(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、例示的一実施形態に従って形成された電気コネクタ100を正面から見た斜視図である。電気コネクタ100は、ハウジング102を含む。ハウジング102は、ハウジング102を画定するキャリア104及びキャリア104に嵌合可能なシールド106を有する。電気コネクタ100は、自動車システム等の、システム内での電気又は光ファイバ導体の相互接続を伴う用途において使用される。電気コネクタ100は、頑丈で低コストのコンパクトな設計を示す。更に、この電気コネクタ100の構成及び配置によって、簡略化した設計及び製造プロセスを使用することができ、品質及び信頼性に悪影響を及ぼすことなく生産率を上げ、コストを下げる。
【0007】
キャリア104は、相手コネクタ(図示せず)の対応する相手コンタクトと嵌合するように構成された複数の端子108(
図5に示す)を保持するように構成される。シールド106は端子108の一部を包囲する。例示的一実施形態では、シールド106は、電気コネクタ100の相手コネクタへの嵌合中に、対応する端子108と係合する相手端子を案内するために使用される。
【0008】
ハウジングラッチ110は、電気コネクタ100を相手コネクタに固定するために使用される。図示の実施形態では、ハウジングラッチ110はキャリア104から延在する。或いは、ハウジングラッチ110はシールド106から延在してもよい。
【0009】
ハウジング102は、電気コネクタ100の相手コネクタへの嵌合中に相手コネクタに対して電気コネクタ100を整列させるために使用されるアライメント機能部112を含む。任意で、アライメント機能部112はキーイング機能部を構成してもよく、その場合、電気コネクタ100は、アライメント機能部112によって定められた一つの向きに相手コネクタと嵌合する。例えば、図示の実施形態では、ハウジング102の一方の側面に1つのアライメント機能部112が設けられ、ハウジング102の反対側面には2つのアライメント機能部112が設けられる。アライメント機能部112は、キャリア104及び/又はシールド106から延在していてもよい。アライメント機能部112はキャリア104及び/又はシールド106と一体的に形成されてもよい。
【0010】
図2は、ハウジング102を上面及び正面から見た斜視図である。
図3は、ハウジング102を底面及び背面から見た斜視図である。例示的一実施形態では、ハウジング102が製造される時、キャリア104とシールド106は、キャリア104とシールド106を接続するブリッジ120を備える単一ピースとして成形される。ブリッジ120は、成形作業中に発生するバリ(flashing)でもよい。ブリッジ120は、キャリア
104とシールド106を分離するために破壊可能な大きさにされ(例えば厚さを有し)且つ配置されてもよい。成形後のある時点で、ブリッジ120は、キャリア104とシールド106を分離するために破壊される。例えば、例示的一実施形態では、シールド106が、キャリア104と嵌合するために整列され、それによって、キャリア104が、装着方向、例えば矢印Aの方向等の装着方向にシールド106に向かって真っ直ぐ押圧されるようにしてハウジング102が製造される。
【0011】
ブリッジ120は、キャリア104のシールド106への装着中に破壊される。ブリッジ120は、キャリア104及び/又はシールド106に圧力を印加することによって破壊されてもよい。他の実施形態では、ハウジング102の製造後に、キャリア104とシールド106は、ブリッジ120を破壊することによって互いから分離され、キャリア104とシールド106を後で組み立てるために別々の容器に入れておいてもよい。キャリア102とシールド106が同一の金型を使用して同時に共成形されることによって、ハウジング102をより大量に製造することができるようになる。
【0012】
キャリア104は誘電材料から製造される。キャリア104は、正面130、背面132、内側端部134、外側端部136、及び両側面138,140を含む。キャリア104は、正面130と背面132との間に延在する複数の端子チャネル142を有する。端子チャネル142は、対応する端子108(
図5に示す)を内部に収容するように構成される。キャリア104は、端子チャネル142内に延出する端子ラッチ144を有する。端子ラッチ144は、対応する端子108と係合して端子チャネル142内に端子108を固定するように構成される。
【0013】
キャリア104は、キャリア104とシールド106の嵌合を案内するために使用されるガイド機能部146を含む。図示の実施形態では、ガイド機能部146は、シールド106に収容されるように構成されたダブテイルである。任意で、このダブテイルはガイド機能部146の両端の台形又はその他の形状の機能部であってもよい。このダブテイルは、ガイド機能部146の高さの少なくとも一部分に延在してもよい。
【0014】
