(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のタッチ操作装置では、タクトスイッチをタッチ操作するときの指先と操作部との接点(以下、「タッチ点」という)が異なると、タッチ点とタクトスイッチとの間の距離が変わる。すなわち、操作部とタクトスイッチとの接点と操作部のタッチ点との間の距離が異なる。また、操作部のタッチ点に作用する指先等からの力の向きと、操作部とタクトスイッチとの接点に作用する操作部からの力の向きとが同じである。
【0006】
このため、タッチ点が異なる場合にタクトスイッチを同じ距離だけ押下するためには、指先等によって操作部を押下するときに必要な力及びストローク量が異なってしまう。従って、タッチ点に応じてタッチ操作の感覚(操作感)が異なってしまう。
【0007】
本発明は、タクトスイッチのような弾性的に付勢する部材によって、タッチ操作の操作感を生じさせるタッチ操作装置において、タッチ操作するときのタッチする位置に依る操作感の違いを著しく低減できるタッチ操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のタッチ操作装置は、
押圧を伴うタッチ操作
が可能な操作部を有する第1部材と、前記第1部材を弾性的に付勢する付勢部材と、前記タッチ操作
による押圧又は前記付勢部材
の付勢によって前記第1部材が移動することで、該第1部材との相対的な位置が変化する第2部材とを備え、前記第1部材又は前記第2部材は、所定の方向に向かって前記操作部から離れるように傾斜すると共に、前記第2部材又は前記第1部材と接触する1又は複数の傾斜面を有し、前記第1部材は、前記操作部が前記タッチ操作されたときに、前記傾斜面に沿って移動し、前記付勢部材は、前記第1部材を、前記タッチ操作されたときに前記第1部材が移動する方向とは反対方向に、前記第1部材が移動するように付勢して
おり、前記傾斜面と前記第2部材又は前記第1部材とが接触している1又は複数の接触部は、前記操作部側から前記第1部材側に向かって見たときに、前記1の接触部の縁によって画定される1の領域、又は前記複数の接触部の各々の縁によって画定される複数の領域の各々の領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域のうち最大の領域に、前記操作部の縁によって画定される領域が含まれるように配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、操作部が操作者の指先等でタッチ操作されることで、当該操作部には、タッチ操作による力が作用する。この操作による力は、操作部側から該操作部側とは反対側に向かって、操作部の法線方向(若しくは、それに近い方向)に沿う方向の力である。このため、操作部が固定された第1部材には、タッチ操作による力が操作部を介して伝達される。
【0010】
第1部材又は第2部材が有する傾斜面は、第2部材又は第1部材に接触する。詳細には、第1部材が傾斜面を有している場合、当該傾斜面は第2部材に接触する。第2部材が傾斜面を有している場合、当該傾斜面は第1部材に接触する。第1部材及び第2部材が傾斜面を有している場合、互いの傾斜面が接触する。
【0011】
このため、第1部材は、傾斜面に沿って前記所定の方向に向かって付勢部材の付勢に抗うように移動する。このとき、操作者の指先には、付勢部材が付勢する力が、第1部材を介して伝達される。これにより、操作者は、操作部をタッチ操作するときの操作感を感じる。
【0012】
このとき、タッチ操作による力は、傾斜面によって付勢部材の付勢に抗う方向の力に変換される。このため、操作部のいずれの位置をタッチ操作した場合であっても、当該タッチ操作による力の方向は、傾斜面によって当該傾斜面に沿う前記所定の方向の力に変換される。このとき、タッチ操作される操作部の位置がいずれの位置であっても、そのタッチ操作する力(大きさ及び向き)が一定であるならば、傾斜面によって変換された力(大きさ及び向き)が一定となる。このため、タッチ操作によって、第1部材を介して付勢部材を、当該付勢部材の付勢に抗う方向に付勢する力(大きさ及び向き)が一定となる。
【0013】
以上のように、弾性的に付勢する付勢部材によってタッチ操作の操作感を生じさせるタッチ操作装置において、タッチ操作するときのタッチする位置に依る操作感の違いを著しく低減できる。
【0014】
以下、「前記1の接触部の縁によって画定される1の領域」又は「前記複数の接触部の各々の縁によって画定される複数の領域の各々の領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域のうち最大の領域」を「最大接触領域」といい、「前記操作部の縁によって画定される領域」を「操作領域」という。
【0015】
さらに、本発明においては、操作部のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、最大接触領域に、当該タッチ操作された位置が含まれる。このとき、最大接触領域は、「所定の傾斜面と、第2部材又は第1部材とが接触している1又は複数の領域の各々の領域(以下、「接触領域」という)」、「2つの所定の接触領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域(以下、「二面支持領域」という)」、及び「3つの所定の接触領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域(以下、「三面支持領域」という)」のいずれかに該当する。
【0016】
