【実施例】
【0079】
以下にて、実施例を結合して本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、当業者が理解できるように、下記の実施例は本発明を説明するだけに用いられ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0080】
本発明の実施例1〜6において、プライマータグ+DNA不完全断片化技術+ Illumina GAシークエンサーによるPair-End 100シークエンシング技術の組み合わせにより、95個のサンプルのHLA-A/Bの第2、3、4エキソン及びHLA-DRB1の第2エキソンの遺伝子をタイピングすることにより(PCR産物の長さは290bp〜500bpの間にある)、当該技術は第2世代シークエンサーのハイスループットと低コストの特徴を十分に発揮できるとともに、シークエンサー自身のシークエンシング長以上の遺伝子断片化のタイピングを図れることが証明されている。
【0081】
原理:解析すべきサンプルをPCR反応させて、HLA-A/Bの第2、3、4エキソン及びHLA-DRB1の第2エキソンのPCR産物の両端にプライマータグを付けることにより、PCR産物のサンプル情報を特異的にマークする。各グループ内のサンプルのHLA-A/B/DRB1の3つの遺伝子座のPCR増幅産物を混合してPCR産物ライブラリーを取得する。得られたPCR産物ライブラリーを超音波により不完全断片化した後、PCR-Freeシークエンシングライブラリーを構築し、シークエンシングライブラリーを2%低融点アガロースゲル電気泳動して、450〜750bpの長さ範囲の間にあるのあらゆるDNAバンドをタッピングして精製回収する(PCR-Freeシークエンシングライブラリーの構築過程中に、DNA断片化の両端にライブラリーアダプターを付加し、その結果、DNA断片化の電気泳動図に体現される長さが実際的な長さよりほぼ250bp長くなっている。よって、ここで450bp〜700bpの断片化の回収は、実際的に、元の長さが200bp〜500bpであるDNA断片化の回収に相当する)。回収されたDNAをIllumina GA PE-100によりシークエンシングを行う。プライマータグ配列から、配列決定されるあらゆるサンプルの配列情報を見出すことができ、それから、既知のDNA断片化の参考配列情報とDNA断片化配列との間のオーバラップ及び連鎖関係に基づいてPCR産物全体の配列を組み立て、HLA-A/B/DRB1の相応するエキソンの標準データベースとの対照結果に基づいて、原PCR産物の全配列を組み立ててHLA-A/B/DRB1の遺伝子タイピングを図ることができる。
【0082】
実施例1
サンプルの抽出
KingFisher自動抽出機器(米国Thermo社)を利用して、95部の既知のHLA-SBTタイピング結果をもつ血液サンプル(中国造血幹細胞ドナーデータベース(以下、「中華骨髄バンク」という)からDNAを抽出する。主なステップは下記の通りである。KingFisher自動抽出機器とセットになる6個のディープウェルプレートと1個のシャローウェルプレートを取り出し、明細書に従い、セットになる所定量の試薬をそれぞれに加えてマークし、要求に応じて、試薬を添加した後のすべてのウェルプレートを相応する位置に置き、「Bioeasy_200ul Blood DNA_KF.msz」とのプログラムを選定し、「star」ボタンを押して当該プログラムを実行して核酸の抽出を行う。プログラムの終了後に、plate Elutionから約100ulの溶離産物を収集したものは抽出されたDNAである。
【0083】
実施例2
PCRの増幅
5’末端に異なるプライマータグを有するPCRプライマーを合成することにより異なるPCRタグプライマーを作製し、これにより、異なるPCRタグプライマーを異なるサンプルに使用することができる。前記PCRプライマーは、HLA-A/Bの第2、3、4エキソン及びHLA-DRB1の第2エキソンを対象とするPCR産物である。その後、PCR反応によりPCR産物の両端にプライマータグを付けて異なるサンプルに由来するPCR産物を特異的にマークする。
【0084】
95部のDNAサンプルを95セットのPCRタグプライマーでそれぞれに増幅し、1セットごとのPCRタグプライマーは1対の双方向プライマータグ(表6)とHLA-A/Bの第2、3、4エキソン(表1)及びHLA-DRB1の第2エキソンを増幅するPCRプライマー(表7)からなる。それぞれの正方向のPCRプライマーの5’末端に1対のプライマータグの正方向プライマータグを結合させ、逆方向のPCRプライマーの5’末端に1対のプライマータグの逆方向プライマータグを結合させる。プライマータグを、プライマーの合成時にPCRプライマーの5’末端に直接的に添加する。
【0085】
実施例1のサンプル抽出ステップで得られた95部のDNAを1〜95に順次に番号をつけ、PCR反応を96ウェルプレート中で行わせ、合計7プレートを有し、それぞれの番号はHLA-P-A2、HLA-P-A3、HLA-P-A4、HLA-P-B2、HLA-P-B3、HLA-P-B4及びHLA-P-DRB1-2である(A2/3/4,B2/B3/B4,DRB1-2は増幅する遺伝子座を表す)。プレート内に、テンプレートを付加しない陰性対照が設置されており、陰性対照用のプライマーはテンプレート1の対応するプライマーと同じである。実験すると同時に、各対のプライマータグに対応するサンプル番号情報を記録する。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表7】
【0086】
表7のD2-F1からD2-Rは、それぞれ、配列番号231〜238に対応している。
D2-F1、D2-F2、D2-F3、D2-F4、D2-F5、D2-F6、D2-F7は、HLA-DRB1遺伝子の第2エキソンを増幅する正方向プライマーであり、D2‐Rは、HLA-DRB1遺伝子の第2エキソンを増幅する逆方向プライマーである。
HLA-A/B/DRB1のPCRプログラムは下記のものである。即ち、
96℃ 2min
95℃ 30s→60℃ 30s→72℃ 20s(32cycles)
15℃ ∞
【0087】
HLA-A/BのPCR反応体系中の下記のあらゆる試薬はいずれもPromega北京生物技術有限公司(Promega)から購入されている。
【表7-A】
【0088】
HLA-DRB1のPCR反応体系は以下のものである。
【表7-B】
【0089】
ただし、PI
nf-A/B/D2-F
1/2/3/4/5/6/7は、プライマーの5’末端にn番目の正方向プライマータグ配列(表6)を付けたHLA-A/B/DRB1のFプライマーを表し、PI
nr--A/B/D2-R
2/3/4は、プライマー5’末端にn番目の逆方向プライマータグ配列を付けたHLA-A/B/DRB1のRプライマーを表す(ここに、n≦95)、その他はこれによって類推する。かつ、各サンプルは特定の1セットのPCRプライマーに対応する(PI
nf-A/B/D2-F
1/2/3/4/5/6/7, PI
nr--A/B/D2-R
