特許第5968424号(P5968424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5968424薄壁容器向けの電子ビームによる減菌デバイス及び減菌方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968424
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】薄壁容器向けの電子ビームによる減菌デバイス及び減菌方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 55/08 20060101AFI20160728BHJP
   B65B 55/04 20060101ALI20160728BHJP
   A61L 2/08 20060101ALI20160728BHJP
【FI】
   B65B55/08 B
   B65B55/04 N
   B65B55/04 B
   A61L2/08
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-506955(P2014-506955)
(86)(22)【出願日】2012年4月17日
(65)【公表番号】特表2014-513017(P2014-513017A)
(43)【公表日】2014年5月29日
(86)【国際出願番号】IB2012051903
(87)【国際公開番号】WO2012147007
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2014年12月25日
(31)【優先権主張番号】BS2011A000060
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512039053
【氏名又は名称】グアラ パック エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】GUALA PACK S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラグッツィ フルヴィオ
【審査官】 西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−236806(JP,A)
【文献】 特開2003−237742(JP,A)
【文献】 特表2004−532403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/04
B65B 55/08
A61L 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄壁容器(C)向けの電子ビームによる減菌デバイス(1)であって、
前記電子ビームによって生成された放出線に対してシールドされ、減菌経路に沿って延在する減菌チャンバであって、前記減菌経路に沿って、第1の基準平面(Pr1)及び更なる基準平面(Pr3)が、互いに分離し、前記減菌経路に入射するように画定される、減菌チャンバと、
前記第1の基準平面(Pr1)上に存在する放出軸(E1)を有する第1の電子キャノン(28a)と、
前記更なる基準平面(Pr3)上に存在する放出軸(E3)を有する更なる電子キャノン(28c)と、
を備え、前記更なる電子キャノン(28c)の前記放出軸(E3)は、前記第1のキャノン(28a)の前記放出軸(E1)と違って、前記減菌経路に対して傾斜し、
前記減菌チャンバは、第1の減菌方向(Y)に延在する主チャンバ(24)及び第2の減菌方向(Z)に延在する副チャンバ(36)を備え、前記第1のキャノン(28a)は、前記第1の減菌方向(Y)に沿って位置決めされ、前記更なるキャノン(28c)は、前記第2の減菌方向(Z)に沿って位置決めされ、
前記第1の減菌方向(Y)に沿って位置決めされた第1の支持手段であって、前記容器(C)が行として互いに並んで位置決めされるように該容器(C)を誘導するのに適する、第1の支持手段と、
前記第2の減菌方向(Z)に沿って位置決めされた第2の支持手段であって、前記容器(C)が列として互いに前後に位置決めされるように該容器(C)を誘導するのに適する、第2の支持手段と、
