特許第5968340号(P5968340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968340
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】ラチス支持梁用の機械的結合装置
(51)【国際特許分類】
   E04C 3/08 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   E04C3/08
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-552495(P2013-552495)
(86)(22)【出願日】2012年2月6日
(65)【公表番号】特表2014-507584(P2014-507584A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】SE2012050106
(87)【国際公開番号】WO2012108821
(87)【国際公開日】20120816
【審査請求日】2015年1月26日
(31)【優先権主張番号】1150087-3
(32)【優先日】2011年2月7日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】502156478
【氏名又は名称】プラスエイト テクノロジー アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルテル ハリー
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−137115(JP,U)
【文献】 米国特許第06892502(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 3/04 − 3/11
E04B 1/58
E04B 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(X)および横方向(Y)を有し、かつ第1弦材(5)と、第1斜材(6)と、該第1弦材(5)を該第1斜材(6)と接合するための連結要素(7)とを少なくとも備え、
前記第1弦材(5)、前記第1斜材(6)、および前記連結要素(7)のそれぞれが、アルミニウム製押出形材から作られ;
前記連結要素(7)が、前記第1弦材(5)に接触する第1接触面(9)を有する第1取付部(8)と、前記第1斜材(6)の当接面(12)に接触する第2接触面(11)を有する第2取付部(10)とを少なくとも備え;
前記第1接触面(9)が、前記横方向(Y)に延びるとともに、前記第1弦材(5)に配設された少なくとも一つの対応する溝状凹部(14)内に係合する少なくとも一つのリブ状突起(13)を備え;
前記第2接触面(11)が、長手方向が前記第1斜材(6)の長手方向(16)に実質的に平行に配設される少なくとも一つの締結具(15)によって前記第1斜材(6)の前記当接面(12)に押し付けられる
ことを特徴とする、ラチス支持梁(2)用の機械的結合装置(1)。
【請求項2】
第1接触面(9)が、少なくとも一つの締結具(17)によって第1弦材(5)に押し付けられることを特徴とする、請求項1記載の機械的結合装置(1)。
【請求項3】
少なくとも一つの締結具(17)が、第1取付部(8)の孔または切欠き(18)内、および第1弦材(5)の対応する孔または切欠き(19)内に配設されることを特徴とする、請求項2記載の機械的結合装置(1)。
【請求項4】
第2取付部(10)が、少なくとも一つの締結具(15)を少なくとも部分的に取り囲む、フランジに位置付けられた少なくとも一つの孔または切欠き(21)を備える該フランジ(20)を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項5】
フランジ(20)が、矩形状を有し、かつその各コーナー領域に一つの孔または切欠き(21)を備えることを特徴とする、請求項4に記載の機械的結合装置(1)。
【請求項6】
連結要素(7)が、第1および第2取付部(8、10)を連結する面状く体部(22)を少なくともさらに備えることを特徴とし、フランジ(20)の平面が該面状く体部(22)の平面に直交する、請求項4または5記載の機械的結合装置(1)。
【請求項7】
横方向(Y)に延びるとともに、第1弦材(5)に配設された少なくとも2つの対応する溝状凹部(14)内に係合する少なくとも2つのリブ状突起(13)第1接触面(9)が備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項8】
横方向(Y)に延びるとともに、前記第1弦材(5)に配設された少なくとも3つの対応する溝状凹部(14)内に係合する少なくとも3つのリブ状突起(13)を第1接触面(9)が備えることを特徴とする、前記請求項1〜6のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項9】
少なくとも一つのリブ状突起(13)が、連結要素(7)の横径の長さ全体に亘って横方向(Y)に延びることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項10】
少なくとも一つのリブ状突起(13)が、長手方向(X)およびウェブ方向(Z)により画定される第1平面において台形断面形状を有し、かつ/または少なくとも一つの対応する溝状凹部(14)が該第1平面において台形断面形状を有し、その結果、第1弦材(5)と連結要素(7)との間の連結における遊びの程度が低減されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項11】
少なくとも一つのリブ状突起(13)が、連結要素(7)一体であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項12】
