(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
運搬装置の最も多様な実施形態は先行技術から公知である。本場合において、運搬装置は、可動トラックを案内軌道に沿って移動可能な種類の実施形態に関する。このため、案内軌道は、原則として直線または湾曲形状のレールからなり、その上に可動トラックが回転および/または摺動のために取り付けられる。一般に公知の例示的な実施形態は、可動体がプロファイルレール上に配置され、可動体から荷物が懸吊されるオーバーヘッドコンベアである。したがって、簡単な手法で荷物を案内軌道に沿って搬送することが可能である。
【0003】
複数の荷物を同時に移動できるように、互いに結合できる可動トラックを使用することは公知である。したがって、1つの可動トラックを駆動すると、いくつかの可動トラックを共に搬送することが可能である。この種類の運搬装置の例が、独国特許出願公開第19917806A1号明細書の文書に示されている。ここに記載されている事例は、キャリアトラックが主レール上を移動可能となるように配置されるオーバーヘッド搬送装置の態様の運搬装置である。このため、各キャリアトラックが連結支柱を有し、その2つの端部のそれぞれに一対のローラに取り付けられている。このローラはさらには対応する主レールを囲んでいる。したがって、キャリアトラックは主レールに沿って自由に移動可能である。先行技術においては、そのようなオーバーヘッドコンベアの場合における連結支柱は主レールの下に並列に置かれて位置している。運搬されるべき荷物を、その後、連結レール上に適切な手法で取り付けることができる。複数のキャリアトラックを結合するため、フック形の結合要素を備えた結合デバイスが各キャリアトラックの両端にあり、対応する手法で第1のキャリアトラックのフックを第2のキャリアトラックのフックと係合することが可能である。その結果、第1のキャリアトラックが引っ張られると、すべての結合されたキャリアトラックが引っ張られる。
【0004】
前記解決策の特定の利点は、個々のキャリアトラックを互いに結合することができるとともに、柔軟かつ簡単な手法で互いから分離できることである。この目的のため、下方向に引っ張る荷重に反する垂直上方の動きによって、単に、結合デバイスをキャリアトラックから取り外すか、キャリアトラックに相互に引っかける必要がある。
【0005】
しかしながら、一方で、上述した解決策の問題は、前方における搬送トラックの同時搬送のための剪断力を搬送トラック上に無制限に作用させることができないことである。この理由は、一方では、フック形の結合デバイスによる非対称な結合にある。これにより個々のキャリアトラック上に剪断力を不規則に導入することとなる。その一方で、主レールから空間をあけた結合位置は不利になる。結果として、これにより、特に主レールの湾曲部のコースにある間、個々のキャリアトラックが個々のキャリアトラックの垂直方向の吊下位置から抜け出る可能性につながる。この点において、示した実施形態は、引っ張る手法で搬送するには有利であり、押す手法で搬送するには劣る。加えて、上述した実施形態においては、個々の搬送トラックの自動駆動が辛うじて可能であることを考慮しなければならない。この理由は、特に、自動駆動部の適切な適用箇所がないためである。最も良くて、引っ張る動きをフォーク状の駆動部により最前のキャリアトラックに作用させるために、垂直支柱を連結支柱とローラとの間の連結に利用することが考えられる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、先行技術から公知の解決策とは異なり、案内軌道の発展部についてより高い柔軟性が得られ、このため、同時に、個々の可動トラックまたは可動トラック群を自動的に駆動する手法で運搬することができる運搬装置を提供することである。
【0007】
本目的は請求項1に記載の本発明による一実施形態により達成される。
【0008】
本発明の有利な実施形態は従属請求項の対象である。
【0009】
一般的な運搬装置は、特に、ペレット状の製品、特に、医薬品を搬送する機能を果たす。この点について、ペレット状の製品はバルク製品のみに限定されず、様々な種類のものとすることができる。この点において、前記製品が対応する容器内において運搬される場合は液体製品の搬送も可能である。この点において、この運搬装置は、製品を分離可能な手法で搬送することができる限りはあらゆる種類の製品の搬送に関連する。
