【実施例】
【0068】
以下、本発明の一実施例を、
図2〜
図7を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0069】
[構成]
図2には、一実施例に係る運転操作支援装置100の構成がブロック図にて示されている。この運転操作支援装置100は、上述した一実施形態に係る運転操作支援装置700の一態様となっている。
【0070】
図2に示されるように、運転操作支援装置100は、車両CRに配置される。この車両CRは、地面に一部が埋め込まれた送電ユニット310及び地面上に描かれた図形マークである目標物320を備える給電設備において、給電を受けるようになっている。なお、送電ユニット310は、上述した実施形態における送電部910に対応し、目標物320は、上述した実施形態における目標物920に対応している。
【0071】
ここで、送電ユニット310及び目標物320との位置関係について説明する。
図3に示されるように、目標物320の中心位置は、送電ユニット310の中心位置から、車両CRが給電を受ける際に想定される車長方向の後方側に、給電設備ごとに定められた目標物距離Lだけ離れた位置となっている。
【0072】
なお、
図3に示されるように、本実施例における目標物320は、送電ユニット310の中心位置から目標物320の中心位置へ向う方向と垂直な方向に延びる直線部を有している。また、目標物320は、中心位置を中心とする円周部を有している。このため、送電ユニット310の中心位置から目標物320の中心位置へ向う方向と垂直な方向、ひいては、送電ユニット310の中心位置から目標物320の中心位置へ向う方向(以下、「目標物方向」という)、及び、目標物320の中心位置を、目視により、又は、目標物320の撮影結果画像を解析することにより認識できるようになっている。
【0073】
なお、車両CRは、給電設備における給電領域へは、後進により進入するようになっている。
【0074】
図2に戻り、車両CRには、運転操作支援装置100に加えて、位置検出ユニット210及び受電ユニット220が配置されている。
【0075】
上記の位置検出ユニット210は、車両CRの現在位置を検出する。こうして検出された現在位置は、運転操作支援装置100へ送られる。すなわち、位置検出ユニット210は、上述した実施形態における位置検出部830の機能を果たすようになっている。
【0076】
上記の受電ユニット220は、車両CRの下部に設置されている。この受電ユニット220は、給電設備における送電ユニット310から無線で電力の供給を受ける。そして、受電ユニット220は、受電電力を不図示の蓄電池に充電する。すなわち、受電ユニット220は、上述した実施形態における受電部850の機能を果たすようになっている。
【0077】
<運転装置支援装置100の構成>
次に、運転装置支援装置100の構成について説明する。
【0078】
図2に示されるように、運転装置支援装置100は、制御ユニット110と、記憶ユニット120と、撮影ユニット130とを備えている。また、運転装置支援装置100は、駆動ユニット140と、表示ユニット150と、入力ユニット160とを備えている。
【0079】
上記の制御ユニット110は、CPUを備えて構成され、プログラムを実行することにより、様々な処理を実行する。この制御ユニット110は、上述した実施形態における制御装置730の機能を果たすようになっている。
【0080】
なお、制御ユニット110により実行される処理の詳細については、後述する。
【0081】
上記の記憶ユニット120には、制御ユニット110が利用する様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、目標物距離情報ODI及びマーク画像データが含まれている。この記憶ユニット120へは、制御ユニット110がアクセス可能となっている。すなわち、記憶ユニット120は、上述した実施形態の記憶部840の機能を果たすようになっている。
【0082】
なお、目標物距離情報ODIの内容、及び、マーク画像データに従って表示されるマーク画像については、後述する。
【0083】
上記の撮影ユニット130は、カメラ等の撮影デバイスを備えて構成されている。この撮影ユニット130は、車両CR本体の外側に配置され、駆動ユニット140により設定された撮影位置から、駆動ユニット140により設定された撮影方向で周辺を撮影する。撮影ユニット130による撮影画像は、制御ユニット110へ送られる。すなわち、撮影ユニット130は、上述した実施形態の撮影部710の機能を果たすようになっている。
【0084】
上記の駆動ユニット140は、制御ユニット110による制御のもとで、撮影ユニット130を移動させる。この駆動ユニット140による撮影ユニット130の移動には、車両CRの車長方向に沿った並進移動、及び、車長方向と垂直な水平軸を回転中心軸とする回転移動が含まれている。すなわち、駆動ユニット140は、上述した実施形態の駆動部720の機能を果たすようになっている。
