(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記伸縮領域は、少なくとも臀部の頂部と対向する部分及びその周囲部分にわたり設けられており、前記接合部の面積率が、前記周囲部分から前記臀部の頂部と対向する部分に向かって段階的又は連続的に高くなるように構成されている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
前記吸収体は、少なくとも前記臀裂対向部分及びその幅方向両側にわたり設けられるとともに、前記臀裂対向部分に、その幅方向両側よりも目付けが低い低目付部を有している、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
前記吸収体は、前記臀裂対向部分の幅方向中央及び前記臀裂対向部分の両側縁に沿う易折れ部を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の主たる課題は、臀裂に対するフィット性及び臀裂の幅方向両側に隣接する部位に対するフィット性を両立させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前身頃及び後身頃を個別又は一体的に構成する外装体と、前身頃から後身頃にわたるように外装体の内側に設けられた、吸収体とを備え、
前身頃の外装体の両側縁部と後身頃の外装体の両側縁部とが接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記後身頃の外装体における、少なくとも臀裂対向部分及びその幅方向両側に隣接する部分は、幅方向に伸縮可能な伸縮領域とされており、
前記伸縮領域は、第1シート層と、第2シート層との間に弾性フィルムが積層されるとともに、前記弾性フィルムが幅方向に伸長された状態で、前記第1シート層及び第2シート層が、幅方向及び前後方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の接合部で、直接的又は間接的に接合された弾性フィルム伸縮構造とされており、
前記接合部の面積率が、少なくとも前記臀裂対向部分からその幅方向両側に隣接する部分にかけて段階的又は連続的に高くなるように構成されている、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0008】
(作用効果)
本発明のような弾性フィルム伸縮構造では、基本的に、接合部の面積率が高くなるほど第1シート層及び第2シート層が弾性フィルムにより収縮する部分が少なくなり、弾性限界伸びも低下する。よって、接合部の面積率が、少なくとも臀裂対向部分からその幅方向両側に隣接する部分にかけて段階的又は連続的に高くなるように構成されていると、臀裂対向部分ではその両側よりも幅方向に収縮する結果、装着者の臀裂に入り込むように折れ曲がってフィットするとともに、臀裂対向部分の幅方向両側に隣接する部分も幅方向の収縮により良好にフィットする。つまり、本発明によれば、臀裂に対するフィット性及び臀裂の幅方向両側に隣接する部位に対するフィット性を両立することができる。
ここで、「弾性限界伸び」とは、弾性限界(換言すれば第1シート層及び第2シート層が完全に展開した状態)における伸びを意味し、弾性限界時の長さを自然長を100%としたときの百分率で表すものであり、「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば伸縮領域)における対象部分(例えば接合部)の総面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものであり、特に「接合部の面積率」とは、伸縮方向に弾性限界まで伸ばした状態の面積率を意味するものである。
【0009】
<請求項2記載の発明>
前記伸縮領域は、少なくとも臀部の頂部と対向する部分及びその周囲部分にわたり設けられており、前記接合部の面積率が、前記周囲部分から前記臀部の頂部と対向する部分に向かって段階的又は連続的に高くなるように構成されている、請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0010】
(作用効果)
これにより、臀部の膨らみ全体を包むような良好なフィット性が得られる。
【0011】
<請求項3記載の発明>
前記吸収体は、少なくとも前記臀裂対向部分及びその幅方向両側にわたり設けられるとともに、前記臀裂対向部分に、その幅方向両側よりも目付けが低い低目付部を有している、請求項1又は2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
このような臀裂対向部分に吸収体の低目付部を形成することにより、臀裂対向部分が相対的に低剛性となる結果、臀裂対向部分が幅方向の収縮により臀裂に入り込むような形状に折れ曲がりやすくなる。
【0013】
<請求項4記載の発明>
前記吸収体は、前記臀裂対向部分の幅方向中央及び前記臀裂対向部分の両側縁に沿う易折れ部を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
吸収体にこのような易折れ部を設けることにより、臀裂対向部分が幅方向に収縮する際、内側から見て臀裂対向部分の幅方向中央が山折り、臀裂対向部分の幅方向両側縁が谷折りとなり、臀裂に対して良好にフィットする形状となる。
【0015】