少なくとも一つの締結具(15)にはねじ山が設けられ、第1斜材(6)には、該少なくとも一つの締結具(15)を螺合により受け入れる少なくとも一つの(24)が設けられることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項13】
機械的結合装置(1)が、アルミニウム製押出形材から作られた第2斜材(25)をさらに備え;
連結要素(7)が、前記第2斜材(25)の当接面(28)に接触する第3接触面(27)を有する第3取付部(26)をさらに備え;
前記第3接触面(27)が、長手方向が前記第2斜材(25)の長手方向(30)に実質的に平行である少なくとも一つの締結具(29)によって該第2斜材(25)の前記当接面(28)に押し付けられる
ことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項記載の機械的結合装置(1)。
【請求項14】
第1弦材(5)と、第2弦材(31)と、複数の斜材(6、25)とを少なくとも備え、該少なくとも第1および第2弦材(5、31)を該複数の斜材(6、25)と接合するための請求項1〜13のいずれか一項記載の複数の機械的結合装置(1)をさらに備えることを特徴とする、ラチス支持梁(2)。
【請求項15】
以下の工程により特徴付けられる、長手方向(X)および横方向(Y)を有し、かつ第1弦材(5)と、第1斜材(6)と、該第1弦材(5)を該第1斜材(6)と接合するための連結要素(7)とを少なくとも備える、ラチス支持梁(2)用の機械的結合装置(1)の製造方法:
前記第1弦材(5)を形成する第1アルミニウム形材を押出し、切断する工程;
前記第1弦材(5)に少なくとも一つの溝状凹部(14)を機械加工する工程;
当接面(12)を備える前記第1斜材(6)を形成する第2アルミニウム形材を押出し、切断する工程;
前記横方向(Y)に直交する平面における前記連結要素(7)の断面形状に実質的に一致する断面形状を有する第3アルミニウム形材を押出する工程;
前記横方向(Y)に延びる少なくとも一つのリブ状突起(13)を備える第1接触面(9)を有する第1取付部(8)と、第2接触面(11)を有する第2取付部(10)とを少なくとも備える少なくとも一つの別個の連結要素(7)を製造するために、長手方向部分で前記第3アルミニウム形材を切断する工程;
前記第1接触面(9)が前記第1弦材(5)に接触し、前記第2接触面(11)が前記当接面(12)に接触し、かつ前記少なくとも一つのリブ状突起(13)が前記少なくとも一つの溝状凹部(14)に係合するように、少なくとも前記第1弦材(5)、前記第1斜材(6)、および前記連結要素(7)を組み立てる工程;ならびに
長手方向が前記第1斜材(6)の長手方向(16)に実質的に平行に配設される少なくとも一つの締結具(15)によって前記第2接触面(11)を前記当接面(12)に押し付ける工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向および横方向を有するラチス支持梁用の機械的結合装置、ならびにかかる結合装置の製造方法に関する。機械的結合装置は、第1弦材と、第1斜材と、該第1弦材を前記第1斜材と接合するための連結要素とを少なくとも備える。
【背景技術】
【0002】
従来、ラチス梁は弦材と斜材とを溶接することにより作られている。先行技術文献である英国特許第927917号(特許文献1)では、パネル型の格子桁を作るのに適した材料が鋼、アルミニウム、プラスチックおよびその他の溶接可能な材料を含む、棒状部材からなる溶接された3次元格子桁を開示している。この設計に関する欠点は、少なくともアルミニウムを使用する場合に耐荷力が低いことである。
【0003】
したがって、上述の欠点を取り除く、改良された軽量ラチス梁が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許第927917号
【発明の概要】
【0005】
概要
本発明の目的は、長手方向および横方向を有し、かつ第1弦材と、第1斜材と、該第1弦材を前記第1斜材と接合するための連結要素とを少なくとも有する、ラチス支持梁用の本発明による機械的結合装置を提供することであり、この装置において、前述の問題を部分的に回避する。この目的は、前記第1弦材、前記第1斜材、および前記連結要素のそれぞれが、アルミニウム製押出形材から作られ、前記連結要素が、前記第1弦材に接触する第1接触面を有する第1取付部と、前記第1斜材の当接面に接触する第2接触面を有する第2取付部とを少なくとも備え、前記第1接触面が、前記横方向に延びるとともに、前記第1弦材に配設された少なくとも一つの対応する溝状凹部内に係合する少なくとも一つのリブ状突起を備え、前記第2接触面は、長手方向が前記第1斜材の長手方向に実質的に平行に配設される少なくとも一つの締結具によって前記第1斜材の前記当接面に押し付けられる、請求項1の特徴部分の特徴により達成される。
【0006】
アルミニウム製の斜材をアルミニウム製の弦材に溶接することにより接合されたラチス梁の結合装置は、疲労に起因して短期間と長期間の両方において、熱影響部における材料の脆弱化を著しくうける。したがって、熱影響部における許容応力が非常に制限され、その結果、耐荷力が比較的低くなる。考えられる改善策は、材料の厚みを増した結合装置部材を提供するか、または鋼などの他の材料を使用することである。しかしながら、両代替案は、ラチス梁の重量増加につながる。本発明による結合装置は、梁部材の溶接をもはや必要としない機械的結合装置を提供することにより、この問題を解決する。
【0007】
機械的結合装置の重要な局面は、結合装置が交番荷重を受ける間の結合装置に存在する機械的遊びの量である。結合装置における機械的遊びは、各結合装置から前記機械的遊びが累積し、結果的に、高荷重下での梁の撓みが増大し、ラチス梁の固有振動数に影響を及ぼすだけでなく、梁強度の脆弱化をもたらすために、耐荷力の低下を招く。機械的結合装置における遊びの発生源は、結合装置の設計において使用される機械的締結具の配置から生じ得る。荷重伝達方向に直交して配設されるピンまたはねじ締結具の使用では、しばしば、ピン/ねじ部材とピン/ねじ部材が配設される孔との間の直径差に起因して遊びが生じる。本発明による結合装置は、締結具が斜材の長手方向に実質的に平行に配設される機械的結合装置を提供することにより、この問題を解決する。その結果、連結要素と斜材との間の連結における遊びが完全に排除される。
