特許第5968154号(P5968154)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5968154-塵芥投入装置 図000002
  • 特許5968154-塵芥投入装置 図000003
  • 特許5968154-塵芥投入装置 図000004
  • 特許5968154-塵芥投入装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968154
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】塵芥投入装置
(51)【国際特許分類】
   B65F 5/00 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   B65F5/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-175038(P2012-175038)
(22)【出願日】2012年8月7日
(65)【公開番号】特開2014-34433(P2014-34433A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】501370370
【氏名又は名称】三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】松村 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】上南 博
(72)【発明者】
【氏名】代田 博文
【審査官】 芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−161404(JP,A)
【文献】 実開昭61−011607(JP,U)
【文献】 実開昭60−019683(JP,U)
【文献】 特開平07−315509(JP,A)
【文献】 米国特許第02821282(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 5/00
B65G 11/00
E04F 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口を介して投入用スライダーに塵芥を投入可能とする塵芥投入装置において、
前記投入用スライダーの入口の前方に設けられ、前記入口を臨む孔を有する壁部と、
前記孔に取り付けられ、前記壁部の面に沿って上下動可能に設けられ、その枠内が前記投入口とされた額縁部と、
前記額縁部に、前記投入口の下辺と平行な回転軸を中心に回動可能に設けられた投入バケットと、を有し、
前記投入バケットには、前記投入口から前記投入用スライダーの入口へ塵芥を案内する案内面が設けられていることを特徴とする塵芥投入装置。
【請求項2】
前記案内面と前記投入用スライダーとは少なくとも一部が上方から視て重なっていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥投入装置。
【請求項3】
前記投入バケットは前記壁部の外側に位置させて塵芥を受け入れる外側回動位置と、内側に位置させて塵芥を前記投入用スライダーに落下させる内側回動位置との間で回動可能とされ、
前記投入バケットを前記内側回動位置に位置させた状態で、前記額縁部を前記孔の上端から下端に向けて移動させ、前記案内面が前記投入用スライダーに接触することにより、前記投入バケットが前記外側回動位置に回動することを特徴とする請求項2に記載の塵芥投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投入口を介して投入用スライダーに塵芥を投入可能とする塵芥投入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの集合住宅においては、各家庭から出る塵芥を塵芥収集車が回収に来るまでの間、一時的に貯留する貯留機が設置されている場合がある。
この種の貯留機としては、ドラム内部に投入された塵芥をドラムの回転により排出口側に圧縮して貯留する回転ドラム式の貯留機が知られている。
この回転ドラム式の貯留機は、塵芥収集車の受入口に対応した高さ位置に排出口が配置されており、この排出口とは反対側に、利用者が塵芥を投入する投入口が配置されている。
利用者が投入した塵芥は、投入口からスライダーを介して斜め下方に滑り落ちることでドラム内に導入され、ドラム内で排出口側へと圧縮されて貯留された後、排出口を介して塵芥収集車に受け渡される。
【0003】