【0010】
このため、一般的な運搬装置は、案内軌道と、案内軌道上に配置される可動トラック装置とを有する。加えて、この運搬装置は、可動トラック装置が駆動可能であることを特徴とする。このため、駆動部がどの種類であるかは当初重要でない。少なくとも可動トラック装置は、運搬されるべき製品またはこのために使用される製品キャリアを勘案することがないものとして駆動できることになっている。特に、これは手動駆動を意味するものではなく、むしろ自動的または電気的駆動の使用を意味するものである。これは、可動トラック装置を駆動部によって推進させることができることを意味する。
【0011】
可動トラック装置は、このため、少なくとも2つの可動トラック要素を含み、各可動トラック要素はさらには連結支柱を有し、その第1の端部には少なくとも1つの可動体が配置されている。このため、可動体は摺動または回転状態で案内軌道内を移動することができる。この点において、可動トラック装置は可動体により案内軌道上を案内される。このため、一般的な運搬装置の基本的な特徴は、少なくとも2つの可動トラック要素が1つの可動トラック装置を形成していることであり、1つの可動トラック装置を別の可動トラック装置の存在に関係なく案内軌道内において移動させることが可能となっている。すなわち、運搬装置の前記実施形態は連続的な運搬系統を使用するものとは本質的に区別されるべきである。
【0012】
ここで、本発明による実施形態は、可動体が第1の関節要素を有し、連結支柱の第2の要素が第2の関節要素を有することを特徴とする。このため、第1の可動トラック要素の第1の関節要素と第2の可動トラック要素の第2の関節要素とを関節式の手法で互いに連結可能になっている。この点において、可動トラック装置は、第1の関節要素と第2の関節要素とを互いに結合することにより互いに連結される少なくとも2つの可動トラック要素を有する。
【0013】
関節式連結部を設計する際、可動トラック装置の各可動トラック要素は、可動トラック装置の最後の可動トラック要素を無視すると、いずれの場合においても1つの可動体のみを必要とするという趣旨で個々の可動トラック要素の位置の安定化が実施されることに特に留意する必要がある。この点において、第1の端部における可動トラック要素の位置は可動トラック要素の可動体により決定され、第2の端部における位置は関節式連結部を介した結合による後続可動トラック要素の可動体の位置により決定される。すなわち、各可動トラック要素はその回転において1つの可動体のみを有していればよい。案内軌道に対する個々の可動トラック要素の位置はしたがって2つの可動体(各々の可動トラック要素の可動体および後続可動トラック要素の可動体)と連結支柱の拡張とにより決定される。この点において、各可動トラック要素の安定位置が提供され、連結支柱を有利な手法で案内軌道と並列に揃えることが可能となっている。
【0014】
好適な実施形態では、運搬装置は、2重連結支柱を有する少なくとも1つの2重可動トラック要素を有する。2重連結支柱の2つの端部には少なくとも1つの可動体が配置されている。可能な限り最短の可動トラック装置について考えると、これは結果として前述のような1つのみの通常可動トラック要素と、1つのみの2重可動トラック要素とを有する。他の通常可動トラック要素に対応する2重可動トラック要素の場合、また、少なくとも1つの可動体に、他の通常可動トラック要素の第2の関節要素に関節式の手法で連結可能な第1の関節要素が設けられる。
【0015】
可動トラック装置の拡張可能な長さのため、すべての関連する可動トラック要素の安定位置を確保するために有利な解決策が必要である。前記解決策は、通常可動トラック要素が可動トラック装置の第1の端部に配置され、同時に、その単一の可動体が可動トラック装置の端部にある端部に位置する2つの可動トラック要素に関して、特に有利な手法で実現される。両側に可動体が設けられた2重可動トラック要素は、対照的に、可動トラック装置の他端に配置されている。結果として、これにより1つの可動体がいずれの場合においても可動トラック装置の両端に配置されることが確実となる。同時に、達成されるのは、間隔をおいて配置された2つの可動体によって各可動トラック要素を案内軌道上に取り付けることである。このため、通常可動トラック要素は1つの可動体のみを有し、第2の端部にある2重可動トラック要素のみが2つの可動体を有する。
【0016】