を備える、薄壁容器向けの電子ビームによる減菌デバイス。
【請求項2】
前記第1のキャノン(28a)の前記放出軸(E1)及び前記減菌経路は、放出平面(Pe1)を画定し、前記更なるキャノン(28c)の前記放出軸(E3)は、前記放出平面(Pe1)に直交する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
記第2の減菌方向(Z)は、前記第1の減菌方向(Y)に対して、直交して入射する、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
放出軸(E2)を有する第2の電子キャノン(28b)を備え、該第2の電子キャノン(28b)は、前記第1の減菌方向に対して前記第1のキャノン(28a)の反対の側で、前記第1のキャノン(28a)の放出平面(Pe1)上に位置決めされる、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
事前減菌チャンバ(50)が、前記減菌チャンバの上流に位置決めされ、前記電子ビームによって生成される放出線の漏洩をシールドされて、前記第1の減菌方向に直交する入力方向(X)に延在する、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
事後減菌チャンバ(55)が、前記減菌チャンバの下流に位置決めされ、前記電子ビームによって生成される放出線の漏洩をシールドされて、前記第1の減菌方向に直交する出力方向に延在する、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記減菌チャンバの上流に、旋回式2セクター入力ユニット(40)を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記減菌チャンバの下流に、旋回式2セクター出力ユニット(60)を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
薄壁容器(C)を減菌する方法であって、
処理される前記容器(C)を減菌経路に沿って進ませるステップと、
放出軸(E1)に沿って、放出方向に対して傾斜して第1の電子雲を放出するステップであって、前記容器は、前記減菌経路に沿って、行として互いに並んで位置決めされている、ステップと、
前記第1の電子雲による1回目の減菌に前記容器をさらすステップと、
前記第1の電子雲の放出軸と異なる方法で、放出軸(E3)に沿って、放出方向に対して傾斜して更なる電子雲を放出するステップであって、前記容器は、前記減菌経路に沿って、列として互いに前後になって進む、ステップと、
前記更なる電子雲による2回目の減菌に前記容器をさらすステップと、
を含む、薄壁容器を減菌する方法。
【請求項10】
薄壁容器(C)の向けの電子ビームによる減菌デバイス(1)であって、
第1の減菌方向(X)に延在する主チャンバ(24)及び第2の減菌方向(Z)に延在する副チャンバ(36)であって、前記第2の減菌方向(Z)は、前記第1の減菌方向(Y)に対して、直交して入射する、主チャンバ(24)及び副チャンバ(36)と、
前記第1の減菌方向(Y)に沿って位置決めされ放出軸(E1)を有する第1の電子キャノン(28a)と、
前記第2の減菌方向(Z)に沿って位置決めされ放出軸(E3)を有する更なる電子キャノン(28c)と、
前記第1の減菌方向(Y)に沿って位置決めされた第1の支持手段であって、前記容器(C)が行として互いに並んで位置決めされるように該容器(C)を誘導するのに適する、第1の支持手段と、
前記第2の減菌方向(Z)に沿って位置決めされた第2の支持手段であって、前記容器(C)が列として互いに前後に位置決めされるように該容器(C)を誘導するのに適する、第2の支持手段と、
を備える、薄壁容器向けの電子ビームによるデバイス。
【請求項11】
薄壁容器(C)を減菌する方法であって、
処理される前記容器(C)を第1の減菌軸(Y)に沿って進ませるステップと、
前記第1の減菌軸に沿って第1の電子雲を放出するとともに、該第1の電子雲による1回目の減菌に前記容器をさらすステップと、
