特許第5968174号(P5968174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968174
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】遊技用装置及び報知方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 512B
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-205324(P2012-205324)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-57775(P2014-57775A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100109128
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 功
(74)【代理人】
【識別番号】100152803
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 哲也
(72)【発明者】
【氏名】塩原 康平
【審査官】 太田 恒明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−223244(JP,A)
【文献】 特開2012−249820(JP,A)
【文献】 特開2012−075518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機ごとに設置され前記遊技機に関する情報を報知する遊技用装置であって、
通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である特定遊技状態についての所定の状態を点灯により告知する、前記遊技機に設けられた発光手段が点灯したときに、この点灯を検知する光点灯検知手段と、
前記遊技機で行われている遊技の状態が前記特定遊技状態であることを示す特定遊技状態信号を前記遊技機から受信する特定遊技状態信号受信手段と、
前記遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段と、
前記報知手段による前記報知の実行又は非実行を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯を検知したときに、前記報知手段に前記報知を実行させ、
前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯をその後も継続して検知している間に前記特定遊技状態信号受信手段が前記特定遊技状態信号を受信したときは、前記報知手段に前記報知を実行させず、
前記遊技機で行われた内部抽選の結果、前記特定遊技状態に移行するための所定の役に内部当選し、この内部当選したゲームにおいて、遊技者の操作により停止した表示機に表示されている図柄の並びが前記特定遊技状態へ移行することを示す図柄の並びとなったことで、前記発光手段が点灯しない場合に、前記特定遊技状態信号を受信したことに基づいて、前記報知手段に前記報知を実行させるように制御する
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯の検知を終了した時点と、前記特定遊技状態信号受信手段が前記特定遊技状態信号の受信を開始した時点がほぼ同時である場合に、
前記制御手段は、前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯の検知を終了した時点を起点として、所定の時間、前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯を検知しているものとみなし、当該所定時間内で前記特定遊技状態信号受信手段が前記特定遊技状態信号を受信したときに、前記報知手段による前記報知を行わないように制御する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技用装置。
【請求項3】
遊技に関する情報を前記遊技機から収集して集計する管理装置に対して所定の情報を送信する送信手段を備え、
前記制御手段は、前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯又は消灯を検知してから所定時間内に前記特定遊技状態信号受信手段が前記特定遊技状態信号を受信していない場合には、前記特定遊技状態信号受信手段が通信異常であることを、前記送信手段を介して前記管理装置へ報知する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遊技用装置。
【請求項4】
遊技に関する情報を前記遊技機から収集して集計する管理装置に対して所定の情報を送信する送信手段を備え、
前記制御手段は、前記特定遊技状態信号受信手段が前記特定遊技状態信号を所定回数受信した間に、前記光点灯検知手段が前記発光手段の点灯を検知していない場合には、前記光点灯検知手段が通信異常であることを、前記送信手段を介して前記管理装置へ報知する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の遊技用装置。
【請求項5】
遊技に関する情報を報知する工程を有した報知方法であって、
通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である特定遊技状態についての所定の状態を点灯により告知する、遊技機に設けられた発光手段が点灯したときに、この点灯を検知する工程と、
前記遊技機で行われている遊技の状態が前記特定遊技状態であることを示す特定遊技状態信号を前記遊技機から受信する工程と、
前記発光手段の点灯を検知したときに、前記遊技機に関する所定の情報を報知する工程と、
前記発光手段の点灯をその後も継続して検知している間に前記特定遊技状態信号を受信したときは、前記報知を実行しないように制御する工程と
前記遊技機で行われた内部抽選の結果、前記特定遊技状態に移行するための所定の役に内部当選し、この内部当選したゲームにおいて、遊技者の操作により停止した表示機に表示されている図柄の並びが前記特定遊技状態へ移行することを示す図柄の並びとなったことで、前記発光手段が点灯しない場合に、前記特定遊技状態信号を受信したことに基づいて、前記報知手段に前記報知を実行させるように制御する工程と、を有した
