(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5968877
(24)【登録日】2016年7月15日
(45)【発行日】2016年8月10日
(54)【発明の名称】複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20160728BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20160728BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20160728BHJP
G06F 21/45 20130101ALI20160728BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q20/38 320
G06F21/31
G06F21/45
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-513672(P2013-513672)
(86)(22)【出願日】2011年6月8日
(65)【公表番号】特表2013-536481(P2013-536481A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】EP2011059457
(87)【国際公開番号】WO2011154436
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2014年5月30日
(31)【優先権主張番号】10165220.4
(32)【優先日】2010年6月8日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512312141
【氏名又は名称】ペイ アンド セーヴ エンフェー
【氏名又は名称原語表記】PAY & SAVE NV
(73)【特許権者】
【識別番号】512312152
【氏名又は名称】マリス,ヨハン
【氏名又は名称原語表記】MARIS,Johan
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マリス,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ファン カンペヌー,サム
(72)【発明者】
【氏名】フェルヘツェル,ディルク
【審査官】
大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−217626(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0191995(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0119757(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 21/31
G06F 21/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 各々が顧客と前記顧客がサブスクライブされているサービスとに対応する、複数のサービスアカウントを記憶するステップと、
− サービスを使用するための顧客からの要求を受信するステップと、
− かかる顧客と前記要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとを認証するときに、サービスアカウントを判断するステップと、前記サービスアカウントに対応するコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを照会するステップであって、前記照会するステップが、前記サービスプロバイダとリアルタイム通信するステップを含み、前記サービスプロバイダが、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供する、照会するステップと
を含む、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスをコンピュータに提供させるための方法において、
当該方法はさらに、かかる顧客を認証するときに、前記顧客の認証コードにリンクされた複数の認証手段のうち任意の利用可能な認証手段をハッシングするステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、前記顧客の認証が、チップカード、磁気ストリップカード、RFIDカード、RFIDタグ、電話、モバイルフォン、Bluetoothデバイス、バーコード、又はMACアドレスをハッシングすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1〜2の何れか一項に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを前記顧客の金融アカウントと関連付けることをさらに含むことを特徴する方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、前記サービスが、バンキングサービス、ロイヤルティプログラム、保証サービス、レンタルサービス、前払いサービス、クーポンサービス、チケット販売サービス、医療サービス、又は行政サービスであることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、前記サービスプロバイダに新しいコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを送信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、前記照会するステップが、前記顧客および前記サービスプロバイダ以外の前記サービスに関与する当事者に、通信ダッシュボードを介して特定のコンフィデンシャルサービスアカウントデータを通信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記サービスがマルチロールロイヤルティプログラムであることを特徴とする方法。
【請求項8】
− 各々が顧客と前記顧客がサブスクライブされているサービスとに対応する、複数のサービスアカウントを記憶するための手段と、
− かかる顧客と要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとを認証したときに、サービスアカウントを判断するための判断手段と、
