(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968122
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】結露防止面材及び結露防止壁構造
(51)【国際特許分類】
E04B 1/64 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
E04B1/64 E
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-147665(P2012-147665)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-9520(P2014-9520A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110804
【氏名又は名称】ニチアス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山脇 翔太
(72)【発明者】
【氏名】山脇 慎平
(72)【発明者】
【氏名】清水 玄宏
【審査官】
河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−131010(JP,U)
【文献】
実開昭63−192021(JP,U)
【文献】
特開2007−138558(JP,A)
【文献】
特開平11−159032(JP,A)
【文献】
特開平01−111945(JP,A)
【文献】
特開2009−162030(JP,A)
【文献】
特開2007−291838(JP,A)
【文献】
特開2011−132781(JP,A)
【文献】
特開2012−031584(JP,A)
【文献】
実開昭54−021871(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62− 1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質材料から形成され、表裏をなす第一面及び第二面を有する断熱層と、
前記断熱層の第一面に形成された外面保護層と、
前記断熱層の第二面に唯一形成された、不織布層のみからなる第二の不織布層とを有し、
該外面保護層は、第一の不織布層、アルミニウム箔層、保護膜層からなり、該第一の不織布層を表面として前記断熱層に接着されている
ことを特徴とする結露防止面材。
【請求項2】
前記多孔質材料は、繊維質多孔質材料である
ことを特徴とする請求項1に記載の結露防止面材。
【請求項3】
前記繊維質多孔質材料はロックウールである
ことを特徴とする請求項2に記載の結露防止面材。
【請求項4】
壁体の屋内側表面に、請求項1〜3のいずれかの結露防止面材が、前記第二面を該壁体の屋内側表面に相対するように取付けられている
ことを特徴とする結露防止壁構造。
【請求項5】
前記壁体がコンクリート壁である
ことを特徴とする請求項4に記載の結露防止壁構造。
【請求項6】
前記結露防止面材と前記壁体は、固定部材と接着剤とによって固定されており、前記固定部材は前記結露防止面材の上辺部を固定し、前記接着剤は、前記第二面と前記壁体の屋内側表面との間に塗布されている
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の結露防止壁構造。
【請求項7】
前記固定部材は、前記結露防止面材を支持する部分と前記壁面に固定される部分とを有し、樹脂で形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の結露防止壁構造。
【請求項8】
前記第二面と前記壁体の屋内側表面との間に塗布されている前記接着剤は、接着剤が塗布される領域と、接着剤が塗布されない領域を設けて塗布されている
ことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載の結露防止壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結露防止のために壁に取り付ける結露防止面材、及びその結露防止面材を用いた結露防止壁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋内と屋外を隔絶する壁体の屋内側表面は外気温の影響を受ける。このため外気温度が低く屋内側の温度と湿度が高い環境下において、壁体の屋内側表面が露点温度以下になると、壁体の屋内側表面に多量の結露が生じる。結露は、壁面の細かなひび割れから壁の内部にしみこんで壁を汚したり、カビの原因になったりする。また、結露は壁面を伝って他の箇所に移動し、漏電を引き起こしたり、鉄骨材を錆びさせてしまったりする。このような事態を避けるため、従来から、壁体の屋内側表面には、防露塗膜や防水塗膜を施工しているが効果が低く、また、防水塗膜では結露自体の発生を防止できない。
一方、壁体の屋内側表面における結露を防止するには、その屋内側表面の温度をその屋内側の環境での露点温度に達しないようにすればよい。これには、グラスウールのフェルト成形品や、ロックウールのフェルト成形品などの断熱面材を壁体の屋内側表面に貼着することが考えられる。
【0003】
断熱面材としては、以下の特許文献1〜5に記載されたものを例示できる。
特許文献1の複合断熱材は、フェノール樹脂フォーム芯材の表面に無機質シートを貼りつけ、さらに一方の無機質シートの表面にアルミ箔とPETの複合シート(防湿層)を接合一体化したものである。
特許文献2の断熱材は、断熱層をガラス繊維とロックウールの2層構造とし、これらの中間にPEフィルム、アルミ箔の防湿層があり、また、片面にPET繊維の不織布を貼り合わせてある。
特許文献3のロックウールパネルは、断熱層としてのロックウールの表層に繊維シートと金属箔シートの複合体を貼り合わせてある。
特許文献4の耐火被膜シートは、断熱層としてのロックウールの表面に不織布とアルミ箔が貼られると共に裏面に不燃塗料が塗布されたものである。
特許文献5の耐火断熱材は、断熱層としての硬質なイソシアヌレートフォームやその他岩綿などの積層体の表面に外装材層(アルミ箔、布、樹脂フィルム)が形成されている。
しかし、これらはいずれも耐火断熱材として考慮されているもので、壁体の屋内側表面に取り付け、屋内側表面の結露を防止する技術的思想のものではない。
【0004】
また、特許文献6の耐火気密構造は、木造軸組み住宅の断熱構造を示したものであって、断熱材をコンクリート壁の屋内側表面に取り付けるとの技術的思想は見いだせない。断熱材は断熱層としてのロックウールの一面に紙、アルミ箔及びPETなどの樹脂層を積層し、他面に樹脂と紙の複合層を積層したものである。
特許文献7の耐火被覆材は、断熱層としてのセラミックファイバーブランケットの両面に耐火粘着材層を設けると共に表面に金属箔かガラスクロスが貼られた構造であり、その施工方法は、鉄骨表面に貼り付けてインサルピンにより固定するというものである。
いずれにおいても、耐火あるいは屋内外の熱貫流を遮断するものであって、壁体の屋内側表面に断熱材を直接貼り付けて結露を防止するとの技術的思想は見いだせない。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−162230号公報
【特許文献2】特開平9−25670号公報
【特許文献3】特開平10−183857号公報
【特許文献4】特開平7−310379号公報
【特許文献5】特開昭55−122941号公報
【特許文献6】特開2001−146798号公報
【特許文献7】特開平6−226903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜7の断熱面材は、前記のように耐火や屋内外間の熱貫流の遮断を目的としたものであり、壁体の屋内側表面に生じる結露を防止するためのものではない。
本発明は、壁体の屋内側表面に貼りつけて結露を防止する結露防止面材の提供、及びこの結露防止面材を用いた結露防止壁構造の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の結露防止面材は、多孔質材料から形成され、表裏をなす第一面及び第二面を有する断熱層と、前記断熱層の第一面に形成された外面保護層と、前記断熱層の第二面に
唯一形成された、不織布層のみから
