特許第5967804号(P5967804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5967804
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】車両車体の塗装表面用コーティング剤
(51)【国際特許分類】
   C09D 183/14 20060101AFI20160728BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   C09D183/14
   C09D7/12
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-50288(P2012-50288)
(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公開番号】特開2013-185038(P2013-185038A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000197975
【氏名又は名称】石原ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112173
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100169683
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 等
(72)【発明者】
【氏名】高島 大樹
(72)【発明者】
【氏名】滝下 勝久
【審査官】 村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−218538(JP,A)
【文献】 特開2002−174702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−10/00;
101/00−201/10
C08G 77/00−77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤であって、
一般式
(化3)
F(C2xO)2y−Q−Si(NH)1.5
(式中、Qは2価の有機基、mは1以上の整数、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)で表わされるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンを、第一の溶媒m-キシレンヘキサフロライド及びフッ素系溶媒、ジメチルポリシロキサン、環状シロキサン、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、アセトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素からなる群れより選ばれる1種若しくは2種の第二の溶媒を必須の溶媒として含んでなるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤。
【請求項2】
パーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの固形分濃度が、0.01〜3%である請求項1記載の塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車等の車両、特にそのボディ等の車体、中でもその塗装面へのコーティング剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車体表面のコーティング剤として、湿気硬化反応を利用したシリコーン系のコーティング剤や、ポリシラザンを湿気硬化させることによる硬質膜、フッ素化合物を用いたコーティング剤を塗装表面に形成させる方法が知られている。これら従来のコーティング剤は、シリコーン化合物による撥水性やフッ素化合物による撥油性、パーヒドロポリシラザンに由来するガラス質被膜による親水性を示すことにより、処理面に優れたツヤや防汚性を付与することが出来る。
【0003】
特許文献1によれば、常温硬化性で、プライマーなしで基材表面に強固な被膜を形成し、該被膜は撥水撥油性、離型性等の良好な性能を長期間にわたって保持する表面処理剤として有用なパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンを提供されている。
【0004】
特許文献2によれば、耐汚染性、易拭取り除去性、耐擦傷性、撥水性などの性能を有し、これらの性能が長期に持続する特定の含フッ素シラザン化合物の硬化物からなる反射防止膜を提供すること、及びこれを支持基材上に有し、同様の性能を有する光学部材を提供するために、二酸化ケイ素系無機層を有する単層構造又は複層構造の反射防止層と、表面層として設けられた汚染防止層とからなる反射防止膜であって、前記汚染防止層が特定の含フッ素シラザン化合物の硬化物からなることを特徴とする反射防止膜、及びこの反射防止膜を支持基材上に有する光学部材が、開示されている。
【0005】
特許文献3によれば、特定の含フッ素チタノシロキサン化合物の撥水効果が著しく優れ、例えば水滴の落下性が極めて高い硬化皮膜を、常温で容易に形成することが可能となる。またこの化合物は、通常の有機溶剤に容易に溶解し、フッ素系等の格別の溶剤を用いずに硬化被膜形成剤として使用することができる点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−43251号公報
【特許文献2】特開2002−174702号公報
【特許文献3】特開平6−271679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらコーティング剤は、それぞれ撥水性や撥油性、親水性を付与することで、塗装表面の防汚性を高めている。しかし、シリコーン系のコーティング剤の場合、その撥水性は満足するものではなく、ポリシラザン系のコーティング剤では、親水性を発現するまでに時間を要し、さらに塗装表面への処理における拭き取りや仕上げなどの作業性が悪い。
また、フッ素系化合物によるコーティング剤では、十分な性能を発現するためには、フルオロアルキル基の長さが必要であるが、PFOA(パーフルオロオクタン酸)やPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸塩)問題といった観点から、その使用が問題視されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような事情の下、フッ素変性ポリシラザンを用いることで、従来のコーティング剤に比べ、格段に撥水性が高く、また、高い撥油性も発揮するために、非常に高い防汚性能を有する。そして、このフッ素変性基がパーフルオロポリエーテル基であることから、PFOAやPFOS問題にも規制されることはない。さらに、このフッ素変性ポリシラザンを溶解または分散させる溶媒を選択することにより、実使用での作業性も向上させることが出来る車両車体の塗装表面用パーフルオロポリエーテル変性被膜を形成させるコーティング剤を提供する。
すなわち、本発明は、車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤であって、
一般式
(化1)
F(C2xO)2y−Q−Si(NH)1.5
(式中、Qは2価の有機基、mは1以上の整数、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)で表わされるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンを、第一の溶媒m-キシレンヘキサフロライド及びフッ素系溶媒、ジメチルポリシロキサン、環状シロキサン、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、アセトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素からなる群れより選ばれる1種若しくは2種の第二の溶媒を必須の溶媒として含んでなるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤である。
