(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記粘着層と前記第1剥離シートとは、前記第1剥離シートが前記粘着層に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が24.00N/10mm以下になる接着強度で接着されている、請求項1または2に記載の複合フィルム。
前記粘着層と前記第1剥離シートとは、前記第1剥離シートが前記粘着層に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が17.43N/10mm以下になる接着強度で接着されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の複合フィルム。
前記粘着層と前記第1剥離シートとは、前記第1剥離シートが前記粘着層に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が7.40N/10mm以下になる接着強度で接着されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の複合フィルム。
前記粘着層と前記第1剥離シートとは、前記第1剥離シートが前記粘着層に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が0.60N/10mm以上になる接着強度で接着されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の複合フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、複合フィルム100の一例を概略的に示す。複合フィルム100は、機能層110、機能層110に積層された粘着層120、および粘着層120に積層された剥離層130を備える。機能層110は、熱伝導機能を有する層である。機能層110は、熱伝導層112および保護層114を有する。なお、機能層110は、保護層114を有しなくてもよい。また、機能層110は、保護層114の代わりに他の粘着層を有してもよい。すなわち、機能層110は、熱伝導層112および熱伝導層112に積層された他の粘着層を有してもよい。なお、機能層110は、熱伝導機能を有する層である他、電磁波吸収機能を有する層であってもよい。また、機能層110は、絶縁機能、断熱機能、防水機能、および色付機能、等の機能を有する層であってもよい。
【0017】
熱伝導層112は、被着体の熱を分散する機能を有する層である。また、熱伝導層112は、発熱体の発する熱を拡散する機能を有する層であってもよい。また、熱伝導層112は、発熱体の熱を被着体に伝えないようにする機能を有する層であってもよい。熱伝導層112の素材は、熱伝導率が高い素材が好ましい。また、熱伝導層112の素材は、面方向の熱伝導率が厚み方向の熱伝導率より高い異方性を有する素材であってよい。熱伝導層112は、例えば、熱伝導率が高く異方性を有するグラファイトフィルムである。本実施形態におけるグラファイトフィルムは、構造、性能等に特に制限を受けることなく、一般に市販されているグラファイトフィルムであってよい。グラファイトフィルムの製造方法としては、高分子フィルムを熱処理してグラファイト化する方法および天然黒鉛粉を酸で発泡させた後に、圧延によりシート成形する方法等が挙げられる。グラファイトフィルムの製造に適した高分子フィルムとして、ポリイミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスイミダゾール、ポリチアゾールのうちから選択された少なくとも一種類以上の高分子フィルムを例示できる。また、熱伝導層112は、金属のシートであってもよい。また、熱伝導層112は、セラミックス、金属、および黒鉛の粉末をプラスチックに分散させたシートであってもよく、セラミックス、金属、黒鉛の粉末をゴム素材に混ぜたシートであってもよい。
【0018】
保護層114は、基材フィルムおよび基材フィルムの片面に形成された粘着剤または接着剤を有してよい。そして、粘着剤または接着剤を介して基材フィルムが熱伝導層112の片面に貼り合わされてよい。保護層114は、熱伝導層112を保護する目的で使用されてよい。例えば、熱伝導層112がグラファイトフィルムの場合、保護層114は、グラファイトフィルムに電気絶縁性を付与する目的、黒鉛粉の発生を抑制する目的およびグラファイトフィルムの強度を補う目的等で使用される。
【0019】
粘着層120は、基材フィルムおよび基材フィルムの両面に形成された粘着剤または接着剤の層を有してよい。また、粘着層120は、粘着剤または接着剤からなる単層であってもよい。粘着層120は、機能層110を被着体に固定させる目的で使用される。
【0020】
剥離層130は、粘着層120に積層された第1剥離シート132と、粘着層120の、第1剥離シート132が積層された面上の第1剥離シート132とは異なる位置に積層された第2剥離シート134とを有する。第1剥離シート132および第2剥離シート134は、粘着層120から別々に剥離することができる。なお、第1剥離シート132は複数枚に分割されていてもよい。また、第2剥離シート134は複数枚に分割されていてもよい。
