(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(A)が、N−ラウロイルグルタミン酸又はその塩、N−ミリストイルグルタミン酸又はその塩、及びN−ココイルグルタミン酸又はその塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
成分(A)が、炭素数8〜16のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸のナトリウム塩、カリウム塩及びアルギニン塩から選ばれる1種又は2種以上であり、且つ成分(B)が、炭素数8〜16のアシル基を有するN−アシルアスパラギン酸のナトリウム塩、カリウム塩及びアルギニン塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は4に記載の液体洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液体洗浄剤組成物は、炭素数8〜18のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩(A)を含有する。かかる成分(A)のN−アシルグルタミン酸又はその塩を含有することにより、良好な泡立ちを保持しながら、きめが細かくクリーミーで肌への密着感が高い泡を実現することができる。成分(A)における炭素数8〜18のアシル基は、良好な泡立ちと高い泡質とを実現する観点から、好ましくは炭素数8〜16であり、より好ましくは12〜16であって、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又は混合脂肪酸を由来としたものが好ましい。このような脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸やヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などの混合脂肪酸等が挙げられる。これら脂肪酸のなかでも、起泡性、泡質や保存安定性の点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸がより好ましく、さらにヤシ油脂肪酸が好ましい。上記N−アシルグルタミン酸又はその塩(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0013】
上記N−アシルグルタミン酸又はその塩(A)は、酸として配合した場合、泡立ちや泡質を確保するため、塩基によって所望のpHになるように中和して用いる。塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等の一般的な塩基が用いられ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンが好ましい。なかでも、泡立ちや泡質、皮膚刺激性や入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩になるように、塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンを用いて調製することが好ましく、さらにナトリウム塩やカリウム塩になるように、塩基として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いて調製することがより好ましい。一方、予めN−アシルグルタミン酸又はその塩(A)が有するカルボキシル基の全部又は一部がアルカリによって中和された塩を配合してもよい。かかる中和された塩としては、泡立ちや泡質、皮膚刺激性や入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、塩基性アミノ酸(リシン・アルギニン・ヒスチジン)塩から選ばれる塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩から選ばれる塩がより好ましく、とりわけナトリウム塩とカリウム塩を用いることが好ましい。なお、洗浄剤組成物のpHが最終的に所望になるように、必要に応じて追加的に、上記記載の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン等の一般的な各種塩基を用いてもよい。また、いずれの場合においても、洗浄剤組成物のpHを調整するため、さらに塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸等の一般的な各種酸を追加的に用いてもよい。
【0014】
本発明の液体洗浄剤組成物は、炭素数8〜18のアシル基を有するN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)を含有する。かかる成分(B)のN−アシルアスパラギン酸又はその塩を含有することにより、泡立ちがよくなり、すすぎ時におけるギシギシ感などの不快感を抑制し、成分(A)との併用によって泡のすべりをよくして泡の肌への伸びを良好にしつつ、泡のきめが細かく泡が肌に密着する感触を得ながら、洗い上がりの肌が柔らかく、しっとりした感触を付与して、良好な使用感をもたらすことができる。
【0015】
