(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)式(I):
【化9】
(式中、
R
aは、独立して、C
2−C
6アルケニル基であり、
R
bは、独立して、C
1−C
6アルキル基又はフェニル基であり、
n1は、(A)の23℃における粘度を12000cP以下にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B1)式(II):
【化10】
(式中、
R
cは、水素原子であり、
R
dは、独立して、C
1−C
6アルキル基又はフェニル基であり、
n2は、(B)の23℃における粘度を1〜1000cPとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(B2)一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有し、かつR
e2HSiO
1/2単位(式中、R
eは水素原子又はC
1−C
6アルキル基を表す)を2個以上有する、
Re2HSiO1/2単位及びSiO4/2単位からなり、両単位の比率が、SiO4/2単位1モルに対してRe2HSiO1/2単位1.5〜2.2モルである、環状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒;
を含み、
(A)のケイ素原子に結合したアルケニル基の個数Vi
Aに対する、(B1)のケイ素原子に結合した水素原子の個数H
B1と、(B2)のケイ素原子に結合した水素原子の個数H
B2との和である個数(H
B1+H
B2)の比が0.95〜2であり、かつ
H
B2が、(A)、(B1)、及び(B2)の含有量の和に対して5mmol%以下である、熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている透明衝撃緩和部材は、シリコーン組成物を硬化してなる板状体である。板状体である透明衝撃緩和部材を用いて、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部とを張り合わせようとすると、張り合わせ時に気泡が入り易く、また、張り合わせた後にも、高温下で剥離が生じたり、気泡が入り込みやすく、視認性が低下しやすい。
また、この特許文献1のシリコーン組成物を使用して、信頼性試験を行うと保護部との剥離が生じるという問題があった。
【0006】
特許文献2に記載されているように、柔軟性に優れたシリコーンゲルは従来から存在していたが、高い粘着力を合わせ持つものはなかった。そのため、このようなシリコーンゲルを用いて画像表示部を有する基部と保護部とを貼り合わせても、ヒートショックなどの信頼性試験後に、剥離が生じることがあった。
さらに、画像表示部を有する基部と保護部とを貼り合わせる工程において、基部と保護部との間に特許文献3に記載されているような従来の液状のオルガノポリシロキサン組成物を吐布しても、硬化させるまでに時間が掛かるため、その間に、基部と保護部がずれたり、吐布した液状のオルガノポリシロキサン組成物が流れ出てしまったりするという問題もあった。
【0007】
本発明は、画像表示装置に関して、屋外光や室内照明による可視性(視認性)の低下を防ぐため、画像表示部を有する基部と保護部との間に樹脂を介在させた画像表示装置の製造にあたり、当該基部と保護部とを貼り合わせた後に加熱硬化させる時間を短縮でき、硬化させるまでに液状組成物が流れてしまうのが改善でき、また貼り合わされた基部と保護部との剥離が生じにくい、熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
(A)式(I):
【化1】
(式中、
R
aは、独立して、C
2−C
6アルケニル基であり、
R
bは、独立して、C
1−C
6アルキル基又はフェニル基であり、
n1は、(A)の23℃における粘度を12000cP以下にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B1)式(II):
【化2】
(式中、
R
cは、水素原子であり、
R
dは、独立して、C
1−C
6アルキル基又はフェニル基であり、
n2は、(B)の23℃における粘度を1〜1000cPとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;
(B2)一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有し、かつR
e2HSiO
1/2単位(式中、R
eは水素原子又はC
1−C
6アルキル基を表す)を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン;及び
(C)白金系触媒;
を含み、
(A)のケイ素原子に結合したアルケニル基の個数Vi
Aに対する、(B1)のケイ素原子に結合した水素原子の個数H
B1と、(B2)のケイ素原子に結合した水素原子の個数H
B2との和である個数(H
B1+H
B2)の比が0.95〜2であり、かつ
H
B2が、(A)、(B1)、及び(B2)の含有量の和に対して5mmol%以下である、熱硬化型ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0009】
本発明は、さらに、窒素原子を有する安定化剤を、前記(C)成分の白金原子1molに対して0.001〜0.5mol含有することを特徴とする、前記の本発明の組成物にも関する。