− 前記顧客を認証するための認証手段と、
− 前記サービスアカウントに対応するコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを照会するための照会手段であって、前記照会手段が、前記サービスプロバイダとリアルタイムで通信するように適合され、前記サービスプロバイダが、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供する、照会手段と
を備える、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、
前記認証手段が、前記顧客の認証コードにリンクされた複数の認証手段のうち任意の利用可能な認証手段をハッシングするように適合されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、前記認証手段が、チップカード、磁気ストリップカード、RFIDカード、RFIDタグ、電話、モバイルフォン、Bluetoothデバイス、バーコード、又はMACアドレスのような任意の認証手段から、顧客の認証コードを読み取るための任意の種類のツールを備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項8に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、前記サービスが、バンキングサービス、ロイヤルティプログラム、保証サービス、レンタルサービス、前払いサービス、クーポンサービス、チケット販売サービス、医療サービス、又は行政サービスであることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8〜10の何れか一項に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、前記照会手段が、役割固有のコンフィデンシャルサービスアカウントデータを提供するための通信ダッシュボードを備えることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、前記サービスがマルチロールロイヤルティプログラムであることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項8〜10の何れか一項に記載のユニバーサルアクセスを提供するためのシステムを使用することを特徴とするマルチロールロイヤルティプログラム。
【請求項14】
請求項1〜7の何れか一項に記載のユニバーサルアクセスを提供するための方法を使用することを特徴とするマルチロールロイヤルティプログラム。
【請求項15】
請求項13または14の何れか一項に記載のマルチロールロイヤルティプログラムにおいて、役割ごとに通信ダッシュボードが提供されることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、顧客は、多数のポイントカード、バンクカード、クレジットカード、バッジ、および、たとえば、銀行アカウント、ロイヤリティプログラムアカウントなど、顧客がサブスクライブされているすべての種類のサービスに関連する他の認証手段を収集している。
【0003】
既知の一般的な問題は、そのような多数のカードを維持することは困難であり、また、それらをすべてハンドバッグまたは財布の中に入れて常に携帯することも、サービスを使用するときに、あるいは店舗または銀行を訪れるときに利用可能な正しい有効なカードを確実に持っていることも困難であることである。
【0004】
上記の問題を克服しようとして、米国特許出願第2010/0042517号明細書には、ロイヤリティプログラムアカウントおよび/または金融アカウントへのユニバーサルアクセスを提供するための方法について記載されている。さらに、この特許出願は、複数のロイヤルティアカウントおよび/または金融アカウントにアクセスするためのユニフォームロイヤリティプログラムアカウントデバイスについて記載している。このデバイスは、ロイヤリティプログラムアカウントおよび/または金融アカウントに関するアカウント情報を記憶するように構成された記憶機構を含む。
【0005】
しかしながら、上記方法およびデバイスの欠点は、サービスアカウントと対応するアカウント情報とのコレクションが中央サーバに記憶されることであり、したがって、それは、サービスプロバイダが、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをユニバーサルアクセスシステムと共有しなければならないこと意味する。ほとんどのサービスプロバイダは、プライバシー上の理由およびセキュリティ上の理由により、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを共有することに積極的ではない。
【0006】
上記方法およびデバイスの別の欠点は、サービスプロバイダのデータベースからユニバーサルアクセスシステムデータベース中にサービスアカウントコンテンツを複製しなければならないことであり、それは実際に、メモリ空間の浪費を意味する。
【0007】
さらなる欠点は、サービスアカウントコンテンツの複製がある特定の頻度で実行されるので、顧客が、まだ最新ではないサービスアカウントコンテンツのサービスを使用しようとする状況を回避するために、プロビジョンを実行しなければならないということである。
【0008】
既知の方法およびシステムのさらに別の欠点は、専用のユニバーサル認証手段、たとえば、専用のIDカードを発行しなければならず、顧客は、サービスを利用したいと希望するたびにその認証手段を携帯している必要がある。
【0009】
上記を考慮し、第1の目的として、本発明は、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをユニバーサルアクセスシステムと共有する必要がない、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法およびシステムを提供し、その結果、プライバシー上の問題およびセキュリティ上の問題が低減される、あるいは、最小限に抑えられることさえある。
【0010】
本発明の別の目的は、サービスアカウントコンテンツを複製する必要がない、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法およびシステムを提供することであり、その結果、メモリ空間が節約される。