接触領域においては、傾斜面と、第2部材又は第1部材とが接触している。従って、操作部の接触領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、第1部材が第2部材に対して回転する力が作用することがない。
【0017】
二面支持領域は、2つの接触領域と、非接触領域とからなる。該非接触領域においては、傾斜面と、第2部材又は第1部材とは接触していない。しかしながら、非接触領域にある点は全て、2つの接触領域のうち一方の接触領域にある所定の点と、他方の接触領域にある所定の点とを結ぶ線分上に位置する。換言すると、当該線分の両端部において、傾斜面と、第2部材又は第1部材とが接触している。従って、操作部の非接触領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、第1部材が第2部材に対して回転する力が作用することがない。ひいては、操作部の二面支持領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、第1部材が第2部材に対して回転する力が作用することがない。
【0018】
三面支持領域は、3つの二面支持領域と、該3つの二面支持領域に囲まれた中央非接触領域とからなる。なお、3つの二面支持領域は、接触領域及びその近辺で互いに領域が重複している。中央非接触領域は、3つの接触領域のうち所定の2つの接触領域によって決定される所定の二面支持領域と、該所定の2つの接触領域ではない残りの1つの接触領域との間に位置する。仮に、残りの1つの接触領域が存在せずに所定の二面支持領域のみが存在している場合においては、操作部の所定の二面支持領域外に対応する位置がタッチ操作された場合には、所定の二面支持領域を基準として、第1部材が第2部材に対して回転する力が生じる。
【0019】
しかしながら、三面支持領域の中央接触領域は、所定の二面支持領域と前記残りの1つの接触領域との間に位置する。従って、該残りの1つの接触領域によって、所定の二面支持領域を基準として第1部材が第2部材に対して回転する力が阻止され、第1部材が第2部材に対して回転する力が作用することがない。従って、操作部の中央接触領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、第1部材が第2部材に対して回転する力が作用することがない。ひいては、操作部の三面支持領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、第1部材が第2部材に対して回転する力が作用することがない。
【0020】
以上のように、操作部のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、第1部材に、当該第1部材が第2部材に対して回転するような力が作用することがない。すなわち、タッチ操作による力の方向が安定する。これにより、第1部材によって、付勢部材を付勢するときの力も安定し、更に安定した操作感を発生させることができる。
【0021】
本発明において、前記付勢部材の付勢によって、前記第1部材が、前記第1部材と前記第2部材との相対的な位置関係によって決定される所定の位置よりも前記付勢部材の付勢方向側に移動することを防止する係止部材が配置されていることが好ましい。第1部材は、付勢部材の付勢方向側に向かって移動する。このとき、第1部材が、所定の位置に配置されるようにするためには、付勢部材の付勢する力又は付勢部材の構成部材の大きさ等を調整する必要がある。
【0022】
そこで、係止部材によって、第1部材が所定の位置よりも付勢部材の付勢方向側に移動することを防止することで、付勢部材の付勢する力又は付勢部材の構成部材の大きさ等を調整することなく、第1部材を所定の位置に配置することができる。従って、付勢部材の付勢する力又は付勢部材の構成部材の大きさ等を調整が不要となり、当該タッチ操作装置の製造コストを削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のタッチ操作装置について説明する。
図1及び
図2に示されるように、本実施形態のタッチ操作装置1は、所謂タッチパネル装置であり、操作筐体2と、可動筐体3と、固定部材4と、タクトスイッチ5と、係止部材6とを備える。
【0025】
操作筐体2は、略平板状に形成されている。操作筐体2は、操作面2aがタッチ操作されたときに生じる静電容量の変化を検知することで、タッチ操作された操作面2a上の座標を検知する静電容量式のタッチセンサである。操作筐体2は、上面の全面が操作面2aとなっている。また、操作筐体2は、透光性を有する部材(例えば、透光性ガラス板、透光性プラスチック板又は透明電極等)で構成されている。このため、操作筐体2は、操作面2aとは反対側を、操作面2a側から観察することができる。なお、操作筐体2は、静電容量式のタッチセンサに限らず、電圧値の変化を検知する抵抗膜方式のタッチセンサであってもよいし、その他の方式のタッチセンサであってもよい。ここで、操作面2aが本発明における「操作部」に相当する。
【0026】
可動筐体3は、直方体の底面(
図2の下側の面)3bの全面が、操作筐体2に対して傾斜するように形成されている(以下、この傾斜した底面3bを「第1傾斜面3b」という)。第1傾斜面3bは、
図2の右側から左側に向かって操作面2aから離れるように傾斜している。これにより、可動筐体3は、各側面のうち
図2の左側の側面が、長さ(操作筐体2の上端から可動筐体3の下端までの長さ)が最も長くなる(以下、当該側面を「最長側面3c」という)。
【0027】
また、可動筐体3は、