2/3/4)。
【0090】
PCR反応をBio-Rad社製のPTC-200 PCR機器上で実行させる。PCRを完了した後、2ulのPCR産物を1%アガロースゲル電気泳動で検出する。
図2は、1番目サンプルのHLA-A/B/DRB1の相応するエキソンのPCR産物の電気泳動結果を示す。DNA分子はDL 2000(Takara社)としてマークされる。タッピング図の中に、断片化の大きさが300bp-500bpである一連の単一バンドが存在しており、1番目サンプルのHLA-A/B/DRB1の各エキソン(A2、A3、A4、B2、B3、B4、DRB1-2)PCRの増幅成功が表明されており、陰性対照(N)には増幅バンドがない。他のサンプルの結果はこれと類似している。
【0091】
実施例3
PCR産物の混合と精製
96ウェルプレートHLA HLA-P-A2の余剰のPCR産物(陰性対照を除く)から20ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-A2-Mixとしてマークし、他の6個の96ウェルプレートに対して同様な操作を行い、それぞれHLA-A3-Mix、HLA-A4-Mix、HLA-B2-Mix、HLA-B3-Mix、HLA-B4-Mix及びHLA-D2-Mixとしてマークし、振動して均一に混合する。HLA-A2-Mix、HLA-A3-Mix、HLA-A4-Mix、HLA-B2-Mix、HLA-B3-Mix、HLA-B4-Mix及びHLA-D2-Mixから200ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-Mixとしてマークし、HLA-Mixから500ulの DNA混合物を取り出してQiagen DNA Purification kit試薬箱(QIAGEN社)によりカラムによる精製を行い(具体的な精製ステップは詳しくは説明書参照)、精製により得られた200ulのDNAを、Nanodrop 8000(Thermo Fisher Scientific社)により測定した結果、HLA-Mix DNAの濃度が48ng/ulである。
【0092】
実施例4
PCR産物の断片化、及びIllumina GA PCR-Freeシークエンシングライブラリーの構築
1.DNAの断片化
精製されたHLA-Mixから総量5ugのDNAを抽出し、AFA繊維製蓋付きのCovaris微小管を用いてConvaris S2DNA断片化機器(Convaris社製)上で断片化する。断片化の条件は下記の通りである。即ち、
【表7-C】
【0093】
2.断片化後の精製
HLA-Mixのあらゆる断片化産物をQIAquick PCR Purification Kitにより回収精製し、それぞれ37.5ulのEB(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0094】
3.末端修復反応
断片化後に精製されたHLA-Mixに対してDNA末端修復反応を行わせる。その体系は以下のものである(試薬がいずれもEnzymatics社から購入されている)。
【表7-D】
反応条件は、恒温混合均一機器(Thermomixer,Eppendorf社製)で20℃の恒温で30min水浴させるということである。
反応産物をQIAquick PCR Purification Kitにより回収精製し、34 μlのEB(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0095】
4.3’末端へのA付加反応
前工程で精製されたDNAの3’末端にAを付加して反応させる。その体系は下記の通りである(試薬がいずれもEnzymatics社から購入されている)。
【表7-E】
反応条件は、恒温混合均一機器(Thermomixer,Eppendorf社製)で37℃の恒温で30min水浴させるということである。
反応産物をMiniElute PCR Purification Kit(QIAGEN社製)により回収精製し、13 μlのEB溶液(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0096】
5.Illumina GA PCR-Freeライブラリーアダプター(adapter)の結合
「PCR-Freeライブラリーアダプター(adapter)」という術語は、設計された一部の塩基であり、その主な作用は、DNA分子のシークエンシング用チップでの固定を補助し、共通のシークエンシングプライマーの結合部位を提供することである。PCR-FreeライブラリーアダプターはDNAリガーゼを介してシークエンシングライブラリー中のDNA断片の両端に直接的に結合することができ、アダプターの導入工程中にPCRは参与しないため、PCR-Freeライブラリーアダプターと呼ばれている。
【0097】
A付加後の産物にIllumina GA PCR-Freeライブラリーアダプターを付加させる。その体系は以下の通りである(試薬がいずれもIllumina社から購入されている)。
【表7-F】
反応条件は、恒温混合均一機器(Thermomixer,Eppendorf社製)で20℃の恒温で15min水浴させるということである。
反応産物をAmpure Beads(Beckman Coulter Genomics)により回収精製し、50ulの脱イオン水に溶解させ、蛍光定量PCR(QPCR)で検出した結果、DNAのモル濃度の結果は以下の通りである。
【表7-G】
【0098】
6.タッピングによる回収
HLA-Mixを30μl取り出して2%低融点アガロースゲルにより回収する。電泳条件は、100V、100minである。DNA markerは、NEB社製の50bp長をもつDNA markerである。長さ範囲が450〜750bpであるDNA断片化をタッピングにより回収する(
図3)。タッピングにより回収された生成物をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)により回収精製し、精製後の体積が32μlであり、蛍光定量PCR(QPCR)により検出されたDNAの濃度結果は10.16nMである。
【0099】
実施例5
Illumina GAシークエンス
QPCRの検出結果により、DNAを10pmol取り出してIllumina GA PE-100プログラムを用いてシークエンスを行う。具体的な取り扱い工程は、詳しくはIllumina GA取扱説明書を参照する(Illumina GA IIx)。
【0100】
実施例6
結果解析