【0011】
さらに、本発明の目的は、顧客およびサービスプロバイダに最新のサービスアカウントコンテンツを配信する能力を有する、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法およびシステムを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、追加の専用ユニバーサル認証手段を発行する必要がなく、顧客がサービスを利用したいと希望するたびに専用のユニバーサル認証手段を携帯しているかどうかに左右されない方法およびシステムを提供することである。
【0013】
追加の本発明の目的は、ビジネスインテリジェンスアプリケーションの簡単な実装を可能にする、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法およびシステムを提供することである。
【0014】
本発明は、サービスプロバイダとのリアルタイム通信を介してコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントすることによって上記目的を満たし、サービスプロバイダは、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供する。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、
− 各々が顧客と前記顧客がサブスクライブされているサービスとに対応する、複数のサービスアカウントを記憶するステップと、
− サービスを使用するための顧客からの要求を受信するステップと、
− かかる顧客と前記要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとの認証時に、サービスアカウントを判断するステップと、
− 前記サービスアカウントに対応するコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするステップと、
を含む、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、
前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするステップが、前記サービスプロバイダとリアルタイム通信するステップを含み、前記サービスプロバイダが、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供することを特徴とする方法に関する。
【0016】
さらに、本発明は、
− 各々が顧客と前記顧客がサブスクライブされているサービスとに対応する、複数のサービスアカウントを記憶するための手段と、
− かかる顧客と要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとの認証時に、サービスアカウントを判断するための判断手段と、
− 前記サービスアカウントに対応するコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするためのコンサルティング手段と
を備える、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、
前記認証手段が、前記サービスプロバイダとリアルタイムで通信するように適合され、前記サービスプロバイダが、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供することを特徴とするシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明による方法およびシステムの一実施形態を示す。
【
図2】
図2は、本発明による方法およびシステムの別の実施形態を示す。
【
図3】
図3は、本発明によるマルチロールロイヤルティプログラムを示した。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の文脈では、複数のサービスのうち1つのサービスは、任意の種類のサービスであり得、顧客は、たとえば、バンキングサービス、ロイヤルティプログラム、保証サービス、レンタルサービス、前払いサービス、クーポンサービス、チケット販売サービス、医療サービス、行政サービスなどにサブスクライブされ得る。
【0019】
さらに本発明の文脈では、顧客とは、上述したようなサービスを利用しようとする、個人だけでなく、たとえば、家族、クラブ、組合、会社などの人々のグループと理解すべきである。
【0020】
さらに、サービスプロバイダとは、上述したようなサービスを提供するサプライヤと理解すべきである。
【0021】
本発明の文脈では、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツとは、プライバシー上の理由、セキュリティ上の理由、または任意の他の理由で、顧客、サービスプロバイダ、政府などからの認可なしには開示することができないサービスアカウントの任意のコンテンツと理解すべきである。
【0022】
本発明の実施形態によれば、
− 各々が顧客と前記顧客がサブスクライブされているサービスとに対応する、複数のサービスアカウントを記憶するステップと、
− サービスを使用するための顧客からの要求を受信するステップと、
− かかる顧客と要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとの認証時に、サービスアカウントを判断するステップと、
− 前記サービスアカウントに対応するコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするステップと
を含む、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するための方法において、
前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするステップが、前記サービスプロバイダとリアルタイム通信するステップを含み、前記サービスプロバイダが、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供することを特徴とする方法が提供される。
【0023】