なる第二の不織布層とを有し、該外面保護層は、第一の不織布層、アルミニウム箔層、保護膜層からなり、該第一の不織布層を表面として前記断熱層に接着されていることを特徴とする。ここで、多孔質材料としては繊維質多孔質材料を用いることが好適であり、さらにはロックウールを用いることがより好適である。
また、本発明の結露防止壁構造は、前記の結露防止面材を用い、前記結露防止面材の第二面をコンクリート壁の屋内側表面に相対するように取付けられていることを特徴とする。
【0008】
ここで、結露防止面材と壁体は、固定部材と接着剤を用いて固定される。固定部材は結露防止面材の上辺部を固定し、接着剤は、結露防止面材とコンクリート壁の屋内側表面の間に塗布される。また、前記固定部材として樹脂で形成されたものを用いるのが好適である。さらに、前記第二面と前記壁体の屋内側表面との間に塗布されている前記接着剤は、接着剤が塗布される領域と、接着剤が塗布されない領域を設けて塗布するのが好適である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
(1)結露防止面材において、多孔質材料からなる断熱層の一方の面に不織布層、他方の面に外面保護層を設け、この外面保護層を不織布層、アルミニウム
箔層、保護膜層の三層からなるものとしたことによって、壁体の屋内側表面に取り付けられた結露防止面材の屋内側表面の温度がその屋内側の環境での露点温度に達することを防ぐことができる。したがって、本発明の結露防止面材を取付けた壁体であれば、屋内側環境と接する部分に結露が生じない。
(2)また、断熱層の裏面に不織布層を設けることにより、万一コンクリート壁の屋内側表面に結露が発生したとしても、該不織布層において結露の水分を吸収し、断熱層へ結露水が浸透することを防止する。発生した結露水はコンクリートに吸水され、いずれ外部に発散されることによって、内部に結露水が残ることを防ぐことができる。
(3)さらに、アルミニウム
箔層を設けることにより、多孔質材料への外部からの空気の流通を高度に防止することができる。
(4)また、最外面に不織布層を設け、アルミニウム
箔層をむき出しにしないことによって、施工中に結露防止面材の表面に接触するなどしても、アルミ箔の層が破れたり、ロックウール等の断熱材の表面が荒れてしまったりすることがなく、結露防止面材の取り扱いが容易となる。また、接着の際にも施工がしやすくなる。
(5)結露防止面材を壁体の屋内側表面に固定する際にも、結露防止面材の壁体の屋内側表面との接着面に不織布層が設けられているため、接着が行いやすく、接着性能も向上する。
(6)結露の防止に加えて、多孔質材料からなる断熱材とアルミニウム
箔層、不織布層との組み合わせにより、特に低周波領域における良好な吸音性能も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1(イ)は本発明の結露防止面材の構造を模式的に示した断面図であり、
図1(ロ)は説明のために各層を分離して示した図である。
【
図2】
図2は本発明の結露防止面材を用いた断熱壁構造における固定手段の第1の例を模式的に示した断面図である。
【
図3】
図3は本発明の結露防止面材を用いた断熱壁構造における固定の態様を斜め方向から模式的に示した図である。
【
図4】
図4は本発明の結露防止面材を用いた断熱壁構造における固定手段の第2の例を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(イ)は、本発明の結露防止面材1を模式的に示した断面図であり、
図1(ロ)は、説明のために結露防止面材1の各層を分離して示した図である。
本発明の結露防止面材1は、断熱層2と、外面保護膜層5と、第二の不織布層9とから構成されており、断熱層2は、表裏をなす第一面3及び第二面4を有し、該第一面3に外面保護膜層5が接着され、該第二面4に第二の不織布層9が接着されている。
断熱層2は、断熱性能に優れたガラスウールやロックウールなどの多孔質材料で構成されており、本実施例ではロックウールを使用している。
外面保護膜層5は、第一の不織布層6と、アルミニウム
箔層7と、保護膜層8とからなり、保護膜層8が断熱層2の第一面3に接着され、第一の不織布層6が表面となるように構成されている。
保護膜層8は、本実施例ではポリエチレンフィルムを使用している。
アルミニウム
箔層7は、本実施例では、第一の不織布層6に接着されており、厚さ7μmである。