【0008】
機械的結合装置のさらに重要な局面は、前記第1接触面を前記第1弦材に押し付ける任意の締付手段に加わるせん断力のレベルである。せん断力は、斜材内の圧縮力と引張力を弦材へ伝達し、かつ圧縮力と引張力を弦材から伝達することにより生じる。せん断力は通常、一部は弦材と斜材との間の接触面における摩擦抵抗により、一部は第1接触面を第1弦材に対して締め付けるために使用される締付手段自体により、弦材に伝達される。締付応力の増大は、摩擦抵抗を増大させ、それにより締付手段の負担をある程度軽減する。しかしながら、締付力の増加により摩擦抵抗の増大をもたらす高力摩擦接合ボルトは、高力摩擦接合ボルトの鋼材と弦材および斜材のアルミニウム材との熱膨張差のため、アルミニウム製梁の構築においてある程度までしか適用することができない。本発明による結合装置は、前記第1接触面が、前記横方向に延びるとともに、前記第1弦材に配設された少なくとも一つの対応する溝形状凹部内に係合する少なくとも一つのリブ状突起を備える、機械的結合装置を提供することにより、この問題を解決する。リブ状突起を溝状凹部内に係合することにより、第1斜材と第1弦材との間の圧縮荷重および引張荷重を伝達し、それにより締付手段のせん断応力を少なくとも部分的に緩和する、効率的かつ費用効果の高い解決策を提供する。そのため、締付手段は、より小さくしてもよいし、および/または維持または低減された応力レベルでより少ない部材からなるようにしてもよい。
【0009】
全体として、本発明による機械的結合装置は、荷重力の比較的高い軽量ラチス梁を提供する。
【0010】
さらにまた、本発明の目的は、前述の問題を部分的に回避する、本発明による機械的結合装置の製造方法を提供することである。この目的は、以下の工程を含む、請求項15の特徴部分の特徴により達成される:前記第1弦材を形成する第1アルミニウム型材を押出し、切断する工程、および前記第1弦材に少なくとも一つの溝状凹部を機械加工する工程。当接面を備える前記第1斜材を形成する第2アルミニウム形材を押出し、切断する工程。前記横方向に直交する平面における連結要素の断面形状に実質的に一致する断面形状を有する第3アルミニウム形材を押出する工程、および前記横方向に延びる少なくとも一つのリブ状突起を備える第1接触面を有する第1取付部と、第2接触面を有する第2取付部とを少なくとも備える少なくとも一つの別個の連結要素を製造するために、長手方向部分で前記第3アルミニウム形材を切断する工程。前記第1接触面が前記第1弦材に接触し、前記第2接触面が前記当接面に接触し、かつ前記少なくとも一つのリブ状突起が前記少なくとも一つの溝状凹部に係合するように、少なくとも前記第1弦材、前記第1斜材、および前記連結要素を組み立てる工程。そして最終的に、長手方向が前記第1斜材の長手方向に実質的に平行に配設される少なくとも一つの締結具によって前記第2接触面を前記当接面に押し付ける工程。
【0011】
さらなる利点は、一つまたは複数の従属請求項の特徴の実施することにより達成される。第1接触面は、有利には、前記部品を接合し締め付ける迅速で確実かつ費用効率の高い解決策を提供するために、少なくとも一つの締結具によって前記第1弦材に押し付けられる。
【0012】
少なくとも一つの締結具は、有利には、機械的結合装置のコンパクト設計を実現するために、前記第1取付部の孔または切欠き内、および前記第1弦材の対応する孔または切欠き内に配設される。
【0013】
連結要素は、有利には、機械的結合装置の費用効果の高い、柔軟な製造プロセスを提供するために、前記アルミニウム製押出形材の長手方向部分から作られる。
【0014】
第2取付部は、有利には、前記少なくとも一つの締結具を少なくとも部分的に取り囲む、フランジに位置付けられた少なくとも一つの孔または切欠きを備えるフランジを備える。フランジは、第2取付装置の軽量で頑丈な設計を提供する。
【0015】
フランジは、有利には矩形状を有し、かつフランジの各コーナー領域に一つの孔または切欠きを備える。矩形状は、連結要素の製造プロセスの直接の結果であるため、経済的な形状である。したがって、完成品の連結要素を得るために、フランジの実質的な修正を全く必要としない。加えて、その矩形状が、斜材の矩形状に対して良好に一致する。
【0016】
連結要素は、さらに有利には、前記第1および第2取付部を連結する面状く体部を少なくとも備え、前記フランジの平面が前記面状く体部の平面に直交する。
【0017】
その結果、斜材へのかつ斜材からの力が、面状く体部に大幅な曲げトルクを生じさせることなく、フランジと第1取付部との間に効率的に伝達される。その平面構成もまた、連結要素の経済的な製造プロセスの結果である。
【0018】
第1接触面は、有利には、前記横方向に延びるとともに、前記第1弦材に配設された少なくとも2つの対応する溝状凹部内に係合する少なくとも2つのリブ状突起、好ましくは、前記横方向に延びるとともに、前記第1弦材に配設された少なくとも3つの対応する溝状凹部内に係合する少なくとも3つのリブ状突起を備える。リブ状突起の数、外形、大きさ、および離間距離は、各ラチス支持梁の特定の要求を満たすように選択される。
【0019】
少なくとも一つのリブ状突起は、有利には前記連結要素の横径の長さ全体に亘って前記横方向に延びる。これにより、連結要素の製造を簡素化する。
【0020】
少なくとも一つのリブ状突起は、有利には前記長手方向およびウェブ方向により画定される第1平面にテーパーになった断面形状を有し、かつ/または前記少なくとも一つの対応する溝状凹部は、該第1平面にテーパーになった断面形状を有する。テーパーになった断面形状は、前記弦材と前記連結要素との間の連結における遊びの程度を低減するかまたは遊びを排除する。
【0021】
