(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シースアセンブリの前記近位端に位置する係止カラーをさらに含み、該係止カラーは、前記腹腔鏡に摩擦係合し、該シースアセンブリからの該腹腔鏡の軸方向抜脱に抵抗する、請求項1に記載の最適化アセンブリ。
前記腹腔鏡シャフト先端の表面は、前記腹腔鏡の中心軸に対して垂直でない角度に角度が付けられ、該シャフト先端は、下端および上端を有する、請求項1に記載の最適化アセンブリ。
前記管類セット内に位置するインライン圧送デバイスをさらに含み、前記圧送デバイスは、清浄流体を前記偏向器アセンブリまで送達可能である、請求項1に記載の最適化アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実践することを可能にするように詳述され、正確であるが、本明細書に開示される物理的な実施形態は、単に本発明を例示したものであり、他の特定の構造内で具現化されてもよい。好ましい実施形態を説明してきたが、詳細は、それは特許請求の範囲によって定義される、本発明から逸脱することなく変更されてもよい。
【0011】
(I.視界最適化アセンブリ)
(A.概要)
図1A/1Bおよび
図2A/2Bは、腹腔鏡12と関連付けて使用するための視界最適化アセンブリ10の実施形態を示す。
図1A/1Bでは、腹腔鏡12は、0°(鈍頭)のシャフト先端を保有する。
図2A/2Bでは、腹腔鏡は、角度付きシャフト先端(例えば、30°のシャフト先端または45°のシャフト先端)を保有する。視界最適化アセンブリ10の構成要素は、プラスチック材料(押出および/または成形)から作製されてもよいが、金属または複合材料等の他の好適な材料、あるいはそれらの組み合わせを使用することもできる。
【0012】
以下に詳細に説明するように、視界最適化アセンブリ10は、低侵襲手術の間、腹腔鏡レンズの術中の曇り除去、手術破片の偏向、および清浄を促進する一方で、手術部位の可視化も維持する。視界最適化アセンブリ10は、単回使用の使い捨て腹腔鏡アクセサリであることを意図する。視界最適化アセンブリ10は、望ましくは、滅菌手術野への即時的な設定および使用のための滅菌アクセサリである。
【0013】
図1Aおよび2Aに示されるように、視界最適化アセンブリ10は、多管腔シースアセンブリ14を備え、腹腔鏡12のシャフト上を覆うように搭載される。例示される実施形態では、断面
図1Bおよび2Bに示されるように、シース14内に5つの管腔34;36;38;40;および42が存在する。シース14の端部は、対応する腹腔鏡12のサイズおよび構成に一致するように寸法設定および構成され、
図1Aでは鈍頭先端を有し、
図2Aでは角度付き先端を有する。
【0014】
アセンブリ10は、シース14を既存の二酸化炭素(CO
2)送気回路および洗浄液体源72に接続するように、管類セット16を含む。洗浄液体のさらなる詳細は、後述される。シース14の近位端上のマニホールド18は、管類セット16上の簡易交換型連結器22と噛合し、シース14の内部管腔34;36;38;40;および42と流体連通する、管類セット16に簡易的に連結する、簡易交換連結部20を含む。簡易交換連結部20および簡易交換型連結器22のさらなる詳細は、図
15A〜20に示され、後述される。
【0015】
使用の際、視界最適化アセンブリ10は、そのレンズの清浄または曇りを除去する目的で腹腔から腹腔鏡12を除去せずに、手術部位のクリアな可視化を維持するための手術方法の実践を可能にする。さらに、視界最適化アセンブリ10はまた、滅菌手術野全体で異なる動作特性を有する腹腔鏡(例えば、異なる先端角度、長さ、または直径を有する腹腔鏡)の簡易交換を行う能力を含み、滅菌手術野で先在する手術設定に干渉しない、鮮明な可視化を維持するための手術方法を可能にする。視界最適化アセンブリ10は、既存の一式の低侵襲器具類と一体化する。それは、手術設定に干渉せず、外科手術室(OR)チームのプロセスまたは実践の最小の変更を要求する。
【0016】
視界最適化アセンブリ10は、望ましくは、滅菌剥離パウチ内で使用するためにパッケージ化される。パウチは、
図1Aおよび2Aに示されるように、シース14と、シース14に組み立てられ、簡易交換連結部20を含むマニホールド18と、マニホールド18上で簡易交換連結部20と噛合する簡易交換型連結器22を含む、管類セット16と、(随意に)通気デバイス24とを含む、視界最適化アセンブリ10の構成要素を含有する。通気孔デバイス24(
図1Aおよび2Aを参照)は、管を通る気流を制限する、インライン膜62を有する管を備える。管の近位端は、従来のトロカールのストップコック弁に連結するように寸法設定および構成される。使用の際、通気孔デバイス24は、手術腔からのCO
2の制御された漏出を提供する。
【0017】
(B.シース)
図1Aおよび2Aに示されるように、シース14は、規定の先端角度、長さ、および直径を有する、腹腔鏡12を受容するように寸法設定および構成される。シース14の遠位端は、停止部26を含む(図
24および
27に最も良く示される)。停止部26は、シース14の遠位端を越える腹腔鏡12の前進を防止する。停止部26は、腹腔鏡12の遠位端におけるレンズが、シース14の遠位端と所望の略共境界整列状態に静置することを確実にする。
【0018】
シース14はまた、腹腔鏡12に摩擦係合し、シース14からの腹腔鏡12の軸方向抜脱に抵抗する、係止カラー28をその近位端に含む。係止カラー28のさらなる詳細は、図
15A/15B、16A/16Bおよび
21A〜22Dに示され、後述される。
【0019】
使用の際、腹腔鏡12は、手術のための設定の間、手術室看護師によって、シース14内に挿入されることが予期される。次いで、組み立てた腹腔鏡およびシース14は、1つのユニットとして、所望の時間に、手術室(OR)台の要員に手渡される。次いで、腹腔鏡12は、OR台の要員によって、従来の様式で、照明ケーブル(手術野を照明するように光を指向させる)およびカメラケーブル(顕微鏡から画像を取り込み、それをOR内のモニタに表示する)に接続される。シース14は、腹腔鏡12の通常設定に干渉しないように寸法設定および構成される。
【0020】
使用の際、組み立てた腹腔鏡およびシース14は、手術手技を施行しながら、それを視認するために、1つのユニットとして、トロカールを通して体腔(例えば、腹腔)内に配置される。
【0021】
(C.マニホールド)
シース14の近位端におけるマニホールド18は、シース14の壁内に形成される、複数の管腔34;36;38;40;および42と連通する。図
15A
〜15Bに示されるように、マニホールド18は、マニホールド接合部104内に開放する、入口経路30および32を有する簡易交換連結部20を含む。図
15A〜15Bは、マニホールド接合部104内に開放する、入口経路30を示す。図
15A〜15Bはさらに、概して、入口経路30の向かい側にある、マニホールド接合部104内に開放する、入口経路32を示す。使用の際、入口経路30は、滅菌洗浄液体をマニホールド接合部104に輸送するよう意図される。使用の際、入口経路32は、加圧されたCO
2をマニホールド接合部104に輸送するよう意図される。
【0022】
図
17および
20が示すように、マニホールド接合部104およびシース14の近位端マニホールド接合部104内の規定の回転配向において、シース14の近位端に嵌合するようにキーが付けられる。図
17におけるマニホールド側のキーK1は、図
20におけるシース側キーK2を受容する。管腔34;36;38;40;および42の近位端は、シース14の近位端が、規定の回転配向において、マニホールド接合部104内にキー取付け具されると、特定の様式において、入口経路30および32と位置合わせされるように構成される。特定の位置合わせは、シースの内部管腔38とのみ流動連通するように、入口経路30を連結し、それによって、内部管腔38をシース14の遠位端への滅菌洗浄液体の輸送専用にする(図
23参照)。特定の位置合わせは、全残りの内部管腔34;36;40;および42との同時流動連通をするように、入口経路32を連結し、それによって、内部管腔34;36;40;および42をシースの遠位端への加圧されたCO
2の輸送専用にする(図
23参照)。
【0023】
(D.管類セット)
