(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の「発明を実施するための形態」では、本出願の教示によるユーザーインターフェース、方法、およびソフトウェア製品を例示的な実施形態を参照して詳しく説明する。
装置100の一実施形態が、コンピュータ端末100の形で
図1に詳しく示される。コンピュータ端末100は、この例では、ディスプレイ画面103と、キーパッド104と、この例ではコンピュータマウス105であるカーソル制御入力手段の形をとったナビゲーション手段とを有するデスクトップコンピュータ100である。また、コンピュータ端末は、内部構成要素が収納されるキャビネット102を有する。
【0014】
装置100の他の実施形態は、移動通信端末、携帯端末、(PDA)、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、またはノートブックコンピュータ、あるいはメインフレームコンピュータなどが相応しいことに留意されたい。
【0015】
コンピュータ端末100の内部構成要素、ソフトウェア、およびプロトコル構造を
図2を参照して説明する。コンピュータ端末は、コンピュータ端末の全体的な動作に関与し、市販のCPU(「中央演算処理装置」)、DSP(「ディジタル信号プロセッサ」)、またはその他の電子式プログラム可能論理回路によって実施され得るコントローラ200を有する。コントローラ200は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、またはこれらの任意の組合せなど、関連する電子メモリ210を有する。メモリ210はコントローラ200によって様々な目的で使用され、それらの目的の1つはコンピュータ端末における様々なソフトウェアのプログラム命令によって使用されるデータを記憶するためである。ソフトウェアは、実時間オペレーティングシステム220、マン・マシン・インターフェース(MMI)用ドライバ230、アプリケーションハンドラー240、および様々なアプリケーションを含む。アプリケーションは、プロセス・シミュレーション・アプリケーション250、コンピュータ支援設計アプリケーション260、ならびにファイル転送や電子メールメッセージ送受信のためのアプリケーションのような様々な他のアプリケーション270を含みうる。
【0016】
また、MMI230は、1つまたは複数のハードウェアコントローラを含み、当該ハードウェアコントローラはMMIドライバとともにナビゲーション入力手段239/105などの様々な他の入力/出力デバイスだけでなく第1のディスプレイ233/103およびキーパッド236/104と連携する。
【0017】
従来技術のシステムでは、ユーザーには、必要なパラメータを書き込まねばならない一連の入力フィールドまたはウィンドウが提示された。
最後のパラメータが設定されると、ユーザーはシミュレーションを開始する。
【0018】
同じプロセスをシミュレーションするために複数の表示画面を用意し、シミュレーションされるプロセスのこれらの表示画面を連結するようにコントローラを構成することに気付くことで、より柔軟性がありかつ使用しやすいユーザーインターフェースが実現される。
【0019】
図3に示すユーザーインターフェースを用いて例示的な実施形態に従って、射出成形プロセスまたは鋳造プロセスの数値シミュレーションがコンピュータ上で実行される。
図3は、上記のような装置で実施されているこのようなユーザーインターフェースのスクリーンショット画面303を示す。説明ではコンピュータ端末に言及しているが、本明細書の教示はシミュレーション計算を実施してデータをディスプレイに表示できる任意の装置に適用されてよい。
【0020】
図3aは、画法幾何学表示画面または構成要素入力表示画面ウィンドウ320をさらに備えるアプリケーションウィンドウ310を備えるスクリーンショット画面を示す。シミュレーションされる鋳造/成形構成要素あるいは物品や対応する成形のモデルまたは幾何モデル322は、画法幾何学表示画面320に示される。モデル322は、少なくとも1つの構成要素を備える。この例では、モデルは、3つの構成要素、Comp 1 324、Comp 2 326、およびComp N 328を備える。
【0021】