前記少なくとも一つのリブ状突起は、有利には、前記第1弦材と前記連結要素との間の連結における遊びの程度を低減するかまたは遊びを排除するように、前記少なくとも一つの溝状凹部よりも大きな寸法とされる。
【0022】
少なくとも一つのリブ状突起は、有利には前記連結要素の押出中に一体に形成され、前記弦材の少なくとも一つの対応する溝状凹部は、前記弦材の押出後に、好ましくは切削加工またはフライス加工により機械的に製造される。これにより、連結要素の製造を簡素化するとともに、より経済的な製造を実現する。
【0023】
締結具には、有利にはねじ山が設けられ、第1斜材には、有利には該少なくとも一つの締結具を螺合により受け入れる少なくとも一つの一体形成された取付ボアが設けられる。これにより、斜行要素の製造を簡素化するとともにより経済的な製造を実現し、強固な連結を可能にする。
【0024】
前記第1斜材に前記連結要素を連結する少なくとも一つの締結具は、有利にはねじ山形成ねじである。したがって、追加的な事前のねじ形成工程を実施する必要がない。
【0025】
機械的結合装置は、さらに有利には、アルミニウム製押出形材から作られた第2斜材を備え、前記連結要素はさらに、前記第2斜材の当接面に接触する第3接触面を有する第3取付部を備え、前記第3接触面は、長手方向が前記第2斜材の長手方向に実質的に平行である少なくとも一つの締結具によって該第2斜材の該当接面に押し付けられる。2つの斜材を弦材に連結する機械的結合装置であって、各斜材がそれぞれの向きを有する機械的結合装置は、斜材が密に配設される場合に好適な代替案である。単一の斜材用の連結要素は、斜材がより分散して配設される場合、より好適である。
[本発明1001]
長手方向(X)および横方向(Y)を有し、かつ第1弦材(5)と、第1斜材(6)と、該第1弦材(5)を該第1斜材(6)と接合するための連結要素(7)とを少なくとも備え、
前記第1弦材(5)、前記第1斜材(6)、および前記連結要素(7)のそれぞれが、アルミニウム製押出形材から作られ;
前記連結要素(7)が、前記第1弦材(5)に接触する第1接触面(9)を有する第1取付部(8)と、前記第1斜材(6)の当接面(12)に接触する第2接触面(11)を有する第2取付部(10)とを少なくとも備え;
前記第1接触面(9)が、前記横方向(Y)に延びるとともに、前記第1弦材(5)に配設された少なくとも一つの対応する溝状凹部(14)内に係合する少なくとも一つのリブ状突起(13)を備え;
前記第2接触面(11)が、長手方向が前記第1斜材(6)の長手方向(16)に実質的に平行に配設される少なくとも一つの締結具(15)によって前記第1斜材(6)の前記当接面(12)に押し付けられる
ことを特徴とする、ラチス支持梁(2)用の機械的結合装置(1)。
[本発明1002]
第1接触面(9)が、少なくとも一つの締結具(17)によって第1弦材(5)に押し付けられることを特徴とする、本発明1001の機械的結合装置(1)。
[本発明1003]
少なくとも一つの締結具(17)が、第1取付部(8)の孔または切欠き(18)内、および第1弦材(5)の対応する孔または切欠き(19)内に配設されることを特徴とする、本発明1002の機械的結合装置(1)。
[本発明1004]
連結要素(7)が、アルミニウム製押出形材の長手方向部分から作られることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1005]
第2取付部(10)が、少なくとも一つの締結具(15)を少なくとも部分的に取り囲む、フランジに位置付けられた少なくとも一つの孔または切欠き(21)を備える該フランジ(20)を備えることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1006]
フランジ(20)が、矩形状を有し、かつその各コーナー領域に一つの孔または切欠き(21)を備えることを特徴とする、本発明1005の機械的結合装置(1)。
[本発明1007]
連結要素(7)が、第1および第2取付部(8、10)を連結する面状く体部(22)を少なくともさらに備えることを特徴とし、フランジ(20)の平面が該面状く体部(22)の平面に直交する、本発明1005または1006の機械的結合装置(1)。
[本発明1008]
横方向(Y)に延びるとともに、第1弦材(5)に配設された少なくとも2つの対応する溝状凹部(14)内に係合する少なくとも2つのリブ状突起(13)、好ましくは、前記横方向(Y)に延びるとともに、前記第1弦材(5)に配設された少なくとも3つの対応する溝状凹部(14)内に係合する少なくとも3つのリブ状突起(13)を第1接触面(9)が備えることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1009]
少なくとも一つのリブ状突起(13)が、連結要素(7)の横径の長さ全体に亘って横方向(Y)に延びることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1010]
少なくとも一つのリブ状突起(13)が、長手方向(X)およびウェブ方向(Z)により画定される第1平面において円錐断面形状を有し、かつ/または少なくとも一つの対応する溝状凹部(14)が該第1平面において円錐断面形状を有し、その結果、第1弦材(5)と連結要素(7)との間の連結における遊びの程度が低減されることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1011]
少なくとも一つのリブ状突起(13)が、連結要素(7)の押出中に一体に形成され、第1弦材(5)の少なくとも一つの対応する溝状凹部(14)が、前記第1弦材(5)の押出後に、好ましくは切削加工またはフライス加工により機械的に製造されることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1012]
少なくとも一つの締結具(15)にはねじ山が設けられ、第1斜材(6)には、該少なくとも一つの締結具(15)を螺合により受け入れる少なくとも一つの一体形成された取付ボア(24)が設けられることを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1013]