ことを特徴とする報知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の情報を報知する遊技用装置及び報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スロットマシンやパチンコ機などの遊技機に併設され、遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段を備える遊技用表示装置が知られている。
この種の遊技用表示装置としては、例えば、遊技機の上方に配置されるとともに、LEDや液晶表示器などの表示手段、音声や効果音を発するスピーカなどの音出力手段を、報知手段として備え、これらの報知手段を駆動することにより、遊技機にて行われている遊技の状態が遊技者に有利な特定遊技状態であることを所定の態様(例えば、LEDの点滅)で報知したり、特定遊技状態の発生回数や特定遊技状態になるまでに費やしたゲーム回数などを所定の態様(例えば、液晶表示器に文字表示)で報知したりする遊技用表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このような構成を備えた遊技用表示装置は、通常、遊技機で現在行われている遊技の状態が特定遊技状態であることを示す特定遊技状態信号を当該遊技機から受信すると、報知手段を駆動して、その遊技機が特定遊技状態であることを遊技者に対して報知する演出を行うようになっている。
【0003】
また、遊技用表示装置の中には、例えば、スロットマシン遊技におけるART(アシストリプレイタイム)の発生回数を表示手段に表示させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
ARTとは、メダルの投入なしで次回のゲームが行えるリプレイ役(再遊技)が高確率で発生するとともに、遊技機に配設されたランプや液晶表示器などによって、当選した小役に対応する図柄の組み合わせやリールの停止順が報知(アシスト)される遊技状態をいう。
このARTの発生回数を表示可能な遊技用表示装置は、遊技機の盤面に設けられたランプであってARTの確定時に点灯するART確定ランプの点灯を光センサで検知し、この光センサからの検知信号を受信した回数をARTの発生回数としてカウントして表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−232041号公報
【特許文献2】特開2011−000177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、所定の情報を報知可能とする遊技用装置及び報知方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明の遊技用装置は、遊技機ごとに設置され遊技機に関する情報を報知する遊技用装置であって、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である特定遊技状態についての所定の状態を点灯により告知する、遊技機に設けられた発光手段が点灯したときに、この点灯を検知する光点灯検知手段と、遊技機で行われている遊技の状態が特定遊技状態であることを示す特定遊技状態信号を遊技機から受信する特定遊技状態信号受信手段と、遊技機に関する所定の情報を報知する報知手段と、報知手段による報知の実行又は非実行を制御する制御手段とを備え、制御手段は、光点灯検知手段が発光手段の点灯を検知したときに、報知手段に報知を実行させ、光点灯検知手段が発光手段の点灯をその後も継続して検知している間に特定遊技状態信号受信手段が特定遊技状態信号を受信したときは、報知手段に報知を実行させず、遊技機で行われた内部抽選の結果、特定遊技状態に移行するための所定の役に内部当選し、この内部当選したゲームにおいて、遊技者の操作により停止した表示機に表示されている図柄の並びが特定遊技状態へ移行することを示す図柄の並びとなったことで、発光手段が点灯しない場合に、特定遊技状態信号を受信したことに基づいて、報知手段に報知を実行させるように制御する構成としてある。
【0012】
また、本発明の報知方法は、遊技に関する情報を報知する工程を有した報知方法であって、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である特定遊技状態についての所定の状態を点灯により告知する、遊技機に設けられた発光手段が点灯したときに、この点灯を検知する工程と、遊技機で行われている遊技の状態が特定遊技状態であることを示す特定遊技状態信号を遊技機から受信する工程と、発光手段の点灯を検知したときに、遊技機に関する所定の情報を報知する工程と、発光手段の点灯をその後も継続して検知している間に特定遊技状態信号を受信したときは、報知を実行しないように制御する工程と、遊技機で行われた内部抽選の結果、特定遊技状態に移行するための所定の役に内部当選し、この内部当選したゲームにおいて、遊技者の操作により停止した表示機に表示されている図柄の並びが特定遊技状態へ移行することを示す図柄の並びとなったことで、発光手段が点灯しない場合に、特定遊技状態信号を受信したことに基づいて、報知手段に報知を実行させるように制御する工程と、を有した方法としてある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】遊技用表示装置である呼出ランプを含む遊技システム全体の構成を模式的に示す概略図である。
図2】遊技システムにおいて送受されるデータの種類を示すブロック図である。
図3】呼出ランプの外観を示す図であり、(a)は、呼出ランプの一部分の正面図であり、(b)は、呼出ランプの一部分の斜視図である。
図4】呼出ランプの制御系の構成を示すブロック図である。
図5】呼出ランプが実行する報知処理の手順を示すフローチャートである。
図6】遊技機から出力されて呼出ランプで受信される特定遊技状態信号と、光センサから出力されて呼出ランプで受信される内部当選信号と、演出の一態様である音楽データの再生状態の、それぞれの変移を示したタイムチャートである。
図7】呼出ランプが実行するオフライン検知処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技用表示装置及び報知方法の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
