(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の連結給湯制御装置では、リモートコントローラにエラーコードなどの給湯器の異常状態情報が表示されるが、1台の給湯器の異常状態情報しか表示されないため、例えば、給湯器の半数以上が異常状態となっている場合のような連結給湯システム全体として見たときに急を要する異常状態であるのか、または、1台のみの異常であり、連結給湯システムの通常の給湯量に影響がなく急を要しない異常状態であるのかは、メンテナンス業者の担当者が現場に行って連結給湯システムを調べてみなければ分からなかった。このため、従来の連結給湯制御装置のメンテナンス効率が低いという問題がある。
【0006】
そこで、リモートコントローラに正常に作動している給湯器の数を表示させることも考えられる。しかしながら、リモートコントローラの表示部に正常状態の給湯器の数を表示させるスペースを確保する必要があり、リモートコントローラを備える連結給湯制御装置の製造コストが嵩むという問題がある。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑み、製造コストを維持しつつ、利用者がメンテナンス業者に連絡を取るときに緊急性の高い異常状態であるか否かを伝え易くすることでメンテナンス効率を向上できる連結給湯制御装置及び連結給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]上記目的を達成するため、本発明は、複数の給湯器を連結して構成される連結給湯システムを制御する連結給湯制御装置であって、
給湯温度を表示する温度表示部を有し、給湯温度を操作可能なリモートコントローラを備え、
前記給湯器から送信される前記給湯器の異常状態情報を受信可能であり、
異常状態情報を受信した場合には、前記給湯温度に代えて該異常状態情報に対応する第1エラーコードを前記温度表示部に表示させ、
前記第1エラーコードは、前記給湯器から受信した異常状態情報に基づき最新の異常状態情報に対応するように更新して表示され、
正常状態の給湯器の台数が予め設定された所定台数以下となる場合には、前記温度表示部に前記所定台数以下となった場合のエラーコードとしての第2エラーコードを表示させることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、正常状態の給湯器の台数が所定台数以下となった場合には、第1エラーコードではなく第2エラーコードが表示される。これにより、利用者がメンテナンス業者に連絡するときに、メンテナンス業者は、温度表示部に表示されたエラーコードが第1エラーコードであるか第2エラーコードであるかを確認することによって、緊急性を判断することができてメンテナンス効率が向上されると共に、利用者に従来よりも詳しく異常状態を説明することができる。
【0010】
また、第1エラーコード及び第2エラーコードは、給湯温度の表示に代えて温度表示部に表示される。このため、リモートコントローラの表示部として、給湯温度に加えてエラーコードを表示できるスペースを確保する必要がなく、リモートコントローラの製造コストの増加を防ぎ、ひいては連結給湯制御装置全体としての製造コストの増加を防ぐことができる。
【0011】
[2]また、本発明の連結給湯制御装置においては、正常状態の給湯器の台数が予め設定された所定台数以下となった場合に、第2エラーコードを表示させる報知状態と、第2エラーコードを表示させない非報知状態とに切換可能であることが好ましい。
【0012】
連結給湯システムは、必要な給湯能力に応じて連結する給湯器の数を容易に変更でき、専用設計でコストが高い大型の給湯器を設置するよりも、給湯システムの製造コストを抑えることができるものである。従って、必要な給湯能力に応じて、連結される給湯器の台数は大きく変化する。そして、比較的に給湯器の連結台数が少ない給湯システムにおいては、少数の給湯器が故障するだけで緊急性の高い異常状態となってしまう可能性が比較的高い。
【0013】
また、比較的台数が少ない給湯システムにおいては、正常に作動している給湯器の台数よりも給湯器の具体的な異常状態の情報を知らせた方が、メンテナンス業者が早期に具体的な異常状態を把握できる可能性があり、メンテナンス効率が高まる場合もある。
【0014】
