特許第5968460号(P5968460)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5968460超音波撮像システム、および前記超音波撮像システムの内部で使用する処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968460
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】超音波撮像システム、および前記超音波撮像システムの内部で使用する処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20160728BHJP
【FI】
   A61B8/00
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-546659(P2014-546659)
(86)(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公表番号】特表2015-500117(P2015-500117A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】IB2011003328
(87)【国際公開番号】WO2013088196
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】509346184
【氏名又は名称】スーパー・ソニック・イマジン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ・モーリス
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・フリックス
【審査官】 伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−514600(JP,A)
【文献】 特表2010−536502(JP,A)
【文献】 特開平11−000329(JP,A)
【文献】 特開平04−354944(JP,A)
【文献】 特開平06−213646(JP,A)
【文献】 米国特許第05787889(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0074792(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/347954(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 媒体(2)内部に超音波を発信し、受信する複数の振動子(3a)を備えた、少なくとも1つの超音波プローブ(3)であって、受信した超音波が前記振動子によって感知され、少なくとも1つのアナログデジタル変換器によって入力データに変換される、少なくとも1つの超音波プローブ(3)と、
- 前記超音波プローブを少なくとも制御し、前記媒体の一部分を表す画像を視覚化するように適合されたコンピュータ(20)と
を備える超音波撮像システムであって、前記プローブと前記コンピュータとの間に配置された処理装置を備え、前記処理装置が、
- 前記振動子によって感知された前記受信した超音波に対応する前記入力データを受信する第1のチャネル(11)と、
- 前記コンピュータに出力データを送信する第2のチャネル(12)と、
- 前記入力データおよび前記出力データを格納するように適合されたメモリ(14)備えるか、または前記メモリ(14)に接続された、前記入力データに基づいて撮像方法を操作し前記出力データを供給するように適合された少なくとも1つの処理ユニット(15)と、
- 前記メモリに接続されたスイッチユニット(13)であって、前記第1のチャネルからの前記入力データを前記メモリに直接送り、前記メモリからの前記出力データを前記第2のチャネルに送るスイッチユニット(13)と
を備える、超音波撮像システム。
【請求項2】
- 前記第2のチャネルが、双方向チャネルであり、前記コンピュータからの処理プログラムおよび処理データを受信するようにさらに適合され、
- 前記メモリが、前記処理プログラムおよび前記処理データを格納するようにさらに適合され、
- 前記スイッチが、前記第2のチャネルを介して、前記コンピュータからの前記処理プログラムおよび前記処理データを前記メモリに送るようにさらに適合されている、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項3】
前記第2のチャネル(12)が、PCIエクスプレスバスである、請求項1または2に記載の超音波撮像システム。
【請求項4】
前記処理ユニット(15)および前記メモリ(14)が、PCIエクスプレスバスを介して前記スイッチユニット(13)に接続されるサブアセンブリを形成している、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波撮像システム。
【請求項5】
前記スイッチユニット(13)が、PCIエクスプレススイッチである、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波撮像システム。