機械的結合装置(1)が、アルミニウム製押出形材から作られた第2斜材(25)をさらに備え;
連結要素(7)が、前記第2斜材(25)の当接面(28)に接触する第3接触面(27)を有する第3取付部(26)をさらに備え;
前記第3接触面(27)が、長手方向が前記第2斜材(25)の長手方向(30)に実質的に平行である少なくとも一つの締結具(29)によって該第2斜材(25)の前記当接面(28)に押し付けられる
ことを特徴とする、前記本発明のいずれかの機械的結合装置(1)。
[本発明1014]
第1弦材(5)と、第2弦材(31)と、複数の斜材(6、25)とを少なくとも備え、該少なくとも第1および第2弦材(5、31)を該複数の斜材(6、25)と接合するための前記本発明のいずれかの複数の機械的結合装置(1)をさらに備えることを特徴とする、ラチス支持梁(2)。
[本発明1015]
以下の工程により特徴付けられる、長手方向(X)および横方向(Y)を有し、かつ第1弦材(5)と、第1斜材(6)と、該第1弦材(5)を該第1斜材(6)と接合するための連結要素(7)とを少なくとも備える、ラチス支持梁(2)用の機械的結合装置(1)の製造方法:
前記第1弦材(5)を形成する第1アルミニウム形材を押出し、切断する工程;
前記第1弦材(5)に少なくとも一つの溝状凹部(14)を機械加工する工程;
当接面(12)を備える前記第1斜材(6)を形成する第2アルミニウム形材を押出し、切断する工程;
前記横方向(Y)に直交する平面における前記連結要素(7)の断面形状に実質的に一致する断面形状を有する第3アルミニウム形材を押出する工程;
前記横方向(Y)に延びる少なくとも一つのリブ状突起(13)を備える第1接触面(9)を有する第1取付部(8)と、第2接触面(11)を有する第2取付部(10)とを少なくとも備える少なくとも一つの別個の連結要素(7)を製造するために、長手方向部分で前記第3アルミニウム形材を切断する工程;
前記第1接触面(9)が前記第1弦材(5)に接触し、前記第2接触面(11)が前記当接面(12)に接触し、かつ前記少なくとも一つのリブ状突起(13)が前記少なくとも一つの溝状凹部(14)に係合するように、少なくとも前記第1弦材(5)、前記第1斜材(6)、および前記連結要素(7)を組み立てる工程;ならびに
長手方向が前記第1斜材(6)の長手方向(16)に実質的に平行に配設される少なくとも一つの締結具(15)によって前記第2接触面(11)を前記当接面(12)に押し付ける工程。
【図面の簡単な説明】
【0026】
次に、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
【0027】
図1】本発明によるラチス支持梁の一部の斜視図を示す。
図2図1のラチス支持梁の側面図を示す。
図3】本発明による機械的結合装置の側面図を示す。
図4図3の機械的結合装置の斜視図を示す。
図5】本発明による連結要素の側面図を示す。
図6】リブ状突起を有する本発明による連結要素の一部を示す。
図7】本発明による第1弦材の端面図を示す。
図8図7の第1弦材の側面図を示す。
図9】本発明による第1斜材の端面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
図1は、第1弦材5と、第2弦材31と、該第1弦材5および前記第2弦材31を相互連結する複数の斜材6、25とを備える、本発明によるアルミニウム製のラチス支持梁2を概略的に示す。機械的結合装置1は、前記弦材5、31のそれぞれを対応する斜材6、25に連結するために提供される。機械的結合装置1のそれぞれは、長手方向Xと、長手方向Xに直交する横方向Yと、長手方向Xおよび横方向Yの両方に直交するウェブ方向Zとを有する。長手方向Xおよびウェブ方向Zが共に第1平面を画定するが、この平面は、支持梁2が基本的に2次元であり、第1弦材5が第2弦材31の上にある状態で立設される場合、鉛直面と称されることもある。図1に図示するように、ラチス支持梁が2つの真っ直ぐで平行な弦材を備える場合、前記方向X、Y、Zは、ラチス支持梁2の結合装置すべてに対して同一であり、第1弦材5が湾曲状を呈する場合、長手方向Xは、機械的結合装置の中央取付点における湾曲した弦材5に対する接線により画定される。
【0029】
図2は、本発明の第1の態様による、複数の機械的結合装置1を有する図1のラチス支持梁2の側面図を図示する。同じラチス支持梁2の結合装置1のすべては、ラチス支持梁2の製造に必要とされる異なる部品の数を最小限に抑えるために、外形および形状において、好ましくは同一である。機械的結合装置1は、連結要素7によって第1弦材5を第1および第2斜材6、25に機械的に連結する。第1弦材5、第1および第2斜材6、25、および連結要素7のそれぞれは、費用効率の高いプロセスで製造される軽量ラチス支持梁を提供するために、アルミニウム製押出形材から作られる。アルミニウム材料は、押出に適したアルミニウム合金であり、高強度である。前記部材の強度をさらに高め、その軽量化を図るために、好ましくは第1弦材5ならびに第1および第2斜材6、25を中空にする。第1の態様による連結要素7は、中実アルミニウム形材から作られるが、ラチス支持梁の所望の形状および用途に応じて、代替的に中空形材から作られてもよい。
【0030】
第1弦材5に対する第1斜材、第2斜材25それぞれの傾斜角αおよびβは、通常は0°より大きく、90°未満の範囲であり、すなわち、斜材6、25は弦材5、31に対して直角にも平行にもならない。最終的な傾斜角は、ラチス支持梁2の個々の部材5、6、25、31の材料強度および寸法のみならず、ラチス支持梁2の少なくとも全体形状、寸法、必要な耐荷力に基づいて選択される。
【0031】