そこで、上述の如く、第2エラーコードを表示させる報知状態と、第2エラーコードを表示させない非報知状態とを切換自在に構成すれば、給湯器の連結台数が比較的少ない連結給湯システムに用いる場合でも、メンテナンス効率を低下させることがない。従って、給湯器の連結台数が比較的少ない連結給湯システムにもメンテナンス効率を維持しながら本発明の連結給湯制御装置を用いることができ、本発明の連結給湯制御装置の汎用性が高まる。
【0015】
[3]また、本発明においては、第2エラーコードに、正常状態の給湯器の台数の情報を含めることが好ましい。かかる構成によれば、メンテナンス業者はリモートコントローラの温度表示部に表示された第2エラーコードから稼働可能な給湯器の台数を把握することができ、メンテナンス業者は適切な対応を取り易くなりメンテナンス効率が向上される。
【0016】
[4]また、本発明の連結給湯制御装置が用いられる連結給湯システムにおいては、給湯器は、異常状態に対応する情報を表示するエラー表示部を備え、給湯器は、異常状態を確認した場合には、連結給湯制御装置に異常状態情報を送信するとともに、エラー表示部に異常状態に対応する情報を表示させることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、メンテナンス業者は個々の給湯器に設けられたエラー表示部を見ることにより、どの給湯器にどのような異常が生じているかを個別具体的に知ることができ、メンテナンス効率を更に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態の連結給湯制御装置が用いられる連結給湯システムは、複数の給湯器1と、各給湯器1を制御する連結給湯制御装置2と、各給湯器1に水を供給する給水管3と、各給湯器1から湯が送出される給湯管4と、各給湯器1にガスを供給するガス供給管5とを備える。給湯管4には、複数の蛇口6が接続されている。
【0020】
給湯器1には、マイクロコンピュータ等により構成される電子ユニットである個別制御部7が設けられている。連結給湯制御装置2には、連結給湯システムの給湯温度を遠隔操作自在なリモートコントローラ8が設けられている。
【0021】
図2に示すように、給湯器1には、給水管3と給湯管4とを通水可能に接続する通水管9が設けられている。通水管9には熱交換器10が介設されている。また、給湯器1には、ガス供給管5から供給されたガスを燃焼させて燃焼ガスを生成するガスバーナ11と、ガスバーナ11に点火するための点火プラグ12と、点火プラグ12に高電圧を印加するイグナイタ13と、ガスバーナ11の燃焼炎の有無を検知するフレームロッド14と、ガスバーナ11に燃焼用空気を供給する燃焼ファン15と、熱交換器10から出湯される湯の温度を検出する熱交温度センサ16とが備えられている。
【0022】
給湯器1は、ガスバーナ11によって生成される燃焼ガスを利用して、通水管9へ供給される水を熱交換器10を介して加熱し、給湯管4に湯を供給する。ガスバーナ11は、第1から第3の3つのバーナブロック11a,11b,11cにより構成されている。
【0023】
また、給湯器1には、給水管3から供給される水の流量を検出する給水流量センサ20と、給水管3から供給される水の温度を検出する給水温度センサ21と、給水管3から供給される水の流量を調節する給水サーボ弁22とが備えられている。
【0024】
また、通水管9には、熱交換器10を通過させることなく給水管3から供給される水を給湯管4へと導くためのバイパス管30が設けられている。バイパス管30には、バイパス管30の開度を調節するバイパスサーボ弁31が介設されている。通水管9には、バイパス管30との合流部分よりも下流に位置させて、給湯管4に供給される湯の温度を検出する給湯温度センサ32が備えられている。
【0025】
また、ガス供給管5には、燃料ガスが供給されるガス供給管5を開閉する元電磁弁41と、ガス供給管5の開度を調節するガス比例弁43とが介設されている。ガス供給管5の下流部分は、第1から第3の3つのバーナブロック11a〜11cに向かって三又に分岐する分岐路となっている。
【0026】
第1バーナブロック11aに接続される分岐路には、第1バーナブロック11aへの燃料ガスの供給と遮断を切換える第1切換電磁弁44aが介設されている。第2バーナブロック11bに接続される分岐路には、第2バーナブロック11bへの燃料ガスの供給と遮断を切換える第2切換電磁弁44bが介設されている。第3バーナブロック11cに接続される分岐路には、第3バーナブロック11cへの燃料ガスの供給と遮断を切換える第3切換電磁弁44cが介設されている。
【0027】
