【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、上記のようにしてパワーモジュールを作製する際、金属ベース基板を樹脂フレームに固定する接着剤が、金属ベース基板の放熱面にはみ出してしまうことがある。この場合、金属ベース基板とヒートシンクとの間の熱抵抗が増加し、放熱性を阻害するという問題がある。放熱面にはみ出した接着剤を拭き取れば放熱性を維持できるが、接着剤の拭き取り工程が追加されるため、パワーモジュールの製造工数および製造コストが増加する。
【0006】
また、使用する接着剤の量を減らすことで接着剤のはみ出し量を低減させることができるものの、金属ベース基板と樹脂フレームとの接着強度が低下するという問題がある。さらに、接着剤によるシール性が低下するため、外部(放熱面側)の湿気が金属ベース基板の実装面側まで浸入し、不具合の原因となるおそれがある。
【0007】
なお、特許文献1に記載された金属基板構造の場合、基板の片面がすべて接着剤で覆われることになるため、上記のパワーモジュールに適用することはできない。
【0008】
そこで、本発明は、金属ベース基板と樹脂フレームとを接着させる接着剤が金属ベース基板の放熱面にはみ出すことを防止しつつ、シール性および接着強度を向上させることが可能なパワーモジュールおよびその製造方法、並びに該パワーモジュールに用いる樹脂フレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るパワーモジュールは、
一方の面が放熱面となる金属板、前記金属板の他方の面を被覆する絶縁層、および前記絶縁層の上に形成された配線パターンを有する、金属ベース基板と、
前記金属ベース基板の実装面に実装された、発熱電子部品と、
第1の面と、前記第1の面の反対面となる第2の面と、前記第1の面から前記第2の面へと貫通する開口とを有する樹脂フレームであって、前記開口に沿って前記第1の面から凹設され、かつ、前記金属ベース基板の実装面と対向する底面および前記底面と前記第1の面を接続する側面を有する基板収納部と、前記基板収納部の側面から前記開口の縁部に向かい且つ該縁部を越えないように凸設され、かつ前記金属ベース基板の辺端と当接する複数のリブと、を有する、樹脂フレームと、
前記基板収納部に塗布され前記金属ベース基板と前記樹脂フレームとを接着させるとともに、前記金属ベース基板の辺端と前記基板収納部の側面との間の空間を満たす、接着剤と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記パワーモジュールにおいて、
前記基板収納部の底面には、前記開口の縁部から前記縁部と前記リブとの間の距離よりも小さい距離を隔てて前記開口を囲うように溝部が設けられており、前記溝部は前記接着剤で充填されていてもよい。
【0011】
また、前記パワーモジュールにおいて、
前記溝部と前記側面との間における前記底面の、前記第2の面から前記第1の面方向における第1の高さは、前記溝部と前記開口との間における前記底面の、前記第2の面から前記第1の面方向における第2の高さよりも低くしてもよい。
【0012】
また、前記パワーモジュールにおいて、
前記基板収納部の底面に対する前記リブの高さは前記側面よりも低く、前記接着剤は前記リブを埋設していてもよい。
【0013】
また、前記パワーモジュールにおいて、
前記樹脂フレームに接着された前記金属ベース基板の実装面および前記実装面に実装された発熱電子部品を封止するように、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂が前記樹脂フレームと前記金属ベース基板により構成される凹部内に充填されていてもよい。
【0014】
また、前記パワーモジュールにおいて、
平板状の基部と、前記基部の一方の面に前記基部と一体的に形成された複数の放熱フィンとを有するヒートシンクをさらに備え、
前記金属ベース基板を収納した前記樹脂フレームは、前記基部の他方の面が前記金属板の放熱面と密着するように前記ヒートシンクの基部に固定されていてもよい。
【0015】
また、前記パワーモジュールにおいて、
前記リブは前記金属ベース基板の角部に2個ずつ設けられ、一方のリブは前記角部を挟む2辺のうち一方の辺と当接し、他方のリブは前記2辺のうち他方の辺と当接していてもよい。