図3は本発明の第1の態様による機械的結合装置1の側面図を概略的に示し、図4は同じ装置の対応する立体図を示し、図5は連結要素7を組立前の別個の部品として示す。連結要素7は、第1弦材5に接触する第1接触面9を有する第1取付部8を備える。第1接触面9は、前記第1弦材5に配設された対応する溝状凹部14内に係合する、横方向Yに延びる複数のリブ状突起13を備える。この種類の装置は、ほぞ継手と称されることもある。
【0032】
第1接触面9は、好ましくはねじ山が設けられかつ第1取付部8の孔18内および第1弦材5の対応する孔19内に配設された複数の締結具17によって前記第1弦材5に押し付けられるように配設される。第1接触面9を第1弦材5に対して締め付ける他の手段が本発明の範囲内で可能である。例えば、締結具17を孔の代わりに切欠き内に配設してもよい。ここでは、切欠きは、横方向に開口した孔として定義され、結果的に、締結具17が前記切欠き内に横方向に挿入され、それにより締結具17の組立を簡素化する。第1弦材5には、対応する孔19を備える縦フランジを設けることもできる。この配置では、締結具17を第1弦材5の外側に配設することができるので、組立をさらに簡素化し、したがって、組立中の締結具17の取り扱いを簡素化する。加えて、ねじ締結具の場合、第1弦材5内の回転に対してねじ締結具17の頭部をしっかりと固定するための固定手段をもはや必要としない。ねじ締結具ではない場合、締結具は第1弦材5の内側に延びる内側溝32を利用して配設される。ねじ締結具17は、ナットに係合するように配設されるねじ、または例えば第1弦材5内に予め作られたねじ山に係合するように配設されるねじ、または対応する孔19にねじ山を切削または転造するように配設されたねじ山を有するねじからなる。
【0033】
各リブ状突起13は、対応する溝状凹部14に係合するように配設される。リブ状突起13は通常、連結要素7の横径の長さ全体に亘って横方向Yに延びる。これは、連結要素7がアルミニウム製押出形材の長手方向部分から作られる製造プロセスの結果である。したがって、まず第1に、連結要素7の所望の最終形状にほぼ一致する断面を有する、長尺のアルミニウム形材が押出される。その次に、各単一の形材からの多数の連結要素7を提供するために、形材の長手方向に直交する方向に形材が切断される。長さ方向に延びるリブ状突起13を備えた押出形材を提供することにより、これらの突起13が、押出方向に、連結要素7の全長に亘って延びる。また、リブ状突起13は、前記連結要素7の押出中に一体に形成される。
【0034】
リブ状突起13は、図6に図示するように、有利には前記長手方向Xおよびウェブ方向Zにより画定される第1平面においてテーパーになった断面形状を有する。各突起13の横方向側壁33は共に角度θ≠0°を形成する。好ましくは、角度θは0.5°〜25°の範囲である。それゆえ、前記少なくとも一つのリブの長手方向Xの基部幅が、長手方向Xの頂部幅よりも大きい。テーパーになった断面形状は、突起13の横方向全長に沿って一定である。突起13のテーパーになった形状は、連結要素7と第1弦材5とを互いに押し付けた後に、前記第1弦材5と前記連結体7との間の連結における遊びの程度をさらに低減するか、または遊びを排除さえするように、溝状凹部14の形状と協働する。これは、溝状凹部14の内側にリブ状突起13の楔作用をもたらすための、突起13のテーパーになった形状ほどにはテーパーになっていない断面形状を呈する溝状凹部14の形状の結果である。連結要素7と第1弦材5との互いに対する圧力が強まるにつれて楔作用が増大する。好ましくは、溝状凹部14は、矩形断面形状を有するように形成され、前記第1弦材5の押出後に、好ましくは切削加工またはフライス加工により機械的に製造される。したがって、前記溝状凹部14は、第1弦材5に横方向Yに凹部14を切削することにより形成される。溝状凹部14は、好ましくは、製造の簡素化のため横方向Yに第1弦材1の全長に亘って延びる。
【0035】
溝状凹部14の内側にリブ状突起13の楔作用をもたらすための代替的な解決策は、前記第1平面において、対応する溝状凹部14にテーパーになった断面形状を与え、かつリブ状突起13に凹部14のテーパーになった形状ほどにはテーパーになっていない断面形状を与えることである。連結要素7と第1弦材5とを互いに押し付ける間、前記第1弦材5と前記連結要素7との間の連結における遊びの程度が低減されるか、または遊びが排除さえされる。
【0036】
さらに、溝状凹部14の内側にリブ状突起13の楔作用をもたらすための代替的な解決策は、前記第1弦材5と前記連結要素7との間の連結における遊びの程度を低減するか、または遊びを排除さえするように、リブ状突起13を対応する溝状凹部14よりも大きな寸法とすることである。
【0037】
リブ状突起13および溝状凹部14は、代替的にはアンダーカット形状などの他の対応する形状を呈してもよい。重要なことは、突起/凹部13、14のみによって第1斜材6と第1弦材5との間で力を長手方向に効率的に伝達するために、リブ状突起13を溝状凹部14内に係合させることである。全体として、突起13および対応する溝14の大きさ、外形および数は、長手方向Xのすべての力が、第1弦材5の許容応力レベルを超えることなく、前記第1弦材5に伝達可能であるように選択される。
【0038】
連結要素7は、第1斜材6の当接面12に接触する第2接触面11を有する第2取付部10をさらに備える。第2接触面11は、好ましくはねじ山が設けられた締結具15によって第1斜材6の当接面12に押し付けられる。本発明の重要な局面は、締結具15の長手方向が第1斜材6の長手方向16に実質的に平行に配設されることであり、その理由は、この構成が、正しくなされる場合に、前記部品6、7間の遊びのない結合を保証し、かつ、機械的結合装置1から作られるラチス支持梁2を組み立てるときに、遊びのない結合が最も重要であるからである。何らかの理由で締結具15の長手方向が第1斜材6の長手方向16との平行からそれる場合にも、遊びのない結合という本発明の概念は達成される。したがって、締結具15の長手方向が第1斜材6の長手方向16に正確に平行であることは必須ではなく、締結具15が第2接触面11を当接面12に押し付けることができるように十分に平行であればよい。しかしながら、取付の簡素化および得られる最大圧力のために、締結具15の長手方向と第1斜材6の長手方向16の正確な平行配置が好ましい。