前記第1の減菌方向(Y)から前記第2の減菌方向(Z)に前記容器を偏移させるとともに、前記容器を前記第2の減菌方向に沿って進ませるステップと、
前記第2の減菌軸に沿って更なる電子雲を放出するとともに、該更なる電子雲による更なる減菌に前記容器をさらすステップと、
を含み、
処理される前記容器(C)を第1の減菌軸(Y)に沿って進ませる前記ステップにおいて、前記容器は、行として互いに並んで位置決めされて進み、
前記容器を第2の減菌方向(Z)に沿って進ませる前記ステップにおいて、前記容器は、列として互いに前後になって進む、薄壁容器を減菌する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄壁容器、特に、濃密流体、特にクリーム、ヨーグルト、蜂蜜、フルーツジュース等の食品又は医薬品等を収容する容器等の軟質容器(flexible container)を減菌するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
食品業界では、容器の減菌は、感染を防止し、容器に収容される食品を適切に保存するのに非常に重要である。
【0003】
時として、化学的減菌が実施され、その間、容器は、過酸化水素等の殺菌剤で洗浄され、次に、後続の充填作業に送られる前に乾燥される。
【0004】
しかし、化学的減菌は、例えば、乾燥容器における化学的殺菌剤の残留物の存在、又は、容器の複雑な若しくは不規則な幾何形状によって殺菌されていないエリアの存在等、いくつかの欠点を有する。こうした欠点は、薄壁軟質容器の分野で特に感じられる。
【0005】
電子ビーム減菌が益々広まっている。
【0006】
当初は、電子ビーム減菌の実施は、処理される容器がそこに送られなければならず、また、そこから、減菌された容器がピックアップされる特別なセンターに限定され、輸送コスト及びロジスティックスのかなりの増加を伴った。こうしたセンターでは、ハイパワー(500kV〜10mV)電子キャノン(electron cannon)が、通常利用され、オペレーターの安全性及び環境汚染に関する全ての相対的な結果(relative consequence)を伴った。
【0007】
最近、電子ビーム減菌は、低電圧(80kV〜150kV)でも効率的に機能する特にコンパクトな電子キャノンの作製によって、益々一般的になっている。こうしたキャノンは、顕著な経済的な節減を伴って容器製造プラントにおいて電子ビーム減菌を直接実施することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、薄壁軟質容器を処理するのに特に適した低電圧電子ビーム減菌デバイスを作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による減菌デバイスの特徴及び利点は、添付図面を参照して、非制限的な例によって行われる以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】充満した柔軟な薄壁容器の見本を示す図である。
図2】空の柔軟な薄壁容器の見本を示す図である。
図3】一実施形態による本発明による減菌デバイスの全体図である。
図4図3の減菌デバイスのレイアウトの略線図である。
図5図3の減菌デバイスの減菌グループを示す図である。
図5a】本発明について画定される基準平面及び放出平面の線図である。
図6図3の減菌デバイスの入力ユニットを示す図である。
図7図6の入力ユニットの水平断面図である。
図8図7の断面VIII−VIIIに沿う、図6の入力ユニットの縦断面図である。
図9図3のデバイスの事前減菌チャンバを示す図である。
図10】入力ユニットの地点における、図5の減菌グループの主チャンバを示す図である。
図11図5の減菌グループの副チャンバを示す図である。
図12a】閉鎖構成で外部放射防止ケーシングを装備した減菌システムの実施形態の例を示す図である。
図12b】開口構成で外部放射防止ケーシングを装備した減菌システムの実施形態の例を示す図である。
【0011】