遊技機の上方や側方に配置されるとともに、LED,ランプ,液晶表示器などの表示手段、音声や効果音などをスピーカから発する音出力手段などの報知手段を備える遊技用表示装置としては、様々な形態や種類のものがあるが、本実施形態では、これら表示手段と音出力手段を備えながらも、遊技者による操作に基づいて所定の呼出演出を行うことで遊技場の店員を呼び出す、いわゆる呼出ランプに本発明を適用した場合について説明する。
【0017】
本実施形態の呼出ランプ10は、遊技機60の上方や側方に設置されており、この遊技機60に設けられたランプであって所定の特定遊技状態に移行するための所定の役に内部当選したことを遊技者に告知する発光手段である告知ランプ61の点灯を光センサ151で検知し、この光センサ151から検知信号を受信することで、その遊技機60にて所定の特定遊技状態が内部当選したことを検出して報知する構成となっている。また、呼出ランプ10は、その検知信号を受信していない状態で、遊技機60から出力された特定遊技状態信号を受信したときに、当該遊技機60にて行われている遊技の状態が特定遊技状態に移行したことを報知することが可能となっている。
【0018】
このような呼出ランプ10は、遊技場における遊技システムSの一部として組み込まれ、遊技機60から、遊技の進行に伴い出力される所定の遊技信号を受信しながら、所定の遊技データ(例えば、ゲーム回数、特定遊技状態の発生回数等)を集計・管理するように構成されている。
【0019】
遊技システムSは、図1に示すように、遊技機60、現金等の投入の代償として遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機50、及び呼出ランプ10に加え、データ通信可能に接続された、台コンピュータ20、島コンピュータ30などの中継情報処理装置、遊技機60から各種情報を収集して集計し管理するホールコンピュータ40などの管理装置を備え、遊技機60から呼出ランプ10に入力される遊技信号が、この呼出ランプ10を介し、台コンピュータ20と島コンピュータ30を中継してホールコンピュータ40に入力されるようになっている。
【0020】
ここで、遊技機60は、遊技媒体を使用して所定の遊技を実行する装置であって、具体的には、スロットマシン,パチンコ機,パロット、アレンジボール機,雀球機等の各種の遊技機が挙げられる。
これらのうち、スロットマシンは、遊技者が遊技媒体となる遊技用のメダルや遊技球を投入してスタートレバーを押下することにより、外周面に所定の絵柄や数字,文字等の図柄が表された表示機である複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始し、定速回転後、任意のタイミングで停止ボタンが押されることでリールが停止し、停止したリール上の図柄の組み合わせに応じて所定数の遊技媒体が払い出されるという遊技機である。
また、スロットマシンでは、1ゲーム毎にスタートレバーが押下された時点で、所定の確率にもとづいて内部抽選が行われ、内部抽選の結果、複数の抽選対象の中から今回のゲームの当選対象が決定されることで、当選内容に対応した図柄の組み合わせで停止表示されるように、停止ボタンの押下のタイミングにもとづき、各リールが停止制御されるようになっている。
【0021】
このような内容で遊技を実行するスロットマシンからは、遊技の進行に伴って遊技信号が出力される。具体的に、遊技信号には、図2に示すように、当該スロットマシンへの遊技媒体の投入数を示すメダル投入信号、当該スロットマシンからの遊技媒体の払出数を示すメダル払出信号、遊技媒体を所定の割合で費やす通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態を示す特定遊技状態1信号及び特定遊技状態2信号がある。
【0022】
これらのうち、特定遊技状態1信号は、スロットマシンが実行可能な特定遊技状態であるレギュラーボーナスゲーム(RB)が行なわれていることを示す信号であり、特定遊技状態2信号は、スロットマシンが実行可能な特定遊技状態であるビッグボーナスゲーム(BB)が行なわれていることを示す信号である。
レギュラーボーナスゲーム(RB)とは、内部抽選の結果、RBに当選すると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することで、出玉の上限値で規定されたボーナスゲームと呼ばれる特定遊技状態が開始し、そのボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役に高確率で当選するようになっており、例えば百枚以上の遊技媒体が払い出される遊技状態をいう。
ビッグボーナスゲーム(BB)とは、内部抽選の結果、BBに当選すると、そのゲーム又は次回以降のゲームで所定条件が成立することでボーナスゲーム(特定遊技状態)が開始し、このボーナスゲーム中は、少量の払出のある小役に高確率で当選するようになっており、例えば数百枚の大量の遊技媒体が払い出されるようにゲームが制御される遊技状態をいう。
そして、スロットマシンは、レギュラーボーナスゲームを実行中はRB信号である特定遊技状態1信号を出力し、ビッグボーナスゲームを実行中はBB信号である特定遊技状態2信号を出力するなど、いずれかの特定遊技状態を実行中には当該特定遊技状態を示す遊技信号を出力するようになっている。
なお、本実施形態においては、これら特定遊技状態1信号と特定遊技状態2信号を総称して、「特定遊技状態信号」というものとする。
【0023】
また、遊技機60がスロットマシンの場合だけでなく、例えばパチンコ機の場合においても、遊技者にとって有利な遊技状態である特定遊技状態(例えば、遊技球の入賞率が高まった大当り状態や、大当りの抽選確率が高まった確変状態など)で遊技が実行可能となっており、この実行中はそれら特定遊技状態を示す遊技信号が特定遊技状態信号として出力されるようになっている。
【0024】
遊技媒体貸出機50は、遊技者に対して遊技媒体を貸し出す装置であり、通常、各遊技機60ごとに一台ずつ備えられており、現金やプリペイドカードの投入に応じて、所定数の遊技媒体を貸し出す。遊技媒体貸出機50には、メダルを貸し出すメダル貸機や、遊技球を貸し出す玉貸機がある。また、遊技媒体貸出機50は、投入金額に応じた遊技媒体の貸出数を示す貸出信号を呼出ランプ10へ出力するとともに、対応する遊技機60へ貸出数分の遊技媒体を貸し出すように構成されている。
【0025】
呼出ランプ10は、これら遊技機60や遊技媒体貸出機50から出力された遊技信号を受信すると、これら遊技信号に基づいて、LEDや液晶表示器などの表示手段と、音声や効果音などをスピーカから発する音出力手段とからなる報知手段を駆動させて、所定の遊技情報を報知するように構成されている。