<請求項5記載の発明>
個々の前記接合部の面積は0.14〜3.5mm
2であり、
前記接合部の面積率は、前記臀裂対向部分では1.8〜19.1%であり、そこから少なくとも臀裂対向部分の幅方向両側に隣接する部分にかけて段階的又は連続的に、5〜25%まで高くなるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0016】
(作用効果)
各部における点状接合部の面積及び点状接合部の面積率は適宜定めれば良いが、通常の場合、上記範囲内とすることが望ましい。
【0017】
<請求項6記載の発明>
弾性限界伸びは、前記臀裂対向部分では200%以上であり、そこから少なくとも臀裂対向部分の幅方向両側に隣接する部分にかけて段階的又は連続的に、130%〜200%まで高くなるように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
【0018】
(作用効果)
各部における弾性限界伸びは適宜定めれば良いが、通常の場合、上記範囲内とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、臀裂に対するフィット性及び臀裂の幅方向両側に隣接する部位に対するフィット性を両立する、等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤等の接合手段を示している。
図1〜
図7はパンツタイプ使い捨ておむつを示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bを構成する一体的な外装体20と、この外装体20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合(
図7の模様部分10B)された後に、内装体10及び外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である前後方向(縦方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
【0022】
(内装体の構造例)
内装体10は、
図4〜
図6に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図示形態のように略長方形とすることが一般的である。
【0023】
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
【0024】
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
【0025】
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。
吸収体13の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分13Nを有する略砂時計状に形成されているが、長方形状等、適宜の任意形状とすることができる。括れ部分13Nの寸法は適宜定めることができるが、括れ部分13Nの前後方向長さはおむつ全長の20〜50%程度とすることができ、その最も狭い部分の幅は吸収体13の全幅の40〜60%程度とすることができる。このような括れ部分13Nを有する場合において、内装体10の平面形状が略長方形とされていると、内装体10における吸収体13の括れ部分13Nと対応する部分に、吸収体13を有しない余り部分が形成される。
【0026】
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されている。この立体ギャザーBSは、
図5及び
図6に示されるように、内装体の裏面の側部に固定された固定部と、この固定部から内装体の側方を経て内装体の表面の側部まで延在する本体部と、本体部の前後端部が倒伏状態で内装体の表面の側部に固定されて形成された倒伏部分と、この倒伏部分間が非固定とされて形成された自由部分とが、折返しによって二重シートとしたギャザー不織布15により形成されている。
【0027】
また、二重シート間には、自由部分の先端部等に細長状ギャザー弾性部材16が配設されている。ギャザー弾性部材16は、製品状態において
図5に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により自由部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
【0028】
液不透過性裏面側シート12は、液透過性表面シート11とともに吸収体13の幅方向両側で裏側に折り返されている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
【0029】
ギャザー弾性部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、ギャザー弾性部材16としては、図示形態のような糸状の他、ある程度の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。
【0030】
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
【0031】
(外装体の構造例)