【請求項6】
前記処理ユニット(15)および前記メモリ(14)が、単一の電子ボード内部に組み込まれるサブアセンブリを形成している、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波撮像システム。
【請求項7】
前記処理ユニット(15)および前記メモリ(14)が、単一の電子回路内部に組み込まれている、請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波撮像システム。
【請求項8】
前記処理ユニット(15)が、グラフィック処理ユニットである、請求項1から7のいずれか一項に記載の超音波撮像システム。
【請求項9】
- 複数の処理装置(101から10N)と、
- 各処理装置(101から10N)の各第2のチャネル(121から12N)からの前記出力データを、前記コンピュータ(20)に接続された第3のチャネル(19)に送るシステムスイッチ(18)と
を備える、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項10】
各処理装置(101から10N)の前記第1のチャネルおよび前記第2のチャネル(111から11N;121から12N)がPCIエクスプレスバスであり、前記第3のチャネルがPCIエクスプレスバスである、請求項9に記載の超音波撮像システム。
【請求項11】
- 媒体(2)内部に超音波を発信し、受信する複数の振動子(3a)を備えた、少なくとも1つの超音波プローブ(3)であって、受信した超音波が前記振動子(3a)によって感知され、少なくとも1つのアナログデジタル変換器によって入力データに変換される、少なくとも1つの超音波プローブ(3)と、
- 前記超音波プローブを少なくとも制御し、前記媒体の一部分を表す画像を視覚化するように適合されたコンピュータ(20)と
を備える超音波撮像システムにおいて使用する処理装置(10)であって、前記超音波プローブと前記コンピュータとの間に配置され、
- 前記振動子によって感知された前記受信した超音波に対応する前記入力データを受信する第1のチャネル(11)と、
- 前記コンピュータに出力データを送信する第2のチャネル(12)と、
- 前記入力データおよび前記出力データを格納するように適合されたメモリ(14)備えるか、または前記メモリ(14)に接続された、前記入力データに基づいて撮像方法を操作し前記出力データを供給するように適合された少なくとも1つの処理ユニット(15)と、
- 前記メモリに接続されたスイッチユニット(13)であって、前記第1のチャネルからの前記入力データを前記メモリに直接送り、前記メモリからの前記出力データを前記第2のチャネルに送るスイッチユニット(13)と
を備える、処理装置(10)。
【請求項12】
- 前記第2のチャネルが双方向チャネルであり、前記コンピュータからの処理プログラムおよび処理データを受信するようにさらに適合され、
- 前記メモリが、前記処理プログラムおよび前記処理データを格納するようにさらに適合され、
- 前記スイッチが、前記第2のチャネルを介して、前記コンピュータからの前記処理プログラムおよび前記処理データを前記メモリに送るようにさらに適合されている、請求項11に記載の処理装置。
【請求項13】
前記第1のチャネル(11)が、PCIエクスプレスバスである、請求項11または12に記載の処理装置。
【請求項14】
前記第2のチャネル(12)が、PCIエクスプレスバスである、請求項11から13のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項15】
前記スイッチユニット(13)が、PCIエクスプレススイッチである、請求項11から14のいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項16】
前記処理ユニット(15)が、グラフィック処理ユニットである、請求項11から15のいずれか一項に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
- 媒体内部に超音波を発信し、受信する複数の振動子を備えた、超音波プローブであって、受信した超音波が前記振動子によって感知され、少なくとも1つのアナログデジタル変換器によって入力データに変換される、超音波プローブと、
- データチャネルを介して、前記入力データを受信し、これらの入力データを処理して、前記媒体の一部分を表す画像を供給するコンピュータと
を備える超音波撮像システムが知られている。
【0003】
図1に示す第1の既知の実施形態によれば、デジタル取得ボード(DAB)、すなわちインターフェイスボードが、超音波プローブとコンピュータとの間に配置されている。かかるインターフェイスボードは、少なくとも所定の、限られた数の信号に対してビーム形成処理を処理するプログラム可能論理素子(PLD)、通常はFPGA回路、またはデジタル信号プロセッサ(DSP)を備える。次いで、ビーム形成データは、データチャネルを介してコンピュータに送信される。
【0004】
