(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
断面略矩形状の左右の縦杆とこれらの縦杆の上下両端を連結する断面略矩形状の上下の横杆とからなる枠体を備えた複数枚の柵部材の互いに隣接し合う左右方向端同士を、平面視でのサークル本体の真直ぐな直線部及び直角な角部においてそれぞれ連結して構成されるペット用サークルにおいて、前記サークル本体の上方へ開口する開口部を閉塞する屋根部材を用いた屋根構造であって、
前記各柵部材のうち、前記サークル本体の直線部において互いに相隣なる双方の柵部材は、互いの左右方向端同士の表裏両側辺をそれぞれ突き合わせた状態で直線部用固定具により連結されている一方、前記サークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材は、互いの左右方向端同士の裏側辺のみを突き合わせた状態で角部用固定具により連結され、
前記各柵部材には、それぞれの枠体の四隅を当該各柵部材の表裏方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記直線部用固定具は、前記サークル本体の直線部において互いに相隣なる双方の柵部材の前記貫通孔に対応する直線部用対応孔を長手方向両端部に有する長尺材を当該双方の柵部材に亘って締結するように前記貫通孔及び前記直線部用対応孔にそれぞれ挿通される長尺材用締結具を備えている一方、
前記角部用固定具は、前記サークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材の左右方向端同士の裏側辺に隣接する裏側面に対しそれぞれ半径面部が対面するように中心角度が90°の扇状に形成され、かつ前記貫通孔に対応する角部用対応穴を前記各半径面部に有する扇状連結部材と、この扇状連結部材を前記サークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材の枠体の裏側面に締結するように前記貫通孔から前記角部用対応穴にそれぞれ挿通される螺着具と、を備え、
前記長尺材及び前記扇状連結部材は、前記各柵部材の上端に対し当該各柵部材の表裏方向の厚み未満の間隔を存して裏側面にそれぞれ取り付けられており、
前記屋根部材は、前記貫通孔を四隅に有する前記各柵部材と同一の枠体を備え、前記サークル本体の開口部を閉塞するに必要な枚数を組み合わせた状態で、前記扇状連結部材及び前記長尺材の上面に載置されて前記サークル本体の内側に沿って設置され、
前記各屋根部材は、前記サークル本体に対し脱着自在な固定具を介して固定されているとともに、互いに相隣なる屋根部材同士は、そのうちの一方の屋根部材の前記サークル本体に対する前記固定具の固定が解除されたときに他方の屋根部材に対し開閉されるように開閉具を介して支持されていることを特徴とするペット用サークルの屋根構造。
前記各屋根部材のうちの一方の屋根部材を開閉させる他方の屋根部材が複数隣接して設けられ、その互いに隣接する他方の屋根部材同士が、それぞれの前記貫通孔及び前記直線部用対応孔に前記長尺材用締結具を挿通させた前記長尺材によって締結されている請求項1に記載のペット用サークルの屋根構造。
前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方は、前記貫通孔に対応する対応孔を備え、この貫通孔に挿通される前記長尺材用締結具又は前記螺着具が前記対応孔にも挿通されて共締めされている請求項3に記載のペット用サークルの屋根構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ペット用サークルが複数の柵部材によって外郭のみが構成されているため、サークル本体の上方へ開口部が開口しており、サークル本体内のペットが柵部材を乗り越えて飛び出すおそれがある。また、ペット用サークル内のペットとは分けておきたいペット用サークル外のペットが柵部材を乗り越えてペット用サークル内に侵入するおそれもある。
【0006】
