(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968293
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】電子装置用スクリーンモジュール
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
G06F3/041 662
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-222001(P2013-222001)
(22)【出願日】2013年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-115986(P2014-115986A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2014年10月21日
(31)【優先権主張番号】101145782
(32)【優先日】2012年12月6日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513235681
【氏名又は名称】群▲マイ▼通訊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 俊達
(72)【発明者】
【氏名】施 貫中
【審査官】
若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−208857(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0302195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に装着される表示パネル及びタッチパネルと、を備え、
前記表示パネルは、スクリーンを備え、
前記タッチパネルは、前記表示パネルに接触する接触面を有し、
前記ハウジングは、互いに対向して設置された2つの側壁を備え、2つの前記側壁の自由端には第一斜面がそれぞれ設けられ、
前記ハウジングは、底板を備え、前記2つの側壁は、前記底板に設けられ、各側壁の第一斜面は、前記側壁の自由端の一方側の縁から前記底板に向かって斜めに延伸して形成され、
前記タッチパネルにおける前記接触面の両側には、第二斜面がそれぞれ形成され、
前記接触面は、前記スクリーンに対応して装着され、
2つの前記第二斜面が2つの前記第一斜面と対向するように設けられることを特徴とする電子装置用スクリーンモジュール。
【請求項2】
前記第一斜面及び前記第二斜面の少なくとも一方側には、光反射層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置用スクリーンモジュール。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記底板の対向する両端に設けられる2つの端壁をさらに備え、前記2つの側壁は、前記2つの端壁とそれぞれ連接されることを特徴とする請求項2に記載の電子装置用スクリーンモジュール。
【請求項4】
各側壁における前記第一斜面の下部には、係止溝がさらに設けられ、前記表示パネルは、前記スクリーンの周縁を取り囲むように設けられた枠をさらに備え、前記枠の対向する2つの側辺は、各側壁の係止溝内に係合されることを特徴とする請求項3に記載の電子装置用スクリーンモジュール。
【請求項5】
前記タッチパネルは、弧状のタッチ面を有し、前記タッチ面は前記接触面の反対側に設置され、前記接触面のサイズは、前記スクリーンのサイズに等しいことを特徴とする請求項4に記載の電子装置用スクリーンモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に用いられるスクリーンモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの携帯式電子装置は、タッチパネルを採用している。より詳細には、従来の携帯式電子装置は、通常、タッチパネルと、表示パネルと、前記表示パネルを収容するためのハウジングと、を備える。しかし、従来の表示パネルの表示エリア外の部分から、前記ハウジングの縁までの距離は大きいため、表示パネルの縁を小さくしなければならない。つまり、表示パネルの表示エリア以外の部分及びハウジングの縁部分を隠して、液晶表示装置が視覚上において、視野角を拡大し、枠が無いように見せることが、現在の課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、表示パネルの視野角を拡大することができる電子装置用スクリーンモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記問題を解決するために、本発明に係る電子装置用スクリーンモジュールは、ハウジングと、前記ハウジング内にそれぞれ装着される表示パネル及びタッチパネルと、を備える。前記表示パネルは、スクリーンを備え、前記タッチパネルは、前記表示パネルに接触する接触面を有し、前記ハウジングは、互いに対向して設置された2つの側壁を備え、2つの前記側壁の自由端には第一斜面がそれぞれ設けられ、前記タッチパネルにおける前記接触面の両側には、第二斜面がそれぞれ形成され、前記接触面が前記スクリーンに対応して装着されると、2つの前記第二斜面は2つの前記第一斜面と対向して設置される。
【発明の効果】
【0005】
従来の技術と異なり、本発明の電子装置用スクリーンモジュールは、タッチパネルにおける表示パネルと接触する面の両側に、第二斜面がそれぞれ設けられている。タッチパネルの第二斜面は、ハウジングの側壁に設けられた第一斜面と組み合せられて取り付けられる。表示パネルが通電されて発光する時に、光線はタッチパネルに照射し、前記光線は、タッチパネルの第二斜面まで照射される。また、前記光線の一部は、第二斜面によりハウジングの両側の第一斜面122へ反射される。これにより、表示パネルの両側に位置する第一斜面及び第二斜面は全て一定の明るさを有するようになり、表示パネルの枠及びタッチパネルの枠(即ち、ハウジングの側壁の端面)は見えなくなり、表示パネルは、視野角が拡大され、枠なしの視覚効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の電子装置用スクリーンモジュールの分解図である。