サービスプロバイダとのリアルタイム通信時にコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするステップであって、サービスプロバイダにより、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスが可能になる、コンサルタントするステップの第1の利点は、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを、サービスアカウントデータベースと共有する、または、そこに記憶する必要がないことである。顧客と要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとの認証のために必要とされる情報のみがサービスアカウントデータベースに記憶され、それにより、プライバシー上の問題およびセキュリティ上の問題が低減される、あるいは、最小限に抑えられることさえある。
【0024】
別の利点は、サービスプロバイダのデータベースからサービスアカウントコンテンツを複製する必要がなく、それにより、メモリ空間を節約することができる。
【0025】
さらなる利点は、リアルタイム通信およびリアルタイムアクセスに起因して、かかる方法が、顧客およびサービスプロバイダに最新のサービスアカウントコンテンツを配信する能力を有し得ることである。
【0026】
本発明の一実施形態では、顧客の認証は、チップカード、磁気ストリップカード、RFIDカード、RFIDタグ、電話、モバイルフォン、Bluetoothデバイス、バーコード、媒体アクセス制御(MAC)アドレスなどのような任意の利用可能な認証手段から顧客の認証コードをハッシングすることを含み得る。使用されるハッシュアルゴリズムは、認証コードの暗号化に関する最新技術で使用される任意のアルゴリズムとすることができる。顧客は、いつでも複数の認証手段を登録し、それらを同じ認証コードにリンクさせることができ、その認証は、前記顧客の認証コードにリンクされた複数の認証手段のうち任意の利用可能な認証手段をハッシングすることによって行うことができる。
【0027】
顧客の認証コードを任意の利用可能な認証手段からハッシングすることの利点は、追加の専用ユニバーサル認証手段をまったく発行しなくてもよく、顧客がサービスを利用したい希望するたびに専用のユニバーサル認証手段を携帯しているかどうかに左右されないことである。サービスアカウントの判断には、要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダと一緒に必要な認証コードが1つだけなので、顧客は、顧客が選択した認証手段によって、自分自身を認証することが可能になり得る。さらに、顧客が選択した複数の認証手段に顧客の認証コードをリンクさせることによって、顧客は、サービスを使用しようとするときに利用可能なこれらの認証手段のうち1つだけを持っていれば十分である。
【0028】
本発明の方法は、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを、金融アカウントなどの前記顧客の別のサービスアカウントと関連付けることをさらに含み得る。たとえば、コンフィデンシャルサービスアカウント情報をコンサルタントした後、ある程度拡張するために、その情報に応じて顧客の金融アカウントを入出金することができる。
【0029】
本発明による一実施形態では、本方法は、前記サービスプロバイダに新しいコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを送信するステップをさらに含み得る。顧客によるサービスの使用時、好ましくはリアルタイムで、対応するサービスプロバイダに送信され得る新しいコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツが生成され得る。
【0030】
さらに、本発明によれば、
− 各々が顧客と前記顧客がサブスクライブされているサービスとに対応する、複数のサービスアカウントを記憶するための手段と、
− かかる顧客と要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとの認証時に、サービスアカウントを判断するための判断手段と、
− 前記サービスアカウントに対応するコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをコンサルタントするためのコンサルティング手段と
を備える、複数のサービスのうち1つのサービスへのユニバーサルアクセスを提供するためのシステムにおいて、
前記認証手段が、前記サービスプロバイダとリアルタイムで通信するように適合され、前記サービスプロバイダが、前記コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツへのリアルタイムアクセスを提供することを特徴とするシステムが提供される。
【0031】
本発明によるシステムは、前記顧客を認証するための認証手段をさらに備え得る。かかる認証手段は、チップカード、磁気ストリップカード、RFIDカード、RFIDタグ、電話、モバイルフォン、Bluetoothデバイス、バーコード、MACアドレスなどのような任意の認証手段から、顧客の認証コードを読み取るための任意の種類のツールを備え得る。具体的には、かかる認証手段は、プロバイダのポイントオブセール(POS)、チップカードリーダ、磁気ストライプカードリーダ、バーコードリーダ、Bluetooth受信機などに接続されたサービスプロバイダ端末とすることができる。かかる認証手段は、前記顧客の認証コードにリンクされた複数の認証手段のうち任意の利用可能な認証手段をハッシングするように適合され得る。
【0032】
複数のサービスアカウントを記憶するための手段(サービスアカウントデータベースとも呼ばれる)とコンサルティング手段とは、サーバ、ウェブサーバ、またはクラウド中のサーバ上でホスティングされ得る。
【0033】
判断手段は、サーバ、ウェブサーバ、クラウド中のサーバ上でホスティングされ得、あるいは、部分的にはサーバもしくはウェブサーバまたはクラウド中のサーバ上で、部分的にはPOS上でホスティングされ得る。
【0034】
本発明による方法およびシステムは、各サービスアカウントに関する特定の認証手段をこれ以上必要としないという一般的な利点に加えて、顧客がサブスクライブされている各サービスアカウントに関する顧客の認証コードを収集する専用の認証手段さえも必要とされない。サービスアカウントの判断には、要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダと一緒に必要な認証コードが1つだけなので、顧客は、顧客が選択した認証手段によって、自分自身を認証することが可能になり得る。さらに、顧客が選択した複数の認証手段に顧客の認証コードをリンクさせることによって、顧客は、サービスを使用しようとするときに利用可能なこれらの機器のうち1つだけを持っていれば十分である。
