(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1に記載のサービスや特許文献1に記載の技術は、駐車場と公共交通機関の利用者がパークアンドライドの純然たる利用者でなくとも、優遇されてしまうことがある。
【0008】
例えば、Aさんは、Bさん宅へ遊びに行く目的で、Bさん宅の近隣の駐車場に駐車したとする。そして、長時間が経過した後、AさんとBさんは、夕飯を食べるために、公共交通機関を利用して隣町まで移動したとする。このような場合にも、非特許文献1に記載のサービスや特許文献1に記載の技術によれば、Aさんは、駐車場と公共交通機関の利用に同じICカードを用いれば、パークアンドライドを行ったとして優遇されることになる。
【0009】
また、例えば、CさんとDさんは、取引先の会社にて商談するのに、その会社の近隣の駐車場に駐車したとする。そして、取引先との商談を終えた後、Dさんは、Cさんが帰宅するのに都合のよい公共交通機関の乗降所まで、自動車にてCさんを送り届けたとする。そして、Cさんは、駐車場にて使用したICカードを用いて、公共交通機関を利用したとする。このような場合にも、特許文献1に記載の技術によれば、駐車場と公共交通機関の乗降所とが、パークアンドライドを行うのに不適切なほど離れていたとしても、Cさんは、パークアンドライドを行ったとして優遇されることになる。
【0010】
このように、非特許文献1に記載のサービスや特許文献1に記載の技術によっては、パークアンドライドの純然たる利用者ではない者に悪用される虞があり、そのような利用者が蔓延すれば、パークアンドライドの純然たる利用者が駐車場を利用することができないといったことも考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、パークアンドライドの利用を検知するパークアンドライド検知システムであって、パークアンドライドの利用を検知するパークアンドライド検知装置を備え、パークアンドライド検知装置は、同じ利用者による、駐車場の利用開始時刻から、公共交通機関の利用開始時刻までの時間が、駐車場から公共交通機関の乗降所までの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定するパークアンドライド開始判定部を有する。
【0012】
公共交通機関の利用に関する情報を処理する公共交通機関装置を更に備え、公共交通機関装置は、公共交通機関の利用が開始された場合に、利用が開始された公共交通機関の乗降所と、公共交通機関の利用者と、公共交通機関の利用開始時刻とを少なくとも示す公共交通機関データを、パークアンドライド検知装置へ送信する公共交通機関データ送信部を有し、パークアンドライド検知装置は、公共交通機関装置から送信された公共交通機関データを受信する公共交通機関データ受信部を更に有し、パークアンドライド検知装置のパークアンドライド開始判定部は、公共交通機関データ受信部が受信した公共交通機関データによって示される利用者による、駐車場の利用開始時刻から、公共交通機関データによって示される公共交通機関の利用開始時刻までの時間が、駐車場から公共交通機関データによって示される公共交通機関の乗降所までの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定する。
【0013】
駐車場の利用に関する情報を処理する駐車場装置を更に備え、駐車場装置は、駐車場の利用が開始された場合に、利用が開始された駐車場と、駐車場の利用者と、駐車場の利用開始時刻とを少なくとも示す駐車場利用開始データを、パークアンドライド検知装置へ送信する駐車場利用開始データ送信部を有し、パークアンドライド検知装置は、駐車場装置から送信された駐車場利用開始データを受信する駐車場利用開始データ受信部を更に有し、パークアンドライド検知装置のパークアンドライド開始判定部は、駐車場利用開始データ受信部が受信した駐車場利用開始データによって示される利用者による、駐車場利用開始データによって示される駐車場の利用開始時刻から、公共交通機関の利用開始時刻までの時間が、駐車場利用開始データによって示される駐車場から公共交通機関の乗降所までの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定する。
【0014】
パークアンドライド検知装置は、パークアンドライドの利用者による、駐車場の利用が終了された場合に、パークアンドライドの利用が終了されたと判定するパークアンドライド終了判定部を更に有する。
【0015】
駐車場装置は、駐車場の利用が終了された場合に、駐車場の利用者を少なくとも示す駐車場利用終了データを、パークアンドライド検知装置へ送信する駐車場利用終了データ送信部を更に有し、パークアンドライド検知装置は、駐車場装置から送信された駐車場利用終了データを受信する駐車場利用終了データ受信部を更に有し、パークアンドライド検知装置のパークアンドライド終了判定部は、駐車場利用終了データ受信部が受信した駐車場利用終了データによって示される駐車場の利用者による、パークアンドライドの利用が終了されたと判定する。
【0016】
本発明の第2の形態によると、パークアンドライドの利用を検知するパークアンドライド検知装置であって、同じ利用者による、駐車場の利用開始時刻から、公共交通機関の利用開始時刻までの時間が、駐車場から公共交通機関の乗降所までの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定するパークアンドライド開始判定部を備える。