【0085】
上記の表示ユニット150は、液晶ディスプレイパネル等の表示デバイスを備えて構成されている。この表示ユニット150は、制御ユニット110から送られた表示データを受ける。そして、表示ユニット150は、当該表示データに従って画像表示を行う。すなわち、表示ユニット150は、上述した実施形態における表示部810の機能を果たすようになっている。
【0086】
上記の入力ユニット160は、運転装置支援装置100の本体部に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモート入力装置等により構成される。ここで、本体部に設けられたキー部としては、不図示の表示ユニットに設けられたタッチパネルを用いることができる。また、キー部を有する構成に代えて、音声入力する構成を採用することもできる。入力ユニット160への入力結果は、入力データとして制御ユニット110へ送られる。
【0087】
利用者は、この入力ユニット160の操作を行うことにより、動作指令等を入力することができる。すなわち、入力ユニット160は、上述した実施形態の入力部820の機能を果たすようになっている。
【0088】
<目標物距離情報ODIの内容>
次に、目標物距離情報ODIの内容について説明する。
【0089】
図4に示されるように、目標物距離情報ODIでは、給電設備位置と目標物距離とが関連付けられている。このため、車両CRの現在位置に基づいて目標物距離情報ODIを参照すると、当該現在位置に位置する給電設備が特定できるようになっている。
【0090】
<マーク画像について>
次いで、記憶ユニット120に記憶されているマーク画像データに従って表示されるマーク画像について説明する。
【0091】
図5に示されるように、本実施例におけるマーク画像CMKは、撮影ユニット130による撮影画像の表示範囲CRGの中心部に表示される。このマーク画像CMKは、撮影ユニット130の撮影中心位置を中心とする円周図形を有している。また、マーク画像CMKは、当該円周図形を囲む正方形枠図形を有している。ここで、当該正方形枠図形は、車長方向に対応する方向と平行な2辺と、車長方向に対応する方向と垂直な方向と平行な2辺とを有している。
【0092】
マーク画像CMKは、正方形枠図形内において、車長方向に対応する方向と平行であり、撮影中心位置を通る第1線分図形と、車長方向に対応する方向と垂直な方向と平行であり、撮影中心位置を通る第2線分図形とを更に有している。このため、撮影画像中に目標物320の主要部が含まれている場合には、撮影画像に重ねてマーク画像を表示することにより、目標物320と撮影ユニット130との位置関係が把握できるようになっている。
【0093】
[動作]
次に、上記のように構成された運転操作支援装置100の動作について、制御ユニット110により実行される運転操作の支援制御処理に主に着目して説明する。
【0094】
なお、位置検出ユニット210は動作を開始しており、位置検出ユニット210からは、逐次、車両CRの現在位置の検出結果が、運転操作支援装置100(より詳しくは、制御ユニット110)へ送られているものとする。また、当初においては、撮影ユニット130は、車両CR本体に近接する位置(通常撮影位置)に移動されているとともに、撮影ユニット130の撮影方向が車両CRの後方方向(通常撮影方向)となっているものとする。さらに、制御ユニット110は、撮影ユニット130により撮影された後方画像をそのまま表示ユニット150に表示させているものとする。
【0095】
運転操作の支援制御処理に際しては、
図6に示されるように、まず、ステップS11において、制御ユニット110が、入力ユニット160から送られた支援開始指令を受けたか否かを判定する。ステップS11における判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。
【0096】
表示ユニット150に表示されている後方画像を参照する等して車両CRの後進操作を行い、車両CRが、給電を受けようとする給電設備に近付いた段階で、利用者が入力ユニット160を利用して支援開始指令を入力すると、当該支援開始指令が制御ユニット110へ送られる。この結果、ステップS11の判定の結果が肯定的となると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。
【0097】
ステップS12では、制御ユニット110が、当該給電設備における目標物距離を特定する。かかる目標物距離の特定に際して、制御ユニット110は、まず、位置検出ユニット210から送られた最新の現在位置を取得する。引き続き、制御ユニット110は、取得された現在位置に基づいて、記憶ユニット120内の目標物距離情報ODIを参照し、現時点における現在位置から特定される給電設備に関連付けられている目標物距離を読み取る。そして、制御ユニット110は、読み取られた目標物距離を、当該給電設備における目標物距離として特定する。