以下、本発明に係る遊技用表示装置の一例である呼出ランプ10について、図3(a)、(b)、図4を参照しながら詳述する。
【0026】
[呼出ランプ]
呼出ランプ10は、図3(a)、(b)及び図4に示すように、遊技機60又は遊技媒体貸出機50から出力される遊技信号を受信するとともに、この遊技信号を台コンピュータ20に送信する通信部14と、受信した遊技信号から生成される所定の遊技データを表示する表示手段であるデータ表示部11(11a,11b)と、複数のLED(光源)が内蔵され、遊技機60に関する情報を所定の光出力パターンで報知する表示手段である発光部12(12a,12b)と、遊技機60に関する情報を音声や効果音からなる音出力パターンで報知する音出力手段である音出力部13と、遊技機60に設けられた告知ランプ61が点灯したことを検知する光センサ151から出力された検知信号を受信するセンサ信号受信部15と、呼出ランプ10の有する各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する記憶部16と、遊技機60で特定遊技状態が発生した回数をカウントするカウント部17と、時間を計測する計時部18と、CPUなどの中央演算処理装置、ROM、RAMなどの記憶手段を備えるコンピュータとして構成され、通信部14で受信された遊技信号及びセンサ信号受信部15で受信された検知信号に基づいて、データ表示部11と発光部12と音出力部13とを駆動制御する制御部19と、を備えている。
【0027】
この呼出ランプ10は、データ表示部11や音出力部13がそれぞれ内蔵された、二つの呼出ランプ10a,10bから構成されている。
呼出ランプ10aは、データ表示部11a、発光部12a、音出力部13、通信部14、センサ信号受信部15、記憶部16、カウント部17、計時部18、制御部19を備えるとともに、当該呼出ランプ10aの正面と遊技機60の正面とが略同一面となるように、遊技機60の上方中央に配置されている。
一方、呼出ランプ10bは、データ表示部11b、発光部12b、音出力部13を備えるとともに、図3(b)に示すように、垂直面である設置面Pからほぼ直交となる水平方向に突出するように、遊技機60の上部左側に配置されている。
すなわち、呼出ランプ10は、呼出ランプ10aと呼出ランプ10bの二つの呼出ランプから構成されるものの、呼出ランプ10aに備えられた制御部19により、統合制御されるように構成されている。
【0028】
各データ表示部11は、例えば、液晶表示器、液晶駆動用ドライバ回路、画像制御用のプロセッサ(VDPなど)、VRAM、画像データを記憶した画像ROMなどから構成され、制御部19からの指示に従い、所定の遊技データを、数字、文字、図形等の文字情報に変換して液晶表示器に出力するように構成されている。
また、液晶表示器は、遊技者によるタッチ操作を検出するタッチパネルからなり、所定の表示領域を指触操作することにより、遊技場の店員を呼び出す信号と、表示内容の変更を指示する信号とを制御部19に出力可能に構成され、制御部19はこの出力信号に基づいて、データ表示部11の表示内容を変更させたり、発光部12と音出力部13を駆動制御することにより、所定の呼出演出等を行わせたりするようになっている。
【0029】
各発光部12は、制御系統別に区分けされた複数のLED(L1〜L5)と、各制御系統のLEDを点灯制御するLEDドライバ回路を備え、制御部19からの指示に従い、LED(L1〜L5)を点灯制御することにより、遊技機60に関する情報を所定の光出力パターンで報知する。
また、各発光部12は、各呼出ランプ10の周縁部に形成され、LED(L1〜L5)は、周縁部に沿って一列に配置されているとともに、無色又は有色透明な樹脂カバーで覆われている。
【0030】
各音出力部13は、例えば、スピーカ、PCM音源、アンプなどを備え、制御部19からの指示に従い、スピーカを駆動制御することにより、遊技機60に関する情報を所定の音出力パターンで報知する。
通信部14は、本発明の特定遊技状態信号受信手段として機能するものであり、遊技機60から出力された特定遊技状態信号を受信する。また、通信部14は、本発明の送信手段として機能するものであり、遊技機60又は光センサ151と呼出ランプ10との間の通信線がオフラインであることを示す通信異常信号を、台コンピュータ20を介してホールコンピュータ40へ送信する。
【0031】
センサ信号受信部15は、光センサ151から出力された検知信号を内部当選信号として受信する。
光センサ151は、本発明の光点灯検知手段として機能するものであり、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光デバイスを用いた回路で構成することができ、告知ランプ61の点灯により発せられた光を受光することで当該告知ランプ61の点灯を検知し、所定の電圧値又は電流値を示す検知信号を内部当選信号として出力する。
【0032】
制御部19は、例えば、遊技機60から出力された特定遊技状態信号が通信部14にて受信されると、制御部19のROMに記憶された特定遊技状態中の光出力パターンに基づいて発光部12を制御してLEDを発光させるとともに、制御部19のROMに記憶された特定遊技状態中の音出力パターンに基づいて音出力部13を制御して、スピーカから所定の音声・効果音を出力させる。
また、制御部19は、通信部14で受信された遊技信号にもとづいて、例えば、ゲーム回数や特定遊技状態の発生回数等の遊技データを集計し、記憶部16に記憶させるとともに、それら遊技データをデータ表示部11に表示させる。
【0033】
以上のような構成を備えた呼出ランプ10は、遊技機60にて特定遊技状態が内部当選したときと、その特定遊技状態に移行するときの二回に亘り重複して報知を実行しないように、制御部19が、報知手段であるデータ表示部11,発光部12,音出力部13を駆動制御している。
このような呼出ランプ10の有する特徴的な機能を発揮するために当該呼出ランプ10が実行する動作の手順を、「報知方法」として、図5図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
[報知方法]
ここでは、「報知方法」の内訳として、光センサ151からの内部当選信号の受信と遊技機60からの特定遊技状態信号の受信に応じて報知の実行・非実行を制御する「報知処理」と、光センサ151と呼出ランプ10との間の通信線のオフラインを検知する「オフライン検知処理」について、以下説明する。
【0035】
(1)報知処理
報知処理について、図5を参照して説明する。
【0036】