図2の上側から下側に向かって見たときに、当該可動筐体3の縁が、操作筐体2の縁と同じ大きさとなるように形成されている。可動筐体3には、上面が開口した開口部3aが形成されている。可動筐体3の開口部3aには、液晶ディスプレイ等で構成される表示部7が格納されている。上述したように、操作筐体2が透光性を有する部材で構成されているので、当該タッチ操作装置1の操作者は、操作筐体2を介して表示部7に表示されている内容を見ることができる。可動筐体3は、第1傾斜面3bとは反対側(
図2の上側)が、接着剤8によって操作筐体2に固定されている。また、可動筐体3の底面には、その傾斜面に沿うように、且つ
図2の下側に向かって突出した凸部3dが設けられている。
【0028】
ここで、可動筐体3が、本発明における「第1部材」に相当する。また、本実施形態のように形成されている可動筐体3の第1傾斜面3bが、本発明における「所定の方向に向かって前記操作部から離れるように傾斜すると共に、前記第2部材と接触する1の傾斜面」に相当する。
【0029】
固定部材4は、図外の部材に固定された部材であり、直方体の上面(
図2の上側の面)4aの全面が、操作面2aに対して傾斜するように形成されている(以下、この傾斜した上面4aを「第2傾斜面4a」という)。また、固定部材4は、
図2の上側から下側に向かって見たときに、当該固定部材4の縁が、操作筐体2の縁及び可動筐体3の縁と同じ大きさとなるように形成されている。また、固定部材4の上面には、その傾斜面に沿うように、且つ
図2の下側に向かって凹んだ凹部4bが設けられている。この凹部4bは、可動筐体3及び固定部材4が配置された状態において、可動筐体3に設けられた凸部3dと係合する。このとき、タッチ操作装置1として、可動筐体3と固定部材4とを配置した状態において、第2傾斜面4aの全面は、第1傾斜面3bの全面に接触している(以下、当該接触している部位を「接触部CT」という)。ここで、接触部CTが、本発明における「前記傾斜面と前記第2部材又は前記第1部材とが接触している1の接触部」に相当する。
【0030】
以上のように凸部3dと凹部4bとが係合することで、可動筐体3と固定部材4とは、
図2の法線方向における相対的な位置が変化することが防止されている。ここで、固定部材4が、本発明における「第2部材」に相当する。また、本実施形態のように形成されている固定部材4の第2傾斜面4aが、本発明における「前記第1傾斜面に接触する1の第2傾斜面」に相当する。本発明における「所定の方向に向かって前記操作部から離れるように傾斜すると共に、前記第1部材と接触する1の傾斜面」に相当する。
【0031】
可動筐体3の底面の全面に1つの第1傾斜面3bが設けられている。また、固定部材4の上面の全面に1つの第2傾斜面4aが設けられている。また、操作筐体2は、上面の全面が操作面2aである。更に、
図2の上側から下側に向かって見たときに、固定部材4の縁は、操作筐体2の縁及び可動筐体3の縁と同じ大きさである。すなわち、操作面2a側から可動筐体3側に向かって(
図2の上側から下側に向かって)見たときに、第1傾斜面3bの縁によって画定される領域(以下、「第1領域」という)と、第2傾斜面4aの縁によって画定される領域(以下、「第2領域」という)と、操作面2aの縁によって画定される領域(以下、「操作領域RO」という)とが全て同一である。
【0032】
このため、第1傾斜面3bと第2傾斜面4aとが接触している領域(以下、「最大接触領域」という)RCは、第1領域及び第2領域と同一であり、ひいては操作領域ROと同一である。このとき、操作領域ROが最大接触領域RCと同一であるので、操作領域ROが最大接触領域RCに含まれているとみなせる。また、本実施形態においては、第1傾斜面3bと第2傾斜面4aとが接触している接触部CTは、1つのみであり、最大接触領域RCと同一である。
【0033】
ここで、最大接触領域RCが、本発明における「前記1の接触部の縁によって画定される1の領域」に相当する。また、操作領域ROが、本発明における「前記操作部の縁によって画定される領域」に相当する。また、「操作領域ROが最大接触領域RCに含まれている」ことが、本発明における「前記1の接触部の縁によって画定される1の領域に、前記操作部の縁によって画定される領域が含まれる」ことに相当する。
【0034】
タクトスイッチ5は、押圧部51と固定部52とバネ53とを備える。押圧部51は、円柱状に形成されている。押圧部51の底面には、フランジ51aが当該押圧部51と一体に形成されている。固定部52は、中空の円柱状に形成されている。固定部52は、円柱状の径方向の大きさが、押圧部51のフランジ51aの径方向の大きさより大きく形成されている。固定部52は、その上面(
図2の右側の面)には、貫通孔52aが設けられている。貫通孔52aの径方向の大きさは、押圧部51の円柱状部分(フランジ51a以外の部分)の径方向の大きさより若干大きく形成されている。
【0035】
固定部52の中空部には、押圧部51及びバネ53が配置される。バネ53は、板バネである。このとき、押圧部51は、フランジ51aが固定部52の中空部に位置すると共に、押圧部51のフランジ51aとは反対側が、貫通孔52aから突出するように配置される。以下、貫通孔52aから突出している押圧部51のフランジ51aが設けられている側とは反対側の面を、押圧面51bという。そして、バネ53は、押圧部51のフランジ51a側の底面を、押圧面51b側に向かって(
図2の右方向に向かって)弾性的に付勢するように配置されている。
【0036】
これにより、押圧部51は、押圧面51bがフランジ51a側に向かって(
図2の左方向に向かって)押圧されたときに、バネ53の付勢に抗って
図2の左方向に向かって移動する(
図2(b))。また、押圧部51は、押圧面51bが押圧されていないときに、バネ53の付勢によって
図2の右方向に向かって移動する。このとき、押圧部51は、フランジ51aが固定部52の内壁に当接することで
図2の右方向への移動が停止される(