図示形態の外装体20は、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成しており、前身頃Fと後身頃Bとが接合されたサイドシール部21の縦方向範囲として定まる胴周り領域Tと、脚開口を形成する部分の前後方向範囲として定まる中間領域Lとを有しており、中間領域Lは内装体10の幅方向両側に位置するカバー領域を有している。外装体20の平面形状は、前後方向中間に、凹状の脚周りライン29を形成する括れ部を有している。外装体20は、前後に二分割して前身頃F及び後身頃Bを個別に構成し、両者が股間部で前後方向に離間するように配置しても良い。
【0032】
また、外装体20には、
図4にも示されるように、第1シート層20A及び第2シート層20Bの間に、弾性フィルム30及び幅方向に沿う細長状弾性部材24が配設され、幅方向の伸縮性が付与されている。
【0033】
より詳細に説明すると、外装体20のウエスト部23にはウエスト部弾性部材24が設けられている。このウエスト部弾性部材24は、縦方向に間隔をおいて配置された複数の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、身体の胴周りを締め付けるように伸縮力を与えるものである。ウエスト部弾性部材24は、間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜8mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。ウエスト部弾性部材24の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の成人用の場合230〜320%程度とすることができる。
【0034】
ウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いても良く、またこれに代えて、後述の弾性フィルムをウエスト部23まで延在させてもよい。図示形態のウエスト部弾性部材24は、第2シート層20Bの構成材をウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cに挟持されているが、第1シート層20Aの構成材と第2シート層20Bの構成材との間に挟持しても良い。
【0035】
第1シート層20A及び第2シート層20Bの構成材は、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、通気性及び柔軟性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは12〜20g/m
2程度とするのが好ましい。また、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、一枚の資材を折り返して対向させた一対の層であっても良い。
【0036】
一方、
図2に示すように、前身頃F及び後身頃Bの胴周り領域T及びそれらの間の中間領域Lにわたる伸縮領域20Xは、
図3に示すように、第1シート層20Aと、第2シート層20Bとの間に弾性フィルム30が積層されてなるとともに、弾性フィルム30が幅方向に伸長された状態で、第1シート層20A及び第2シート層20Bが、伸縮方向及びこれと直交する方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の接合部40で、弾性フィルム30に形成された貫通孔31を通じて接合されている。また、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、少なくとも接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では弾性フィルム30と接合されていない。その結果、
図3(d)に示すように、弾性フィルム30の自然長状態では、接合部40間の第1シート層20A及び第2シート層20Bが互いに離間する方向に膨らんで、伸縮方向と交差する方向に延びる収縮皺25が形成され、
図3(c)に示すように、幅方向にある程度伸長した装着状態でも、収縮皺25は伸ばされるものの、残るようになっている。また、装着状態を想定した
図3(c)及び第1シート層20A及び第2シート層20Bの完全展開状態を想定した
図3(a)(b)からも分かるように、これらの状態では、弾性フィルム30における貫通孔31と、接合部40との間に隙間が形成され、弾性フィルム30の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この隙間により通気性が付加される。このような伸長状態及び自然長状態の外観は
図14のサンプル写真にも現れている。
【0037】
弾性フィルム30は特に限定されるものではなく、それ自体弾性を有するものであれば特に限定なく用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーの1種又は2種以上のブレンド物を、Tダイ法やインフレーション法などの押出成形によりフィルム状に加工したものを用いることができる。また、弾性フィルム30としては、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、伸縮方向における引張強度が8〜25N/35mm、伸縮方向と直交する方向における引張強度が5〜20N/35mm、伸縮方向における引張伸度が450〜1050%、及び伸縮方向と直交する方向における引張伸度が450〜1400%の弾性フィルム30であると好ましい。なお、引張強度及び引張伸度(破断伸び)は、引張試験機(例えばSHIMADZU社製のAOUTGRAPHAGS−G100N)を用い、試験片を幅35mm×長さ80mmの長方形状とした以外は、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。弾性フィルム30の厚みは特に限定されないが、20〜40μm程度であるのが好ましい。また、弾性フィルム30の目付は特に限定されないが、30〜45g/m