前述のように、管類セット16は、マニホールド18上で簡易交換連結部20と噛合する、簡易交換型連結器22を含む(図
15A/
15Bおよび
16A/
16Bを参照)。管類セット16は、既存のCO
2送気回路に接続する、個々の端部連結器(
図1Aおよび
図2Aに最も良く示される)を有するある長さの可撓性の医療等級管類と、所望に応じて、滅菌手術野上の滅菌洗浄液体(生理食塩水または滅菌水、好ましくは、「表面活性剤」を有する)源72(例えば、袋または注射器)とを含む。管類セット16は、送気CO
2回路を直接トロカールに連結するためのT−コネクタ44を含む。管類46の第1の分岐(
図2A参照)は、T−コネクタ44をトロカールに接続するために使用されてもよい。T−コネクタはまた、送気回路のCO
2出力を簡易交換型連結器22に連結される第2の分岐48に提供する。
図1Aまたは2Aに示されるいずれの配列も、送気回路をトロカールに接続するために使用されてもよい。第2の分岐48とインラインにある、第2のT−コネクタ44’は、後述のように、管類セット16内への空気の噴出の送達を可能にする、圧搾ポンプ74への接続を提供する。トロカールと同様に、圧搾ポンプ74は、直接、T−コネクタ44’に接続される(
図1A)、または管類の使用によって、接続されてもよい(
図2A)。
【0024】
第2の分岐48は、少量のCO
2出力(例えば、20%以下)を、簡易交換連結部20の入口経路32内に噛合するように寸法設定および構成される、簡易交換型連結器22上のオス型連結器80に分流させる。
【0025】
T−コネクタ44’は、
図3A−3Cにより詳細に示される。T−コネクタ44’は、第2の分岐48の第1の部分48aに接続される第1の端部120と、管類16の第2の分岐48の第2の部分48bに接続するために第2の端部122とを有する、弁128を形成する(
図1A参照)。T−コネクタ44’の底面124は、
図1Aおよび2Aに示されるように、圧搾ポンプ74への接続のための継手126を提供する。
【0026】
図3Bに実証されるように、送気器が、通常使用にあるとき、CO
2は、T−コネクタ44’を通って流動するであろう。ボール130は、弁128内に位置し、流動するCO
2の圧力は、ボール130を弁128の底面区画内に維持する。
【0027】
以下にさらに論じられるように、
図3Cは、CO
2の噴出を腹腔鏡のレンズに送達するための圧搾ポンプ74の使用を実証する。圧力が、圧搾ポンプ74に印加され、それによって、ボール130をT−コネクタ44’の第2の端部122内へと上方に移動させ、それによって、瞬間的に、送気器回路からのCO
2の流動を停止し、CO
2の噴出を提供する。
【0028】
図4A−4Cは、滅菌液体源72(
図1A/2A参照)と協働する、圧力放出弁140(また、
図1A/2Aにも示される)を示す。圧力放出弁は、滅菌液体源72への接続を可能にする第1の端部142と、管類70(
図1A/2A参照)への接続のための第2の端部144とを有する。圧力出口146は、圧力放出弁140上に位置し、アセンブリを使用時、過剰なガスの通気を可能にする。圧力出口146は、取着されたドレイン構造であるように示されるが、そのような構造は、放出弁140の一部として、適切に作用するために、出口146に必要なわけではないことを理解されたい。
【0029】
図4Bに示されるように、フラッパ弁148が、圧力放出弁140内に位置し、通常、弁140の第1の端部142を閉鎖し、それによって、滅菌液体源72内へのガスの逆流を防止するために配置される。以下にさらに論じられるように、ガスは、弁140を通って外向きに移動し、圧力出口146を通して流出されるであろう。
【0030】
管類セット16内への流体の注入が所望されると、
図4Cに示されるように、滅菌液体源、すなわち、注射器、72が、前方に押動され、流体を一掃するであろう。印加される圧力は、
図4Bにおける位置から、
図4Cにおける位置へとフラッパ弁148を移動させるであろう。注射器72からの流体は、最適化アセンブリへと送達される一方、圧力出口146は、瞬間的に、閉鎖されるであろう。フラッパ弁148はまた、弁内のシールとして作用する。フラッパ弁148は、
図4Bにおける位置から、
図4Cにおける位置まで移動可能である一方、
図4Cに示される位置にあるとき、正圧シールを維持するように、十分に可撓性でなければならないことが分かっている。すなわち、通常、腹腔鏡下手技の間、使用される圧力、例えば、15mmHgは、フラッパ弁148を4Bにおける位置に維持する力を提供し、フラッパ弁148は、そのような正圧シールを可能にする材料から製造されるべきである。好ましい材料の実施例は、硬度=20 shore Aを有する、シリコーンゴムである。
圧搾ポンプ74および圧力放出弁140の使用は、手技の間、腹腔鏡12が除去される必要なく動作される、本最適化アセンブリ10の能力に寄与する。そのようなプロセスは、空気および清浄流体の使用とその相互作用との間の相互作用は、先行技術によって適切に理解されていなかったため、先行技術アセンブリによって実現されなかった。
図5−14は、本発明に従って行われる手技を実証する。
【0031】
図5は、腹腔鏡下手技の間の通常操作手順における本発明の最適化アセンブリを示す。送気器回路は、CO
2をシステムに送達し、T−コネクタ44’は、
図3Bに示される位置にあって、圧力放出弁140は、
図4Bに示される位置にある。最終的に、手術破片の薄い広がりが、
図6に示されるように、腹腔鏡のレンズ11上に蓄積するであろう。
【0032】
レンズ11から破片を取り除くために、滅菌液体が、
図7に示されるように、レンズに送達される。T−コネクタ44’は、
図3Bに示される位置に残留する一方、圧力放出弁は、
図4Cに示される位置にある。
図8に実証されるように、滅菌液体の放出は、手術破片をレンズ11から除去する。
【0033】
図9に示されるように、通常操作手順の間のCO
2流は、最終的に、腹腔鏡レンズの表面上に泡を形成させ、レンズを通しての視界を妨害し得る。
図10および11は圧搾ポンプ74が圧縮され、それによって、T−コネクタ44’を
図3Cに示される位置まで移動させる様子を示す。圧搾ポンプ74の圧縮は、空気の噴出を、腹腔鏡に向かって、かつレンズにわたって、進行させる。
【0034】
図12に描写されるように、
図9のレンズは、泡が取り除かれ、それによって、レンズを除去および清浄する必要なく、手技を継続可能にする。取り除かれた泡は、
図13に示されるように、システムから、圧力放出弁140を通して、流出するであろう。その結果、
図14に示されるように、破片および泡の両方ともない、レンズ11となる。
【0035】
前述のプロセスは、以前に、先行技術において実現されなかった。特に、清浄液体と組み合わせて、CO
2噴出を使用して、手技の間、腹腔鏡の除去を必要とせずに、
図14に示されるように、クリアなレンズを提供することは、実現されなかった。
【0036】
次に、
図15Aおよび15Bを参照すると、簡易交換型連結器22のオス型連結器80は、管類セット16の第2の分枝48と連通する、一方向逆止弁50を含む。例示される実施形態では、逆止弁50は、ボール弁を備える。送気圧力は、通常、(
図15Bに示されるように)ボール弁50をボール弁座52に対して押下する。マニホールド18の入口経路32内の突起54は、簡易交換型連結器22のオス型連結器80が、マニホールド18上の簡易交換連結部20の入口経路32内に噛合すると(
図16Bに示されるように)、ボール弁50を弁座52から変位させる。ボール弁50が着座していない場合、逆止弁50を通して、入口経路32内へ、したがって、マニホールド接合部104を介して、シース14の全管腔34;36;40;および42内へのCO
2の流動流通を開放する。マニホールド18上の入口経路32への簡易交換型連結器22のオス型連結器80の連結がない場合は、逆止弁50は閉じたままで、通常、第2の分枝48を通してのCO
2流を遮断する。
【0037】
したがって、管類セット16は、シース14のマニホールド18に対する管類セット16の接続から分離かつ独立して、管類セット16を通しての送気トロカールへのCO
2出力全体の供給の設定に適応する。
【0038】
管類セット16はまた、(
図1Aおよび2Aに示されるように)簡易交換型連結器22に接続される、生理食塩水または滅菌水等の滅菌液体源72への接続のために寸法設定および構成された、ある長さの管類70を含む。