一実施形態では、コントローラは、さらに、構成要素ウィンドウ330を表示するように構成される。コントローラは、モデル322に備えられる構成要素324、326、328に対応する構成要素データオブジェクト335を表示するように構成される。この例では、3つのオブジェクト335が表示される。論点を明確にするために、1つのオブジェクトのみが参照符号335で標識される。この例では、「Comp 1」と標識されたオブジェクトは構成要素Comp 1 324に対応し、「Comp 2」と標識されたオブジェクトは構成要素Comp 2 326に対応し、「Comp N」と標識されたオブジェクトは構成要素Comp N 328に対応することを理解されたい。
【0022】
コントローラが、オブジェクト335を構成要素324、326、および328にリンクさせるように構成される。
コントローラが、さらに、構成要素324、326、または328を示す入力を受信し、その入力に応じて選択された対応するオブジェクト335にマークを付けるように構成される。
【0023】
コントローラが、さらに、オブジェクト335を示す入力を受信し、その入力に応じて選択された対応する構成要素324、326、または328にマークを付けるように構成される。
【0024】
コントローラが、さらに、選択されたオブジェクトまたは構成要素に関する入力を受信し、その入力に応じて構成要素データオブジェクト335と構成要素324、326、および328の両方を更新するように構成される。
【0025】
一実施形態では、コントローラは、さらに、材料特性ウィンドウ340を表示するように構成される。コントローラは、さらに、材料ウィンドウ340において材料データオブジェクト345を表示するように構成される。各材料データオブジェクトは、材料データオブジェクトによってシミュレーションされる材料に関する情報を伝達する。
【0026】
一実施形態では、コントローラは、材料特性オブジェクト345が対応する構成要素データオブジェクト335とリンクするように構成される。
一実施形態では、コントローラは、材料特性オブジェクト345が対応する構成要素324、326、328とリンクするように構成される。
【0027】
コントローラが、さらに、選択された材料特性オブジェクト345、構成要素データオブジェクト335、または構成要素324、326、328に関する入力を受信し、その入力に応じて他の構成要素データオブジェクト335、材料特性データオブジェクト345、および構成要素324、326、および328の少なくとも1つを更新するように構成される。
【0028】
鋳造は多くの幾何学的構成要素で構成されてもよく、これらの構成要素の全部または各々は同じ材料(鋳造合金)を有し、コントローラはこれらを単一材料として処理するように構成されることに留意されたい。さらに、構成要素は複数の材料から成ってもよく、すなわち、複合鋳造材料であってもよいことに留意されたい。
【0029】
一実施形態では、コントローラは、さらに、オブジェクト350、355、360を示す少なくとも1つのモードを表示するように配置される。オブジェクト350、355、360を示す各モードは、シミュレーション用の入力モードに対応する。
【0030】
コントローラが、オブジェクト350、355、360を示すモードで入力を受信し、その入力に応じて対応する入力画面を表示するように構成される。
このようなモードの例は、プロジェクト表示画面、幾何学表示画面、定義表示画面、シミュレーション表示画面、データベース表示画面、および結果表示画面である。
【0031】
一例では、1つのモードは構成要素表示画面であり、対応する入力画面は
図3aに示される。
一例では、1つのモードはプロセス図であり、対応する入力画面は
図3bに示される。
【0032】
一例では、1つのモードはダイアログ表示画面である。ユーザーは、必要なパラメータ、定数、特性、および限界を入力することに関するシミュレーションプロセスを段階的に組み立てるよう提示される。
【0033】
一例では、ダイアログ表示画面は、プロセス表示画面に組み入れられる。
複数の表示画面が同時に表示されてもよいことに留意されたい。さらに、表示画面は互いにリンクされており、1つの表示画面に入力すると他のすべての表示画面において更新がなされることに留意されたい。