2重可動トラック要素の両可動体がいずれの場合においても両側に第1の関節要素を有していると特に有利である。したがって、2重可動トラック要素を可動トラック装置内において使用することが可能である。通常可動トラック要素は両側において逆方向に連結することができる。また、結果として、可動体がいずれの場合においても可動トラック装置の両端に配置されることが確実となる。
【0017】
このため、2重可動トラック要素を対称な手法で実現すると特に有利であり、特に、2つの同一可動体が2重連結支柱の両側に配置されているため、結果として、製造コストを抑制することができる。
【0018】
加えて、連結可動トラック要素を設けると有利である。この場合、連結可動トラック要素はいずれの場合においても連結支柱の両側に第2の関節要素を有している。したがって、2つの通常可動トラック要素または2重可動トラック要素を各々の可動体により第1の関節要素に結合することが可能である。したがって、特に、動作中における可動トラック装置の構成の変更について多大な柔軟性が得られる。
【0019】
この点において、本発明に記載の第2の実施形態では、運搬装置は、2つの2重可動トラック要素と、介在する連結可動トラック要素とから形成される少なくとも1つの可動トラック装置によって形成される。各2重可動トラック要素および連結可動トラック要素の数を増加することによって、可動トラック装置の長さを選択的な手法で拡張することができる。この点において、上述した実施形態について述べること以外にさらなる説明は必要ない。
【0020】
本発明において請求される実施形態とすべく上述した変形形態のどれを選択するかに関係なく、可動トラック装置は、存在する連結支柱以上の、全般的に、少なくとも1つの、特に、丁度1つの可動体を有する。この理由は、可動トラック装置の2つの端部は可動体により特徴付けられるためである。このため、可動体は強制的に可動トラック装置の幾何学的端部とされるわけではない。可動トラック要素の実施形態によっては、それらが、いずれの場合においても1つの可動体を備えた通常可動トラック要素であっても、2重可動トラック要素であっても、また、例えば、可動トラック装置の端部において可動体を越える連結要素の一部分を有することを許容できるとともに可能である。ここで関係する点は、可動トラック装置の端部において可動体のみが案内軌道に当接し、可動トラック要素の他の構成部品は当接しないことである。
【0021】
案内軌道に対して画定された可動トラック要素の位置を得るため、可動体が、周囲に配置された、少なくとも3つ、特に4つの回転自在に取り付けられたローラを有すると特に有利である。ローラを使用すると案内軌道に沿った回転動作が実現される。これにより結果として案内軌道に沿った可動トラック装置の低摩耗および低エネルギ動作が可能になる。3つ、特に4つのローラの使用は、このため、可動体の位置決めおよび結果として案内軌道の3次元の発展部に関係なく案内軌道に対する可動トラック要素の半径方向の位置決めを確実にする。
【0022】
このため、ローラの少なくとも1つが可動体に弾性的に取り付けられていると特に有利である。特に、4つのローラが使用される場合、2つのローラを弾性的に取り付けると有利である。これは、案内軌道の軸線に対する半径方向の柔軟性を考慮するものである。結果として、すべてのローラが遊びのない手法で案内軌道内に嵌合することを確実とすることができ、存在するいかなる公差も補償することが可能となっている。加えて、可動体と案内軌道との間の未制御のがたつきが弾性軸受装置により防止される。
【0023】
案内軌道を実現するため、軌道の発展部によっては前記案内軌道をいくつかの区分から組み立てると特に有利である。したがって、例えば、水平方向に位置合わせされた軌道発展部ならびに垂直方向に位置合わせされた軌道発展部のために標準化した軌道湾曲部を種々の角度で提供することが可能である。
【0024】
案内軌道区分を連結するため、別個の区分連結部を使用するとまた特に有利である。このため、区分連結具半片が区分の両端に取り付けられる。これらは好ましくは同一の手法で実現される。このため、区分の接合は区分連結具半片を連結することによって実施される。
【0025】
加えて、区分の一端において区分連結具半片が軌道区分を越えて突出し、他端において軌道区分が区分連結具半片を越えて突出するような手法で区分連結具半片が取り付けられると有利である。したがって、この点において、2つの連結軌道区分を囲む突出した区分連結具半片内に押し込まれている突出した軌道区分により、軌道区分間における面一での遷移が確実となる。