その場合、インターフェイスボードは、所定の、限られた数の入力信号を備え、PLDまたはDSPの計算力は限られている。振動子の数が増加すると、新しいインターフェイスボードを設計しなければならず、これには非常に費用がかかる。
【0005】
図2に示す第2の既知の実施形態によれば、デジタル取得ボード(DAB)またはインターフェイスボードが、超音波プローブとコンピュータとの間に配置されている。このインターフェイスボードは、感知した全ての信号サンプル(入力データ)を、データチャネルに多重化することによってコンピュータに送信する。
【0006】
振動子の数により、標準のコンピュータ内に既存のデータチャネルでは通常、振動子からの入力データレートに対処することができない。データチャネルが効率のよいものであっても、コンピュータのマイクロプロセッサは、かかる膨大な量の入力データに対してビーム形成処理を行うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一目的は、上記の制約が排除されるような超音波撮像システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この趣旨で、超音波撮像システムは、プローブとコンピュータとの間に配置された処理装置を備え、前記処理装置は、
- 受信した超音波に対応する入力データを受信する第1のチャネルと、
- コンピュータに出力データを送信する第2のチャネルと、
- 入力データおよび出力データを格納するように適合されたメモリを備えるか、またはそのメモリに接続された、前記入力データに基づいて撮像方法を操作し出力データを供給するように適合された少なくとも1つの処理ユニットと、
- 第1のチャネルからの入力データを前記メモリに直接送り、前記メモリからの出力データを第2のチャネルに送るスイッチユニットと
を備える。
【0009】
これらの特徴のため、この超音波撮像装置は、プローブからメモリへの第1のチャネルでは高速レートを扱うことができ、かつメモリからコンピュータへの第2のチャネルでは低速レートを扱うことが可能である。したがって、かかる超音波撮像装置アーキテクチャは振動子の数に依存せず、容易に拡張可能(scalable)である。
【0010】
処理ユニットは、前記スイッチユニットと適合性のあるチャネルを有する一群の処理ユニットから選択することができる。処理ユニットは、標準の市販の処理ユニットでよく、費用がかからない。
【0011】
コンピュータは、高性能のコンピュータでなくともよい。ラップトップコンピュータを使用してもよい。したがって、この超音波撮像システムは、よりコンパクトで、かつそれほど費用がかからない。
【0012】
この超音波撮像装置の様々な実施形態では、以下の特徴の1つおよび/またはその他を任意選択で組み込むことができる。
【0013】
本発明の別の態様によれば、
- 第2のチャネルは、双方向チャネルであり、コンピュータからの処理プログラムおよび処理データを受信するようにさらに適合され、
- メモリは、処理プログラムおよび処理データを格納するようにさらに適合され、
- スイッチは、前記第2のチャネルを介して、コンピュータからの処理プログラムおよび処理データをメモリに送るようにさらに適合されている。
【0014】
本発明の別の態様によれば、第2のチャネルは、PCIエクスプレスバスである。
【0015】
本発明の別の態様によれば、処理ユニットおよびメモリは、PCIエクスプレスバスを介してスイッチユニットに接続されるサブアセンブリを形成している。
【0016】
本発明の別の態様によれば、スイッチユニットは、PCIエクスプレススイッチである。
【0017】
本発明の別の態様によれば、処理ユニットおよびメモリは、単一の電子ボード内部に組み込まれるサブアセンブリを形成している。
【0018】
本発明の別の態様によれば、処理ユニットおよびメモリは、単一の電子回路内部に組み込まれている。
【0019】
本発明の別の態様によれば、処理ユニットは、グラフィック処理ユニットである。
【0020】
本発明の別の態様によれば、この超音波撮像システムは、
- 複数の処理装置と、
- 各処理装置の各第2のチャネルからの出力データを、コンピュータに接続された第3のチャネルに送るシステムスイッチと
を備える。
【0021】
本発明の別の態様によれば、各処理装置の第1の入力チャネルおよび第2のチャネルはPCIエクスプレスバスであり、第3のチャネルはPCIエクスプレスバスである。
【0022】
本発明の別の目的は、
- 媒体内部に超音波を発信し、受信する複数の振動子を備えた、少なくとも1つの超音波プローブであって、受信した超音波が前記振動子によって感知され、少なくとも1つのアナログデジタル変換器によって入力データに変換される、少なくとも1つの超音波プローブと、
- 超音波プローブを少なくとも制御し、前記媒体の一部分を表す画像を視覚化するように適合されたコンピュータと
を備える、超音波撮像システムにおいて使用する処理装置であって、超音波プローブとコンピュータとの間に配置され、
- 受信した超音波に対応する入力データを受信する第1のチャネルと、
- コンピュータに出力データを送信する第2のチャネルと、
- 入力データおよび出力データを格納するように適合されたメモリを備えるか、またはそのメモリに接続された、前記入力データに基づいて撮像方法を操作し出力データを供給するように適合された少なくとも1つの処理ユニットと、