図面によれば、参照符号1は、薄壁軟質容器向けの低電圧電子ビーム減菌デバイスを全体的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特に、デバイス1は、柔軟フィルムの2つの壁B’、B’’又はそれより多い壁で形成された本体Bからなる容器Cを減菌するのに適し、これらの壁は、互いに向かい合い、必要である場合、ガセット側壁Gとともに、縁部に沿って接合され、例えば溶接され、通常、側壁の間で、本体Bの縁部のセクションに嵌められる剛性材料のストローAを備える。ストローAは、ストロー軸に沿って本体から突出し、同様に剛性材料のキャップに結合することができる。
【0013】
軟質容器が作製されたばかりであり、空であるとき、本体は、特に薄く(図2)、一方、本体は、充填されると、膨れるように見える(図1)。
【0014】
容器Cが空の場合、ストロー軸に沿う高さH、高さHを横断する幅W、及び薄壁の厚さTが画定される。
【0015】
こうした容器の実施形態の一例は、本出願人の名の下の文書、欧州特許出願公開第1538105号及び米国デザイン特許第552483号に示され、キャップを有するストローの実施形態の一例は、同様に本出願人の名の下の文書、国際公開第2008/050361号に示されている。
【0016】
減菌デバイス1は、低電圧電子ビームによる減菌がその中で起こる減菌グループ20と、処理される容器を減菌グループ20に導入する入力ユニット40と、処理された容器を減菌グループ20から出す出力ユニット60とを備える。
【0017】
上記入力ユニット40及び上記出力ユニット60はまた、減菌グループ20の内部での電子ビームによって生成される放射性放出、特にX線についての、その入力及び出力における漏洩に対する障害物を形成する。
【0018】
入力ユニット40は、減菌デバイス1の上流の機械から到来する、処理される容器Cが入る入口46aがその中に作製される前壁44aを備える外部ケーシング42を備える。
【0019】
同様に、外部ケーシング42は、滅菌グループ20内で処理される容器Cが入る出口46bがその中に作製される後壁44bを備える。
【0020】
外部ケーシング42は、下部48、及び、ケーシングの内部にアクセスするように、取外し可能な蓋52を好ましくは装備するカバー50を更に備える。
【0021】
外部ケーシング42は、好ましくは多角形形状の側壁54を更に備える。
【0022】
入力ユニット40は、回転軸Kの回りに、コマンドによって交互の方向に又は常に同じ方向に旋回する、ケーシング42の内部でコンパートメントに少なくとも部分的に収容される旋回体56を更に備える。
【0023】
こうした目的で、入力ユニット40は、ケーシング42の下部48の下に好ましくは位置決めされた、旋回体56に接続された、好ましくはブラシレス型の電気モータ58等の駆動手段を装備する。例えば、モータ58は、外部ケーシングの下部48を横切るシャフト60によって旋回体56に接続される。
【0024】
旋回体56は、処理される少なくとも1つの容器を受取るのに適した少なくとも1つの装填シートを有する。特に、装填シートは、処理される容器の装填を可能にするようにケーシング42の入口46に整列し得る。
【0025】
好ましくは、旋回体56は、例えば、入口46aに交互に整列し得る、互いに正反対にある2つの装填シート58を有する。
【0026】
さらに、コマンドによる回転によって、装填シート58は、処理される容器を減菌グループ20内に落とすようにケーシングの出口46bに整列し得る。
【0027】
好ましくは、1つの装填シートが出口46bに整列すると、別の装填シートが入口46aに整列するため、入口46aから、処理される容器を装填することは、出口46bから他の容器を移すことと同時に起こり得る。
【0028】
旋回体56は、減菌グループ20内部から入力ユニット40を通って外への漏洩の存在を出来る限り防止又は制限するために、ケーシング内で回転する旋回体の作業エリアを占める、装填シートの外側の充填部(filling portion)を更に提示する。
【0029】
例えば、旋回体56は、装填シート58が、その中で全体的に互いに正反対に作製される中実円柱本体であり、中実円柱本体は、円柱セグメントの形態で作業空間の中実部を決定するために、周辺から円柱本体の内部に向かう半径方向伸長部を有し、半径方向伸長部は、ケーシング42の内部コンパートメントの表面をかすって通る。
【0030】
