【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるラジエータコアサポート10を説明する図で、車両前側から見た斜視図である。
図2は、ラジエータコアサポート10を車両後側から見た斜視図で、
図3は
図1における III部を拡大して示す斜視図、
図4は
図2におけるIV部を拡大して示す斜視図である。また、
図5〜
図7は、それぞれ
図3におけるV−V矢視部分、VI−VI矢視部分、VII −VII 矢視部分の断面図である。このラジエータコアサポート10は、車両前方のフロントグリルの後側に車両幅方向と略平行で略垂直になる姿勢で配設されて、エンジン冷却用の冷却流体を冷却するラジエータ本体12(
図6参照)を支持するもので、サポート本体14とセンターブレース16とを有し、それ等を合成樹脂材料にて一体に構成したものである。
【0028】
サポート本体14は、略水平で互いに平行なアッパサポート部20およびロアサポート部22と、それ等のアッパサポート部20およびロアサポート部22の左右両端を連結する略垂直で互いに平行な一対のサイドサポート部24、26とを一体に備えており、全体として矩形の枠形状を成している。センターブレース16は、逆Y字形状を成しており、サポート本体14の車両幅方向の中心位置を中心として左右対称に設けられている。すなわち、I字形状の上端側の先端部はアッパサポート部20の車両幅方向の中央部分に一体に連結されており、二股形状の下端側の先端部はそれぞれロアサポート部22の車両幅方向の中心線を挟んで対称位置、すなわち左右両側のサイドサポート部24、26からそれぞれ同じ寸法だけ離間した2箇所に一体に連結されている。
図3および
図4は、左右反対側の連結部分を車両前側、車両後側から見た斜視図であるが、それ等の連結部分は左右対称に構成されており、実質的に同じ構造である。
【0029】
アッパサポート部20は、その長手方向すなわち車両幅方向と直角な上下方向の断面が車両後向きに開口する略U字形状を成しており、その開口内には長手方向と直角或いは平行に複数の補強リブ30が格子状に設けられている。一対のサイドサポート部24、26は、何れもその長手方向すなわち車両上下方向と直角な水平方向の断面が車両後向きに開口する略U字形状を成しており、その開口内には長手方向と直角に複数の補強リブ32が設けられている。センターブレース16は、逆Y字形状の各部位の長手方向と直角な断面が車両後向きに開口する略U字形状を成しており、その開口内には長手方向と直角或いは平行に複数の補強リブ34が設けられている。アッパサポート部20とセンターブレース16との連結部分では、上記補強リブ30、34が両者に跨がって連続して設けられている。
【0030】
上記センターブレース16がロアサポート部22に連結される二股形状の先端の2箇所のブレース側連結部40では、逆に車両前向きに開口する略U字形状断面を成している。そのブレース側連結部40に隣接する部分、すなわちブレース側隣接部42では、車両後向きに開口する略U字形状断面を成しており、それ等のブレース側連結部40とブレース側隣接部42との間には隔壁44が設けられている。センターブレース16の中、このブレース側連結部40およびブレース側隣接部42の近傍では、車両前後方向の寸法が小さいとともに車両幅方向(長手方向と直角方向)の寸法が比較的大きく、断面U字形状の底までの寸法が比較的浅い皿形状を成している。そして、ブレース側連結部40はロアサポート部22の前端部に連結されており、その後側にラジエータ本体12が配設されるとともに、そのブレース側連結部40の後壁とロアサポート部22の上壁とに跨がって補強リブ46が設けられている。
【0031】