2程度であるのが好ましく、特に30〜35g/m
2程度であるのが好ましい。
【0038】
特徴的には、
図2に示すように、伸縮領域20Xにおける接合部40の面積率が、少なくとも臀裂対向部分81からその幅方向両側に隣接する部分82にかけて段階的に高くなるように構成されている。この接合部40の面積率の変化は図中では点模様の密度の変化により表されている。本形態のような弾性フィルム伸縮構造では、基本的に、接合部40の面積率が高くなるほど第1シート層20A及び第2シート層20Bが弾性フィルム30により収縮する部分が少なくなり、弾性限界伸びも低下する。よって、接合部40の面積率が、少なくとも臀裂対向部分81からその幅方向両側に隣接する部分82にかけて段階的又は連続的に高くなるように構成されていると、臀裂対向部分81ではその両側よりも幅方向に収縮する結果、
図12及び
図13に示す形態に二点鎖線で示すように、装着者の臀裂に入り込むように折れ曲がってフィットするとともに、臀裂対向部分81の幅方向両側に隣接する部分82も幅方向の収縮により良好にフィットする。つまり、本発明によれば、臀裂に対するフィット性及び臀裂の幅方向両側に隣接する部位に対するフィット性を両立することができる。
【0039】
伸縮領域20Xにおける接合部40の面積率は、少なくとも臀裂対向部分81における前後方向の一部又は全部からその幅方向両側に隣接する部分82にかけて段階的に高くなる限り、
図11に示すように、臀部の頂部と対向する部分83に向かってその周囲部分80,81,82から、段階的又は連続的に高くなるように構成することもできる。この場合、臀部の膨らみ全体を包むような良好なフィット性が得られるようになる。
【0040】
臀裂対向部分81のフィット性を向上させるために、
図12に示すように、吸収体13における臀裂対向部分81に、その幅方向両側よりも目付けが低い低目付部13aを形成するのも好ましい形態である。これにより、臀裂対向部分81において吸収体13の繊維量が相対的に低減し、相対的に低剛性となる結果、図中に変化後の吸収体13の形状を示すように、臀裂対向部分81が幅方向の収縮により臀裂に入り込むような形状に折れ曲がりやすくなる。低目付部13aにおける目付けは適宜定めれば良いが、通常の場合80〜120g/m
2程度とすることが望ましい。
【0041】
また、
図13に示すように、吸収体13における臀裂対向部分81の幅方向中央及び臀裂対向部分81の両側縁に沿って易折れ部13bを形成するのも好ましい形態である。吸収体13にこのような易折れ部13bを設けることにより、図中に変化後の吸収体13の形状を示すように、臀裂対向部分81が幅方向に収縮する際、内側から見て臀裂対向部分81の幅方向中央が山折り、臀裂対向部分81の幅方向両側縁が谷折りとなり、臀裂に対して良好にフィットする形状となる。易折れ部13bは、図示形態のようなエンボス加工による凹部の他、低目付化による凹部、スリット等でも良い。易折れ部13bを形成するための凹部は吸収体13の表側に形成されていても、裏側に形成されていても良いが、臀裂対向部分81の幅方向中央では裏側に、また臀裂対向部分81の両側縁では表側に形成されていると、より好ましい。
【0042】
図示形態のように、臀裂対向部分81における接合部40の面積率を一様とし、そこから接合部40の面積率を段階的に変化させる場合、臀裂対向部分81における面積率が同一の領域(図中の同一模様の領域)の形状は適宜定めれば良く、前後方向に延びる長方形状としたり、後側に向かうにつれて幅が広がる形状(例えば、底辺が前側に位置する二等辺三角形状や、その二等辺が曲線のラッパ状)としたりすることができる。特に、この臀裂対向部分81における面積率が同一の領域の形状は、
図2に示すように、臀裂対向分81の前端部から前後方向中間までは後側に向かうにつれて幅が拡大し、それよりも更に後側では後側に向かうにつれて幅が縮小する形状とされていると、特に臀裂に対して好適にフィットするようになるため好ましい。また、この場合、臀裂対向部分81における面積率が同一(弾性限界伸びが同一)の領域の形状は適宜定めることができるが、幅は吸収体13よりも狭く、例えば40〜90mmの範囲内とするのが望ましく、前後方向長さは吸収体13の前後方向長さの1/5〜1/2程度とするのが望ましい。また、その領域の前端は前後方向中央又はその近傍に位置しているのが好ましい。
【0043】
接合部40の面積率は、
図2に示す形態のように、接合部40の面積率を二段階で変化させるだけでも十分なフィット性向上を図ることができるが、
図11に示す形態のように三段以上とすることもでき、また、本形態のような弾性フィルム30伸縮構造であれば接合部40のパターンだけで面積率、つまり収縮量(弾性限界伸び)を変化させることができるため、実質的に連続的に変化させることもできる。
【0044】
接合部40の面積率を変化させるには、
図10(a)に示すように単位面積当たりの接合部40の数を変えたり、