図2(a))。
【0037】
タクトスイッチ5は、可動筐体3の最長側面3cに、押圧面51bが当接するように配置されている。これにより、タクトスイッチ5のバネ53は、可動筐体3の最長側面3cを、当該最長側面3c側からその反対の側面側に向かって(
図2の右方向へ)弾性的に付勢する。ここで、バネ53が、本発明における「付勢部材」に相当する。
【0038】
係止部材6は、可動筐体3と固定部材4とが配置された状態において、可動筐体3及び固定部材4の側面のうち、最長側面3cとは反対側(
図2の右側)の側面に接触するように配置される。
【0039】
操作筐体2の操作面2aがタッチ操作されていないとき、
図2(a)に示されるように、可動筐体3及び固定部材4は、各々の各側面が互いに一致するように配置される。このとき、可動筐体3及び固定部材4は、可動筐体3の最長側面3c側とは反対側の側面が、係止部材6に接触している。以下、このように、可動筐体3と固定部材4との相対的な位置関係において、可動筐体3が上記のように配置されている位置を「初期位置」という。ここで、初期位置が、本発明における「所定の位置」に相当する。
【0040】
このとき、可動筐体3は、タクトスイッチ5のバネ53によって
図2の右方向へ弾性的に付勢されている。また、可動筐体3は、係止部材6によって、初期位置よりも右側に移動することが防止されている。このような係止部材6による防止が、本発明における「前記第1部材が、前記第1部材と前記第2部材との相対的な位置関係によって決定される所定の位置よりも前記付勢部材の付勢方向側に移動することを防止」することに相当する。
【0041】
また、固定部材4は、図外の部材に固定されているので、バネ53の付勢する力が伝達されても、図外の部材との相対的な位置関係が変化しない。以上のように、可動筐体3は、操作面2aがタッチ操作されていないとき、バネ53及び係止部材6によって初期位置に配置される。
【0042】
操作筐体2の操作面2aが操作者の指先等によってタッチ操作されているとき、操作筐体2は、操作面2aの法線方向(もしくは、それに近い方向)に沿って、当該操作面2a側から可動筐体3側(
図2の下方向)に向かって押圧される。操作筐体2は、可動筐体3に固定されている。このため、タッチ操作の押圧により操作筐体2に作用した力(以下、「押圧力」という)Fpは、可動筐体3に同じ向きの力として伝達される。可動筐体3の第1傾斜面3bは、固定部材4の第2傾斜面4aに接触している。固定部材4は、図外の部材に固定されているため、押圧力Fpが伝達されても図外の部材との相対的な位置関係は変化しない。このため、可動筐体3は、伝達された力によって、第2傾斜面4aに沿って、「押圧方向」と「係止部材6側から最長側面3c側に向かう方向」との間にある方向(すなわち、
図2の左下方向)に向かって移動する。以下、タッチ操作によって可動筐体3が移動する方向を「移動方向」という。また、可動筐体3が「移動方向」に移動するときの力を「移動力Fm」という。
【0043】
詳細には、押圧力Fpは、固定部材4の第2傾斜面4aによって、「タッチ操作による押圧方向の力(操作面2aの法線方向の力。以下、この力を「第1成分の力」という)Fm1」と、「当該押圧方向に直交する力(バネ53の付勢方向とは反対方向の力。以下、この力を「第2成分の力」という)Fm2」とで合成される移動力Fmに変換されて可動筐体3に作用する。これによって、可動筐体3が移動方向に向かって移動する。
【0044】
また、タクトスイッチ5は、押圧面51bが最長側面3cに当接するように配置されている。このため、タクトスイッチ5は、
図2(b)に示されるように、操作面2aが押圧されることで可動筐体3が移動方向に向かって移動したとき、可動筐体3は、第2成分の力Fm2で、バネ53を当該バネ53の付勢に抗って
図2の左方向に向かって押圧する。このときの、可動筐体3にバネ53から作用している力(バネ53の
図2の右方向に付勢する力)が、操作面2aをタッチ操作している操作者の指先に伝達される。これにより、操作者は、操作面2aをタッチ操作することによる操作感を感じる。
【0045】
第1傾斜面3b及び第2傾斜面4aの傾斜角度が一定であると共に押圧力Fpが一定であるならば、操作面2aのいずれの場所をタッチ操作した場合であっても、移動力Fm、ひいては、第1成分の力Fm1及び第2成分の力Fm2は一定である。このため、タッチ操作によって、バネ53を、当該バネ53の付勢に抗う方向に可動筐体3を移動させる力(本実施形態では第2成分の力Fm2)が一定となる。このとき、バネ53が付勢する力も一定である。従って、タッチ操作によるときのタッチする位置に依らずに、一定の操作感(本実施形態の例ではバネ53の付勢に抗うことで生じる感覚)を得ることができる。このため、タッチ操作するときのタッチする位置に依る操作感の違いを著しく低減できる。
【0046】
また、本実施形態においては、上述したように、第1領域及び第2領域の領域に操作領域ROが含まれるように(本実施形態では、第1領域、第2領域、及び操作領域ROが同等)、第1傾斜面3b、第2傾斜面4a、及び操作面2aの相対的な位置が決定されている。これにより、操作面2aのいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、当該タッチされた位置が、第1領域及び第2領域に含まれる。従って、可動筐体3を、固定部材4に対して回転するような力が作用することがない。すなわち、タッチ操作による力の方向が安定する。これにより、可動筐体3によって、タクトスイッチ5の押圧部51(ひいてはバネ53)を押圧するときの力も安定し、更に安定した操作感を発生させることができる。
【0047】
操作面2aのタッチ操作が停止され、操作者の指先等が操作面2aから離れた場合には、可動筐体3を