上記回転ドラム式の貯留機は、排出口の位置を塵芥収集車の受入口の位置に対応させるために、排出口の高さを基準にしてドラムの設置高さを決めている。そのため、塵芥収集車が塵芥回収時に乗り入れるスペースのレベルと、貯留機が設置されるフロアレベルと、利用者が投入口に塵芥を投入する場所のフロアレベルとが同レベルの場合、投入口の位置が比較的高い位置となって、背丈の低い利用者が塵芥を投入し難かった。そこで、投入口に向けて昇降台や、階段等を設けて嵩上げするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そのため、投入口に向けて昇降台や、階段等を設けて嵩上げすることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、背の低い人であっても塵芥の投入を行い易いように、塵芥を比較的低い位置で受け取った後、モータ等の動力により上方に搬送して、貯留機の投入口へ反転投入する投入装置を備えたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4251638号公報
【特許文献2】特許第4345923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した昇降台や階段を設けている場合、昇降台や階段の昇り降りが高齢者などにとって負担になるとともに、昇降台や階段が邪魔になって車椅子の利用者が投入口へ接近し難くなるという課題がある。
さらに、塵芥を上方に搬送する投入装置を設けている場合、低い位置で塵芥を投入できるものの、装置が複雑化してコストが上昇してしまうと共に、装置が大型化して設置自由度が低下してしまうという課題がある。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、装置が複雑化してコストが上昇したり設置自由度が低下することなしに、高齢者や車椅子の利用者であっても塵芥を投入し易い塵芥投入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る塵芥投入装置は、投入口を介して投入用スライダーに塵芥を投入可能とする塵芥投入装置において、前記投入用スライダーの入口の前方に設けられ、前記入口を臨む孔を有する壁部と、前記孔に取り付けられ、前記壁部の面に沿って上下動可能に設けられ、その枠内が前記投入口とされた額縁部と、前記額縁部に、前記投入口の下辺と平行な回転軸を中心に回動可能に設けられた投入バケットと、を有し、前記投入バケットには、前記投入口から前記投入用スライダーの入口へ塵芥を案内する案内面が設けられていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、投入バケットが回動可能に固定された額縁部が上下移動自在とされているため、額縁部を下方向に移動させることによって、昇降台や階段を設置することなく投入バケットを開閉して塵芥を投入バケットに収容することができる。
【0010】
上記塵芥投入装置において、前記案内面と前記投入用スライダーとは少なくとも一部が上方から視て重なっていることが好ましい。
上記構成によれば、塵芥の投入時において塵芥がこぼれることを防止することができる。
【0011】
上記塵芥投入装置において、前記投入バケットは前記壁部の外側に位置させて塵芥を受け入れる外側回動位置と、内側に位置させて塵芥を前記投入用スライダーに落下させる内側回動位置との間で回動可能とされ、前記投入バケットを前記内側回動位置に位置させた状態で、前記額縁部を前記孔の上端から下端に向けて移動させ、前記案内面が前記投入用スライダーに接触することにより、前記投入バケットが前記外側回動位置に回動することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、額縁部を下方向に移動させる操作によって投入バケットが外側回動位置に回動するため、少ない操作で投入バケットを塵芥を受け入れ可の状態にすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、投入バケットが回動可能に固定された額縁部が上下移動自在とされているため、額縁部を下方向に移動させることによって、昇降台や階段を設置することなく投入バケットを開閉して塵芥を投入バケットに収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態における塵芥貯留システムの側面図である。
図2】本発明の実施形態における塵芥投入装置の斜視図である。
図3】上記塵芥投入装置の額縁部が上端位置にあるとともに投入バケットが内側回動位置に配置された側面図である。
図4】上記塵芥投入装置の額縁部が下端位置にあるとともに投入バケットが外側回動位置に配置された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この実施形態の塵芥貯留システムを示す側面図であり、この図1に示す塵芥貯留システムは、主に、塵芥を内部に貯留する貯留機2と、該貯留機2の内部へ塵芥を投入するための塵芥投入装置1とを備えて構成される。
