(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のコンダクタンス制御部は、前記容器の内部に気体を供給する際に、給気量が一定となるように前記気体の供給に係るコンダクタンスを制御することを特徴とする請求項5記載の減圧装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
ここで、減圧装置には、例えば、プラズマ処理装置、スパッタリング装置、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、熱処理装置などの処理装置や、ゲートバルブなどを介して処理装置に接続されるロードロック装置などがある。
そのため、以下においては、一例として、減圧装置がロードロック装置である場合を例に挙げて説明することにする。
なお、減圧装置がロードロック装置などの場合には、減圧装置において処理が施されることがないが、本明細書においては、減圧装置に搬入、搬出されるものを被処理物と称することにする。
【0008】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る減圧装置を例示するための模式断面図である。
図2は、
図1におけるA−A矢視断面図である。
図1、
図2に示すように、減圧装置1には、容器2、減圧部3、ガス供給部4、支持部5が設けられている。
【0009】
容器2は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造となっている。
容器2は、例えば、有底の角筒状を呈したものとすることができる。
図2に示すように、容器2の開口端にはO(オー)リングなどのシール部材2e1が設けられている。そして、シール部材2e1により、天井板2eが容器2と気密に接続されるようになっている。
【0010】
容器2の側壁には、被処理物200の搬入、搬出を行うための開口部2a、2bが設けられている。
例えば、容器2の大気圧環境側の側壁に設けられた開口部2aと、容器2の処理装置100側の側壁に設けられた開口部2bとを設けることができる。
また、開口部2aを気密に閉鎖する扉6と、開口部2bを気密に閉鎖するゲートバルブ7とを設けることができる。扉6、ゲートバルブ7には、図示しない開閉機構がそれぞれ設けられ、開口部2a、2bの閉鎖と開放が行えるようになっている。
扉6、ゲートバルブ7には、O(オー)リングなどのシール部材6a、6bがそれぞれ設けられ、シール部材6a、6bを容器2の壁面に押しつけることで気密が保たれるようになっている。
【0011】
また、減圧装置1は、処理装置100と接続されている。
処理装置100は、例えば、プラズマ処理装置、スパッタリング装置、CVD装置、熱処理装置などとすることができる。
処理装置100の側壁には、被処理物200の搬入、搬出を行うための開口部100aが設けられている。そして、開口部100aと容器2の開口部2bとを介して、処理装置100の内部と、容器2の内部とがつながっている。
また、処理装置100の側壁には、O(オー)リングなどのシール部材100bが設けられている。そして、シール部材100bにより、減圧装置1が処理装置100と気密に接続されるようになっている。
【0012】
減圧部3は、容器2の内部にある気体を排気して容器2の内部における圧力を減圧する。
減圧部3には、排気部3a、コンダクタンス制御部3b(第1のコンダクタンス制御部の一例に相当する)、検出部3c、制御部3d、接続部3e(第1の接続部の一例に相当する)が設けられている。
排気部3a、コンダクタンス制御部3b、接続部3eは、配管3fで接続されている。 排気部3aは、コンダクタンス制御部3b、配管3f、接続部3eを介して、容器2の内部とつながっている。
排気部3aは、容器2の内部にある気体を排気する。
排気部3aは、例えば、真空ポンプなどとすることができる。
【0013】
コンダクタンス制御部3bは、気体の排気に係るコンダクタンスC(以下、排気系のコンダクタンスCと称する)を制御する。
コンダクタンス制御部3bは、例えば、バルブ弁の回転角を変化させてコンダクタンスを制御するバタフライバルブなどとすることができる。
検出部3cは、容器2の側壁に設けられ、容器2の内部における圧力を検出する。
検出部3cは、検出した圧力に応じた電気信号を出力するものとすることができる。
検出部3cは、例えば、真空計などとすることができる。
【0014】
制御部3dは、コンダクタンス制御部3b、検出部3cとそれぞれ電気的に接続されている。
制御部3dは、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、コンダクタンス制御部3bを制御する。
なお、コンダクタンス制御部3bによる排気系のコンダクタンスCの制御に関する詳細は後述する。