遊技機60において、所定の特定遊技状態が内部当選すると、告知ランプ61が点灯する。光センサ151は、その点灯により告知ランプ61から発せられた光を受光すると、検知信号である内部当選信号を出力する。呼出ランプ10のセンサ信号受信部15は、その内部当選信号を受信する。
制御部19は、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信したか否かを判断する(S10)。
センサ信号受信部15が内部当選信号を受信していないと判断したときは(S10−No)、制御部19は、通信部14にて特定遊技状態信号が受信されたか否かを判断する(S11)。
通信部14にて特定遊技状態信号が受信されていないものと判断したときは(S11−No)、制御部19は、S10以降の処理を実行する。
一方、通信部14にて特定遊技状態信号が受信されたものと判断したときは(S11−Yes)、制御部19は、所定の音楽データを再生して、その音楽を音出力部13から出力させることにより、特定遊技状態に移行したことを報知する演出を行う(S12)。そして、その音楽データの再生が終了することで、報知処理を終了する。
【0037】
ところで、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信したものと判断したときは(S10−Yes)、制御部19は、所定の音楽データを再生して、その音楽を音出力部13から出力させることにより、特定遊技状態が内部当選したことを報知する演出を行う(S13)。
続いて、制御部19は、センサ信号受信部15が内部当選信号をその後も継続して受信している間に、通信部14が特定遊技状態信号を受信したか否かを判断する(S14)。
センサ信号受信部15が内部当選信号をその後も継続して受信している間に、通信部14が特定遊技状態信号を受信したものと判断したときは(S14−Yes)、制御部19は、所定の音楽データを再生しないことにより、特定遊技状態に移行したことを報知する演出を実行しない(S15)。そして、報知処理を終了する。
【0038】
一方、センサ信号受信部15が内部当選信号をその後も継続して受信している間に通信部14が特定遊技状態信号を受信しなかったものと判断したときは(S14−No)、制御部19は、遊技機60と呼出ランプ10との間を接続する通信線で通信異常が発生したために、通信部14が特定遊技状態信号を受信できないオフラインの状態となっているものと判断し、通信異常信号を、通信部14を介してホールコンピュータ40へ報知する(S16)。これにより、報知処理が終了する。
【0039】
このような内容で報知処理を実行することにより、内部当選信号と特定遊技状態信号の両方を受信する呼出ランプ10において、その特定遊技状態の報知を重複して二回行うことを回避できる。
ここで、この報知処理を実行することにより奏する効果について理解を深めるために、図6に示すタイムチャートを用いてさらに説明する。
【0040】
図6に示すタイムチャートにおいて、t1の時点では、通信部14が特定遊技状態信号を受信していないOFFの状態であって、かつ、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信していないOFFの状態となっている。これらの状態は、遊技機60において特定遊技状態が内部当選しておらず、かつ、その特定遊技状態に移行していないことを示している。よって、制御部19は、音楽データの再生による報知を実行しない。
【0041】
次に、t2の時点では、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信したことで、当該内部当選信号がONの状態に変移している。
そして、制御部19は、図5のS10を実行することで、内部当選信号がONの状態に変移したものと判断し、S13を実行して、音楽データを再生する。これにより、遊技機60にて特定遊技状態が内部当選したタイミングで、呼出ランプ10の音出力部13が音楽を出力して、その内部当選を報知する演出を行うことができる。
【0042】
ここで、音楽データの再生は、所定時間(例えば、数秒程度)で終了する。
一方、内部当選信号は、告知ランプ61が点灯し続けている間、光センサ151から出力され続けるものであり、この間、センサ信号受信部15にて受信され続ける。
告知ランプ61は、特定遊技状態が内部当選した時点で点灯し、例えば、回転停止したリールの図柄の並びが特定遊技状態に移行することを示す図柄の並びとなった時点で消灯する。
この特定遊技状態の入賞図柄が図6に示すタイムチャートのt3の時点で揃った場合、この時点で、告知ランプ61が消灯し、遊技機60からは特定遊技状態信号が出力される。よって、このt3の時点では、内部当選信号がOFFの状態に変移し、かつ、特定遊技状態信号がONの状態に変移する。
【0043】
そして、制御部19は、計時部18による計時にもとづいて、内部当選信号がOFFに変移した時点を起点として所定時間(例えば1秒間)を計測し、この間は、センサ信号受信部15にて、ON状態の内部当選信号を仮想的に延長した仮想延長信号が受信されているものとみなす。
さらに、制御部19は、図5のS14を実行することで、センサ信号受信部15が仮想延長信号を受信している間に、通信部14が特定遊技状態信号を受信したものと判断する。これにより、このt3の時点では、S15の処理により、音楽データを再生しないこととし、遊技機60が特定遊技状態に移行したことを報知しないようにする。
これらの処理を実行することにより、特定遊技状態が内部当選したt2の時点では、音楽データを再生する報知を行うが、その特定遊技状態に移行したt3の時点では、その報知を行わないようにすることができる。よって、一の特定遊技状態について、重複して報知を二回行うことを回避できる。
【0044】
なお、上記の説明においては、内部当選信号がOFFに変移した時点から所定の時間、センサ信号受信部15が仮想延長信号を受信しているものとみなし、この間に通信部14が特定遊技状態信号を受信したものと判断したときには報知を行わないようにしたが、この判断は、当該内容に限るものではなく、例えば、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信して当該内部当選信号がONに変移した時点から所定時間内に通信部14が特定遊技状態信号を受信したものと判断したときに報知を行わないようにすることができる。
その理由は、次のとおりである。遊技機60にて特定遊技状態が内部当選すると、その後、複数回ゲームを行う間に特定遊技状態に入賞し、これに伴って当該遊技機60から特定遊技状態信号が出力される。つまり、特定遊技状態に内部当選してから特定遊技状態に入賞するまでの時間は、概ね想定できるので、この時間を所定時間として設定しておくことで、この所定時間内に通信部14が特定遊技状態信号を受信したか否かを判断することができる。