第一の不織布層6及び第二の不織布層9は、本実施例ではいずれも素材がポリプロピレン製の目付量12g/m
2のもの又は目付量30g/m
2のものを使用している。
【0012】
次に、
図1で示した結露防止面材1をコンクリート壁11の屋内側表面に固定する際の固定方法について、
図2乃至
図4に基づいて説明する。
図2及び
図3は、固定部材20として、結露防止面材1の外面保護膜層5側から打ち付けた固定ピン21を用いた例であり、
図2は固定状態を断面方向から模式的に示した図、
図3は固定を行う状態を、斜め方向から模式的に示した図である。固定ピン21は、頭部22とピン部23とからなり、
図3に示したように、コンクリート壁11にドリルなどで穴14を開けた後に、結露防止面材1の表面から固定ピン21の頭部22を打ち付けて固定する。また、固定ピン21の材質は熱橋効果防止のため、樹脂で形成されている。さらに、防湿性能を高めるために、固定ピン21の頭部22をシールなどでカバーすることもある。
【0013】
固定にあたっては、
図3に示されているように、コンクリート壁11の上辺部に穴14を形成し、その後コンクリート壁11の表面に接着剤13を間隔を開けて塗布し、結露防止面材1の表面から固定ピン21を貫通させ裏面側から突出したピン先をコンクリート壁11の穴14に対応させて差し込み固定する。ここで、接着剤13は、コンクリート壁11表面の全面に塗布するのではなく、塗布された領域の間に接着剤を塗布しない領域12を形成しておく。
【0014】
本実施形態により、結露防止面材1において、多孔質材料からなる断熱層2の一方の面3に第一の不織布層6、アルミニウム
箔層7、保護膜層8の三層からなる外面保護膜層5、他方の面4に第二の不織布層9を設けることによって、まず断熱層2によって結露防止面材1の屋内側表面をコンクリート壁11内面の温度変化から遮断して結露防止面材1の屋内側表面の温度がその屋内側の環境での露点温度に達することを防ぐことができる。また、断熱層2の裏面に第二の不織布層9を設けることにより、万一断熱層2を形成するロックウールなどの多孔質材中やコンクリート壁11の屋内側表面と断熱層2との間に結露が発生したとしても、これら第二の不織布層9において水分を吸収し、その後外部に発散されることによって、内部に水分が残ることを防ぐことができる。さらに、アルミニウム
箔層7を設けることにより、多孔質材料への室内側からの空気の流通を高度に防止し、断熱層2を構成する多孔質材中に水分が流通する事態を防止することができる。また、最外面に第一の不織布層6を設けることにより、施工現場において結露防止面材1を乱暴に扱っても該表面が破れにくいので、結露防止面材1の取り扱いが容易となり、接着の際にも施工がしやすくなる。
【0015】
また、結露防止面材1をコンクリート壁11の屋内側表面に固定する際にも、結露防止面材1のコンクリート壁11との接着面に第二の不織布層9が設けられているため、接着が行いやすく、接着性能も向上する。さらに、接着の際に、接着剤13の塗布領域の間に接着剤を塗布しない領域12を設けているので、コンクリート壁11の屋内側表面に結露が生じた場合であっても、前記の接着剤を塗布しない領域12から結露を外部に発散させることができる。
【0016】
図4は、固定部材20の別の実施例として、コンクリート壁11の屋内側表面に固定したスピンドル鋲24を用いた例である。この実施例においても、熱橋効果を防止するためにスピンドル鋲24の台座は樹脂で形成されている。本実施例においても、固定手段として固定ピン21を用いた場合と同様の効果を奏することができる。
【0017】
以下、本発明に基づく実験について具体的に説明する。本発明は、下記の実験の結果から得た所見に基づくものである。
(実験1)
結露防止面材の結露の発生状況の確認のため、以下の実験を行った。
断熱材に表面材を設けてコンクリート壁の屋内側に固定し、室内温度25℃、室内湿度60RH、室外温度−4〜7℃の条件の下で、3日間放置し、結露の発生状況を確認した。
(試験体1)
断熱材としてロックウールを用い、表面側に設ける外面保護膜層(表面材)として、断熱層側から、不織布、アルミニウム箔、ポリエチレンフィルムの順に設け、裏面側は何も設けないものを作製した。
(比較例1)