【0015】
接続部3eは、容器2の側壁に設けられた開口部2c(第1の開口部の一例に相当する)に気密となるように設けられている。
接続部3eは、容器2の側壁に設けられたO(オー)リングなどのシール部材3e2にフランジ部3e1を押し付けることで気密となるように設けられている。
ガス供給部4は、容器2の内部に気体を供給することで容器2の内部における圧力を大気圧に戻す。
ガス供給部4には、供給部4a、コンダクタンス制御部4b(第2のコンダクタンス制御部の一例に相当する)、接続部4c(第2の接続部の一例に相当する)、制御部4dが設けられている。
供給部4a、コンダクタンス制御部4b、接続部4cは、配管4eで接続されている。 供給部4aは、接続部4c、コンダクタンス制御部4bを介して、容器2の内部とつながっている。
供給部4aは、容器2の内部に気体を供給する。
供給部4aは、例えば、加圧された窒素ガスや不活性ガスなどが収納されたボンベなどとすることができる。
【0016】
コンダクタンス制御部4bは、供給部4aと、接続部4cと、の間に設けられ、気体の供給に係るコンダクタンスC1(以下、給気系のコンダクタンスC1と称する)を制御する。
コンダクタンス制御部4bは、例えば、流量制御バルブなどとすることができる。
接続部4cは、容器2の側壁に設けられた開口部2d(第2の開口部の一例に相当する)に気密となるように設けられている。
【0017】
制御部4dは、コンダクタンス制御部4b、検出部3cとそれぞれ電気的に接続されている。
制御部4dは、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、コンダクタンス制御部4bを制御する。
例えば、制御部4dは、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、コンダクタンス制御部4bを制御する。
なお、コンダクタンス制御部4bによる給気系のコンダクタンスC1の制御に関する詳細は後述する。
【0018】
図1に示すように、接続部4cと接続部3eとは平面視において対峙して設けられている。そして、接続部4cの中心軸4c3と、接続部3eの中心軸3e3と、は平面視において同一直線上にあるようになっている。
接続部4cは、容器2の側壁に設けられたO(オー)リングなどのシール部材4c2にフランジ部4c1を押し付けることで気密となるように設けられている。
接続部4cの流路断面積(流路における流れ方向に直交する方向の断面積)は、配管4eの流路断面積よりも大きくなっている。そのため、容器2の内部に供給される気体の流速を遅くすることができる。
【0019】
支持部5は、被処理物200を支持するとともに、被処理物200を昇降させる。
支持部5には、支持板5a、支持体5b、昇降軸5c、昇降板5d、昇降部5e、カバー5fが設けられている。
支持板5aは、容器2の内部に設けられている。支持板5aは、板状を呈している。支持板5aの主面5a2、5a3の大きさは、被処理物200の大きさよりも大きくなっている。
図2に示すように、支持板5aの主面5a2は、支持板5aの被処理物200と対峙する面である。支持板5aの主面5a3は、支持板5aの主面5a2に対向する面である。 支持体5bは、柱状を呈し、一方の端部に被処理物200を支持するための斜面5b1が設けられている。支持体5bの他方の端部には図示しない雌ネジ部が設けられている。そして、支持体5bは、支持板5aの支持体5bが設けられる側とは反対の側から挿入されたネジにより支持板5aの主面5a2上に設けられている。
図2においては、支持体5bが4つ設けられる場合を例示したが、支持体5bの数はこれに限定されるわけではない。支持体5bの数は2つ以上であればよく、被処理物200の形状、大きさなどに応じて適宜変更することができる。
【0020】
昇降軸5cは、柱状を呈し、一方の端部が支持板5aに設けられている。昇降軸5cの他方の端部は、昇降板5dに設けられている。
昇降板5dは、板状を呈し、昇降軸5cとともに昇降動作するようになっている。
昇降部5eは、支持板5a、支持体5b、昇降軸5c、昇降板5dを昇降させる。昇降部5eは、例えば、空圧や油圧を利用した昇降機構(例えば、空圧シリンダや油圧シリンダなど)などとすることができる。
カバー5fは、容器2の底部と昇降板5dとの間において昇降軸5cを覆うようにして設けられている。カバー5fは、昇降方向に伸縮できるものとなっている。カバー5fは、例えば、蛇腹構造を持った伸縮管(いわゆるベローズ)とすることができる。
【0021】