【0039】
図1A/2Aに示されるように、滅菌液体管類70は、望ましくは、インライン圧送デバイス72を含む。インライン圧送デバイス72は、OR台における人員によって、需要に応じて、操作され、管類70を通して、滅菌液体の噴出を輸送するように寸法設定および構成される。インライン圧送デバイス72および源は、統合され、例えば、滅菌液体で充填され、生理食塩水管類上の管類ルアーロックによって接続される、20cc注射器を備えることができる。代替として、インライン圧送デバイス72および源は、別個であって、例えば、滅菌液体の袋と、従来の様式で袋との連通を開放するための管類セット16の生理食塩水管類上のスパイク接続とを備えることができる。
【0040】
好ましくは、滅菌液体は、油と水分子との間の界面における表面張力を低減することによって、油および水の混合物(例えば、脂肪)を安定させる、「表面活性剤」を溶液中に含む。
【0041】
図15A/15Bおよび16A/16Bが示すように、管類70は、簡易交換連結部20の入口経路30内に噛合するように寸法設定および構成される、簡易交換型連結器22上のオス型連結器82に滅菌液体を輸送する。オス型連結器82と入口経路30の噛合は、入口経路30内へ、したがって、マニホールド接合部104を介して、シース14の管腔38内への滅菌液体のための流動連通を確立する。
【0042】
図15Aおよび16Aがさらに示すように、簡易交換型連結器22上のバネ付勢ボタン58の上に携持されるラッチ56は、連結器22および連結部20を使用するために相互に確実に係止するように、マニホールド18上の簡易交換連結部20上の戻り止め60内に「クリック留め」され、第2の分枝48を通してCO
2を流すように、逆止弁を開き、管類70を通る滅菌液体のための流動連通を確立する(図
16A/
16Bに示される)。ボタン58を押下することで、簡易交換型連結器22および連結部20が分離され、逆止弁50は、(
図15A/15Bに示されるように)第2の分枝48内への送気圧力に応答して、閉鎖するであろう。
【0043】
管類セット16上の簡易交換型連結器22へのマニホールド18上の簡易交換連結部20の接続は、腹腔鏡12が照明ケーブルおよびカメラケーブルに接続された後に、通常の過程でOR台において生じることが意図される。連結に応じて、一方向逆止弁50が開放され、マニホールド18は、少量のCO
2をCO
2送気回路から指向させる。連結に応じて、マニホールド18はまた、滅菌液体のための流動連通を確立する。管類セット16上の簡易交換型連結器22へのマニホールド18上の簡易交換連結部20の離脱はまた、腹腔鏡12の除去および/または交換後に、通常の過程でOR台において生じることが意図される。
【0044】
(E.係止カラー)
腹腔鏡12は、シース14内へと下方に挿入することができる。シース14は、腹腔鏡12が、シース14を通して、平滑に摺動するように寸法設定および構成される。挿入は、腹腔鏡12のレンズおよび遠位辺縁が、シース14の遠位端において、停止部26に対して着座するまで継続する。腹腔鏡12は、以下により詳細に説明されるように、停止部26に対して、シース14内側において、「底面に達し」、シース14の遠位端に位置する偏向器アセンブリ64とのレンズの正確な軸方向整列を確実にするであろう。
【0045】
腹腔鏡12が、(
図2Aに示されるように)角度が付けられる場合、対応する角度付きシースアセンブリもまた、整列用二叉ガイド78を含むであろう。整列用二叉ガイドはまた、図
15Aおよび
16Aに示される。顕微鏡の照明支柱は、整列用二叉ガイド78内に着座し、したがって、角度付きレンズと偏向器アセンブリ64との間の正確な回転整列を確実にする。
【0046】
腹腔鏡12が、シース14内に完全に挿入され、それと整列させられると、OR設定チームのメンバーは、堅固な停止が、触覚的に感じされるまで(例えば、約3分の1(1/3)の旋回後)、所望の方向、例えば、時計回り方向に、マニホールド18上の係止カラー28を回転することができる(
図21、22Bおよび
22D参照)。加えて、係止カラー28上の整列マークおよびマニホールド18上の整列マークの位置合わせは、腹腔鏡12が、シース14に対する軸方向の移動に対して固着されたことを視覚的に確認する役割を果たすことができる。
【0047】
例示される実施形態では(
図21A参照)、係止カラー28は、マニホールド18上の環状フランジ88に係合する、タブ86と相互作用するコレットによって、回転のために搭載されたグリップハンドル84を備える。偏心開口90は、グリップハンドル84内に形成される。第1の回転位置(
図22Aに示される)では、開口90の軸は、シース14の軸と整列し、開口90を通して、シース14内への腹腔鏡12の自由経路を可能にする。第2の回転位置(
図22Bに示される)では、偏心開口90の軸は、シース14の軸との整列から外れて偏移し、開口90の内部縁は、腹腔鏡12の外壁に摩擦接触する。偏心開口90の周縁を中心として形成されるカットアウト92のパターンは、摩擦接触に対して、バネ弾性を提供する。摩擦接触は、シース14と相対的軸方向移動に対して、腹腔鏡12を固着する。
【0048】
図21Bに示される代替配列では、マニホールド18上の係止カラー28は、従来のコレット機構87を備えることができる。コレット機構87は、グリップハンドル84の回転に応答して、半径方向に閉鎖し、腹腔鏡12のシャフトの周囲にカラーを形成し、シース14と相対的軸方向移動に対して、腹腔鏡12を固着する圧着力を付与する、内側外筒89を含む。シール91はまた、アセンブリを通して、適切な流体流動を保証するために使用される。
【0049】
図22Dおよび22Cに示されるように、ある方向(
図22D参照)における
図21Bのグリップハンドル84の回転は、カラーを閉鎖し、腹腔鏡14に対して、外筒を圧搾し、高静摩擦をもたらす。反対方向(
図22C参照)におけるグリップハンドル84の回転は、カラーを開放し、腹腔鏡14を解放する。
【0050】
(F.偏向器アセンブリ)
(1.CO
2)
シース14は、その遠位端に、偏向器アセンブリ64を含む(鈍頭シャフト先端については、
図23および24、角度付きシャフト先端については、図
26および
27参照)。偏向器アセンブリ64は、シース14の遠位端を越えて、所定の距離だけ突出し、したがって、また、腹腔鏡12の遠位端のレンズを越えて、所定の距離だけ突出する(
図29も参照)。
【0051】
図23/24および26/27に示される実施形態では、偏向器アセンブリ64は、管腔40および42内に挿入されるタブ94を搭載することによって、シース14の遠位端に固着され、それによって、シースの遠位端において、これらの管腔40および42を通るCO
2流を遮断する。偏向器アセンブリ64はまた、偏向器アセンブリ64が、シース14内の管腔34および36と連通するように、管腔34および36内に嵌合し、部分的にそれを占有する、より小型の搭載タブ96を含む。
【0052】
偏向器アセンブリ64は、以下により詳細に説明されるように、管腔34および36を通して、シース14によって輸送される、CO
2の一部を、腹腔鏡レンズ にわたって、所定の流路および流速に指向するように寸法設定および構成される。腹腔鏡レンズにわたるCO
2の流路および流速は、曇りを防止し、また、望ましくは、レンズ上への粒子(湿気および粒子状物質)のエントレインメントまたは堆積を防止し、外科手術の間、腹腔鏡レンズから蒸気および手術破片を偏向させ、エントレインメントを防止する役割を果たす。
【0053】
(2.偏向器アセンブリの物理的、空気圧、および光学特性)
偏向器アセンブリ64のサイズおよび構成は、以下を含む、いくつかの、時として、重複する考慮事項によって画定および制約される。(i)所定の物理的特性。これは、可能な限り低侵襲の手法で手術環境にアクセスする必要性、および最先端腹腔鏡ならびに他の腹腔鏡の手術機器および技術との互換性を保つ必要性により課される。(ii)所定の空気圧特性。これは、腹腔鏡レンズにわたって、CO
2の特定の流路および流速を生成する必要性により課される。(iii)所定の光学特性。これは、腹腔鏡12による視野への干渉の防止および手術野の可視化という必要性により課される。
【0054】
(3.物理的特性)