【0026】
本発明により提供される個々の可動トラック装置または少なくとも1つの可動トラック装置の使用においては、さらに軌道の発展部にポイントを設けることが可能となる。したがって、案内軌道の発展部に分岐を設けることができ、必要に応じて可動トラックを種々の軌道分岐の種々の位置に誘導することができる。可動トラック装置を含む軌道部分の反転を実施することも可能であろうが、軌道発展部におけるポイントを、レールのポイントまたは交換可能なポイント区分と類似の手法で使用すると有利である。したがって、軌道発展部において可動トラック装置を特定の軌道分岐に割り当てることにより操舵するため、ポイントの位置のみを変える必要がある。可動トラック装置は、このため、1つ前の軌道領域からポイントを通り次の軌道領域まで流れるようにポイントを通過する。
【0027】
案内軌道の開発には最も多様な可能性があるが、案内軌道がほぼ全長にわたり溝付きの案内レールの形態で実現されると特に有利である。このため、可動トラック装置の可動体は実質的に案内軌道内に配置されている。このため、案内軌道が断面において円形形状であるか矩形形状等であるかは当初重要でない。少なくとも可動体は案内軌道の前記断面内に位置し、摺動面または回転面により案内軌道の面に内側を向いて当接する。
【0028】
このため、特に、連結支柱も案内軌道内の可動体間に配置されることになっている。この点で、必然的に、関節要素も案内軌道の断面内部にある。可動体または関節要素および連結支柱に対する案内軌道の前記配置により、特に柔軟性があり、同時に安定的な走行実施形態が形成される。このため、したがって、軌道の発展部に関係なく均一な動作を可能にするために、関節式連結部が案内軌道の中心点の近傍に枢動点を有していると特に有利である。加えて、したがって案内軌道に対して中心に位置する力伝達点は可動トラック装置の安定位置を向上させる。
【0029】
荷物を収容するため、特に有利な手法では、荷物キャリアが、少なくとも1つの可動トラック要素上に配置され、好ましくは、可動トラック要素の中心長手方向軸線に対してほぼ垂直に配置される。このため、荷物キャリアは案内レールのスロットを通り前記案内レールから突出している。この点において、可動体と、連結支柱と、関節要素とを備えた可動トラック要素が案内レールの断面内部に配置される一方で、このため荷物キャリアは案内軌道から突出している。前記荷物キャリアがどの種類であるかはこのため当初重要でない。重要なことは、運搬されるべき製品を適切なデバイスにより荷物キャリアで運搬することができることである。
【0030】
荷物キャリアが可動体上に固定されるか可動体に組み込まれると特に有利である。したがって製造は柔軟性を失うことなく簡略化される。複数部品の可動体の場合、荷物キャリアは有利には第1の構成要素に固定される。第1の構成要素には連結支柱も連結される。
【0031】
この代替として、荷物キャリアを連結支柱に連結することもまた可能である。しかしながら、連結支柱と可動体との間の差込連結部の場合、発生する荷重も、少なくとも大部分が前記差込連結部を介して伝達されるに違いない。
【0032】
このため、案内要素が荷物キャリアに配置され、案内要素により案内レールのスロット内に荷物キャリアが案内されると特に有利である。したがって、案内軌道に対する可動トラック要素の回転位置が荷物キャリアによって同時に設けられる。簡単な場合においては、これを、スロットの幅に合うように大きさを選択した、案内要素の摺動案内部とすることができる。特に有利な実施形態では、この目的のために、回転するように取り付けられる案内要素が選択される。いずれの場合においても、スロット内における案内要素の割り当てにより、荷物キャリアおよびしたがって同時に可動トラック要素が、案内軌道の長手方向の軸線に対して回転可能に画定された位置をとることが確実とされる。したがって、荷物キャリアまたは可動トラック要素の位置を下方に引っ張る荷物の重みに任せるのではなく、この位置はむしろ定義された状態で予め決定される。これは、例えば、荷物キャリアが精密に垂直下方に吊下されない場合、または螺旋軌道発展部が実現されるべき場合にとりわけ特に有利である。
【0033】
種々の製品を柔軟な手法で搬送するため、好ましくは、貝殻状またはかご状の製品キャリアを使用すると特に有利である。製品キャリアはさらには可動トラック要素の少なくとも1つの荷物キャリア上に固定される。結果として、製品キャリア内において種々の製品を搬送することができる。