図10(b)に示すように個々の接合部40の面積を変えたりすればよい。前者の場合、個々の接合部40の面積を同じとすることも、異なるものとすることもでき、後者の場合、単位面積当たりの接合部40の数を同じとすることも、異なるものとすることもできる。なお、
図9(a)には接合部40の面積率を三段階で変化させる場合のパターン例が示されており、
図9(b)には接合部40の面積率を二段階で変化させる場合のパターン例が示されている。
【0045】
また、各部における接合部40の面積率は適宜定めることができるが、通常の場合、臀裂対向部分81では1.8〜19.1%(特に1.8〜10.6%)とし、そこから少なくとも臀裂対向部分81の幅方向両側に隣接する部分82にかけて段階的又は連続的に5〜25%(8〜15%)まで高くするのが好ましい。
【0046】
また、各部における弾性限界伸びは適宜定めることができるが、通常の場合、臀裂対向部分81では200%以上(特に265〜295%)とし、そこから少なくとも臀裂対向部分81の幅方向両側に隣接する部分82にかけて段階的又は連続的に、130%〜200%(特に150〜180%)まで高くするのが好ましい。
【0047】
個々の接合部40及び貫通孔31の自然長状態での形状は、真円形、楕円形、長方形等の多角形(線状や角丸のものを含む)、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。
【0048】
個々の接合部40の大きさは、適宜定めれば良いが、大きすぎると接合部40の硬さが感触に及ぼす影響が大きくなり、小さすぎると接合面積が少なく資材同士が十分に接着できなくなるため、通常の場合、個々の接合部40の面積は0.14〜3.5mm
2(特に0.25〜1.0mm
2)程度とすることが好ましい。個々の貫通孔31の開口の面積は、貫通孔31を介して接合部が形成されるため接合部以上であれば良いが、接合部40の面積の1〜1.5倍程度とすることが好ましい。なお、貫通孔31の開口の面積は、当該伸縮構造20Xが自然長の状態における値を意味し、貫通孔31の開口の面積が、弾性フィルム30の表と裏で異なる等、厚み方向に均一でない場合には最小値を意味する。
【0049】
接合部40及び貫通孔31の平面配列は適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、
図15(a)に示すような斜方格子状や、
図15(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、
図15(c)に示すような正方格子状、
図15(d)に示すような矩形格子状、
図15(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、接合部40の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。接合部40及び貫通孔31の配列形態は、面積率の異なる複数の領域において同じものとする他、異なるものとすることもできる。
【0050】
接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合手段は特に限定されない。例えば、接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合はホットメルト接着剤によりなされていても、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着による接合手段によりなされていても良い。素材溶着による接合手段を用いる場合、特許文献1記載のように、弾性フィルムの貫通孔を押し出しにより形成し、その貫通孔の位置で第1シート層20A及び第2シート層20Bを直接に溶着により接合することもできるが、剥離強度が低く、強い力が加わると剥がれるおそれがある。また、特許文献1記載のものは、弾性フィルムの貫通孔を押し出しにより形成するため、
図8(b)に示すように、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性フィルム30が残らず、貫通孔31の周囲に図示しない押し出し破片が移動可能に残るおそれもある。また、特許文献1記載のものと異なり、
図8(c)に示すように、弾性フィルム30に貫通孔を形成せずに、弾性フィルム30を介して第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合することも考えられるが、その場合はさらに剥離強度が低いものとなるだけでなく、貫通孔31を有しないため通気性が極めて低いという問題点もある。
【0051】
よって、素材溶着による接合手段を用いる場合には、
図8(a)に示すように、接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合が、少なくとも、第1シート層20A及び第2シート層20Bにわたる弾性フィルム30の溶融固化物30mによりなされている形態が好ましい。このように弾性フィルム30の溶融固化物30mを接着剤として第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合すると、剥離強度が高いものとなり、高い通気性と高い剥離強度とを両立できるようになる。
【0052】
このような接合構造は、例えば
図18及び