- 第1のチャネルからの入力データを前記メモリに直接送り、前記メモリからの出力データを第2のチャネルに送るスイッチユニットと
を備える、処理装置を提供することである。
【0023】
この処理装置の好ましい実施形態では、以下の特徴の1つおよび/またはその他を任意選択で組み込むことができる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、
- 第2のチャネルは双方向チャネルであり、コンピュータからの処理プログラムおよび処理データを受信するようにさらに適合され、
- メモリは、処理プログラムおよび処理データを格納するようにさらに適合され、
- スイッチは、前記第2のチャネルを介して、コンピュータからの処理プログラムおよび処理データをメモリに送るようにさらに適合されている。
【0025】
本発明の別の態様によれば、第1のチャネルは、PCIエクスプレスバスである。
【0026】
本発明の別の態様によれば、第2のチャネルは、PCIエクスプレスバスである。
【0027】
本発明の別の態様によれば、スイッチユニットは、PCIエクスプレススイッチである。
【0028】
本発明の別の態様によれば、処理ユニットは、グラフィック処理ユニットである。
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として示す以下の本発明の4つの実施形態の詳細な説明を、添付の図面とともに参照すると明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ビーム形成処理がインターフェイスボードによって実施される、第1の従来技術による実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
図2】ビーム形成処理がコンピュータによって実施される、第2の従来技術による実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
図5】本発明の第3の実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
図6】本発明の第4の実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
図7】本発明の第5の実施形態による超音波撮像システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
様々な図において、同じ参照番号は、同一または類似の要素を示す。
【0032】
従来技術による図1に戻ると、かかる既知の超音波撮像システムは、
- 媒体2内部に超音波を発信し、受信し、振動子信号4を供給する複数の振動子3aを有するプローブ3と、
- 前記プローブ3に接続され、振動子信号を受信し、第2のチャネル6にデータを供給するデジタルアナログボード(DAB)5と、
- DAB5からの前記データを受信するコンピュータ20と
を備える。
【0033】
DAB5は、前記振動子3aに接続されたアナログ送受信マルチプレクサ5aと、振動子信号を増幅信号に増幅する複数の増幅器5bと、増幅信号を第1のデジタル値に変換し、前記第1のデジタル値を回路5dに供給するアナログデジタル変換器(ADC)5cとを備え、前記回路5dは、プログラム可能論理素子(PLD)7b、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはデジタル信号プロセッサ(DSP)である。
【0034】
回路5dは、ビーム形成方法に対応する論理を実施し、ビーム形成データの出力データを、コンピュータ20に向けて第2のチャネル6に供給する。
【0035】
実施されるビーム形成方法は、システムがコンピュータ20から、またはオンボードフラッシュメモリから起動される間に回路5d内にプログラミングされ、その後はまず変更することができない。実施されるビーム形成方法は、所定の数の振動子信号を処理することができる。したがって、かかる超音波撮像システムアーキテクチャは、製造時に予め定められ、すなわちモジュール式ではなく、容易に拡張可能なものではない。例えば、振動子信号の数をどのように変更しても、または撮像方法をどのように変更しても、新しいボードを設計する必要が生じ、または少なくとも新しい回路5dをプログラミングする必要が生じることになる。さらに、振動子信号の数が大幅に増加する場合、既知の回路では性能が十分でなく、例えば振動子信号の数が200を超えると、既知の回路5dでは、これらの信号に対してビーム形成方法を処理することが可能でなくなる。
【0036】
通常、コンピュータ20は、
- ユーザからの情報または制御コマンドを入力するためのキーボード25と、
- ビーム形成画像を前記ユーザに視覚化するための画面26と
を備える。
【0037】
第2のチャネル6は、双方向チャネルである。コンピュータ20はまた、媒体2内部に超音波を発信するための第2のデジタル値をDAB5に供給する。
【0038】