【0035】
さらに、顧客が人々のグループのである場合、かかるグループのメンバーに属する複数の顧客認証コードは、同じサービスアカウントにリンクされ得る。たとえば、店舗のロイヤルティプログラムにサブスクライブされている会社に雇用されている従業者は、かかる店舗中の個人として彼ら自身を認証すると、同じロイヤリティプログラムアカウントにリンクされ得る。
【0036】
さらに、本発明による方法およびシステムは、ビジネスインテリジェンス、顧客プロファイリングに基づくセグメント化通信、ミステリーショッピングなどの機能のうちの1つまたはそれらの組合せを提供することができる。
【0037】
ビジネスインテリジェンスに関する特定の実施形態では、コンサルタントをするステップが、コスチューマおよびサービスプロバイダ以外のサービスに関与する当事者に、特定のコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを通信するステップを含む、本発明の方法が提供され得る。コスチューマまたはサービスプロバイダ以外のかかる当事者は、たとえば、製造業者、保険会社などであり得る。
【0038】
特定のコンフィデンシャルサービスアカウントデータを通信するステップは、それらの当事者において通信ダッシュボードによって行われ得る。たとえば、本発明によるシステムおよび方法は、各役割、すなわち、コスチューマ、ロイヤルティサービスプロバイダ、製造業者などが、役割固有のコンフィデンシャルサービスアカウントデータをコンサルタントするための通信ダッシュボードを使用する、マルチロールロイヤルティプログラムにおいて使用され得る。
【0039】
サービスに関与する当事者ごとの通信ダッシュボードを使用することによって、消費者とサービスプロバイダとの間だけでなく、サービスプロバイダとたとえば製造業者との間に、または、消費者と製造業者との間にも通信リンクを設けることができる。各当事者は、自分の専用通信ダッシュボードを介して、特定のサービスの状態を管理することができる。
【0040】
上述したように、顧客と要求されたサービスまたはそのサービスプロバイダとの認証のために必要とされる情報のみをサービスアカウントデータベースに記憶する、すなわち、サービスアカウントデータベースは、サービスプロバイダとPOSと消費者との間のデータストリームを管理するが、それらのサービスプロバイダ、POSおよび消費者のデータベースコンテンツは管理しない。
【実施例】
【0041】
実施例1:
消費者は、自分がサブスクライブされているサービスを、サービスアカウントデータベース(SAD)にハッシュが記憶されている自分のバンクカードにリンクさせる。さらに、コスチューマはまた、自分の携帯電話のハッシュをサービスアカウントデータベースに記憶させる。
【0042】
顧客は、サービスプロバイダの施設にいるとき、顧客がそのときに持っている利用可能なものが何であれ、自分のバンクカードを用いて、または、自分の携帯電話によって自分自身をを認証する。
図1に示すように、サービスプロバイダのポイントオブセール(POS)またはそれに接続されたバンクカード端末(T)上の認証プログラムは、カードまたは携帯電話をハッシングし(矢印1)、SADに照会する(矢印2)。SAD上の判断プログラムはハッシュを認識し、顧客の認証情報および照会の起点に基づいて、SAD中の対応するサービスアカウントを応答する(矢印2)。
【0043】
SADは、サービスプロバイダのデータベース(SPD1、2、3)にリアルタイムで接続し、SADが必要とするコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツを照会する(矢印3)。SADは、コンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツをPOSに提供し(矢印4)、POS上の視覚化システム(図示せず)を介して、それを視覚化し得る。POSは、対応するSPDとサービスの合意に達し、サービスを締結する。(矢印5)。
【0044】
代替的には
図2に示すように、対応するサービスアカウントを受信すると(矢印2)、POSは、それが必要とするコンフィデンシャルサービスアカウントコンテンツについてサービスプロバイダのデータベース(SPD1、2、3)に直接照会し、対応するSPDとサービスとサービスの合意に達し、サービスを結ぶ。(矢印6)。
【0045】
実施例2:
本発明による方法またはシステムを使用するマルチロールロイヤルティプログラムについて以下に記載し、
図3に示す。
【0046】
最初に、消費者は、消費者が選定した認証手段(ID1、ID2、ID3)を登録することができる自分の消費者ダッシュボードを使用する。消費者ダッシュボードは、それらの手段をハッシングする。ハッシュは、SADにストリーミングされ(矢印7)、SADにおいて、ハッシュはすべて同じ消費者認証コードにリンクされる。
【0047】
消費者は自分の消費者ダッシュボードを介して、どのサービスプロバイダ(SPD1、SPD2、SPD3)が、たとえば、製造業者がシステムにリンクされていて、ロイヤルティプログラムを提供するかについてコンサルタントをすることが可能である。消費者は、提供されたロイヤルティプログラム(L1、L2、L3)のいずれかにサブスクライブすることができる。サブスクライブされたロイヤルティプログラムは、SADに記憶され(矢印8)、消費者認証コードにリンクされる。
【0048】
POSにおいて任意の利用可能な認証手段を用いて認証すると、消費者に対応するサービスアカウントと、消費者にサブスクライブされたロイヤルティプログラムとが判断される。POSは、対応する製造業者のSPDとサービスの合意に達する。
【0049】
POSと製造業者の現場の両方で、通信ダッシュボードはリアルタイムで更新され、それにより、POSに、たとえば、製品のストックが減少していることを知らせ、製造者に特定の消費者が自分のロイヤルティプログラムを利用したことを知らせる。SPD(製造業者)は即時に反応することができ、消費者が自分の消費者ダッシュボード上でコンサルタントをすることができる追加のロイヤルティをリアルタイムで送ることができる(矢印9)。