一方、ロアサポート部22は、その長手方向すなわち車両幅方向と直角な上下方向の断面が車両前向き或いは車両後向きに開口する略U字形状を成しており、センターブレース16と連結される2箇所のロア側連結部50は、車両前向きに開口する略U字形状を成している。このロア側連結部50の両側に隣接する部分、すなわち一対のロア側隣接部52、54では、逆に車両後向きに開口する略U字形状断面を成しており、それ等のロア側連結部50とロア側隣接部52、54との間にはそれぞれ隔壁56、58が設けられている。隔壁58は前記隔壁44と一体に連結されている。本実施例ではまた、外側のロア側隣接部52に隣接する部分に、更にロア側連結部50と同様に車両前向きに開口する断面U字形状の前開き部60が、ロア側隣接部52と隔壁を挟んで設けられている。前記補強リブ46は、上記ロア側連結部50の上壁とブレース側連結部40の後壁とに跨がって設けられている。
【0032】
上記ロアサポート部22は、車両上下方向の寸法が小さいとともに車両前後方向の寸法が比較的大きく、断面U字形状の底までの寸法が比較的大きい深穴状を成しており、その上壁上にラジエータ本体12を配置することができる。また、ロア側連結部50およびロア側隣接部52、54を含めて、断面U字形状の開口側の幅寸法が大きくなるように上壁および下壁がそれぞれ略対称的に上下方向へ傾斜させられており、樹脂成形時の抜き勾配が確保されている。断面U字形状の底までの寸法が比較的大きい深穴状の前記一対のサイドサポート部24、26も、同様に開口側の幅寸法が大きくなるように抜き勾配が設けられている。
【0033】
このような本実施例のラジエータコアサポート10においては、ロアサポート部22を含むサポート本体14およびセンターブレース16が合成樹脂材料にて一体に構成されているが、ロアサポート部22がセンターブレース16と連結される部分には、車両前向きに開口する断面U字形状のロア側連結部50が設けられている一方、そのロア側連結部50の両側に隣接する部分には、それぞれ車両後向きに開口する断面U字形状のロア側隣接部52、54が設けられており、且つ、それ等の間には隔壁56、58が設けられているため、その連結部分の剛性が高くなり、必要強度を確保しつつU字形状断面により軽量化を図ることができる。
【0034】
特に、ロア側連結部50と逆向きに開口するロア側隣接部52、54が、そのロア側連結部50の両側に隣接する2箇所にそれぞれ隔壁56、58を挟んで設けられているため、軽量化を図りつつ連結部分の剛性をバランス良く向上させることができる。
【0035】
また、センターブレース16がロアサポート部22に連結される部分には、車両前向きに開口する断面U字形状のブレース側連結部40が設けられている一方、そのブレース側連結部40に隣接する部分には、車両後向きに開口する断面U字形状のブレース側隣接部42が設けられており、且つ、それ等の間には隔壁44が設けられているため、センターブレース16側の連結部分の剛性も高くなり、必要強度を確保しつつブレース側連結部40およびブレース側隣接部42のU字形状断面によって更なる軽量化を図ることができる。
【0036】
また、ブレース側連結部40の後壁とロア側連結部50の上壁とに跨がって補強リブ46が設けられているため、連結部分の剛性が一層高くなる。本実施例では、
図8に示すようにロアサポート部22がアッパサポート部20よりも車両前側にオフセットしており、ロアサポート部22にはモーメントMが生じるが、補強リブ46で剛性が高められることにより、モーメント荷重による製品破壊が抑制される。
【0037】
また、ロア側連結部50およびロア側隣接部52、54を含めて、ロアサポート部22は断面U字形状の開口側の幅寸法が大きくなるように上壁および下壁がそれぞれ上下方向に傾斜させられているため、断面U字形状の開口の向きが交互に反対向きであるにも拘らず、樹脂成形時の型抜きが容易になる。
【0038】
また、逆Y字形状のセンターブレース16がサポート本体14の車両幅方向の中心位置を中心として左右対称に設けられており、二股形状の先端の2箇所のブレース側連結部40は、それぞれサイドサポート部24、26から同じ寸法だけ離間した2箇所のロア側連結部50に連結されるため、ロアサポート部22の強度が車両幅方向の全長に亘ってバランス良く向上させられる。
【0039】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。