(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理装置は、前記一連の動作の一周期分の前記応力の時間変化から抽出される応力の極値に基づいて、前記アタッチメントの寿命を求める請求項2に記載のショベル管理装置。
前記処理装置は、前記ショベルが前記一連の動作を行う期間に前記応力センサによって実測された前記アタッチメントに加わる応力の時間変化に基づいて決定された複数の時点において、前記解析モデルを用いた解析を行う請求項2乃至4のいずれか1項に記載のショベル管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施例1]
図1Aに、実施例1によるショベル管理装置で管理の対象となるショベルの側面図を示す。下部走行体20に、上部旋回体21が搭載されている。上部旋回体21にブーム23が連結され、ブーム23にアーム25が連結され、アーム25にバケット27が連結されている。ブームシリンダ24の伸縮により、ブーム23の姿勢が変化する。アームシリンダ26の伸縮により、アーム25の姿勢が変化する。バケットシリンダ28の伸縮によって、バケット27の姿勢が変化する。ブームシリンダ24、アームシリンダ26、及びバケットシリンダ28は、油圧駆動される。ブーム23、アーム25、及びバケット27によりアタッチメントが構成される。
【0010】
アタッチメントの姿勢センサとして、ブーム角度センサ、アーム角度センサ、バケット角度センサが備えられている。アタッチメントの荷重センサとして、ブームシリンダ24のシリンダ内の油圧(シリンダ圧力)を測定するブーム用圧力センサ、アームシリンダ26のシリンダ圧力を測定するアーム用圧力センサ、バケットシリンダ28のシリンダ圧力を測定するバケット用圧力センサが備えられている。なお、アタッチメントの姿勢センサとして、角度センサの代わりに、シリンダの伸縮量を測定する変位センサを用いることもできる。
【0011】
図1Bに、実施例1によるショベル管理装置で管理の対象となるショベルの平面図を示す。旋回モータ34が、下部走行体20に対して上部旋回体21を旋回させる。旋回モータ34には、電動モータまたは油圧モータが用いられる。旋回角センサ35が、旋回モータ34の回転軸の回転角を測定する。旋回角センサ35には、例えばレゾルバが用いられる。旋回角センサ35の測定結果に基づいて、上部旋回体21の旋回角θを算出することができる。ここで、旋回角θは、ブーム23等が下部走行体20の前方を向く姿勢を基準として、上部旋回体21が旋回した角度を意味する。なお、上部旋回体21の旋回動作に関わる物理量を測定するセンサとして、旋回角センサの代わりに加速度センサを用いることもできる。
【0012】
図2に、実施例1によるショベル管理装置40のブロック図、及び管理対象であるショベル50の概略図を示す。ショベル管理装置40は、入力装置41、処理装置42、記憶
装置43、及び出力装置44を含む。入力装置41は、通信網51を介して、管理対象であるショベル50から送信されたデータを受信する。
【0013】
アタッチメントの荷重センサで測定された各油圧シリンダ内の油圧、アタッチメントの姿勢センサで測定された角度、及び旋回角センサ35(
図1B)で測定された旋回角θが、入力装置41を介して処理装置42に入力される。荷重センサ、姿勢センサ、旋回角センサ35の測定値により、アタッチメントの姿勢、アタッチメントに加わる荷重が特定される。出力装置44は、処理装置42の処理結果を表示する。入力装置41は、オペレータが処理装置42にコマンドを入力するためにも用いられる。入力装置41は、キーボード、通信装置等を含む。記憶装置43は、処理装置42が実行するコンピュータプログラム、及び処理に用いられる種々のデータを記憶する。
【0014】
図3に、実施例1によるショベル管理方法のフローチャートを示す。まず、ステップS1において、処理装置42が、ショベル50による作業中に、繰り返される一連の動作の少なくとも1周期分の測定値を、アタッチメントの姿勢センサ、アタッチメントの荷重センサ、及び旋回角センサ35(