最先端腹腔鏡器具類および技術と互換性がある低侵襲アクセスのためのサイズおよび構成要件は、最も重要である。これらの要件は、シース14の最小内径ならびにシース14の最大外径に制約を課す。最先端腹腔鏡には、異なるシャフト直径、長さ、およびレンズ構成が提供されるため、シースの寸法および構成は、それらとの適合性のために変化する。視界最適化アセンブリ10は、実際に、異なる種別の腹腔鏡を収容し、使用中である最先端腹腔鏡の群との互換性を可能にするように、個別に寸法設定および構成される一群のシース14/マニホールド18のアセンブリを含む。
【0055】
例えば、最先端腹腔鏡は、10mmの腹腔鏡と、5mmの腹腔鏡と、これらのサイズの範囲内で、0°のシャフト先端、30°のシャフト先端、および45°のシャフト先端とを含む。さらに、これらの腹腔鏡の種別の範囲で、製造公差は、典型的には、顕微鏡間ならびに製造業者間で異なる。所与の腹腔鏡種別のための所与のシース14/マニホールド18(例えば、10mmまたは5mm)は、望ましくは、これらの典型的な製造および製造業者の差異を考慮し、望ましくは、所与の腹腔鏡種別の範囲で直面する最も大きい顕微鏡の差異に適合するように寸法設定および構成される。
【0056】
シース14内の流体流管腔面積を最大化するために、所与のシース14の最小内径は、使用のために選択された特定の最先端腹腔鏡12のシャフトの最大外径に密接に合致しなければならず、シース14は、平滑な摺動嵌合で収容しなければならない。さらに、手術野からの血液および流体の輸送および漏出を回避するように、腹腔鏡シャフトの外径とシース14の内径との間の間隙を最小化しなければならない。さらに、間隙を最小化することはまた、腹腔鏡12がシース14の中で自動的に中心を合わせすることを確実にし、それによって、腹腔鏡レンズを通しての忠実かつ正確な可視化を確実にする。
【0057】
例えば、10mm種別(測定値は、0.392インチ)の典型的な腹腔鏡12の場合、シース14の内径は、0.405インチに製造され、0.0064インチの間隙厚を提供する。5mm種別(測定値は、0.196インチ)の5mm腹腔鏡12の場合、シース14の内径は、0.218インチに製造され、0.011インチの間隙厚を提供する。
【0058】
低侵襲アクセスのためのシース14の最大外径は、トロカールの最小内径を考慮しなければならず、最大外径は、これを超えることができない。すなわち、シース14の外径は、トロカールの内径によって制約さされる。例えば、一実施形態では、5mmシース14は、7mm内径を有するトロカールと組み合わせて使用され、10mmシース14は、12mm直径を有するトロカールと組み合わせて使用される。
【0059】
例えば、測定値が0.509インチである典型的な10mmトロカールの場合、シース14の外径は、0.486インチに製造され、0.0115インチの間隙厚を提供する。測定値が0.324インチである典型的な5mmトロカールの場合、シース14の外径は、0.300インチに製造され、0.012インチの間隙厚を提供する。
【0060】
使用する腹腔鏡の器具類および技術の特定のサイズおよび構成の制約を考慮して、外径を可能な程度に最大化することが望ましい。これは、シース14の内径および外径が、図
29が示すように、ともに、シースの壁厚S
Wを画定するためである。壁厚S
Wは、シース14の長さとともに、次に、シース14によるCO
2および流体の輸送のために利用可能な最大面積を画定する。流体流動管腔またはCO
2の供給専用の管腔の面積は、次に、偏向器アセンブリ64によって指向されるCO
2の最大流速を画定する。流速は、使用のために選択された送気器の出力を考慮して、腹腔鏡12のレンズにわたって、曇りを防止するために十分なCO
2を供給するために、最小において、十分であるべきである。
【0061】
また、CO
2がレンズの曇りを除去する有効性に影響を及ぼすのは、CO
2の含水量である。同じ流速であれば、CO
2中に存在する水が少ないほど、アセンブリの曇り除去容量が大きくなる。さらに、望ましい流速はまた、偏向器アセンブリ64によって指向されるCO
2が曇りを除去し、かつ破片を偏向させるように、外科手術の間、蒸気および手術破片を腹腔鏡レンズの視野から離れて偏向させることに十分であるべきである。
【0062】
従来の送気器と併用するための医療等級CO
2は、典型的には、99%純粋、すなわち、CO
2以外のガスが1%を超えず、そのような医療等級CO
2は、概して、容量あたり25ppmの最大含水量を有する。典型的には、最先端送気器回路は、毎時約20リットルの最高流速でCO
2を送達する。典型的には、送気器回路は、回路内の圧力を感知し、感知圧力が15mmHg以上であるときにはサイクルをオフにし、感知圧力が15mmHgを下回るときにはサイクルをオンにする。概して、手技の間、流速は、手技の約50%に対して、3LPM−7LPMの範囲であって、手技の時間の残りは、腹膜圧を測定することによって決定されることに伴って、流速が上方または下方調節される。
【0063】
前述のシース寸法を考慮し、かつ典型的医療等級CO
2の供給を考慮して、本目的を達成するために、少なくとも毎分約1.0リットルの流速が重要である。前述の寸法および典型的医療等級CO
2の供給を考慮して、毎分0.8リットル未満の流速は、腹腔鏡レンズ上の水分の有意な蓄積を防止するには不十分である。
【0064】
代表的な実施形態では、内径が0.405インチ、外径が0.486インチ、長さが11.25インチ(従来のトロカールを通して、典型的な10mm腹腔鏡の経路およびそれ自体の経路を収容する)(すなわち、S
W=0.081インチであるシース14の場合、シース壁内で利用可能な総面積は、0.056平方インチである。壁内で要求される構造的支持(内側、外側、および半径方向)に基づいて、管腔が流体を輸送するための利用可能総面積は0.027平方インチである。
【0065】
代表的実施形態では、総管腔面積は、5つの管腔34から42によって占有される。各管腔の面積は、管腔幾何学形状の選択によって、最大限にすることができる。代表的な実施形態では、管腔の幾何学形状は、概して、三角形または丸みがあるコーナ部を有するパイ形状である。シース14内で管腔を分離する半径方向壁は、管腔間の間隔を最小化するように寸法設定される。
【0066】
代表的な実施形態では、CO
2の輸送は、シース14の外周を中心として約175度延在し、0.013平方インチの流面積を備える、2つの管腔34および36によって達成される。滅菌液体の輸送は、0.003平方インチの流面積を備える、1つの管腔38によって達成される。
【0067】
(4.空気圧特性)
図29に概略的に示されるように、偏向器アセンブリ64は、所定の横方向距離だけ腹腔鏡レンズから張り出し、シース14の管腔34および36を通って軸方向に(すなわち、腹腔鏡シャフトの軸に沿って)流れるCO
2の方向を、腹腔鏡レンズにわたる非軸横方向経路に変化させることに十分である偏向幅Xを画定する。偏向幅Xの距離は、腹腔鏡レンズの視野を妨げる地点まで延在するべきではない。これは、偏向器アセンブリ64の空気圧特性が光学特性と重複する実施例である。さらなる光学特性を以下にさらに詳しく説明する。
【0068】
また、図
29に示されるように、偏向器アセンブリ64はまた、所定の軸方向距離だけシース14の遠位端を越えて軸方向に突出し、腹腔鏡レンズの十分近く(近位)において、偏向幅Xによって境界される経路に沿って流れるCO
2を維持することに十分である、空気チャネル距離Yを画定する。
【0069】
偏向幅Xおよびチャネル距離Yはともに、偏向アセンブリ64の空気圧特性を画定する。所望の最小流速における空気圧特性は、偏向アセンブリ64の対向側に向かって、腹腔鏡レンズにわたって所望の流速で管腔34および36からCO
2を分流させる流路を生成する(図
24および
27参照)。例示される実施形態では(図
29参照)、管腔40および42は遮断されるため、偏向アセンブリ64の対向側は、終端を備える。腹腔鏡レンズにわたって分流される、管腔34および36からのCO
2は、その流路端おける偏向幅Xおよびチャネル距離Yによって画定される偏向アセンブリ64の対向側において、(すなわち、遮断された管腔40および42によって)別の気流の分流に遭遇する。
図29が示すように、本流路端における気流の分流への再遭遇は、腹腔鏡レンズにわたってCO