【0021】
第1剥離シート132および第2剥離シート134は、基材フィルムおよび基材フィルムに形成された離型剤を有してよい。例えば、第1剥離シート132および第2剥離シート134は、表面に離型剤を有するプラスチックフィルムである。離型剤を有するプラスチックフィルムは、粘着層120の粘着剤または接着剤によって粘着層120に接着されてよい。なお、第1剥離シート132および第2剥離シート134は、表面に離型剤を有する紙であってもよい。第1剥離シート132および第2剥離シート134は、粘着層120を被着体に貼り合わせるまで保護する目的で使用される。
【0022】
なお、従来、被着体にグラファイトフィルムを貼り合わせる作業の作業性を向上させる目的で用いられるアプリケーションテープを含む複合フィルムが知られている。このような複合フィルムは、グラファイトフィルムと、グラファイトフィルムの一面に積層された保護層と、保護層に積層されたアプリケーションテープと、グラファイトフィルムの他面に積層された粘着層と、粘着層に積層された剥離シートとを含む。アプリケーションテープは、表面に微粘着粘着剤を有するプラスチックフィルムであり、微粘着粘着剤によって、保護層に剥離可能に貼り合わせられている。アプリケーションテープは、グラファイトフィルムを被着体に貼り付けた後に剥離されるもので、グラファイトフィルムを補強し、貼り合わせの作業性を向上させる目的、およびアプリケーションテープの外形を利用して位置決めを実施する目的等で用いられる。
【0023】
このような複合フィルムによれば、剥離シートを剥離した状態の複合フィルムを、アプリケーションテープによって保持することができ、アプリケーションテープによって、被着体の貼り合わせ対象位置に対する位置決め精度を向上することができる。これにより、被着体の熱源に対応する位置に対してグラファイトフィルムを精確に貼り合わせることができ、想定した通りの放熱効果を発揮させることができる。しかし、アプリケーションテープを有することによって複合フィルム全体の部品点数が多くなる。
【0024】
一方、本実施形態に係る複合フィルム100によれば、第2剥離シート134を剥離した状態の複合フィルム100を、第1剥離シート132によって保持することができ、また、第1剥離シート132を保持して位置決めをすることができる。位置決めをすることで、正確な位置に複合フィルム100を配置できるようになり、デバイスを複数個作製する場合、各デバイス間で複合フィルム100を貼付する位置のバラつきを抑える効果が得られる。このように、本実施形態に係る複合フィルム100によれば、従来のようにアプリケーションテープによる位置決めを必要としないため、複合フィルム100全体の部品点数を低減することができるという効果を有する。
【0025】
図2は、複合フィルム100を被着体140に貼り付ける方法の一例を概略的に示す。本実施形態において、被着体140は、発熱する物体または、外部から加えられる熱によって温度上昇する物体である。
【0026】
図2(a)は剥離工程を示す。ここで、剥離工程とは、粘着層120から第2剥離シート134を剥離する工程である。剥離工程において、第2剥離シート134が粘着層120から剥離されて、粘着層120の一部が露出される。このとき、第1剥離シート132を用いて、複合フィルム100が保持されてよい。例えば、複合フィルム100を被着体140に貼り付ける作業者は、第1剥離シート132を保持して、第2剥離シート134を剥離する。
【0027】
図2(b)は貼付工程を示す。ここで、貼付工程とは、第2剥離シート134を剥離した複合フィルム100を被着体140に貼り付ける工程である。貼付工程において、複合フィルム100が被着体140に対して位置合わせされて、被着体140に貼り付けられる。位置合わせは、例えば、被着体140の端部、被着体140の壁面、および被着体140の表面に形成された目印等に対して行われてよい。また、被着体140に形成された位置合わせ用のピンに挿入できるようなホールを第1剥離シート132に設けておいてもよい。ここでは、被着体140の端部に位置合わせする例を図示している。
【0028】
図2(c)は引抜工程を示す。ここで、引抜工程とは、複合フィルム100から第1剥離シート132を引き抜く工程である。引抜工程において、粘着層120と被着体140との間に位置する第1剥離シート132が粘着層120から引き抜かれる。
【0029】
上記工程によって、
図2(d)に示されるように、機能層110が粘着層120を介して被着体140に貼り付けられる。複合フィルム100の積層構造のうちで、剥離層130を除く、被着体140に実際に貼り付けられる機能層110および粘着層120の組み合わせをステッカーと呼ぶ。
【0030】
図2に示される方法は、被着体140としてデバイス本体を用いた場合にも適用できる。すなわち、