キャリア104は、キャリア104をシールド106に固定的に連結するようにシールド106と係合するように構成された固定機能部148を含む。例示的一実施形態では、固定機能部148は、側面138,140から外側に延在する掛止部を構成する。図示の実施形態では、固定機能部148がガイド機能部146から延在する。固定機能部148は、他の実施形態では他の場所に位置していてもよい。
【0015】
シールド106は誘電材料から製造される。シールド106は、正面150、背面152、内側端部154、外側端部156、及び両側面158,160を含む。シールド106は、正面150と背面152との間に延在するキャビティ162を有する。このキャビティ162はキャリア104を内部に収容するように構成される。
【0016】
シールド106は、キャリア104とシールド106の嵌合を案内するために使用されるガイド機能部166を含む。ガイド機能部166はガイド機能部146と相互作用してキャリア104とシールド106の嵌合を案内する。図示の実施形態では、ガイド機能部166は、キャリア104のガイド機能部146を収容するダブテイルチャネルである。これらのダブテイルチャネルは、台形又はその他の形状のチャネルでもよい。ダブテイルチャネルの形状はダブテイルの形状に対して補完的である。
【0017】
シールド106は、キャリア104をシールド106に確実に連結するようにシールド106と係合するように構成された固定機能部168を含む。例示的一実施形態では、固定機能部168は、キャリア104の掛止部と係合してキャリア104をシールド106に固定する突出部を有するビームを構成する。この突出部の上方には、キャリア104の掛止部を収容する窓が設けられる。固定機能部168は、他の実施形態ではその他の形状又は構成を有してもよい。固定機能部168は、他の実施形態では他の場所に位置していてもよい。
【0018】
内側端部134,154は互いに対向する。組立中、キャリア104の内側端部134はシールド106のキャビティ162に押圧される。任意で、単一ピースとして製造される場合、内側端部134,154は略同一平面上に存在する。ブリッジ120は内側端部134,154を互いに接続する。例えば、成形加工中、ブリッジ120は内側端部134,154間に延出する。キャリア104は、外側端部136がハウジング102の上面を画定するような向きに配置される。シールド106は、外側端部156がハウジング102の底面を画定するような向きに配置される。
【0019】
例示的一実施形態では、ブリッジ120は、キャリア104の側面138,140とシールド106の夫々対応する側面158,160との間に延在する。例えば、側面138はブリッジ120によって側面158に接続され、側面140はブリッジ120によって側面160に接続される。ブリッジ120が延在する長さは任意でよい。任意で、ブリッジ120は、側面138,140,158,160の全長に延在してもよい。例示的一実施形態では、ブリッジ120はガイド機能部146とガイド機能部166との間に延在する。ブリッジ120は他の実施形態では他の場所に位置してもよい。
【0020】
ハウジング102は、端子チャネル142内に端子108を固定するための補助ロック機能部として使用される二次ロック170を含む。図示の実施形態では、二次ロック170はシールド106から延在する。二次ラッチ170は、シールド106と一体的に形成される。二次ロック170は、シールド106にヒンジ接続される又は枢動可能に連結される。二次ロック170は開位置と閉位置との間を移動可能である。開位置では、端子108は、端子チャネル142に挿入されること及びそこから取り外されることが可能になる。閉位置では、二次ロック170は、端子チャネル142から外れないように端子108をロックする。任意で、二次ロック170は、端子位置保証装置として使用され、端子108が組立中に端子チャネル142に完全に装着されることを保証するようにしてもよい。例えば、端子108の一つが完全に装着されていないとき、二次ロック170は、完全に閉位置には移動されず、この端子108が対応する端子チャネル142に完全に装着されていないことを視覚的に示すようにしてもよい。
【0021】
図4は、ハウジング102の断面図である。ハウジング102は、キャリア104とシールド106が嵌合のために整列されている状態で示されている。上述のように、キャリア104とシールド106を共に押圧するだけで、キャリア104とシールド106との間のブリッジ120(
図6を参照)を破壊することによってキャリア104とシールド106が組み立てられるように、ハウジング102は、キャリア104に対して整列された位置に保持されたシールド106と単一ピースとして形成されてもよい。
【0022】