図1B)から取得する。旋回角センサ35から、上部旋回体21の旋回角θ(
図1B)が取得される。アタッチメントの姿勢センサ及び旋回角センサ35の検出値によって、ショベルの姿勢が特定される。一連の動作のうち、アタッチメントの姿勢センサ、アタッチメントの荷重センサ、及び旋回角センサ35で測定値を取得する範囲は、操作者が設定してもよい。
【0015】
図4A〜
図4Dに、ショベル50で繰り返される一連の動作の一例を示す。
図4A〜
図4Dは、それぞれ一連の動作の1周期内の各工程、具体的には掘削開始、持ち上げ旋回、排土、戻り旋回の各工程中の任意の時点におけるショベル50の姿勢を概略的に示す。ショベルの運転時には、例えば、一連の動作が繰り返されることにより、
図4A〜
図4Dに示した姿勢が順番に出現する。
【0016】
図5A〜
図5Cに、それぞれショベルの動作中におけるブームシリンダ24(
図1A)内の油圧、アーム25(
図1A)の先端の高さ、及び旋回角度の時間波形(時間変化)の一例を示す。
図5Aに示した実線L1及びL2は、それぞれブームシリンダ24内のロッド側油圧及びボトム側油圧を示す。
図5A〜
図5Cにおいて、時刻t1は、
図4Aに示した掘削開始に対応する。時刻t1からt2までの期間に、掘削が行われる。時刻t2からt3までの期間に、
図4Bに示したブームの持ち上げ及び旋回の動作が行われる。時刻t3からt4までの期間に、
図4Cに示した排土及び戻り旋回の動作が行われる。一連の動作の繰返しに対応して、時刻t1からt4までの波形と近似する波形が周期的に現れる。
【0017】
図3に示したステップS2において、一連の動作の1周期内で、解析すべき複数の時刻(以下、「解析時刻」という。)を抽出する。一例として、
図5Aに示したように、1周期内から、時刻t1〜t4の4個の解析時刻が抽出される。例えば、シリンダ内の油圧、旋回角度の時間波形のピーク、変曲点等の特徴的な時刻を、解析時刻として抽出する。抽出する解析時刻の個数を多くすると、解析精度が向上するが、解析に要する計算時間は長くなる。処理装置42(
図2)が、
図5A〜
図5Cに示した時間波形に基づいて解析時刻を自動的に抽出するようにしてもよいし、オペレータが時間波形を観察して解析時刻を決定し、入力装置41から解析時刻を入力するようにしてもよい。
【0018】
図3に示したステップS3において、解析時刻の各々において、解析モデルを用い、ブーム、アーム等の部品の各々に加わっている応力の分布を算出する。応力の分布は、解析時刻ごとに決定されているショベルの特定の姿勢に基づいて計算される。すなわち、繰り返される一連の動作の1周期内に現れる種々のショベルの姿勢ごとに、ショベルの部品に加わっている荷重に基づいて、応力の分布を算出する。応力の分布の算出には、例えば有
限要素法等の数値解析手法を適用することができる。このとき、ショベルの姿勢及びショベルの部品に加わる荷重が境界条件として用いられる。ここで、荷重はベクトルで表される。荷重の大きさ及び向きは、油圧シリンダ内の油圧、油圧シリンダの軸方向(アタッチメントの姿勢)、及び旋回角加速度により求まる。旋回角加速度は、旋回角θ(
図1B)を2回微分することにより算出される。
【0019】
図6に、ある解析時刻におけるブーム23内の一部分の応力分布の算出結果を示す。応力は、解析モデルの各要素を構成する節点ごとに算出される。
図6において、応力が相対的に大きな箇所が、相対的に濃い色で示されている。
図6に示したような応力分布の解析結果が、解析時刻ごとに、かつ部品ごとに算出される。
【0020】
図7に、ショベルの部品の評価箇所Ep(
図6)に加わる応力の時間波形を示す。解析時刻t1〜t4の各々において応力が算出されている。
図7に示した応力の時間波形は、ブーム23、アーム25、バケット27等の部品ごとに、複数の評価箇所(有限要素法を用いた場合には、複数の節点)について求められる。
【0021】