【0034】
このため、製品キャリアが少なくとも1つの関節式支柱により荷物キャリアに連結されると特に有利である。このため、関節式支柱と製品キャリアとの間の枢動運動が可能とされる。この点において、製品搬送部が、例えば、垂直な状態で延びている場合は垂直方向に湾曲した軌道案内部を選択することが可能である。かご状製品キャリアは常時水平方向に枢動することができ、したがって、搬送されるべき製品が落下することなく製品キャリア内において安全に運搬される。
【0035】
反転のために、最も簡易な場合では、関節式支柱を固定的に荷物キャリアに連結すること、または、それを構成要素として実現することが可能である。したがって、製品キャリアの枢動自在性のために必要な案内軌道までの空間が実現される。しかしながら、関節式支柱と荷物キャリアとの間の速動閉鎖連結部による連結が特に好適である。速動閉鎖によって、製品キャリアをその関節式連結部とともに迅速かつ柔軟な手法で交換すること、実際の要求事項により製品キャリアを選択すること、速動閉鎖によって製品キャリアを取り付けることが可能である。
【0036】
より良好な荷重配分のため、しかしながら、1つの製品キャリアをいずれの場合においても1つの可動トラック装置の2つの荷物キャリアに連結すると特に有利である。このため、製品キャリアと2つの荷物キャリアとの間の連結はいずれの場合においても関節式支柱を介して実施される。このため、荷物キャリアと関節式支柱との間ならびに関節式支柱と製品キャリアとの間の両方に枢動可能なリンクが必要となる。この点において、速動閉鎖は有利には拡張して速動閉鎖関節式連結部を形成する。垂直面において湾曲した軌道発展部を実現するには案内軌道に対して垂直に位置している水平枢動軸線を中心とした枢動自在性のあるジョイントが必要である。水平面において湾曲した軌道発展部は、関節式連結部が案内軌道に対して垂直に位置している垂直回転軸線を中心として回転可能である必要がある。案内軌道の3次元の発展部は結果として両者の関節運動を組み合わせることによって可能とされる。それにもかかわらず、製品キャリアの安定かつ確実な位置が確保される。
【0037】
本発明による運搬装置の適用性は製品キャリアの1つの発展部の枢動自在性によりさらに向上する。このため、製品キャリアは水平回転軸線を有する枢動軸受を受容する。同時に、前記回転軸線は関節式支柱の連結部における回転軸線とされうる。前記有利な実施形態では、製品キャリアは、外部枢動機構をキャリア枢動レバーと協働することができ、製品キャリアを回転軸線中心に枢動し、したがって、例えば、製品キャリアの中身を空ける目的のため、例えば、キャリア枢動レバーによって少なくとも拡張される。
【0038】
本発明の重要な態様は自動駆動を可能にすることであるが、これはその適用において必須要件ではない。これに関連し、加えて、個々の可動トラック要素間の関節式連結部によって1つの可動トラック要素から前の可動トラック要素まで剪断力を伝達可能であると特に有利である。牽引力は一般に問題とならない。したがって、先行技術と比較すると前記実施形態により運搬装置の適用性が明らかに向上する。特に、新規に形成された実施形態によって、可動トラック装置が駆動ポイントを通過する際、すべての可動トラック要素を駆動可能とすることができ、結果として、当初、関節式連結部への連結において存在する牽引力が剪断力に変化するという点で機械的な駆動部の使用が大幅に簡略化される。
【0039】
2つの可動トラック要素を関節式連結部によって結合することにより、可動トラック装置の位置的に安定した連結を形成することができる。このため、2つの関節要素が互いの方に向かう相対運動を相当に妨ぎ、枢動運動のみを可能にする、すなわち、枢動自在性に必要な遊びのみが存在すると特に有利である。したがって、可動トラック装置の動作を制限のない状態で牽引力のために、または選択的に押力により使用することができる。この点において、原則として先行技術ではよくあるように、引く動きまたは押す動きが可動トラック装置全体を引いて離したり、それを互いに押したりすることにはならない。したがって、可動トラック装置の動きにおいて明らかに向上した均一性が得られうる。同様に、したがって、また、可動トラック装置が2つの駆動ポイントにおいて同時に取り外される際にも問題とならない。可動トラック装置全体の一定の長さのため、2つのポイントにおける均一な駆動により、同様に、一定の動作パターンが生じる。対照的に、先行技術においては、互いに押された可動トラック装置が第2の駆動部により把持される場合、または選択的に圧縮動作に入る場合、さらには、長さにおいて引っ張られることが容易に発生する場合があり、これがさらには、軌道の動作から抜け出ることにつながる可能性がある。