図2に示される方法は、デバイス本体に粘着層120を介して機能層110が貼り付けられたデバイスを製造する方法の一例であってよい。本実施形態において、デバイス本体とは、発熱を生じる機器である。そして、デバイスとは、粘着層120を介して機能層110が貼り付けられたデバイス本体である。デバイス本体は、例えば、携帯電話等の機器である。機能層110は粘着層120を介して、デバイス本体における筐体および金属フレーム等に貼り付けられてよい。
【0031】
粘着層120と第1剥離シート132とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合に、機能層110に欠陥が生じない接着強度で接着されている。第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれるとは、局所的に見て、第1剥離シート132が、第1剥離シート132と粘着層120との接着面に対して垂直方向に離間するのではなく、第1剥離シート132と粘着層120との接着面に沿って移動されることによって引き抜かれることをいう。
【0032】
図3は、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる様子を概略的に示す部分拡大図である。
図3(a)は、第1剥離シート132が、熱伝導層112と粘着層120との接着面136に対して平行に移動されていく様子を示す。第1剥離シート132は、第1剥離シート132と粘着層120との接着面に沿って移動されて引き抜かれる。
【0033】
図3(b)は、第1剥離シート132が、熱伝導層112と粘着層120との接着面に対して角度をつけて、斜め上方向に移動されていく様子を示す。この場合も、第1剥離シート132は、第1剥離シート132と粘着層120との接着面136に沿って移動されて引き抜かれる。
【0034】
第1剥離シート132を粘着層120から引き抜く場合に、粘着層120と第1剥離シート132との接着強度が強いほど粘着層120に大きな力が加わり、その力が粘着層120を介して機能層110に伝わる。そして、機能層110に伝わる力が大きいと、機能層110が変形したり破損したりすることにより、機能層110の機能を損なう場合がある。
【0035】
機能層110に欠陥が生じない接着強度とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合に機能層110に伝わる力によって機能層110の機能が損なわれない接着強度である。粘着層120と第1剥離シート132とがこのような接着強度で接着されていることにより、粘着層120を被着体140に貼り付けた後に、機能層110の機能を損なうことなく第1剥離シート132を引き抜くことができる。
【0036】
また、粘着層120と第1剥離シート132とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合に、熱伝導層112に欠陥が生じない接着強度で接着されていてよい。熱伝導層112に欠陥が生じない接着強度とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合に、熱伝導層112の変形または破損により熱伝導層112の熱伝導機能が損なわれない接着強度であってよい。熱伝導層112の熱伝導機能が損なわれない接着強度とは、熱伝導層112の熱拡散率が実質的に低下しない接着強度であってよい。熱伝導層112の一例として記載したグラファイトフィルムは、他の金属材料と比較して高い熱伝導率を有する一方、機械的強度が低いので、グラファイトフィルムに欠陥が生じない接着強度で第1剥離シート132と粘着層120とが接着していることにより得られる効果が、より顕著となる。本実施形態において、機能層110は、熱伝導層112を有する層であることが好ましく、さらに、グラファイトフィルムを有する層であることがより好ましい。
【0037】
第1剥離シート132を引き抜くのに要する引き抜き強度を段階的に高めた複数のサンプルについて実験を行ったところ、引き抜き強度が24.00N/10mm以下の場合に、機能層110に欠陥が生じることなく、第1剥離シート132を引き抜くことができた。この結果より、粘着層120と第1剥離シート132とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が24.00N/10mm以下になる接着強度で接着されていてよい。これにより、粘着層120を被着体140に貼り付けた後に、機能層110の機能を損なうことなく第1剥離シート132を引き抜くことができる。
【0038】
また、より好ましくは、引き抜き強度が22.00N/10mm以下、さらに好ましくは20.00N/10mm以下、またさらに好ましくは17.43N/10mm以下となる接着強度で接着されていてよい。引き抜き強度が22.00N/10mm以下となる接着強度で接着されることにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を保ちつつ、第1剥離シート132を引き抜きやすくすることができる。また、引き抜き強度が20.00N/10mm以下となる接着強度で接着されることにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を保ちつつ、第1剥離シート132をより引き抜きやすくすることができる。また、引き抜き強度が17.43N/10mm以下となる接着強度で接着されることにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を保ちつつ、第1剥離シート132をさらに引き抜きやすくすることができる。