【0034】
図3bは、プロセス概観ウィンドウ371をさらに備えるアプリケーションウィンドウ310を備えるスクリーンショット画面を示す。
一実施形態では、コントローラが各
処理工程の目的を示すアイコンまたは他のグラフィカルシンボル375を表示するように構成される。例は、前処理、鋳込み、および凝固である。
【0035】
一実施形態では、プロセス表示画面ウィンドウ370は、少なくとも1つの
処理工程分離部376を備える。これによって、どんな要素がどの
処理工程に属するかについての概要が明確に示される。
【0036】
このような一実施形態では、コントローラは、パラメータオブジェクト377を表示するように構成される。コントローラは、パラメータオブジェクト377に関連するパラメータに関するデータを表示するように構成される。このような一実施形態では、コントローラは、さらに、パラメータオブジェクトを示す入力を受信し、その入力に応じて関連するパラメータに関するデータが表示されるウィンドウを表示するように構成される。一実施形態では、コントローラは、さらに、表示されたウィンドウで入力を受信し、その入力に応じてパラメータ値を更新するように構成される。
【0037】
この実施形態では、パラメータオブジェクトのグラフ表現はパラメータ値のグラフ表現である。パラメータ値は、プロセス中のパラメータ変化の様子のグラフとして表示されてもよい。
【0038】
一実施形態では、プロセス表示画面ウィンドウ370は、プロセス・フロー・ウィンドウ372を備える。
一実施形態では、コントローラは、プロセス・フロー・ウィンドウ372に少なくとも1つの
処理工程オブジェクト378を表示するように構成される。一実施形態では、
処理工程オブジェクト378は、少なくとも1つの
処理工程に対応する。プロセス・フロー・オブジェクトに備えられる
処理工程は、プロセス概観ウィンドウに表示されるものと同じである必要がない。
【0039】
一実施形態では、
処理工程オブジェクト378aは、1つの
処理工程を備える。
一実施形態では、
処理工程オブジェクト378bは、複数の
処理工程または集合ステップを備える。集合ステップの例は、シミュレーションされる鋳造プロセス全体または射出成形プロセスを表わすために使用される「キャスティング」と呼ばれるステップである。
【0040】
一実施形態では、
処理工程オブジェクト378は、
処理工程を示すラベルを備える。
一実施形態では、
処理工程オブジェクトは、プロセス固有の条件や基準に関連する。一実施形態では、コントローラは、
処理工程オブジェクト378を示す入力を受信し、その入力に応じて関連する条件に対するデータが表示されるウィンドウを表示するように構成される。一実施形態では、コントローラは、さらに、表示されたウィンドウで入力を受信し、その入力に応じて条件値を更新するように構成される。
【0041】
一実施形態では、プロセス表示画面ウィンドウ370はタイムラインウィンドウ373を備える。
一実施形態では、コントローラは、タイムラインウィンドウ373においてプロセス・タイミング・オブジェクト379を表示するように構成される。一実施形態では、プロセス・タイミング・オブジェクト379は、
処理工程オブジェクト378に関連する。一実施形態では、プロセス・タイミング・オブジェクト379は、シミュレーションされるプロセスのどの段階で、
処理工程オブジェクト378によって表わされている
処理工程が実施されなければならないかを示すイベント時刻に関連する。
【0042】
一実施形態では、コントローラは、タイミングオブジェクトを時刻またはタイムスタンプに関連付けるように構成される。この時刻またはタイムスタンプは、
処理工程を開始すべき時点(場合によっては、相対的時刻)を示す。
【0043】
一実施形態では、コントローラは、タイミングオブジェクトを条件に関連付けるように構成される。この条件は、
処理工程を開始すべき特別な条件または状況(構成要素が特定温度に達しているなど)を示す。
【0044】
一実施形態では、コントローラは、ラベルの付いているプロセス・タイミング・オブジェクト379を表示するように構成され、ラベルはプロセス・タイミング・オブジェクトが関連している
処理工程を示す。
【0045】