【0040】
このため、関節式連結部内部において、軸力と共に、さらに半径方向力も1つの可動トラック要素から他方の可動トラック要素に伝達されるような手法で関節式連結部が実現されると特に有利である。したがって、製品を運ぶのに必要なデバイスの発展部が大幅に簡略化される。関節要素の半径方向支持により、可動トラック要素の場合に製品の搬送により発生する力および案内軌道からずれて作用する力のために案内軌道から抜け出ることにはならない。
【0041】
このため、関節式連結部の中心点が、可動体と案内軌道との間に接触している案内面までの可能な限り狭い空間にあると特に有利である。前記配置により、湾曲した発展部がある位置においてさえも、可動トラック装置または個々の可動トラック要素が案内軌道に沿って広範にわたり均一に動作することが可能となる。加えて、湾曲部の発展部において伝達されるべき牽引力および押力により、案内軌道からの空間にある案内軌道の軸線に対して横断方向に位置する力を生じないか、わずかに生じるのみである。案内軌道から離間して配置された結合連結部を有する先行技術において公知の配置の場合、そこでの結果は、対照的に、特に、押す動作の場合または3次元の軌道発展部の場合、不安定な動きである。この点において、先行技術において公知の実施形態は、簡単な3次元の動作パターンの場合、好ましくは、引っ張る動きのみに適している。
【0042】
これに関して、特に、前述したように、関節式連結部の中心点が案内軌道または各々の可動体の中心軸線内または上に配置されるとこれは有利である。その結果、関節式連結部は案内軌道内に配置され、これによりまず案内軌道をその軸線に沿ってねじることが可能となる。したがって、例えば、可動トラック装置の螺旋運動を案内軌道に沿って実現できる。この種の動作パターンは先行技術においてはほぼ除外されている。
【0043】
可能な案内軌道の発展部を可能な限り柔軟にするため、特に、湾曲した発展部の設計では、水平および垂直の両方において、ならびに軸方向力および半径方向力の両方を伝達するため、関節式連結部がボール連結部として実現されると特に有利である。このため、可動体の第1の関節要素はボール収容手段によって形成され、連結支柱の反対端に配置される第2の関節要素は関節式のボールとして形成される。したがって、2つの連結された可動トラック要素を関節要素によって連結された2つの可動トラック要素間において互いの方に枢動するおよび/または回転することが可能であると同時に、軸方向および半径方向の位置決めが保証される。前記実施形態では、特に案内軌道の発展部に関してかなりの自由を設ける。したがって、他の場合では不可能だったであろう軌道発展部が可能となる。
【0044】
ボール受容手段は、前記ボール受容手段がボールカップと、少なくとも1つのボールスリーブ部とを有する複数の部品で形成される場合、特に有利な手法で実現される。このため、解放可能型または固定型または一体型となるように連結支柱が取り付けられる第1の構成要素および少なくとも1つの第2の構成要素において、可動体の複数部品用の組み立て法が必要である。ボールカップは第1の構成要素と組み合わされるべきであり、ボールスリーブ部は第2の構成要素と組み合わされるべきである。ボールカップまたはボールスリーブ部はいずれの場合においても各々の構成要素の構成部品とするか、さらなる別個の構成要素によって各々の構成要素に連結することが可能となっている。
【0045】
有利な設計では、第1の構成要素は可動体半分を形成し、第2の構成要素は可動体四半分を形成する。第2の構成要素はさらには2度存在し、この点において、また、可動体半分を形成する。
【0046】
ボールジョイントを形成するための第1の特に有利な変形形態では、第1の構成要素と第2の構成要素との間の分割面またはボールカップとボールスリーブ部との間の分割面を可動トラック要素の中心長手方向軸線に対して垂直に配置することができる。
【0047】
この点において、ローラの軸受装置が、また、第1の構成要素と第2の構成要素との間の分割面内に配置されると特に有利である。これにより、第2の構成要素が第1の構成要素上に取り付けられると、同時に、第2の関節式のボールが取り外され、ローラが固定されることが可能となる。