そこで、サークル本体の上方へ開口する開口部を閉塞する専用の屋根部材を複数枚用い、サークル本体内のペットの飛び出しや、サークル本体外からの他ペットの侵入を確実に防止することが考えられる。しかし、サークル本体の開口部を閉塞する屋根部材としては、柵部材とは異なる専用のものが用いられるため、屋根部材を新たに製作する必要があり、屋根部材の価格が高くなる。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、既存の部材を流用して屋根部材を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明では、断面略矩形状の左右の縦杆とこれらの縦杆の上下両端を連結する断面略矩形状の上下の横杆とからなる枠体を備えた複数枚の柵部材の互いに隣接し合う左右方向端同士を、平面視でのサークル本体の真直ぐな直線部及び直角な角部においてそれぞれ連結して構成されるペット用サークルにおいて、前記サークル本体の上方へ開口する開口部を閉塞する屋根部材を複数用いた屋根構造を前提とする。そして、前記各柵部材のうち、前記サークル本体の直線部において互いに相隣なる双方の柵部材を、互いの左右方向端同士の表裏両側辺をそれぞれ突き合わせた状態で直線部用固定具により連結する一方、前記サークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材を、互いの左右方向端同士の裏側辺のみを突き合わせた状態で角部用固定具により連結する。また、前記各柵部材に、それぞれの枠体の四隅を当該各柵部材の表裏方向に貫通する貫通孔を設け、前記直線部用固定具に、前記サークル本体の直線部において互いに相隣なる双方の柵部材の前記貫通孔に対応する直線部用対応孔を長手方向両端部に有する長尺材を当該双方の柵部材に亘って締結するように前記貫通孔及び前記直線部用対応孔にそれぞれ挿通される長尺材用締結具を設ける。一方、前記角部用固定具に、前記サークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材の左右方向端同士の裏側辺に隣接する裏側面に対しそれぞれ半径面部が対面するように中心角度が90°の扇状に形成され、かつ前記貫通孔に対応する角部用対応穴を前記各半径面部に有する扇状連結部材と、この扇状連結部材を前記サークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材の枠体の裏側面に締結するように前記貫通孔から前記角部用対応穴にそれぞれ挿通される螺着具と、を設ける。更に、前記長尺材及び前記扇状連結部材を、前記各柵部材の上端に対し当該各柵部材の表裏方向の厚み未満の間隔を存して裏側面にそれぞれ取り付ける。そして、前記各屋根部材は、前記貫通孔を四隅に有する前記各柵部材と同一の枠体を備え、前記サークル本体の開口部を閉塞するに必要な枚数を組み合わせた状態で、前記扇状連結部材及び前記長尺材の上面に載置されて前記サークル本体の内側に沿って設置される。また、前記各屋根部材は、前記サークル本体に対し脱着自在な固定具を介して固定されているとともに、互いに相隣なる屋根部材同士は、そのうちの一方の屋根部材の前記サークル本体に対する前記固定具の固定が解除されたときに他方の屋根部材に対し開閉されるように開閉具を介して支持されていることを特徴としている。
【0009】
また、前記各屋根部材のうちの一方の屋根部材を開閉させる他方の屋根部材が複数隣接して設けられ、その互いに隣接する他方の屋根部材同士が、それぞれの前記貫通孔及び前記直線部用対応孔に長尺材用締結具を挿通させた前記長尺材によって締結されていることが好ましい。
【0010】
また、前記固定具は、前記柵部材の枠体及び前記屋根部材の枠体のいずれか一方に固定され、係合片を有する第1部材と、前記柵部材の枠体及び前記屋根部材の枠体のいずれか他方に固定された第2部材と、この第2部材に一端が取り付けられ、前記第1部材の係合片に係脱自在に係合する係合部を他端に備えた弾性帯材と、を設けることが好ましい。
【0011】
更に、前記第1部材及び前記第2部材のいずれか一方は、前記貫通孔に対応する対応孔を備え、この貫通孔に挿通される前記長尺材用締結具又は前記螺着具が前記対応孔にも挿通されて当該長尺材用締結具により共締めされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上、要するに、各柵部材と同一の枠体を備えた屋根部材を用いることで、各柵部材が屋根部材として流用されて、屋根部材を新たに製作する必要がなく、屋根部材を安価に提供することができる。
【0013】
しかも、屋根部材が固定具によってサークル本体に対し脱着自在に固定されているので、屋根部材が不慮に外れることがなく、サークル本体内のペットの飛び出しや、ペット用サークル外からの他ペットの侵入をより確実に防止することができる。
【0014】
更に、一方の屋根部材のサークル本体に対する固定具の固定が解除されたときに、他方の屋根部材に対し一方の屋根部材が開閉具を介して開閉されるので、サークル本体の上方へ開口する開口部を開放させる際に、屋根部材を取り外す必要がなく、簡単に開閉させることができる。
【0015】