一実施形態では、コントローラは、ラベルの付いているプロセス・タイミング・オブジェクト379を表示するように構成され、ラベルはプロセス・タイミング・オブジェクトが関連しているイベント時刻を示す。
【0046】
一実施形態では、コントローラは、プロセス・タイミング・オブジェクトを示す入力を受信して、その入力に応じてイベント時刻およびプロセスパラメータの少なくとも何れかが変更され得るウィンドウを表示するように構成される。
【0047】
一実施形態では、コントローラは、境界条件などのプロセスを管理する入力パラメータを受信するように構成される(
図10参照)。
一実施形態では、コントローラは、イベント時刻に対応するタイムラインウィンドウ373内のある位置にプロセス・タイミング・オブジェクトを表示するように構成される。
【0048】
一実施形態では、コントローラは、プロセス・タイミング・オブジェクト379を示すドラッグ・アンド・ドロップ入力を受信し、その入力に応じてプロセス・タイミング・ウィンドウを新たなイベント時刻に移動し、それに応じてプロセス・タイミング・オブジェクト379のイベント時刻を更新するように構成される。
【0049】
一実施形態では、
処理工程分離部376は、イベント時刻と一致して表示される。
一実施形態では、コントローラは、プロセス・タイミング・オブジェクトが関連するイベント時刻を明確にマーキングす
るイベント時刻インジケータ381を備えるものとしてプロセス・タイミング・オブジェクトを表示するように構成される。
【0050】
その結果、構成要素は、プロセス・タイミング・オブジェクト379を通じて
処理工程オブジェクト378に関連する。
一実施形態では、構成要素は
処理工程オブジェクトと直接関連する。
【0051】
一実施形態では、
処理工程オブジェクトは、イベント時刻に関連する。このような実施形態では、イベント時刻は、他のイベント時刻が指定されない限り、関連する構成要素に対して
処理工程が実施されねばならない時刻である。たとえば、このような他のイベント時刻は構成要素に関連するプロセス・タイミング・オブジェクト379によって指定されてもよい。それゆえ、
処理工程オブジェクト378およびプロセス・タイミング・オブジェクト379の両方に関連している構成要素335は、2つのイベント時刻に関連している可能性がある。
【0052】
一実施形態では、プロセス・タイミング・オブジェクト379に対するイベント時刻は、
処理工程がシミュレーションで実施されねばならないとき決定的であろう。
これによって、
処理工程を一群の構成要素に対して広範に規定することができ、この後、具体的な構成要素335に対して特に修正することができる。
【0053】
図3bの例では、
処理工程378bは、2つの構成要素335aおよび335bに関連している。第1のプロセス・タイミング・オブジェクト379aは、
処理工程オブジェクト378bおよび構成要素「Comp 2」335bと関連している。第2のプロセス・タイミング・オブジェクト379bは、他の構成要素「Comp
1」335aを除き同じ
処理工程オブジェクト378bに関連する。図から、2つのプロセス・タイミング・オブジェクト379aおよび379bは異なるイベント時刻を有することは明らかである。この例では、第1のプロセス・タイミング・オブジェクト379bが
処理工程オブジェクト378aと同じイベント時刻を有することが図に示される。プロセスのシミュレーション実行中に、
処理工程オブジェクト378aに対応する
処理工程は、構成要素「Comp 1」335aに対する第1のイベント時刻379bと、構成要素「Comp 2」335bに対する第2のイベント時刻379cとにおいて実行される。
【0054】
一実施形態では、プロセス表示画面ウィンドウ370は、構成要素ウィンドウ374を備える。
コントローラは、少なくとも1つの構成要素を構成要素ウィンドウ374に表示するように構成される。
【0055】
一実施形態では、コントローラは、少なくとも1つの材料を構成要素ウィンドウ374に表示するように構成される。
一実施形態では、コントローラは、各材料に対する構成要素を表示するように構成され、上記構成要素はこの構成要素に対して表示されている材料で作られる。
【0056】
一実施形態では、コントローラは、各プロセス・タイミング・オブジェクト379を構成要素335に関連付けるように構成される。この関連付けによって、各オブジェクトは、少なくとも1つの