被処理物200を昇降させる機能は、減圧装置1に被処理物200を搬入、搬出させる図示しない搬送装置と、支持部5との間における被処理物200の受け渡しのために設けられている。そのため、図示しない搬送装置に被処理物200を昇降させる機能が設けられている場合には、昇降軸5c、昇降板5d、昇降部5e、カバー5fを省略することができる。なお、昇降軸5c、昇降板5d、昇降部5e、カバー5fを省略する場合には、支持板5aと容器2の底側の内壁との間に隙間を形成するための部材を設けるようにすればよい。
【0022】
ここで、被処理物200の処理部分における微細化が進むにつれ、製造段階において除去すべきパーティクルの大きさも小さくなってきている。しかしながら、パーティクルの大きさが小さくなるほど除去が困難となる。例えば、排気部3aによる排気により容器2の内部にある直径寸法が0.2μm以上の粒子を除去したとしても、直径寸法が0.1μm以下の粒子は相当数残留するおそれがある。そのため、減圧装置1は、容器2の内部にあるパーティクルが被処理物200に付着することを抑制することができる構成を有したものとされている。
【0023】
まず、減圧部3やガス供給部4により形成された気流によりパーティクルが舞い上げられる場合がある。
そのため、減圧装置1は、舞い上げられたパーティクルが被処理物200に付着し難くなるような構成を有している。
【0024】
例えば、
図2に示すように、支持板5aの主面5a2、5a3は、減圧部3やガス供給部4により容器2の内部に形成される気流の流れ方向と平行になるように設けられている。
また、接続部4cと接続部3eとは平面視において対峙して設けられている。そして、接続部4cの中心軸4c3と、接続部3eの中心軸3e3とは平面視において同一直線上にあるようになっている。
そのため、気流の流れが乱れることを抑制することができるので、パーティクルが舞い上げられることを抑制することができる。
また、支持板5aの主面5a2、5a3の大きさは、被処理物200の大きさよりも大きくなっている。
そのため、仮に、容器2の底面側にあるパーティクルが舞い上げられたとしても、舞い上げられたパーティクルが被処理物200の側に侵入することを抑制することができる。
【0025】
次に、容器2の内部に設けられた支持部5を構成する要素に気流があたると渦が発生する。そして、渦が発生すると発生した渦にパーティクルが捕獲され容器2の外に排出されにくくなる。
そのため、支持部5は、渦が発生しにくくなるような構成を有している。
例えば、支持板5aの主面5a2、5a3は平坦面であるので、空気抵抗が少なく渦の発生を抑制することができる。
また、例えば、支持体5bは柱状を呈しているので、空気抵抗が少なく渦の発生を抑制することができる。この場合、支持体5bの断面形状を円形や楕円形などとすれば、渦の発生をより少なくすることができる。
また、前述したように、支持板5aの主面5a2、5a3は気流の流れ方向と平行になるように設けられているので、空気抵抗が少なく渦の発生を抑制することができる。
【0026】
そして、被処理物200と、支持板5aとの位置関係が以下のようになっている。
例えば、
図2に示すように、被処理物200と支持板5aとの間の寸法Hと、被処理物200の厚み寸法Tとが以下の(1)式を満たすようになっている。
【数2】
この様にすれば、被処理物200の支持板5a側を流れる気流の流速の上昇を抑えることができるので、パーティクルが舞い上げられ難くすることができる。また、被処理物200の支持板5a側を流れる気流の流速と、被処理物200の天井板2e側を流れる気流の流速との差を小さくすることができる。そのため、被処理物200の支持板5a側と天井板2e側との間における圧力の差を小さくすることができるので、被処理物200の位置がずれることを抑制することができる。
また、被処理物200と支持板5aとの間の寸法Hと、被処理物200における排気の下流側の端部200aと支持板5aにおける排気の下流側の端部5a1との間の寸法Lと、が以下の(2)式を満たすようになっている。
【数3】
この様にすれば、被処理物200の下流側の端部200a近傍に発生した渦と、支持板5aの下流側の端部5a1近傍に発生した渦との間の距離をとることができるので、発生した渦同士が干渉することを抑制することができる。そのため、渦同士が干渉することで渦が成長することを抑制することができる。
【0027】
そして、減圧装置1は、パーティクルが舞い上げられ難くなるような構成を有している。
例えば、接続部3eの中心軸3e3が、被処理物200の支持板5a側の面と、支持板5aの主面5a2との間に位置するようになっている。
また、接続部4cの中心軸4c3が、被処理物200の厚み寸法Tの中心線と一致するようになっている。
この様にすれば、容器2の底側にあるパーティクルが舞い上げられ難くなる。
また、被処理物200の支持板5a側を流れる気流の流速と、被処理物200の天井板2e側を流れる気流の流速との差を小さくすることができる。そのため、被処理物200の支持板5a側と天井板2e側との間における圧力の差を小さくすることができるので、気流の渦の発生を抑止することができる。
