について説明するための略線図である。
【
図6】周波数積算値メモリ部について説明するための略線図である。
【
図7】タイミング制御部について説明するための略線図である。
【
図8】トーン検出部について説明するための略線図である。
【
図9】周波数積算値メモリ部について説明するための略線図である。
【
図10】サーチ部について説明するための略線図である。
【
図11】サーチ部における比較処理について説明するための略線図である。
【
図12】サーチ部について説明するための略線図である。
【
図13】本発明に係る放送素材確認システムの処理の流れについて説明するためのシーケンス図である。
【
図14】比較処理部の処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
まず、本発明に係る放送素材確認システムの構成の一例について説明する。
図1は、本発明に係る放送素材確認システムの一実施の形態を示し、この放送素材確認システム1は、大別して、放送局40に対して音声信号である音声素材データ(以下、「素材データ」とする)を供給すると共に、素材データに対して所定の周波数分析を行う登録処理部10と、放送局40から受信した素材データに対して所定の周波数分析を行う受信処理部20と、登録処理部10及び受信処理部20による素材データに対する周波数分析の結果を比較し、各々の素材データが一致するか否かを判断する比較処理部30とで構成される。
【0024】
登録処理部10は、ハイパスフィルタ(HPF;High Pass Filter)11、トーン付加部12、周波数分析部13、周波数積算値メモリ部14、タイミング制御部15及び音声素材登録部16を備える。
【0025】
ハイパスフィルタ11は、素材名称が付加された素材データが入力され、所定の周波数以下の周波数成分を制限する。例えば、ハイパスフィルタ11は、
図2に示すように、入力された素材データに対して予め設定されたカットオフ周波数fc以下の周波数成分を制限する。カットオフ周波数fcは、例えば、聴感上問題ない周波数帯を制限するように設定される。
図2では、カットオフ周波数fcを50Hzとした場合の例を示す。
【0026】
トーン付加部12は、ハイパスフィルタ11でカットオフ周波数fc以下の周波数成分が制限された素材データに対して、所定の周波数成分を有するトーンを、後述するタイミング制御部15から供給されるタイミング信号が示すタイミングで付加する。トーンは、
図3に示すように、例えば、カットオフ周波数fcより低い単一の周波数成分からなるシングルトーンである。
図3では、トーンの周波数を30Hz、出力レベルを−40dBmとした場合の例を示す。
【0027】
周波数分析部13は、トーン付加部12でトーンが付加された素材データに対してFFT(Fast Fourier Transform)等の周波数分析を行い、タイミング制御部15から所定のタイミング毎に供給されるタイミング信号に基づき、タイミング信号の間隔毎に分析値の積算値を算出する。そして、算出された積算値から音声レベルの高い周波数を所定数だけ抽出する。
【0028】
具体的には、例えば、
図4に示すように、タイミング制御部15からのタイミング信号が100m秒間隔で供給された場合には、所定のタイミング信号が供給された時点を開始点とすると共に、次のタイミング信号が供給された時点を終了点とし、開始点から終了点までの100m秒間を100Hzで分割するFFTを行い、分析値の積算値を100m秒毎に素材長分だけ算出する。
【0029】
次に、周波数分析部13は、
図5に示すように、算出された積算値に対して予め設定された閾値thを超える音声レベルの積算値の中から、音声レベルの高い周波数を所定数だけ抽出する。そして、音声レベルが最も高い周波数の積算値を基準値とし、抽出された各々の周波数の積算値の比を算出する。
【0030】
図5の例では、閾値thを−20dBmとし、抽出数を「10」とした場合を示す。この例では、音声レベルが高いものから順に、周波数が7.3kHz、5.3kHz、11.3kHz、4.6kHz、9.3kHz、2.5kHz、8.3kHz、3.9kHz、6.3kHz、13.7kHzの積算値が抽出される。そして、音声レベルが最も高い7.3kHzの積算値を基準値(1.0)とし、抽出された各々の周波数の積算値の比を算出する。