【0039】
連結要素7はさらに、第1および第2取付部8、10を連結する面状く体部22を備える。面状く体部22は、面状く体部22またはその端部にいかなる曲げ力または回転トルクも誘発することなく、第1斜材6の圧縮力と引張力を第1弦材5に伝達することができように、好ましくは第1斜材6の長手方向16に平行な平面に延びる。面状く体部22の平面形状は、連結要素7が作られる押出形材の形状から生じており、したがって、望ましい場合は、面状く体部が非平面形状を呈してもよい。さらに別の代替案によれば、面状く体部22は、2つの平面、または互いに並んで配設された非平面セグメントからなる。2つのセグメントは、好ましくはフランジ20の側部領域から突出し、締結具15を受け入れるように配設される少なくとも一つの孔にフランジの中央の表面領域を提供する。この構成によって通常より堅固な設計となる。面状く体部22は、第1取付部8の長手方向端部領域から突出するが、面状く体部が代替的に第1取付部8の(中央領域などの)他の領域から突出してもよく、それにより、よりコンパクトな全体設計を形成する。
【0040】
第2取付部10は、連結要素7を第1斜材6に結合するためのフランジ20を備える。フランジは、矩形状を有し、かつフランジの各コーナーに配設されかつ締結具15を受け入れる孔21を備える。組立を簡素化するために、孔が、締結具15を部分的にのみ取り囲む切欠きに置き換えられてもよい。フランジ20は、締結具15におけるせん断力を可能な限り排除するように、フランジ20の平面が第1斜材6の長手方向16に直交するように配設される。面状く体部22は、フランジ20の回転トルクを可能な限り排除するように、フランジ20の中央から突出する。連結要素7について説明してきたが、要するに連結要素7は単一片として作られ、第1取付部8、面状く体部、およびフランジ20はすべて一体に形成されることに留意することが重要である。
【0041】
締結具15には、好ましくは頭部およびねじ軸部が設けられ、かつ締結具が、好ましくは矩形断面形状を有する第1斜材6の一体形成された取付ボア24に螺合されることが好ましい。したがって、取付ボア24は、第1斜材6の各コーナー領域に配設される。取付ボア24は、さらに好ましくは第1斜材6の外壁内に形成され、その結果、滑らかできれいな外表面が得られ、その美観を改善するのみならず、第1斜材6の輸送および取り扱いを簡素化する。締結具15は、好ましくは、締結具15の係合と同時に取付ボア24内にねじ山を切るまたは転造することによりねじ山を形成するねじ山形成ねじである。ラチス支持梁2の各斜材は単一部品として一体に形成される。
【0042】
第1斜材6の取付ボア24を、図4に図示するものとは異なるように配設してもよい。例えば、締結具15はフランジ20の形状によって異なってもよく、締結具15の長手方向が第1斜材6の長手方向16に実質的に平行に配設されるのであれば、第1斜材6が第1斜材6の中央の取付ボアに係合してもよい。
【0043】
第1斜材6は、代替的には斜材6の端部にフランジが取り付けられてもよく、その斜材においては、フランジが連結要素7のフランジ20と一体に結合するように配設される。
【0044】
連結要素7はさらに、第2斜材25の当接面28に接触する第3接触面27を有する第3取付部26を備え、この第2斜材25もまた、好ましくはアルミニウム製中空押出形材から作られる。第3接触面27は、好ましくはねじ山が設けられた締結具29によって第2斜材25の当接面28に押し付けられる。ここでもまた、遊びのない結合を達成するために、締結具29の長手方向が第2斜材25の長手方向30に実質的に平行であることが重要である。第1および第2斜材6、25の設計のみならず、第1および第2取付部10、26の設計も、好ましくは同一であり、それらの長手方向16、30のみが異なる。連結要素7はさらに、長手方向Xに直交しかつ機械的結合装置1の中央に配設される平面に対して鏡対称形状を有する。
【0045】
図7は、中空矩形状を有する第1弦材5の端面図を示す。2つの外側溝33のみならず、内側溝32が明確に視認できる。溝状凹部14は、外側溝33の横壁を形成する材料に切削される。したがって、外側溝は、一つには溝状凹部14の製造中に除去しなければならない材料の量を低減する役割を果たし、一つには第1接触面9に対向する第1弦材5の壁を補強する役割を果たす。第1弦材の対応する側面図が図8に示されており、この図において溝状凹部14が明確に視認できる。
【0046】
図9は、中空矩形状を有しかつ一体形成された取付ボア24が各コーナー領域に位置する第1斜材6の端面図を示す。断面形状は矩形に限定されるわけではなく、円形、三角形、楕円形などが代替として適用可能である。
【0047】
機械的結合装置1の好ましい製造方法を以下に開示する。まず第1に、機械的結合装置1を形成する部品を製造しなければならない。
【0048】
第1弦材5は、第1弦材5の断面形状に一致する断面形状を有する第1アルミニウム形材を押出することにより製造される。その次に、第1アルミニウム形材が所望の長さに切断され、少なくとも一つの溝状凹部14が第1弦材5に機械加工される。第1斜材6は、第1斜材6の断面形状に一致する断面形状を有する第2アルミニウム形材を押出することにより製造される。その次に、第2アルミニウム形材が、所望の長さに切断され、少なくとも一つの当接面12を呈する。連結要素7は、まず第1に、横方向Yに直交する平面における連結要素7の断面形状に実質的に一致する断面形状を有する第3アルミニウム形材を押出し、次に、第1接触面9を有する第1取付部8と、第2接触面11を有する第2取付部10とを少なくとも備えるように形成される個々の連結要素7を製造するために、前記第3アルミニウム形材を長手方向部分で切断することにより製造される。第1接触面9は、前記横方向Yに延びる少なくとも一つのリブ状突部13を備える。
【0049】