【0017】
本発明の第3の形態によると、パークアンドライドの利用を検知するパークアンドライド検知装置を制御する制御方法であって、同じ利用者による、駐車場の利用開始時刻から、公共交通機関の利用開始時刻までの時間が、駐車場から公共交通機関の乗降所までの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定するパークアンドライド開始判定段階を備える。
【0018】
本発明の第4の形態によると、パークアンドライドの利用を検知するパークアンドライド検知装置用のプログラムであって、パークアンドライド検知装置を、同じ利用者による、駐車場の利用開始時刻から、公共交通機関の利用開始時刻までの時間が、駐車場から公共交通機関の乗降所までの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定するパークアンドライド開始判定部として機能させる。
【0019】
なおまた、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から明らかなように、この発明は、純然たるパークアンドライドの利用を検知することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、パークアンドライド検知システム100の利用環境の一例を示す。パークアンドライド検知システム100は、パークアンドライドの利用を検知するシステムである。
【0024】
パークアンドライド検知システム100は、パークアンドライド検知装置110、複数の駐車場装置130a、b、c、・・・(以下、駐車場装置130と総称する。)、及び複数の公共交通機関装置150a、b、c、・・・(以下、公共交通機関装置150と総称する。)を備える。
【0025】
パークアンドライド検知装置110は、パークアンドライドの利用を検知する装置である。より具体的に説明すると、パークアンドライド検知装置110は、各駐車場装置130、及び各公共交通機関装置150とそれぞれ通信回線Nを介して接続される。ここで、通信回線Nは、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークを含む。
【0026】
駐車場装置130は、駐車場の利用に関する情報を処理する装置である。より具体的に説明すると、駐車場装置130は、複数の駐車場Pa、b、c、・・・(以下、駐車場Pと総称する。)に、それぞれ設けられている。また、各駐車場Pa、b、c、・・・には、自動精算機Ea、b、c、・・・(以下、自動精算機Eと総称する。)がそれぞれ設けられている。そして、駐車場装置130は、同じ駐車場Pに共に設けられた自動精算機Eと電気的に接続されている。ここで、自動精算機Eとは、駐車場Pの料金を徴収するために設置されている機械である。
【0027】
公共交通機関装置150は、鉄道の利用に関する情報を処理する装置である。より具体的に説明すると、公共交通機関装置150は、複数の鉄道駅Sa、b、c、・・・(以下、鉄道駅Sと総称する。)にそれぞれ設けられている。また、各鉄道駅Sa、b、c、・・・には、自動改札機Ga、b、c、・・・(以下、自動改札機Gと総称する。)がそれぞれ設けられている。そして、公共交通機関装置150は、同じ鉄道駅Sに共に設けられた自動改札機Gと電気的に接続されている。ここで、自動改札機Gとは、鉄道駅Sの改札口に設置されている機械で、改札業務を人間に代わって行うものである。なおまた、鉄道は、この発明における「公共交通機関」の一例であってよい。また、鉄道駅Sは、この発明における「乗降所」の一例であってよい。
【0028】
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、パークアンドライド検知システム100が一のパークアンドライド検知装置110を備える構成について説明するが、パークアンドライド検知システム100は、複数のパークアンドライド検知装置110を備えてよい。
【0029】
図2は、パークアンドライド検知装置110のブロック構成の一例を示す。パークアンドライド検知装置110は、駐車場利用開始データ受信部111、公共交通機関データ受信部112、パークアンドライド開始判定部113、駐車場利用終了データ受信部114、パークアンドライド終了判定部115、許容時間情報格納部116、及びパークアンドライド情報格納部117を有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0030】
駐車場利用開始データ受信部111は、駐車場装置130から送信された駐車場利用開始データを受信する。ここで、駐車場利用開始データとは、駐車場IDと、利用者IDと、駐車場Pの利用開始時刻とを少なくとも示すデータである。駐車場利用開始データの駐車場ID(identifier)は、この発明における「利用が開始された駐車場」を示す情報の一例であってよい。また、駐車場利用開始データの利用者IDは、この発明における「駐車場の利用者」を示す情報の一例であってよい。
【0031】
公共交通機関データ受信部112は、公共交通機関装置150から送信された公共交通機関データを受信する。ここで、公共交通機関データとは、鉄道駅IDと、利用者IDと、鉄道の利用開始時刻とを少なくとも示すデータである。公共交通機関データの鉄道駅IDは、この発明における「利用が開始された公共交通機関の乗降所」を示す情報の一例であってよい。
【0032】