処理される容器は、入力ユニット40から減菌グループ20に入るように通過する。
【0031】
こうした目的で、減菌デバイス1は、入力ユニット40の出口46bに面する装填シート58に収容された容器を取出すのに適した取出し手段を備える。
【0032】
好ましい実施形態によれば、取出し手段は、入力方向Xに延在する、例えば取出しレール140で形成された取出しガイドを備える。
【0033】
例えば、入力方向Xは、出口46bに整列すると、装填シート58から出て来ており、好ましくは直線方向である。
【0034】
容器は、それぞれのストローAによって取出しレール140から懸垂保持され、取出し手段は、入力方向Xに沿って進行方向INにストローを押し出すのに適する。
【0035】
こうした目的で、例えば、取出し手段は、取出しレール140の両側に位置決めされた指部142を備え、入力方向Xに沿って一定間隔を空けられ、この入力方向に沿って互い違いにされた一対のプッシャーを備える。
【0036】
好ましくは、プッシャーは、ブラシレスモータによって駆動される。
【0037】
プッシャーは、例えば容器のグループに対応するストローに係合し押出すために、入力方向Xに沿って進行方向INに指部142を並進して移動させるのに適する。
【0038】
さらに、プッシャーは、持上げ及び戻り動作を行い、持上げ及び戻り動作は、プッシャーが前方向ストロークを終了したときに実施されて、ぶら下がる容器の行の上を通過して元に戻り、それにより、装填ユニット40の装填シート58に収容された更なる容器を取出し、それらを進める。
【0039】
簡潔に言えば、示す実施形態によれば、上記取出し手段は、「飛び越し(jumping)」動作を実施し、飛び越し動作において、2つのプッシャーの指部は、入力方向Xに沿って容器の各グループの押出しを交互に行う。
【0040】
好ましい実施形態によれば、デバイス1は、事前減菌チャンバ50を備え、事前減菌チャンバ50は、X線の漏洩をシールドされ、入力方向Xに延在し、装填ユニット40の下流でかつ減菌グループ20の上流に位置決めされる。
【0041】
例えば、取出し手段は、事前減菌チャンバに収容される。
【0042】
減菌グループ20は、減菌チャンバを内部で画定する外部ケーシング22を備え、主チャンバ24を構成する。特に、外部ケーシング22の側壁26は、取出し手段によって移動された、入力ユニット40から到来する容器に対するアクセス部を提示する。
【0043】
主チャンバ24は、好ましくは直線の第1の減菌方向Yに主に延在する。
【0044】
好ましくは、第1の減菌方向Yは、入力方向Xに対して傾斜し、好ましくは入力方向Xに直交する。
【0045】
さらに、事前減菌チャンバ50は、入力ユニット40からのX線の漏洩を防止するのに役立つ。
【0046】
減菌グループ20は、容器を減菌するように電子雲を放出するのに適した少なくとも1つの電子キャノンを更に備える。
【0047】
電子キャノンについて、電子雲の放出コーン及びこうした放出コーンを画定する放出軸が画定される。
【0048】
例えば、グループ20は、それぞれの放出軸E1、E2を有する2つの電子キャノン28a、28bを備える。
【0049】
好ましくは、放出軸E1、E2は、同じ水平平面又は水平平面に平行な平面上に存在する。
【0050】
キャノン28a、28bは、第1の減菌方向Yに順番に位置決めされ、主チャンバ24において互いに向かい合い、互いに対向して位置決めされる。
【0051】
キャノン28a、28bは、容器が、最初に第1のキャノンによって放出される電子雲によって、次に第2のキャノンによって放出される電子雲によって衝当されるという意味で順番に位置決めされるか、又は、移行ゾーンだけにおいて、容器が、前のキャノンの電子雲及び次のキャノンの電子雲に同時にさらされる。
【0052】
減菌グループ20は、主チャンバ24に沿う容器の支持手段を更に備え、支持手段は、第1の減菌方向Yに上記容器を支持するのに適する。
【0053】
例えば、上記支持手段は、第1の減菌方向Yに延在する第1のレール30を備え、第1のレール30から、容器が、例えばストローAによってぶら下がる。
【0054】
減菌グループ20は、第1の減菌方向に容器を移動させるのに適した、容器を進める第1の手段を更に備える。