【0039】
接着強度は、第1剥離シート132と粘着層120との重なり幅、および第1剥離シート132を粘着層120から剥離するのに要する剥離力によって調整できる。具体的には、重なり幅が大きいほど、接着強度が高まる。よって、重なり幅を大きくするほど、第1剥離シート132を粘着層120に平行に移動して引き抜くのに要する引き抜き強度が高まる。また、剥離力が大きいほど、接着強度が高まる。よって、剥離力を大きくするほど、第1剥離シート132を粘着層120に平行に移動して引き抜くのに要する引き抜き強度が高まる。剥離力は、第1剥離シート132の変更、粘着層120の変更により調整できる。
【0040】
粘着層120と第1剥離シート132とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が7.40N/10mm以下になる接着強度で接着されていてよい。これにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を保ちつつ、複合フィルム100を被着体140に貼り付ける作業者がより小さい力で第1剥離シート132を引き抜くことが可能となり、機能層110を被着体に貼り付ける作業性を高めることができる。
【0041】
また、粘着層120と第1剥離シート132とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が2.63N/10mm以下になる接着強度で接着されていてもよい。また、引き抜き強度が1.85N/10mm以下になる接着強度で接着されていてもよい。このように、より小さい引き抜き強度となる接着強度で接着されることにより、作業者による引き抜き作業の作業性を向上できる。
【0042】
粘着層120と第1剥離シート132との接着強度は、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を維持することができる強度であれば、特に制限はされない。しかし、第1剥離シート132を引き抜くのに要する引き抜き強度を段階的に低減させた複数のサンプルについて実験を行ったところ、引き抜き強度が0.60N/10mmより小さい場合に、第1剥離シート132によるステッカーの保持性が特に低下した。そこで、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が0.60N/10mm以上になる接着強度で接着されることが好ましい。これにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を維持することができる。
【0043】
また、粘着層120と第1剥離シート132とは、第1剥離シート132が粘着層120に平行に移動されて引き抜かれる場合の引き抜き強度が0.93N/10mm以上となる接着強度で接着されていてよい。また、引き抜き強度が1.63N/10mm以上となる接着強度で接着されていてよい。このように、より大きい引き抜き強度となる接着強度で接着されることにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を向上することができる。
【0044】
また、粘着層120の、第1剥離シート132が積層された面の外周の25%以上が第1剥離シート132と接触していてよい。より好ましくは、外周の50%以上が第1剥離シート132と接触していてよい。さらに好ましくは、外周の75%以上が第1剥離シート132と接触していてよい。第1剥離シート132が、粘着層120の、第1剥離シート132が積層された面の外周のより多い部分と接触することにより、第1剥離シート132によるステッカーの保持性を向上することができる。また、より多い部分でステッカーの一部が巻き上がることを抑制できるので、ステッカー貼り付け時の位置決め精度の低下を防止することもできる。
【0045】
図4は、複合フィルム100の変形例である複合フィルム200の一例を概略的に示す。ここでは、複合フィルム200について、複合フィルム100とは異なる点を主に説明する。複合フィルム200は、機能層210、機能層210に積層された粘着層220、および粘着層220に積層された剥離層230を備える。機能層210は、熱伝導層212および保護層214を有する。
【0046】
粘着層220は、第1粘着部222と、第2粘着部224と、第1粘着部222と第2粘着部224とを切り離し可能に保持する保持部229とを有する。保持部229は、例えば、第1粘着部222と第2粘着部224との間に形成されたミシン目である。ミシン目とは、切断部と未切断部とが交互に配置されるようにカットされた切断面をいう。切断部および未切断部の長さは、ミシン目による第1粘着部222および第2粘着部の保持性を維持できる範囲であれば、特に制限されない。
【0047】