断熱材の構成、表面側に設ける外面保護膜層については実施例1と同様とし、裏面側にも断熱層側から不織布、アルミニウム箔、ポリエチレンフィルムの順に設けたものを作製した。
(結果)
比較例1についてはコンクリート壁屋内側表面に結露の存在が認められたが、試験体1については結露の存在は認められなかった。いずれの例においても、コンクリート壁屋内側表面に結露の発生はあるものと考えられるが、試験体1ではコンクリート壁の屋内側表面に発生した結露を吸収して拡散し蒸散させたために存在が認められないものと考えられる。
【0018】
(実験2)
固定部材の違いによる結露発生の違いを確認するため、以下の実験を行った。
(試験体2)
実施例1と同様に、断熱材としてロックウールを用い、表面側に設ける外面保護膜層として、断熱層側から、不織布、アルミニウム箔、ポリエチレンフィルムの順に設け、裏面側は何も設けないものを作製し、壁との固定部材としてプラスチックピンを用いた。
(比較例2)
断熱材、外面保護膜層の構成は試験体2と同様とし、壁との固定部材として金属製のピンを用いた。
(結果)
比較例2については、ピンの上や軸上に結露が発生したが、試験体2については結露の発生は認められなかった。
【0019】
(実験3)
結露防止面材の表面に設けた外面保護膜層の積層順の違いによる結露防止性能の違いを評価するために、以下の実験を行った。
(試験体3)
試験体1と同様に、断熱層を構成する断熱材として、ロックウールを用い、表面に設ける外面保護膜層として、断熱層側から、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔、不織布の順に設け、不織布が表面に表れるようにしたものを作製した。
(比較例3)
断熱層の構成は試験体3と同様とし、表面に設ける外面保護膜層を、断熱層側から、不織布、アルミニウム箔、ポリエチレンフィルムの順に設け、ポリエチレンフィルムが表面に表れるようにしたものを作製した。
【0020】
試験方法としては、JISA 1412−2絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第二部:熱流計法(HFM法)に準拠して試験を行った。それぞれの物性値は以下のとおりである。
ロックウール層の熱抵抗R1 0.294(m
2・K/W)
表面材の熱抵抗R2 0 (m
2・K/W)
外壁内側の表面熱伝達抵抗R3 0.11 (m
2・K/W)
空気層の熱抵抗R4 0.09 (m
2・K/W)
(結果)
試験体表面温度の値は、試験体3の25.4℃に対して、比較例3は21.7℃となっており、比較例3に比べて、断熱層の表面に、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔、不織布の順に設けた試験体3の方が表面温度の値が高く、結露防止性能が高いことがわかる。
【0021】
実施例では、断熱層2としてロックウールを使用しているが、ガラスウールなどの他の多孔質材料で構成されてもよい。また、上記実施例では、結露防止面材1のコンクリート壁11に相対する面に第二の不織布層9を設けているが、不織布層を設けず、多孔質材料を直接コンクリート壁11に固定するようにしてもよい。また、上記実施例では、アルミニウム
箔層7を第一の不織布層6に接着して設けているが、保護膜層8に接着して設けてもよいし、第一の不織布層6、アルミニウム
箔層7、保護膜層8と個別で設けてもよい。
また、実施例では、結露防止面材1のコンクリート壁の固定の際の接着剤13の塗布の形状として、塗布部分が十字に交わり、接着剤を塗布しない領域12が縦横に規則正しく並ぶような形状を示したが、塗布の形状は、接着剤塗布領域と接着剤不塗布領域が交互に並ぶような形状であれば特にこれに限られず、円形が並ぶ形状や、中心から放射状に接着剤塗布領域と接着剤不塗布領域が交互に並ぶといったような、その他の塗布の形状も選択して用いることができる。
【符号の説明】
【0022】
1 結露防止面材
2 断熱層
3 (断熱層の)第一面
4 (断熱層の)第二面
5 外面保護膜層
6 第一の不織布層
7 アルミニウム
箔層
8 保護膜層
9 第二の不織布層
11 コンクリート壁
12 接着剤を塗布しない領域
13 接着剤(接着剤を塗布する領域)
14 穴
20 固定部材
21 固定ピン
22 頭部
23 ピン部
24 スピンドル鋲