Illumina GAによるシークエンシング結果は、一連のDNA配列であり、シークエンシング結果の中の正逆方向プライマータグ配列及びプライマー配列を見つけることにより、各プライマータグに対応するサンプルHLA-A/B/DRB1の各エキソンのPCR産物のシークエンシング結果のデータベースを構築する。BWA(Burrows-Wheeler Aligner)により、各エキソンのシークエンシング結果を相応するエキソンの参考配列上に位置決めさせると同時に(参考配列由来:http://www.ebi.ac.uk/imgt/hla/)、各データベースの合意性(consensus)配列を構築し、その後、データベースにおけるDNA配列に対して選別及びシークエンシングの誤り補正を行う。補正後のDNA配列は、配列のオーバラップ(overlap)及び連鎖(Pair-End連鎖)関係に基づいてHLA-A/B/DRB1の各エキソンの相応する配列として組み立て可能である。得られたDNA配列を、IMGT HLA専門データベースにおけるHLA-A/B/DRB1の相応する各エキソンの配列データベースと対照を行い、配列の対照の結果が100%で合致しているものは、対応するサンプルのHLA-A/B/DRB1遺伝子型である。
図4を参照して、1番目サンプルのHLA-A遺伝子座の第2エキソンの合意性配列構築工程の断面図を例示的に説明することができる。
【0101】
あらゆる95個のサンプルにつき、得られたタイピング結果は、元の既知のタイピング結果と完全に合致している。その中の1〜32番目サンプルの具体的な結果は下記の通りである。
【表7-H】
【表7-I】
注:HLA-DRB1型の中のDRB1*1201から、DRB1*1206/1210/1217の可能性を除外せず、DRB1*1454からDRB1*1401の可能性を除外することができない。何故なら、前記アレルのHLA-DRB1の第2エキソンでの配列が完全に同じであるからである。
【0102】
実施例7 第2世代シークエンシング技術(Illumina GA)によるHLA-A、BとDRB1の遺伝子タイピング
サンプルの抽出
KingFisher自動抽出機器(サプライヤーの情報を提供されたい)(米国Thermo社)を利用して、95部の既知のHLA-SBTタイピング結果をもつ血液サンプル(中国造血幹細胞ドナーデータベース(以下、「中華骨髄バンク」という)からDNAを抽出する。具体的な方法は実施例1に述べられている通りである。
【0103】
PCRの増幅
サンプル抽出ステップで得られた95部のDNAを1〜950に順次に番号をつけ、10グループに分け、各グループに95部のDNAを有し、それぞれHLA-1、HLA-2、HLA-3、HLA-4、HLA-5、HLA-6、HLAー7、HLA-8、HLA-9、HLA-10としてマークする。各グループサンプルに対して、95セットの双方向プライマータグ(表6)付きの、HLA-A/Bの第2、3、4エキソンを増幅するためのPCRプライマー(表1)及びHLA-DRB1の第2エキソンを増幅するためのPCRプライマー(表7)を利用して95部のDNAサンプルをそれぞれに増幅する。PCR反応を96ウェルプレート中で行わせ、合計70プレートを有し、それぞれの番号はHLA-X-P-A2、HLA-X -P-A3、HLA-X -P-A4、HLA-X -P-B2、HLA-X -P-B3、HLA-X -P-B4及びHLA-X -P-DRB1-2である(「X」はサンプルグループ番号情報1/2/3/4/5/6/7/8/9/10を表し、「A2/3/4、B2/3/4、DRB1-2」は増幅する遺伝子座を表す)。それぞれのプレート内に、テンプレートを付加しない陰性対照が設置されており、陰性対照用のプライマーはPI―1(表1)でマークされるプライマーである。実験すると同時に、各サンプルに対応するサンプルグループ番号情報及びプライマータグ情報を記録する。具体的な方法は実施例2に述べられている通りである。
【0104】
PCR産物の混合及び精製
第「X」グループ(「X」は1/2/3/4/5/6/7/8/9/10である)のサンプルに対して、96ウェルプレートHLA-X-P-A2の余剰のPCR産物(陰性対照を除く)から20ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-X-A2-Mixとしてマークし、第「X」グループのサンプルの他の6個の96ウェルプレートに対して同様な操作を行い、それぞれHLA-X-A3-Mix、HLA-X-A4-Mix、HLA-X-B2-Mix、HLA-X-B3-Mix、HLA-X-B4-Mix及びHLA-X-D2-Mixとしてマークし、振動して均一に混合する。HLA-X-A2-Mix、HLA-X-A3-Mix、HLA-X-A4-Mix、HLA-X-B2-Mix、HLA-X-B3-Mix、HLA-X-B4-Mix及びHLA-X-D2-Mixから200ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-X-Mixとしてマークする。その中からDNA混合物を500ulずつ取り出してQiagen DNA Purification kitによりカラムによる精製を行い(具体的な精製ステップは詳しくは説明書参照)、精製により得られた200ulのDNAを、Nanodrop 8000(Thermo Fisher Scientific社)により測定したDNA濃度につき、他のグループの操作が同じであり、最終的に測定したDNA濃度はそれぞれ下記の通りである。
【表7-J】
具体的な方法は実施例3に述べられている通りである。
【0105】
その後、実施例4に記載の方法によりIllumina GAシークエンシングライブラリーの構築を行う。その中のサンプルグループとライブラリーアダプターとの対応付け関係は以下の通りである。
【表7-K】
【0106】
反応産物をAmpure Beads(Beckman Coulter Genomics)により精製した後、50ulの脱イオン水に溶解させ、蛍光定量PCR(QPCR)で検出した結果、DNAのモル濃度の結果は以下の通りである。
【表7-L】
【0107】
6.タッピング法による回収
HLA-1-Mix 、HLA-2-Mix、HLA-3-Mix、HLA-4-Mix、HLA-5-Mix、HLA-6-Mix、HLA-7-Mix、HLA-8-Mix、HLA-9-Mix及びHLA-10-Mixを等モルで混合し(最終濃度72.13nM/ul)、HLA-Mix-10としてマークし、HLA-Mix-10を30μL取り出して2%低融点アガロースゲルで回収する。電気泳動の条件は、100V、100minである。DNA markerは、NEB社製の50bp長のDNA markerである。450〜750bpの長さ範囲にあるDNA断片化をタッピングして回収する。タッピングして回収された産物をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社)により回収精製し、精製後の体積は32ulとなっており、蛍光定量PCR(QPCR)により検出した結果、DNA濃度の結果は9.96nMである。
【0108】
その後、実施例5及び6に記載の方法によりシークエンシング及び結果解析を行い、あらゆる950個のサンプルにつき、得られたタイピング結果は元の既知のタイピング結果と完全に合致している。
【0109】
実施例8 第2世代シークエンシング技術(Illumina GA)によるHLA-Cの遺伝子タイピング
1.サンプルのDNA抽出
ステップは実施例1と同じである。
【0110】
2.PCRの増幅