処理工程オブジェクト378と、
処理工程が実施または開始されねばならないイベント時刻とに関連する。
【0057】
一実施形態では、プロセス表示画面ウィンドウ370は、プロセス情報ウィンドウ375を備える。一実施形態では、プロセスに関するデータは、コントローラによってプロセス情報ウィンドウに表示される。
【0058】
これによって、構成要素と、表示された情報を見ることによってユーザーが概観し理解しやすい
処理工程とが結合される。
また、上記(および下記)の実施形態は、ユーザーが構造に関するパラメータ、
処理工程に関する条件、各
処理工程に対するイベント時刻、および対応する構成要素に関してプロセス・シミュレーション・セットアップを直感的に理解して変更することを容易にする、構造表示画面とプロセス表示画面の切替え方法を提供する。
【0059】
一実施形態では、コントローラは、各々が少なくとも1つのプロセスパラメータ、シミュレーションに必要な条件などのデータをユーザーに入力するよう促す一連のダイアログウィンドウを表示するように構成される。このようなダイアログは、先行技術のシステムから周知であり、詳細には説明しない。このようなシステムの1つは、MAGMASOFT(登録商標)V4.4ソフトウェアである。このようなシステムでは、一連のダイアログウィンドウがユーザーに表示され、コントローラはユーザーによって提供される入力を受信するように構成される。
【0060】
本明細書の教示によるダイアログ入力法を、以下でさらに詳しく説明する。
射出成形プロセスのシミュレーションに使用される実施形態例では、以下のデータがシミュレーションに添付され、シミュレーションソフトウェアのユーザーによって決定される。実施形態に応じて、一部のデータは省かれる場合があり、あるいは以下のデータのリストに追加される場合があることに留意されたい。
【0061】
工具(金型/鋳型)
−剛性(構造)
−冷却
−材料
−熱的特性
−摩擦特性/表面粗さ
部品(成形品)
−肉厚
−断面積
−平面投影
−アンダーカット
ポリマーまたは金属合金
−摩擦特性
−機械的特性
−熱物理データ
−収縮特性
プロセス特性
−圧力曲線
−温度変化
−接触温度
同様の実施形態例を
図5および6に示す。
【0062】
上記の説明におけるウィンドウは別々のウィンドウである必要はなく、ウィンドウの一部の表示画面であってもよい。
一実施形態では、プロセス概観ウィンドウ371、プロセス・フロー・ウィンドウ372、およびタイムラインウィンドウ373は、すべてプロセス表示画面ウィンドウ370の一部を形成する。これは
図3bの場合である。
【0063】
また、当業者には明らかなように、同じことは本明細書に記載した他のウィンドウに対しても可能である。
図4は、本明細書の教示による基本的方法のフローチャートを示す。ブロック400では、少なくとも1つの構成要素のコンピュータモデルが提供されてブロック410に表示される。ブロック420では、構成要素を示す入力が受信され、構成要素はブロック430で更新される。ブロック440では、シミュレーションされるプロセスに関する少なくとも1つの
処理工程オブジェクトが表示される。
処理工程オブジェクトは、プロセスパラメータに関連している。ブロック450では、
処理工程オブジェクトを示す入力が受信され、ブロック460において、パラメータが更新される。
【0064】
ブロック470では、プロセスのシミュレーションが少なくとも1つの構成要素に対して実施され、
処理工程オブジェクト(378)の関連するパラメータと、構成要素とプロセスオブジェクトとのリンクならびにこれらそれぞれのパラメータとを利用するイベント時刻とに従って各
処理工程をシミュレーションする。
【0065】
図5は、上記のような装置で実施されているユーザーインターフェース例のスクリーンショット画面を示す。
図5は、ダイアログ表示画面590およびプロセス表示画面570を有するウィンドウを示す。プロセス表示画面570は、プロセス・グラフィカル・シンボル575によって識別される多数の
処理工程が表示されるプロセス概観571を有する。プロセスパラメータ577も示される。
【0066】
また、多数の
処理工程オブジェクト578も表示される。この例では、多数の