図4は開位置にある二次ロック70を示す。二次ロック170はその先端に段差172,174を有する。シールド106の外側端部156は、二次ロック170の先端を支持する突出部176を含む。例示的一実施形態では、二次ロック170は、突出部176によって複数位置で保持されるように構成される。例えば、突出部176が段差174に収容される時、二次ロック170は中間位置で保持されてもよい。段差172が突出部176に係合すると、二次ロック170は閉位置に保持される。中間位置では、端子108(
図5に示す)は、対応する端子チャネル142に装着されることができる。閉位置では、端子108は、端子チャネル142に装着されること又は端子チャネル142から外れることができない。例示的一実施形態では、組立中、全端子108が端子チャネル142に装着されるまで二次ロック170は中間位置に保持される。全端子108が端子チャネル142に配置されると、二次ロック170が閉位置に移動することができる。
【0023】
シールド106は正面150に引込チャネル180を含む。引込チャネル180は、相手コンタクトをハウジング102内へ案内するように機能する。引込チャネル180は、相手コンタクトをハウジング102内へ案内する面取りした表面182を含む。
【0024】
シールド106は、引込チャネル180と整列され、引込チャネル180の内側に位置するクレードル(収容凹部)184を含む。クレードル184は、端子108を収容するように構成される。クレードル184は、引込チャネル180に対して所定の位置に端子108を保持する。クレードル184は、上壁186、下壁188、側壁190(一方の側壁のみが
図4に示されている)によって画定される。
【0025】
図5は、ハウジング102に装着された端子108を示す電気コネクタ100の断面図である。ハウジング102の組立中に、キャリア104及びシールド106は共に押圧される。
【0026】
端子108は嵌合端部200及びケーブル終端部202を含む。嵌合端部200は、相手コネクタの対応する端子に嵌合するように構成される。ケーブル終端部202は、ケーブル204の端部に対して終端するように構成される。図示の実施形態では、端子108はケーブル204に圧着される。端子108は、他の実施形態では、その他の手段によって、例えば圧接、半田付け等によってケーブル204に対して終端されてもよい。
【0027】
嵌合端部200は、相手端子を収容するように構成されたソケット206を含む。ソケット206は、正面208と背面210との間に延在する。任意で、ソケット206はボックス形でもよい。ソケット206は、端子108を打ち抜き加工と曲げ加工することによって形成されてもよい。端子108は、ソケット206内に延出するばねアーム212を含む。ばねアーム212は、ばねアーム212の先端付近に嵌合接触面214を含む。任意で、端子108内のばねアーム212とほぼ対向する位置に隆起部216が形成されてもよい。隆起部216は、嵌合接触面214及びばねアーム212とほぼ整列された嵌合接触面218を含む。相手端子は、ソケット206内に装着され、嵌合接触面214,218に係合し、端子108を相手端子に電気的に接続するように構成される。
【0028】
例示的一実施形態では、端子108は、端子108の底部から延在する前方延長部220及び後方延長部222を含む。端子ラッチキャビティ224が前方延長部220と後方延長部222との間に画定される。端子ラッチキャビティ224は、端子チャネル142内に端子108を固定するための対応する端子ラッチ144を収容するように構成される。他の実施形態では、端子108は前方延長部220のみを含み、後方延長部222は含まなくてもよい。
【0029】
端子108は、キャリア104の背面132を通って端子チャネル142に装着される。端子108は、端子108の嵌合端部200がクレードル184に収容されるまでハウジング102に差し込まれる。嵌合端部200は、上壁186、下壁188、及び側壁190に係合して、ハウジング102内での端子108の浮動量を制限する。例えば、クレードル184は、端子108の左右への動きだけでなく端子108の上下動も制限又は規制する。嵌合端部200がクレードル184によって保持されることにより、ソケット206への開口が引込チャネル180と整列されることが保証される。嵌合端部200の位置がシールド106のクレードル184によって制御されることによって、端子108が引込チャネル180を有する部分(例えばシールド106)によって位置合わせされることが保証される。嵌合端部200が、キャリア104ではなく、端子108を保持する部分であるシールド106によって制御されるので、シールド106及びキャリア104の位置ずれ又は組立不良による公差への懸念は軽減される。
【0030】