また、互いに隣接する他方の屋根部材同士を、それぞれの貫通孔及び直線部用対応孔に長尺材用締結具を挿通させた長尺材によって締結することで、扇状連結部材及び長尺材の上面に載置されない屋根部材の重量による撓みが長尺材によって抑制され、サークル本体の開口部を屋根部材によって円滑に閉塞することができる。
【0016】
また、第2部材に一端を取り付けた弾性帯材の他端の係合部を第1部材の係合片に係脱自在に係合する固定具によって屋根部材の枠体を柵部材の枠体に固定することで、簡単な構成で屋根部材をサークル本体に固定することができる。しかも、係合部と係合片との係脱により固定具を簡単に係脱させることができる。
【0017】
更に、貫通孔に挿通される長尺材用締結具又は螺着具を第1部材及び第2部材のいずれか一方の対応孔にも挿通させて共締めすることで、第1部材及び第2部材のいずれか一方を固定するための固定具が不要となり、部品点数を削減して、屋根部材をより安価に提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面により詳細に説明する。
【0020】
先ず、
図1は本発明の第1の実施の形態に係るペット用サークルの屋根構造を示す平面図、
図2はペット用サークルの斜視図、
図3はペット用サークルのサークル本体を形成する柵部材単体の斜視図、
図4はペット用サークルのサークル本体を形成する出入口用柵部材単体の斜視図、
図5はペット用サークルのサークル本体の第2直線部において互いに相隣なる双方の柵部材の左右方向端同士を連結する直線部用固定具の分解斜視図、
図6はペット用サークルのサークル本体の角部において互いに相隣なる双方の柵部材の左右方向端同士を連結する角部用固定具の分解斜視図、
図7は角部用固定部により連結される柵部材の左右方向端同士を斜め下方から見た斜視図、
図8は固定具の斜視図、
図9は一方の屋根部材を開放させた状態でのペット用サークルの斜視図をそれぞれ示している。
【0021】
図1及び
図2において符号1Aで示すペット用サークルは、木製の枠体20を備えた複数枚の柵部材2,2,…の互いに隣接し合う左右方向端21,21同士を、平面視で見てサークル本体10Aの真直ぐな第1及び第2直線部11a,11b及び直角に折れ曲がる角部12においてそれぞれ連結して略矩形枠状に構成される。枠体20は、
図3にも示すように、断面略矩形状の左右の縦杆22,22と、これらの縦杆22,22の互いに向き合う対向面220,220の上下両端同士をそれぞれ連結する断面略矩形状の上下の横杆23,23とからなる。各柵部材2の枠体20は、略正方形枠状に形成され、横杆23,23の間を左右方向所定間隔置き(例えば5〜7cm置き)に上下方向に連結する柵棒体24,24,…を備えている。
【0022】
また、サークル本体10Aは、縦方向(
図1では上下方向)の1枚の柵部材2と、横方向(
図1では左右方向)に直線状に連結した2枚の柵部材2,2とからなり、この2枚の柵部材2,2によって横方向に延びる第1及び第2直線部11a,11bが構成されている。そして、各直線部11a,11bのうち、一方(
図1では下側)の第1直線部11aの2枚の柵部材2,2のうちの1枚としては、柵部材としての出入口用柵部材6が用いられている。
【0023】
更に、
図4に示すように、出入口用柵部材6は、左右の縦杆62,62とこれらの縦杆62の互いに向き合う対向面620,620の下端同士を連結する横杆63とからなる略コの字状の枠体60を備え、この枠体60の外形寸法は各柵部材2の枠体20の外形寸法と一致している。また、出入口用柵部材6は、左右の縦杆62,62及び単一の横杆63により形成された出入口68を開閉する扉69を備えている。更に、出入口用柵部材6は、その各縦杆62が各柵部材2の縦杆22よりも幅広(例えば縦杆22の略2倍の左右方向幅)に形成されている。また、扉69は、枠体60を構成する一方の縦杆62(
図4では右側の縦杆)にヒンジ金具(図示せず)を介して揺動自由に支持されている。この扉69は、矩形枠状に形成され、その枠内にも柵棒体24,24,…を備えている。なお、符号61は出入口用柵部材6の左右方向端(縦杆62の左右方向端)であり、611,612は表側辺及び裏側辺である。
【0024】
また、
図5に示すように、サークル本体10Aの第1及び第2直線部11a,11b上において互いに相隣なる双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)は、その隣接し合う一方の左右方向端21,21(又は61)同士の表裏両側辺211,212(又は611,612)をそれぞれ突き合わせた状態で直線部用固定具3により連結されている。一方、