パークアンドライド開始判定部113は、同じ利用者による、駐車場Pの利用開始時刻から、鉄道の利用開始時刻までの時間が、駐車場Pから鉄道駅Sまでの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定する。より具体的に説明すると、パークアンドライド開始判定部113は、公共交通機関データ受信部112が受信した公共交通機関データの利用者IDによって示される利用者による、駐車場Pの利用開始時刻から、公共交通機関データによって示される鉄道の利用開始時刻までの時間が、駐車場Pから公共交通機関データの鉄道駅IDによって示される鉄道駅Sまでの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定する。また、パークアンドライド開始判定部113は、駐車場利用開始データ受信部111が受信した駐車場利用開始データの利用者IDによって示される利用者による、駐車場利用開始データによって示される駐車場Pの利用開始時刻から、鉄道の利用開始時刻までの時間が、駐車場利用開始データの駐車場IDによって示される駐車場Pから鉄道駅Sまでの移動時間を見越して予め設定された許容時間内である場合に、パークアンドライドの利用が開始されたと判定する。
【0033】
駐車場利用終了データ受信部114は、駐車場装置130から送信された駐車場利用終了データを受信する。ここで、駐車場利用終了データとは、利用者IDを少なくとも示すデータである。駐車場利用終了データの利用者IDは、この発明における「駐車場の利用者」を示す情報の一例であってよい。
【0034】
パークアンドライド終了判定部115は、パークアンドライドの利用者による、駐車場Pの利用が終了された場合に、パークアンドライドの利用が終了されたと判定する。より具体的に説明すると、パークアンドライド終了判定部115は、駐車場利用終了データ受信部114が受信した駐車場利用終了データの利用者IDによって示される駐車場Pの利用者による、パークアンドライドの利用が終了されたと判定する。
【0035】
図3は、許容時間情報格納部116に格納されている情報の一例をテーブル形式で示す。許容時間情報格納部116には、駐車場ID、鉄道駅ID、及び許容時間(分)の各情報が対応付けられて格納されている。
【0036】
駐車場IDは、複数の駐車場Pa、b、c、・・・の中で、各駐車場Pを一意に識別するための識別符号である。鉄道駅IDは、複数の鉄道駅Sa、b、c、・・・の中で、各鉄道駅Sを一意に識別するための識別符号である。許容時間(分)は、駐車場IDによって識別される駐車場Pの利用開始時刻から、鉄道駅IDによって識別される鉄道駅Sの利用開始時刻までの時間が、パークアンドライドの利用が開始されたと判定されるために許容される時間である。
【0037】
図4は、パークアンドライド情報格納部117に格納される情報の一例をテーブル形式で示す。パークアンドライド情報格納部117には、利用者ID、開始日時(年/月/日/時:分)、及び終了日時(年/月/日/時:分)の各情報が対応付けられて格納される。
【0038】
利用者IDは、パークアンドライド検知システム100の複数の利用者の中で、各利用者を一意に識別するための識別符号である。開始日時(年/月/日/時:分)は、利用者IDによって識別される利用者がパークアンドライドの利用を開始した日時である。終了日時(年/月/日/時:分)は、利用者IDによって識別される利用者がパークアンドライドの利用を終了した日時である。
【0039】
図5は、駐車場装置130aのブロック構成の一例を示す。駐車場装置130aは、駐車場利用開始データ入力受付部131a、駐車場利用開始データ送信部132a、駐車場利用終了データ入力受付部133a、及び駐車場利用終了データ送信部134aを有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0040】
なおまた、駐車場装置130a以外の駐車場装置130b、c、・・・も、駐車場装置130aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、駐車場装置130が有する構成要素がいずれの駐車場装置130の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する駐車場装置130と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、駐車場利用開始データ入力受付部131a、駐車場利用開始データ入力受付部131b、及び駐車場利用開始データ入力受付部131cは、それぞれ駐車場装置130a、駐車場装置130b、及び駐車場装置130cの構成要素であることを示す。
【0041】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、駐車場利用開始データ入力受付部131で説明された機能及び動作は、駐車場利用開始データ入力受付部131a、駐車場利用開始データ入力受付部131b、駐車場利用開始データ入力受付部131c、・・・の機能及び動作を示す。
【0042】
駐車場利用開始データ入力受付部131は、駐車場Pの利用が開始された場合に、自動精算機Eから出力された駐車場利用開始データの入力を受け付ける。
【0043】
駐車場利用開始データ送信部132は、駐車場Pの利用が開始された場合に、駐車場利用開始データを、パークアンドライド検知装置110へ送信する。
【0044】
駐車場利用終了データ入力受付部133は、駐車場Pの利用が終了された場合に、自動精算機Eから出力された駐車場利用終了データの入力を受け付ける。