処理工程オブジェクト578は、
処理工程の流れを直感的に説明するラベル付きの矢印によって示される。
【0067】
一実施形態では、コントローラは、構成要素とこれらに対応する材料のリストを表示するように構成される。このような1つの実施形態では、コントローラは、材料と、材料に関連しているものとしてその材料で作られた構成要素とを表示するように構成される。材料のリスト545が製造される構成要素とともに表示される
図5を参照されたい。この例では、構成要素535は、材料545に従って分類される。
【0068】
プロセス・タイミング・オブジェクト579は、構成要素535の一部に対して表示される。
押したり、軽く叩いたり、駆動したりすることにより別の表示画面を表示させる複数の表示画面切替えボタン560、550、555もまた、表示される。
【0069】
図6は、2つの
処理工程オブジェクト678aおよび678bが表示される同様の表示画面を示す。以下で、これら2つのオブジェクトに対するパラメータの設定方法を説明する。
【0070】
一例では、コントローラは、鋳造または成形プロセスの鋳込みステップに対する
処理工程オブジェクトである第1の
処理工程オブジェクト678aを示す入力(基準矢印A)を受信する。
【0071】
ウィンドウ700(
図7参照)が表示され、ここには、
処理工程オブジェクト678aに関連するパラメータに対する複数の特性が示される。この例では、特性710は、鋳込みに言及しており、鋳込み時間、鋳込み速度、または圧力曲線に関連付けて設定される。
【0072】
この例では、コントローラは、パラメータに対して適切な値を設定する際にユーザーを支援する計算アシスタントを提供するように構成される。ユーザーは、特別なアイコン720を押すことによってこのような計算アシスタントを駆動する。この例では、取鍋がアイコン720によって設定され得ることをユーザーに示すために、アイコンには「取鍋」というラベルが付けられる。
【0073】
これに応じて、さらなるウィンドウ800が表示される(
図8参照)。このウィンドウ800では、取鍋の複数の特性が表示され、ユーザーは測定値およびその他のデータ810を設定し、アイコン820を押すことによって必要な計算を実施するようコントローラに指示する。
【0074】
結果としての鋳込みデータ830が、この後、生成されて表示される。この例では、得られたデータのグラフ840も表示される。
コントローラがこれらのデータ830を受信すると、コントローラは第1のウィンドウ(700)を更新する(
図9参照)。
【0075】
すべてのパラメータが設定されると、コントローラはプロセス表示画面570を更新する。
図6の初期の表示画面と
図5の結果表示画面とを比較すると、
図5ではグラフ840がパラメータ577に対するプロセス表示画面570にも示されていることがわかる。
【0076】
一例では、コントローラは、鋳造または成形プロセスの砂落しステップに対する
処理工程オブジェクトである第2の
処理工程オブジェクト678bを示す入力(基準矢印B)を受信する。
【0077】
ウィンドウ1000(
図10参照)が表示され、ここには、
処理工程オブジェクト678bに関連する複数の構成要素1035が示される。この例では、構成要素はこれらの材料1080にちなんで分類される。
【0078】
各構成要素1035に対するイベント時刻1010も表示される。
ユーザーは、構成要素に対するパラメータの変更を望むならば構成要素を指定する。
図10では、これが基準矢印Cとして示される。
【0079】
コントローラは、構成要素1035を示す入力を受信し、その入力に応じてウィンドウ1100を示すように構成され(
図11参照)、ここでは、
処理工程に対するパラメータが示される。
【0080】
この例では、温度や時間などに依存する
処理工程の制御用パラメータが表示される。この例では、温度に依存する追加パラメータ;材料グループが示され、検討された温度、検討された材料、検討された関係および温度が示される。
【0081】
パラメータが受け入れられると、対応する
処理工程オブジェクトが更新され、プロセス・タイミング・オブジェクトが関連している場合、
処理工程オブジェクトはさらにコントローラによって更新される。
【0082】