図6に示すように、サークル本体10Aの角部12において互いに相隣なる、第1及び第2直線部11a,11b上の柵部材2又は出入口用柵部材6と縦方向の柵部材2とは、その隣接し合う他方の左右方向端21,21,61同士の裏側辺212,212,612のみを突き合わせた状態で角部用固定具4により直角に連結されている。
【0025】
前記各柵部材2の枠体20の四隅(隅部)には、上下の横杆23,23の左右両端を当該各柵部材2の表裏方向(
図3では手前奥方向)に貫通する貫通孔25が設けられている。また、出入口用柵部材6の枠体60の四隅つまり各縦杆62の上下両端部にも貫通孔25が設けられている。
【0026】
直線部用固定具3は、サークル本体10Aの第1及び第2直線部11a,11b上において互いに相隣なる双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)の一方の左右方向端21(又は61)同士の貫通孔25に対応する直線部用対応孔31,31を長手方向両端部に有する合成樹脂製の長尺材32を有し、かつこの長尺材32を当該双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)に亘って締結するように貫通孔25及び直線部用対応孔31にそれぞれ挿通される長尺材用締結具33を備えている。この長尺材用締結具33は、長さ方向一端に回転操作用フランジ331を備えた螺子軸332と、長さ方向一端に回転操作用フランジ333を有し、かつ螺子軸332を螺合可能とする螺子筒334とをそれぞれ備えている。そして、長尺材用締結具33は、サークル本体10Aの第1及び第2直線部11a,11b上において互いに相隣なる双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)の一方の左右方向端21(又は61)同士の貫通孔25に対し長尺材32の左右方向両端部の直線部用対応孔31,31を対応させた状態で、各直線部用対応孔31から螺子軸332を挿通し、各貫通孔25から挿通した螺子筒334に螺合することで、当該双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)に亘って長尺材32を締結している。この場合、長尺材32は、各柵部材2及び出入口用柵部材6の枠体20,60の上端に対し当該各枠体20,60の表裏方向の厚み未満の間隔、例えば各枠体20,60の表裏方向の厚みの略三分の二程度の間隔を存して裏側面221,621に取り付けられている。
【0027】
一方、
図7にも示すように、角部用固定具4は、中心角度が90°の扇状に形成された扇状連結部材41と、この扇状連結部材41をサークル本体10Aの角部12において互いに相隣なる双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)の枠体20(又は60)の裏側面221(又は621)における縦杆22の上下両端に締結する螺着部材42(螺着具)とを備えている。扇状連結部材41は、サークル本体10Aの角部12において互いに相隣なる双方の柵部材2,2(又は出入口用柵部材6)の他方の左右方向端21,21(又は62)同士の裏側辺212(又は612)に隣接する裏側面221(又は621)に対しそれぞれ対面する半径面部411,411を有し、この各半径面部411には貫通孔25に対応する角部用対応穴412が設けられている。また、螺着部材42は、軸材の側部にねじ孔431を有するナット43と、このナット43のねじ孔431に螺着されるねじ44とを備えている。更に、扇状連結部材41の一側面413には、ナット43を収納するナット収納穴414,414が設けられ、この各ナット収納穴414は、各半径面部411の対応穴412に対して直交している。
【0028】
各ナット43は、扇状連結部材41のナット収納穴414の径よりやや小さい径の金属軸材からなり、この軸部材の頭部には+状の溝432が形成されている。そして、角部用固定具4は、角部12において互いに相隣なる双方の柵部材2,2の他方の左右方向端21,21同士の貫通孔25に対し扇状連結部材41の各半径面部411の角部用対応穴412を対応させた状態で、各ナット収納穴414にナット43を収納してから、貫通孔25を介して対応穴412に挿通させたねじ44をナット43のねじ孔431に螺着することで、当該双方の柵部材2,2に扇状連結部材41を締結している。このとき、各ナット43の頭部をその溝432に装填したドライバーなどにより回転させることで、対応穴412にねじ孔431を合致させて当該ねじ孔431に対するねじ44の螺着を可能にしている。このねじ44は、各横杆23の貫通孔25及び角部用対応穴412を介してナット43のねじ孔431に螺着可能な長さに設定されている。この場合、扇状連結部材41も、各柵部材2及び出入口用柵部材6の枠体20,60の上端に対し当該各枠体20,60の表裏方向の厚み未満の間隔、例えば各枠体20,60の表裏方向の厚みの略三分の二程度の間隔を存して裏側面221,621に取り付けられている。