【0048】
加えて、ボールジョイントを形成する場合、隣接する可動トラック要素の第2の関節要素はいずれの場合においても関節式の手法で連結されるべきであるため、ボールカップが関節式のボールの実質的に端面接触面(end−face contact surface)を形成すると有利である。ボールスリーブ部は関節式のボールを包含し、それによって第1の構成要素に連結される。この点において、第1の関節要素と第2の関節要素との間のボールジョイント連結部は、関節式のボールを、第1の構成要素と第2の構成要素とにより、ボールカップおよびボールスリーブ部を介して取り囲むことによって得られる。
【0049】
公差を補償するため、およびボールジョイント連結部内の遊びを防止するため、ボールカップを第1の構成要素内に弾性的に取り付けると特に有利である。この点において、ボールカップが第1の構成要素に別個の構成要素として配置されることは明白である。この点において、ボールカップが設置の場所にとどまることが保証される限りは第1の構成要素とボールカップとの間に直接連結は必要ない。これは、同時に、ボールカップが第1の構成要素内に支持されたばね要素によって後続可動トラック要素の関節式のボールに押し付けられるという有利な手法で保証される。このため、ボールカップが第1の構成要素の案内部に構成要素として取り付けられており、したがって、関節式のボールが取り外されるべき方向にのみ可動性を有すると有利である。
【0050】
ボールジョイント連結部の第2の設計変形形態では、分割面がボールカップとボールスリーブ部との間の可動トラック要素の中心長手方向軸線に配置される。すなわち、連結支柱に連結される第1の構成要素と第2の構成要素との間の分割は案内軌道に平行して実施される。これは、結果として、第2の構成要素のみが後続可動トラック部の関節式のボールを包含する必要があり、それ以外のさらなる機能を満たす必要がない(これもまた可能であるが)という意味で有利である。したがって、第2の構成要素を非常に簡単な手法で保持することができ、可動トラック要素間の連結部を、関節式のボールをボールカップ内に挿入し、その上にボールスリーブ部と共に第2の構成要素を配置および固定することにより非常に簡単な手法で形成することができる。
【0051】
可動トラック要素の中心長手方向軸線は、この点において、案内軌道にほぼ並行し、可動体と、連結支柱と、関節要素とで形成されたユニットの中心を通る線を意味する。このため、前記軸線は体積中心点を精密に通る必要も、剪断点を通る必要もない。
【0052】
両設計変形形態において、ボールジョイント連結部は有利な手法で形成され、第1の関節要素は2つのボールシェル部を連結することによって形成されており、ボール形状の第2の関節要素が含まれている。これにより遊びのない関節式連結部が形成され、必要な枢動自在性が保証されているにもかかわらず、軸方向力および半径方向力の伝達が可能となっている。
【0053】
運搬装置、特に、可動トラック装置の発展部に関して可能な限り多くの柔軟性を設けるため、可動体および/または第2の関節要素が連結支柱に特に解放可能な手法で固定されると特に有利である。一方で、前記発展部は、可動体の第2の構成要素が第2の関節要素または関節式のボールの背後を囲む状態でボールスリーブ部と共に配置され、その一方で、可動体の第1の構成要素に連結される実施形態を可能とする。
【0054】
重要な点は、限られた種類の部品を基に運搬装置の変形を可能にすることである。特に、これは、例えば、連結支柱または可動トラック要素の長さに関して柔軟性のある実施形態を形成することができることを意味する。わずかな種類の連結支柱または構成要素により、可動体の設計による種々の荷重、連結支柱の長さによる案内軌道の種々の湾曲部半径、対応する製品キャリアの選択およびこれを可動トラック要素に連結することによる種々の製品について、多くの種類の実施形態を形成することができる。このため、多くの種類の適用を可能にすると共に、製造においてコストの優位性が達成される。
【0055】
連結支柱が互いに連結可能な少なくとも2つの連結部品要素を有するとさらに有利である。このため、この変形形態は、また、可動トラック要素の実施形態に関して柔軟性を達成している。このため、例えば、第1の連結用部品要素を固定または一体化した状態で可動体に連結すること、および第2の連結用部品要素を固定または一体化した状態で関節式のボールに第2の関節要素として連結することが可能である。したがって、可動トラック要素の柔軟性のある分離が連結支柱内において実施される。