成分(B)における炭素数8〜18のアシル基は、良好な泡立ちと高い泡質とを実現する観点から、好ましくは炭素数8〜16のアシル基であり、より好ましくは炭素数12〜16のアシル基であり、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖を有する脂肪酸又は混合脂肪酸を由来としたものが好ましく、直鎖飽和脂肪酸を由来としたものがより好ましい。このような脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸やヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などの混合脂肪酸等が挙げられる。これら脂肪酸のなかでも、起泡性、泡質や保存安定性の点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、ミリスチン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸がより好ましく、とりわけラウリン酸が好ましい。上記N−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0016】
N−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)は、酸として配合した場合、泡立ちや泡質を確保するため、塩基によって所望のpHになるように中和して用いる。塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、AMP(2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール)、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール等の一般的な塩基が用いられる。なかでも、泡立ちや泡質、皮膚刺激性や入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩になるように、塩基として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニンを用いて調製することが好ましく、さらにナトリウム塩やカリウム塩になるように、塩基として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いて調製することが好ましい。一方、予めN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)が有するカルボキシル基の全部又は一部がアルカリによって中和された塩を配合してもよい。かかる中和された塩としては、泡立ちや泡質、皮膚刺激性や入手容易性の点から、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、塩基性アミノ酸(リシン・アルギニン・ヒスチジン)塩から選ばれる塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩、アルギニン塩がより好ましく、とりわけナトリウム塩を用いることが好ましい。なお、洗浄剤組成物のpHが最終的に所望になるように、必要に応じて追加的に、上記記載の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア、リシン、アルギニン、ヒスチジン等の一般的な各種塩基を用いてもよい。また、いずれの場合においても、洗浄剤組成物のpHを調整するため、さらに塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸等の一般的な各種酸を追加的に用いてもよい。
【0017】
N−アシルグルタミン酸又はその塩(A)とN−アシルアスパラギン酸又はその塩(B)の含有量の合計は、泡立ちを向上させながら、洗い上がりの肌の柔らかい感触をも向上させ、しかも泡のすべりを向上させて肌への伸びを優れたものとする観点から、本発明の液体洗浄剤組成物中に、2質量%以上18質量%以下であって、好ましくは2.5質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以下である。成分(A)と成分(B)の含有量の合計は、2〜18質量%であって、好ましくは2〜15質量%であり、より好ましくは2.5〜10質量%であり、さらに好ましくは3〜7質量%である。かかる観点から、成分(A)の含有量は、1.5質量%以上17質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以上であり、好ましくは14質量%以下であり、より好ましくは9質量%以下であり、さらに好ましくは6質量%以下である。また同様の観点から、成分(B)の含有量は、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1.2質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
【0018】
成分(A)と成分(B)は、泡立ちの観点と、泡質の向上、洗い上がりの肌が柔和な感じに優れる点、及び低温での保存安定性を確保する観点から、成分(A)及び成分(B)のうち、アシル基がステアロイル基であるである、N-ステアロイルグルタミン酸又はその塩及びN-ステアロイルアスパラギン酸又はその塩の含有量の合計(S)が成分(A)と成分(B)の含有量の合計に占める割合は、質量比((S)/{(A)+(B)})で0.1以下であり、より好ましくは0.07以下であり、さらに好ましくは0.05以下である。
【0019】