【0029】
そして、サークル本体10Aは、家屋内に設置されるものであるが、サークル本体10Aの上方へ開口する開口部19Aを閉塞する屋根部材7を備え、サークル本体10A内からのペットの飛び出しや、サークル本体10A外からの他のペットの侵入を防止している。屋根部材7は、貫通孔25を四隅に有する各柵部材2と同一の枠体70を備え、サークル本体10Aの開口部19Aを閉塞するに必要な2枚を組み合わせた状態で、角部用固定具4の扇状連結部材41及び直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の3辺がそれぞれ載置され、サークル本体10Aの内側に沿って設置されている。この屋根部材7の枠体70にも、柵棒体24,24,…が設けられている。
【0030】
更に、
図8に示すように、2枚の屋根部材7,7は、サークル本体10Aに対し脱着自在な固定具8を介して固定されている。この固定具8は、柵部材2の枠体20に固定され、かつフック状の係合片81を有する環状の第1部材82と、屋根部材7の枠体70に固定された環状の第2部材83と、この第2部材83に基端が取り付けられ、第1部材82の係合片81に係脱自在に係合する係合部としてのDカン84を先端に備えた弾性帯材としての平ゴム85と、Dカン84の反平ゴム85側に止着された操作ベルト80とを備えている。そして、第1部材82は、柵部材2の枠体20の貫通孔25に対応する対応孔(図示せず)を中心部に備え、この柵部材2の枠体20の貫通孔25に挿通される長尺材用締結具33が対応孔にも挿通されて当該長尺材用締結具33により共締めされている。一方、第2部材83は、屋根部材7の枠体70の貫通孔25に対応する直線部用対応孔としての対応孔(図示せず)を中心部に備え、この屋根部材7の枠体70の貫通孔25に挿通される締結具88が対応孔にも挿通されて当該締結具88により共締めされている。この場合、固定具8は、2枚の屋根部材7,7のうちの一方の屋根部材7(
図1では左側の屋根部材)の一方の横杆23(
図1では左側の横杆)の左右両端(
図1では上下両端)にそれぞれ設けられ、他方の屋根部材7(
図1では右側の屋根部材)の枠体70の四隅にそれぞれ設けられている。
【0031】
ここで、固定具8によりサークル本体10Aに対して屋根部材7を固定する場合の手順を
図8に基づいて説明する。
【0032】
まず、
図8の(a)に示すように、操作ベルト80を外方(サークル本体10A外方)へ引っ張って平ゴム85を伸張させ、
図8の(b)に示すように、柵部材2の上端で滑らせて平ゴム85を下方へ引き延ばし、
図8の(c)に示すように、平ゴム85先端のDカン84を係合片81に係合させることによって屋根部材7をサークル本体10Aに固定している。
【0033】
一方、固定具8による係合を解除するときは、逆の手順で行える。
【0034】
また、
図9にも示すように、2枚の屋根部材7,7同士は、一方の屋根部材7(
図1では左側の屋根部材)のサークル本体10Aに対する各固定具8の固定が解除されたときに他方の屋根部材7(
図1では右側の屋根部材)に対し開閉されるように開閉具としての一対のヒンジ89,89を介して支持されている。この各ヒンジ89は、各屋根部材7,7の枠体70の一方の横杆23,23同士の間に跨って取り付けられている。
【0035】
したがって、本実施の形態では、各柵部材2の枠体20と同一の枠体70を備えた屋根部材7を用いることで、各柵部材2が屋根部材7として流用されて、屋根部材7を新たに製作する必要がなく、屋根部材7を安価に提供することができる。
【0036】
しかも、屋根部材7が固定具8によってサークル本体10Aに対し脱着自在に固定されているので、屋根部材7が不慮に外れることがなく、サークル本体10A内からのペットの飛び出しや、ペット用サークル10A外からの他のペットの侵入をより確実に防止することができる。
【0037】
更に、一方の屋根部材7のサークル本体10Aに対する固定具8の固定が解除されたときに、他方の屋根部材7に対し一方の屋根部材7が一対のヒンジ89,89を介して開閉されるので、サークル本体10Aの上方へ開口する開口部19Aを開放させる際に、各屋根部材7を取り外す必要がなく、簡単に開閉させることができる。
【0038】