また、本発明の塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤においては、パーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの固形分濃度が、0.01〜3%とすることができる。

【発明の効果】
【0009】
本発明の車両車体の塗装表面用は、表の結果より明らかなように、実施例のコーティング液は溶媒を選択することで、液外観や濡れ性、乾燥性をコントロールすることが出来る。これは、製品設計の幅が広がるばかりか、車両車体の塗装表面への実使用においても非常に有用である。
また、性能面においても、比較例のそれに比べ、非常に高い撥水・撥油性を示すため、塗装表面への非常に優れたコーティング剤となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる一般式
(化2)
F(C2xO)2y−Q−Si(NH)1.5
(式中、Qは2価の有機基、mは1以上の整数、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)で表わされるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン(以下、フッ素変性シラザン)は、車両車体への処理における作業性向上や製品設計でのコスト対応などのため特定の有機溶媒で適当な濃度に希釈できる。
本発明で用いるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンは、m-キシレンヘキサフロライドに溶解することが知られている。本発明者は、m-キシレンヘキサフロライド及びハイドロフルオローエテル、フルオロカーボン等のフッ素系溶媒、ジメチルポリシロキサン、環状シロキサン、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒、アセトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素から選ばれる群れより選ばれる1種若しくは2種の溶媒からなる混合溶媒に溶解して、塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性被膜を形成させる車両車体の塗装表面用コーティング剤として有用であることを見出した。
本発明で用いるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの良溶媒としては、m-キシレンヘキサフロライドやハイドロフルオロエーテル、フルオロカーボンなどのフッ素系溶媒が挙げられ、本発明で用いるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの貧溶媒としては、脂肪族や芳香族炭化水素などの溶媒があげられる。
なお、フッ素変性シラザンのm-キシレンヘキサフロライド希釈溶液は、知られている。
【0011】
(参考例1)
フッ素変性シラザンを固形分濃度が3%になるようにm-キシレンヘキサフロライドで希釈した溶液をコーティング液とした。
【実施例1】
【0012】
参考例1のコーティング液10.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例2】
【0013】
参考例1のコーティング液10.0gをフルオロカーボン(住友スリーエム製:Fluorinert FC-40)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例3】
【0014】
参考例1のコーティング液10.0gをジメチルポリシロキサン(信越化学工業製:KF-96-1cs)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例4】
【0015】
参考例1のコーティング液10.0gを環状シロキサン(信越化学工業製:KF-995)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例5】
【0016】
参考例1のコーティング液10.0gをエタノール90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例6】
【0017】
参考例1のコーティング液10.0gをイソプロピルアルコール90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例7】
【0018】
参考例1のコーティング液10.0gをジエチレングリコールジメチルエーテル90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例8】
【0019】
参考例1のコーティング液10.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例9】
【0020】
参考例1のコーティング液10.0gをアセトン90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例10】
【0021】
参考例1の実施例1のコーティング液10.0gを脂肪族炭化水素(出光興産製:IPソルベント1620)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例11】
【0022】
参考例1のコーティング液10.0gを芳香族炭化水素(エクソンモービル製:ソルベッソ100)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【実施例12】
【0023】
参考例1のコーティング液10.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)72.0gとジメチルポリシロキサン(信越化学工業製:KF-96-1cs)18.0gの混合溶媒に溶解させ、コーティング液とした。
【実施例13】
【0024】
参考例1のコーティング液10.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)81.0gと脂肪族炭化水素(出光興産製:IPソルベント1620)9.0gの混合溶媒に溶解させ、コーティング液とした。
【実施例14】
【0025】
参考例1のコーティング液10.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)81.0gと芳香族炭化水素(エクソンモービル製:ソルベッソ100)9.0gの混合溶媒に溶解させ、コーティング液とした。
【実施例15】
【0026】
参考例1のコーティング液1.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)79.2gとジメチルポリシロキサン(信越化学工業製:KF-96-1cs)19.8gの混合溶媒に溶解させ、コーティング液とした。
【0027】
(比較例1)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをm-キシレンヘキサフロライド88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0028】
(比較例2)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0029】
(比較例3)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをフルオロカーボン(住友スリーエム製:Fluorinert FC-40)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0030】
(比較例4)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをジメチルポリシロキサン(信越化学工業製:KF-96-1cs)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0031】
(比較例5)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをイソプロピルアルコール88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0032】
(比較例6)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.