【0098】
こうして、給電を受けようとする給電設備における目標物距離が特定されると、処理はステップS13へ進む。このステップS13では、制御ユニット110が、撮影ユニット130の撮影方向として下方(支援用撮影方向)を指定するとともに、受電ユニット220の中心位置と撮影中心位置との車長方向に沿った距離を、特定された目標物距離に一致する位置(支援用撮影位置)に移動させるための並進移動量を指定した支援駆動指令を駆動ユニット140へ送る。この支援駆動指令を受けると、駆動ユニット140は、撮影ユニット130の撮影方向が下方なるように、撮影ユニット130を回転移動させるとともに、当該支援駆動指令で指定された並進移動量だけ撮影ユニット130を並進移動させる。この結果、支援用撮影位置において撮影ユニット130により撮影された下方画像が、制御ユニット110へ送られるようになる。
【0099】
次いで、ステップS14において、制御ユニット110が、入力ユニット160から送られた支援終了指令を受けたか否かを判定する。ステップS14における判定の結果が否定的であった場合(ステップS14:N)には、処理はステップS15へ進む。
【0100】
ステップS15では、制御ユニット110が、車両CRの位置及び方向が給電に際しての適正位置条件が満たされているか否かを判定する。かかる適正位置条件の判定に際して、制御ユニット110は、下方画像を解析して、下方画像中における目標物320の中心位置、及び、目標物方向を認識する。引き続き、制御ユニット110は、目標物方向と車長方向とが所定の角度許容範囲内で一致し、かつ、目標物320の中心位置と撮影中心位置とが所定の位置許容範囲内で一致するか否かを判定することにより、適正位置条件が満たされているか否かを判定する。
【0101】
なお、適正位置条件を満足している状態では、受電ユニット220の中心位置の直下が送電ユニット310の中心位置であることが保証されることになる。
【0102】
ステップS15における判定の結果が否定的であった場合(ステップS15:N)には、処理はステップS16へ進む。このステップS16では、制御ユニット110は、支援画像を表示ユニット150に表示させる。かかる支援画像の表示制御に際して、制御ユニット110は、下方画像をそのまま表示ユニット150に表示させるための背景画像データを生成する。引き続き、制御ユニット110は、当該生成された背景画像データと、記憶ユニット120に保持しているマーク表示データとに基づいて、下方画像上にマーク画像CMKを重畳した画像を表示ユニット150に表示させるための表示データを生成する。
【0103】
そして、制御ユニット110は、生成された表示データを表示ユニット150へ送る。この結果、表示ユニット150には、目標物320と撮影ユニット130との相対位置関係を示すことができる支援画像が表示される。
【0104】
ステップS16の処理が終了すると、処理はステップS14へ戻る。以後、ステップS14又はステップS15における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS14〜S16の処理が繰り返される。
【0105】
ステップS14〜S16の処理の繰り返し中に、利用者が、表示ユニット150に表示された支援画像を参照して運転操作をした結果、ステップS15における判定の結果が肯定的となると(ステップS15:Y)、処理はステップS17へ進む。このステップS17では、制御ユニット110が、背景画像上のマーク画像CMKがハイライト表示された適正位置表示を表示ユニット150に表示させる。
【0106】
かかる適正位置表示に際して、制御ユニット110は、背景画像上のマーク画像CMKをハイライト表示とする表示データを生成し、生成された表示データを表示ユニット150へ送る。この結果、適正位置条件が満たされている場合には、その旨を示す画像が表示ユニット150に表示される。なお、ここで、「ハイライト表示」としては、上述したように、表示色の変更表示、輝度の変更表示等を採用できるが、本実施例では、マーク画像CMKにおける中心部の円周内部を塗りつぶした表示を行うことにより、マーク画像CMKのハイライト表示を行うようにしている。
【0107】
ステップS17の処理が終了すると、処理はステップS14へ戻る。以後、ステップS14における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS14〜S17の処理が繰り返される。
【0108】