【0055】
入力方向Xから第1の減菌方向Yに方向を変更するのに、第1の取出し手段は、進める手段と連携して働く。
【0056】
特に、例えば、取出し手段は、一対のレール140の端に位置決めされ、容器を主チャンバ24に押し込むのに適したドラムカムを備え、ドラムカムにおいて、容器が、進める第1の手段に係合する。
【0057】
例えば、進める上記第1の手段は、ローター要素32を備え、ローター要素32は、その軸が第1の減菌方向Yに沿った状態で延在し、その方向Yに容器を押すために回転可能である。
【0058】
例えば、ローター要素32は、第1のレール30を載せ、第1のレール30から突出する容器CのストローAの上部に係合して、第1の減菌方向Yに容器を押す。
【0059】
好ましくは、さらに、減菌グループ20は、第1の減菌方向Yに容器の本体を誘導するのに適するガイド手段を更に備える。
【0060】
例えば、上記ガイド手段は、一対の糸状ガイド34を備え、そのガイド34は、第1の減菌方向Yに延在し、第1のレール30の下に位置決めされ、容器Cの本体Bがガイド34間に設置されるように一定間隔を空けられる。ガイド34が接近する場合、これによって容器の振動が制限又は防止される。
【0061】
減菌グループ20の減菌チャンバは、第1の減菌方向Yに入射し(incident)、例えば好ましくは第1の減菌方向Yに直交する第2の減菌方向Zに延在する副チャンバ36を更に備える。
【0062】
ローター要素32は、第1のレール30の端まで、第1の減菌方向Yに容器を押し、そこで、進める第1の手段が、進める第2の手段と協働して、進む方向を第1の減菌方向Yから第2の減菌方向Zに変更する。
【0063】
進める第2の手段は、第2の減菌方向に容器を移動させるのに適する。
【0064】
さらに、減菌グループ20は、第2の減菌方向Yに容器を支持するのに適した第2の支持手段を備える。
【0065】
例えば、第2の支持手段は、第1のレール30が終わるゾーンから第2の減菌方向Zに延在し、例えばストローAによって、容器Cをそこからぶら下げるのに適する第2のレール150を備える。
【0066】
第1のレール30と第2のレール150との間の移行ゾーンにおいて、進める第2の手段は、第2の減菌方向Zに交互並進動作で移動するのに適したプッシャー152を備える。
【0067】
プッシャー152の動作は、例えば、ベルト又はチェーンによってローター要素32に接続された回転カム154によってローター32の動作と同期される。
【0068】
容器Cが、第1のレール30の端でローター要素32から去ると、第2のプッシャー152が、第2のレール102に沿って上記容器を押す。
【0069】
第2のレール150からぶら下がる容器は、末尾における更なる容器の後続の挿入の結果として、すなわち、後続の容器が、進む方向の前方にその容器の前の容器の末尾を押すため、第2の減菌方向Zに進む。
【0070】
実施形態の一変形形態(図示せず)によれば、進める第2の手段は、第2の減菌方向Zに容器のセットを進ませるように、容器のセットに別々に係合するのに適する。例えば、上記進める第2の手段は、上記進める第1の手段と構造的にかつ機能的に同様である。
【0071】
減菌グループ20は、第2の減菌方向Zに沿って位置決めされ、水平平面に入射する、好ましくは水平平面に直交する放出軸E3を有する第3のキャノン28c等の更なる電子キャノン28cを更に備える。換言すれば、第3のキャノン28cは、放出軸E3が、処理されている容器のストローAの軸に平行になるように位置決めされる。
【0072】
したがって、第1の減菌方向Y及び第2の減菌方向Zはともに、減菌チャンバに沿って減菌経路を画定する。
【0073】
減菌デバイス1は、処理されている容器の進む方向に関して第3のキャノン28cの下流で、副チャンバ36に接合された出力ユニット60を更に備える。
【0074】
好ましくは、出力ユニット60は、入力ユニット40と機能的にかつ構造的に同様である。
【0075】
処理済み容器は、減菌グループ20から、特にその副チャンバ36から出力ユニット60まで通過し、この出力ユニットからデバイス1の外に出る。
【0076】