【0016】
貯留機2は、家庭で出た塵芥を一時的に受入する装置であり、塵芥投入装置1は、貯留機2に塵芥を投入するための装置である。
貯留機2は、その一方側(図1の右側)から塵芥が投入可能とされる一方、投入された塵芥を他方側(図1の左側)から強制的に排出可能となっており、略円筒状の貯留本体部3と、この貯留本体部3を支持するフレーム部4とを備えている。フレーム部4は、貯留機2を下方から支える水平フレーム部5を備えており、この水平フレーム部5には、貯留本体部3の軸線に平行な回転軸を有する左右一対のローラー6が、貯留本体部3の軸方向に十分に離間してそれぞれ設けられている。これらローラー6の上には、貯留本体部3が載置されて、ローラー6の回動により、貯留本体部3がその軸回りに回転可能な状態でフレーム部4に支持される。
なお、以下の説明では、貯留本体部3の軸線方向において、塵芥を排出する側を単に排出側、塵芥が投入される側を単に投入側と称する。
【0017】
水平フレーム部5の排出側には、貯留本体部3の軸線と平行な出力軸8を有する電動機7が取り付けられており、この電動機7の出力軸8の軸端部に取り付けられたプーリー9と、貯留本体部3の排出側に形成された傾斜部10の外周との間にベルト11が掛け回されている。電動機7を作動させることで、その回転動力がベルト11を通じて貯留本体部3に伝達されて貯留本体部3が回動されることとなる。なお、ベルト11を介して電動機7と貯留本体部3とを連係させる場合について説明したが、電動機7と貯留本体部3とを歯車機構を用いて連係することで貯留本体部3を回転駆動するようにしてもよい。
【0018】
貯留本体部3の内部には、螺旋翼(図示せず)などの押し込み機構が設けられており、この押し込み機構によって、貯留本体部3が所定の圧縮方向に回動されると、貯留本体部3の内部に投入された塵芥が排出方向へ押し込まれて圧縮されるようになっている。
【0019】
水平フレーム部5には、下方に向かって脚部12が突出して設けられており、この脚部12の長さを変化させることで貯留機2の設置レベル(フロアからの高さ)が調整可能になっている。通常、貯留機2の設置レベルは、貯留機2の排出口13が塵芥収集車15の受入口14に対応した高さとなるように設定され、より具体的には、排出口13から塵芥収集車15の受入口14に塵芥を円滑に受け渡すことが可能な高さとなるように設定される。
【0020】
水平フレーム部5の排出側の端部には、鉛直上方に延びる縦フレーム部16が立設されており、この縦フレーム部16の上下略中央に貯留本体部3の排出口13が支持されている。さらに、縦フレーム部16には、電動機や油圧シリンダーなどによって排出口13を開閉する出口開閉機構17が設けられるとともに、排出口13から排出された塵芥を塵芥収集車15の受入口14まで滑り落とすためのスライダー18が取り付けられている。
【0021】
上述した構成によれば、塵芥収集車15の受入口14がスライダー18に対して適正な位置に配置された状態で、電動機7を駆動して貯留本体部3を回動させ、出口開閉機構17により排出口13を開放すると、貯留本体部3の内部に貯留されて排出側に圧縮された塵芥が、排出口13から強制的に排出されて、スライダー18を滑り落ちて塵芥収集車15の受入口14に導入されることとなる。
【0022】
貯留機2は、貯留本体部3の投入側に建屋等の構造物の壁部20が隣接するように配置されており、この壁部20には、塵芥を貯留機2内部へ投入するための正面視略矩形の孔20aが穿設されている。この孔20aには、塵芥投入装置1が取り付けられ、塵芥投入装置1から貯留機2の内部下側に向かって角筒形状の投入用スライダー22が取り付けられている。
【0023】
投入用スライダー22は、所定の傾斜角度(好ましくは45度以上)を有し、その投入用スライダー22の下端が貯留本体部3の内部に臨んでいる。ここで、上記所定の傾斜角度とは、塵芥投入装置1を用いて投入された塵芥が、投入用スライダー22を円滑に滑り落ちることができる傾斜角度である。
また、投入用スライダー22の下板22aの最も壁部20側の縁、即ち、塵芥の滑り面における最も入口側の縁を投入縁22b(入口)とする。
【0024】
図2は、本実施形態の塵芥投入装置1の斜視図であり、図3は、塵芥投入装置1の額縁部27が上端位置にあるとともに投入バケット24が内側回動位置に配置された側面図、図4は、額縁部27が下端位置あるとともに投入バケット24が外側回動位置に配置された側面図である。
【0025】