【0045】
また、上記の判断に代えて、例えば、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信してから次に内部当選信号を受信するまでの間に通信部14が特定遊技状態信号を受信したものと判断したときに報知を行わないようにすることができる。
その理由は、次のとおりである。遊技機60にて特定遊技状態に内部当選すると、その後、複数回ゲームを行う間に特定遊技状態に入賞するが、次に特定遊技状態に内部当選するのは、その入賞した特定遊技状態が終了した後である。つまり、特定遊技状態に内部当選した後、次に特定遊技状態に内部当選するまでの間には、必ず特定遊技状態に移行しており、これに伴って特定遊技状態信号が出力されているはずである。よって、特定遊技状態に内部当選してから、次に特定遊技状態が内部当選するまでの間を、判断に用いる所定の時間として設定しておき、この所定時間を用いることで、通信部14が特定遊技状態信号を受信したか否かを判断することができる。
【0046】
さらに、一の特定遊技状態について二回目の報知を行わないようにする手法としては、上記の手法以外に、次のような手法が挙げられる。
例えば、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信したことを示す内部当選フラグを記憶部16に記憶させておく。制御部19は、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信した時点で、その内部当選フラグを「0」から「1」にする。その後、通信部14が特定遊技状態信号を受信すると、制御部19は、内部当選フラグを確認する。ここで、その内部当選フラグが「1」であるときは、報知を行わないようにし、一方、その内部当選フラグが「0」であるときは、報知を行うようにする。図6に示すタイムチャートのt3の時点では、通信部14が特定遊技状態信号の受信を開始しているが、この時点では内部当選フラグが「1」であるため、制御部19は、報知を行わないようにする。その後、制御部19は、内部当選フラグをリセットして、「1」から「0」にする。このリセットのタイミングは、例えば、その後に特定遊技状態信号がOFFに変移したときとすることができる。
このような内容で内部当選フラグを用いた処理を実行することにより、特定遊技状態が内部当選した時点で報知を行い、その特定遊技状態に移行した時点では、報知を行わないようにすることができる。よって、一の特定遊技状態について重複して報知を二回行うことを回避できる。
【0047】
ところで、上述したt2、t3に関する説明は、遊技機60にて特定遊技状態が内部当選し、この内部当選したゲームの次のゲーム以降で、特定遊技状態の入賞図柄が揃ったときのことを想定している。
ただし、このような想定とは異なり、例えば、特定遊技状態が内部当選したゲームで特定遊技状態の入賞図柄が揃うことも起こり得る。この場合の内部当選信号と特定遊技状態信号の変移を、図6のタイムチャートのt4に示す。
この場合、告知ランプ61が点灯しないため、呼出ランプ10のセンサ信号受信部15では内部当選信号が受信されず、当該内部当選信号がOFFの状態から変移しない。また、特定遊技状態の入賞図柄が揃ったことで、遊技機60から特定遊技状態信号が出力されて、当該特定遊技状態信号がON状態に変移する。
【0048】
このとき、制御部19は、図5のS10を実行することで、内部当選信号がON状態でないものと判断し(S10−No)、かつ、S11を実行することで、特定遊技状態信号がON状態であるものと判断して(S11−Yes)、音楽データを再生することにより(S12)、遊技機60の遊技状態が特定遊技状態に移行したことを報知する。
このような処理を実行することにより、特定遊技状態が内部当選したことに伴う報知は行われないものの、特定遊技状態に入賞したことに伴う報知は行われるため、報知の取りこぼしをなくすことができる。
また、一の特定遊技状態について報知が一回のみ行われるため、報知の重複を回避できる。
【0049】
なお、このように、特定遊技状態が内部当選したゲームで特定遊技状態の入賞図柄が揃った場合においても、上述した内部当選フラグを用いて報知の実行の可否を判断することができる。
例えば、図6に示すタイムチャートのt4の時点では、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信していないため、内部当選フラグは、「0」である。そして、通信部14が特定遊技状態信号を受信したときに、内部当選フラグを確認すると、この内部当選フラグが「0」であることから、制御部19は、報知を行うようにする。
このような内容の処理を実行することにより、特定遊技状態が内部当選したゲームで特定遊技状態の入賞図柄が揃った場合に、内部当選フラグを用いて報知を実行することができる。これにより、その特定遊技状態の報知の取りこぼしを防止できる。
【0050】
さらに、図5に示すフローチャートを実行することにより、遊技機60と呼出ランプ10との間で特定遊技状態信号を送受信する通信線に通信異常が発生して呼出ランプ10がその特定遊技状態信号を受信できないオフラインとなっていることを検知できる。
例えば、遊技機60において特定遊技状態が内部当選した場合、告知ランプ61が点灯し、この点灯している間に特定遊技状態の入賞図柄が揃うことで、特定遊技状態に移行する。そして、この特定遊技状態への移行に伴って、遊技機60から特定遊技状態信号が出力されて、呼出ランプ10の通信部14で受信される。
ところが、告知ランプ61の点灯に伴い光センサ151から出力された内部当選信号を受信した呼出ランプ10が、その後に遊技機60から出力されたはずの特定遊技状態信号を受信していないときは、遊技機60と呼出ランプ10との間で通信異常が発生しているものと考えられる。
【0051】
そこで、S10を実行してセンサ信号受信部15が内部当選信号を受信したものと制御手段19が判断した場合にS14を実行し、そのセンサ信号受信部15が内部当選信号を受信している間に特定遊技状態信号が受信されなかったものと判断したときは、特定遊技状態信号を送受信する通信線に通信異常が発生しているものと判断し、ホールコンピュータ40に対して、通信異常信号を送信することとした。
これにより、その通信異常を自動的に検知し、ホールコンピュータ40を通して、遊技場の店員に報知することができる。
【0052】