端子ラッチ144は、端子チャネル142の内外への端子108の前方及び後方への動きを制限するために設けられる。例えば、端子ラッチ144は、前方延長部220の後方の端子ラッチキャビティ224に収容されてもよい。端子ラッチ144のロック表面226は、端子チャネル142の外側への端子108の後方移動を係合して阻止する。端子ラッチ144は、端子チャネル142内に端子108を保持するための一次ロック機能部として機能する。二次ロック170は、閉位置において、端子108の背面210の後方に配置されて係合し、端子チャネル142の外への端子108の後方移動を阻止する。任意で、二次ロック170の先端が後方延長部222と係合して端子108が端子チャネル142の外へ移動することを阻止してもよい。
【0031】
図6は、組立前の状態のハウジング102の断面図である。
図6は、キャリア104とシールド106を接続するブリッジ120を備える単一ピースとして成形されたキャリア104及びシールド106を示す。ブリッジ120は内側端部134,154の間に延在する。
【0032】
固定機能部148は側面138,140から延在する。固定機能部168は側面158,160に設けられている。図示の実施形態では、キャリア104の内部がキャビティ162に収容されるように、キャリア104の内部はシールド106の内部よりも幅が狭い。側面158,160は、少なくとも内側端部134において、側面138,140の外側に配置されるように構成される。固定機能部148の一方を
図7により詳細に示す。
【0033】
図7はキャリア104の固定機能部148の拡大図である。固定機能部148は上向きの掛止部240を含む。例示的一実施形態では、掛止部240は、側面138から外方へ延在する。例示的一実施形態では、掛止部240は上向きの凹状ラッチ面242を有する。ラッチ面242は、側面138から遠い外側ラッチ面244と、外側ラッチ面244の内側の内側ラッチ面246によって画定される。ラッチ面242は、内側ラッチ面246が側面138に対して傾斜し、外側ラッチ面244が内側ラッチ面246に対して傾斜した複合傾斜面によって画定される。例示的一実施形態では、ラッチ面242がほぼ凹面形状となるように内側ラッチ面246は下方に傾斜し、外側ラッチ面244は上方に傾斜する。ラッチ面242は、内側及び外側ラッチ面246,244に対して異なる角度で傾斜したその他の面を含んでもよい。図示の実施形態では、内側ラッチ面246は、内側及び外側端部134,136と平行な平面Pに対して鋭角248に傾斜する。外側ラッチ面244は、内側端部134及び外側端部136に平行な平面に対して鋭角250に傾斜する。
【0034】
図8は、シールド106に結合したキャリア104を示すハウジング102の一部の部分断面図である。固定機能部148は、固定機能部168と係合してキャリア104をシールド106に連結する。固定機能部168は、ラッチ面242と側面138との間に画定された領域に拘束される。例示的一実施形態では、外側ラッチ面244が内側ラッチ面246に対して反対の角度に傾斜しているので、外側ラッチ面244が固定機能部168と係合する時、キャリア104は外側ラッチ面244によって更にシールド106内に押し込まれる。固定機能部148は、シールド106に対してキャリア104を保持する。固定機能部148は、キャリア104とシールド106との間の任意の傾斜をとる。
【0035】
図9はハウジング102の一部の部分断面図である。ガイド機能部146及びガイド機能部166が
図9に示されている。図示の実施形態では、ガイド機能部146はダブテイルを構成する。ガイド機能部166はガイド機能部146を収容するダブテイル開口を構成する。ダブテイル開口はガイド機能部146が引っ張られてガイド機能部166から外れないようにする。
【0036】
図10は、例示的一実施形態に従って形成された端子ラッチ144を示す。端子ラッチ144は、固定端260及び自由端262を含む。固定端260はキャリア104の本体から延在する。端子ラッチ144はキャリア104と一体形成されてもよい。端子ラッチ144は、キャリア144から片持ち状に、自由端262まで延在するように構成される。自由端262では、端子ラッチ144はロック面226を含み、このロック面226は略垂直な面でもよい。自由端262では、端子ラッチ144はロック面226に対して傾斜した解放面264を含んでもよい。解放面264は、端子ラッチ144を動かして端子ラッチ144を端子108(
図5に示す)から解放する抜出器具が係合するように構成される。例えば、抜出器具は、引込チャネル180(
図2に示す)に隣接する抜出窓266(
図2に示す)に挿入されてもよい。抜出窓266によって解放面264に接触することができ、端子ラッチキャビティ224から端子ラッチ144を抜き出し、それによって端子キャビティ142(
図3に示す)から端子108を解放する。
【0037】
図11は端子108に対する係止位置にある端子ラッチ144を示す。端子ラッチ144は、前方延長部220と後方延長部222との間の端子ラッチキャビティ224に収容される。ロック面226は前方延長部220の真後ろに配置される。図示の実施形態では、前方延長部220は、ソケット206の両側間を端子108の約半分まで延在する。従って、解放面264を露出する空間が設けられ、抜出器具が前方延長部220を越えて解放面264と係合し、端子108から端子ラッチ144を解放する。解放されると、端子ラッチ144は、ロック面226が前方延長部220から離れるまで端子108から撓ませられたり曲げられたりする。他の実施形態では、その他の種類のラッチを使用してハウジング102(