ステップは実施例2と同じである。ただ用いられたPCRプライマーはHLA-Cの第2、3、4エキソンを対象とするPCRプライマーであり、表3に示すものである。
【0111】
95部のDNAサンプルを95セットのPCRタグプライマーでそれぞれに増幅し、1セットごとのPCRタグプライマーは、HLA-Cの第2、3、4エキソンを増幅するためのPCRプライマー(表3)と、1対の双方向プライマータグ(下記に記述のものである)からなる。それぞれの正方向のPCRプライマーの5’末端に1対のプライマータグの正方向プライマータグを結合させ、逆方向のPCRプライマーの5’末端に1対のプライマータグの逆方向プライマータグを結合させる。プライマータグを、プライマーの合成時にPCRプライマーの5’末端に直接的に添加する。
【0112】
サンプル抽出ステップで得られた95部のDNAを1〜95に順次に番号をつけ、PCR反応を96ウェルプレート中で行わせ、合計3プレートを有し、それぞれの番号はHLA-P-C2、HLA-P-C3、HLA-P-C4である(C2/3/4は増幅する遺伝子座を表す)。プレート内に、テンプレートを付加しない陰性対照が設置されており、陰性対照用のプライマーはプライマーPI-96と同じである。実験すると同時に、各対のプライマータグに対応するサンプル番号情報を記録する。
【0113】
用いられたプライマータグは表6に列挙されているプライマータグPI-1〜PI-95、及び下記の陰性対照プライマータグPI-96と同じである(表8)。
【表8】
【0114】
ステップ1においてKingFisher自動抽出機器により抽出されたDNAをテンプレートとし、5’末端にタグを付けたHLA-Cの各エキソンのプライマーを単管でPCR増幅を行う。PCRプログラムは以下の通りである。
C2: 96℃ 2分間
95℃ 30s →62℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
C3: 96℃ 2分間
95℃ 30秒 →56℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
C4: 96℃ 2分間
95℃ 30秒 →60℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
【0115】
HLA-CのPCR反応体系は以下の通りである。即ち、
【表8-A】
【0116】
PI
nf-C-F
2/3/4は、プライマーの5’末端にn番目の正方向プライマータグ配列(表2)を付けたHLA-CのFプライマーを表し、PI
nf-C-F
2/3/4は、プライマー5’末端にn番目の逆方向プライマータグ配列を付けたHLA-CのRプライマーを表す(ここに、n≦96)、その他はこれによって類推する。かつ、各サンプルは特定の1セットのPCRプライマーに対応する。
【0117】
PCR反応をBio-Rad社製のPTC-200 PCR機器上で実行させる。PCRを完了した後、2ulのPCR産物を1.5%アガロースゲル電気泳動で検出する。
図6は、前の20個のサンプルのHLA-Cの相応するエキソンのPCR産物の電気泳動結果を示す。DNA分子はDL 2000(Takara社)としてマークされる。タッピング図の中に、断片化の大きさが400bp-500bpである一連の単一バンドが存在しており、この部分のサンプルのHLA-Cの各エキソン(C2、C3、C4)PCRの増幅成功が表明されている。他のサンプルの結果はこれと類似している。
【0118】
PCR産物の混合と精製
96ウェルプレートHLA-P-C2の余剰のPCR産物(陰性対照を除く)から20ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-C2-Mixとしてマークし、他の2個の96ウェルプレートに対して同様な操作を行い、それぞれHLA-C3-Mix及びHLA-C4-Mixとしてマークし、振動して均一に混合する。HLA-C2-Mix、HLA-C3-Mix及びHLA-C4-Mixから200ulずつ取り出して1.5mlのEP管内で混合し、HLA-Mixとしてマークし、HLA-Mixから500ulの DNA混合物を取り出してQiagen DNA Purification kit試薬箱(QIAGEN社製)によりカラムによる精製を行い(具体的な精製ステップは詳しくは説明書参照)、精製により得られた200ulのDNAを、Nanodrop 8000(Thermo Fisher Scientific社)により測定した結果、HLA-Mix DNAの濃度が50ng/ulである。
【0119】
4.Illumina GA PCR-Freeシークエンシングライブラリーの構築
4.1 PCR産物の断片化
精製されたHLA-Mixから総量5ugのDNAを抽出し、Covaris microTube with AFA fiber and Snap-Capを用いてConvaris S2(Convaris社製)上で断片化する。断片化の条件は下記の通りである。即ち、
【表8-B】
【0120】
4.2 断片化後のPCR産物の精製
HLA-Mixのあらゆる断片化産物をQIAquick PCR Purification Kitにより回収精製し、それぞれ37.5ulのEB(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0121】
4.3 末端修復反応
精製された産物に対してDNA末端修復反応を行わせる。その体系は以下の通りである(試薬がいずれもEnzymatics社から購入されている)。
【表8-C】
反応条件は、Thermomixer(Eppendorf社製)で20℃の恒温で30分間水浴させることである。
反応産物をQIAquick PCR Purification Kitにより回収精製し、32 μlのEB(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0122】
4.4 3’末端へのA付加反応
前工程で精製されたDNAの3’末端にAを付加して反応させる。その体系は下記の通りである(試薬がいずれもEnzymatics社から購入されている)。
【表8-D】
反応条件は、Thermomixerで37℃の恒温で30分間水浴させることである。
反応産物をMiniElute PCR Purification Kit(QIAGEN社製)により回収精製し、38 μlのEB溶液(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0123】
4.5 Illumina GA PCR-Freeライブラリーアダプター(adapter)の結合
A付加後の産物にIllumina GA PCR-Freeライブラリーアダプターを付加させる。その体系は以下の通りである(試薬がいずれもIllumina社から購入されている)。
【表8-E】
反応条件は、Thermomixerで16℃の恒温で一夜水浴させることである。
反応産物をAmpure Beads(Beckman Coulter Genomics)により精製した後、50ulの脱イオン水に溶解させ、蛍光定量PCR(QPCR)で検出した結果、DNAのモル濃度の結果は以下の通りである。