また、第2部材83に基端を取り付けた平ゴム85の先端のDカン84を第1部材82の係合片81に係脱自在に係合する固定具8によって屋根部材7の枠体70が柵部材2の枠体20に固定されるので、簡単な構成で屋根部材7をサークル本体10Aに固定することができる。しかも、Dカン84と係合片81との係脱により固定具8を簡単に係脱させることができる。
【0039】
更に、柵部材2の枠体20の貫通孔25に挿通される長尺材用締結具33が第1部材82の対応孔にも挿通されて共締めされるので、第1部材82を固定するための固定具が不要となり、部品点数を削減して、屋根部材7をより安価に提供することができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、一対のヒンジ89,89を各屋根部材7,7の枠体70の一方の横杆23,23同士の間に跨って取り付けたが、
図10に示すように、一対のヒンジ89,89が各屋根部材7,7の枠体70の一方の縦杆22,22同士の間に跨って取り付けられていてもよいのはいうまでもない。
【0041】
次に、本発明の第2の実施の形態を
図11及び
図12に基づいて説明する。
【0042】
この実施の形態では、4枚の屋根部材7,7,…を用いてペット用サークル1Bのサークル本体10Bの開口部19Bを閉塞している。なお、第1の実施の形態と同一の部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0043】
すなわち、本実施の形態では、
図11及び
図12に示すように、サークル本体10Bは平面視で略正方形枠状に形成され、4枚の屋根部材7,7,…を縦方向及び横方向に互いに隣接して2枚ずつ組み合わせて設けられている。この横方向で隣接する2枚の柵部材2,2によって横方向に延びる第1及び第2直線部11a,11bが構成されている一方、縦方向で隣接する2枚の柵部材2,2によって縦方向に延びる第3及び第4直線部11c,11dが構成されている。
【0044】
そして、各屋根部材7のうちの第3直線部11c側に位置する一方の屋根部材7,7(
図11では左側の2枚の屋根部材)同士と、第4直線部11d側に位置する他方の屋根部材7,7(
図11では左側の2枚の屋根部材)同士とが、それぞれ一対のヒンジ89,89を介して連結されている。また、一方の屋根部材7,7を開閉させる他方の屋根部材7,7(
図11では右側の2枚の屋根部材)の一方の屋根部材7側辺同士が、それぞれの一方の横杆23,23の左右両側の貫通孔25及び直線部用対応孔31に長尺材用締結具33を挿通させた長尺材32によって締結されている。各屋根部材7は、角部用固定具4の扇状連結部材41及び直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の互いに相隣なる2辺がそれぞれ載置され、サークル本体10Bの内側に沿って設置されている。
【0045】
したがって、本実施の形態においても、各柵部材2の枠体20と同一の枠体70を備えた屋根部材7を用いることで、各柵部材2が屋根部材7として流用されて、屋根部材7を新たに製作する必要がなく、屋根部材7を安価に提供することができる。
【0046】
しかも、屋根部材7が固定具8によってサークル本体10Bに対し脱着自在に固定されているので、屋根部材7が不慮に外れることがなく、サークル本体10B内からのペットの飛び出しや、ペット用サークル10B外からの他のペットの侵入をより確実に防止することができる。
【0047】
更に、一方の屋根部材7,7のサークル本体10Bに対する固定具8の固定が解除されたときに、他方の屋根部材7,7に対し一方の屋根部材7,7が一対のヒンジ89,89を介して開閉されるので、サークル本体10Bの上方へ開口する開口部19Bを開放させる際に、各屋根部材7を取り外す必要がなく、簡単に開閉させることができる。
【0048】
また、本実施の形態では、互いに隣接する他方の屋根部材7,7の一方の屋根部材7側辺同士が、それぞれの貫通孔25及び直線部用対応孔31に長尺材用締結具33を挿通させた長尺材32によって締結されているので、角部用固定具4の扇状連結部材41及び直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の互いに相隣なる2辺しか載置されない状態であっても、屋根部材7の重量による撓みが長尺材32によって抑制され、サークル本体10Bの開口部19Bを4枚の屋根部材7,7…によって円滑に閉塞することができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、第3直線部11c側に位置する一方の屋根部材7,7と、第4直線部11d側に位置する他方の屋根部材7,7とを、それぞれ一対のヒンジ89,89を介して連結させたが、第1直線部側に位置する一方の屋根部材と第2直線部側に位置する他方の屋根部材とが、それぞれ一対のヒンジを介して連結されていてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、互いに隣接する他方の屋根部材7,7の一方の屋根部材7側辺同士を、それぞれの貫通孔25及び直線部用対応孔31に長尺材用締結具33を挿通させた長尺材32によって締結したが、他方の屋根部材の反一方の屋根部材7側辺同士も、それぞれの貫通孔及び直線部用対応孔に長尺材用締結具を挿通させた長尺材によって締結されていてもよい。