図3に示したステップS4において、各部品の評価箇所ごとに、累積損傷度を算出する。これにより、部品内における累積損傷度の分布が得られる。累積損傷度は、応力の時間変化から抽出される応力の極値に基づいて算出される。ここで、「累積損傷度」とは、繰り返される一連の動作中に受ける損傷を、1周期の期間にわたって累積したものである。以下、累積損傷度を算出する方法の一例について説明する。まず、
図7に示した応力の時間波形の極大値と極小値とを検出する。極大値と極小値とに基づいて、応力が変動する範囲である応力範囲Δσを求めるとともに、応力範囲Δσごとの出現頻度を求める。応力範囲Δσiの出現頻度をniで表す。
【0022】
図8に、S−N線図の一例を示す。例えば、
図8に示したS−N線図では、応力範囲Δσiの疲労寿命(破断繰返し回数)がNi回である。累積疲労損傷則(別名、線形被害則)により、累積損傷度Dは、以下の式で表される。
【数1】
【0023】
図9に、ブーム23内の一部分の累積損傷度Dの分布の一例を示す。
図9において、累積損傷度Dが相対的に大きな領域を、相対的に濃い色で示す。累積損傷度Dが1以上になった時点で疲労破壊が生じる。累積損傷度D及び稼働状況(サンプリングした周期分の時間)から、疲労寿命を求めることができる。
【0024】
図3に示したステップS5において、部品の寿命を算出する。ステップS4で求められた累積損傷度Dが最大を示す評価箇所の疲労寿命が、部品の寿命となる。ステップS6において、評価結果を出力する。例えば、処理装置42(
図2)は、
図9に示した累積損傷度Dの分布、及び部品の寿命を、出力装置44(
図2)に表示する。
【0025】
図3に示したステップS7において、評価結果が基準条件を満たすか否かを判定する。一例として、予め決められている寿命に対して短い寿命が算出されているときは、負荷が大きいと判断し、ステップS8において警告を発出する。評価結果が基準条件を満たす場合には、処理を終了する。
【0026】
保守点検者は、累積損傷度Dの分布に基づき、次回の点検時に特に重点的に点検を行う
べき箇所を抽出することができる。また、警告が発出された場合には、部品交換の準備を始めることができる。ショベルの設計者は、累積損傷度Dの分布に基づき、機械的強度を高めるべき箇所を抽出することができる。
【0027】
実施例1においては、ショベルの実際の動作時に収集されたアタッチメントの姿勢、アタッチメントに加わる荷重、旋回角に基づいて、数値解析モデルを用いた応力解析を行い、予測寿命が算出される。このため、寿命の予測精度を高めることができる。さらに、ショベルの所有者及びオペレータは、ショベルの部品のダメージを軽減する操作方法を把握し、学習することができる。その結果、ショベルの長寿命化を実現することができる。ショベルの設計者にとっては、負荷状況及び稼働状況を取得することができる。
【0028】
累積損傷度の算出値(1周期分の値)を、現時点までに動作した全周期にわたって合計した値と、疲労破壊を示す値である1との差が、現時点から疲労破壊が生じるまでの残存する累積損傷度に相当する。このことを利用して、残存する累積損傷度と現時点までの稼働時間とから、余寿命を求めることができる。求められた余寿命が、予め定められた基準値を下回ると、出力装置44(
図2)に余寿命を表示するとともに、疲労破壊が生じる可能性がある部位のメンテナンスを促す表示を行うことも可能である。
【0029】
[実施例2]
次に、
図10を参照して、実施例2によるショベル管理方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。実施例1においては、
図3に示したステップS2において、姿勢センサ、荷重センサの検出値の時間波形に基づいて、解析時刻を抽出した。実施例2においては、応力を測定した結果に基づいて、解析時刻を抽出する。
【0030】