2を再指向する役割を果たすことができる。腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越えて、延在する回転渦が生成され得る。回転渦は、レンズにわたって、レンズの曇りを除去するために十分な空気カーテンを生成する。回転渦は、レンズから粒子を誘引する十分な空気速度によって、レンズを越えて配置され、それによって、レンズ上への粒子のエントレインメントまたは堆積を回避する。エントレインメントを回避するために、渦が、レンズから、3時(090)または右側に向かってある方向(顕微鏡を遠位方向に見下ろすとき)に、あるいは9時(270)または左側に向かってある方向(また、顕微鏡を遠位方向に見下ろすとき)、粒子を誘引することが望ましい。
図29が、概して示すように、回転渦は、概してシースの軸を横断する軸を中心として螺旋状に現れる。CO
2は、最終的に、概してシース14の軸に平行に延在する流路内に回転渦を流出し、それをともに粒子を搬送する。
【0070】
(実施例1)
水蒸気(噴霧)の柱が、超音波変換器によって生成され、管を通して流される。シース14の遠位端(偏向アセンブリ64を有する)が、柱上を覆うように配置され、CO
2が、前述のように、偏向アセンブリ64を通して輸送される。
図25Bは、鈍頭シース14上の偏向アセンブリ64の場合の、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越える「渦剪断」効果の存在を実証する写真である。図
28Bは、30°の角度付きシース14上の偏向アセンブリ64の場合の、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越える「渦剪断」効果の存在を実証する写真である。両事例では、偏向された気流は、随伴剪断と、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越えて、結果として生じるクリアゾーンとともに示される。
【0071】
鈍頭端部シース14の場合の回転渦は、
図25A(
図25Bに示される対応する写真を有する)に描写され、角度付きシースの場合の回転渦は、
図28A(
図28Bに示される対応する写真を有する)に描写される。回転渦は、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越えて、「渦剪断」効果をもたらし、シース14の先端またはその近傍の周囲大気を分断し、レンズの平面にわたって、かつそれを越えて(約0.25インチ以上)延在する、クリアゾーンをもたらすことが観察される。渦剪断効果によって生成されたクリアゾーンは、外科手術の間、曇りを防止し、蒸気および手術破片を腹腔鏡レンズの視野から離れて偏向させる。
【0072】
(5.光学特性)
偏向器アセンブリ64の光学特性は、(i)腹腔鏡12によって提供される手術野の照明画像を遮断または低減しない、(ii)手術野上の腹腔鏡12によって提供される照明の強度を減少させない、および(iii)腹腔鏡12のレンズでの照明光の反射を防止するように選択される。
【0073】
前述のように、最大偏向幅Xの距離は、望ましい光学特性のうちの1つを考慮する、すなわち、偏向幅Xの距離は、腹腔鏡レンズの視野を妨げるべきではない。
【0074】
照明の減少を防止するために、偏向器アセンブリ64は、照明ケーブル30を通しての手術野上への光の通過、ならびに腹腔鏡12のカメラケーブル32に輸送される反射画像の経路に干渉しないように、好ましくは、高い光透過性(すなわち、透明度)を有する材料から作製される。
【0075】
さらに、偏向器アセンブリ64の材料および表面仕上げは、光に対して最小の反射をもたらさなければならない。代表的な実施形態では、偏向器アセンブリ64は、SPI/SPE A−3として規定される表面仕上げを有するBayer Makrolen Rx1805から作製される。
【0076】
(6.配向)
前述のように、CO
2の輸送は、シース14の外周を中心として約175度延在する、2つの管腔34および36によって達成される。0°シャフト先端(
図16参照)の場合、腹腔鏡レンズに対する偏向器アセンブリ64の配向は、重要であるとは考えられれない。しかしながら、角度付きシャフト(例えば、30°のシャフト先端および45°のシャフト先端)(
図26参照)の場合、腹腔鏡レンズに対するこの空気圧特性を有する偏向器アセンブリ64の配向は、重要であると考えられる。
【0077】
図26が示すように、典型的腹腔鏡12の角度付き先端は、上端66および下端68を有する。レンズは、上端66と下端68との間において、規定の角度で傾斜する。角度付き先端を有する腹腔鏡12では、照明ケーブル(術野上に光を伝送する)は、角度付き先端の上端66に位置し、カメラケーブル(カメラに反射した光を伝送する)は、角度付き先端の下端68に位置する。前述の空気圧特性を有する角度付き先端に、所望の渦剪断効果を提供するためには、CO
2流が、先端の下端68から(管腔34および36から)、先端の上端66に向かって(終端管腔40および42に向かって)、レンズの傾斜面にわたって指向されるように、偏向器アセンブリ64が、傾斜腹腔鏡レンズに対して配向されることが重要であると考えられる。本構成では、曇り除去および破片の偏向の流路は、カメラケーブルの近位で起こり、ORチームの視界を効果的に包含する。本配列では、「渦剪断」効果は、腹腔鏡レンズの傾斜面にわたって、かつそれを越え、最適な曇り除去および破片偏向を達成する。
【0078】
(G.滅菌液体洗)
前述のように、所望に応じて、管類セット16はまた、(
図1Aおよび2Aに示されるように)簡易交換型連結器22に接続される、生理食塩水または滅菌水等の滅菌液体源72への接続のために寸法設定および構成された、ある長さの管類70を含むことができる。
図1A/2Aに示されるように、滅菌液体管類70は、望ましくは、例示される実施形態では、滅菌液体流体で受点され、生理食塩水管類上に管類ルアーロックによって接続される、20cc注射器を備える、インライン圧送デバイス72を含む。
【0079】
好ましくは、滅菌液体は、油と水分子との間の界面における表面張力を低減することによって、油および水の混合物(例えば、脂肪)を安定させる、「表面活性剤」(界面活性剤)を溶液中に含む。
【0080】
滅菌液体溶液の好ましい形態の1つでは、溶液は、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム(DSS)(また、ドキュセートナトリウムとも称される)、ドキュセートカルシウム、またはドキュセートカリウム等のスルホコハク酸ジオクチル塩を備える。緩衝剤を使用して、中性および安定化されたpH6.5−7.5を提供してもよい。溶液の残りは、注射用水(WFI)のための水を備えてもよい。
【0081】
DSSの割合が高いほど、レンズの正常の清浄の時間は短縮されるが、レンズ上における泡の形成傾向が増加する。反対に、溶液中のDSSの割合が低いほど、泡の形成傾向が低下するが、また、レンズの清浄のための時間は長くなる。本発明は、これらの考慮事項を平衡化する、溶液を提供する。例えば、好ましい調合として、0.05%−0.25%w/vのDSS溶液が挙げられ得、より好ましい範囲のDSSは、0.1%−0.2%w/vの溶液である。
【0082】
好ましい溶液の1つとして、1.5g DSS/1000ml WFI水、2mlリン緩衝剤/1000ml WFI水が挙げられ、溶液の残りの量は、WFI水である。溶液は、0.15% w/v DSS、0.002% w/v緩衝剤を備え、緩衝剤濃度は、0.2Mである。
【0083】
簡易交換型連結器22および簡易交換連結部20が接続されると、インライン圧送デバイス72の動作によって、滅菌液体の噴出が、シース14内の管腔38を通して、シース14の遠位端における偏向器アセンブリ64に指向される。
【0084】
本配列では、偏向器アセンブリ64はまた、腹腔鏡レンズにわたって、所望の経路内における滅菌液体の噴出を指向するように寸法設定および構成される。滅菌液体の噴出は、最終的には、蓄積し得るレンズ端部の破片を洗い流す役割を果たし、それによって、レンズを清浄する。その後、管類セット16内の圧搾ポンプ74(
図1A/2A参照)による、偏向器アセンブリ64に管腔34および36によって供給される空気の噴出は、残留流体液滴をレンズから取り除き、許容可能な視界を維持する役割を果たす。