図1に示す)に端子108を保持してもよい。
【0038】
図12は例示的一実施形態に従って形成される電気コネクタ300の正面の斜視図である。電気コネクタ300は電気コネクタ100と類似している。電気コネクタ300は、ハウジング302を画定するキャリア304(
図13に示す)とキャリア304に嵌合可能なシールド306を有するハウジング302を含む。
【0039】
キャリア304は、相手コネクタ(図示せず)の対応する相手コンタクトと嵌合するように構成された複数の端子308(
図16に示す)を保持するように構成される。端子308は端子108(
図5に示す)と類似していてもよいし又は同一でもよい。
【0040】
シールド306は端子308一部を包囲する。例示的一実施形態では、シールド306は、電気コネクタ300の相手コネクタへの嵌合中に対応する端子308と係合するように相手端子を案内するために使用される。ハウジングラッチ310は、電気コネクタ300を相手コネクタに固定するために使用される。図示の実施形態では、ハウジングラッチ310はシールド306から延在する。
【0041】
ハウジング302は、電気コネクタ300の相手コネクタへの嵌合中に相手コネクタに対して電気コネクタ300を整列させるために使用されるアライメント機能部312を含む。任意で、アライメント機能部312はキーイング機能部を構成してもよく、その場合、電気コネクタ300は、アライメント機能部312によって定められた一つの向きに相手コネクタと嵌合してもよい。例えば、図示の実施形態では、ハウジング302の一方の側面の上部付近に1つのアライメント機能部312が設けられ、ハウジング302の反対側面の底部付近に1つのアライメント機能部312が設けられる。
【0042】
図13は、ハウジング302を上面及び正面から見た斜視図である。
図14はハウジング302を上面及び背面から見た斜視図である。例示的一実施形態では、ハウジング302が製造される時、キャリア304とシールド306は、キャリア304とシールド306を接続するブリッジ320を備える単一ピースとして成形される。成形後のある時点で、ブリッジ320は、キャリア304をシールド306から分離するために破壊される。例えば、例示的一実施形態では、シールド306が、キャリア304と嵌合するために整列され、それによって、キャリア304が、装着方向、例えば矢印Bの方向にシールド306に向かって真っ直ぐ押圧されるようにハウジング302が製造される。
【0043】
ブリッジ320は、キャリア304のシールド306への装着中に破壊される。ブリッジ320は、キャリア304及び/又はシールド306に圧力を加えることによって破壊されてもよい。他の実施形態では、ハウジング302の製造後に、キャリア304とシールド306は、ブリッジ320を破壊することによって互いから分離され、キャリア304とシールド306を後で組み立てるために別々の容器に入れておいてもよい。キャリア304とシールド306が同一の金型を使用して同時に共成形されることによって、ハウジング302をより大量に製造することができるようになる。
【0044】
キャリア304は誘電材料から製造される。キャリア304は、正面330、背面332、内側端部334、外側端部336、及び両側面338,340を含む。キャリア340は、正面330と背面332との間に延在する複数の端子チャネル342を有する。端子チャネル342は、対応する端子308(
図16に示す)を内部に収容するように構成される。キャリア304は、端子チャネル342内に延出する端子ラッチ344を有する。端子ラッチ344は、対応する端子308と係合して端子チャネル342内で端子308を固定するように構成される。
【0045】
キャリア304は、キャリア304とシールド306の嵌合を案内するために使用されるガイド機能部346を含む。図示の実施形態では、ガイド機能部346は、シールド306に収容されるように構成されたダブテイルである。
【0046】
キャリア304は、キャリア304をシールド306に確実に連結するようにシールド306と係合するように構成された固定機能部348,349を含む。例示的一実施形態では、固定機能部348は、側面338,340にポケットを構成する。図示の実施形態では、固定機能部349は、キャリア304から外側に延在するタブ又は突起を構成する。
【0047】
シールド306は誘電材料から製造される。シールド306は、正面350、背面352、内側端部354、外側端部356、及び両側面358,360を含む。シールド306は、正面350と背面352との間に延在するキャビティ362を有する。キャビティ362はキャリア304を内部に収容するように構成される。