【0051】
次に、本発明の第3の実施の形態を
図13及び
図14に基づいて説明する。
【0052】
この実施の形態では、3枚の屋根部材7,7,7を用いてペット用サークル1Cのサークル本体10Cの開口部19Cを閉塞している。なお、第1の実施の形態と同一の部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0053】
すなわち、本実施の形態では、
図13及び
図14に示すように、サークル本体10Cは平面視で略長方形枠状に形成され、3枚の屋根部材7,7,…を横方向に並べて組み合わせている。
【0054】
そして、各屋根部材7のうちの一方の屋根部材7,7(
図13では左端及び左端の2枚の屋根部材)を開閉させる他方の屋根部材7(
図13では中央の屋根部材)は、直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の互いに対向する2辺がそれぞれ載置されている。一方、一方の屋根部材7,7は、角部用固定具4の扇状連結部材41及び直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の互いに相隣なる3辺がそれぞれ載置されている。そして、他方の屋根部材7の四隅は、固定具8によってサークル本体10Cにそれぞれ固定され、一方の各屋根部材7の1辺の両端は、固定具8によってサークル本体10Cにそれぞれ固定されている。
【0055】
また、
図14にも示すように、3枚の屋根部材7,7,7同士は、一方の屋根部材7,7(
図13では左右両側の屋根部材)のサークル本体10Cに対する各固定具8の固定が解除されたときに他方の屋根部材7(
図13では中央の屋根部材)に対し開閉されるように開閉具としての一対のヒンジ89,89を介して支持されている。この各ヒンジ89は、他方の屋根部材7の枠体70の双方の横杆23,23と一方の屋根部材7,7の枠体70の一方の横杆23との間に跨って取り付けられている。この場合、一方の屋根部材7,7同士の互いの干渉を回避する上で、そのうちのいずれかの屋根部材7のみを開放させるようにしている。
【0056】
したがって、本実施の形態においても、各柵部材2の枠体20と同一の枠体70を備えた屋根部材7を用いることで、各柵部材2が屋根部材7として流用されて、屋根部材7を新たに製作する必要がなく、屋根部材7を安価に提供することができる。
【0057】
しかも、屋根部材7が固定具8によってサークル本体10Cに対し脱着自在に固定されているので、屋根部材7が不慮に外れることがなく、サークル本体10C内からのペットの飛び出しや、ペット用サークル10C外からの他のペットの侵入をより確実に防止することができる。
【0058】
更に、一方の屋根部材7,7のサークル本体10Cに対する固定具8の固定が解除されたときに、他方の屋根部材7に対し一方の屋根部材7,7が一対のヒンジ89,89を介して開閉されるので、サークル本体10Cの上方へ開口する開口部19Cを開放させる際に、各屋根部材7を取り外す必要がなく、簡単に開閉させることができる。
【0059】
また、一方の屋根部材7,7が他方の屋根部材7に対し開閉するので、一方の屋根部材7,7のいずれかのみを開放させることが可能となり、用途に応じていずれかの屋根部材7を開放させることができる。
【0060】
次に、本発明の第4の実施の形態を
図15及び
図16に基づいて説明する。
【0061】
この実施の形態では、6枚の屋根部材7,7,…を用いてペット用サークル1Dのサークル本体10Dの開口部19Dを閉塞している。なお、第1の実施の形態と同一の部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0062】
すなわち、本実施の形態では、
図15及び
図16に示すように、サークル本体10Dは平面視で略矩形枠状に形成され、6枚の屋根部材7,7,…を縦方向に2枚組み合わせかつ横方向に3枚組み合わせて設けられている。この横方向で隣接する3枚の柵部材2,2,2によって横方向に延びる第1及び第2直線部11a,11bが構成されている一方、縦方向で隣接する2枚の柵部材2,2によって縦方向に延びる第3及び第4直線部11c,11dが構成されている。