図2の左下方向に向かって移動させる力が無くなる。これにより、可動筐体3は、タクトスイッチ5のバネ53の付勢によって第2傾斜面4aに沿って、タッチ操作されたときの移動方向とは反対方向(
図2の右上方向)に向かって移動する。このとき、上述したように、可動筐体3は、係止部材6によって初期位置よりも右側に移動することが防止されている。これにより、可動筐体3及び固定部材4は、
図2(a)に示される状態となる。
【0048】
仮に、係止部材6が配置されていない場合には、「タクトスイッチ5のバネ53の付勢する力」又は「タクトスイッチ5を構成する各部材の大きさ」等を、可動筐体3が初期位置に配置されるように調整する必要がある。これに対し、本実施形態のように係止部材6を配置することで、バネ53の付勢する力等を調整することなく、可動筐体3を簡易に初期位置に配置することができ、ひいては、当該タッチ操作装置の製造コストを削減することができる。
【0049】
このように、「バネ53が、可動筐体3が第2傾斜面4aに沿って移動方向とは反対方向に向かって移動するように、可動筐体3を
図2の右方向へ付勢している」ことが、本発明における「前記付勢部材は、前記第1部材を、前記タッチ操作されたときに前記第1部材が移動する方向とは反対方向に、前記第1部材が移動するように付勢している」ことに相当する。
【0050】
[第2実施形態]
次に、
図3及び
図4を参照して、本発明の第2実施形態のタッチ操作装置10について説明する。第2実施形態のタッチ操作装置10は、「可動筐体3に設けられる第1傾斜面と、固定部材4に設けられる第2傾斜面が、複数設けられている」点が、第1実施形態のタッチ操作装置1と異なっている。
【0051】
詳細には、可動筐体3には、直方体の底面の四隅に、4つの第1傾斜面13a〜13dが形成されている。4つの第1傾斜面13a〜13dの各々は、
図4の右側から左側に向かって操作面2aから離れるように傾斜している。このとき、4つの第1傾斜面13a〜13dの傾斜角(例えば、操作面2aに平行な面と当該傾斜面13a〜13dに平行な面との交点の角度)は全て同じに設定されている。また、4つの第1傾斜面13a〜13dの各々の面には、第1実施形態のタッチ操作装置1の第1傾斜面3bと同様に、
図4の上側に向かって突出した凸部3dが設けられている。
【0052】
また、固定部材4には、直方体の上面の四隅に、4つの第1傾斜面13a〜13dに対応するように、4つの第2傾斜面14a〜14dが形成されている。このとき、4つの第2傾斜面14a〜14dの傾斜角(例えば、操作面2aに平行な面と当該傾斜面14a〜14dに平行な面との交点の角度)は全て同じに設定されている。また、4つの第2傾斜面14a〜14dの各々の面には、第1実施形態のタッチ操作装置1の第2傾斜面4aと同様に、
図4の下側に向かって凹んだ凹部4bが設けられている。この凹部4bは、可動筐体3及び固定部材4とが配置された状態において、可動筐体3に設けられた凸部3dと係合する。
【0053】
このとき、タッチ操作装置10として、可動筐体3と固定部材4とを配置した状態において、4つの第1傾斜面13a〜13dの各々は、4つの第2傾斜面14a〜14dの各々に、4つの接触部CTa〜CTdで接触している。ここで、4つの接触部CTa〜CTdが、本発明における「前記傾斜面と前記第2部材又は前記第1部材とが接触している複数の接触部」に相当する。
【0054】
ここで、操作面2a側から可動筐体3側に向かって(
図4の上側から下側に向かって)見たときに、「4つの接触部CTa〜CTdの縁によって画定される複数の領域の各々の領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域のうち最大の領域」を「最大接触領域RC」と定義する。
【0055】
4つの接触部CTa〜CTdは、最大接触領域RCに、操作領域ROが含まれるように配置される。すなわち、4つの接触部CTa〜CTdが当該配置となるように、可動筐体3の4つの第1傾斜面13a〜13d、固定部材4の4つの第2傾斜面14a〜14d、及び操作面2aの各々の相対的な位置関係が決定される。詳細には、4つの第1傾斜面13a〜13dを可動筐体3の底面の四隅に配置し、4つの第2傾斜面14a〜14dを固定部材4の底面の四隅に配置し、操作面2aを操作筐体2の全面に配置する。また、操作面2a側から可動筐体3側に向かって見たときに、操作筐体2、可動筐体3、及び固定部材4の縁は、同一である。このように上記相対的な位置関係が決定されることで、最大接触領域RCに、操作領域ROが含まれる。
【0056】
このように4つの接触部CTa〜CTdが配置されることが、本発明における「前記傾斜面と前記第2部材又は前記第1部材とが接触している複数の接触部は、前記操作部側から前記第1部材側に向かって見たときに、前記複数の接触部の各々の縁によって画定される複数の領域の各々の領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域のうち最大の領域に、前記操作部の縁によって画定される領域が含まれるように配置される」に相当する。
【0057】
また、固定部材4の上面は、タッチ操作によって可動筐体3が移動するときに、「可動筐体3の4つの第1傾斜面13a〜13dの先端(詳細には、それに設けられた凸部3d)が、固定部材4の上面に当接することで可動筐体3の移動を邪魔すること」を回避できる位置に形成されている。また、可動筐体3の底面は、タッチ操作によって可動筐体3が移動するときに、「固定部材4の4つの第2傾斜面14a〜14dの先端(操作面2aに最も近い部位)が、可動筐体3の底面に当接することで可動筐体3の移動を邪魔すること」を回避できる位置に形成されている。