例えば特別な結合装置のため、連結要素の設計に必要となる場合、または押出プロセスにおける制約により、連結要素7の所望の最終形状に合わせて第3押出形材を形成できない場合には、第3アルミニウム形材の断面形状が、横方向Yに直交する平面における完成品の連結要素7の断面形状と異なってもよい。連結要素7の押出および切断後の追加の製造工程を最小限に抑えるために、第3アルミニウム形材の断面形状は、好ましくは横方向Yに直交する平面における連結要素7の断面形状と同一である。最終的には、機械的結合装置1の組立中に締結具を受け入れる孔を、例えばドリル穿孔によって第1弦材5および連結要素7に形成しなければならない。より好都合であれば、締結具を受け入れる孔を代替的に組立後に形成してもよい。
【0050】
第1弦材5、第1斜材6、および連結要素7を組み立てる工程により、第1接触面9と第1弦材5とが接触し、第2接触面11と当接面12とが接触し、かつリブ状突起13が溝状凹部14と係合する。その後、締結具15が、第2接触面11を当接面12に押し付けるように装着されかつ締め付けられ、ここで、締結具15の長手方向が第1斜材6の長手方向16に実質的に平行に配設される。第1取付部8もまた、締結具17によって第1弦材5に固定される。
【0051】
図2に図示するラチス支持梁は、本質的に、2つの弦材5、31を有しかつ横方向Yにおける延長に対してウェブ方向Zに比較的大きな延長を有する2次元梁である。しかしながら、本発明による機械的結合装置1は、特許請求の範囲により定義するように、3つ以上の弦材および前記弦材を連結する斜材を有する3次元ラチス支持梁を製造するために等しく適用可能である。例えば、三角形ラチス支持梁は3つの弦材を有し、または矩形ラチス支持梁は4つの弦材を有する。そのような構築での弦材は、有利には、単一平面において斜材に連結するだけでなく、複数の異なる平面において斜材を連結するように設計され、弦材の断面形状は、好ましくは、それに合わせて設計される。各平面からの斜材は、その特定の平面にのみ適合された連結要素を使用して弦材に取り付けられるか、または単一の連結要素を使用して異なる平面からの斜材を連結するように連結要素自体が設計される。加えて、図に開示した態様による機械的結合装置1は、2つの斜材6、25を備えるが、本発明による機械的結合装置1が単一の斜材6を備えるように適合されてもよく、その装置では、連結要素7が第1および第2取付部8、10のみを備える。それゆえ、そのような連結要素7は、長手方向Xに直交しかつ機械的結合装置1の中央に配設される平面に対して鏡対称形状を呈さない。
【0052】
本発明は、提示した特定の態様に限定されるわけではなく、本発明の特許請求の範囲内でのすべての変更を含む。機械的結合装置の提示した製造工程の内部秩序は、保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、当業者の知識の範囲内で製造工程を変更することができる。当然ながら、ラチス支持梁の全体形状を、例えば、図1図2に図示するような、平行な張弦梁、または登り梁(pitched beam)、テーパ状の梁、逆梁もしくは湾曲梁などを形成するように変更してもよい。ラチス支持梁は、完成した屋根または床のスパンが例えば40メートルに達するかもしれない、実質的に水平に並んで配設され、共に荷重を支える複数のかかるラチス支持梁を備える構造物内の屋根支持梁または床支持梁として主に構成される。
【0053】
斜材という用語は、ラチス支持梁の第1および第2弦材を相互連結するあらゆる種類の部材を包含するとみなされ、腹材と称されることもある。
【0054】
弦材という用語は、互いに間隔を置いて配置されかつ斜材により相互連結され、ラチス支持梁の主構造の一部を形成するあらゆる種類の細長部材を包含するとみなされる。
【0055】
機械的結合装置という用語は、非溶接結合装置、すなわち、ラチス支持梁を共に形成する異なる部品の接合に溶接を使用しない装置すべてを包含するとみなされる。
【0056】
ラチス支持梁という用語は、腹材により相互連結された弦材から製造されるすべての種類の立体フレーム支持構造を包含するとみなされる。同じ装置に対する他の用語は、格子状根太(lattice joist)、ラチストラスである。
【0057】
締結具という用語は、ねじ締結具に限定されるわけではなく、少なくとも2つの別個の部品を共に締め付けるための圧縮力を生じさせ得るすべての種類の締結具を包含するとみなされる。締結具は、長手方向を画定する少なくとも一つの細長部材を備え、この細長部材は前記圧縮力に対抗する引張力を発揮するように配設される。締結具は、好ましくは頭部およびねじ軸部を有するねじ締結具であるが、代替的には、前記圧縮力などを発生させる楔装置と協働する細長部材を有するリベット締結具、ハックファスナ(huck fastener)、締結具アセンブリにより形成してもよい。すべての締結具は、締結具が連結要素を斜材および第1弦材にそれぞれ締め付ける点で同じである。さらに、締結具により生じる締付力は、関連する斜材の長手方向と整合する。
【0058】
特許請求の範囲に記載する参照符号は、特許請求の範囲により保護される事項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、参照符号の唯一の役割は、特許請求の範囲を理解し易くすることである。
【符号の説明】
【0059】
1 機械的結合装置
2 ラチス支持梁
X 長手方向
Y 横方向
5 第1弦材
6 第1斜材
7 連結要素
8 第1取付部
9 第1接触面
10 第2取付部
11 第2接触面
12 第1斜材の当接面
13 リブ状突起
14 溝状凹部
15 締結具
16 第1斜材の長手方向
17 締結具
18 孔
19 対応する孔
20 フランジ
21 フランジの孔
22 面状く体部
Z ウェブ方向
24 取付ボア
25 第2斜材
26 第3取付部
27 第3接触面
28 第2斜材の当接面
29 締結具
30 第2斜材の長手方向
31 第2弦材
32 内側溝
33 外側溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9