本発明の液体洗浄剤組成物は、泡のきめが細かく肌への密着感がありながら、肌への伸びが良好で皮膚のすみずみまで泡を行きわたらせ、しかも洗い上がりの皮膚が柔和でしっとりした感触をも付与する観点から、かかる成分(A)と成分(B)の含有量の合計に対する成分(B)の含有量の質量比((B)/{(A)+(B)})は、0.3以上0.6以下であり、より好ましくは0.35以上であり、さらに好ましくは0.37以上であり、より好ましくは0.55以下であり、さらに好ましくは0.5以下である。また、質量比((B)/{(A)+(B)})は、0.3〜0.6であり、より好ましくは0.35〜0.55であり、さらに好ましくは0.37〜0.5である。
【0020】
本発明の液体洗浄剤組成物は、より泡質を向上させ、泡の肌へのすべりを高める観点から、さらに両性界面活性剤(C)を含有するのが好ましい。成分(C)を含有することで、成分(A)と成分(B)が特定の質量比で存在することと相まって、さらに泡の肌へのすべりと伸びを高めて皮膚のすみずみまで泡が行き渡りやすくなり、洗い上がりの肌の柔和な使用感も向上させることができる。
【0021】
かかる両性界面活性剤(C)としては、具体的には、例えば、アルキルカルボベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタイン等が挙げられる。両性界面活性剤(C)としては、泡質と洗い上がりの使用感の点から、炭素数8〜14のアルキル基を有するアルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインが好ましく、アルキルヒドロキシスルホベタインがさらに好ましく、なかでも、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチルヒドロキシスルホベタインが好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタインがさらに好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
両性界面活性剤(C)を含有する場合の含有量は、泡質と使用感を高め、すすぎ時のヌルツキを抑制する観点から、本発明の液体洗浄剤組成物中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5質量%であり、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
【0023】
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗い上がりの皮膚の柔和な感触としっとり感を向上させてより使用感を高める観点から、さらに糖アルコール(D)を含有するのが好ましい。かかる糖アルコール(D)としては、具体的には、例えば、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、還元水飴等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、洗い上がりの皮膚の柔和な感触としっとり感を効果的に高める観点から、マルチトール、エリスリトール、ソルビトールが好ましく、よりしっとり感を高める点から、マルチトールがさらに好ましい。
【0024】
糖アルコール(D)を含有する場合の含有量は、洗い上がりの皮膚の柔和な感触としっとり感を高める観点から、本発明の液体洗浄剤組成物中に、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0025】
本発明の液体洗浄剤組成物は、水を媒体として上記成分を溶解又は分散させた液体の形態であるのが好ましい。水としては、貯蔵安定性に影響を与えない点から、蒸留水、イオン交換水を用いるのがよい。かかる水の含有量は、配合する水以外に、他の成分に含まれる水も含む。水(水分)の含有量は、上記成分(A)、(B)のほか、必要に応じて含有させる成分(C)や成分(D)、また使用感等の調節のために加える他の添加剤等の量によっても変動し得るが、容器からの吐出性や起泡性、良好な泡質の保持、使用感及び貯蔵安定性の点から、本発明の液体洗浄剤組成物中に、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは55質量%以上であり、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以下であり、他の成分の残部である。
【0026】
本発明の液体洗浄剤組成物のpHは、良好な泡立ちを得る観点と皮膚への刺激性を低減する観点から、pH5〜8の範囲であるのが好ましく、pH5.3〜7.5がより好ましくpH5.6〜6.5が特に好ましい。このような弱酸性〜弱アルカリ性或いは弱酸性〜中性の領域であっても、優れた泡質と良好な使用感を充分に発揮することができる。なお、pHを所望の値に調製するために、必要に応じて追加的に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニア等の一般的な各種塩基や、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、コハク酸等の一般的な各種酸を用いてもよい。かかるpHとは、原則として25℃の恒温槽に液体洗浄剤組成物を保管し、希釈していない液体洗浄剤組成物にpH測定用の電極を3分間浸して測定して得られる値を意味する。
【0027】