【表8-F】
【0124】
4.6 タッピング法による回収
HLA-Mixを30μL取り出して2%低融点アガロースゲルで回収する。電気泳動の条件は、100V、100分間である。DNA 標準分子量マーカーは、NEB社製の50bp長のDNA Ladderである。400〜750bpの長さ範囲にあるDNA断片化をタッピングして回収する(
図7)。タッピングして回収された産物をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社製)により回収精製し、精製後の体積は32ulとなっており、蛍光定量PCR(QPCR)により検出した結果、DNA濃度の結果は17.16nMである。
【0125】
5.Illumina GAシークエンシング
QPCR検出結果により、DNAを10pmol取り出してIllumina GA PE-100プログラムによりシークエンシングを行う。具体的な操作プロセスは詳しくIllumina GA取扱説明書(Illumina GA IIx)を参照されたい。
【0126】
6.結果解析
Illumina GAによるシークエンシング結果は、一連のDNA配列であり、シークエンシング結果の中の正逆方向プライマータグ配列及びプライマー配列を見つけることにより、各プライマータグに対応するサンプルHLA-Cの各エキソンのPCR産物のシークエンシング結果のデータベースを構築する。BWA(Burrows-Wheeler Aligner)により、各エキソンのシークエンシング結果を相応するエキソンの参考配列上に位置決めさせると同時に(参考配列由来:http://www.ebi.ac.uk/imgt/hla/)、各データベースの合意性(consensus)配列を構築する。塩基シークエンシング品質値と、シークエンシング配列とconsensus配列との差異度を結合して、シークエンシング配列に対して選別及びシークエンシングの誤り補正を行う。補正後のDNA配列は、配列のオーバラップ(overlap)及び連鎖(Pair-End連鎖)関係に基づいてHLA-Cの各エキソンの相応する配列として組み立て可能である。
図8の断面図は、2番目サンプルのHLA-C遺伝子座の第2エキソンの合意性配列の構築工程を例示的に説明している。
【0127】
シークエンシングを行うHLA-C内のDNA配列をIMGT HLA専門データベースにおけるHLA-Cの相応する各エキソンの配列データベースと対照を行い、配列の対照の結果が100%で合致しているものは、対応するサンプルのHLA-C遺伝子型である。あらゆる95個のサンプルにつき、得られたタイピング結果は、元の既知のタイピング結果と完全に合致している。その中の1〜32番目サンプルの具体的な結果とサンプルの元のタイピング結果との対照は以下の通りである(例えば表9、全部の検出結果は元の検出結果と同じである)。
【表9】
注:HLA-C型の中のC*0303から、C*0320Nの可能性を除外せず、C*0401からC*0409N/0430の可能性を除外せず、C*0702から、C*0750の可能性を除外せず、C*0801からC*0822の可能性を除外せず、C*1505から、C*1529の可能性を除外することができない。何故なら、前記アレルのHLACの第2、3、4エキソンでの配列が完全に同じであるからである。
【0128】
実施例9 サンガー法(sanger)によるHLA-Cの遺伝子タイピング
1.サンプルDNAの抽出
実施例に記載されているように、KingFisher自動抽出機器で抽出された95部のサンプルのうちの26部の既知のHLA遺伝子型のDNAを抽出する。
【0129】
2.PCR増幅
前記KingFisher自動抽出機器で抽出されたDNAをテンプレートとし、C-F2、C-R2、C-F3、C-R3、C-F4、C-R4合計3対のPCRプライマー(表3)を単管でPCR増幅を行う。各対のプライマーのPCRプログラムは以下の通りである。
C2: 96℃ 2分間
95℃ 30s →62℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
C3: 96℃ 2分間
95℃ 30秒 →56℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
C4: 96℃ 2分間
95℃ 30秒 →60℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
【0130】
HLA-CのPCR反応体系は以下の通りである。即ち、
【表9-A】
PCR産物をアガロースゲル電気泳動により検出した後(
図9)、精製する。
【0131】
3.PCR産物の精製
Millipore精製板を用いてPCR産物を精製する。基本的なステップは下記の通りである。マークペンを用いて、96ウェルPCR産物精製板上に、使用する必要がある孔をマークするとともに、使用する必要がある孔中に50ulの超純水を加え、余剰の孔をシールフィルムで封止し、室温で15分間静かに放置するか、或いは吸引濾過系に接続させ、-10Paで、5分間後に取り外す。抽出濾過系から精製板を取り外すたびに、精製板の底部の液体排出口に残されている液体を吸水紙で吸い込まなければならない。
【0132】
精製すべきPCR産物を4000rpmで1分間遠心させる;精製すべきPCR産物の蓋又はシリコーンマットを開き、各PCR反応体系中に100ulの超純水を加える。その後、精製すべきPCR産物を加えた精製板を吸引濾過系に接続させ、気圧表に-10Paを表示させるまで真空度を調節し、精製板の底部の微小孔再生繊維フィルム上に液体がなくなるまで吸引濾過する。光照射下で観察したら、完全な液体面の反射光沢が見られない。
【0133】
精製すべきPCR産物を有する孔に50ulの超純水またはTEを微小孔再生繊維フィルムに加える;室温下で微量振動器のミッドレンジを用いて精製板を5分間振動し、相応する孔内のすべての液体を新たな96ウェルPCR板の対応する孔へと移す。
【0134】
4.シークエンシング反応を行うとともにシークエンシング反応産物を精製する
以上の精製後のPCR産物をテンプレートとしてシークエンシング反応を行う。
シークエンシング反応の条件
96℃ 2分間
96℃ 10秒 → 55℃ 5秒 → 60℃ 2分 (25個のサイクル)
15℃ ∞
【0135】
シークエンシング反応の体系は以下の通りである。
【表9-B】
【0136】
下記のステップにより、シークエンシング反応産物を精製する。即ち、シークエンシング反応プレートを取り外してトリミングし、3000g下で1分間遠心させる。96ウェルプレートの5μLずつの反応体系に0.125 mol/LのEDTA-Na2溶液を2ul、85%のエタノールを33μL加え、シリコーンマットをカバーし、3分間十分に振動させ、4℃下で3000gで30分間遠心させる。遠心終了後にシークエンシングプレートを取り出してシリコーンマットを開き、シークエンシング反応プレートを吸水紙に反転させて置き、反転遠心させて遠心力が185gになれば、直ちに中止する。96ウェルプレートの各孔に70%のエタノールを50μL加え、シリコーンマットをカバーし1.5分間振動させ、4℃下で3000gで15分間遠心させる。シークエンシング反応プレートを日陰且つ通風のよい場所に30分間放置し、エタノールの匂いがなくなるまで風で乾燥させる。96ウェルプレートの孔ごとに10μLずつ(384ウェルプレートの孔ごとに8μLずつ加える)のHI-DIホルムアミドを加え、シールフィルムで封止し、5秒振動させた後、1000rpmとなるように遠心させる。