【0058】
タッチ操作装置10は、4つの第1傾斜面13a〜13dと4つの第2傾斜面14a〜14dとが接触している。これにより、タッチ操作時の押圧力Fpは、第1実施形態のタッチ操作装置1と同様に、4つの第2傾斜面14a〜14dによって、「タッチ操作による押圧方向(操作面2aの法線方向)の力である第1成分の力Fm1」と、「当該押圧方向に直交する(バネ53の付勢方向とは反対方向の)力である第2成分の力Fm2」とで合成される移動力Fmに変換されて可動筐体3に作用する。これによって、可動筐体3が移動方向に向かって移動する。
【0059】
また、タクトスイッチ5は、第1実施形態のタッチ操作装置1と同様に、押圧面51bが、可動筐体3の左端部の側面である最長側面3cに当接するように配置されている。このため、タクトスイッチ5は、
図4(b)に示されるように、操作面2aが押圧されることで可動筐体3が移動方向に向かって移動したとき、可動筐体3は、第2成分の力Fm2で、バネ53を当該バネ53の付勢に抗って
図4の左方向に向かって押圧する。このときの、可動筐体3にバネ53から作用している力(バネ53の
図4の右方向に付勢する力)が、操作面2aをタッチ操作している操作者の指先に伝達される。これにより、操作者は、操作面2aをタッチ操作することによる操作感を感じる。
【0060】
4つの第1傾斜面13a〜13d及び4つの第2傾斜面14a〜14dの傾斜角度が一定であると共に押圧力Fpが一定であるならば、操作面2aのいずれの場所をタッチ操作した場合であっても、移動力Fm、ひいては、第1成分の力Fm1及び第2成分の力Fm2は一定である。このため、タッチ操作によって、バネ53を、当該バネ53の付勢に抗う方向に可動筐体3を移動させる力(本実施形態では第2成分の力Fm2)が一定となる。このとき、バネ53が付勢する力も一定である。従って、タッチ操作によるときのタッチする位置に依らずに、一定の操作感(本実施形態の例ではバネ53の付勢に抗うことで生じる感覚)を得ることができる。このため、タッチ操作するときのタッチする位置に依る操作感の違いを著しく低減できる。
【0061】
また、第2実施形態のタッチ操作装置10では、可動筐体3に、
図4の左側の二隅に配置されている第1傾斜面13a,13cと、
図4の右側の二隅に配置されている第1傾斜面13b,13dとが設けられている。このように複数の傾斜面を、移動方向(詳細には、第2成分の力Fm2の方向)に対して位置をずらして配置することで(左側と右側にずらして配置することで)、位置をずらさずに配置するものに比べて、これらの傾斜面の傾斜角を同じとする場合には、可動筐体3及び固定部材4の
図4の上下方向の長さを短くすることができる。これにより、タッチ操作装置10を小型化することが可能となる。
【0062】
ここで、第2実施形態のタッチ操作装置10の可動筐体3に設けられる4つの第1傾斜面13a〜13dが、本発明における「前記操作部とは反対側に、所定の方向に向かって前記操作部から離れるように傾斜した複数の第1傾斜面」に相当する。また、固定部材4に設けられる4つの第2傾斜面14a〜14dが、本発明における「前記第1傾斜面に接触する複数の第2傾斜面」に相当する。
【0063】
また、本実施形態においては、上述したように、第1領域及び第2領域の領域に操作領域ROが含まれるように(本実施形態では、第1領域、第2領域、及び操作領域ROが同等)、4つの第1傾斜面13a〜13d、4つの第2傾斜面14a〜14d、及び操作面2aの相対的な位置が決定されている。これにより、操作面2aのいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、当該タッチされた位置が、第1領域及び第2領域に含まれる。従って、可動筐体3を、固定部材4に対して回転するような力が作用することがない。すなわち、タッチ操作による力の方向が安定する。これにより、可動筐体3によって、タクトスイッチ5の押圧部51(ひいてはバネ53)を押圧するときの力も安定し、更に安定した操作感を発生させることができる。
【0064】
また、第2実施形態のタッチ操作装置10における係止部材6の効果は、第1実施形態のタッチ操作装置1と同様である。その他、第2実施形態のタッチ操作装置10において、第1実施形態のタッチ操作装置1と同様の構成を有するものについては、同様の効果が得られる。
【0065】
なお、第1実施形態において、操作面2a側から可動筐体3側に向かって見たときに(
図2の上側から下側に向かって見たときに)、操作筐体2、可動筐体3、及び固定部材4の各々の縁が、同じ大きさとなるように形成されている。そして、操作面2aが操作筐体2の上面の全面であり、可動筐体3の底面の全面に第1傾斜面3bが形成され、固定部材4の底面の全面に第2傾斜面4aが形成されている。また、第2実施形態において、操作面2a側から可動筐体3側に向かって見たときに(
図4の上側から下側に向かって見たときに)、操作筐体2、可動筐体3、及び固定部材4の各々の縁が、同じ大きさとなるように形成されている。そして、操作面2aが操作筐体2の上面の全面であり、可動筐体3の底面の四隅に4つの第1傾斜面13a〜13dが形成され、固定部材4の底面の四隅に4つの第2傾斜面14a〜14dが形成されている。従って、第1実施形態及び第2実施形態において、最大接触領域RCと操作領域ROは、大きさ及び配置が同じとなっている。すなわち、2つの領域RO,RCは一致している。
【0066】
しかしながら、2つの領域RO,RCは、一致している必要はなく、最大接触領域RCに、操作領域ROが含まれていればよい。例えば、第1実施形態又は第2実施形態のタッチ操作装置(1,10)の操作面2aを、操作筐体2の上面よりも小さい領域となるように構成すれば、最大接触領域RCは、操作筐体2の上面と同じ大きさ及び配置となる。また、操作領域ROは、最大接触領域RCよりも小さく、且つ当該領域RCに含まれる位置に配置される領域となる。