さらに、本発明の液体洗浄剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で上記成分のほか、通常の液体洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコールやポリオール;グアーガム等の植物由来の多糖類、キサンタンガム等の微生物由来の多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、分子内にポリオキシエチレン鎖を有するエステル或いはエーテル系化合物、アクリル酸重合体或いはアクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体等のカルボキシビニルポリマー類等の増粘剤、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩等の成分(A)及び成分(B)以外のアニオン性界面活性剤;染料等の着色剤;無機塩類;植物エキス類;防腐剤;キレート剤;ビタミン剤;抗炎症剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤、殺菌剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
【0028】
一方、本発明の液体洗浄剤組成物では、皮膚への低刺激性及び洗い上がりの皮膚の柔かな感触としっとり感の高い使用感を確保する観点から、脂肪酸又はその塩の含有量を低減するのが好ましい。かかる脂肪酸又はその塩としては、例えば、平均炭素数8〜20の脂肪酸又はそのアルカリ金属塩が挙げられ、かかる脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、オキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。上記脂肪酸又はその塩の含有量は、本発明の液体洗浄剤組成物中に、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.01質量%以下であり、またさらに不可避的に混入される場合を除き、含有しないのが好ましい。
【0029】
また、本発明の液体洗浄剤組成物では、皮膚への刺激性を低減し、洗い上がりの皮膚の柔かな感触としっとり感の高い使用感を損なわない観点から、アルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩から選ばれる成分(A)及び成分(B)以外の他のアニオン性界面活性剤の含有量の合計が、成分(A)及び成分(B)の含有量の合計よりも少ないことが好ましく、本発明の液体洗浄剤組成物中に、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.3質量%以下である。なお、本発明の液体洗浄剤組成物は、上記の他のアニオン性界面活性剤の含有量を0.1質量%以下としても、さらに0.01質量%以下としても良好な泡立ちと泡質を得ることが可能である。
【0030】
本発明の液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、容器からの吐出性の点から、好ましくは1〜100000mPa・sであり、より好ましくは1〜10000mPa・sであり、さらに好ましくは4〜4000mPa・sである。本発明の液体洗浄剤組成物がノンガスフォーマー容器に収容される場合には、液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、良好な泡状態として吐出する観点から、1〜30mPa・sが好ましく、2〜20mPa・sがより好ましく、3〜15mPa・sがさらに好ましい。
【0031】
本発明の液体洗浄剤組成物の粘度は、25℃にてブルックフィールド型粘度計(東機産業、TVB−10M)により測定される。粘度が100mPa・s未満の場合はローターNo.1、回転数60r/min、100mPa・s以上500mPa・s未満の場合はローターNo.2、回転数60r/min、500mPa・s以上1000未満の場合はローターNo.2、回転数30r/min、1000mPa・s以上4000mPa・s未満の場合はローターNo.3、回転数30r/min、4000mPa・s以上10000mPa・s未満の場合はローターNo.3、回転数12r/min、10000mPa・s以上20000mPa・s未満の場合はローターNo.4、回転数30r/min、20000mPa・s以上50000mPa・s未満の場合はローターNo.4、回転数12r/min、50000mPa・s以上100000mPa・s未満の場合はローターNo.4、回転数6r/minとし、回転開始から60秒後の粘度を測定することにより得られる。
【0032】
本発明の液体洗浄剤組成物は、上記各成分を用い、常法に従って製造することができる。また、かかる液体洗浄剤組成物は、皮膚洗浄用として用いるのが好ましく、ハンドソープ、洗顔料、ボディーソープとして用いるのがより好ましい。
【0033】