剥離層230は、第1剥離シート232および第2剥離シート234を有する。第1剥離シート232は、第1粘着部222および第2粘着部224に接着されている。第2剥離シート234は第2粘着部224に接着されている。
【0048】
保護層214は、第1保護部216と、第2保護部218と、第1保護部216と第2保護部218とを切り離し可能に保持する保持部219とを有する。保持部219は、例えば、第1保護部216と第2保護部218との間に形成されたミシン目である。第1保護部216は第1粘着部222に対向しており、第2保護部218は第2粘着部224に対向している。
【0049】
図5は、複合フィルム200を被着体240に貼り付ける方法の一例を概略的に示す。ここでは、複合フィルム200を被着体240に貼り付ける方法について、複合フィルム100を被着体140に貼り付ける方法とは異なる点を主に説明する。
【0050】
図5(a)は剥離工程を示す。ここで、剥離工程とは、粘着層220から第2剥離シート234を剥離する工程である。剥離工程において、第2剥離シート234が粘着層220から剥離されて、粘着層220の一部が露出される。
図5(b)は貼付工程を示す。貼付工程とは、第2剥離シート234を剥離した複合フィルム200を被着体240に貼り付ける工程である。貼付工程において、複合フィルム200が被着体240に対して位置合わせされて貼り付けられる。
【0051】
図5(c)は引抜工程を示す。引抜工程とは、複合フィルム200から第1剥離シート232を引き抜く工程である。引抜工程において、第1剥離シート232が引き抜き方向に移動されて、第1粘着部222が第2粘着部224から切り離され、第1保護部216が第2保護部218から切り離されるとともに、第1剥離シート232が引き抜かれる。上記工程によって、
図5(d)に示されるように、ステッカーが被着体240に貼り付けられる。
【0052】
図5に示される方法は、被着体240としてデバイス本体を用いた場合にも適用できる。すなわち、
図5に示される方法は、デバイス本体に粘着層220を介して機能層210が貼り付けられたデバイスを製造する方法の一例であってよい。
【0053】
粘着層220が第1粘着部222、第2粘着部224および保持部229を有することにより、第1剥離シート232と第2粘着部224との接触面積を減少させても、第1剥離シート232によるステッカーの保持性を維持することができる。例えば、
図1に示す複合フィルム100に比べて第1剥離シート232と第2粘着部との接触面積を減少させても、第1粘着部222の存在によって、第1剥離シート232によるステッカーの保持性を維持することができる。
【0054】
そして、第1剥離シート232を引き抜くときには、第1剥離シート232と第2粘着部との接触面積が小さく、第1粘着部222と第2粘着部224とは保持部229において容易に切り離されることから、
図1に示す複合フィルム100に比べて、容易に引き抜くことができる。このように、複合フィルム200によれば、第1剥離シート232によるステッカーの保持性を維持しつつ、第1剥離シート232を引き抜くのに要する力を軽減させることができる。すなわち、複合フィルム200を被着体240に貼り付ける作業者は、第1剥離シート232によってステッカーを安定して保持しつつ、より少ない力で第1剥離シート232を引き抜くことができる。よって、複合フィルム200を被着体240へ貼り付ける作業性を向上することができる。
【0055】
本実施形態において、第1剥離シート232は第1粘着部222および第2粘着部224に接着されており、第1剥離シート232と剥離層230とが重なる領域内に保持部229が含まれている。これにより、第1剥離シート232を保持して複合フィルム200を移動させる場合に、保持部229にかかる負荷を低減することができる。よって、移動中に、保持部229から第1粘着部222が切り離されて第1剥離シート232からステッカーが剥離してしまうことを防止できる。
【0056】
なお、第1剥離シート232が、第1粘着部222および第2粘着部224のうち第1粘着部222のみに接着されていてもよい。この場合、第1剥離シート232と第2粘着部224とが接触しないように配置してよい。また、第2粘着部224の、第1剥離シート232と接触する領域に粘着剤を設けなくてもよい。第1剥離シート232を第1粘着部222のみに接着させることにより、第1剥離シート232によるステッカーの保持を可能としつつ、第1剥離シート232を第1粘着部222とともに容易に除去可能とすることができる。
【0057】
本実施形態において、保持部229の一例としてミシン目を挙げたが、これに限定されない。保持部229に、第1粘着部222および第2粘着部224よりも強度の低い素材を用いてもよい。また、保持部229の厚みを、第1粘着部222および第2粘着部224よりも小さくしてよい。また、これらを組み合わせてもよい。
【実施例】
【0058】
以下において、上述の実施形態に係るいくつかの実施例について、比較例とともに説明する。
【0059】
<評価方法>