なお、このS14の説明においては、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信している間に通信部14が特定遊技状態信号を受信したか否かを判断することとしたが、このような判断に限るものではなく、例えば、センサ信号受信部15が内部当選信号の受信を開始し、その後、告知ランプ61が消灯してその受信が終了した時点(図6のタイムチャートのt3)から所定時間内に通信部14が特定遊技状態信号を受信しなかった場合、あるいは、その告知ランプ61の消灯と略同時に通信部14が特定遊技状態信号を受信しなかった場合に、その通信線がオフラインであるものと判断するようにしてもよい。
その理由は、次のとおりである。告知ランプ61は、特定遊技状態が内部当選した時点で点灯し、特定遊技状態の入賞図柄が揃った時点で消灯する。ここで、本来であれば、特定遊技状態の入賞図柄が揃った時点から特定遊技状態信号が出力されるものであるが、通信線が異常であると、この出力された特定遊技状態信号が呼出ランプ10の通信部14で受信されない。つまり、告知ランプ61が消灯したのにもかかわらず、通信部14が特定遊技状態信号を受信していないときには、通信線がオフラインであるものとみなすことができる。
よって、告知ランプ61が消灯してセンサ信号受信部15が内部当選信号の受信を終了した後から所定時間内、又は、その受信終了と略同時に、通信部14が特定遊技状態信号を受信しなかった場合には、特定遊技状態信号を送受信する通信線がオフラインであるものと判断できる。
【0053】
また、上記の判断に代えて、例えば、センサ信号受信部15が内部当選信号の受信を開始してから所定時間内に、通信部14が特定遊技状態信号を受信しなかった場合に、その通信線がオフラインであるものと判断するようにしてもよい。
その理由は、次のとおりである。遊技機60にて特定遊技状態が内部当選すると、その後、複数回ゲームを行う間に特定遊技状態に入賞し、これに伴って当該遊技機60から特定遊技状態信号が出力される。ここで、特定遊技状態に内部当選してから特定遊技状態に入賞するまでの時間は、おおよそ特定できるので、この時間内に通信部14が特定遊技状態信号を受信できなかった場合には、遊技機60と呼出ランプ10との間で通信異常が発生しているものと判断できる。
【0054】
さらに、上記の判断に代えて、例えば、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信してから、次に内部当選信号を受信するまでの間に、通信部14が特定遊技状態信号を受信しなかった場合に、その通信線がオフラインであるものと判断するようにしてもよい。
その理由は、次のとおりである。特定遊技状態に内部当選した後、次に特定遊技状態が内部当選するまでの間には、必ず特定遊技状態に移行し、特定遊技状態信号が出力される。よって、次に特定遊技状態が内部当選するまでの間に特定遊技状態信号を受信していないときには、遊技機60と呼出ランプ10との間で通信異常が発生しているものと判断できる。
【0055】
ここまで説明したように、本実施形態の呼出ランプ10は、図5に示すフローチャートを実行することにより、特定遊技状態信号を送受信する通信線のオフラインを検知することが可能となっているが、呼出ランプ10では、光センサ151から出力された内部当選信号も受信しており、この内部当選信号を送受信する通信線のオフラインについても検知可能となっている。
このオフラインの検知処理の手順を、次の「(2)オフライン検知処理」にて説明する。
【0056】
(2)オフライン検知処理
オフライン検知処理について、図7を参照して説明する。
【0057】
前提として、特定遊技状態回数のカウント値は、初期値である「0」が設定された状態で、記憶部16に記憶されている。
制御部19は、通信部14にて特定遊技状態信号が受信されたか否かを判断する(S20)。
通信部14にて特定遊技状態信号が受信されていないときは(S20−No)、特定遊技状態信号が受信されるまで待機する。
一方、通信部14にて特定遊技状態信号が受信されたときは(S20−Yes)、カウント部17は、特定遊技状態回数のカウント値に「1」を加算する(S21)。
【0058】
次いで、制御部19は、特定遊技状態回数のカウント値が所定回数に達したか否かを判断する(S22)。
特定遊技状態回数のカウント値が所定回数に達していないものと判断したときは(S22−No)、制御部19は、オフライン検知処理を終了する。
一方、特定遊技状態回数のカウント値が所定回数に達したものと判断したときは(S22−Yes)、制御部19は、特定遊技状態回数のカウント値が所定回数に達するまでの間に、センサ信号受信部15が内部当選信号を受信したか否かを判断する(S23)。
【0059】
特定遊技状態回数のカウント値が所定回数に達するまでの間にセンサ信号受信部15が内部当選信号を受信したものと制御部19が判断したときは、オフライン検知処理を終了する。
一方、特定遊技状態回数のカウント値が所定回数に達するまでの間にセンサ信号受信部15が内部当選信号を受信していないと判断したときは、制御部19は、光センサ151と呼出ランプ10との間で内部当選信号を送受信する通信線に異常が発生して呼出ランプ10にてその内部当選信号が受信できないオフライン状態となっているものと判断し、このオフライン状態であることを示す通信異常信号を、通信部14を介して、ホールコンピュータ40へ報知する(S24)。そして、制御部19は、特定遊技状態回数のカウント値を「0」にリセットして、オフライン検知処理を終了する。
【0060】
このような内容でオフライン検知処理を実行することにより、光センサ151との間の通信がオフラインであるか否かを判断できる。その理由は、次のとおりである。
図7に示すフローチャートにおいては、特定遊技状態の発生回数が所定回数に達するまでの間にセンサ信号受信部15が内部当選信号を受信していないときに、内部当選信号の通信線がオフラインであるものと判断している。
ここで、内部当選信号は、遊技機60にて特定遊技状態が内部当選し、告知ランプ61が点灯したときに、光センサ151が出力する信号である。ところが、その内部当選したゲームで入賞図柄が揃ったときには、告知ランプ61が点灯しないため、光センサ151からは内部当選信号が出力されない。ただし、このように内部当選したゲームで入賞図柄が揃うことは、頻度としては低いものであり、大抵のゲームでは、特定遊技状態が内部当選した時点で告知ランプ61が点灯し、光センサ151から内部当選信号が出力されることが多い。