【0067】
この場合であっても、操作領域ROが、最大接触領域RCに含まれているので、操作面2aのいずれの位置をタッチ操作された場合であっても、タッチ操作の押圧力Fpが可動筐体3に伝達されたとき、その押圧力Fpの可動筐体3に対する作用点が、最大接触領域RCに含まれることとなる。
【0068】
これにより、操作面2aのいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、最大接触領域RCに、当該タッチ操作された位置が含まれる。このとき、最大接触領域RCは、「所定の傾斜面と、固定部材4又は可動筐体3とが接触している1又は複数の領域の各々の領域(以下、「接触領域」という。なお、接触領域は、接触部(CT又はCTa〜CTd)と同じであるが、説明の都合上名称を変更した)」、「2つの所定の接触領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域(以下、「二面支持領域」という)」、及び「3つの所定の接触領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域(以下、「三面支持領域」という)」のいずれかに該当する。
【0069】
接触領域においては、傾斜面と、固定部材4又は可動筐体3とが接触している。従って、操作面2aの接触領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が作用することがない。
【0070】
二面支持領域は、2つの接触領域と、非接触領域とからなる。該非接触領域においては、傾斜面と、固定部材4又は可動筐体3とは接触していない。しかしながら、非接触領域にある点は全て、2つの接触領域のうち一方の接触領域にある所定の点と、他方の接触領域にある所定の点とを結ぶ線分上に位置する。換言すると、当該線分の両端部において、傾斜面と、固定部材4又は可動筐体3とが接触している。従って、操作面2aの非接触領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が作用することがない。ひいては、操作部の二面支持領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が作用することがない。
【0071】
三面支持領域は、3つの二面支持領域と、該3つの二面支持領域に囲まれた中央非接触領域とからなる。なお、3つの二面支持領域は、接触領域及びその近辺で互いに領域が重複している。中央非接触領域は、3つの接触領域のうち所定の2つの接触領域によって決定される所定の二面支持領域と、該所定の2つの接触領域ではない残りの1つの接触領域との間に位置する。仮に、残りの1つの接触領域が存在せずに所定の二面支持領域のみが存在している場合においては、操作部の所定の二面支持領域外に対応する位置がタッチ操作された場合には、所定の二面支持領域を基準として、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が生じる。
【0072】
しかしながら、三面支持領域の中央非接触領域は、所定の二面支持領域と前記残りの1つの接触領域との間に位置する。従って、該残りの1つの接触領域によって、所定の二面支持領域を基準として可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が阻止され、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が作用することがない。従って、操作面2aの中央非接触領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が作用することがない。ひいては、操作部の三面支持領域に対応する位置のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が作用することがない。
【0073】
以上のように、最大接触領域RCに、当該タッチ操作された位置が含まれるのであれば、操作部のいずれの位置がタッチ操作された場合であっても、可動筐体3に、当該可動筐体3が固定部材4に対して回転するような力が作用することがない。すなわち、タッチ操作による力の方向が安定する。これにより、可動筐体3によって、バネ53を付勢するときの力も安定し、更に安定した操作感を発生させることができる。従って、最大接触領域RCに、当該タッチ操作された位置が含まれるのであれば、タッチ操作するときのタッチする位置に依る操作感の違いを著しく低減できるという本発明の効果が得られる。
【0074】
また、本発明において、操作領域ROが、最大接触領域RCに厳密に含まれている必要はない。すなわち、「可動筐体3が固定部材4に対して回転する力が発生しない」又は「回転する力が発生した場合であっても、タッチ操作時の操作感の変化を感じさせない程度」であれば、最大接触領域RCより操作領域ROが大きいものであってもよい。この場合であっても、タッチ操作するときのタッチする位置に依る操作感の違いを著しく低減できるという本発明の効果が得られる。
【0075】
また、タッチ操作によって可動筐体3が固定部材4に対して相対的に移動するときの
図2又は