次に、個別制御部7には、連結給湯制御装置2から給湯器1の運転/停止や運転条件の設定等を指示する信号が入力され、また、フレームロッド14、熱交温度センサ16、給水流量センサ20、給水温度センサ21、及び給湯温度センサ32からの検出信号が入力される。
【0028】
また、個別制御部7から出力される制御信号によって、イグナイタ13、燃焼ファン15、給水サーボ弁22、バイパスサーボ弁31、元電磁弁41、ガス比例弁43、第1切換電磁弁44a、第2切換電磁弁44b、及び第3切換電磁弁44cの作動が制御される。そして、個別制御部7は、第1切換電磁弁44a、第2切換電磁弁44b、及び第3切換電磁弁44cの開閉作動状況と、ガス比例弁43の開度からガスバーナ11の燃焼量を検知する。
【0029】
個別制御部7は、マイクロコンピュータにより予めメモリに記憶されたプログラムを実行する。個別制御部7は、給湯器1が運転状態にあるときに給水サーボ弁22を開弁し、給水流量センサ20により検出される水の流量が予め設定された点火水量以上となったときに、燃焼ファン15によりガスバーナ11に燃焼用空気を供給し、イグナイタ13により点火プラグ12に高電圧を印加して火花放電を生じさせた状態で、元電磁弁41及び第1〜第3切換電磁弁44a〜44cを開弁して、ガスバーナ11に点火する。
【0030】
そして、個別制御部7は、給湯温度センサ32により検出される給湯管4に供給される湯の温度が、リモートコントローラ8で設定された給湯温度となるように、第1〜第3切換電磁弁44a〜44cの開閉とガス比例弁43の開度の調節と燃焼ファン15の回転数の調節を行って、ガスバーナ11の燃焼量を制御する。また、個別制御部7は、給湯管4の先端に取り付けられている蛇口6が閉じられて、給水流量センサ20により検出される給水管3からの水の供給流量が前記点火水量よりも少なくなると、元電磁弁41、ガス比例弁43、第1切換電磁弁44a、第2切換電磁弁44b、及び第3切換電磁弁44cを閉弁してガスバーナ11の燃焼を停止する。
【0031】
連結給湯制御装置2は、各給湯器1の個別制御部7と通信自在に接続され、各給湯器1を制御する。
図1においていずれかの蛇口6が開けられて給湯管4内を湯(又は水)が流れると、各給湯器1の個別制御部7は、連結給湯制御装置2に対して、給水流量センサ20によって検出された水の流量を示す給水流量データを送信する。給水管3から各給湯器1に供給される水の流量(=給湯管4に供給される湯の流量)の範囲は、例えば「低」「中」「高」の3段階に設定されている。
【0032】
図1のシステム構成においては、連結給湯制御装置2に12台の給湯器1が接続されており、例えば、この12台の給湯器1のうち、7台の給湯器1の給水サーボ弁22が開弁され、残り5台の給湯器1の給水サーボ弁22が閉弁されているときは、給水サーボ弁22が開弁されている7台の給湯器1が運転状態になる。
【0033】
そして、運転状態にある7台の給湯器1における給水管3からの水の供給流量が全て「中」の範囲内であるときは、連結給湯制御装置2は、7台の給湯器1が作動している状態を維持する。また、蛇口6からの給湯量が減少し、7台の給湯器1の供給水量の何れかが減少して「低」の範囲に入ると、連結給湯制御装置2は、運転状態にある7台の給湯器1のうちの1台を停止状態とし(給水サーボ弁22を閉弁)、6台の給湯器1が運転している状態にする。
【0034】
その6台の給湯器1における給水管3からの水の供給流量がすべて「中」の場合には6台が運転している状態を維持するが、更に1台の給湯器1における給水管3からの水の供給流量が「低」の範囲まで減少すると、更にいずれか1台の給湯器1の運転を停止させ、5台の給湯器1のみが運転した状態にする。
【0035】
逆に一部の給湯器1が運転している状態で、運転中の給湯器1のいずれかの流量が「高」に増加すると、連結給湯制御装置2は、停止している給湯器1の中の1台を運転状態とする(給水サーボ弁22を開弁)。
【0036】
このように、連結給湯制御装置2は、現在運転中の給湯器1の流量が全て「中」の場合には現状の運転台数を維持させ、現在運転中の給湯器1のうちいずれか1つでも流量が「低」に減少した場合には給湯器1の運転台数を1台停止させ、現在運転中の給湯器1のうちいずれか1つでも流量が「高」に増加した場合には給湯器1の運転台数を1台増加させる。また、連結給湯制御装置2は、給湯器1の運転時間の累計が一部の給湯器1に偏らないように、運転時間の累計ができるだけ均等となるように運転させる給湯器1を選択する。
【0037】