回路5dは、前記第2のデジタル値をデジタルアナログ変換器5eに送信して、信号を生成する。これらの信号は、増幅器5fによって増幅され、アナログ送受信マルチプレクサ5aによって多重化される。したがって、増幅信号がプローブ振動子3aに送信され、それによって媒体2内部で超音波が発生する。
【0039】
従来技術による図2を参照すると、かかる既知の超音波撮像システムは、その回路5dが図1のものとは異なる。回路5dは、この図では、第2のチャネル6を介してADC5cからの第1のデジタル値をコンピュータ20に供給し、第2のチャネル6を介してコンピュータ20からの第2のデジタル値をDAC5eに供給する単なる双方向マルチプレクサである。
【0040】
コンピュータ20は、コンピュータの内部データチャネルを相互接続するブリッジ21を備える。ブリッジ21は、DAB5からの第2のチャネル6、メモリ22、およびマイクロプロセッサ23に接続している。コンピュータ20は、ハードドライブ24内に格納されたビーム形成ソフトウェアを実行する。ビーム形成ソフトウェアは、振動子からの第1のデジタル値を使用するビーム形成方法を実施する。例えば、ビーム形成ソフトウェアは、既知のビーム形成方法を実施し、この方法では、複数の振動子3aからの第1のデジタル値が、所定の遅延によってそれぞれ遅延し、それらが合算されると媒体2内部のスライス画像が計算される。
【0041】
かかる超音波撮像システムは、モジュール式であり、拡張可能である。
【0042】
しかし、第1のデジタル値は全てコンピュータ20に転送され、データ処理は全てコンピュータ20によって行われる。振動子の数が膨大であり、例えば数百である場合、USBまたはPCIエクスプレスなど、標準のコンピュータに通常内蔵されたデータチャネルでは、これらの振動子からの入力データレートに直接対処することができない。複数のデータチャネルを並列に用いて、許容可能なレートを増大させてもよいが、そうするとコンピュータに内蔵されたマイクロプロセッサおよび任意選択によるコプロセッサでは、かかる膨大な量の入力データに対してビーム形成処理を行うことができない場合がある。
【0043】
したがって、かかる超音波撮像システムアーキテクチャは、快適かつ完全にモジュール式であっても、振動子の数が膨大であると実施することができず、したがって正確な2D実時間画像または3D画像を生成するように実施することができない。
【0044】
図3は、プローブ3とコンピュータ20との間に配置された処理装置10を備える、本発明による超音波撮像システムを表す。
【0045】
この第1の実施形態では、このシステムは、プローブ3の後にDAB5を備える。したがって、処理装置10は、DAB5とコンピュータ20との間に接続されている。
【0046】
処理装置10は、少なくとも
- 受信した超音波に対応する入力データを受信する第1のチャネル11と、
- コンピュータに出力データを送信する第2のチャネル12と、
- メモリ14を備えるか、またはメモリ14に接続されている少なくとも1つの処理ユニット15と、
- 第1のチャネルからの入力データを前記メモリに直接送り、前記メモリからの出力データを第2のチャネルに送るスイッチユニット13と
を備える。
【0047】
メモリ14は、入力データおよび出力データを格納するように適合されている。
【0048】
処理ユニット15は、前記入力データに基づいてビーム形成方法または任意の撮像方法を処理し、それによって出力データに供給するように適合されている。
【0049】
処理ユニット15は、グラフィック処理ユニット(GPU)でよい。
【0050】
したがって、スイッチユニット13は、様々なチャネルレートを扱うことが可能である。第2のチャネルレートは低速でよく、コンピュータは低コストコンピュータでよい。スイッチユニットを備えるかかるアーキテクチャのため、この超音波撮像システムは拡張可能となっている。
【0051】
第1のチャネルは、PCIエクスプレスバス、またはUSBバスなどでよい。
【0052】
第2のチャネルは、PCIエクスプレスバス、またはUSBバスなどでよい。
【0053】
メモリ14および処理ユニット15は、サブアセンブリを形成することができる。かかるサブアセンブリは、単一の電子ボード内部に組み込んでもよい。
【0054】
このサブアセンブリは、PCIエクスプレスバスなどを介してスイッチユニット13に接続することができる。
【0055】
このサブアセンブリは、モバイルPCIエクスプレスモジュール(MXM)でよい。
【0056】
これらの特徴のため、処理装置10は、低コストの標準の市販の処理ユニットを使用することができる。本発明の超音波撮像システムは、(同数の振動子を有する)その均等物ほど費用がかからず、また従来技術によるシステムほど費用がかからない。
【0057】
第2のチャネル12は、有利には双方向チャネルである。したがって、コンピュータ20は、DAC5eにデジタル値を供給して、媒体2内部に発信する超音波を発生させることができる。
【0058】
有利には、第2のチャネル12もやはり、コンピュータ20からの処理プログラムおよび処理データをメモリ14に少なくとも供給するように適合され、前記処理プログラムは、ビーム形成方法または撮像方法を実施するプログラムである。次いで、処理ユニット15は、メモリ14に格納されたこの処理プログラムを行うことが可能である。