【0063】
そして、各屋根部材7のうちの一方の屋根部材7,7,7(
図11では下側の3枚の屋根部材)を開閉させる他方の屋根部材7,7,7(
図11では上側の3枚の屋根部材)の一方の屋根部材7側辺同士が、それぞれの一方の横杆23,23の左右両側の貫通孔25及び直線部用対応孔31に長尺材用締結具33を挿通させた長尺材32によって締結されている。この場合、サークル本体10Dの四隅に位置する各屋根部材7は、角部用固定具4の扇状連結部材41及び直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の互いに相隣なる2辺がそれぞれ載置され、サークル本体10Dの四隅を除く中央に位置する各屋根部材7は、直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の1辺のみがそれぞれ載置されている。なお、互いに隣接する他方の屋根部材7,7の反一方の屋根部材7側辺同士も、それぞれの貫通孔及び直線部用対応孔に長尺材用締結具を挿通させた長尺材によって締結されていてもよい。
【0064】
したがって、本実施の形態においても、各柵部材2の枠体20と同一の枠体70を備えた屋根部材7を用いることで、各柵部材2が屋根部材7として流用されて、屋根部材7を新たに製作する必要がなく、屋根部材7を安価に提供することができる。
【0065】
しかも、屋根部材7が固定具8によってサークル本体10Dに対し脱着自在に固定されているので、屋根部材7が不慮に外れることがなく、サークル本体10D内からのペットの飛び出しや、ペット用サークル10D外からの他のペットの侵入をより確実に防止することができる。
【0066】
更に、一方の屋根部材7,7,7のサークル本体10Dに対する固定具8の固定が解除されたときに、他方の屋根部材7,7,7に対し一方の屋根部材7,7,7が一対のヒンジ89,89を介して開閉されるので、サークル本体10Dの上方へ開口する開口部19Dを開放させる際に、各屋根部材7を取り外す必要がなく、簡単に開閉させることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、互いに隣接する他方の屋根部材7,7の一方の屋根部材7,7側辺同士が、それぞれの貫通孔25及び直線部用対応孔31に長尺材用締結具33を挿通させた長尺材32によって締結されているので、直線部用固定具3の長尺材32の上面に対し枠体70の1辺のみしか載置されない状態であっても、屋根部材7の重量による撓みが長尺材32によって抑制され、サークル本体10Dの開口部19Dを6枚の屋根部材7,7…によって円滑に閉塞することができる。
【0068】
なお、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、前記各実施の形態では、屋根部材7として、枠体70に柵棒体24,24,…を備えた柵棒体製の枠体よりなる柵部材2を用いたが、枠体の大部分をアクリル板により覆う透明な柵部材により構成されたサークル本体では当該柵部材と同様のアクリル板製の枠体よりなる屋根部材が、枠体の大部分を合板により覆う柵部材により構成されたサークル本体では当該柵部材と同様の合板製の枠体よりなる屋根部材が、枠体の大部分をメッシュ板や金属棒により覆う柵部材により構成されたサークル本体では当該柵部材と同様のメッシュ板製や金属棒製の枠体よりなる屋根部材が、それぞれ適用されていてもよい。また、柵棒体製の枠体よりなる柵部材、アクリル板製の枠体よりなる柵部材、合板製の枠体よりなる柵部材、メッシュ板製や金属棒製の枠体よりなる柵部材などが提供されている場合には、柵部材と屋根部材とが互いに種類の異なる枠体の組合せにより構成されていてもよく、例えば、アクリル板製の枠体よりなる柵部材と、合板製の枠体よりなる屋根部材とが組合わされていてもよい。
【0069】
また、枠体の大きさや形状は前記各実施の形態に限定されるものではなく、平面視で凹部を有する凹字状や階段形状に凹ませたサークル本体にも適用できるのはいうまでもない。
【0070】
また、前記各実施の形態では、開閉具としてヒンジ89を用いたが、一方の屋根部材と他方の屋根部材との互いに向き合う横杆又は縦杆同士をリング状に結わえて連結する面ファスナが開閉具として用いられていてもよい。
【0071】
更に、前記各実施の形態では、各柵部材2、出入口用柵部材6及び屋根部材7の枠体20,60,70をそれぞれ略正方形枠状に形成したが、各柵部材、出入口用柵部材及び屋根部材の枠体がそれぞれ長方形枠状に形成されていてもよい。