5gをジエチレングリコールジメチルエーテル88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0033】
(比較例7)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gを脂肪族炭化水素(出光興産製:IPソルベント1620)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
【0034】
(比較例8)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをm-キシレンヘキサフロライド90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【0035】
(比較例9)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【0036】
(比較例10)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをフルオロカーボン(住友スリーエム製:Fluorinert FC-40)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【0037】
(比較例11)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをイソプロピルアルコール90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【0038】
(比較例12)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをアセトン90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【0039】
(比較例13)
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gを脂肪族炭化水素(出光興産製:IPソルベント1620)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
【0040】
【表1】
各コーティング液については、以下に示すような方法で基材に処理し、各評価項目については、以下に示す方法と結果で判定し、表1にまとめた。
【0041】
(処理)
アクリル−メラミン系樹脂からなる自動車用塗料をベースコートとトップコートの積層形態で焼付け塗装して作製した塗装板表面に、各コーティング液を含浸させたクロスを用いて均一に処理した。処理されたコーティング液の溶媒が蒸発した後、新しいクロスにてムラがないように拭き取って仕上げた。
【0042】
(評価)
(液外観)
コーティング液を調製した際に、液の外観を目視にて確認し以下のように評価した。
○:無色透明な状態。
△:僅かに白化するが、沈殿等は見られない。
×:液の分層や沈殿が見られる。
【0043】
(基材への濡れ性)
コーティング液を基材に処理した際の、液の濡れ広がりの様子を目視にて確認し、以下のように評価した。
○:均一に基材に濡れ広がる。
△:僅かに液ヨリが見られるが、処理できる。
×:液の分離や沈殿または、ハジキにより、均一に処理できない。
【0044】
(乾燥性)
処理されたコーティング液の溶媒が、蒸発する時間を計測した。
【0045】
(拭き取り性)
溶媒が蒸発した後のコーティング液をクロスにて拭き取る際の様子を確認し、以下のように評価した。
○:拭き取りが軽い。
△:僅かに拭き取りが重く感じる。
×:拭き取るのに力が必要。
【0046】
(仕上がり)
拭き取り後の仕上がりの様子を目視にて確認し、以下のように評価した。
○:ムラなく均一に仕上がっている。
△:僅かにムラが残る。
×:ムラが多く残り解消できない。
【0047】
(水および油のハジキ)
処理、拭き取り後、室温で1日乾燥させ、表面の水および油のハジキ具合を接触角計を用いて測定し、以下のように評価した。なお、油についてはドデカンを使用した。
(水)◎:105°以上
○:100°以上105°未満
△:95°以上100°未満
×:95°未満
(油)◎:50°以上
○:40°以上50°未満
△:30°以上40°未満
×:30°未満
【0048】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性被膜を形成させる車両車体の塗装表面用コーティング剤は、車両車体の塗装表面への実使用においても非常に有用であり、アフターマーケットの活性化のみならず、車両車体の塗装そのものに技術革新をもたらす可能性が高いものである。