【0137】
5.シークエンシング及び結果の解析
精製後のシークエンシング反応産物をABI 3730XL上で毛細管電気泳動によるシークエンシングを行い、シークエンシングピーク図をuTypeソフトウェア(Invitrogen)により解析したところ(
図10)、HLAタイピング結果を取得し、表10に示される通りである。
【表10】
【0138】
実施例10 第2世代シークエンシング技術(Illumina Solexa)によるHLA-DQB1の遺伝子タイピング
実施例8に記載の方法により、94部の既知のHLA-SBTタイピング結果の血液サンプルに対してHLA-DQB1の遺伝子タイピングを行う。異なるところは下記の通りである。
【0139】
94部のDNAサンプルを94セットのPCRタグプライマーでそれぞれに増幅し、1セットごとのPCRタグプライマーは、HLA-DQB1の第2又は第3エキソンを増幅するためのPCRプライマー(表5)と、1対の双方向プライマータグ(下記に記述のものである)からなる。それぞれの正方向のPCRプライマーの5’末端に1対のプライマータグの正方向プライマータグを結合させ、逆方向のPCRプライマーの5’末端に1対のプライマータグの逆方向プライマータグを結合させる。プライマータグを、プライマーの合成時にPCRプライマーの5’末端に直接的に添加する。プライマーは上海Invitrogen会社により合成されている。
【0140】
サンプル抽出ステップで得られた94部のDNAを1〜94に順次に番号をつけ、PCR反応を96ウェルプレート中で行わせ、各サンプルのDQB1の第2、3エキソンは同一の反応孔中で増幅される。プレート内に、テンプレートを付加しない2つの陰性対照が設置されており、陰性対照用のプライマーに対応するタグ番号はPI-95とPI-96である。実験すると同時に、各対のプライマータグに対応するサンプル番号情報を記録する。
【0141】
用いられたプライマータグは表6に列挙されているプライマータグPI-1〜PI-94、及び下記の陰性対照プライマータグPI-95及びPI-96と同じである(表11)。
【表11】
【0142】
HLA-DQB1のPCRプログラムは以下の通りである。
96℃ 2分間
95℃ 30s →60℃ 30秒 →72℃ 20秒 (32個のサイクル)
15℃ ∞
【0143】
HLA-DQB1のPCR反応体系は以下の通りである。即ち、
【表11-A】
【0144】
PInf-Q-F2/3は、プライマーの5’末端にn番目の正方向プライマータグ配列(表1)を付けたHLA-DQB1のFプライマーを表し、PInf-Q-R2/3は、プライマー5’末端にn番目の逆方向プライマータグ配列を付けたHLA-DQB1のRプライマーを表す(ここに、n≦96)、その他はこれによって類推する。かつ、各サンプルは特定の1セットのPCRプライマーに対応する。
【0145】
PCR反応をBio-Rad社製のPTC-200 PCR機器上で実行させる。PCRを完了した後、2ul のPCR産物を1.5%アガロースゲル電気泳動で検出する。
図11は、94個のサンプルのHLA-DQB1の第2+3エキソンのPCR産物の電気泳動結果を示す。DNA標準分子量マーカー(M)はDL 2000(Takara社製)である。
【0146】
3.PCR産物の混合と精製
96ウェルプレートHLA-P-DQB1の余剰のPCR産物(陰性対照を除く)から20ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-Q-Mixとしてマークし均一に混合する。HLA-Q-MixからDNA混合物を500ulずつ取り出してQiagen DNA Purification kitによりカラムによる精製を行い(具体的な精製ステップは詳しくは説明書参照)、精製により得られた200ulのDNAを、Nanodrop 8000(Thermo Fisher Scientific社製)により測定した結果、HLA-Q-Mix DNAの濃度が48ng/ulである。
【0147】
断片化の条件は下記の通りである。即ち、
【表11-B】
【0148】
末端修復反応された反応産物をQIAquick PCR Purification Kitにより回収精製し、34ulのEB(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0149】
3’末端へのA付加反応を行った反応産物をMiniElute PCR Purification Kit(QIAGEN社製)により回収精製し、13 μlのEB溶液(QIAGEN Elution Buffer)に溶解させる。
【0150】
ライブラリーアダプターを付加した反応産物をAmpure Beads(Beckman Coulter Genomics)により精製した後、50ulの脱イオン水に溶解させ、蛍光定量PCR(QPCR)で検出した結果、DNAのモル濃度の結果は以下の通りである。
【表11-C】
【0151】
350〜550bpの長さを有するDNA断片化をタッピングして回収する(
図12)。タッピングして回収された産物を精製した後、蛍光定量PCR(QPCR)により検出した結果、DNA濃度の結果は18.83nMである。
【0152】
6.結果解析
Illumina GAによるシークエンシング結果は、一連のDNA配列であり、シークエンシング結果の中の正逆方向プライマータグ配列及びプライマー配列を見つけることにより、各プライマータグに対応するサンプルHLA-DQB1の各エキソンのPCR産物のシークエンシング結果のデータベースを構築する。BWA(Burrows-Wheeler Aligner)により、各エキソンのシークエンシング結果を相応するエキソンの参考配列上に位置決めさせると同時に(参考配列由来:http://www.ebi.ac.uk/imgt/hla/)、各データベースの合意性(consensus)配列を構築する;塩基シークエンシング品質値と、シークエンシング配列とconsensus配列との差異度を結合して、シークエンシング配列に対して選別及びシークエンシングの誤り補正を行う。補正後のDNA配列は、配列のオーバラップ(overlap)及び連鎖(Pair-End連鎖)関係に基づいてHLA-DQB1の第2、3エキソンの相応する配列として組み立て可能である。
図13の断面図は、7番目サンプルのHLA-DQB1遺伝子座の第2エキソンの合意性配列の構築工程を例示的に説明している。
【0153】
シークエンシングを行うHLA-DQB1の第2、3エキソンのDNA配列をIMGT HLA専門データベースにおけるHLA-DQB1の相応する各エキソンの配列データベースと対照を行い、配列の対照の結果が100%で合致しているものは、対応するサンプルのHLA-DQB1遺伝子型である。