個別制御部7は、入力される信号に基づき給湯器1に異常が生じていないか否かを確認する。例えば、ガスバーナに設けられたフレームロッドからの信号に基づきガスバーナが正常に燃焼しているか否かを確認する。個別制御部7には、ガスバーナが正常に燃焼していない失火状態であるときなどの異常状態である場合に当該異常状態に対応するエラーコードを表示可能なエラー表示部7aが設けられている。これにより、メンテナンス業者は個々の給湯器1に設けられたエラー表示部7aを見ることにより、どの給湯器1にどのような異常が生じているかを個別具体的に知ることができ、メンテナンス効率を向上させることができる。
【0038】
なお、本実施形態では、連結給湯制御装置2を給湯器1とは別体のものとして説明するが、本発明の連結給湯制御装置は、何れかの給湯器1の個別制御部7がその機能を担うように構成することもできる。
【0039】
各個別制御部7は、異常状態を検出すると異常状態情報を連結給湯制御装置2に送信する。異常状態情報を受信した連結給湯制御装置2は、異常状態のため運転できない給湯器1と、正常に運転できる給湯器1とを区別してメモリ等の記憶装置に記録する。また、連結給湯制御装置2は、様々な異常状態情報に対応する第1エラーコードを複数記憶するテーブルデータを備えている。
【0040】
なお、本実施形態では、異常状態情報に対応する第1エラーコードの参照を連結給湯制御装置2で行うものを説明するが、個別制御部7で異常状態情報に対応する第1エラーコードの参照を行い、個別制御部7から送信する異常状態情報を第1エラーコードとしてもよい。
【0041】
図3に示すように、リモートコントローラ8には、給湯温度が表示される温度表示部8aが設けられている。連結給湯制御装置2は、給湯器1の個別制御部7から異常状態情報が送信された場合には、給湯温度に代えて異常状態情報に対応する第1エラーコードを温度表示部8aにさせる。既に前回の第1エラーコードが温度表示部8aに表示されている場合には、今回受信した異常状態情報に対応する第1エラーコードに更新される。これにより、温度表示部8aには、最新の第1エラーコードのみが表示されることとなる。
【0042】
また、連結給湯制御装置2は、給湯器1から送信される異常状態情報に基づき、正常な状態の給湯器1の台数が半分以下(本実施形態では12台中6台以下)となった場合には、正常な状態の給湯器1の台数が半分(6台)以下となったことを放置する第2エラーコードを温度表示部8aに表示させる。
【0043】
また、連結給湯制御装置2には、第2エラーコードを温度表示部8aに表示させることができる報知状態と、第2エラーコードを温度表示部8aに表示させることができない非報知状態とに切換可能な報知切換スイッチ2aが設けられている。
【0044】
次に、
図5のフローチャートを参照して、連結給湯制御装置2が給湯器1から異常状態情報を受信した場合の処理について説明する。なお、連結給湯制御装置2は、何れの給湯器1からも異常状態情報を受信していない場合には、リモートコントローラ8の温度表示部8aに給湯温度を表示する。
【0045】
まず、
図5のSTEP1で何れかの給湯器1から送信された異常状態情報を受信したか否かを確認する。何れの給湯器1からも異常状態情報を受信していない場合には、STEP1に戻る。
【0046】
何れかの給湯器1から送信された異常状態情報を受信した場合には、STEP2に進み、報知状態であるか否かを確認する。報知状態である場合には、STEP3に進み、正常に作動する給湯器1の台数が半数以下になっているか否かを確認する。本実施形態では、給湯器1が12台並列に連結された連結給湯システムであるため、異常状態情報を送信した給湯器1を除いた正常な給湯器1の台数が6台以下となっているか否かを確認する。本実施形態においては、半数である6台が本発明の予め設定された所定台数に相当する。
【0047】
正常な給湯器1の台数が半数以下となっている場合には、STEP4に進み、正常な給湯器1の台数が半数以下となっていることを示す第2エラーコードを、第1エラーコードに代えてリモートコントローラ8の温度表示部8aに表示させる。
【0048】
第2エラーコードは、
図4に示すように、3ケタの数字で表され、中央の数字は正常に作動する給湯器1の台数を示している。例えば、正常に作動する給湯器1の台数が6台である場合には、「868」と表示され、4台であれば「848」と表示される。このように正常に作動する給湯器1の台数を表示させることにより、メンテナンス業者はリモートコントローラ8の温度表示部8aに表示された第2エラーコードから稼働可能な給湯器1の台数を把握することができ、メンテナンス業者は適切な対応を取り易くなり、連結給湯システムのメンテナンス効率が向上される。