【0056】
解放可能な連結部の固定が速動閉鎖によって、または好ましくは係止連結部によって連結が実施されると特に有利である。したがって、一方では、可動トラック装置の組み立てを、個々の構成要素を連結することによって簡単かつ迅速な手法で実施することができる。その一方で、可動トラック装置をさらなる費用をかけずに解放可能な連結部における分離によって変更することもまた可能である。したがって、運搬装置内の要件の変更に柔軟に対応することが可能である。
【0057】
駆動部を実現するため、案内軌道内に係合する少なくとも1つの摩擦ベルト駆動部または摩擦車輪駆動部を配置すると有利である。このため、駆動面が可動トラック要素上の必要な位置に設けられる。摩擦ベルト駆動部の駆動要素または摩擦車輪駆動部の駆動要素は、このため、摩擦駆動部によって必要な力の伝達を生じさせることができる。したがって、可動トラック装置に関して、引くおよび押すの両方の動作が可能である。
【0058】
この代替として、駆動部を実現するため、案内軌道内に係合する少なくとも1つの歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部が配置されると特に有利である。このため、対応する駆動面が、また、可動トラック要素上に設けられる。歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部の駆動要素は、このため、歯付駆動部によって必要な力の伝達を生じさせることができる。したがって、可動トラック装置に関して、引くおよび押すの両方の動作が可能である。
【0059】
案内軌道内における可動トラック装置の軸受装置の余分な荷重を防止するため、案内軌道に対して対称に配置された2つの摩擦ベルト駆動部または摩擦車輪駆動部または歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部が設けられると特に有利である。駆動部の対向配置により、駆動部により生じる可動トラック要素にかかる横断方向の力が実質的に除去される。このため、2つの駆動部によって画定される駆動面が案内軌道または可動トラック要素の中心長手方向軸線と並んで配置されると特に有利である。
【0060】
案内軌道の発展部によっては、特に長さに関して、様々な数の駆動部を必要としうるまたは認識可能であることは明白である。このため、個々の駆動部または個々の対の駆動部を設けることが十分とされうる。また、複数の対の駆動部を使用すべきこともありうる。数は、この点において、一方では、個々の可動トラック装置の数および長さおよび案内軌道の幾何学的発展に加えて、案内軌道の長さに合わせるものとする。
【0061】
少なくとも2つの独立して制御可能な駆動部の使用が特に有利であり、その結果、案内軌道の発展部上で可動トラック装置を種々の速度に加速または制動することが可能とされる。この点において、例えば、長い直線の伸延部よりも湾曲部上においてより低速を選択することが可能である。
【0062】
必要な駆動力を摩擦ベルト駆動部または摩擦車輪駆動部/歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部から個々の可動トラック要素上に伝達するため、摩擦ベルトまたは摩擦車輪/歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部が駆動要素として案内軌道に対して垂直に弾性的に取り付けられていると特に有利である。この点において、弾性力を駆動点に印加することができ、必要な摩擦力または歯のより確実な係合が保証されうる。
【0063】
この目的のために有利な手法では、摩擦ベルト駆動部または摩擦車輪駆動部の場合、駆動要素の駆動面がキー溝として実現される。
【0064】
歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部を使用する場合、少なくとも1つの歯付ロッド部が連結支柱に配置されていると特に有利である。これが結果として、可動トラック装置が歯付ベルト駆動部または歯付車輪駆動部によって制限された場合であっても経路上を推進することを保証する。加えて、連結支柱の歯付ロッド部が可動体に続いていると有利である。
【0065】
本発明による解決策を明確にするため、特に有利な実施形態を添付の図において概説する。