図2図4に示すように、塵芥投入装置1は、所謂シーソー形の投入バケット24を用いた投入方式の投入装置であり、壁部20の矩形孔20aに取り付けられている。そして、この塵芥投入装置1は、使用の際は、投入バケット24を外側回動位置(図4参照)にして壁部の手前側(図3及び図4の右側)から塵芥を投入バケット24の収容部25に収容し、投入バケット24を内側回動位置(図3参照)にして壁部20の奥側(図3及び図4の左側)に設置されている投入用スライダー22に塵芥を投入するものである。
【0026】
塵芥投入装置1は、壁部20の矩形孔20aに設けられたレール26と、レール26に沿って上下方向に移動可能とされた額縁部27と、額縁部27に回動可能に取り付けられた投入バケット24と、投入バケット24の収容部25に収容された塵芥を貯留機2(図1参照)の貯留本体部3(図1参照)に投入する投入用スライダー22と、を有している。
【0027】
レール26は矩形孔20aの上下方向に延在する端面に設けられている。具体的には、矩形孔20aの横幅は、額縁部27の横幅と略同一の寸法となるように形成されている。矩形孔20aの縦寸法は、額縁部27の上下方向移動距離に合わせて形成されている。レール26は、例えば所謂上げ下げ窓(サッシ)に使用されるような上下方向に延在する一組の突条によって構成されているものを採用することができる。
【0028】
額縁部27は、レール26上を走行可能な略正方形の枠体であり、額縁部27に形成されている略正方形の孔が投入口28とされている。額縁部27の上下方向に延在する二辺には、レール26に対応する凸レールが形成されている。また、額縁部27の手前側の面上であって、上下方向に延在する両側の桟には、それぞれ額縁操作ハンドル38が設けられている。なお、図2に示す額縁操作ハンドル38の形状は一例であって、額縁部27を上下方向に走行操作できる形状であれば、図2の額縁操作ハンドル38の形状に限られるものではない。
【0029】
図3に示すように、投入口28の下辺近傍、より具体的には下辺の左右両側には、支持部29が設けられ、支持部29には投入口28の下辺に沿う(換言すれば、投入口28の下端近傍に設けられ略水平な)回転軸30が設けられている。
額縁部27は、図3に示すような上端位置と、図2及び図4に示すような下端位置との間で移動可能とされている。即ち、額縁部27に取り付けられた投入バケット24は上下方向に移動可能であり、額縁部27に設けられた投入口28も上下方向に移動可能である。
また、下前板部31は、投入バケット24が内側回動位置にある場合に、額縁部27の投入口28を閉鎖するように、形状が投入口28と略同じにされている。
【0030】
投入バケット24は、塵芥を収容可能な定量バケットとしての収容部25を有し、この収容部25を投入口28の外側に位置させて塵芥を受け入れる外側回動位置(図2図4参照)と、収容部25を投入口28の内側に位置させて塵芥を投入用スライダー22に落下させる内側回動位置(図3参照)との間で回動可能とされる。
【0031】
投入バケット24は、内側回動位置において投入口28の下部を閉塞する下前板部31と、この下前板部31の回転軸30側に連なり、下前板部31との角度が鈍角(例えば、120度程度)をなす下後板部32と、これら下前板部31と下後板部32とを左右側方から挟み込む左右一対の下側板部33と、左右方向に延在する帯状の前板部34とを備えて構成される。
【0032】
下後板部32は、下前板部31の回転軸30側の端部に溶接や屈曲により連なって形成されており、下側板部33は、下前板部31と下後板部32とのなす角度と同等の角度を有する扇状に形成されている。また、前板部34は、下前板部31の回転軸30とは反対側の前辺から、下前板部31とは略垂直に交わる方向に立ち上がるように溶接や屈曲形成等により下前板部31に接続されている。
【0033】
つまり、投入バケット24が外側回動位置にされたときに、下前板部31が底壁とされ、その周縁がそれぞれ下後板部32、下側板部33、前板部34とで囲まれて、塵芥を収容する収容部25が形成されている。
【0034】
下後板部32は、塵芥を投入用スライダー22に案内するための案内面とて機能する。即ち、下後板部32は、投入バケット24が内側回動位置に位置すると、下後板部32が投入口28から投入用スライダー22に向かって低くなるような斜面となる。また、下後板部32が内側回動位置に位置している場合において、最も奥側の縁を案内縁37とする。
【0035】
投入バケット24の下前板部31には、投入バケット24を回動操作するための操作ハンドル36が取り付けられている。この操作ハンドル36は、投入バケット24が内側回動位置とされた場合の下前板部31の外面の上辺近傍に配置される。このように上辺近傍に配置することで、操作ハンドル36の位置を回転軸30からより離間配置することができるため、投入バケット24を開閉操作する際により小さな作動力で投入バケット24を開閉できるようになる。なお、図2に示す操作ハンドル36の形状は一例であって、投入バケット24を回動操作できる形状であれば、図2の操作ハンドル36の形状に限られるものではない。