ステッカー貼り付け後の第1剥離シートの引き抜き性の評価について、実験者が、複合フィルムを被着体に貼り付けた後、第1剥離シートを粘着層に平行に移動させて引き抜く作業をしたときに、簡単に引き抜ける場合を「A」とした。また、通常の力で引き抜ける場合を「B」とした。また、少し力がいるが引き抜ける場合を「C」とした。また、かなり力が必要だが引き抜ける場合を「D」とした。また、第1剥離シートが引き抜ける前に機能層に欠陥が生じる場合を「E」とした。
【0060】
図6は、第1剥離シートの引き抜き強度の測定方法について説明するための図である。以下の手順により引き抜き強度を評価した。まず、複合フィルムから、5.0mm以上の掴みしろ602、604ができるように、幅10.0mmの測定サンプル600を切り抜いた。
図6(b)は測定サンプル600の側面図である。
【0061】
測定サンプル600を24時間放置した後、島津製作所製のオートグラフ(型番:AGS−J)を使用して、第1剥離シートを粘着層と平行に移動させて引き抜いた場合の引き抜き強度の測定を行った。なお、50Nのロードセル(型番:SM−50N−168)を使用し、試験速度は10.0mm/sとした。また、測定サンプル600の作成、測定サンプル600の放置および測定のすべてを、温度23℃、湿度50%の環境で実施した。
【0062】
3つの複合フィルムの同一箇所から測定サンプル600を切り抜き、切り抜いた3つの測定サンプル600に対して測定を実施して、3回の測定の平均値を算出した。複合フィルムの外周の他の箇所についても測定を実施するべく、外周に沿って測定サンプル600を切り抜いていき、各箇所について、3回の測定の平均値を算出した。そして、算出した複数の箇所に対応する複数の平均値のうち、もっとも値が大きい平均値を複合フィルムの測定結果とした。
【0063】
複数種類の複合フィルムに対して、引き抜き性の評価および引き抜き強度の測定を実施したところ、引き抜き強度が2.0N/10mm未満の場合に、第1剥離シートを粘着層から簡単に引き抜くことができた。また、2.0N/10mm以上3.0N/10mm未満の場合に、通常の力で引き抜くことができた。また、3.0N/10mm以上7.4N/10mm未満の場合に、少し力がいるが引き抜くことができた。また、7.4mm以上24.40N/10mm以下の場合に、かなり力が必要だが引き抜くことができた。そして、24.40N/10mmより大きい場合には、第1剥離シートが引き抜ける前に機能層に欠陥が生じた。
【0064】
図7は、位置決め精度の評価について説明するための図である。位置決め精度の評価は、42.0mm角のステッカーを高さ0.5mmで60.0mm角の窪みを有する被着体の中央部に貼り付け、その位置精度で評価した。同じ条件で貼り付けるべく、第2剥離シートを剥がす動作から、被着体への取り付けが完了するまで20秒間で終わるように実施した。1つの実施例につき10回測定を実施し、所定の位置からの位置ズレの最大値の平均を算出した。位置ズレが±0.2mm未満を「A」、±0.2mm以上±0.5mm未満を「B」、±0.5mm以上±0.7mm未満を「C」、±0.7mm以上±1.0mm未満を「D」、±1.0mm以上を「E」とした。
【0065】
コストの評価は、複合フィルムを1ピース作成するのに必要な材料費および加工費をステッカーの面積(cm2)で割った、単位面積当たりのコストで評価した。基準として、比較例1の複合フィルムの単位面積当たりの材料費と加工費の合計を1に規格化し、その他の実施例、比較例のコストを算出した。コストが0.70未満を「A」、0.70以上0.80未満を「B」、0.80以上0.90未満を「C」、0.90以上1.00未満を「D」、1.00以上を「E」とした。
【0066】
第1剥離シートによるステッカーの保持性の評価は、第2剥離シートの剥離から被着体までの貼り付けの間に、第1剥離シートからステッカーが剥離される回数で評価した。1つの実施例につき30回測定を実施し、ステッカーの剥離の回数を調べた。一部でも剥離すればカウントするものとする。回数が1回未満を「A」、1回以上2回未満を「B」、2回以上5回未満を「C」、5回以上を「D」と評価した。
【0067】
図8は、実施例1から8、12から17に対応する複合フィルム300を概略的に示す。
図8(a)は、複合フィルム300の上面図、および線分Aにおける複合フィルム300の断面図を概略的に示す。
【0068】
また、剥離シートの剥離力について、日東電工から入手できる粘着テープ(型番:31B)に貼り付けた剥離シートに対して測定を行った。具体的には、粘着テープに貼り付けた剥離シートを23℃50%湿度で24時間放置した後、50.0mm幅、180度での剥離強度を、速度300.0mm/minで測定した。
【0069】
(実施例1)
次に示す手順で複合フィルム300を作成した。まず、サイズ50.0mm×50.0mm、厚さ30.0μmの保護層314(寺岡製作所製、631S#12)の中央部に、サイズ40.0mm×40.0mm、厚み25.0μmのグラファイトフィルム312(カネカ製、グラフィニティ)を空気が巻き込まれないように貼り合わせた。
【0070】