【0059】
処理プログラムは、更新または変更することができ、この超音波撮像システムは拡張可能であり、かつアップグレード可能である。
【0060】
スイッチ13および第2のチャネル12のため、処理ユニット15は、コンピュータから内部資源として見られ、すなわちコンピュータ20の内部に位置するかのように見られる。処理ユニット15が複数ある場合、それらの処理ユニット15は全てコンピュータの内部にあるかのように見られる。撮像方法を実施するプログラムは開発が容易であり、というのは、このプログラムは第2の従来技術向けに開発されたプログラムと非常に類似しているため、この新しい超音波撮像システムアーキテクチャに適合させるには軽微な変更しか必要でないからである。
【0061】
図4は、本発明の第2の実施形態を表し、この図では、プローブ3の後に配置されたDAB5が処理装置10内部に組み込まれており、DAB5の後にはスイッチユニット13がある。第1のチャネル11が処理装置10内部にあり、DAB5をスイッチユニット13に接続している。
【0062】
図5は、複数の処理装置101...10Nを備える本発明の第3の実施形態を表している。このシステムは、N個の処理装置を備える。各処理装置10iでは、iは1からNの添字の値を表し、
- その入力が対応する第1のチャネル11iを介して対応するDAB5iに接続され、
- その出力が第2のチャネル12iを介してシステムスイッチ18に接続されている。
【0063】
システムスイッチ18が、全処理装置101...10Nからの全出力データを収集し、第3のチャネル19(システムチャネル)を介してこれらのデータをコンピュータ20に送信する。
【0064】
かかるアーキテクチャのため、この超音波撮像システムは、拡張可能である。全処理装置の計算力は、振動子の数に伴って増大する。コンピュータ20は、前記振動子の数とは独立であり、やはりラップトップコンピュータでよい。
【0065】
処理装置10iはまた、任意選択による接続チャネル16iを介して、図5に表すように線形アーキテクチャに互いに接続してもよい。処理装置iは、接続チャネル16iを介して次の処理装置に接続されている。最後の処理装置10Nは、最後の接続チャネル16Nを介して第1の処理装置101に接続されている。
【0066】
この実施形態では、各処理装置10iのスイッチユニット13は、前の処理装置に接続する第1の追加のチャネルと、次の処理装置10i+1に接続する第2の追加のチャネルとを備える。
【0067】
これらの特徴のため、このシステムの処理ユニット151...15Nは互いに通信して、1つのDAB5に接続された振動子の数よりも多くの数の振動子に基づいたより複雑な撮像方法を操作することができる。
【0068】
図6は、超音波撮像システムの第4の実施形態を表し、この図では処理装置10は複数のサブアセンブリを備え、そのそれぞれがメモリ14jおよび処理ユニット15jを備え、jは1からMの添字であり、Mはサブアセンブリの数である。各アセンブリは、接続チャネルを介してスイッチユニット13に接続されている。
【0069】
接続チャネルは、PCIエクスプレスバスなどでよい。
【0070】
図7は、超音波撮像システムの第5の実施形態を表し、この図ではプローブ3がDACおよびADC3bを備える。したがって、このプローブは、デジタル値を直接出力するデジタルプローブである。次いで、プローブ3は、第1のチャネル11を介して処理装置10のスイッチユニット13に直接接続されている。
【0071】
この実施形態では、第1のチャネル11は、USB3.0バスでよい。
【0072】
この第5の実施形態の特徴を前述の全ての実施形態に使用して、超音波撮像装置に完全なデジタルアーキテクチャを実現することができる。
【0073】
前述の実施形態の第2のチャネルは、有利にはPCIエクスプレスバスである。PCIエクスプレスバスはそれぞれ、複数のレーン(1から32レーンの間)を備えることができる。使用するレーンの数は、振動子の数、使用する撮像方法に依存して、所定の超音波撮像システムに必要となるレートに適合させることができる。この特徴のため、この超音波撮像システムもやはり、さらに拡張可能となる。
【0074】
超音波撮像システムのかかる新しいアーキテクチャによって、高速3D超音波撮像システムを構築することが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
2 媒体
3 超音波プローブ
3a 振動子
4 振動子信号
5 デジタルアナログボード
5a アナログ送受信マルチプレクサ
5b 増幅器
5c アナログデジタル交換器
5d 回路
5f 増幅器
5e デジタルアナログ変換器
6 第2のチャネル
7b プログラム可能論理素子
10 処理装置
11 第1のチャネル
12 第2のチャネル
13 スイッチユニット
14 メモリ
15 処理ユニット
16 接続チャネル
18 システムスイッチ
19 第3のチャネル
20 コンピュータ
21 ブリッジ
22 メモリ
23 マイクロプロセッサ
24 ハードドライブ
25 キーボード
26 画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7