本発明の液体洗浄剤組成物は、一般的な皮膚洗浄方法によって皮膚を洗浄するために用いられる。洗浄方法としては、手で洗う方法、コットンやナイロン等の化学繊維から成るスポンジ、タオル、たわし等を使って洗う方法があるが、皮膚への刺激を低減する観点及び本発明品の泡性能と使用感を効果的に発揮する観点から、直接手にとり手で洗う方法のために用いられることが好ましい。なかでも、液体洗浄剤組成物を予めスポンジやタオル、泡立て器(泡立て容器)等を用いて泡立て、その泡を手に取ってから皮膚を洗うために用いることがより好ましい。簡便性の点から、泡立て器(泡立て容器)を用いて予め泡を立てて吐出させることがさらに好ましく、泡立て容器としては、例えばノンガス型の泡吐出容器が挙げられる。また、本発明の液体洗浄剤組成物は、低刺激性でありながら泡質、泡立ちが良好であり、洗いあがりの皮膚の柔らかな感触が得られるため、敏感肌、乾燥肌、混合肌、脂性肌、及び角層の薄い乳幼児の肌から選ばれる皮膚の洗浄に好適であり、敏感肌、乾燥肌、及び乳幼児の肌から選ばれる皮膚の洗浄により好適である。ここで、本発明における敏感肌とは、神経線維が表皮内、及び角層直下まで伸長しており、感覚刺激を認知し易くなっている知覚過敏状態の肌をいう。具体的には、知覚神経が過敏であるため僅かな外部刺激(温度、湿度、ホコリ、アレルゲン等)に対しても影響を受けやすく、化粧品の使用や外部刺激により、ぴりぴり、チクチク、むずむず感といったような感覚刺激を訴える肌を意味する。また、乳幼児は、乳児と幼児を意味し、乳児は生後0日から満1歳未満の子供を意味し、幼児は1歳以上就学前の子供を意味し、本発明では5歳以下の幼児により好適である。
【0034】
成分(A)や成分(B)のN−アシルアミノ酸又はその塩は、脂肪酸石鹸に比べると泡のクリーミーさ等にやや欠ける性質を有するが、上記液体洗浄剤組成物をかかるノンガスフォーマー容器に充填し吐出した場合、上記成分(A)及び(B)が特定の含有量及び特定の比率であることと相まって、泡のきめが細かく、泡の肌への伸びが良好な泡質をもたらすとともに、洗い上がりの皮膚を容易に柔和にすることができる。ノンガス型の泡吐出容器としては、空気と混合して泡として吐出できるものであればいずれのものでも用いることができるが、例えば、ポンプヘッドを押すことで、空気室のシリンダーと液体洗浄剤組成物のシリンダーが加圧されて、空気と液体洗浄剤組成物とが混合されて泡状となって吐出するポンプフォーマー容器や、押圧変形可能な容器の胴体部分を押すことで、容器が変形して吐出するスクイズフォーマー容器が挙げられ、これらの容器の液体洗浄財組成物の吐出流路にメッシュ等の多孔質膜フィルターが設けられていることが好ましい。具体的には、株式会社吉野工業所製、大和製罐製のフォーマー容器等が挙げられる。また、例えば、特開平7−315463、特開平8−230961及び特開2005−193972号公報等に記載されたフォーマー容器を使用することもできる。
【0035】
上述した本発明の実施態様に関し、さらに以下の液体洗浄剤組成物を開示する。
[1]次の成分(A)及び(B):
(A)炭素数8〜18のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩、及び
(B)炭素数8〜18のアシル基を有するN−アシルアスパラギン酸又はその塩
を含有し、成分(A)と成分(B)の含有量の合計が2質量%以上18質量%以下であり、
成分(A)と成分(B)の含有量の合計に占める、N-ステアロイルグルタミン酸又はその塩及びN-ステアロイルアスパラギン酸又はその塩の含有量の合計(S)の割合が質量比((S)/{(A)+(B)})で0.1以下であり、かつ
成分(A)と成分(B)の含有量の合計に対する成分(B)の含有量の質量比((B)/{(A)+(B)})が0.3以上0.6以下である液体洗浄剤組成物。
[2]次の成分(A)及び(B):
(A)炭素数8〜16のアシル基を有するN−アシルグルタミン酸又はその塩、及び
(B)炭素数8〜16のアシル基を有するN−アシルアスパラギン酸又はその塩
を含有し、成分(A)と成分(B)の含有量の合計が2質量%以上18質量%以下であり、
かつ成分(A)と成分(B)の含有量の合計に対する成分(B)の含有量の質量比((B)/{(A)+(B)})が0.3以上0.6以下である上記[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
【0036】
[3]成分(A)と成分(B)の含有量の合計に占める、N-ステアロイルグルタミン酸又はその塩及びN-ステアロイルアスパラギン酸又はその塩の含有量の合計(S)の割合が質量比((S)/{(A)+(B)})で0.1以下であって、好ましく0.07以下であり、さらに好ましくは0.05以下である上記[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4]成分(A)と成分(B)の含有量の合計は、2質量%以上18質量%以下であって、好ましくは2.5質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以下である上記[1]〜[3]のいずれか1に記載の液体洗浄剤組成物。
[5]成分(A)と成分(B)の含有量の合計に対する成分(B)の含有量の質量比((B)/{(A)+(B)})は、0.3以上0.6以下であって、好ましくは0.35以上であり、より好ましくは0.37以上であり、好ましくは0.55以下であり、より好ましくは0.5以下である上記[1]〜[4]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[6]成分(A)が有するアシル基の炭素数は、8〜18であって、好ましくは8〜16であり、より好ましくは12〜16である上記[1]〜[5]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[7]成分(A)は、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[6]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[8]成分(A)の含有量は、1.5質量%以上17質量%以下であり、好ましくは2質量%以上であり、好ましくは14質量%以下であり、より好ましくは9質量%以下であり、さらに好ましくは6質量%以下である上記[1]〜[7]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