図4の左右方向への移動距離は、タッチ操作の操作者が移動したことを感知できない又は感知できたとしてもタッチ操作にほぼ影響を与えない程度に設定することで(例えば、0.1〜0.5[mm]等)、タッチ操作装置の操作感を向上させることができる。また、タッチ操作によって、可動筐体3が固定部材4に対して相対的に移動したとき、これに伴って、操作領域ROが移動すると共に、接触部(CT又はCTa〜CTd)が変化するので最大接触領域RCが変化する。このように操作領域ROが移動すると共に、最大接触領域RCが変化した場合であっても、操作領域ROが最大接触領域RCに含まれるように、接触部(CT又はCTa〜CTd。ひいては、傾斜面3b,4a,13a〜13d,14a〜14d)が配置されていると、更に効果的に安定した操作感を得ることができる。
【0076】
また、第2実施形態のタッチ操作装置10では、
図3に示されるように、4つの第1傾斜面13a〜13d及び4つの第2傾斜面14a〜14dが長方形の四隅に配置されているため、4つの接触部CTa〜CTdが長方形の四隅に配置されている。しかしながら、4つの接触部が長方形の四隅に配置されていないような場合、最大接触領域RCは
図5に例示されるようになる(
図5は、操作面2a側から可動筐体3側に向かって見たときの、複数の接触部の互いの相対的な配置関係を概念的に示す図である)。
【0077】
図5では、4つの接触部として、左上の接触部101、右上の接触部102、右下の接触部103、及び左下の接触部104がある。右上の接触部102は、左上の接触部101に対して
図5の上側且つ右側に配置されている。右下の接触部103は、左上の接触部101に対して下側に配置されると共に、右上の接触部102に対して下側且つ左右方向が同一になるように配置されている。左下の接触部104は、右下の接触部103に対して上側且つ左側に配置されていると共に、左上の接触部101に対して下側且つ左側に配置されている。
【0078】
このように4つの接触部101〜104が配置されているときの「4つの接触部101〜104の各々の縁によって画定される各々の領域内の全ての点を互いに線分で結んだときに縁が画定される領域のうち最大の領域」とは、次に示される領域となる。当該領域の縁は、「左上の接触部101の左上の頂点101a」、「左上の接触部101の右上の頂点101b」、「右上の接触部102の左上の頂点102a」、「右上の接触部102の右上の頂点102b」、「右下の接触部103の右下の頂点103c」、「右下の接触部103の左下の頂点103d」、「左下の接触部104の左下の頂点104d」、「左下の接触部104の左上の頂点104a」、及び「左上の接触部101の左上の頂点101a」の順番に、各々の頂点を線分で接続して得られる多角形となる。
【0079】
また、接触部の数は、第1実施形態では1であり、第2実施形態では4であったが、これに限らず、2、3、又は5以上であってもよい。同様に、第1傾斜面及び第2傾斜面の数も、1又は4である必要はなく、2、3、又は5以上であってもよい。また、必ずしも、第1傾斜面と第2傾斜面とが同じ数である必要はない。例えば、第1部材に第1傾斜面を1つだけ設け、第2部材に、当該第1傾斜面に接触するように複数の第2傾斜面を設けてもよい。同様に、第2部材に第2傾斜面を1つだけ設け、第1部材に、当該第2傾斜面に接触するように複数の第1傾斜面を設けてもよい。更に、第1部材に複数の第1傾斜面を設け、第2部材に第1傾斜面の数とは異なる数の複数の傾斜面を設けてもよい。
【0080】
また、第1実施形態及び第2実施形態においては、可動筐体3及び固定部材4の双方に傾斜面が設けられていたが、これに限らない。可動筐体3及び固定部材4のいずれか一方に1又は複数の傾斜面が設けられ、固定部材4及び可動筐体3のうち傾斜面が設けられていない方が、傾斜面に接触するように構成(例えば、先端が球形状等)されていてもよい。
【0081】
また、接触部は、操作部側から第1部材側に向かって見たときの、接触部の各々の縁によって画定される各々の領域の形状が長方形となるように形成されている必要はなく、他の形状となるように形成されていてもよい。
【0082】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、表示部7が設けられているが、所謂タッチセンサ等のように表示部7が設けられていなくともよい。
【0083】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、バネ53の付勢によって、可動筐体3が初期位置よりも当該バネ53の付勢方向に位置することを防止するために、係止部材6が設けられているが、係止部材6を設けなくてもよい。この場合には、係止部材6が無くとも可動筐体3が初期位置に配置されるように、「バネ53の付勢する力」又は「タクトスイッチ5を構成する各部材の大きさ」等を調整すればよい。
【0084】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、バネ53は、
図2及び
図4の左側から右側に向かって付勢しているが、付勢する方向はこれに限らない。バネ53が、可動筐体3を、第2傾斜面(4a又は14a〜14d)に沿って、
図2及び
図4の右上方向(本発明における所定の方向)に向かって移動するように付勢していればよい。例えば、第2傾斜面に平行な方向に付勢するようなものであってもよい。
【0085】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、バネ53を板バネで構成したが、これに限らず、弾性的に付勢することが可能なものであればコイルスプリング等どのようなものであってもよい。
【0086】
また、本発明のタッチ操作装置は、機器に取り付けられた状態において、操作面2aがいずれの方向を向いていてもよい。例えば、上側から下側に向かってタッチ操作するものであってもよいし、下側から上側に向かってタッチ操作するものであってもよいし、横方向に向かってタッチ操作するものであってもよいし、又は斜め方向に向かってタッチ操作するものであってもよい。