図19に示すように、第1シート層20Aと第2シート層20Bとの間に、弾性フィルム30を伸縮方向と直交する方向にほぼ均等な伸長率で伸縮方向に伸長しつつ挟んだ状態で、所定の接合部40のパターンで溶着することにより、多数箇所で弾性フィルム30を溶融して貫通孔31を形成すると同時に、その貫通孔31の位置で少なくとも弾性フィルム30の溶融物の固化により第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する手法を用いて簡素かつ効率的に製造することができる。この手法により製造される弾性フィルム伸縮構造では、自然長状態では、個々の接合部40の形状・面積と個々の貫通孔31の形状・面積とがほぼ等しくなる。
【0053】
なお、
図18に示される製造ラインは、おむつ幅方向がMD方向(マシンディレクション、ライン流れ方向)となる横流れ形態となっており、ここで外装体20が形成され、別のラインで製造された内装体10が外装体20に取り付けられた後、前後方向中央で折り畳んで前後の外装体20の両側部が接合されるとともに、個々のおむつDPに分割されるものである。なお、説明を分かりやすくするために、製造過程で連続している部材についても、製造後の部材と同じ名称及び符号を用いている。
【0054】
より詳細に説明すると、この製造ラインは、外装体組立工程301、内装体取付工程302、脚開口打ち抜き工程303、折り畳み工程304、側部接合・切り離し工程305を有している。すなわち、外装体組立工程301では、
図19に拡大して示すように、所定の幅で帯状に連続する第1シート層20A及び第2シート層20Bがその連続方向に沿って貼り合わされるようにシール装置60,61に供給されるとともに、所定の幅で帯状に連続する弾性フィルム30がシール装置60,61よりも遅い送り速度のニップロール90を経て、その速度差によりMD方向に伸長された状態で第1シート層20A及び第2シート層20B間に挟むようにしてシール装置60,61に供給される。図示形態では、第1シート層20Aを前後別々に供給するために一枚のシート材をスリッター62により二分割しているが、前後別々のシート材を供給しても良く、また第1シート層20Aを前後別々とせず、第2シート層20Bと同様に前後一体的なシート材を供給しても良い。同様に、図示形態では、弾性フィルム30を前後別々に供給するために一枚の弾性フィルム30をスリッター62により二分割しているが、前後別々の弾性フィルム30を供給しても良く、また弾性フィルム30を前後別々とせず、前後一体的な弾性フィルム30を供給しても良い。
【0055】
シール装置60,61では、前述の接合部40のパターンに配列された多数の加圧凸部60pを外周面に備えたシールロール60と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール61とにより、第1シート層20A、MD方向に伸長した弾性フィルム30、及び第2シート層20Bを挟み、加圧凸部60pを加熱することにより、加圧凸部60pとアンビルロール61の外周面との間で厚み方向に加圧される部位のみ、弾性フィルム30を溶融して貫通孔31を形成するとともに、その貫通孔31の位置で第1シート層20A及び第2シート層20Bを溶着により接合するものである。図示形態のシール装置60,61はヒートシール装置を想定したものであるが、超音波シール等の他の装置を用いることもできる。
【0056】
シール装置60,61で形成された外装体20に対して、内装体取付工程302で、別ラインで製造される内装体10がMD方向に所定の間隔を空けて供給され、ホットメルト接着剤やヒートシール等の適宜手段により外装体20に対して接合されることにより、内装組み付け体10,20が形成される。次いで、脚開口打ち抜き工程303ではカッター装置63により脚開口が順に形成された後、折り畳み工程304において内装組み付け体10,20がCD方向(MD方向と直交する横方向)中央で折り畳まれた後、側部接合・切り離し工程305において、個々のおむつDPの両側部となる部分で前身頃Fの外装体20及び後身頃Bの外装体20が接合されてサイドシール部21が形成されるとともに、個々のおむつの境界で外装体20が切断されて、個々のおむつDPが得られる。
【0057】
弾性フィルム30の融点、並びに第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点、溶着箇所における加工温度の高低の関係は適宜定めることができるが、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点が弾性フィルム30の融点以下とされ、溶着箇所において第1シート層20A及び第2シート層20Bの全体及び弾性フィルム30の全体が溶融・混合し、接合部40が形成されるよりも、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点が弾性フィルム30の融点よりも高く、溶着箇所で弾性フィルム30が溶融するとともに、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部又は全部が溶融しない方が好ましい。すなわち、後者の場合、
図16及び