【0016】
本発明の一態様に係る樹脂フレームは、
金属ベース基板を収納する樹脂フレームであって、
第1の面と、前記第1の面の反対面となる第2の面と、前記第1の面から前記第2の面へと貫通する開口とを有し、
前記開口に沿って前記第1の面から凹設され、かつ、金属ベース基板が収納された状態において前記金属ベース基板の実装面と対向する底面と、前記底面と前記第1の面を接続する側面とを有する、基板収納部と、
前記基板収納部の側面から前記開口の縁部に向かい、かつ該縁部を越えないように凸設された、複数のリブと、
を備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記樹脂フレームにおいて、
前記基板収納部の底面には、前記開口の縁部から前記縁部と前記リブとの間の距離よりも小さい距離を隔てて前記開口を囲うように溝部が設けられていてもよい。
【0018】
また、前記樹脂フレームにおいて、
前記溝部と前記側面との間における前記底面の、前記第2の面から前記第1の面方向における第1の高さは、前記溝部と前記開口との間における前記底面の、前記第2の面から前記第1の面方向における第2の高さよりも低くてもよい。
【0019】
また、前記樹脂フレームにおいて、
前記基板収納部の底面に対する前記リブの高さは、前記側面よりも低くてもよい。
【0020】
本発明の一態様に係るパワーモジュールの製造方法は、
一方の面が放熱面となる金属板、前記金属板の他方の面を被覆する絶縁層、および前記絶縁層の上に形成された配線パターンを有する金属ベース基板と、
前記金属ベース基板の実装面に実装された発熱電子部品と、
第1の面と、前記第1の面の反対面となる第2の面と、前記第1の面から前記第2の面へと貫通する開口とを有する樹脂フレームであって、前記開口に沿って前記第1の面から凹設され、かつ前記金属ベース基板の実装面と対向する底面および前記底面と前記第1の面を接続する側面を有する基板収納部と、前記基板収納部の側面から前記開口の縁部に向かい且つ該縁部を越えないように凸設された複数のリブと、を有する樹脂フレームと、
を備えるパワーモジュールの製造方法であって、
前記樹脂フレームの基板収納部の底面に接着剤を塗布する、塗布工程と、
前記金属ベース基板の実装面が前記基板収納部の底面と対向し且つ前記金属ベース基板の辺端が前記複数のリブと当接するように、前記金属ベース基板に圧力を加えて前記金属ベース基板を前記樹脂フレームの基板収納部に収納するとともに、前記圧力により前記基板収納部に塗布された接着剤を流動させて前記金属ベース基板の辺端と前記基板収納部の側面との間の空間に充填する、収納工程と、
前記接着剤を硬化させ、前記金属ベース基板と前記樹脂フレームとを接着させる、接着工程と、
を備えることを特徴とする。
【0021】
また、前記パワーモジュールの製造方法において、
前記樹脂フレームとして、前記基板収納部の底面に、前記開口の縁部から前記縁部と前記リブとの間の距離よりも小さい距離を隔てて前記開口を囲うように溝部が設けられたものを用い、
前記塗布工程において、前記接着剤を、所定量が前記溝部からはみ出るように前記溝部に沿って塗布してもよい。
【0022】
また、前記パワーモジュールの製造方法において、
前記樹脂フレームとして、前記溝部と前記側面との間における前記底面の、前記第2の面から前記第1の面方向における第1の高さが、前記溝部と前記開口との間における前記底面の、前記第2の面から前記第1の面方向における第2の高さよりも低く形成されたものを用いてもよい。
【0023】
また、前記パワーモジュールの製造方法において、
前記樹脂フレームとして、前記底面に対する前記リブの高さが前記側面よりも低いものを用い、
前記収納工程において、前記底面と前記金属ベース基板の実装面との間からあふれ出た接着剤で前記リブを埋設してもよい。
【0024】
また、前記パワーモジュールの製造方法において、
前記接着工程の後に、前記樹脂フレームに接着された前記金属ベース基板の実装面と、前記実装面に実装された前記発熱電子部品とを封止するように、前記樹脂フレームと前記金属ベース基板により構成される凹部内に封止樹脂を充填する封止工程をさらに備えてもよい。