上記のプロセス表示画面は、たとえば、機械加工や熱処理などの成形処理後の他のプロセスを説明するためにも使用されることに留意されたい。
上記の実施形態の一例では、コントローラは、
処理工程など、対応するオブジェクトを選択することによってユーザーがパラメータにアクセスし得るように構成される。こうして、パラメータは、パラメータ自体が表示される場所のどこからでも、あるいはリンクされ/関連する構成要素またはリンクされ/関連する材料が表示される場所のどこからでもアクセスされ得る(
図5の578、579;
図12の1245、および
図5の590〜サブグループ592)。
【0083】
図12は、
図3aの構成要素表示画面の実施形態例のスクリーンショット画面を示す。モデル1222が表示され、構成要素1235および対応する材料1245のリストが示される。
【0084】
コントローラは、材料1245を示す入力を受信し、その入力に応じて、材料のパラメータが表示されユーザーによって変更可能なウィンドウ(
図13参照)を表示するように構成される。
【0085】
一実施形態では、コントローラは、構成要素を示す入力を受信し、その入力に応じて、構成要素に割り当てられた材料のパラメータが表示されてユーザーによって変更可能なウィンドウ(
図13参照)を表示するように構成される。
【0086】
この実施形態では、2つのグループのパラメータが表示される。第1のグループ1310は材料定義に関係しており、第2のグループは砂落し特性1320に関係している。
ユーザーが第1のパラメータグループ1310を選択する場合、材料に関する情報が表示される。このような情報は、材料名および説明である。
【0087】
さらに示されるのは、材料が変更であることを示すアイコン1330、あるいは材料の特性が変更または編集可能であることを示すアイコン1340である。
コントローラは、材料やその特性が変更または編集されるべきであることを示す入力を受信するように構成される。
【0088】
材料を変更する必要がある場合、コントローラは材料のリストを表示し、リストから材料の選択肢を受信し、材料として選択した材料を使用するように構成される。
材料のこのようなリストはローカルまたはリモートで記憶されてもよく、実時間で装置にダウンロードされる。
【0089】
材料を編集する必要がある場合、コントローラは、材料特性1410を示すウィンドウを表示するように構成される(
図14参照)。この例では、このような特性1410は、初期温度、密度、比熱容量、および熱伝導率である。
【0090】
一実施形態では、コントローラは、特性を示す入力を受信し、その入力に応じて特性が変更可能なウィンドウを起動するように構成される。
一実施形態では、コントローラは、特性を示す入力を受信し、その入力に応じて特性が変更可能な入力フィールドを示すように構成される。
【0091】
一実施形態では、パラメータグループ1320は、
処理工程オブジェクトに関連している。コントローラは、このようなパラメータグループ1320がユーザーによって選択される場合に
図11のようなウィンドウを表示するように構成される。
【0092】
それゆえ、構成要素とプロセスの間には明確なリンクがある。
上記のパラメータ、特性などは任意の順序で編集または変更されてもよいことは明らかなはずである。このことによって、ユーザーはきわめて直感的に理解できる方法でシミュレーションできるので、シミュレーションに必要なデータ入力が容易になる。また、特性およびパラメータなどを任意の望む順序で変更することも可能である。
【0093】
必要とするすべてのデータを入力するために必要な様々なステップによってユーザーを誘導するのに役立つように、ダイアログシーケンスが提供される。
図5に戻ると、ダイアログツリーが表示されている。ダイアログツリーでは、様々なデータグループ591が示される。
【0094】
この例では、データグループ591は、材料定義、熱伝達定義、鋳造プロセス、鋳造後の処理、応力材料選択肢、結果定義、およびシミュレーション設定である。
一実施形態では、データグループは、サブツリー592またはサブグループを有する。この例では、鋳造プロセス・データ・グループは、サブグループとして、前処理、鋳込み、凝固、および冷却を有する。凝固および冷却は、さらに、サブグループとして、アクティブフィーディング、トップ・オフ・フィーダー、砂落し、リムーブキャストを有する。