本発明は、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との粘着用である、前記の本発明の組成物にも関する。
本発明は、前記の本発明の組成物を用いて、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部とを粘着させた画像表示装置にも関する。
【0010】
本発明は、
画像表示部を有する基部及び/又は保護部に、前記の本発明の組成物を塗布してから、
上記の塗布した組成物を増粘及び/又は硬化させた後、
上記画像表示部を有する基部と保護部とを貼り合わせる工程
を含む製造方法によって得られる、画像表示装置にも関する。
【発明の効果】
【0011】
画像表示装置における画像表示部を有する基部と保護部とを、本発明の組成物で貼り合わせれば、耐衝撃性が向上し、また画像表示部の変形に起因する表示不良が生じることなく、かつ屋外光や室内照明などによる可視性(視認性)も低下せずに、高輝度及び高コントラストな表示が可能となる。
また、本発明の組成物は、部材に対する粘着力が高いので、画像表示部を有する基部と保護部との剥離を生じない信頼性の高い表示装置を提供することができる。
また、本発明の組成物は、部材に対して高い粘着力を有するため、画像表示部を有する基部又は保護部に塗布して、増粘又は硬化させた後に貼り合わせを行える製造方法を提供できる。この製造方法により、従来の貼り合わせた後に加熱硬化させる時間を短縮でき、工程時間の短縮及び歩留まりが改善される。また加熱硬化させる時間が短縮されるので、硬化させるまでに、本発明の組成物が流れ出てしまうのが改善でき、画像表示部の基部の外周縁部に組成物の流出を妨げるための段差を設ける必要が特になくなる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の(A)は、式(I):
【化3】
(式中、
R
aは、独立して、C
2−C
6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル又は5−ヘキセニル)であり、
R
bは、独立して、C
1−C
6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)又はフェニル基であり、
n1は、(A)の23℃における粘度を12000cP以下にする数である)で示されるアルケニル基含有直鎖状ポリオルガノシロキサンである。
【0013】
(A)を配合することによって、硬化時に架橋反応による安定した3次元構造を確保し、硬化収縮を制御し抑制し、良好な視認性を確保することができる。
【0014】
R
aとしては、合成が容易で、また硬化前の組成物の流動性や、硬化物の耐熱性を損ねないという点から、ビニル基がより好ましい。
【0015】
R
bとしては、合成が容易で、組成物の流動性や硬化後の機械的強度等のバランスが優れているという点から、メチル基が好ましい。
【0016】
(A)としては、両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサンが好ましい。
【0017】
(A)の粘度は、作業性の観点から、23℃において12000cP以下であり、10000cP以下とすることができ、好ましくは8000cP以下である。下限値は特に制限されないが、例えば50cP以上、好ましくは110cP以上としてもよい。これらの粘度範囲になるように、(A)の重量平均分子量を調整することが好ましい。本発明における粘度は、回転粘度計を用いて、23℃の条件で測定した値である。
【0018】
本発明の(B1)は、式(II):
【化4】
(式中、
R
cは、水素原子であり、
R
dは、独立して、C
1−C
6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)又はフェニル基であり、
n2は、(B)の23℃における粘度を1〜1000cPとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。
【0019】
R
dとしては、合成が容易で、機械的強度及び硬化前の流動性などの特性のバランスが優れているという点から、メチル基が好ましい。
【0020】
(B1)としては、両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルハイドロジェンシロキサンが好ましい。
【0021】
(B1)の粘度は、23℃において1〜1000cPであり、特に1〜500cP、とりわけ5〜100cPが好ましい。
【0022】
本発明の(B2)は、一分子中に、ケイ素原子に結合した水素原子を3個以上有し、かつR
e2HSiO
1/2単位(式中、R
eは水素原子又はC
1−C
6アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、若しくはヘキシルを表す)を2個以上有する、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンであり、硬化物を網状化して、硬度を調整するのに寄与する成分である。
上記ポリオルガノハイドロジェンシロキサンにおいて、ケイ素原子に結合した水素原子は、3個以上、好ましくは5個以上、より好ましくは8個以上である。上限値は特に制限されないが、例えば、500個以下、好ましくは100個以下にしてもよい。