【0048】
シールド306は、キャリア304とシールド306の嵌合を案内するために使用されるガイド機能部366を含む。図示の実施形態では、ガイド機能部366は、キャリア304のガイド機能部346を収容するダブテイルチャネルである。
【0049】
シールド306は、キャリア304をシールド306に確実に連結するようにシールド306と係合するように構成された固定機能部368を含む。例示的一実施形態では、固定機能部368は、キャビティ362の両側からキャビティ362内に延出する掛止部を構成する。この掛止部は、キャリア304のポケットに収容されてキャリア304をシールド306に対して固定するように構成される。
【0050】
内側端部334,354は互いに対向する。組立中、キャリア304の内側端部334はシールド306のキャビティ362に押圧される。任意で、単一ピースとして製造される場合、内側端部334,354は略同一平面上に存在する。ブリッジ320は内側端部334,354を互いに接続する。例えば、成形加工中に、ブリッジ320は内側端部334,354間に延出する。キャリア304は、外側端部336がハウジング302の底面を画定するような向きに配置される。シールド306は、外側端部356がハウジング302の上面を画定するような向きに配置される。
【0051】
例示的一実施形態では、ブリッジ320は、キャリア304の側面338,340とシールド306の夫々対応する側面358,360との間に延在する。例えば、側面338はブリッジ320によって側面358に接続され、側面340はブリッジ320によって側面360に接続される。ブリッジ320が延在する長さは任意でよい。任意で、ブリッジ320は、側面338,340,358,360の全長に延在してもよい。例示的一実施形態では、ブリッジ320はガイド機能部346とガイド機能部366との間に延在する。ブリッジ320は他の実施形態では他の場所に位置してもよい。
【0052】
ハウジング302は、端子チャネル342内に端子308を固定するための補助ロック機能部として使用される二次ロック370を含む。図示の実施形態では、二次ロック370はキャリア304から延在する。二次ロック370は、キャリア304と一体的に形成される。二次ロック370はキャリア304に枢動可能に結合される。二次ロック370は開位置と閉位置との間を移動可能である。開位置では、端子308は、端子チャネル342に挿入されること及びそこから取り外されることが可能になる。閉位置では、二次ロック370は、端子チャネル342から外れないように端子308をロックする。任意で、二次ロック370は、端子位置保証装置として使用され、端子308が組立中に端子チャネル342に完全に装着されることを保証するようにしてもよい。例えば、端子308の一つが完全に装着されていない時、二次ロック370は、完全に閉位置には移動されず、この端子308が対応する端子チャネル342に完全に装着されていないことを視覚的に示すようにしてもよい。
【0053】
図15は、ハウジング302の断面図である。ハウジング302は、キャリア304とシールド306が嵌合のために整列されている状態で示されている。上述のように、キャリア304とシールド306をともに押圧するだけで、キャリア304とシールド306との間のブリッジ320を破壊することによってキャリア304とシールド306が組み立てられるように、ハウジング302は、キャリア304に対して整列された位置に保持されたシールド306と単一ピースとして形成されてもよい。
【0054】
図16は、ハウジング302に装着された端子308を示す電気コネクタ300の断面図である。ハウジング302の組立中に、キャリア304及びシールド306は共に押圧される。
図16は、端子308を端子チャネル342内にロックする閉位置の二次ロック370を示す。
【0055】
シールド306は正面350に引込チャネル380を含む。引込チャネル380は、相手コンタクトをハウジング302内へ案内するように機能する。引込チャネル380は、相手コンタクトをハウジング302内へ案内する面取りした表面382を含む。
【0056】
シールド306は、引込チャネル380と整列され、引込チャネル380の内側に位置するクレードル384を含む。クレードル384は、端子308を収容するように構成される。クレードル384は、引込チャネル380に対して所定の位置に端子308を保持する。クレードル384は、上壁386、下壁388、側壁390(一方の側壁のみが
図16に示されている)によって画定される。
【0057】