次に、グラファイトフィルム312における保護層314との接着面とは反対の面に、サイズ50.0mm×50.0mm、厚さ10.0μmの粘着層320(DIC社製、8603)を貼り合わせた。そして、グラファイトフィルム312の周囲より1.0mmずつ大きくなるように、保護層314および粘着層320を42.0mm×42.0mmにカットして、ステッカーを作成した。
【0071】
次に、サイズ60.0mm×60.0mm、厚さ75.0μmの剥離層330(ニッパ製、PET−75×1−SR(S))のシリコーンがついていない面に、微粘着シートを貼り合せて、剥離層330のみを切断して、剥離シート層の中央部に37.0mm角の背割りを形成した。剥離層330の、背割りにより分割された端部側が第1剥離シート332であり、中央側が第2剥離シート334である。続いて、第1剥離シート332に切れ込み336を形成した。
【0072】
そして、剥離層330の中央部にステッカーの粘着層320を接着させ、粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と2.5mm重なる状態とした。また、剥離層330に貼り合わせられている微粘着シートを剥離した。
図8(b)は、第2剥離シート334を剥離した後の複合フィルム300を概略的に示す。
【0073】
(実施例2)
剥離層330の中央部に41mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と0.5mm重なる状態となっている。
【0074】
(実施例3)
剥離層330の中央部に40mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と1.0mm重なる状態となっている。
【0075】
(実施例4)
剥離層330の中央部に38mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と2.0mm重なる状態となっている。
【0076】
(実施例5)
剥離層330の中央部に36mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と3.0mm重なる状態となっている。
【0077】
(実施例6)
剥離層330の中央部に32mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と5.0mm重なる状態となっている。
【0078】
(実施例7)
剥離層330の中央部に26mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と8.0mm重なる状態となっている。
【0079】
(実施例8)
剥離層330の中央部に22mm角の背割りを形成したこと以外は実施例1と同様である。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と10.0mm重なる状態となっている。
【0080】
(実施例9)
図9は、実施例9に対応する複合フィルム300を概略的に示す。剥離層330に形成した背割りの形状が異なること以外は、実施例1と同様である。背割りにより第2剥離シート334から分離された第1剥離シート332は凹形状を有する。粘着層320の外周の75%が第1剥離シート332と2.5mm重なる状態となっている。
【0081】
(実施例10)
図10は、実施例10に対応する複合フィルム300を概略的に示す。剥離層330に形成した背割りの形状が異なること以外は、実施例1と同様である。背割りにより第2剥離シート334から分離された第1剥離シート332はL字形状を有する。粘着層320の外周の50%が第1剥離シート332と2.5mm重なる状態となっている。
【0082】
(実施例11)
図11は、実施例11に対応する複合フィルム300を概略的に示す。剥離層330に形成した背割りの形状が異なること以外は、実施例1と同様である。背割りにより第2剥離シート334から分離された第1剥離シート332はI字形状を有する。粘着層320の外周の25%が第1剥離シート332と2.5mm重なる状態となっている。
【0083】
(実施例12)
剥離層330にニッパ製、PET75×1−K4−ASIを使用したこと以外は、実施例1と同様である。
【0084】
(実施例13)
剥離層330にニッパ製、PET75×1−K4−ASIを使用したこと以外は、実施例2と同様である。
【0085】
(実施例14)
剥離層330にニッパ製、PET75×1−K4−ASIを使用したこと以外は、実施例3と同様である。
【0086】
(実施例15)
剥離層330にニッパ製、PET75×1−K4−ASIを使用したこと以外は、実施例4と同様である。
【0087】
(実施例16)
剥離層330にニッパ製、PET75×1−K4−ASIを使用したこと以外は、実施例5と同様である。
【0088】
(実施例17)
剥離層330にニッパ製、PET75×1−K4−ASIを使用したこと以外は、実施例6と同様である。
【0089】
(実施例18)
図12は、実施例18に対応する複合フィルム400を概略的に示す。
図12(a)は、複合フィルム400の上面図、および線分Aにおける複合フィルム400の断面図を概略的に示す。
【0090】