【0085】
例示される実施形態では(
図24および27を参照)、偏向器アセンブリ64は、複数の個別の分岐チャネル76(3つが示される)に沿って、滅菌液体の噴出を指向する。分岐チャネル76は、腹腔鏡12のレンズにわたって滅菌液体の噴出を扇形パターンで分配する。例示される実施形態では、分岐チャネル76は、概して、CO
2の経路に対して90度である経路に、滅菌液体の噴出を放出する。この、有効なレンズ清浄に最適である、レンズにわたる、CO
2経路に対する滅菌液体経路の配向は、0°のシャフト先端および角度付き先端(例えば、30°のシャフト先端および45°のシャフト先端)の両方に適用される。
【0086】
(II.例示的代替実施形態)
図30から32および33から35は、最先端の腹腔鏡(図示せず)と関連付けて使用するための視界最適化アセンブリ10’の別の実施形態を示す。
図30から32では、視界最適化アセンブリ10’は、0°(鈍頭)シャフト先端を保有する腹腔鏡のためのシャフト14’を含む。
図33から35では、視界最適化アセンブリ10’は、角度付きシャフト先端(例えば、30°のシャフト先端または45°のシャフト先端)を保有する腹腔鏡のためのシャフト14’を含む。角度付きシャフト先端は、鈍頭シャフト先端、すなわち、腹腔鏡の中心軸に垂直なシャフト先端から角度が付けられるように測定される。したがって、30°シャフト先端は、腹腔鏡の中心軸に垂直な平面から、30°角度が付けられるであろう。
【0087】
多くの観点において、
図30から32および33から35に示される視界最適化アセンブリ10の適合性、形態、および機能は、少なくとも、前述のものと同等である。前述のように、シース14’は、複数の内部管腔34’;26’;38’;40’;および42’を備え、多腔型シース14は、腹腔鏡のシャフト上を覆うように搭載されるように寸法設定および構成される。また、前述のように、シャフト14’は、前述(
図15A/16Aに示される)のように、マニホールドを介して、管類セットに連結され、
図1A/2Aに示されるように、シース14’の管腔を既存の二酸化炭素(CO
2)送気回路ならびに洗浄液体源に接続することが意図される。
【0088】
図30から32および33から35に示される実施形態では、シース14’は、その遠位端に、偏向器アセンブリ98を含む。前述の偏向器アセンブリ64のように、偏向器アセンブリ98は、所定の処理だけ、シース14の遠位端を越えて、したがって、また、所定の距離だけ、腹腔鏡12’の遠位端におけるレンズを越えて突出する(
図32および35参照)。
図30から32および33から35に例示される実施形態では、偏向器アセンブリ98は、管腔の任意の1つ内に突出する、任意の搭載タブを必要とせずに、シース14’の遠位先端上に糊着されるように寸法設定および構成される、射出成形部品(
図30および33参照)を備える。したがって、シース14’上への偏向器アセンブリ98の搭載は、いかなるCO
2流容量も犠牲にしない。本配列では、また、任意のCO
2流路に対して、終端が存在しない。CO
2は、シース14内の全4つの管腔34’;36’;40’;および42’によって、偏向器アセンブリ98に輸送することができる。
【0089】
図31および34に示されるように、本配列では、CO
2は、それぞれ、偏向幅Xおよびチャネル距離Yを画定する、偏向器アセンブリ98上に形成される4つの分流領域100から、円周方向に分流される。したがって、CO
2は、約350°の弧に沿って位置する、腹腔鏡レンズにわたって4つの円周方向に離間した領域100によって分流される。残りの管腔38は、既に説明されたように、滅菌洗浄液体を輸送する。
【0090】
例示される実施形態では(
図30および33参照)、CO
2が、腹腔鏡レンズにわたって分流される、偏向器アセンブリ98の中央に画定される開口102は、前述の偏向器アセンブリ64の中心領域内の開口より直径が小さい(例えば、
図23および26を比較)。偏向器アセンブリ98内の中心領域102が小さい(密である)ほど、腹腔鏡レンズにわたって、気流の領域をさらに中心化する。
【0091】
図31および34が示すように、偏向器アセンブリ64上に形成される4つの分流領域100はそれぞれ、偏向幅Xおよびチャネル距離Yを画定し、シース14’の4つの供給管腔34’;36’;40’;および42’を通して、軸方向に流れるCO
2の方向を変化させる。CO
2は、偏向アセンブリ64の対向側に向かって、腹腔鏡レンズにわたって横方向に、約350°の拡大弧に沿って、4つの経路内を流動する。4つの経路のそれぞれ内のCO
2は、偏向アセンブリ64のその個別の対向側において、偏向幅Xおよびチャネル距離Yに遭遇するであろう。これらの流路端における偏向幅Xおよびチャネル距離Yへの遭遇は、腹腔鏡レンズにわたって、CO
2を再指向し、これらの端部において流入する流動に追加することができる(
図27および31参照)。本跳ね返り流動パターンは、前述のように、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越えて、延在し、シース14の先端またはその近傍の周囲大気を分断し、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越えて延在するクリアゾーンをもたらす、1つ以上の回転渦または複数の回転渦のパターンを形成することができる。図
32および
35が、概して示すように、各回転渦は、概して、シース14’の軸を横断する、軸を中心として、螺旋状に現れる。回転渦のアレイは、
図32および35が示すように、相互に交差し、「蝶の羽」状パターンを形成し得る。CO
2は、最終的に、前述の渦実施形態に関して説明されたように、概して、シース14の軸に平行に延在する、流路内に回転渦を流出する。
【0092】
鈍頭端部シース14の場合の回転渦パターンは、
図32に描写されており、角度付きシースの場合の回転渦パターンは、
図35に描写されている。回転渦パターンは、腹腔鏡レンズにわたって、かつそれを越えて、「渦剪断」効果をもたらし、シース14の先端またはその近傍の周囲大気を分断し、レンズの平面にわたって、かつそれを越えて、クリアゾーンをもたらす。前述のように、渦剪断効果によって生成されるクリアゾーンは、外科手術の間、曇りを防止し、蒸気および手術破片を腹腔鏡レンズの視野から離れて偏向させる。
【0093】
(III.回転渦パターンの最適化)
シースの遠位端における渦パターンの生成は、シースの近位端において、望ましい物理的および空気圧条件を適切に確立した結果である。渦パターンは、粒子が、レンズに向かって(堆積またはエントレインメントと呼ばれる状態)ではなく、レンズから離れるように移動されることを確実にする。渦パターンはまた、レンズにわたって、レンズの曇りを除去するために十分なガスカーテンを確立する。
【0094】
(A.5mm腹腔鏡のための例示的シース)
図36Aは、遠位から見たときのシースの代表的実施形態の近位端を示す。本実施形態では、シースは、典型的5mm腹腔鏡を受容するように寸法設定および構成される中心経路を含む。代表的実施形態では、シースの最大外側壁直径(遠位端における)は、0.300インチである。
【0095】
本サイズ構成における、加圧されたCO
2を偏向アセンブリ64に輸送するための管腔34、36、40、および42の配向が、示される。説明の目的のために、管腔40、42、36、および34は、それぞれ、生理食塩水管腔38から反時計回りに1、2、3、および4と番号が付与される。
【0096】
図36Aが示すように、管腔の内側と外側壁との間で測定される管腔1、2、3、および4の半径方向寸法は、等しい(代表的実施形態では、0.020インチ)。しかしながら、管腔1、2、3および4の弧度で表される寸法は、異なる。より具体的には、管腔3および4は、管腔1および2より大きい弧度に沿って延在する。代表的実施形態では、管腔3および4はそれぞれ、83°(接線方向に、0.176インチ)延在する一方、管腔1および2は、71°(接線方向に、0.152インチ)延在する。管腔3および4は、したがって、管腔1および2より容積が大きい。
【0097】
角度付き先端シース(図
26参照)と併用の際、より大きな管腔3および4(すなわち、管腔36および34)は、管腔3および4からのCO