【0023】
水素原子としてのR
eは、一分子中、2〜100個であることが好ましく、より好ましくは3〜50個である。C
1−C
6アルキル基としてのR
eは、合成の容易さ等の点から、メチルが好ましい。
【0024】
前記ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとしては、R
e2HSiO
1/2単位及びSiO
4/2単位からなるものが好ましく、R
e2HSiO
1/2単位とSiO
4/2単位の比率が、SiO
4/2単位1モルに対してR
e2HSiO
1/2単位1.5〜2.2モルがより好ましく、1.8〜2.1モルがさらに好ましい。典型的には、[R
e2HSiO
1/2]
8[SiO
4/2]
4又は[R
e2HSiO
1/2]
10[SiO
4/2]
5のように、3〜5個のSiO
4/2単位が環状シロキサン骨格を形成し、各SiO
4/2単位に2個のR
e2HSiO
1/2単位が結合しているものが、好ましく、特に好ましくは、各SiO
4/2単位に2個の(CH
3)
2HSiO
1/2単位が結合しているものである。
【0025】
(B2)の粘度は、1〜100cPが好ましく、1〜50cPがより好ましい。
【0026】
粘着力を高くする観点から、(A)のケイ素原子に結合したアルケニル基の個数Vi
Aに対する、(B1)のケイ素原子に結合した水素原子の個数H
B1と、(B2)のケイ素原子に結合した水素原子の個数H
B2との合計の比:
(H
B1+H
B2)/Vi
A
が0.95〜2であり、好ましくは0.95〜1.4である。
【0027】
また、粘着力を高くするための観点から、H
B2は、(A)、(B1)、及び(B2)の含有量の和に対して、5mmol%以下、好ましくは3mmol%以下、より好ましくは2.4mmol%以下である。下限値は特に制限されないが、例えば、0.1mmol%以上、好ましくは0.5mmol%以上であってもよい。
【0028】
本発明の(C)は、(A)のアルケニル基と、(B1)及び(B2)のヒドロシリル基との間の付加反応を促進するための触媒である。触媒活性が良好な観点から、白金、ロジウム、パラジウムのような白金族金属原子の化合物が好適に用いられ、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコールの反応生成物、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ケトン錯体、白金−ホスフィン錯体のような白金化合物、ロジウム−ホスフィン錯体、ロジウム−スルフィド錯体のようなロジウム化合物、パラジウム−ホスフィン錯体のようなパラジウム化合物が好ましく、白金化合物がより好ましく、白金−ビニルシロキサン錯体が更に好ましい。
【0029】
(C)は、適切な硬化速度の確保の観点から、(A)の配合重量に対して、白金族金属原子換算で、好ましくは0.1〜1000重量ppm、より好ましくは0.5〜200重量ppmである。
【0030】
本発明の組成物は、さらに窒素原子を有する安定化剤を、前記(C)成分の白金原子1molに対して0.001〜0.5mol含有してもよい。窒素原子を有する安定化剤は、本発明の組成物に、経時的な外観不良、触媒活性の低下のない、優れた保存安定性を与える。窒素原子を有する安定化剤は、窒素原子を含有し、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。前記窒素原子を有する安定化剤としては、例えば、一般式:
【化5】
で示されるアミン化合物を用いることができる。
【0031】
上記式中、R
1は同一もしくは異なるC
1−C
4アルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。R
2はR
1と同一であるか又は水素原子である。R
3はC
2−C
4アルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基などが挙げられる。
【0032】
上記一般式で表されるアミン化合物としては、例えば、N,N,N´,N´‐テトラメチルエチレンジアミン、N,N‐ジメチルエチレンジアミン、N,N‐ジエチルエチレンジアミン、N,N‐ジブチルエチレンジアミン、N,N‐ジブチル‐1,3‐プロパンジアミン、N,N‐ジメチル‐1,3‐プロパンジアミン、N,N,N´,N´‐テトラエチルエチレンジアミン、N,N‐ジブチル‐1,4‐ブタンジアミンなどが挙げられ、好ましくは、N,N,N´,N´‐テトラメチルエチレンジアミンである。
【0033】
また、窒素原子を有する安定化剤としては、例えば、下記一般式:
【化6】
で示されるエチレン系不飽和イソシアヌレートを用いることもできる。
【0034】
上記式中、R
4は同一もしくは異なる置換もしくは非置換の1価炭化水素基であり、少なくとも1つのR
4がアルケニル基である。R
4としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのC
1−C
20アルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、イソブテニル基などのC
2−C
6アルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基、これらの基の炭素原子に結合する水素原子が部分的に塩素原子、フッ素原子などのハロゲン原子で置換された基、多環式アリール基、複素環式アリール基等が挙げられ、好ましくは、少なくとも1つのR