そして、前述したように、接続部4cを設けることで容器2の内部に供給される気体の流速を遅くすることができる。そのため、容器2の内部にあるパーティクルが舞い上げられ難くなる。
【0028】
そして、減圧装置1は、容器2の内部において発生したパーティクルが被処理物200に付着することを抑制することができる構成を有している。
例えば、ネジは、締結する際に大きな摩擦力を発生させる。そのため、締結部分において磨耗粉が発生し、発生した磨耗粉が締結部分に溜め込まれることになる。そして、磨耗粉がパーティクルとなる。
減圧装置1においては、支持体5bは、支持板5aの支持体5bが設けられる側とは反対の側から挿入されたネジにより締結される。
そのため、締結部分において発生した磨耗粉(パーティクル)が被処理物200の側に侵入することが、支持板5aにより阻害される。そのため、構造的に簡潔で且つ安価なネジによる締結を採用した場合であっても、磨耗粉が被処理物200に付着することを抑制することができる。
また、カバー5fが昇降方向に伸縮した際にパーティクルが発生するが、発生したパーティクルが被処理物200の側に侵入することが、支持板5aにより阻害される。そのため、カバー5fが設けられた場合であっても、パーティクルが被処理物200に付着することを抑制することができる。
また、支持体5bの斜面5b1により被処理物200の角を支えるようにしているため、接触面積を小さくすることができる。そのため、パーティクルの発生を抑制することができる。また、支持体5bの斜面5b1により被処理物200を支えるようにすれば、支持位置の位置合わせを行うこともできる。
【0029】
以上は、減圧装置1の機械的な構成により、容器2の内部にあるパーティクルが被処理物200に付着することを抑制する場合である。
以下においては、減圧装置1の作用により、容器2の内部にあるパーティクルが被処理物200に付着することを抑制する場合について例示する。
図3は、比較例に係る減圧装置の減圧部を例示するための模式図である。なお、
図3中のSは実効排気速度、Cは排気系のコンダクタンス、Spは排気部3aの排気速度、P1は減圧装置の容器2の内部における圧力、P2は排気部3aにおける圧力、Aは配管3fの流路断面積、L1は容器2と排気部3aとの間の寸法である。
図4は、比較例に係る減圧装置の容器2の内部における排気部3aによる排気開始後の状態変化を例示するための模式グラフ図である。
図4(a)は容器2の内部における圧力P1と、排気部3aにおける圧力P2との差圧ΔPと、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図4(b)は排気系のコンダクタンスCと、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図4(c)は排気量Qと、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図4(d)は容器2の内部における圧力P1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図である。
【0030】
図3に示すように、比較例に係る減圧装置は、前述したコンダクタンス制御部3bが設けられていない場合である。そのため、排気系のコンダクタンスCは主に配管3fのコンダクタンスとなる。
【0031】
図3に例示をしたものの場合には、実効排気速度Sは以下の(3)式で表すことができる。
【数4】
ここで、排気部3aの排気速度Spは一定であるとすると、排気系のコンダクタンスCは以下の(4)式で表すことができる。
【数5】
この場合、配管3fの流路断面積Aと、容器2と排気部3aとの間の寸法L1は一定であるため、P1−P2、すなわち、容器2の内部における圧力P1と、排気部3aにおける圧力P2との差圧ΔPが変化するとそれに応じて排気系のコンダクタンスCが変化する。
つまり、
図4(a)に示すように差圧ΔPが時間Tの経過とともに変化すると、
図4(b)に示すように排気系のコンダクタンスCも差圧ΔPの変化に応じて変化する。
【0032】
また、排気系のコンダクタンスCが変化するとそれに応じて排気量Qが変化することになる。すなわち、
図4(c)に示すように排気量Qが変化する。
そして、排気量Qが
図4(c)に示すような変化をすれば、容器2の内部における圧力P1は
図4(d)に示すような変化をすることになる。
そのため、
図4(d)から分かるように、排気部3aの起動から間もないあいだは容器2の内部における圧力P1が急激に変化する。
容器2の内部における圧力P1が急激に変化すると、容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がり易くなるのでパーティクルが被処理物200に付着しやすくなる。