適正位置表示が行われたことにより、効率的な受電のための車両CRの位置決めの完了を確認した場合等において、利用者が入力ユニット160を利用して支援終了指令を入力すると、当該支援終了指令が制御ユニット110へ送られる。この結果、ステップS14の判定の結果が肯定的となると(ステップS14:Y)、処理はステップS18へ進む。
【0109】
ステップS18では、制御ユニット110が、撮影ユニット130の撮影方向として車両CRの後方(通常撮影方向)を指定するとともに、撮影位置を車両CRに近接する位置(通常撮影位置)に移動させるための並進移動量を指定した復旧駆動指令を駆動ユニット140へ送る。この復旧駆動指令を受けると、駆動ユニット140は、撮影ユニット130の撮影方向が車両CRの後方となるように、撮影ユニット130を回転移動させるとともに、当該復旧駆動指令で指定された並進移動量だけ撮影ユニット130を並進移動させる。この結果、通常撮影位置において撮影ユニット130により撮影された後方画像が、制御ユニット110へ送られるようになる。
【0110】
引き続き、制御ユニット110は、撮影ユニット130により撮影された後方画像をそのまま表示ユニット150に表示させるための表示データを生成し、生成された表示データを表示ユニット150へ送る。この結果、表示ユニット150には、後方画像がそのまま表示される。
【0111】
ステップS18の処理が終了すると、処理はステップS11へ戻る。以後、ステップS11〜S18の処理が繰り返される。この結果、車両CRが給電を受けようとする場合に、受電のための適正位置に車両CRを位置決めさせるための運転操作に対する支援が行われる。
【0112】
なお、
図7(A)には、支援画像の例が示されている。また、
図7(B)には、適正位置表示の例が示されている。
【0113】
以上説明したように、本実施例では、利用者により入力ユニット160を利用した支援開始指令がなされると、制御ユニット110が、駆動ユニット140を制御して、受電ユニット220の中心位置から撮影ユニット130の撮影中心位置までの車両CRの車長方向に沿った距離が、給電設備における目標物距離となるように、車長方向に沿って撮影ユニット130を並進移動させる。また、制御ユニット110が、駆動ユニット140を制御して、撮影ユニット130の撮影方向が下方となるように回転移動させる。この状態における撮影ユニット130による撮影によって得られた下方画像に基づいて、制御ユニット110が、撮影ユニット130と目標物320との位置関係を示すことがきる支援画像を表示ユニット150に表示させる。
【0114】
したがって、本実施例によれば、給電設備の送電ユニット310と、当該送電ユニット310から給電を受ける車両CRに搭載された受電ユニット220との位置合わせための運転操作の支援を、簡易な構成で確実に行うことができる。
【0115】
また、本実施例では、制御ユニット110が、車両CRの現在位置の検出結果に基づいて車両CRが給電を受けようとする給電設備を特定した後、記憶ユニット120内の目標物距離情報ODIを参照して、当該特定された給電設備に対応する目標物距離を取得する。そして、制御ユニット110が、取得された目標物距離に基づいて、駆動ユニット140による撮影ユニット130の車長方向に沿った並進移動を制御する。このため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0116】
また、本実施例では、制御ユニット110が、撮影ユニット130の撮影中心位置を、撮影ユニット130により撮影された下方画像とともに表示する支援画像を表示ユニット150に表示させる。このため、利用者は、表示ユニット150における支援画像を参照しつつ、運転操作を行うことにより、正確に、かつ、確実に、送電ユニット310と受電ユニット220との位置合わせを行うことができる。
【0117】
また、本実施例では、駆動ユニット140は、制御ユニット110による制御のもとで、車長方向に沿った並進移動に加えて、車長方向と垂直な水平軸を回転中心軸として撮影ユニット130を回転移動させる。このため、利用者は、受電のために適切な位置に近付くまで、後方画像を参照しつつ車両CRを安全に後進させた後、撮影ユニット130と目標物320との位置関係が示される支援画像を参照して、送電ユニット310と受電ユニット220との精度の良い位置合わせのための運転操作を行うようにすることができる。
【0118】
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0119】
例えば、上記の実施例に対しては、上述した実施形態に対する運転操作の支援制御処理に関する変形と同様の変形を施すことができる。
【0120】
また、上記の実施例では、運転操作支援装置が、記憶ユニット、表示ユニット及び入力ユニットを備える構成とした。これに対し、記憶ユニット、表示ユニット又は入力ユニットとして利用できる設備品が車両に配置されている場合には、それらの装備品を利用するようにしてもよい。