減菌デバイスは、副チャンバ36から入力ユニットの装填シートへ、予め決めた数の容器Cを装填するのに適した装填手段を備える。
【0077】
好ましくは、上記装填手段は、上述した動作と同様の「飛び越し」動作を有するプッシャーを備える。
【0078】
好ましい実施形態によれば、デバイス1は、事後減菌チャンバ55を備え、事後減菌チャンバ55は、X線の漏洩をシールドされ、第2の減菌方向Zに延在し、減菌グループの下流でかつ出力ユニット60の上流に位置決めされる。
【0079】
例えば、装填手段は、事後減菌チャンバに収容される。
【0080】
事後減菌チャンバはまた、出力ユニット60からのX線の漏洩を防止するのに役立つ。
【0081】
入力ユニット40に入る容器C1は、壁が互いに向かい合う状態で次々と整列する。すなわち、容器C1は向かい合って列になる。
【0082】
容器C1は、1つ又は複数の容器C2が入力ユニット40の装填シート58に収容されるように移動する。装填シートに収容される容器の数が、予め決めた数に達すると、旋回体56は、回転して、容器C2を含む装填シート58を出口46bに整列させ、また好ましくは、空の他の装填シート58を、更なる装填に対して入口46aに整列させる。
【0083】
出口46bに整列した装填シート58に含まれる容器C3は、入力方向Xに沿って進むために移動し、次に、第1の減菌方向Yに沿って偏移する。
【0084】
特に、容器C4は、第1の減菌方向Yに前後に整列して、すなわち、向かい合って行になるように主チャンバ20を横断する。
【0085】
第1の減菌方向Yで、容器C4は、第1のキャノン28a及び第2のキャノン28bによって1回目の減菌を受け、キャノン28a、28bの放出軸E1、E2は、実質的に水平平面上にある。
【0086】
第1の減菌方向Yで、容器C4は、行で位置決めされるため、本体Bの壁B’、B’’は、電子キャノン28a、28bの放出コーンの目の前にある。換言すれば、容器C4の本体Bは、実質的に同一平面上にあり、放出軸E1、E2がそれに関して入射する平面上に存在する。
【0087】
こうした配置構成は、容器C4の本体Bの壁B’、B’’、及び、必要である場合、備わっていればガセット面Gの優れた減菌を可能にする。
【0088】
第2のキャノン28bの下流で、処理されている容器は、第1の減菌方向Yから第2の減菌方向Zに偏移し、同時に、第2の減菌方向Zに沿って移動して、副チャンバ36に入り、そこを通過する。
【0089】
特に、容器C5は、互いに向かい合う壁と前後に整列された副チャンバ36を横断する。すなわち、容器C5は列で向かい合っている。
【0090】
第2の減菌方向Zにおいて、容器C5は、第3の電子キャノン28cによって2回目の減菌を受け、電子キャノン28cの放出軸E3は、特に水平平面に直交して入射する。
【0091】
第2の減菌方向Zで、容器C5は、列で位置決めされるため、容器のストローAの軸は、第3のキャノン28cの放出コーンの放出軸に実質的に平行になる。
【0092】
こうした配置構成は、容器CのストローAの優れた減菌を可能にする。
【0093】
容器C5は、1つ又は複数の容器C6が、出力ユニット60の装填シートに収容されるように移動する。装填シートに収容される容器の数が、予め決めた数に達すると、旋回体は、回転して、容器C6を含む装填シートを出口に整列させ、また好ましくは、空の他の装填シートを、更なる装填に対して入口に整列させる。
【0094】
出口に整列した装填シートに含まれる容器C7は、減菌デバイス1の外に移動する。
【0095】
減菌中に容器が進む方向を変更することは、電子ビームに対する容器の部分の露出時間を最適化することを可能にする。
【0096】
特に、第1の減菌方向Yで、容器C4は行で向かい合い、電子キャノン28a、28bの配置構成の場合、特に薄い本体Bの壁B’、B’’に関して減菌は特に有効である。容器Cの幅寸法Wによって、上記容器のキャノン28a、28bの放出コーンの下での通過時間が決まる。
【0097】
第2の減菌方向Zで、容器C5は列で向かい合い、電子キャノン28cの配置構成の場合、減菌は、ストローAの内部で特に有効である。容器Cの厚さ寸法Tによって、その容器のキャノン28cの放出コーンの下での通過時間が決まる。
【0098】