2流が、先端の下端68から先端の上端66に向かって、レンズの傾斜平面にわたって指向されるように、偏向器アセンブリ64との所望の位置合わせにおいて、先端の下端68に配置される。本配列では、曇り除去および破片の偏向の流路は、カメラケーブルの近位で起こり、ORチームの視界を効果的に包含する。本配列では、「渦剪断」効果(
図28A参照)は、腹腔鏡レンズの傾斜面にわたって、かつそれを越え、最適な曇り除去および破片の偏向を達成する。
【0098】
図36Bに示されるように、マニホールド接合部104(図
20参照)内に嵌合されるように寸法設定および構成される、シースの近位端の外側壁は、マニホールド接合部104内に嵌合されると、マニホールド接合部104の内部とトリムされたシースの外側壁との間にプレナムを画定するように、直径が縮小またはトリムされる。プレナムは、管腔1、2、3、および4と連通する。加圧されたCO
2は、生理食塩水のための入口経路30(図
36A参照、また、図
15B/16Bにも示されるように)と180°反対に位置する、入口経路32(
図36A参照、また、
図18にも示されるように)を通して、プレナムに流入する。
【0099】
代表的実施形態では、0.117インチの外側壁が、シースの近位端から測定して0.140インチの軸方向距離(また、「トリム距離」とも呼ばれる)に対して除去され、プレナムを形成する。
【0100】
図36Cが示すように、本代表的実施形態では、加圧されたCO
2は、速度2mm/秒において、入口ポート32を通して、プレナムに流入する。入口ポート32は、反時計回り方向に、加圧されたCO
2気流を同時に管腔2および3内へと指向する。
図36Aから分かるように、管腔3および4の組み合わせられた角リーチは、管腔1および2の組み合わせられた角リーチより大きいため、管腔3は、管腔2より入口ポート32により重複する。
【0101】
加圧されたCO
2は、管腔4に向かって、反時計回り流動方向に、管腔3に流入する。より少ない割合の加圧されたCO
2が、管腔2に流入する。管腔1に到達するためには、管腔1に向かってCO
2を指向するための十分な時計回り逆流が存在しなければならない。
図36A、36Bに示されるプレナムならびに管腔1、2、3、および4のサイズおよび構成を考慮して、図
36Cに示されるように、管腔1、2、3、および4間のプレナム内におけるのCO
2比例配分が生じる。
【0102】
図36Cに示されるように、プレナムは、流入速度2mm/秒において、管腔1、2、3、および4内へと、シースの遠位端における偏向器アセンブリ64を通して、近位CO
2気流を指向する。偏向器アセンブリ64は、0.005インチのチャネルまたは間隙距離Yを含む(
図29参照)。偏向器アセンブリ64は、5mmレンズにわたって、増加した流出速度において、CO
2を指向し、
図25Bおよび28Bに示され、実施例1(5mmシースを試験した)に説明される、所望の回転渦および「渦剪断」効果をもたらす。渦パターンは、粒子をレンズから離し、堆積またはエントレインメントを回避する。渦パターンはまた、レンズにわたって、レンズの曇り除去のために十分なガスカーテンを確立する。
【0103】
(B.10mm腹腔鏡のための例示的シース)
図
37Aは、遠位から見た別のより大型のシースの代表的実施形態の近位端図を示す。本実施形態では、シースは、典型的10mm腹腔鏡を受容するように寸法設定および構成される中心経路を含む。代表的実施形態では、シースの最大外側壁直径(遠位端における)は、0.486インチである。
【0104】
図37Aにおける偏向アセンブリ64への加圧されたCO
2の輸送のための管腔34、36、40、および42の配向は、概して、
図36Aにおけるものと同一であるように示される。
図36Aにおけるように、説明の目的のために、管腔40、42、36、および34は、それぞれ、生理食塩水管腔38から反時計回りに1、2、3、および4と番号が付与される。
【0105】
図37Aが示すように、管腔の内側と外側壁との間で測定される管腔1、2、3、および4の半径方向寸法は、等しい(代表的実施形態では、0.020インチ)。しかしながら、図
36Aに示される実施形態におけるように、弧度において表される管腔1、2、3および4の寸法は、異なる。
図36Aにおけるように、各管腔3および4は、個々に、83°延在し、各管腔1および2は、個々に、71°延在する。
図37Aにおけるシースの直径は、全体的により大きいため、図
37Aにおける同一弧度をより大きな接線寸法に変換する。すなわち、管腔3および4は、接線方向に、0.301インチ延在し、管腔1および2は、接線方向に、0.261インチ延在する。
図36Aにおけるように、
図37Aにおける管腔3および4は、
図36Aの実施形態に関して述べた理由から、
図37Aにおける管腔1および2より容積が大きい。
【0106】
図37Bに示されるように、マニホールド接合部104(図
20に示されるように)内に嵌合されるように寸法設定および構成される、シースの近位端の外側壁は、(
図36Bにおけるように)直径が縮小またはトリムされる。トリムされた直径は、個別のマニホールド接合部104内に嵌合されると、マニホールド接合部104の内部とシースとの間にプレナムを画定する。プレナムは、管腔1、2、3、および4と連通する。
【0107】
図37Bに示される代表的実施形態では、0.140インチの外側壁は、シースの近位端から測定して、0.140インチの軸方向距離(また、「トリム距離」とも呼ばれる)に対して除去され、プレナムを形成する。
【0108】
概して、
図36Cに関して説明されるように、加圧されたCO
2は、流入速度2mm/秒において、入口ポート32を通して、
図37Bに示されるプレナムに流入する。入口ポート32は、反時計回り方向に、加圧されたCO
2気流を同時に管腔2および3内に指向する。
図37Aおよび37Bから分かるように、管腔3および4の組み合わせられた角リーチは、管腔1および2の組み合わせられた角リーチより大きいため、管腔3は、管腔2より入口ポート32とより重複する。
【0109】
前述のように、プレナム内では、加圧されたCO
2は、管腔4に向かって、反時計回り流動回転において、管腔3に流入する。より少ない割合の加圧されたCO
2が、管腔2に流入する。管腔1に到達するためには、管腔1に向かってCO
2を指向するために、十分な時計回り逆流が存在しなければならない。しかしながら、次の実施例2が実証するように、
図37Aおよび37Bにおけるより大きな割合のプレナムならびに管腔1、2、3、および4を考慮して、プレナムによるCO
2の方向および偏向は、管腔内の気流速度の相違の観点において、ならびに最大と最小気流速度との間の差異の観点から、均一ではない。すなわち、気流速度は、0.1m/秒(管腔1における)から0.7m/秒(管腔4における)ならびに0.9および1.0m/秒(管腔2および3における)に変動し、測定されるCO
2の最大気流速度(管腔2における)は、測定される最小気流速度(管腔1における)の8.5倍である。シースの遠位端における偏向アセンブリ64を通して、流出速度の増加を被るが(0.005インチの縮小されたチャネルまたは間隙距離Yのため)、近位プレナム全体内のCO
2の方向および偏向ならびに分布は、管腔1、2、3、および4において均一ではない。プレナム全体内の不十分に均一なCO
2の方向および偏向ならびに分布は、2つの望ましくない結果をもたらす。すなわち、(i)回転渦が、生成されない、および/または(ii)低圧面積が生成され、レンズに向かって破片を牽引し、堆積またはエントレインメントを生じさせる。
【0110】
(実施例2)
種々のシース(デバイス1から7と識別される)が、異なるサイズおよび構成を有する遠位プレナムとともに構築された。これらは、以下の表1に説明される。
【0112】
【表1-2】
加圧されたCO
2は、流入圧力15mmHgおよび流速14L/分において、各デバイス1から7のプレナム内に輸送された。各個々の管腔から流出する気流速度(m/秒)は、熱線風速計を使用して測定した(シースの遠位端には、不良アセンブリはない)。
【0113】
測定された気流速度は、以下の表2に列挙される。
【0114】
【表2】
次に、偏向アセンブリ64をデバイス1から7の遠位端に取着した。偏向器アセンブリ64は、0.005インチの縮小されたチャネルまたは間隙距離Yを含む(