【0037】
[9]成分(B)が有するアシル基の炭素数は、8〜18であって、好ましくは8〜16であり、より好ましくは12〜16である上記[1]〜[8]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[10]成分(B)は、N−ラウロイルアスパラギン酸又はその塩である上記[1]〜[9]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[11]成分(B)の含有量は、1質量%以上15質量%以下であり、好ましくは1.2質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である上記[1]〜[10]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[12]さらに、(C)両性界面活性剤を0.5質量%以上7質量%以下含有する上記[1]〜[11]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
【0038】
[13]成分(C)は、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びミリスチルヒドロキシスルホベタインから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはラウリルヒドロキシスルホベタインである上記[12]の液体洗浄剤組成物。
[14]成分(C)の含有量は、0.5質量%以上7質量%以下であって、好ましくは0.8質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは2.5質量%以下である上記[12]又は[13]の液体洗浄剤組成物。
【0039】
[15]さらに(D)糖アルコールを0.5質量%以上20質量%以下含有する上記[1]〜[14]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[16]成分(D)は、マルチトール、エリスリトール、ソルビトールから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくマルチトールである上記[15]の液体洗浄剤組成物。
[17]成分(D)の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下であって、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である上記[15]又は[16]の液体洗浄剤組成物。
【0040】
[18]脂肪酸又はその塩の含有量が、1.5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.1質量%以下であり、殊更に好ましくは0.01質量%以下である上記[1]〜[17]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[19]アルキル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩から選ばれる成分(A)及び成分(B)以外の他のアニオン性界面活性剤の含有量の合計が、成分(A)及び成分(B)の含有量の合計未満であって、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.3質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である上記[1]〜[18]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
【0041】
[20]水の含有量が、40質量%以上95質量%以下であって、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上であり、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは75質量%以下である上記[1]〜[19]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[21]pHが、5〜8であり、好ましくは5.3〜7.5であり、より好ましくは5.6〜6.5である上記[1]〜[20]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[22]25℃における粘度が、1〜100000mPa・sであって、好ましくは1〜10000mP・aであり、より好ましくは4〜4000mPa・sである上記[1]〜[21]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[23]ノンガスポンプフォーマ容器に収容されてなり、25℃における粘度が、1〜30mPa・sであって、好ましくは2〜20mP・aであり、より好ましくは3〜15mPa・sである上記[1]〜[21]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[24]皮膚洗浄用組成物であり、より好ましくはハンドソープ、洗顔料又はボディソープである上記[1]〜[23]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物。