容器Cの幅Wが、容器Cの厚さTよりずっと大きい(容器が薄壁容器と呼ばれる理由)ため、相対的ニーズに関して、1回目の減菌に対する露出は、2回目の減菌に対する露出よりずっと少ない。その理由は、容器の壁が、ストローに比べて長くない減菌を必要とするからである。
【0099】
一般に、互いに分離し、減菌経路に入射する第1の基準平面Pr1及び更なる基準平面Pr3がそれに沿って画定される上記減菌経路に沿って、第1の電子キャノン28aは、第1の基準平面Pr1上に存在する放出軸E1を有し、更なる電子キャノン28cは、更なる基準平面Pr3上に存在する放出軸E3を有する。更なる電子キャノン28cの放出軸E3は、第1の電子キャノン28aの放出軸E1と違って、減菌経路に対して傾斜する。
【0100】
それにより、容器Cは、異なる方向で減菌されて、容器の異なるエリアに対する電子雲の作用を最適化し得る。
【0101】
好ましくはさらに、減菌システム100は、減菌デバイスと、例えば地上から持上げられた、デバイスが設置される支持構造102と、放射線の漏洩に対するスクリーンとして作用するのに適した、デバイスが含まれる外部ケーシング104とを備える。
【0102】
外部ケーシング104は、どんな放射線も遮断する、鉛の側壁からなる。
【0103】
ケーシング104は、入力ユニット及び出力ユニットの地点で、側壁に作られた一対のシート108を装着される。
【0104】
閉じた構成では、上記ユニットは、ケーシング104の外に突出して、減菌される容器のアクセスを可能にするか、又は減菌済み容器が出て行くことを可能にする。
【0105】
好ましくはさらに、構造102は、複数のピラー106を備え、ピラー106上でケーシング104が摺動して、デバイス1上に下がり、デバイス1を収容するか、又は例えばサービスオペレーションを可能にするように持ち上がる。
【0106】
革新的には、本発明による低電圧電子ビーム減菌デバイスは、薄壁軟質容器を処理するのに特に適する。
【0107】
有利には、本発明によるデバイスは、放射線の漏洩を、既存の法令に適合して大幅に制限するため、製造プラントに直接組み込んで利用可能である。
【0108】
特に、本発明によるデバイスの設計は、「3バウンスルール(3 bounce rule)」として知られている実用的な設計ルールに従い、そのルールによれば、キャノンによって放出される任意の放出線は、ケーシングから出る前に、3回、ケーシングの内壁からバウンスしなければならず、それにより、事実上、所有されるエネルギーにゼロ値を与える。
【0109】
更に有利には、その設計は、減菌に対する容器の露出時間を最適化し、減菌される部分のニーズに応じて露出時間を差別化する。
【0110】
当業者が、上述したデバイスに変更を行うことができることが明らかである。
【0111】
例えば、実施形態の一変形形態によれば、2回目の減菌用の電子キャノンは、1回目の減菌用のキャノンと或る平面上にあり、一方、1回目の減菌後に、容器は、2回目の減菌用のキャノンの放出軸にストローが平行になった状態で自分自身を位置決めするように回転させられる。
【0112】
実施形態の更なる変形形態によれば、入力ユニット及び/又は出力ユニットは、例えば角度的に等距離の3つ以上の装填シートを有する。
【0113】
なお更なる実施形態によれば、1回目の減菌は、単一電子キャノンによって実施される。
【0114】
なお更なる実施形態によれば、2回目の減菌は、2つ以上の電子キャノンによって実施される。
【0115】
さらに、実施形態の一変形形態によれば、入力ユニット及び/又は出力ユニットの旋回体は、90度の回転を実施して、装填済み容器を、出口用のアライメントに合わせる。
【0116】
更なる変形実施形態によれば、旋回体を駆動するモータは、シネマティックチェーン(cinematic chain)によって旋回体に接続される。
【0117】
こうした変形はまた、添付の特許請求の範囲によって規定される保護範囲内に含まれる。
図1
図2
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図5
図5a
図6
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図9
図10
図11
図12a
図12b