【0031】
周波数積算値メモリ部14は、周波数分析部13で算出された積算値を記憶する。積算値を記憶する場合、周波数積算値メモリ部14は、素材名称と同一の名称を付したフォルダを作成し、このフォルダ内に、素材名称と素材データの分割順を示す番号とを名称として付与した積算値を記憶する。例えば、
図6に示すように、放送素材確認システム1に入力される素材データに付加された素材名称が「AAAA」である場合には、フォルダ「AAAA」を作成し、名称を「AAAA−1」、「AAAA−2」、・・・として積算値を記憶する。例えば、素材データ長が20秒であり、タイミング信号の間隔が100m秒である場合には、周波数分析部13において積算値が200個分だけ算出されるので、積算値の名称は、「AAAA−1」〜「AAAA−200」となる。
【0032】
タイミング制御部15は、所定のタイミング毎にタイミング信号を生成し、トーン付加部12及び周波数分析部13に供給する。上述したように、所定のタイミング毎に生成されるタイミング信号の間隔が、周波数分析部13において周波数分析値を積算する間隔となる。タイミング制御部15は、例えば、
図7に示すように、所定のタイミング毎にON/OFFを行うスイッチで構成され、ONとされた際に、タイミング信号がトーン付加部12及び周波数分析部13(不図示)に対して供給される。
【0033】
音声素材登録部16は、トーン付加部12でトーンが付加された素材データを登録し、メディア等を介して放送局40に供給する。放送局40は、音声素材登録部16から供給された素材データを、予め設定された運行データに従って放送する。
【0034】
受信処理部20は、放送受信部21、トーン検出部22、周波数分析部23及び周波数積算値メモリ部24を備える。放送受信部21は、放送局40から放送された素材データを受信し、トーン検出部22及び周波数分析部23に供給する。
【0035】
トーン検出部22は、例えば、入力されたデータに対して所定のカットオフ周波数以上の周波数成分を制限するローパスフィルタで構成される。トーン検出部22は、
図8に示すように、放送受信部21から供給された素材データから上述したカットオフ周波数以上の周波数成分を制限することにより、トーン付加部12で付加されたトーンを検出する。そして、トーンを検出したタイミングを開始点及び終了点のタイミングとして、周波数分析部23に供給する。
【0036】
周波数分析部23は、放送受信部21から供給された素材データに対して、周波数分析部13で行われる周波数分析と同様の周波数分析(FFT等)を行い、トーン検出部22から供給される開始点及び終了点のタイミング毎に分析値の積算値を算出する。そして、周波数分析部13と同様に、算出された積算値から音声レベルの高い周波数を所定数だけ抽出する。
【0037】
周波数積算値メモリ部24は、周波数分析部23で算出された積算値を記憶すると共に、記憶した積算値をサーチ部31に供給する。積算値を記憶する場合、周波数積算値メモリ部24は、素材データが放送された日時に基づく名称を付したフォルダを作成し、このフォルダ内に、分割順に従った番号を名称として付与した積算値を記憶する。例えば、
図9に示すように、素材データの放送日時が「2011年12月20日16時57分20秒」である場合には、フォルダ「20111220165720」を作成し、名称を「1」、「2」、・・・として積算値を記憶する。例えば、素材データ長が20秒であり、タイミング信号の間隔が100m秒である場合には、周波数分析部23において積算値が200個分だけ算出されるので、積算値の名称は、「1」〜「200」となる。
【0038】
比較処理部30は、サーチ部31及び結果出力部32を備える。サーチ部31は、周波数積算値メモリ部24から積算値が供給されると、この積算値と、周波数積算値メモリ部14に記憶された積算値とを比較し、積算値が一致するか否かを判断する。
【0039】