図10に、ショベルのブーム23の斜視図を示す。ブーム23に、複数の応力センサ37が取り付けられている。応力センサ37として、例えば歪ゲージを用いることができる。ブーム23は、主として上面、底面、及び側面で構成される。応力センサ37は、例えば、ブーム23の基部と中央部との中間点の近傍、及び先端と中央部との中間点の近傍のそれぞれの、上面、底面、及び2つの側面に取り付けられる。
【0031】
実施例2では、
図3に示したステップS1において、アタッチメントの姿勢等を示す物理量の他に、応力センサ37による歪の検出値が取得される。これにより、圧力センサの検出値を換算して応力を求めるのではなく、応力センサ37により、応力を直接検出することで、検出した応力から解析時刻を決定する。また、予め設定された複数の荷重条件ごとに、
図6に示したような応力分布が算出され、応力分布の複数の算出結果が、応力分布参照表として準備されている。応力センサによる応力の検出値を、応力分布参照表に記憶されている複数の応力分布の、応力センサ取り付け位置に対応する節点の応力の算出値と比較する。応力分布参照表に記憶されている複数の応力分布の中から、両者が近似している応力分布を選択する。決定された解析時刻ごとに、応力分布参照表の中から近似する応力分布を選択し、疲労寿命を求めることができる。
【0032】
以下、解析時刻の決定方法を、より詳細に説明する。ショベルの一連の動作中に、応力センサ37によって歪を検出する。検出された歪に基づいて、一連の動作の1周期分の応力の時間波形を求める。応力の時間波形の極大値及び極小値に着目して、応力が極大値及び極小値を示す複数の時刻から解析時刻を抽出する。
【0033】
1つの評価対象のショベルを用いて、解析対象となる複数の姿勢が決定されると、他のショベルの評価時に、評価対象のショベルに応力センサを取り付ける必要はない。また、解析時刻t1〜t4を抽出するために、応力センサを取り付けてデータ収集を行なったシ
ョベルについても、解析時刻が決定された後は、応力センサを取り外してもよい。
【0034】
上記実施例1及び実施例2では、ショベル50とショベル管理装置40(
図2)との間で、通信網51を介してデータ通信を行なったが、ショベル管理装置40をショベル50に搭載してもよい。この場合には、ショベルに取り付けられたアタッチメントの姿勢センサ、荷重センサ、旋回角センサ35で測定された測定値は、通信網51を介することなく、入力装置41を介して処理装置42に入力される。
【0035】
応力は、疲労寿命の予測に直接関わるパラメータである。実施例2では、上述のように、疲労寿命を予測するにあたり、応力センサにより直接測定した応力の検出値を用いて応力分布が求められる。このため、応力分布の算出の精度を高めることができる。その結果、疲労寿命の予測精度を高めることが可能になる。
【0036】
[実施例3]
図11を参照して、実施例3によるショベル管理装置で実行される部品の寿命の算出方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0037】
記憶装置43(
図2)に、掘削作業時におけるショベルの代表的な姿勢A1、A2、A3、・・・と、標準荷重B1、B2、B3、・・・と、標準応力C1、C2、C3、・・・との対応表45が、予め記憶されている。代表的な姿勢には、例えば
図4A〜
図4Dに示した、掘削開始、持上旋回、排土、戻り旋回等の解析時刻における姿勢が含まれる。1つの解析時刻である掘削開始時の姿勢には、基体から掘削箇所までの距離、掘削箇所の深さ等に依存して、複数の姿勢が含まれている。同様に、持上旋回、排土、戻り旋回時の代表的な姿勢にも、複数の姿勢が含まれる。
【0038】
代表的な姿勢の各々に対応する標準荷重として、複数の荷重センサのうち1つの荷重センサによって測定される荷重が採用される。標準荷重の値として、例えば、掘削作業時に、ショベルがその代表的な姿勢をとったときに発生する最も一般的な荷重が採用される。代表的な姿勢の各々に対応する標準応力は、ショベルがその代表的な姿勢をとり、アタッチメントに標準荷重が印加されているときに、部品に加わる応力を意味する。標準応力は、複数の評価箇所Ep(