図17からも分かるように、接合部40の周囲から連続する第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維20fが残っており、第1シート層20A及び第2シート層20Bにわたり浸透し固化した弾性フィルム30の溶融固化物30mにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合された構造となり、第1シート層20A及び第2シート層20Bに対する弾性フィルム30の溶融固化物30mの食い付きが良好となるだけでなく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの強度が低下しにくくなるため、より一層剥離強度に優れたものとなる。なお、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部が溶融しないことには、接合部40の全繊維について芯(複合繊維における芯だけでなく単成分繊維の中心部分を含む)は残るがその周囲部分(複合繊維における鞘だけでなく単成分繊維の表層側の部分を含む)は溶融する形態や、一部の繊維は全く溶融しないが、残りの繊維は全部が溶融する又は芯は残るがその周囲部分は溶融する形態を含む。
【0058】
このような観点から、弾性フィルム30の融点は80〜145℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点は85〜190℃程度、特に150〜190℃程度のものが好ましく、また、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点と弾性フィルム30の融点との差は60〜80℃程度であるのが好ましい。
【0059】
図示例は、外装体20のウエスト部以外の伸縮領域20Xに弾性フィルム30を介在させた例であるが、ウエスト部23まで弾性フィルム30を介在させて細長状弾性部材を省略することもできる。また、少なくとも臀裂対向部分81及びその幅方向両側に隣接する部分82に弾性フィルム30による伸縮領域20Xが設けられる限り、他の部分には弾性フィルム30を設けずに、糸ゴム等の細長状弾性部材により伸縮性を付加したりすることもできる。
図2等に示す形態では、弾性フィルム30による伸縮領域20Xは前身頃Fと後身頃Bとで分離されているが、
図11に示す形態のように前身頃Fから股間部を通り後身頃Bまで連続させることもできる。
【0060】
また、パンツタイプ使い捨ておむつにおける吸収体13と重なる領域は、製造上の理由により弾性フィルム30を配置させることが望ましいものの伸縮が不要な領域である。よって、
図2に示すように、少なくとも臀裂対向部分81及びその幅方向両側に隣接する部分82に伸縮領域20Xが形成される限り、他の部分では、外装体20の伸縮領域20Xにおける吸収体13と重なる部分における接合部の面積率を高くし、弾性限界伸びが130%以下の非伸縮領域としたり、弾性部材を設けずに非伸縮領域としたりすることもできる。
【0061】
(前後押さえシート)
図1及び
図4にも示されるように、外装体20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押さえシート50,60が設けられていても良い。図示形態について更に詳細に説明すると、前押さえシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押さえシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押さえシート50,60の股間側の縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤がはみ出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
【0062】
図示形態のように、前後押さえシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装体20をおむつ内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、内装体10と重なる部分まで延在させて、前述の押さえシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
【0063】
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm
2、及び加圧面積:2cm
2の条件下で自動測定する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
【解決手段】上記課題は、後身頃Bの外装体20における、少なくとも臀裂対向部分81及びその幅方向両側に隣接する部分82は、幅方向に伸縮可能な伸縮領域20Xとされており、伸縮領域20Xは、第1シート層20Aと、第2シート層20Bとの間に弾性フィルム30が積層されるとともに、弾性フィルム30が幅方向に伸長された状態で、第1シート層20A及び第2シート層20Bが、幅方向及び前後方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の接合部40で、直接的又は間接的に接合された弾性フィルム30伸縮構造とされており、接合部40の面積率が、少なくとも臀裂対向部分81からその幅方向両側に隣接する部分82にかけて段階的又は連続的に高くなるように構成されている、ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつにより解決される。