端子308は嵌合端部392及びケーブル終端部394を含む。嵌合端部392は、相手コネクタの対応する端子に嵌合するように構成される。ケーブル終端部394は、ケーブル396の端部に対して終端するように構成される。端子308は、キャリア304の背面332を通って端子チャネル342に装着される。端子308は、端子308の嵌合端部392がクレードル384に収容されるまでハウジング302に差し込まれる。嵌合端部392は、上壁386、下壁388、及び側壁390に係合して、ハウジング302内での端子308の浮動量を制限する。例えば、クレードル384は、端子308の左右への動きだけでなく端子308の上下動も制限又は規制する。嵌合端部392がクレードル384によって保持されることにより、ソケットへの開口が引込チャネル380と整列されることが保証される。嵌合端部392の位置がシールド306のクレードル384によって制御されることによって、端子308が引込チャネル380を有する部分(例えばシールド306)によって位置合わせされることが保証される。嵌合端部392が、キャリア304ではなく、端子308を保持する部分であるシールド306によって制御されるので、シールド306及びキャリア304の位置ずれ又は組立不良による公差への懸念は軽減される。
【0058】
端子ラッチ344は、端子チャネル342の内外への端子308の前方及び後方への動きを制限するために設けられる。端子ラッチ344は、端子チャネル342内に端子308を保持するための一次ロック機能部として機能する。二次ロック370は、閉位置において、端子308の背面の後方に配置されて係合し、端子チャネル342の外への端子308の後方移動を阻止する。
【0059】
図17及び18は、夫々、例示的一実施形態に従って形成される電気コネクタ400を正面及び背面から見た斜視図である。電気コネクタ400は電気コネクタ100,300と類似している。電気コネクタ400は、ハウジング402を画定するためのキャリア404とキャリア404に嵌合可能なシールド406を有するハウジング402を含む。キャリア404は、キャリア404をシールド406から分離するために破壊されるブリッジによってシールド406に接続される。電気コネクタ400は、電気コネクタ300よりも少ない端子チャネルを含む点で電気コネクタ300とは異なっている。電気コネクタ400は、電気コネクタ300と類似の方法で製造されて組み立てられる。
【0060】
図19及び20は、夫々、例示的一実施形態に従って形成される電気コネクタ500を正面及び背面から見た斜視図である。電気コネクタ500は、ハウジング502を画定するためのキャリア504とキャリア504に嵌合可能なシールド506を有するハウジング502を含む。電気コネクタ500は、電気コネクタ300よりも多い端子チャネル542を含む点で電気コネクタ300とは異なる。電気コネクタ500は、2列に並んだ端子チャネル542を含む。電気コネクタ500は、キャリア504上に二次ロック570を、シールド506上に二次ロック571を含む。電気コネクタ500は、電気コネクタ300と類似の方法で製造されるが、キャリア504は2列又は2組の端子ラッチ544を含み、シールド506は2列の引込チャネル580を含む。
【0061】
電気コネクタ500は、電気コネクタ300と類似の方法で組み立てられ、キャリア504をシールド506に押圧する時にキャリア504とシールド506との間のブリッジは破壊される。シールド506は、電気コネクタ500の相手コネクタへの嵌合中にキャリア504によって保持された対応する端子と係合するように相手端子を案内するために使用される。
【0062】
当然のことながら、上記の記述は例示的なものであって制限的なものではない。例えば、上述の実施形態(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて用いられてもよい。更に、本発明の範囲から逸脱せずに本発明の教示に特定の状況又は材料を適応させるように多くの修正がなされてもよい。様々なコンポーネントの寸法、材料の種類、向き、及び本書に記述した様々なコンポーネントの数及び位置は、特定の実施形態のパラメータを定義することを意図しており、決して制限的なものではなく、例示的一実施形態に過ぎない。請求項の精神及び範囲内の多くのその他の実施形態及び修正は、上記の記述を検討すれば当業者には明らかとなる。本発明の範囲は、従って、添付の請求項と、これらの請求項に認められる等価物の全範囲と共に参照して決定されることになる。添付の請求項において、“including(を含む)”及び“in which(において、であって等)”という用語は、夫々、“comprising(を備える)”及び“wherein(であって等)”という用語の平易な英語として使用される。更に、以下の請求項では、“first(第1の)”、“second(第2の)”、及び“third(第3の)”等は、標識として使用されているに過ぎず、その物体に対して数量に関する要件を課すものではない。更に、以下の請求項の制限事項は、ミーンズプラスファンクション形式では書かれておらず、これらの請求項の制限事項が、更なる構造を有しないファンクションの記述が続く“means for”というフレーズを明示的に使用しない限り、35U.S.C§112の第6パラグラフに基づいて解釈されるものではない。