【0036】
図3図4に示すように、投入バケット24は、回転軸30方向から見た重心位置Gが、回転軸30を通る鉛直線Vよりも投入口28の外側に位置した状態で放置されると、外側回動位置まで回動して、外側回動位置で保持される。一方、投入バケット24は、回転軸30方向から見た重心位置Gが上記鉛直線Vよりも投入口28の内側に位置した状態で放置されると、内側回動位置まで回動して内側回動位置で保持される。
【0037】
次に、投入バケット24と、投入用スライダー22との位置関係について説明する。
図3及び図4に示すように、投入バケット24と投入用スライダー22とは、投入バケット24が外側回動位置に位置する場合、及び投入バケット24が内側回動位置に位置する場合に下後板部32と投入用スライダー22の下板22aとが、上方から視て少なくとも一部において重なる(オーバーラップする)ように配置されている。
【0038】
さらに詳しくは、投入バケット24と投入用スライダー22とは、図4に示すように、投入バケット24が外側回動位置に位置する場合に、下後板部32の案内縁37が、投入用スライダー22の投入縁22bよりも僅かに奥側に位置するように配置されている。
【0039】
次に、上述した実施形態の塵芥投入装置1の作用を説明する。
額縁部27の上下方向の移動は、次の2つの方法を利用することができる。まず、額縁部の前面部に設けられた額縁操作ハンドル38を手動で上下させることにより、額縁部27を上下方向にスライドさせることができる。あるいは、投入バケット24の操作ハンドル36を上下させることによってスライドさせることができる。
【0040】
そして、額縁部27が図3に示すような上端位置にある場合、投入バケット24が外側回動位置まで回動されると、収容部25に塵芥を収納可能な状態となる。次いで、塵芥を収容部25に収容した状態で、投入バケット24を内側回動位置まで回動させることで、塵芥を貯留機2の内部に投入することができる。
【0041】
また、額縁部27を図3に示すような上端位置に位置させるとともに内側回動位置に配置させた状態から、図4に示すような下端位置に移動させると、額縁部27が上端位置から下端位置に移動する途中で、投入バケット24の案内縁37が投入用スライダー22の投入縁22bに干渉する。即ち、額縁部27を上端位置から下方に移動させる際に、下後板部32が投入用スライダー22の投入縁22bに接触することによって、投入バケット24が内側回動位置から外側回動位置に回動するように構成されている。
【0042】
そして、塵芥を貯留機2の内部に投入する際には、額縁部27を上端位置に戻し、次いで、投入バケット24を内側回動位置に回動させる。
【0043】
上記実施形態によれば、投入バケット24が回動可能に固定された額縁部27が上下移動自在とされているため、額縁部27を下方向に移動させることによって、昇降台や階段を設置することなく投入バケット24を開閉して塵芥を収容部25に収容することができる。即ち、高齢者や車椅子の利用者であっても塵芥を投入し易い塵芥投入装置を提供することができる。
【0044】
また、投入バケット24を低い位置に移動可能にしつつ投入口28の開口面積を従来同様に確保することができるため、収容部25に従来と同等の大きさの塵芥を投入することが可能となる
【0045】
また、上端位置にあるとともに、投入バケット24が内側回動位置にある額縁部27を、額縁操作ハンドル38を操作することによって下方に移動させると、投入バケット24の下後板部32と投入用スライダー22の投入縁22bとが干渉することにより、投入バケット24が外側回動位置に回動するため、投入バケット24の開閉をより容易とすることができる。
【0046】
また、投入バケット24の下後板部32と投入用スライダー22の下板22aとが、上方から視て重なるように配置されていることにより、塵芥の投入時において塵芥がこぼれることがない。
【0047】
なお、この発明は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、投入バケット24の下後板部32を延長することによって、額縁部27のスライド幅を延長することができる。
また、所定の電動機を用いて、額縁部27上下方向のスライド移動を電動化してもよい。
また、投入バケット24は、額縁部27を上下方向に移動させることなく開閉可能である。即ち、投入バケット24は、上下スライドの稼動範囲内の任意の位置で開閉が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 塵芥投入装置
20 壁部
20a 孔
22 投入用スライダー
22b 投入縁(入口)
24 投入バケット
27 額縁部
28 投入口
30 回転軸
32 下後板部(案内面)
図1
図2
図3
図4