【0095】
一実施形態では、コントローラは、各データグループに対するダイアログウィンドウまたは表示画面を段階的に表示することによってユーザーにデータを入力するよう促す。
こうすると、ユーザーがすべてのデータが入力されていることを確認するのに役立つ。一実施形態では、コントローラは、データグループを示す入力を受信し、その入力に応じてダイアログウィンドウを表示するように構成される。
【0096】
こうすると、ユーザーは柔軟にデータを入力することができる。
一実施形態では、コントローラは、完全には入力されていない各データグループに対するダイアログウィンドウまたは表示画面を段階的に表示することによってユーザーにデータの入力を促すように構成される。あるいは、シミュレーションが実行される前に、確認もしくは完了させることが必要な定義をユーザーに手短に伝えるために、警告またはエラーメッセージが表示される。
【0097】
こうすると、シミュレーションの開始前にすべてのデータが入力されていることをユーザーが確認するのに役立つ。一実施形態では、コントローラは、すべてのデータが入力または受信された時点でシミュレーションを開始するように構成される。このような一実施形態では、コントローラは、シミュレーションの結果を評価し表示するように構成される。
【0098】
表示されるダイアログウィンドウまたは表示画面は、
図7、10、および14を参照して説明したものに類似している。
前述のシミュレーションは、ハードドライブ、ユニバーサル・シリアル・バス・メモリ・デバイス、コンパクトディスク(CD)、ディジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)などのコンピュータ読取可能媒体に記憶され、これらからフェッチされるかまたは読み出されるプログラムまたはソフトウェアコード命令によって実行されてもよい。媒体は、本出願の教示を実施する装置に対してローカルであってもよく、このような装置に対してリモートであってもよい。
【0099】
前述した本明細書の教示の様々な態様は、単独または様々に組み合わせて採用される。本明細書の教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せによって実施されることが好ましいが、ハードウェアまたはソフトウェアでも実施される。
【0100】
本明細書の教示は数多くの優位性を有する。種々の実施形態または実施例が以下の優位性の1つまたは複数をもらす可能性がある。これは網羅的なリストではなく、本明細書に記載しない優位性がほかにあるかもしれないことに留意されたい。1つの優位性は、
処理工程とモデルの構成要素との間に明確なリンクを提供することである。さらに別の優位性は、プロセスパラメータと構成要素パラメータの両方を更新するための容易な方法を提供することである。さらなる優位性は、各パラメータを順番に入力せずに任意の希望する順序でパラメータを更新するための容易な方法を提供することである。
【0101】
本明細書の教示は例示を目的として詳しく説明してきたが、このような詳細は単に例示を目的とするもので、本教示の範囲から逸脱することなくその中で当業者によって変更がなされることは理解される。
【0102】
たとえば、教示は射出成形および鋳造プロセスに関して説明されているが、教示は、たとえば、ブロー成形など、他のタイプの成形注入プロセスに適用されてもよいことは理解されたい。また、本明細書の教示は、凝固および熱処理中の材料の機械的ストレスのシミュレーションに適用されてもよい。
【0103】
先の説明に記載した特徴は、明示的に記載した組合せ以外の組合せで採用されてもよい。
前述の明細において特に重要であると考えられる本明細書の教示の特徴に注目しようとする一方で、本出願人は、特に重視されているか否かにかかわらず、これまでに言及されたり図面に示された特許性のある特徴または特徴の組合せに関する保護を主張することを理解されたい。
【0104】
特許請求の範囲で使用される「備える」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではない。単一プロセッサなどのユニットは、特許請求の範囲で列挙される複数の手段の機能を果たすことができる。