【0154】
あらゆる94個のサンプルにつき、得られたタイピング結果は、元の既知のタイピング結果と完全に合致している。その中の1〜32番目サンプルの具体的な結果は下記表12に示される。
【表12】
【0155】
実施例11 サンガー法(sanger)によるHLA-DQB1の遺伝子タイピング
1.サンプルDNAの抽出
実施例1 に記載されているように、KingFisher自動抽出機器で抽出された94部のサンプルのうちの20部の既知のHLA遺伝子型のDNAを抽出する。
【0156】
2.PCR増幅
前記KingFisher自動抽出機器で抽出されたDNAをテンプレートとし、表5に列挙されているQ-F2及びQ-R2、Q-F3及びQ-R3合計3対のPCRプライマーをそれぞれ単管でPCR増幅を行う。各対のプライマーのPCRプログラムは以下の通りである。
96℃ 2分間
95℃ 30秒 →62℃ 30秒 →72℃ 20秒 (35個のサイクル)
15℃ ∞
【0157】
HLA-QのPCR反応体系は以下の通りである。即ち、
【表12-A】
PCR産物をアガロースゲル電気泳動により検出した後、精製する。
【0158】
3.PCR産物の精製
方法ステップは実施例9と同じである。
【0159】
4.シークエンシング反応を行うとともにシークエンシング反応産物を精製する
方法ステップは実施例9と同じである。
【0160】
5.シークエンシング及び結果の解析
精製後のシークエンシング反応産物をABI 3730XL上で毛細管電気泳動によるシークエンシングを行い、シークエンシングピーク図をuTypeソフトウェア(Invitrogen)により解析したところ(
図15)、HLAタイピング結果を得る。すべての検出結果は元の検出結果と同じである(表13)。
【表13】
【0161】
実施例12 950個のサンプルのHLA-A/B/Cの第2、3、4エキソン及びHLA-DQB1の第2、3エキソンの遺伝子タイピング
本発明の実施例において、プライマータグ、DNA不完全断片化、ライブラリータグ及びPCR-FREEライブラリー構築による Illumina GA Pair-End シークエンシング法により、950個のサンプルのHLA-A/Bの第2、3、4エキソン及びHLA-DQB1の第2、3エキソンの遺伝子をタイピングする(PCR産物の長さは300bp〜500bpの間にある)。これにより、当該技術はシークエンサー自身のシークエンシング長以上の遺伝子断片化に対する遺伝子タイピングを実現できることを証明するとともに、当該発明はHLA遺伝子タイピングを低コスト且つハイスループットで、高正確率且つ高分解能で行えることを証明する。
【0162】
原理:解析すべきサンプルを10グループに分け、各グループのサンプルをPCR反応によりHLA-A/B/Cの第2、3、4エキソン及びHLA-DQB1の第2、3エキソンのPCR産物の両端にプライマータグを付けることにより、PCR産物のサンプル情報を特異的にマークする。各グループ内のサンプルのHLA-A/B/C/DQB1の4つの遺伝子座のPCR増幅産物を等体積で混合してPCR産物ライブラリーを取得する。得られたPCR産物ライブラリーを超音波により不完全断片化した後、PCR-Freeシークエンシングライブラリーを構築し(各グループのサンプルのPCR産物ライブラリーごとに異なるアダプターを1つ付けるから、10個のタグシークエンシングライブラリーを構築する)、10個のタグシークエンシングライブラリーを等モルで混合して混合タグシークエンシングライブラリーを構築し、混合タグシークエンシングライブラリーを2%低融点アガロースゲル電気泳動して、450〜750bpの長さ範囲の間にあるのあらゆるDNAバンドをタッピングして精製回収する。回収されたDNAをIllumina GA PE-100によりシークエンシングを行う。ライブラリータグ及びプライマータグ配列から、配列決定されるあらゆるサンプルの配列情報を見出すことができ、それから、既知のDNA断片化の参考配列情報とDNA断片化配列との間のオーバラップ及び連鎖関係に基づいてPCR産物全体の配列を組み立て、HLA-A/B/C/DQB1の相応するエキソンの標準データベースとの対照結果に基づいて、原PCR産物の全配列を組み立ててHLA-A/B/C/DQB1の遺伝子タイピングを図ることができる。
【0163】
1.サンプルの抽出
KingFisher自動抽出機器(サプライヤーの情報を提供されたい)(米国Thermo社)を利用して、950部の既知のHLA-SBTタイピング結果をもつ血液サンプル(中国造血幹細胞ドナーデータベース(以下、「中華骨髄バンク」という)からDNAを抽出する。具体的な方法は実施例1に述べられている通りである。
【0164】
2.PCRの増幅
サンプル抽出ステップで得られた950部のDNAを1〜950に順次に番号をつけ、10グループに分け、各グループに95部のDNAを有し、それぞれHLA-1、HLA-2、HLA-3、HLA-4、HLA-5、HLA-6、HLA-7、HLA-8、HLA-9、HLA-10としてマークする。各グループサンプルに対して、95セットの双方向プライマータグ(表6)付きの、HLA-A/Bの第2、3、4エキソン(表2)、HLA-Cの第2、3、4エキソン(表4)及びHlA-DQB1の第2、3エキソンを増幅するためのPCRプライマー(表5)を利用して95部のDNAサンプルをそれぞれに増幅する。PCR反応を96ウェルプレート中で行わせ、合計100プレートを有し、それぞれの番号はHLA-X-P-A2、HLA-X-P-A3、HLA-X -P-A4、HLA-X -P-B2、HLA-X -P-B3、HLA-X-P-B4 、HLA-X-P-C2、HLA-X-P-C3、HLA-X -P-C4及びHLA-X-P-DQB1である(「X」はサンプルグループ番号情報1/2/3/4/5/6/7/8/9/10を表し、「A2/3/4、B2/3/4、C2/3/4、DQB1」は増幅する遺伝子座を表す)。それぞれのプレート内に、テンプレートを付加しない陰性対照が1つ設置されており、陰性対照用のプライマーはPI-1(表6)でマークされるプライマーである。実験すると同時に、各サンプルに対応するサンプルグループ番号情報及びプライマータグ情報を記録する。例えば、PI-1、PI-2プライマータグの関連情報は以下の通りである。その他はこれによって類推される。
【表13-A】
【0165】
HLA-A/B/CのPCRプログラムとPCR反応体系は実施例2と同じであり、用いられたHLA-A/Bの相応するエキソンを増幅するためのPCR産物は表2に示されるものであり、用いられたHLA-Cの相応するエキソンを増幅するためのPCR産物は表4に示される通りである。
HLA-DQB1のPCRプログラムは下記の通りである。即ち、
96℃ 2min
95℃ 30s→55℃ 30s→72℃ 20s(32cycles)
15℃ ∞
【0166】