図29参照)。偏向アセンブリを有するデバイス1から7は、異なる先端構成、すなわち、鈍頭先端(0°)および角度付き先端(30°および45°)を有する従来の10mm腹腔鏡と噛合された。CO
2は、流入圧力15mmHgおよび流入流速14L/分において、偏向アセンブリ64を通して輸送された。各デバイス1から7の場合、偏向アセンブリから流出するCO
2の流速(L/分)は、熱線風速計を使用した気流速度(m/秒)と同様に、Omega DAQシステムと併せて測定されるデジタル流量計を使用して測定された。
【0115】
実施例1に説明されるように、水蒸気(噴霧)の柱が、超音波変換器によって生成され、管を通して流された。デバイス1から7の遠位端(偏向アセンブリ64を有する)は、CO
2が、偏向アセンブリ64を通して輸送されることに伴って、柱上を覆うように配置された。水蒸気の柱は、回転渦の有無のために観察された。5mmシースの場合の回転渦の存在は、
図25Bおよび28Bに示される。
【0118】
【表3-2】
表2に実証されるように、デバイス1から4のプレナム内のCO
2分布(それぞれ、
図37B;38A;38B;38C)が、比較可能であった。全デバイス1から4において、管腔2および3が、CO
2の大部分を受容し、他の2つの管腔1および4は、ほとんど受容しなかった。管腔1は、常に、最低気流速度を有していた。プレナム内のCO
2の方向および偏向ならびに分布は、均一ではなかった。他の管腔で測定された最大気流速度は、管腔1で測定された最小気流速度の6から13倍であった。
【0119】
これらの構成では、CO
2は、管腔1から離れるように、反時計回り回転において、マニホールドからシースへと、プレナム内を進行する。CO
2が、管腔1内およびそれを通して進行するためには、反時計回り方向、すなわち、流動に対抗して進行する必要がある。図
36Bおよび
36Cに示される5mmプレナムの割合は、回転渦を支持するために十分に、プレナム内で指向および偏向し、反時計回りおよび時計回り流動を分布させた。しかしながら、表3に実証されるように、
図37B;38A;38B;38Cに示される10mmプレナムのより大きいサイズの割合は、回転渦を支持するために十分に均一に、プレナム内で指向および偏向し、反時計回りおよび時計回り流動を分布させなかった。さらに、エントレインメントが、発生した。
【0120】
デバイス5(
図38D)では、管腔1および2は、デバイス1(
図37)におけるように、0.140のトリム距離を有していたが、デバイス1と異なり、デバイス5における管腔3および4は、トリム距離を含んでいなかった。
【0121】
表2におけるデバイス5に関して観察された結果では、デバイス1のように、管腔2および3は、CO
2の大部分を受容し、他の2つの管腔1および4は、ほとんど受容していなかった。しかしながら、デバイス5では、管腔4は、最低気流速度を有していた(デバイス1の逆)。また、デバイス1から4において観察されたように、プレナム内のCO
2の方向および偏向ならびに分布は、均一ではなかった。デバイス5では、他の管腔における最大気流速度は、管腔4における最小気流速度の15場合であった(比較のため、デバイス1では、他の管腔における最大気流速度は、管腔1における最小気流速度の8.5倍であった。デバイス1から4では、差異は、最大13倍まで及んだ)。
【0122】
デバイス5は、プレナム内の任意のトリム距離の不在が、影響を受ける管腔内の気流速度の有意な低下につながり得ることを実証する。これは、プレナムの存在が有益であることを実証する。
【0123】
デバイス5では、デバイス1から4におけるように、10mmプレナムのサイズおよび構成は、
図38Dに示されるように、回転渦を支持するために十分に均一に、プレナム内で指向および偏向し、反時計回りおよび時計回り流動を分布させなかった。依然として、さらに、エントレインメントが生じた。
【0124】
デバイス6(図
39)では、プレナムは、管腔2および3において拡大され、空気分配器が、管腔1と2との間のプレナム内に留置された。デバイス1(
図37B)と比較して、デバイス6で測定された最大気流速度(管腔3では、1.0m/秒)は、低下し、管腔が変化した(デバイス1では、最大気流速度は、管腔2では、1.7m/秒であった)。デバイス1から4と比較して、最小気流速度に顕著な改善はなく(管腔1では、0.1m/秒)、最大と最小気流速度との間の差異は、大きかった(10倍)。図
39に示される10mmプレナム内の空気分配器の存在は、渦が発達することに伴って、プレナム内のCO
2流の方向および偏向を変化させた。しかしながら、渦は、有益ではなかった。すなわち、二重渦が存在したが、乱流であった。さらに、エントレインメントが持続した。
【0125】
デバイス7(
図40A)では、空気分配器が、管腔2と3との間のプレナム内に留置され、プレナムは、全管腔において、トリム距離0.140インチで均一にされた。したがって、デバイス7は、管腔2と3との間に空気分配器が追加されたデバイス1(
図37B)を備える。デバイス7における空気分配器の存在は、デバイス1と比較して、改善され、より均一な気流速度を伴って、管腔3および4に供給するために十分なプレナム内における反時計回りCO
2流を促進した。デバイス7における空気分配器の存在はまた、デバイス1と比較して、より均一な気流速度によって、管腔1および2に供給するために十分なプレナム内におけるCO
2の時計回りCO
2逆流を増大させた。気流速度間の改善された均一性はまた、最大と最小気流速度との間の差異に関しても認知された。デバイス7における最大気流速度(管腔3における)は、デバイス1における8.5倍の差異と比較して、最小気流速度(管腔1における)の僅か2.5倍であった。
【0126】
デバイス1から7の遠位端で測定された流出速度を列挙する、表3のデータを見ても、望ましい結果が、デバイス7において達成されたが、望ましくない結果が、デバイス1から6では達成された理由について決定することは困難である。
【0127】
デバイス1から7の近位プレナムにおいて指向、偏向、および分布されるCO
2の気流速度を列挙する、表2のデータでは、シースの近位端におけるCO
2の偏向および方向ならびに分布の均一性は、所望の渦効果が、シースの遠位端において達成されるであろうという予測を提供することが理解され得る。10mmシースにおいて、改善され、かつより均一な気流速度(それぞれ、1.0および0.7)を伴って、管腔3および4に供給するために十分なプレナム内における改善された反時計回りCO
2流を促進したのは、デバイス7の近位構成であった。より均一な気流速度(それぞれ、0.9および0.4)を伴って、管腔1および2に供給するために十分なプレナム内におけるCO
2の増大された時計回りCO
2逆流を促進したのも、デバイス7の近位構成であった。デバイス7における気流速度間の改善された均一性はまた、最大と最小気流速度との間の差異に関しても存在した。デバイス7における最大気流速度(管腔3における)は、デバイス1における8.5倍の差異と比較して、最小気流速度(管腔1における)の僅か2.5倍であった。デバイス7における管腔2および3内の均一気流速度はまた、本位置において、管腔2および3によって輸送されるCO
2が、偏向アセンブリから流出するため、9時(090)の左側位置における渦の所望の配置と相関する。
【0128】
前述の実施例2は、シースの遠位端における望ましい渦パターンの生成が、シースの近位端における望ましい物理的および空気圧条件を適切に確立する結果であることを実証する。このように生成される、望ましい渦パターンは、粒子が、レンズから取り除かれ、レンズ上に堆積または同伴されないことを確実にする。生成される望ましい渦パターンはまた、レンズにわたって、レンズの曇りを除去するために十分なガスカーテンを確立する。
【0129】
(IV.結論)
本明細書に説明されるような視界最適化アセンブリは、外科手術の間、水滴が、腹腔鏡の端部に形成するのを防止する。さらに、視界の縮小し、時間を浪費し得る、焼灼または他のエネルギー源から噴霧された破片が、レンズ上に定着する傾向を低減または排除する。本明細書に説明されるような視界最適化アセンブリは、清浄のために、腹腔から顕微鏡を除去する必要なく、腹腔鏡のレンズから曇りを除去し、破片を偏向させることによって、妨害されていない腹腔鏡下術野を外科医にもたらす。