4がアリル基であり、より好ましくは、全てのR
4がアリル基である。
【0035】
上記一般式で表されるエチレン系不飽和イソシアヌレートとしては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルエチルイソシアヌレート、トリブテニルイソシアヌレート及びジアリルフェニルイソシアヌレートなどが挙げられ、好ましくはトリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレートであり、より好ましくはトリアリルイソシアヌレートである。
【0036】
窒素原子を有する安定化剤の配合量は、前記(C)成分の白金原子1molに対して0.001〜0.5molの範囲であり、好ましくは0.01〜0.1molである。0.001mol未満であると、得られる組成物の経時的な外観不良を防止し難く、黒色に変色しやすい。一方、0.5molを越えると、経時的な外観不良を十分に防止できるが、触媒活性が低下しやすく、硬化速度を重視するような、短時間での硬化を要求される用途には不適当である。
【0037】
本発明の組成物に、本発明の効果を損なわない範囲で、接着付与剤、硬化遅延剤、無機質充填剤等を配合してもよい。接着付与剤としては、アルコキシシラン類が挙げられる。例えば、1,1,3,5,7−ペンタメチルシクロテトラシロキサンと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物を使用することができる。
【0038】
具体的には、下記式:
【化7】
(式中、Q
1及びQ
2は、互いに独立して、アルキレン基、好ましくはC
1−C
4アルキレン基を表し、R
5は、C
1−C
4アルキル基を表す)で示される側鎖を有するアルコキシシラン類が好ましい。
【0039】
このようなアルコキシシラン類としては、下記の化合物が挙げられる。
【化8】
【0040】
接着付与剤は、適切な接着性確保の観点から、(A)100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2重量部である。
【0041】
硬化遅延剤としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールのようなアセチレン化合物、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのような、環ケイ素原子にビニル基が結合したビニル基含有環状シロキサン等が挙げられる。無機質充填剤としては、煙霧質シリカ、アークシリカのような乾式微粉末シリカが例示され、煙霧質シリカが好ましい。また、このようなシリカの表面を、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンのようなシラザン化合物;オクタメチルシクロテトラシロキサンのようなポリオルガノシロキサン等で処理したものであってもよい。
【0042】
本発明の組成物は、(A)、(B1)、(B2)、(C)、及びさらに必要に応じて配合される他の成分を、万能混練機、ニーダーなどの混合手段によって均一に混練して調製することができる。
【0043】
本発明の組成物は、23℃における粘度が、塗布時の展延性の点から、10000cP以下であることが好ましく、50〜10000cPとすることができる。より好ましくは80〜5000cPであり、さらに好ましくは300〜2000cPである。
【0044】
本発明の組成物は、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との粘着に使用することができるが、画像表示装置が大型(50〜100インチ)の場合は、塗布時の展延性の点から、組成物の粘度が50〜2000cPであることが好ましい。このような粘度の組成物を得る点からは、粘度が50〜3000cPである(A)を使用することが好ましい。一方、携帯電話等の小型の画像表示装置(50インチ未満)の場合は、作業性の点から、組成物の粘度が2000〜10000cPであることが好ましい。このような粘度の組成物を得る点からは、粘度が3000〜12000cPである(A)を使用することが好ましい。
【0045】
本発明の組成物は、硬化後の透過率を80〜100%とすることができ、好ましくは90〜100%である。良好な透過率を有するため、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間で、組成物を熱硬化させた後、視認性の点においても良好である。
【0046】
本発明の組成物は、50〜80℃の加熱温度で、硬化させることができる。加熱時間は、適宜、設定することができるが、例えば、0.05〜3時間とすることができる。
【0047】
本発明の組成物によれば、硬化後の針入度を10〜100とすることができる。針入度をこの範囲にすることによって、画像表示装置の画像表示部を有する基部と透光性の保護部との間で、組成物を熱硬化させた後、外部からの応力を適度に緩和して対変形性を確保し、視認性を確保することができる。針入度は、(B1)と(B2)との割合を通して、調整することができる。本発明における針入度は、JIS K 6249に準拠して測定した値とする。画像表示装置が大型の場合は、針入度は好ましくは10〜90である。一方、携帯電話のような小型の画像表示装置に関しては、持ち歩き等が想定されるため、耐久性の観点から、硬化後の針入度が10〜90であり、好ましくは10〜40であることが好ましい。