【0045】
駐車場利用終了データ送信部134は、駐車場Pの利用が終了された場合に、駐車場利用終了データを、パークアンドライド検知装置110へ送信する。
【0046】
図6は、公共交通機関装置150aのブロック構成の一例を示す。公共交通機関装置150aは、公共交通機関データ入力受付部151a、及び公共交通機関データ送信部152aを有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0047】
なおまた、公共交通機関装置150a以外の公共交通機関装置150b、c、・・・も、公共交通機関装置150aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、公共交通機関装置150が有する構成要素がいずれの公共交通機関装置150の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する公共交通機関装置150と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、公共交通機関データ入力受付部151a、公共交通機関データ入力受付部151b、及び公共交通機関データ入力受付部151cは、それぞれ公共交通機関装置150a、公共交通機関装置150b、及び公共交通機関装置150cの構成要素であることを示す。
【0048】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、公共交通機関データ入力受付部151で説明された機能及び動作は、公共交通機関データ入力受付部151a、公共交通機関データ入力受付部151b、公共交通機関データ入力受付部151c、・・・の機能及び動作を示す。
【0049】
公共交通機関データ入力受付部151は、鉄道の利用が開始された場合に、自動改札機Gから出力された公共交通機関データの入力を受け付ける。
【0050】
公共交通機関データ送信部152は、鉄道の利用が開始された場合に、公共交通機関データを、パークアンドライド検知装置110へ送信する。
【0051】
図7は、パークアンドライド検知装置110、駐車場装置130、及び公共交通機関装置150の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、パークアンドライドが開始されるときの動作を示す。この動作シーケンスの説明においては、
図1から
図6を共に参照する。
【0052】
利用者は、ある目的地まで移動するのに、パークアンドライド検知システム100にかかるサービスを受けようとする場合、パークアンドライド検知システム100の対象の駐車場Pに駐車する。利用者は、駐車場Pを利用するのに、ICカードを用いる。このICカードには、利用者IDが記録されているものとする。
【0053】
利用者は、駐車場Pの利用を開始するにあたり、駐車場Pに設けられた自動精算機Eにて、ICカードを用いて駐車場Pの利用を開始する旨の操作を行う。その際、自動精算機Eは、ICカードに記録されている利用者IDを読み取る。そして、自動精算機Eは、読み取った利用者IDと、駐車場Pの駐車場IDと、この利用者による駐車場Pの利用開始時刻とを示す駐車場利用開始データを、駐車場装置130へ出力する。
【0054】
駐車場装置130の駐車場利用開始データ入力受付部131は、自動精算機Eから出力された駐車場利用開始データの入力を受け付けると(S101)、その駐車場利用開始データを、駐車場利用開始データ送信部132へ送る。
【0055】
駐車場装置130は、駐車場利用開始データ入力受付部131から送られた駐車場利用開始データを受け取ると、その駐車場利用開始データを、パークアンドライド検知装置110へ送信する(S102)。
【0056】
パークアンドライド検知装置110の駐車場利用開始データ受信部111は、駐車場装置130から送信された駐車場利用開始データを受信すると、その駐車場利用開始データによって示される利用者IDと、駐車場IDと、駐車場Pの利用開始時刻の各情報を対応付けて、パークアンドライド情報格納部117に格納する。
【0057】
一方、利用者は、駐車場Pからパークアンドライド検知システム100の対象の鉄道の鉄道駅Sまで、例えば、徒歩にて移動する。そして、利用者は、その鉄道駅Sから鉄道を利用して目的地まで移動するにあたり、鉄道駅Sに設けられた自動改札機Gにて、ICカードを用いて鉄道の利用を開始する旨の操作を行う。その際、自動改札機Gは、ICカードに記録されている利用者IDを読み取る。そして、自動改札機Gは、読み取った利用者IDと、鉄道駅Sの鉄道駅IDと、この利用者による鉄道の利用開始時刻とを示す公共交通機関データを、公共交通機関装置150へ出力する。
【0058】
公共交通機関装置150の公共交通機関データ入力受付部151は、自動改札機Gから出力された公共交通機関データの入力を受け付けると(S103)、その公共交通機関データを、公共交通機関データ送信部152へ送る。
【0059】
公共交通機関装置150の公共交通機関データ送信部152は、公共交通機関データ入力受付部151から送られた公共交通機関データを受け取ると、その公共交通機関データを、パークアンドライド検知装置110へ送信する(S104)。
【0060】
パークアンドライド検知装置110の公共交通機関データ受信部112は、公共交通機関装置150から送信された公共交通機関データを受信すると、その公共交通機関データを、パークアンドライド開始判定部113へ送る。
【0061】