次に示す手順で複合フィルム400を作成した。まず、サイズ50.0mm×50.0mm、厚さ30.0μmの保護層414(寺岡製作所製、631S#12)の中央部に、サイズ40.0mm×40.0mm、厚み25.0μmのグラファイトフィルム412(カネカ製、グラフィニティ)を空気が巻き込まれないように貼り合わせた。
【0091】
次に、グラファイトフィルム412における保護層414との接着面とは反対の面に、サイズ50.0mm×50.0mm、厚さ10.0μmの粘着層420(DIC社製、8603)を貼り合わせ、グラファイトフィルム412の周囲より3.0mmずつ大きくなるように、保護層414および粘着層420を46.0mm×46.0mmにカットして、ステッカーを作成した。
【0092】
次に、サイズ60.0mm×60.0mm、厚さ75.0μmの剥離層430(ニッパ製、PET−75×1−SR(S))のシリコーンがついていない面に、微粘着シートを貼り合せて、剥離層430のみを切断して、剥離層430の中央部に40.0mm角の背割りを形成した。剥離層430の、背割りにより分割された端部側が第1剥離シート432であり、中央側が第2剥離シート434である。続いて、第1剥離シート432に切れ込み436を形成した。
【0093】
そして、剥離層430の中央部に、ステッカーの粘着層420を接着させた。また、保護層414および粘着層420に42.0mm角のミシン目419、429を形成した。ミシン目は1.0mm切断部と、0.5mmの未切断部が交互になるように形成した。粘着層320の外周すべてが第1剥離シート332と3.0mm重なる状態となっている。そして、剥離層430の下面についている微粘着シートを剥離した。
図12(b)は、第2剥離シート434を剥離した後の複合フィルム400を概略的に示す。
【0094】
(比較例1)
図13は、比較例1に対応する複合フィルム500を概略的に示す。複合フィルム500は、アプリケーションシート502、グラファイトフィルム512、保護層514、粘着層520および剥離層530を備える。ここでは、アプリケーションシート502として、アプリケーションテープ(パナック製CT−75)を使用した。剥離層530に背割りを形成しなかったこと、および60mm×60mmのアプリケーションシート502が剥離層530と重なるように、アプリケーションシート502の微粘着部をステッカーの保護層514に貼り合せたこと以外は、実施例1と同様である。
【0095】
(比較例2)
図14は、比較例2に対応する複合フィルム300を概略的に示す。剥離層330に形成した背割りの形状が異なること以外は、実施例1と同様である。粘着層320の一面の69%が、第1剥離シート332と重なる状態となっている。また、第1剥離シート332と粘着層320との重なり幅の最大値aが37.0mmとなっている。
【0096】
(比較例3)
図15は、比較例3に対応する複合フィルム300を概略的に示す。剥離層330に形成した背割りの形状が異なること以外は、実施例1と同様である。粘着層320の一面の36.9%が、第1剥離シート332と重なる状態となっている。また、第1剥離シート332と粘着層320との重なり幅の最大値aが10.0mmとなっている。
【0097】
実施例1から18および比較例2および3に係る複合フィルムに対して、上述した第1剥離シートの引き抜き性、位置決め精度、コスト、および第1剥離シートによるステッカーの保持性について、評価を実施した。また、比較例1に係る複合フィルムに対して、上述した位置決め精度およびコストについて、評価を実施した。評価結果を表1から表3に示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
以上のように、本実施形態に係る複合フィルムによれば、第1剥離シートによって、複合フィルムの保持性を維持しつつ、ステッカー貼り合わせ後の第1剥離シートの除去を容易とする。これにより、複合フィルムが一方の面に剥離層を有すればよいことになり、両面に剥離層を備える場合に比較して複合フィルムの部品点数を低減できる。
【0102】
特に、実施例1に示す複合フィルム300は、高い引き抜き性と、高い位置決め精度および保持性とを発揮する。また、実施例18は、高い引き抜き性および高い位置決め精度を発揮しつつ、保持性をさらに高めることができる。なお、本実施形態において、位置決め精度および保持性を高める点では、粘着層の外周と第1剥離シートとの重なりはより多い方が好ましい。粘着層の外周の少なくとも一部に第1剥離シートが重なっていない部分がある場合、その部分が巻き上がってしまうことにより、ステッカー貼り付け時の位置決め精度が低下してしまう場合があるが、粘着層の外周と第1剥離シートとの重なりをより多くすることによって、位置決め精度の低下を防止できる。
【0103】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0104】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示したデバイスの製造方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。