【0033】
図5は、減圧装置1の容器2の内部における排気部3aによる排気開始後の状態変化を例示するための模式グラフ図である。
図5(a)は容器2の内部における圧力P1と、排気部3aにおける圧力P2との差圧ΔPと、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図5(b)は排気系のコンダクタンスCと、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図5(c)は排気量Qと、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図5(d)は容器2の内部における圧力P1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図である。
【0034】
図5(a)に示すように、差圧ΔPが時間Tの経過とともに変化すると、
図4(b)に示したように排気系のコンダクタンスCも差圧ΔPの変化に応じて変化することになる。 しかしながら、減圧装置1にはコンダクタンス制御部3bが設けられている。そのため、コンダクタンス制御部3bにより排気系のコンダクタンスCを任意に変化させることができる。
【0035】
この場合、
図5(c)に示すように排気量Qが一定となるように、排気系のコンダクタンスCをコンダクタンス制御部3bにより制御するようにする。
排気量Qが一定となるようにするためには、
図5(b)に示すように時間Tの経過とともに排気系のコンダクタンスCを大きくすればよい。
そして、排気量Qが一定となるようにすれば、容器2の内部における圧力P1の変化は、
図5(d)に示すもののようになる。
すなわち、
図4(d)に示したもののように容器2の内部における圧力P1が急激に変化することがなく、圧力P1を徐々に変化させることができる。
容器2の内部における圧力P1を徐々に変化させることができれば、容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がり難くなるのでパーティクルが被処理物200に付着し難くなる。
また、容器2の内部における圧力P1を徐々に変化させることができれば、排気に要する時間を短縮することができる。
この場合、制御部3dは、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、容器2の内部における圧力P1が
図5(d)に示すような変化をするようにコンダクタンス制御部3bを制御すればよい。すなわち、制御部3dは、所定の割合で容器2の内部における圧力P1が減少するようにコンダクタンス制御部3bを制御すればよい。その様にすれば、コンダクタンス制御部3bは、容器2の内部にある気体を排気する際に、排気量Qが一定となるように排気系のコンダクタンスCを制御することになる。なお、図示しない検出装置を用いて排気量Qを検出する場合には、制御部3dは、排気量Qが一定となるようにコンダクタンス制御部3bを制御するようにすればよい。
【0036】
次に、制御部3dによるコンダクタンス制御部3bの制御についてさらに例示をする。
図6は、容器2の内部を排気する方法を例示するための模式グラフ図である。
なお、図中の20は
図5(d)で例示をした排気過程、21は
図4(d)で例示をした排気過程である。また、22は、一般的に行われているいわゆるスロー排気を行う場合の排気過程である。P11は排気開始の際の圧力(例えば、大気圧)、P12はスロー排気から全開排気に切り換えを行う際の圧力、P13は排気を終了させる際の圧力である。
【0037】
前述したように、排気過程21のような排気を行えば容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がるおそれがある。
この場合、排気過程22のような排気を行えば容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がることを抑制することができる。
例えば、コンダクタンスの低い排気系と、コンダクタンスの高い排気系を設けて、圧力P11から圧力P12までの間はコンダクタンスの低い排気系を用いたスロー排気を行う。そして、圧力がP12となった際に、コンダクタンスの高い排気系に切り替えて全開排気を行うようにする。
この様にすれば、圧力変化を緩やかにすることができるので容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がることを抑制することができる。
【0038】
しかしながら、スロー排気を行えば圧力P13に到達するまでの時間が長くなる。また、スロー排気を行えば排気のために必要となる電力量が増加する。