[25]上記[1]〜[24]の液体洗浄剤組成物をノンガスフォーマー容器に充填してなる液体洗浄剤。
[26]皮膚洗浄剤の製造のための上記[1]〜[25]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物の使用。
[27]皮膚の洗浄のための上記[1]〜[25]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物の使用。
[28]敏感肌、乾燥肌、混合肌、脂性肌及び乳幼児の肌から選ばれる肌の洗浄のための上記[1]〜[25]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物の使用。
[29]直接手にとり手で皮膚を洗浄するための上記[1]〜[25]のいずれか1記載の液体洗浄剤組成物の使用。
【実施例】
【0042】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
【0043】
[実施例1〜12、比較例1〜6]
表1〜5に示す組成に従い、各液体洗浄剤組成物を常法により製造し、下記の方法に従って泡粘度及びpHを測定するとともに各評価を行った。結果を表1〜5に示す。
なお、各液体洗浄剤を製造する際には下記の原料を用いた。
・ココイルグルタミン酸Na:商品名「アミソフトCS−11(F)、分子量359」、味の素株式会社
・ラウロイルグルタミン酸Na:商品名「アミソフトLS−11(F)」、味の素株式会社
・ステアロイルグルタミン酸Na:商品名「アミソフトHS−11P(F)」、味の素株式会社
・ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム液(25%):商品名「アミノフォーマーFLDS−L」、旭化成ケミカルズ株式会社
・モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン:20EO付加モル、商品名「レオドールTW−S120V」、花王株式会社
・ラウリルヒドロキシスルホベタイン液(30%):商品名「アンヒトール20HD」、花王株式会社
・グリセリン:100%、商品名「濃グリセリン」、花王株式会社
・ポリエチレングリコール6000:
数平均分子量
8600、商品名「PEG#6000」、日油株式会社
・2−エチルヘキシルグリセリルエーテル:花王株式会社
・プロピレングリコール:旭硝子株式会社
【0044】
《粘度の測定》
液体洗浄剤組成物の粘度は、25℃にてブルックフィールド型粘度計(東機産業、TVB−10M)により測定した。ローターはNo.1のものを用い、回転数60r/minで回転し、回転開始から60秒後の粘度を求め、液体洗浄剤組成物の粘度とした。なお、比較例6のみ、25℃では沈殿物が生成するため、製造後溶解した状態で30℃にて測定した。
【0045】
《pHの測定》
得られた液体洗浄剤組成物100mlをビーカーに充填し、25℃の恒温槽内にて25℃に調整した。恒温に調整された試料にpH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。なお、比較例6のみ、25℃では沈殿物が生成するため、製造後溶解した状態で30℃にて測定した。
【0046】
《泡質・洗浄後の皮膚の感触の評価》
各液体洗浄剤組成物を、専門パネラー5名により、次の方法により使用し、各1〜5点で評価した。評価結果の合計点を表1〜5に示す。
使用方法は、25℃、相対湿度40%の部屋にて、表1〜5に示す液体洗浄剤組成物を、ポンプヘッドを押すことで吐出する吉野工業所社製ポンプフォーマー容器(吐出流路に設けられた多孔質膜フィルターは、メッシュサイズが200メッシュ1枚と305メッシュ1枚)を備えたボトルに充填し、2プッシュ分(1プッシュの吐出量約1ml、約13cm
3)を手の平に吐出させ、吐出した泡を予め水で湿った顔に乗せて、両手で伸ばして、洗顔した。その後、上水道水(25℃)で十分濯ぎ、乾いたタオルでふき取った。なお、比較例6のみ、25℃ではすぐに沈殿物が生成するため、製造後溶解した状態で30℃のまま充填し、泡状に吐出して評価した。
【0047】
〈泡の肌すべりがよく泡の肌への伸びがよい感じがする〉
5:とてもそう思う
4:そう思う
3:ややそう思う
2:あまりそう思わない
1:そう思わない
【0048】
〈泡のきめが細かく、泡が肌に密着する感じがする〉
5:とてもそう思う
4:そう思う
3:ややそう思う
2:あまりそう思わない
1:そう思わない
【0049】
〈洗い上がりの肌が柔らかい感じでしっとりする〉
5:とてもそう思う
4:そう思う
3:ややそう思う
2:あまりそう思わない
1:そう思わない
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示すように、実施例の液体洗浄剤組成物は洗いあがりの肌がやわらかい感触が得られ、しっとりしているのに対して、比較例は洗いあがりの肌のやわらかさ、しっとりした感触があまり感じられない評価であった。また、実施例の液体洗浄剤組成物は泡のきめが細かくて泡が密着する良質な泡でありながら、手で泡が肌によく伸び、泡で包まれる感じで洗いやすいのに対して、比較例1、2は泡が細かいものの、肌への伸びが悪いために、手で洗うには洗いにくいものであると認められる。比較例3、4は手で泡を肌に伸ばしても、泡のきめが細かくなく、粗い泡なので、泡の肌への密着感がなく、泡で包まれる感触に劣ることが認められる。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】