【
図2】
図1に示す電子装置用スクリーンモジュールのタッチパネルの斜視図である。
【
図3】
図1に示す電子装置用スクリーンモジュールが一体に組み立てられた後の状態を示す図である。
【
図4】
図3に示す電子装置用スクリーンモジュールのIV−IV線に沿った断面図である。
【
図5】
図4に示す電子装置用スクリーンモジュールの局部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示すように、本発明に係る電子装置用スクリーンモジュール100は、ハウジング10と、表示パネル20と、タッチパネル30と、を備える。ハウジング10は、携帯電話機等の電子装置のハウジングの一部である。表示パネル20及びタッチパネル30は、ハウジング10に装着される。
【0008】
ハウジング10は、底板11と、互いに反対側を向くように設けられた2つの側壁12と、互いに反対側を向くように設けられた端壁13と、を備える。2つの側壁12及び2つの端壁13は、底板11の周縁を取り囲むように突設され、且つ2つの側壁12は2つの端壁13とそれぞれ連接されている。これにより、ハウジング10の底板11の一方側には、矩形の収容空間が形成される。
【0009】
また、2つの側壁12の内面には、傾斜部120及び傾斜部120の下部に位置する係止溝121が設けられている。傾斜部120は、側壁12における底板11から離れた側に位置し、且つ第一斜面122を含む。第一斜面122は、底板11に向かって斜めに延伸する。第一斜面122の底板11に対する傾斜角度は、15度〜75度の中の何れか1つの角度である。係止溝121は、表示パネル20を固定するために用いられる。
【0010】
表示パネル20は、常用のディスプレイのパネルであり、枠21及びスクリーン(表示画面エリア)22を備える。枠21は、スクリーン22の周縁を取り囲むように設けられている。表示パネル20をハウジング10の前記収容空間内に固定する場合、枠21の背面(つまり、
図1を参照した場合底板11に向かう面)を接着の方式によって底板11の内面に固定させると共に、枠21の長手方向に沿う両側の縁をハウジング10の対応する係止溝121内に係合させる。
【0011】
図2を合せて参照すると、タッチパネル30は、電気抵抗式タッチパネル或いは静電容量式タッチパネルであり、且つガラスを基板とする。また、タッチパネル30は、タッチ面31及び接触面32を備える。タッチ面31は、前記ガラス基板から一方側へ突き出ている略弧状の表面である。接触面32は、前記ガラス基板におけるタッチ面31の反対側に位置している。接触面32の長手方向に沿う2つの縁は、それぞれタッチ面31に向かって下方に傾斜して第二斜面33を形成する。接触面32のサイズは、表示パネル20のスクリーン22のサイズに一致している。タッチパネル30をハウジング10の前記収容空間内に装着した場合、第二斜面33は第一斜面122と向き合うように位置する。
【0012】
図3及び
図4に示すように、表示パネル20及びタッチパネル30がハウジング10の前記収容空間に対応して装着される時、表示パネル20は、タッチパネル30と底板11との間に挟持される。この時、タッチパネル30の接触面32は表示パネル20に接触し、タッチパネル30の両側の第二斜面33は、ハウジング10の両側の第一斜面122と互いに当接する。本実施形態において、第一斜面122と第二斜面33との間に透明なコロイドを使用して、両者を一体に固定する。また、第一斜面122及び第二斜面33に対して光反射材料をそれぞれ塗布することによって、両者の光反射効果を高めることができる。
【0013】
図5に示すように、スクリーンモジュール100を一体に組み立てた後、第二斜面33は、表示パネル20のスクリーン22に対して下方に傾斜し、第二斜面33の一端は、スクリーン22と鈍角を形成するように連接される。第一斜面122は、第二斜面33に対して平行に延在し、且つスクリーン22と鈍角を形成するように連接される。また、タッチ面31は、弧状を呈する。スクリーン22が通電されて発光する時に生成される光線は、タッチパネル30全体を照らす。この時、表示パネル20からの光線は、タッチパネル30の両側の第二斜面33まで照射された後第二斜面33により反射されて、一部が第一斜面122へ照射する。さらに、前記光線は、第一斜面122により反射されて人の目に入る。これにより、視覚上、人の目が感じる輝度は第一斜面122が発生した明るさを含む。従って、使用者は正面から表示パネル20を見た場合、表示パネル20のサイズはさらに大きくなり、ひいては、タッチパネル30の両側の第一斜面122も表示パネル20の一部として見える。これにより、電子装置の表示パネル20は、視野角が拡大され、枠なしの視覚効果を達成することができる。
【0014】
上記の実施形態から分かるように、本発明の電子装置用スクリーンモジュール100は、タッチパネル30における表示パネル20と接触する面32の両側に、第二斜面33がそれぞれ設けられている。タッチパネル30の第二斜面33は、ハウジング10の側壁12に設けられた第一斜面122と組み合せられて取り付けられる。表示パネル20が通電されて発光する時に、光線はタッチパネル30に照射し、前記光線は、タッチパネル30の第二斜面33まで照射される。また、前記光線の一部は、第二斜面33によりハウジング10の両側の第一斜面122へ反射される。これにより、表示パネル20の両側に位置する第一斜面122及び第二斜面33は全て一定の明るさを有するようになり、表示パネル20の枠21及びタッチパネル30の枠(即ち、ハウジング10の側壁12の端面)は見えなくなり、表示パネル20は、視野角が拡大され、枠なしの視覚効果を達成することができる。
【0015】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであるのは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0016】
10 ハウジング
11 底板
12 側壁
120 傾斜部
121 係止溝
122 第一斜面
13 端壁
20 表示パネル
21 枠
22 スクリーン
30 タッチパネル
31 タッチ面
32 接触面
33 第二斜面
100 スクリーンモジュール