図6)において定義されている。また、標準応力の値は、例えば、実施例1で説明した有限要素法等の解析手法を用いて、予め算出されている。
【0039】
実施例1の
図3に示したステップS1と同様に、姿勢センサ及び荷重センサによって、繰り返される一連の動作の少なくとも1周期分の測定値を取得する。解析時刻において、姿勢センサによって取得された姿勢と、対応表45に記憶されている代表的な姿勢とを比較し、最も近似する代表的な姿勢を抽出する。一例として、姿勢A2が抽出される。
【0040】
実施例1では、
図3のステップS3において、解析モデルを用いて応力の分布を算出したが、実施例3では、解析モデルを用いることなく、記憶装置43に記憶されている対応表45から応力を求める。以下、
図11を参照して、応力を求める方法について説明する。
【0041】
荷重センサの実測値と、対応表45の、代表的な姿勢A2に対応する標準荷重B2とを比較する。比較結果に基づいて、応力の換算係数を求める。換算係数は、荷重センサの実測値を、標準荷重B2で除算することにより算出される。
【0042】
代表的な姿勢A2に対応する標準応力C2に、換算係数を乗算することにより、応力を求める。複数の解析時刻において、同様の手順により、応力を求めることができる。これ
により、
図7に示したような応力の時間波形が求められる。応力の時間波形が求められた後の手順は、
図3に示した実施例1のステップS4以降の手順と同一である。
【0043】
実施例3においては、ショベルの部品に加わる応力の算出時に、有限要素法等の演算を行う必要がない。このため、処理装置42(
図2)に加わる負荷を軽減することができる。
【0044】
[実施例4]
図12を参照して、実施例4によるショベル管理装置で実行される部品の寿命の算出方法について説明する。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0045】
実施例4においては、記憶装置43(
図2)に、ショベルの姿勢及び部品に加わる荷重の組み合わせに対して、部品に発生する応力を対応付けるマップ46が記憶されている。マップ46において、ショベルの一連の動作で現れる種々の姿勢P1、P2、P3、・・・、及び部品に印加される定格範囲内の種々の荷重Q1、Q2、Q3、・・・について、応力Rが対応付けられている。例えば、姿勢Pi、荷重Qjの組み合わせに対して、応力Rijが対応付けられている。ここで、i、jは、正の整数である。
【0046】
実施例1の
図3に示したステップS1と同様に、姿勢センサ及び荷重センサによって、繰り返される一連の動作の少なくとも1周期分の測定値を取得する。解析時刻において、姿勢センサによって取得された姿勢、及び荷重センサによって取得された荷重に基づいて、マップ46から応力を求める。例えば、解析時刻t1、t2、t3、t4に対応して、応力R32、R43、R34、R24が抽出される。これにより、
図7に示したような応力の時間波形が求められる。応力の時間波形が求められた後の手順は、
図3に示した実施例1のステップS4以降の手順と同一である。
【0047】
実施例4においても、実施例3と同様に、ショベルの部品に加わる応力の算出時に、有限要素法等の演算を行う必要がない。このため、処理装置42(
図2)に加わる負荷を軽減することができる。
【0048】
上記実施例1では、解析モデルを用いて応力を算出し、実施例3では、対応表45(
図11)を用いて応力を算出し、実施例4では、マップ46(
図12)を用いて応力を算出した。これらの方法で求められた応力を、実施例2に示したようなショベルに直接取り付けられた応力センサの測定値を用いて補正してもよい。以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。また、実施例1〜4では、ショベルで繰り返される1周期分の応力変化に基づいて、累積損傷度を算出したが、1周期内の任意の工程のみを抽出し、抽出された工程における応力変化に基づいて、累積損傷度、及び余寿命を算出してもよい。