これに対して、前述したように、排気過程20のような排気を行えば容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がることを抑制することができる。また、排気過程22の場合と比べて、圧力P13に到達するまでの時間を短縮したり、排気のために必要となる電力量を少なくしたりすることができる。
【0039】
図7は、制御部3dによるコンダクタンス制御部3bの制御について例示をするための模式グラフ図である。
図5(d)で例示をした排気過程20は、理想的な状態を表している。そのため、実際に容器2の内部を排気する際には、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、容器2の内部における圧力が排気過程20における圧力となるようにコンダクタンス制御部3bのフィードバック制御を行うようにすることができる。なお、排気量Qが一定となるような圧力変化、すなわち、排気過程20は、実験やシミュレーションなどにより求めるようにすることができる。
【0040】
この場合、排気開始から排気終了までの期間を複数の領域に分割し、各領域における圧力が排気過程20における圧力になるようにコンダクタンス制御部3bの制御を行うようにすることができる。
例えば、
図7中に示す圧力変化20aとなるようにコンダクタンス制御部3bをフィードバック制御するようにすることができる。
この様にすれば、実際に容器2の内部を排気する際に理想的な状態から解離が生じたとしても、その解離を解消することができる。そのため、容器2の内部に設けられた要素が変更されたり、排気系のコンダクタンスCに機差などがあったりした場合であっても適正な排気を行うことができる。
【0041】
以上は、減圧部3により容器2の内部から気体を排気する場合である。
次に、ガス供給部4により容器2の内部に気体を供給する場合について例示する。
図8は、比較例に係る減圧装置の容器2の内部におけるガス供給部4による気体供給開始後の状態変化を例示するための模式グラフ図である。
図8(a)は供給部4aにおける圧力P3と、容器2の内部における圧力P1との差圧ΔP’と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図8(b)は給気系のコンダクタンスC1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図8(c)は給気量Q1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図8(d)は容器2の内部における圧力P1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図である。
【0042】
図4(a)に例示をした場合と同様に、差圧ΔP’は時間Tの経過とともに
図8(a)に示すように変化する。
また、
図4(b)に例示をした場合と同様に、給気系のコンダクタンスC1も差圧ΔP’の変化に応じて
図8(b)に示すように変化する。
また、給気系のコンダクタンスC1が変化するとそれに応じて給気量Q1が変化することになる。すなわち、
図8(c)に示すように給気量Q1が変化する。
そして、給気量Q1が
図8(c)に示すような変化をすれば、容器2の内部における圧力P1は
図8(d)に示すような変化をすることになる。
【0043】
すなわち、ガス供給部4により容器2の内部に気体を供給する場合も、減圧部3により容器2の内部から気体を排気する場合と同様となる。
そのため、
図8(d)から分かるように、供給部4aの起動から間もないあいだは容器2の内部における圧力P1が急激に変化する。
容器2の内部における圧力P1が急激に変化すると、容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がり易くなるのでパーティクルが被処理物200に付着しやすくなる。
【0044】
図9は、減圧装置1の容器2の内部におけるガス供給部4による気体供給開始後の状態変化を例示するための模式グラフ図である。
図9(a)は供給部4aにおける圧力P3と、容器2の内部における圧力P1との差圧ΔP’と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図9(b)は給気系のコンダクタンスC1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図9(c)は給気量Q1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図、
図9(d)は容器2の内部における圧力P1と、時間Tとの関係を例示するための模式グラフ図である。
【0045】
図9(a)〜(d)に示すように、ガス供給部4により容器2の内部に気体を供給する場合も、減圧部3により容器2の内部から気体を排気する場合と同様の制御を行えばよいことが分かる。