サーチ部31は、例えば、周波数積算値メモリ部14及び周波数積算値メモリ部24に記憶された各々の積算値における各周波数の特性が予め設定された所定の割合以上一致するか否かを確認する。そして、確認の結果、周波数の特性が所定の割合以上だけ一致する場合には、各々の積算値が一致したと判断し、「一致」を示すサーチ情報を出力する。また、一致する周波数の特性が所定の割合未満の場合には、各々の積算値が一致しないと判断し、「不一致」を示すサーチ情報を出力する。
【0040】
具体的には、
図10に示すように、周波数積算値メモリ部24から供給されたフォルダ「20111220165720」内の積算値「1」と、周波数積算値メモリ部14に記憶されたフォルダ「AAAA」内の積算値「AAAA−1」とを比較する。積算値の比較の際には、閾値thに基づき抽出された10点の周波数成分のうち、例えば8割以上が一致した場合に、各々の積算値が一致したと判断し、「一致」を示すサーチ情報を結果出力部32に対して出力する。例えば、
図11に示す例では、周波数積算値メモリ部14に記憶された積算値「AAAA−1」と、周波数積算値メモリ部24に記憶された積算値「1」とを比較し、周波数が7.3kHz、4.6kHz、9.3kHz、2.5kHz、8.3kHz、3.9kHz、6.3kHz及び13.7kHzにおける特性(基準値に対する比)が一致し、抽出された周波数成分の8割が一致するため、各々の積算値が一致したと判断する。
【0041】
以下、同様にして、分割順に基づき周波数積算値メモリ部14及び周波数積算値メモリ部24に記憶された各々の積算値を順次比較し、比較結果に応じたサーチ情報を出力する。
【0042】
ここで、比較する積算値のデータ数が一致しない場合には、素材データ長が異なるため、サーチ部31は、比較対象となる素材データが異なるものであると判断し、「対象データなし」を示すサーチ情報を出力する。
【0043】
例えば、
図12に示す例では、フォルダ「20111220165720」内の積算値がn点存在するのに対し、フォルダ「AAAA」内の積算値がn点より多いm点だけ存在する。この場合、フォルダ「AAAA」及びフォルダ「20111220165720」内に記憶されたデータ数が異なり、フォルダ「20111220165720」内のm番目の積算値「AAAA−m」を比較することができない。従って、このような場合、サーチ部31は、「対象データなし」を示すサーチ情報を出力する。
【0044】
結果出力部32は、サーチ部31から供給されたサーチ情報に基づき、各々の素材データの比較結果を示す結果情報を出力する。結果出力部32は、「一致」を示すサーチ情報が所定の割合以上(例えば、8割以上)となった場合に、各々の積算値に対応する素材データが一致したと判断し、結果情報として素材名称を出力する。また、「不一致」及び/又は「対象データなし」を示すサーチ情報が所定の割合未満となった場合には、各々の積算値に対応する素材データが一致しないと判断し、結果情報として「素材なし」を示す情報を出力する。
【0045】
次に、上記構成を有する放送素材確認システム1の動作について、
図13及び
図14を参照して説明する。まず、放送素材確認システム1全体の動作について、
図13を参照して説明する。
【0046】
放送素材確認システム1に対して素材データが入力されると、登録処理部10は、ハイパスフィルタ11において入力された素材データに対してカットオフ周波数fc以下の周波数成分を制限し、トーン付加部12において所定の単一の周波数からなるトーンを付加する。そして、周波数分析部13において、この素材データに対して周波数分析を行う(ステップS1、S2)。
【0047】
周波数分析によって得られた積算値は、音声素材登録部16を介して放送局40に供給される(シーケンスSEQ1)と共に、周波数積算値メモリ部14に記憶する(ステップS3)。
【0048】
放送局40は、登録処理部10から供給された素材データを、予め設定された運行データに従って放送する(シーケンスSEQ2)。
【0049】
受信処理部20は、放送局40によって放送された素材データを放送受信部21で受信し(ステップS5)、受信した素材データからトーンをトーン検出部22によって検出する(ステップS6)と共に、周波数分析部23によって素材データに対して周波数分析を行う(ステップS7)。周波数分析によって得られた積算値は、周波数積算値メモリ部24に記憶され(ステップS8)、比較処理部30のサーチ部31に供給される(シーケンスSEQ3)。