【0048】
本発明の組成物は、画像表示部の基部及び/又は保護部に塗布し、乾燥機などを用いて加熱を行い増粘及び/又は硬化させた後に、画像表示装置の基部と保護部とを貼り合わせて粘着させることができる。本発明の組成物は、硬化収縮率が小さいため、画像表示部(パネル)が、好ましくは5〜100インチの大画面画像表示装置の製造にも好適に使用することができるが、これに限定されない。
【実施例】
【0049】
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
表1に示す組成で、各成分を、手混ぜで混練することにより、実施例及び比較例の各組成物を調製した。
【0050】
使用した各成分は、以下のとおりである。
A−1:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度1400cP)
A−2:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度110cP)
A−3:両末端がジメチルビニルシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルビニルシロキサン(23℃での粘度12000cP)
B1:両末端がジメチルハイドロジェンシロキサン単位で閉塞され、中間単位がジメチルシロキサン単位からなるポリメチルハイドロジェンシロキサン(23℃での粘度20cP)
B2:平均単位式が[(CH
3)
2HSiO
1/2]
8[SiO
4/2]
4 (水素量1.05重量%)
B3:平均単位式が[(CH
3)
3SiO
1/2][(CH
3)HSiO
2/2]
23[(CH
3)
2SiO
2/2]
16[(CH
3)
3SiO
1/2](水素量0.88重量%、23℃での粘度25cP)
C:塩化白金酸を1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとモル比1:2で加熱することによって得られ、白金含有量が2重量%である錯体。
D:N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
E:3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール
【0051】
物性の評価は下記のようにして行った。結果を表1に示す。
(1)組成物粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を用いて、23℃における粘度を測定した。
【0052】
(2)針入度
未硬化のシリコーンゲル組成物40mlを、容量100mlの耐熱ガラスビーカーにとり、70℃で30分加熱して硬化させることにより、シリコーンゲルを得た。室温に冷却した後、JIS K 6249により、1/4コーンを用いて針入度を測定した。
【0053】
(3)せん断接着力
平行に並べた2枚のガラス板(長さ80mm、幅25mm、厚さ2mm)の間に、シリコーンゲル組成物を縦25mm、横10mm、厚さ0.5mmとなるように貼り合せ、これを70℃で30分間加熱して硬化させて、接着力測定用の試験体を作製した。得られた試験体を接着面に対して垂直方向に10mm/分の速度で引っ張り、接着力を測定した。
【0054】
(4)ヒートショック
実施例及び比較例の組成物を0.2mm厚となるように、1mm厚の3インチのガラスパネルに塗布し、70℃、10分で加熱を行った。その試料を室温で5分冷却後に、1mm厚の3インチのPMMAパネルを貼り合せ、70℃、20分で加熱硬化させた。試料を−40℃から85℃までの温度サイクル300回(各温度30分間保持)にて環境試験を行なった(機器名:エスペック株式会社製TSA−71S−A)。
その後、23℃の状態に戻した後、硬化物の状態を観察した。硬化物に、剥離及びクラック及び気泡が生じている場合を×、これらのクラック、気泡、損傷が全く認められない場合を○とした。
【0055】
(5)透過率(%)
実施例及び比較例の組成物を200μm厚となるように、2枚の1mm厚のガラス板の間に塗布し、70℃、30分で加熱硬化させた試料を85℃の高温条件に設定した恒温恒湿槽に500時間放置後、23℃の状態に戻した後に、透明の度合いの指標である透過率を分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって400nmで評価を行なった。
【0056】
(6)イエローインデックス
実施例及び比較例の組成物を200μm厚となるように、2枚の1mm厚のガラス板の間に塗布し、70℃、30分で加熱硬化させた試料を85℃の高温条件に設定した恒温恒湿槽に500時間放置後、23℃の状態に戻した後に、変色の度合いの指標であるイエローインデックスを分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって評価を行なった。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例の各組成物は、柔軟性、接着性、投光性に優れ、特に高温下での信頼特性は比較例のものより良好であった。これらから、本発明の組成物が、画像表示装置の製造に好適であることがわかる。