【0049】
STEP2で報知状態ではなく非報知状態に設定されている場合には、STEP5に分岐し、受信した異常状態情報に対応する第1エラーコードが温度表示部8aに表示される。既に前回の第1エラーコードが温度表示部8aに表示されている場合には、今回の第1エラーコードに更新される。
【0050】
STEP3で、正常に作動する給湯器1の台数が半数以下になっていなければ、STEP5に分岐し、受信した異常状態情報に対応する第1エラーコードが温度表示部8aに表示される。既に前回の第1エラーコードが温度表示部8aに表示されている場合には、今回の第1エラーコードに更新される。
【0051】
本実施形態の連結給湯制御装置2は、
図5のフローチャートに示す処理を所定のサイクルタイムで実行する。
【0052】
本実施形態の連結給湯制御装置2によれば、正常状態の給湯器1の台数が所定台数以下となった場合には、第1エラーコードではなく第2エラーコードが表示される。これにより、利用者がリモートコントローラ8を見て給湯器1が異常状態であることを確認してメンテナンス業者に連絡するときに、メンテナンス業者は、温度表示部8aの表示が第1エラーコードであるか第2エラーコードであるかを利用者に確認することによって、緊急性を判断することができる。従って、本実施形態の連結給湯制御装置2によれば、メンテナンス効率が向上されると共に、利用者に従来よりも詳しく連結給湯システムの異常状態を説明することができる。
【0053】
また、第1エラーコード及び第2エラーコードは、給湯温度の表示に代えて温度表示部8aに表示される。このため、リモートコントローラ8の温度表示部8aとして、給湯温度に加えてエラーコードを表示できるスペースを確保する必要がなく、リモートコントローラ8の製造コストの増加を防ぎ、ひいては連結給湯制御装置2全体としての製造コストの増加を防ぐことができる。
【0054】
また、本実施形態の連結給湯制御装置2では、報知切換スイッチ2aを操作することにより、正常状態の給湯器1の台数が予め設定された所定台数以下となった場合に、第2エラーコードを表示させる報知状態と、第2エラーコードを表示させない非報知状態とに切換可能とされている。
【0055】
ここで、一般的に連結給湯システムは、必要な給湯能力に応じて連結する給湯器1の数を容易に変更でき、専用設計でコストが高い大型の給湯器を設置するよりも、給湯システムの製造コストを抑えることができるものである。従って、必要な給湯能力に応じて、連結される給湯器1の台数は大きく変化する。そして、比較的に給湯器1の連結台数が少ない給湯システムにおいては、少数の給湯器1が故障するだけで緊急性の高い異常状態となってしまう可能性が比較的高い。
【0056】
また、比較的に給湯器1の連結台数が少ない給湯システムにおいては、正常に作動している給湯器1の台数よりも給湯器1の個別具体的な異常状態の情報を知らせた方が、メンテナンス業者が早期に具体的な異常状態を把握できる可能性があり、メンテナンス効率が高まる場合もある。
【0057】
そこで、本実施形態の連結給湯制御装置2では、上述の如く、第2エラーコードを表示させる報知状態と、第2エラーコードを表示させない非報知状態とを切換自在な報知切換スイッチ2aを設け、給湯器1の連結台数が比較的少ない連結給湯システムに用いる場合でも、メンテナンス効率の低下を防止することができる。従って、給湯器1の連結台数が比較的少ない連結給湯システムにもメンテナンス効率を維持しながら本実施形態の連結給湯制御装置2を用いることができ、連結給湯制御装置2の汎用性を高めることができる。
【0058】
なお、本実施形態においては、第2エラーコードに正常に作動する給湯器の台数を表示させたが、異常状態情報を送信した給湯器1の台数を表示してもよい。また、正常に作動する給湯器1の台数、及び異常状態情報を送信した給湯器1の台数の何れも表示させることなく、単に正常に作動する給湯器1の台数が予め設定された所定台数以下となっていることを示すエラーコードを表示させてもよい。
【0059】
また、本実施形態においては、正常に作動する給湯器1の台数が半数以下になったら、第2エラーコードを温度表示部8aに表示させるものを説明した。しかしながら、本発明の連結給湯制御装置の所定台数は半数に限らず、連結給湯システムに要求される給湯量に基づいて適宜設定することができる。