例えば、
図9(c)に示すように給気量Q1が一定となるように、給気系のコンダクタンスC1をコンダクタンス制御部4bにより制御するようにする。
給気量Q1が一定となるようにするためには、
図9(b)に示すように時間Tの経過とともに給気系のコンダクタンスC1を大きくすればよい。
そして、給気量Q1が一定となるようにすれば、容器2の内部における圧力P1の変化は、
図9(d)に示すもののようになる。
すなわち、
図8(d)に示したもののように容器2の内部における圧力P1が急激に変化することがなく、圧力P1を徐々に変化させることができる。
容器2の内部における圧力P1を徐々に変化させることができれば、容器2の内部にあるパーティクルが舞い上がり難くなるのでパーティクルが被処理物200に付着し難くなる。
この場合、制御部4dは、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、容器2の内部における圧力P1が
図9(d)に示すような変化をするようにコンダクタンス制御部4bを制御すればよい。すなわち、制御部4dは、所定の割合で容器2の内部における圧力P1が増加するようにコンダクタンス制御部4bを制御すればよい。その様にすれば、コンダクタンス制御部4bは、容器2の内部に気体を供給する際に、給気量Q1が一定となるように給気系のコンダクタンスC1を制御することになる。なお、図示しない検出装置を用いて給気量Q1を検出する場合には、制御部4dは、給気量Q1が一定となるようにコンダクタンス制御部4bを制御するようにすればよい。
【0046】
図10は、制御部4dによるコンダクタンス制御部4bの制御について例示をするための模式グラフ図である。
図9(d)で例示をした給気過程30は、理想的な状態を表している。そのため、実際に容器2の内部に給気する際には、検出部3cから送られてきた電気信号に基づいて、容器2の内部における圧力が給気過程30における圧力となるようにコンダクタンス制御部4bのフィードバック制御を行うようにすることができる。なお、給気量Q1が一定となるような圧力変化、すなわち、給気過程30は、実験やシミュレーションなどにより求めるようにすることができる。
【0047】
この場合、給気開始から給気終了までの期間を複数の領域に分割し、各領域における圧力が給気過程30における圧力になるようにコンダクタンス制御部4bの制御を行うようにすることができる。
例えば、
図10中に示す圧力変化30aとなるようにコンダクタンス制御部4bをフィードバック制御するようにすることができる。
この様にすれば、実際に容器2の内部に給気する際に理想的な状態から解離が生じたとしても、その解離を解消することができる。そのため、容器2の内部に設けられた要素が変更されたり、給気系のコンダクタンスC1に機差などがあったりした場合であっても適正な給気を行うことができる。
【0048】
以上においては、一例として、減圧装置がロードロック装置である場合を例に挙げたが、減圧装置はロードロック装置に限定されるわけではない。例えば、減圧装置は、プラズマ処理装置、スパッタリング装置、CVD装置、熱処理装置などの大気圧よりも減圧した状態を生じさせて被処理物の処理を行う処理装置などとすることもできる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る減圧方法について例示する。
第2の実施形態に係る減圧方法は、例えば、前述した減圧装置1において実行することができる。
例えば、第2の実施形態に係る減圧方法は、容器2の内部に被処理物200を支持する工程と、容器2の内部に被処理物200を支持した状態で容器2の内部にある気体を排気する工程と、を備えたものとすることができる。そして、容器2の内部にある気体を排気する工程において、排気量Qが一定となるように排気系のコンダクタンスCを制御するようにすることができる。
また、容器2の内部に被処理物200を支持した状態で容器2の内部に気体を供給する工程をさらに備えたものとすることができる。例えば、減圧状態から大気圧状態に戻す工程をさらに備えたものとすることができる。そして、容器2の内部に気体を供給する工程において、給気量Q1が一定となるように給気系のコンダクタンスC1を制御するようにすることができる。
その他、前述した減圧装置1の作用に関する要素をさらに備えるようにすることもできる。
なお、各工程における内容は、減圧装置1において例示をしたものと同様とすることができるため詳細な説明は省略する。
【0050】
以上に例示をした実施形態によれば、パーティクルが被処理物に付着することを抑制することができる減圧装置および減圧方法を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。