パークアンドライド検知装置110のパークアンドライド開始判定部113は、公共交通機関データ受信部112から送られた公共交通機関データを受け取ると、その公共交通機関データによって示される情報と、許容時間情報格納部116、及びパークアンドライド情報格納部117に格納されている情報とに基づいて、パークアンドライドの利用が開始されたか否かを判定する(S105)。
【0062】
より具体的に説明すると、パークアンドライド開始判定部113は、パークアンドライド検知装置110に格納されている利用者IDの情報の中から、公共交通機関データによって示される利用者IDと同じ利用者IDを検索する。該当する利用者IDが存在しない場合、パークアンドライド開始判定部113は、パークアンドライドの利用は開始されていないと判定する。
【0063】
一方、該当する利用者IDが存在する場合、パークアンドライド開始判定部113は、パークアンドライド情報格納部117に格納されている情報の中から、該当する利用者IDに対応付けられて格納されている駐車場IDと、駐車場利用開始日時(年/月/日/時:分)の各情報を読み出す。
【0064】
そして、パークアンドライド開始判定部113は、パークアンドライド情報格納部117から読み出した駐車場利用開始日時(年/月/日/時:分)の時刻から、公共交通機関データによって示される鉄道の利用開始時刻までの時間を算出する。
【0065】
そして、パークアンドライド開始判定部113は、許容時間情報格納部116に格納されている許容時間(分)の情報の中から、パークアンドライド情報格納部117から読み出した駐車場IDと、公共交通機関データによって示される鉄道駅IDとに対応付けられて格納されている許容時間(分)の情報を読み出す。
【0066】
そして、パークアンドライド開始判定部113は、上記の算出した時間が、許容時間情報格納部116から読み出した許容時間内である場合、パークアンドライドの利用が開始されたと判定する。一方、上記の算出した時間が、許容時間情報格納部116から読み出した許容時間内ではない場合、パークアンドライドの利用は開始されていないと判定する。
【0067】
そして、パークアンドライド開始判定部113は、パークアンドライドの利用を開始した利用者の利用者IDに、鉄道駅ID、及びパークアンドライドの開始日時である鉄道の利用開始時刻の情報を対応付けて、パークアンドライド情報格納部117に格納する。
【0068】
図8は、パークアンドライド検知装置110、及び駐車場装置130の動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、パークアンドライドが終了されるときの動作を示す。この動作シーケンスの説明においては、
図1から
図7を共に参照する。
【0069】
利用者は、駐車場Pの利用を終了するにあたり、駐車場Pに設けられた自動精算機Eにて、ICカードを用いて駐車場Pの利用を終了する旨の操作を行う。その際、自動精算機Eは、ICカードに記録されている利用者IDを読み取る。そして、自動精算機Eは、読み取った利用者IDと、この利用者による駐車場Pの利用終了時刻とを示す駐車場利用終了データを、駐車場装置130へ出力する。
【0070】
駐車場装置130の駐車場利用終了データ入力受付部133は、自動精算機Eから出力された駐車場利用終了データの入力を受け付けると(S201)、その駐車場利用終了データを、駐車場利用終了データ送信部134へ送る。
【0071】
駐車場装置130の駐車場利用終了データ送信部134は、駐車場利用終了データ入力受付部133から送られた駐車場利用終了データを受け取ると、その駐車場利用終了データを、パークアンドライド検知装置110へ送信する(S202)。
【0072】
パークアンドライド検知装置110の駐車場利用終了データ受信部114は、駐車場装置130から送信された駐車場利用終了データを受信すると、その駐車場利用終了データを、パークアンドライド終了判定部115へ送る。
【0073】
パークアンドライド検知装置110のパークアンドライド終了判定部115は、駐車場利用終了データ受信部114から送られた駐車場利用終了データを受け取ると、その駐車場利用終了データの利用者IDによって示される利用者による、パークアンドライドの利用が終了されたと判定する(S203)。そして、パークアンドライド終了判定部115は、駐車場利用終了データによって示される駐車場Pの利用終了時刻の情報を、駐車場利用終了データによって示される利用者IDと対応付けて、パークアンドライド情報格納部117に格納する。
【0074】
例えば、パークアンドライド検知システム100は、パークアンドライドを利用した利用者に対して、インセンティブを与えるビジネスモデルと共に実施されることにより、より魅力的なシステムとなり得る。例えば、パークアンドライド検知システム100の事業者は、パークアンドライド情報格納部117に格納された駐車場利用開始データ、公共交通機関データ、駐車場利用終了データと、それらに紐付いた利用者ID、駐車場IDを用いて、パークアンドライドの開始日時から終了日時までの間に利用者が購入した商品の値段や、サービスの料金を割引く等することが考えられる。または、パークアンドライド終了後に、パークアンドライドの利用に基づいて、事業者の任意のサービスを提供するとしてもよい。
【0075】
以上説明したように、パークアンドライド検知システム100は、純然たるパークアンドライドの利用を検知することができる。
【0076】