HLA-DQB1の多重(第2、3エキソンをともに増幅する)PCR反応体系は実施例10と同じであり、用いられたHLA-DQB1の相応するエキソンを増幅するためのPCR産物は表5に示される通りである。
【0167】
PI
nf-A/B/C-F
2/3/4及びPI
nf-Q-F2/F3は、プライマーの5’末端にn番目の正方向プライマータグ配列(表6)を付けたHLA-A/B/C/DQB1のFプライマーを表し、PI
nf-A/B/C-R
2/3/4及びPI
nf-Q-R2/R3は、プライマー5’末端にn番目の逆方向プライマータグ配列を付けたHLA-A/B/C/DQB1のRプライマーを表す(ここに、n≦95)、その他はこれによって類推する。かつ、各サンプルは特定の1セットのPCRプライマーに対応する(PI
nf-A/B/C-F
2/3/4, PI
nr-A/B/C-R
2/3/4, PI
nf-Q-F2/F3,PI
nr-Q-R2/R3)。
【0168】
PCR反応をBio-Rad社製のPTC-200 PCR機器上で実行させる。PCRを完了した後、3ulのPCR産物を2%アガロースゲル電気泳動で検出する。
図16は、1番目サンプルのHLA-A/B/C/DQB1の相応するエキソンのPCR産物の電気泳動結果を示す。DNA分子はDL 2000(Takara社)としてマークされる。タッピング図の中に、断片化の大きさが300bp-500bpである一連の単一バンドが存在しており、1番目サンプルのHLA-A/B/C/DQB1の各エキソン(A2、A3、A4、B2、B3、B4、C2、C3、C4、DQB1)のPCRの増幅成功が表明されており、陰性対照(N)には増幅バンドがない。他のサンプルの結果はこれと類似している。
【0169】
3.PCR産物の混合及び精製
第「X」グループ(「X」は1/2/3/4/5/6/7/8/9/10である)のサンプルに対して、96ウェルプレートHLA-X-P-A2の余剰のPCR産物(陰性対照を除く)から20ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-X-A2-Mixとしてマークし、第「X」グループのサンプルの他の9個の96ウェルプレートに対して同様な操作を行い、それぞれHLA-X-A3-Mix、HLA-X-A4-Mix、HLA-X-B2-Mix、HLA-X-B3-Mix、HLA-X-B4-Mix、HLA-X-C2-Mix、HLA-X-C3-Mix、HLA-X-C4-Mix及びHLA-X-DQB1-Mixとしてマークし、振動して均一に混合する。HLA-X-A2-Mix、HLA-X-A3-Mix、HLA-X-A4-Mix、HLA-X-B2-Mix、HLA-X-B3-Mix、HLA-X-B4-Mix、HLA-X-C2-Mix、HLA-X-C3-Mix、HLA-X-C4-Mix及びHLA-X-DQB1-Mixから200ulずつ取り出して3mlのEP管内で混合し、HLA-X-Mixとしてマークする。その中からDNA混合物を500ulずつ取り出してQiagen DNA Purification kitによりカラムによる精製を行い(具体的な精製ステップは詳しくは説明書参照)、精製により得られた200ulのDNAを、Nanodrop 8000(Thermo Fisher Scientific社)により測定したDNA濃度につき、他の9グループの操作が同じであり、10グループのサンプルを測定したDNA濃度はそれぞれ下記の通りである。
【表13-B】
【0170】
4.Illumina GAシークエンシングライブラリーの構築
実施例4に記載されている方法のように、精製後のHLA-X-Mixから総量5ugずつのDNAを取り出して、DNA断片化、断片化後の精製、末端修復反応、3’末端へのA付加反応、Illumina GA PCR-Freeライブラリーアダプター(adapter)の結合をそれぞれに行う。
【0171】
サンプルグループとライブラリーアダプターとの対応付け関係は以下の通りである。
【表13-C】
【0172】
反応産物をAmpure Beads(Beckman Coulter Genomics)により精製した後、50ulの脱イオン水に溶解させ、蛍光定量PCR(QPCR)で検出した結果、DNAのモル濃度の結果は以下の通りである。
【表13-D】
【0173】
6.タッピング法による回収
HLA-1-Mix 、HLA-2-Mix、HLA-3-Mix、HLA-4-Mix、HLA-5-Mix、HLA-6-Mix、HLA-7-Mix、HLA-8-Mix、HLA-9-Mix及びHLA-10-Mixを等モルで混合し(最終濃度70.86nM/ul)、HLA-Mix-10としてマークし、HLA-Mix-10を30μL取り出して2%低融点アガロースゲルで回収する。電気泳動の条件は、100V、100minである。DNA markerは、NEB社製の50bp長のDNA markerである。450〜750bpの長さ範囲にあるDNA断片化をタッピングして回収する(
図17)。タッピングして回収された産物をQIAquick PCR Purification Kit(QIAGEN社)により回収精製し、精製後の体積は32ulとなっており、蛍光定量PCR(QPCR)により検出した結果、DNA濃度の結果は10.25nMである。
【0174】
5.Illumina GAシークエンシング及び結果の解析
実施例5及び6の方法により、シークエンシング及び結果の解析を行う。
各プライマータグに対応するサンプルHLA-A/B/C/DQB1の各エキソンのPCR産物のシークエンシング結果のデータベースを構築する。得られたDNA配列を、IMGT HLA専門データベースにおけるHLA-A/B/C/DQB1の相応する各エキソンの配列データベースと対照を行い、配列の対照の結果が100%で合致しているものは、対応するサンプルのHLA- A/B/C/DQB1遺伝子型である。
図18を参照して、1番目サンプルのHLA-C遺伝子座の第2エキソンの合意性配列の構築工程の断面図を例示的に説明することができる。あらゆる950個のサンプルにつき、得られたタイピング結果は、元の既知のタイピング結果と完全に合致している。その中の1〜32番目サンプルの具体的な結果は以下の通りである。
【表13-E】
【表13-F】
注:HLA-A/B/C遺伝子座のうちの第2、3、4エキソンの配列が完全に同じであるという結果が現れた場合、通常型をとる。
【0175】
本発明の技術的路線を採用して、950部の既知のHLA-SBTタイピング結果のサンプルに対して、HLA-A/B/C/DQB1遺伝子座の遺伝子タイピングを行う。その結果、本発明の技術的路線により得られたタイピング結果は元の結果と完全に一致していることを発見した。
【0176】
本発明の具体的な実施形態について詳細に説明しているが、当業者が理解できるように、開示されたあらゆる教示に基づいて、詳細な箇所に対して様々な補正や置換を行うことができる。これらの変更はいずれも本発明の保護範囲内のものである。本発明の全ての範囲は添付されている請求項及びその任意の同等物から提供されている。
【0177】
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