【0050】
比較処理部30は、サーチ部31により、受信処理部20の周波数積算値メモリ部24から供給された積算値と、登録処理部10の周波数積算値メモリ部14に記憶された積算値(シーケンスSEQ4)とに基づき、各々の積算値が一致するか否かの判断を行う比較処理を実行し、各々の積算値の比較結果を示すサーチ情報を出力する(ステップS9)。尚、この比較処理の詳細については、後述する。そして、比較処理部30は、結果出力部32により、サーチ情報に基づき、各々の積算値に対応する素材データが一致するか否かを示す結果情報を出力する。
【0051】
次に、
図13のステップ9におけるサーチ部31による比較処理の詳細について、
図14を参照して説明する。
【0052】
まず、ステップS11において、周波数積算値メモリ部24からサーチ部31に対して供給された所定フォルダ内の積算値と、周波数積算値メモリ部14に記憶された所定フォルダ内の積算値とが比較される。ここでは、最初に、各々のフォルダに記憶された積算値のうち、1番目の積算値同士を比較する。例えば、
図10に示す例では、周波数積算値メモリ部24から供給されたフォルダ「20111220165720」内の積算値「1」と、周波数積算値メモリ部14に記憶されたフォルダ「AAAA」内の積算値「AAAA−1」とが比較される。
【0053】
次に、ステップS11による比較の結果、各々の積算値が一致したか否かが判断される(ステップS12)。具体的には、例えば、閾値thに基づき抽出された複数の周波数成分が比較され、一致する周波数成分における音声レベルの基準値に対する比が一致するか否かを確認する。そして、複数の周波数成分のうち、比が一致する周波数成分が所定の割合以上となった場合に、各々の積算値が一致したと判断され、それ以外の場合には、各々の積算値が一致しないと判断される。
【0054】
例えば、複数の周波数成分のうち、比が一致する周波数成分が8割以上となった場合に、各々の積算値が一致したと判断される。
図11に示す例では、10点の周波数成分のうち、8点の比が一致するため、各々の積算値が一致したと判断される。
【0055】
次に、各々の積算値が一致したと判断された場合(ステップS12;Yes)には、「一致」を示すサーチ情報が出力される(ステップS13)。一方、各々の積算値が一致しないと判断された場合(ステップS12;No)には、「不一致」を示すサーチ情報が出力される(ステップS14)。
【0056】
次に、各々のフォルダ内に、次の比較対象となる積算値が存在するか否かが判断される(ステップS15)。次の積算値が存在する場合(ステップS15;Yes)には、処理がステップS11に戻り、各々のフォルダ内に記憶された次の積算値同士が比較される。次の積算値が存在しない場合(ステップS15;No)には、各々のフォルダ内に記憶された積算値のデータ数が一致するか否かが判断され(ステップS16)、積算値のデータ数が一致する場合(ステップS16;Yes)には、一連の処理が終了する。
【0057】
一方、積算値のデータ数が一致しない場合(ステップS16;No)には、比較対象となる積算値が異なるため、「対象データなし」を示すサーチ情報が出力される(ステップS17)。
【0058】
以上のように、本実施の形態によれば、タイミング制御部で生成されたタイミング信号のタイミングに基づき、入力された素材データに対してトーンを付加すると共に、トーンが付加された素材データに対して周波数分析を行って得られる積算値と、トーンが付加された、放送局から受信した素材データからトーンを検出し、トーンが検出されたタイミングに基づき、放送局から受信した素材データに対して周波数分析を行って得られる積算値とを比較して、各々の積算値に対応する素材データが同一であるか否かを判断する。このとき、入力された素材データと、放送された素材データとが同一であれば、トーンに基づくタイミングが同一となるため、各々の積算値が一致することになる。これにより、素材データが放送されたか否かを確実に検出することが可能になる。