図9は、パークアンドライド検知装置110、駐車場装置130、及び公共交通機関装置150をコンピュータ等の電子情報処理装置で構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。パークアンドライド検知装置110、駐車場装置130、及び公共交通機関装置150は、CPU(Central Processing Unit)周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ801により相互に接続されるCPU802、RAM(Random Access Memory)803、グラフィック・コントローラ804、及び表示装置805を有する。入出力部は、入出力コントローラ806によりホスト・コントローラ801に接続される通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ809を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ806に接続されるROM(Read Only Memory)810、フレキシブルディスク・ドライブ811、及び入出力チップ812を有する。
【0077】
ホスト・コントローラ801は、RAM803と、高い転送レートでRAM803をアクセスするCPU802、及びグラフィック・コントローラ804とを接続する。CPU802は、ROM810、及びRAM803に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ804は、CPU802等がRAM803内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置805上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ804は、CPU802等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0078】
入出力コントローラ806は、ホスト・コントローラ801と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ808、通信インターフェース807、CD−ROMドライブ809を接続する。ハードディスクドライブ808は、CPU802が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェース807は、ネットワーク通信装置891に接続してプログラム又はデータを送受信する。CD−ROMドライブ809は、CD−ROM892からプログラム又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808、及び通信インターフェース807に提供する。
【0079】
入出力コントローラ806には、ROM810と、フレキシブルディスク・ドライブ811、及び入出力チップ812の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM810は、パークアンドライド検知装置110、駐車場装置130、及び公共交通機関装置150が起動時に実行するブート・プログラム、あるいはパークアンドライド検知装置110、駐車場装置130、及び公共交通機関装置150のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ811は、フレキシブルディスク893からプログラム又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808、及び通信インターフェース807に提供する。入出力チップ812は、フレキシブルディスク・ドライブ811、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0080】
CPU802が実行するプログラムは、フレキシブルディスク893、CD−ROM892、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ808にインストールされ、RAM803に読み出されてCPU802により実行される。CPU802により実行されるプログラムは、パークアンドライド検知装置110を、
図1から
図8に関連して説明した駐車場利用開始データ受信部111、公共交通機関データ受信部112、パークアンドライド開始判定部113、駐車場利用終了データ受信部114、パークアンドライド終了判定部115、許容時間情報格納部116、及びパークアンドライド情報格納部117として機能させ、駐車場装置130を、
図1から
図8に関連して説明した駐車場利用開始データ入力受付部131、駐車場利用開始データ送信部132、駐車場利用終了データ入力受付部133、及び駐車場利用終了データ送信部134として機能させ、公共交通機関装置150を、公共交通機関データ入力受付部151、及び公共交通機関データ送信部152として機能させる。
【0081】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク893、CD−ROM892の他に、DVD(Digital Versatile Disk)又はPD(Phase Disk)等の光学記録媒体、MD(MiniDisk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして提供してもよい。
【0082】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。