そして、特定遊技状態が複数回発生した場合は、殆どの特定遊技状態において、告知ランプ61が直前に点灯する。それにもかかわらずセンサ信号受信部15が内部当選信号を受信していないときには、この内部当選信号を通す通信線で異常が生じているものとみなすことができる。
このような理由から、図7に示すフローチャートを実行することにより、内部当選信号の通信線がオフラインであるものと判断できる。そして、オフラインであることを示す通信異常信号をホールコンピュータ40へ送信することにより、そのオフラインを遊技場の店員に報知することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の遊技用表示装置及び報知方法によれば、光点灯検知手段が発光手段の点灯を検知したときは報知を行い、光点灯検知手段がその後も継続して発光手段の点灯を検知している間に特定遊技状態信号受信手段が特定遊技状態信号を受信したときは、報知を行わないようにすることで、一の特定遊技状態について重複して報知を行わないようにすることができる。
また、光点灯検知手段が発光手段の点灯を検知していない場合において、特定遊技状態信号受信手段が特定遊技状態信号を受信したときは、報知を行うようにすることで、報知の取りこぼしを防ぐことができる。
【0062】
さらに、特定遊技状態信号が受信できない場合において、検知信号を受信したときにも、報知を行うようにすることで、報知の取りこぼしを防止できる。
しかも、光点灯検知手段が発光手段の点灯を検知している間に特定遊技状態信号受信手段が特定遊技状態信号を受信しなかったとき、又は、特定遊技状態信号を所定回数受信する間に発光手段の点灯を検知しなかったときは、遊技機又は光センサと呼出ランプとの間の通信線がオフラインであるものと判断して、管理装置に報知することができる。
【0063】
以上、本発明の遊技用表示装置及び報知方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用表示装置及び報知方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、遊技機に設けられた告知ランプの点灯を光センサが検知し、この光センサから出力された検知信号を呼出ランプが受信することとしたが、光センサが検知するランプは、告知ランプに限るものではなく、例えば、特定遊技状態の一つであるART状態に移行したときに点灯するART確定ランプであってもよい。
また、呼出ランプの通信部が受信する遊技信号の一つとして特定遊技状態信号を挙げたが、その通信部は、遊技機から出力されたART信号を受信するものであってもよい。
そして、ART確定ランプの点灯を検知した光センサからの検知信号をセンサ信号受信部が受信している間に、遊技機から出力されたART信号を通信部が受信したときに、呼出ランプの制御部は、この時点での報知を行わないようにすることができる。これにより、報知の重複を回避できる。
さらに、ART確定ランプの点灯を検知した光センサからの検知信号をセンサ信号受信部が受信していない状態で、遊技機から出力されたART信号を通信部が受信したときに、報知を行うことにより、報知の取りこぼしを防止できる。
【0064】
また、図6に示すタイムチャートにおいては、内部当選信号がOFFからONに立ち上がった時点で音楽データを再生することとしているが、これに限るものではなく、例えば、内部当選信号がONからOFFに立ち下がったときに音楽データを再生するようにしてもよい。このようにすれば、目押しが苦手な人が、なかなか特定遊技状態の入賞図柄を揃えられないのを、他の人に知られなくてすむ。
例えば、内部当選信号が検知された時点で音楽を流す演出を行った場合、その音楽を聞いた他人は、その遊技機で特定遊技状態が内部当選したことを知ることになる。このような状況で、目押しが苦手な遊技者がストップボタンを押しても、入賞図柄をなかなか揃えることができず、特定遊技状態を開始できない状況が続くと、他人の目が気になって恥ずかしい思いをしてしまう。また、その音楽を聞いた他人は、早く入賞図柄を揃えて特定遊技状態に突入してほしいと心の中で願うようになるが、なかなか突入しないとイライラしてしまう。
これに対し、内部当選信号がONからOFFに立ち下がったときに音楽データを再生するようにすれば、内部当選しても、この時点では音楽データが再生されないため、その内部当選が他人に知られることがない。このため、当該遊技者は、入賞図柄をなかなか揃えられないからといって、他人の目を気にする必要がないので、恥ずかしい思いをしないで済む。また、その他人は、内部当選したことを知り得ないため、なかなか突入しない状況も把握し得ないことから、これに伴うイライラも生じない。
【0065】
さらに、図6に示すタイムチャートにおいては、特定遊技状態に移行するための入賞図柄が揃ったときに、告知ランプが消灯し、内部当選信号がONからOFFに立ち下がるようになっているが、遊技機の中には、その入賞図柄が揃って特定遊技状態信号が出力された後も、告知ランプが点滅し続けるものもある。この場合は、仮想延長信号を想定しなくても、内部当選信号と特定遊技状態信号が重複して受信される時間が発生するので、このときに、音楽データを再生しないようにすることができる。
また、図5図7に示すフローチャートにおいては、報知の手法として音楽データの再生による音演出を挙げたが、図5図7のフローチャートにおける報知の手法は、音演出に限るものではなく、信号回数のカウントやカウント値の表示、発光部による発光演出であってもよい。
【0066】
また、図5に示すフローチャートと図7に示すフローチャートは、それぞれ別個独立した処理手順として図示しているが、これらのフローチャートに示した処理手順は、一連の処理として実行することができる。例えば、図7のS20と図5のS11とを同一の処理であるものとし、これら図7のS20及び図5のS11を実行して、特定遊技状態信号が受信されたものと判断したときには、音楽データを再生するとともに(S12)、図7に示すフローチャートのS21以降を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 呼出ランプ
11 データ表示部(報知手段、表示手段)
12 発光部(報知手段、表示手段)
13 音出力部(報知手段、音出力手段)
14 通信部(特定遊技状態信号受信手段、送信手段)
15 センサ信号受信部
151 光センサ(光点灯検知手段)
19 制御部(制御手段)
40 ホールコンピュータ(管理装置)
60 遊技機
61 告知ランプ(発光手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7